JP3394689B2 - 止水シ―ル材 - Google Patents

止水シ―ル材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、独立気泡または独
立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体を用い
た定型の止水シ―ル材に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム発泡体は、すぐれたクツシヨン性を
有し、クツシヨン材、パツト材などの用途に有用であ
る。発泡構造体における独立気泡と連続気泡とを比較す
ると、前者は気泡間が立体格子状に隔壁で仕切られた構
造であるのに対して、後者は上記仕切られた一連の気泡
間の隔壁が除去された構造であり、後者の方が力学的に
変形させやすい。しかし、連続気泡は止水作用を全く期
待できないのに対し、独立気泡は気泡間の隔壁のために
反発応力による止水作用を期待できる。
【0003】独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発
泡構造体(以下、半独半連の発泡構造体ということもあ
る)は、連続気泡に基づく易変形性による複雑な間隙へ
の充填作業の容易性と、独立気泡に基づく止水性をとも
に期待できるため、複雑な間隙に充填して使用する定型
の止水シ―ル材として適している。
【0004】しかし、独立気泡の発泡構造体や半独半連
の発泡構造体を止水シ―ル材として使用する場合、時間
の経過により、発泡構造体としての反発応力が緩和さ
れ、これに伴つて発泡構造体と被着体界面との接触面圧
が低下し、この界面沿いに水漏れが発生して、止水機能
を果たさなくなることがある。この問題の解決のため、
発泡構造体の両面に粘着剤層を設けて、被着体界面を接
着シ―ルする方法が考えられている。しかるに、粘着剤
層としてアクリル系またはゴム系の一般の粘着剤を用い
ると、これらの粘着剤は組み付けと同時に接着力を発現
するため、位置直しが難しく、シ―ル作業に支障をきた
しやすい。
【0005】そこで、本発明者らは、独立気泡の発泡構
造体や半独半連の発泡構造体に設ける粘着剤層として、
ポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ―を主成分としたも
のを用いることにより、この粘着剤層がタツクを持たな
いため、直ちには接着せず、したがつて、位置直しが容
易で組み付け作業を支障なく行うことができ、しかも組
み付け後は発泡構造体の反発力によつて徐々に接着し、
発泡構造体の表面と止水する部位の界面とのシ―ル性が
著しく高まることