JP3379014B2 - プッシュアップ工法およびその装置 - Google Patents

プッシュアップ工法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁や建築構造物
等を吊り上げ扛重して建設する際のプッシュアップ工法
およびそのために使用される仮設支柱としての伸縮可能
なプッシュアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】橋梁や建築構造物等を建設する際の仮設
支柱としてのプッシュア装置すなわちベントとして、従
来から図8に示すようなものが一般に使用されていた。
図8(A)に示した従来型は最も多用されるもので、一
辺の長さが2m、高さが25m程度のベントを形成する
のに、トラッククレーン等を用いて柱部材や繋ぎ部材等
で各部品を組み立てながら積層するものである。図8
(B)に示したものはユニットブロックを積層していく
ものであるが、ユニットブロックを最下部から挿入して
油圧、スクリュージャッキ、ラック・ピニオンあるいは
ロープ操作にて積み上げていくものである。図8(C)
に示したテレスコープ型は、サイズを異にしたユニット
ブロックを油圧やロープ操作によって積層していくもの
である。図8(D)に示したパンタグラフ型は、四辺形
に設置されたリンクの形状を油圧操作によって変形さ
せ、パンタグラフ機能によって所定高さのベントを得る
ものである。図8(E)に示す脚立型は文字通り大型の
脚立を作業現場にて起立させるものである。
【0003】ところが、このようなベントにあって、図
8(A)の従来型では柱部材や繋ぎ部材等の多数の部品
を現場にて組み付けていくために、建方や解体作業に時
間を要する(t当たり1.0〜1.5人工)他、数組の
部品を用意する必要から煩雑で部品の運搬性にも劣るも
のであった。また、図8(A)〜(E)のものではベン
トの装置自体あるいは使用状態への建方のためのジャッ
キ、クレーン等の揚重装置も大容量のものが必要であっ
た。特に、図8(B)、(C)のものについてはベント
をユニットブロック毎に分割してはいるものの、ユニッ
トブロック自体も比較的重量がありその積み上げには大
型の揚重装置を必要としていた。
【0004】このため、本件出願人は、前記従来のベン
トにおける諸課題を解決して、作業現場での揚重装置に
よる組立作業が少なく、かつ小型の揚重装置にても高さ
を容易に調整しつつ組立が可能で、しかも軽量で作業性
に優れ、工期の短縮とコスト低減も図られるテレスコー
プ型ベントを提案した(特開平10−252285号公
報)。図9によってこのテレスコープ型ベントを簡単に
説明すると、建築構造物等の仮設支柱として使用される
テレスコープ型ベント21において側面に多数のピン孔
28・・・が所定間隔にて穿設された複数組の角形鋼管
21A、21B、21Cをサイズの大きな外側鋼管の中
に順次スライド可能に挿入すると共に、外側鋼管に設け
られた高さ調整ピンを内外鋼管のピン孔28に選択的に
挿入することによって内側鋼管の出し入れ長さを選定す
るように構成したことを特徴とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かくして、前記テレス
コープ型ベントは現場にて単に複数組の角形鋼管を順次
スライドするだけでよいので、揚重装置による組立作業
も格段に少なく、部品を紛失することも殆どなくなっ
た。しかしながら、このテレスコープ型ベントは構造物
である屋根等を載置したまま仮設支柱を押し上げるもの
ではなく、クレーン等を用いてテレスコープ式に組み込
まれた複数の鋼管を内側から順次抜き出して、予め所定
の高さに引き上げておくものであるため、屋根等の構造
物は仮設支柱であるテレスコープ型ベントと別途に組み
付ける必要があって、テレスコープ型ベント共々その扛
重組立には依然として比較的大型の揚重装置が必要であ
った。
【0006】そこで、本発明では、前記本件出願人によ
るテレスコープ型ベントをさらに改良して、より小型の
簡便な吊上げ部材にても容易かつ確実に構造物共々伸縮
サポートを構築することができるプッシュアップ工法お
よびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、地上
に構築された櫓状のガイドタワー内に配設された複数の
径の異なる管部材を嵌合してなる伸縮サポートの前記各
管部材を、ガイドタワー上に設置した吊上げ部材により
最外周の管部材から順次繰り出して吊り上げ、伸長位置
にて各管部材間をピン部材によって固定することによ
り、前記伸縮サポートの上部に固定した構造物を扛重す
るようにしたことを特徴とするものである。また本発明
は、地上に櫓状に構築されたガイドタワーと、該ガイド
タワー内に配設された複数の径の異なる管部材を嵌合し
てなり扛重すべき構造物を上部に固定する伸縮サポート
と、前記管部材を最外周のものから順次繰り出して吊り
上げるガイドタワー上に設置された吊上げ部材と、前記
各管部材の伸長位置での位置を固定すべくこれらの管部
材を連結するピン部材とから構成されたことを特徴とす
るものである。 また本発明は、前記吊上げ部材が、管
部材に固縛されガイドタワーにガイドされるガイドリン
グを介して管部材を吊り上げるように構成されたことを
特徴とするものである。また本発明は、前記吊上げ部材
が、ジャッキとワイヤあるいはロッドから構成されたこ
とを特徴とするものである。また本発明は、前記吊上げ
部材が、ウインチとワイヤおよび複数の滑車から構成さ
れたことを特徴とするもので、これらを課題解決のため
の手段とするものである。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1〜図6は本発明のプッシュアップ工
法およびその装置の第1実施の形態を示すもので、図1
(A)は伸縮サポータの伸縮前後を示す要部の正面図、
図1(B)は伸縮サポータの伸長前の要部の正面図、図
2はガイドタワーの斜視図、図3(A)は管部材のピン
部材による固定状態を示す断面図、図3(B)はその正
面図、図4は構造物のプッシュアップ前後の正面図、図
5は構造物の平面図、図6は構造物のプッシュアップ工
程の正面図である。本発明のプッシュアップ工法および
その装置は橋梁や屋根等の建築構造物等を建設する際の
仮設のガイドタワーとして使用されるもので、図1に示
すように、地上Gに構築された櫓状のガイドタワー1内
に配設された複数の径の異なる管部材2A、2B、2C
を嵌合してなる伸縮サポート2の前記各管部材2A、2
B、2Cを、ガイドタワー1上に設置した吊上げ部材4
および7により順次繰り出して吊り上げ、伸長位置にて
各管部材2A、2B、2C間をピン部材19(図3)に
よって固定することにより、前記伸縮サポート2の上部
に固定した構造物3を扛重するようにしたことを特徴と
する。図1に例示したものでは、管部材として大きなサ
イズの外管サポート2A、中位のサイズの中管サポート
2Bおよび小さいサイズの内管サポート2Cの3種類の
角形鋼管が順次スライド可能に挿入されて伸縮サポート
2を構成しているが、伸縮サポート2を構成する管部材
の数および断面形状は適宜選定される。
【0009】図2はガイドタワーの斜視図であり、地上
に構築された4本脚の櫓状を呈して構成され、該ガイド
タワー1内にはほぼ中央部に鉛直方向に複数の径の異な
る管部材2A、2B、2Cを嵌合してなる伸縮サポート
2が配設されており、伸縮サポート2とガイドタワー1
の脚部との間には、伸縮サポート2を構成する各管部材
2A、2B、2Cに選択的に固縛されガイドタワー1の
脚部にガイドローラ12によってガイドされる上部ガイ
ドリング6および下部ガイドリング8が上下動自在に配
設される。ガイドタワー1の天板であるガイドフレーム
5上には一対のジャッキ4が対照的に設置され、該ジャ
ッキ4と前記ガイドリング6あるいは下部ガイドリング
8との間をワイヤあるいはロッド7によって連結して吊
上げ部材が構成される。図示の例では、図1(A)に示
すように、大きなサイズの外管サポート2Aを最初にプ
ッシュアップし、次に中位のサイズの中管サポート2
B、小さいサイズの内管サポート2Cと順次繰り出して
く。
【0010】図3に示すように、伸縮サポート2を構成
する各管部材2A、2B、2Cである角形鋼管の4つの
側面にはそれぞれ多数のピン孔15が穿設され、各ピン
孔15の周囲には補強板である補強部材18が添設され
る。また強度上許容されるなら、これらのピン孔15は
必ずしも各角形鋼管の4つの側面全てに設けられなくて
もよい。前記複数組の管部材2A、2B、2C間にはス
ライド金物兼用の隙間調整金物17が配置され、外側管
部材に対する内側管部材のスライドさせての出し入れが
円滑になされるとともに、自立する伸縮サポート2の横
揺れ等に伴う安全性や信頼性に不安を残さないように管
部材間の隙間を充填するように構成される。なお、スラ
イド金物兼用の隙間調整金物17は内側管部材の下部2
段に設けてあるが、段数は適宜必要に応じて選定され
る。かくして、図1(A)に示すように、ガイドタワー
1におけるガイドフレーム5上に設置した吊上げ部材
4、7およびガイドリング6、8により伸縮サポート2
を構成する各管部材2A、2B、2Cを順次繰り出して
吊り上げ(2A’、2B’の状態)、伸長位置にて各管
部材間をピン部材19を整合するピン孔15、15に挿
入することよって固定し、前記伸縮サポート2の上部に
固定した構造物3を扛重することができる。
【0011】図4は構造物のプッシュアップ前後の正面
図、図5は構造物の平面図であり、図6(A)に示すよ
うに、地上Gの構築すべき建築物の周囲位置には外側屋
根構造物9A、9Bが構築され、中央位置には仮設支柱
11によって仮設床板10が設置される。図6(B)に
示すように、該仮設床板10上にて例えば内側屋根構造
物3を構築した後、仮設床板10の両側位置に本発明に
なる伸縮サポート2を配設したガイドタワー1、1を構
築して、これら伸縮サポート2の上部に前記内側屋根構
造物3を固定する。次いで、伸縮サポート2における各
管部材を、ガイドタワー上に設置した吊上げ部材により
順次繰り出して吊り上げ、伸長位置にて各管部材間をピ
ン部材によって固定(手動でも電動による自動制御でも
よい)することにより、前記伸縮サポート2の上部に固
定した構造物である内側屋根構造物3を扛重して、外側
屋根構造物9A、9Bに整合させた状態にてこれらを連
結して屋根構造物が構築される。なお、前記内側屋根構
造物3と外側屋根構造物9A、9Bとは同時進行で構築
しても構わない。
【0012】図7は本発明のプッシュアップ工法および
その装置の第2実施の形態を示すもので、本実施の形態
では、ガイドタワー1におけるガイドフレーム5上に設
置した吊上げ部材が、ウインチ13とワイヤ16および
複数の滑車14A、14B群、14C群から構成された
ことを特徴とするものである。吊上げ部材における滑車
14B群を下部ガイドリング8に固定し、ワイヤ16を
滑車14B群、14C群間に数度張設して、ウインチ1
3を小さな牽引力にて回動するだけで、ガイドリングを
介して伸縮サポート2における各管部材2A、2B、2
Cを順次繰り出して吊り上げることができる。
【0013】以上、本発明の各実施の形態について説明
してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、管部材の形状、
組込段数、断面形状、ピン孔の形状、数、間隔、ピン部
材の形状およびその管部材への設置形態、ガイドタワー
の形式、ガイドタワーと伸縮サポートとの関連構成、ガ
イドリングの形状およびその管部材ないし吊上げ部材で
あるワイヤやロッドへの固縛ないし固定形態、伸縮サポ
ートと構造物との固定形態、ジャッキあるいはウインチ
等の形式、滑車の配設形態等については適宜採用が可能
である。
【0014】
【発明の効果】以上、詳細に説明してきたように本発明
によれば、地上に構築された櫓状のガイドタワー内に配
設された複数の径の異なる管部材を嵌合してなる伸縮サ
ポートの前記各管部材を、ガイドタワー上に設置した吊
上げ部材により最外周の管部材から順次繰り出して吊り
上げ、伸長位置にて各管部材間をピン部材によって固定
することにより、前記伸縮サポートの上部に固定した構
造物を扛重するようにしたので、外側の管部の内部に順
次径の小さな管部材が収納されていることにより、作業
現場への輸送の際には多くの容積を占めることがなく効
率的な搬送が可能であり、単純で軽量な複数の径の異な
る管部材のスライド作業のみがその作業工程の大部分を
占め、作業現場での揚重装置による組立作業が少なく、
かつガイドタワー上に設置したジャッキ等の吊上げ部材
である小型の揚重装置にても高さを容易に調整しつつ組
立が可能なため、作業性に優れて、大幅な工期の短縮と
コスト低減が可能となったプッシュアップ工法が実現で
きた。
【0015】また、地上に櫓状に構築されたガイドタワ
ーと、該ガイドタワー内に配設された複数の径の異なる
管部材を嵌合してなり扛重すべき構造物を上部に固定す
る伸縮サポートと、前記管部材を最外周のものから順次
繰り出して吊り上げるガイドタワー上に設置された吊上
げ部材と、前記各管部材の伸長位置での位置を固定すべ
くこれらの管部材を連結するピン部材とから構成された
ことにより、台車等を使用して継ぎ足しブロック等の機
材を持ち込む必要がなく、ガイドタワー内に配設された
伸縮サポートにおける各管部材を単に吊上げ部材により
順次繰り出して吊り上げるだけで構造物を扛重して構築
することができるので、作業効率が格段に向上して、構
造が簡単で設備コストが低廉で、仮設材として準備する
場合でも品数を増やす必要のない優れたプッシュアップ
装置が実現できた。さらに、前記吊上げ部材が、管部材
に固縛されガイドタワーにガイドされるガイドリングを
介して管部材を吊り上げるように構成されたことによ
り、伸縮サポートにおける各管部材をがたつくことなく
円滑に移動させることができることとなった。
【0016】さらにまた、前記吊上げ部材が、ジャッキ
とワイヤあるいはロッドから構成された場合は、従来の
もののように大型クレーン等を使用せずとも、ありふれ
た通常の小型で安価なジャッキとワイヤあるいはロッド
にて吊上げ部材を構成することができるので、装置がよ
り低廉となる。また、前記吊上げ部材が、ウインチとワ
イヤおよび複数の滑車から構成された場合は、ウインチ
を小さな牽引力にて回動するだけで、伸縮サポートにお
ける各管部材を順次繰り出して吊り上げることができ
る。かくして、より小型の簡便な吊上げ部材にても容易
かつ確実に構造物共々伸縮サポートを構築することがで
きるプッシュアップ工法およびその装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプッシュアップ工法およびその装置の
第1実施の形態を示すもので、図1(A)は伸縮サポー
タの伸縮前後を示す要部の正面図、図1(B)は伸縮サ
ポータの伸長前の要部の正面図である。
【図2】同、ガイドタワーの斜視図である。
【図3】同、図3(A)は管部材のピン部材による固定
状態を示す断面図、図3(B)はその正面図である。
【図4】同、構造物のプッシュアップ前後の正面図であ
る。
【図5】同、構造物の平面図である。
【図6】同、構造物のプッシュアップ工法による工程の
正面図である。
【図7】本発明のプッシュアップ工法およびその装置の
第2実施の形態を示すもので、ガイドタワーの斜視図で
ある。
【図8】従来の各種ベントを例示した図である。
【図9】本件出願人によるテレスコープ型ベントの提案
例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・ガイドタワー 2・・・伸縮サポート 2A・・・外管サポート(管部材) 2B・・・中管サポート(管部材) 2C・・・内管サポート(管部材) 3・・・内側屋根構造物(構造物) 4・・・ジャッキ(吊上げ部材) 5・・・ガイドフレーム 6・・・上部ガイドリング 7・・・ワイヤ、ロッド(吊上げ部材) 8・・・下部ガイドリング 9・・・外側屋根構造物 10・・・仮設床板 11・・・仮設支柱 12・・・ガイドローラ 13・・・ウインチ 14・・・滑車 15・・・ピン孔 16・・・ワイヤ 17・・・隙間調整金物 18・・・補強部材 19・・・ピン部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/16 E04B 1/35

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上に構築された櫓状のガイドタワー内
    に配設された複数の径の異なる管部材を嵌合してなる伸
    縮サポートの前記各管部材を、ガイドタワー上に設置し
    た吊上げ部材により最外周の管部材から順次繰り出して
    吊り上げ、伸長位置にて各管部材間をピン部材によって
    固定することにより、前記伸縮サポートの上部に固定し
    た構造物を扛重するようにしたことを特徴とするプッシ
    ュアップ工法。
  2. 【請求項2】 地上に櫓状に構築されたガイドタワー
    と、該ガイドタワー内に配設された複数の径の異なる管
    部材を嵌合してなり扛重すべき構造物を上部に固定する
    伸縮サポートと、前記管部材を最外周のものから順次繰
    り出して吊り上げるガイドタワー上に設置された吊上げ
    部材と、前記各管部材の伸長位置での位置を固定すべく
    これらの管部材を連結するピン部材とから構成されたこ
    とを特徴とするプッシュアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記吊上げ部材が、管部材に固縛されガ
    イドタワーにガイドされるガイドリングを介して管部材
    を吊り上げるように構成されたことを特徴とする請求項
    2に記載のプッシュアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記吊上げ部材が、ジャッキとワイヤあ
    るいはロッドから構成されたことを特徴とする請求項2
    または3に記載のプッシュアップ装置。
  5. 【請求項5】 前記吊上げ部材が、ウインチとワイヤお
    よび複数の滑車から構成されたことを特徴とする請求項
    2または3に記載のプッシュアップ装置。
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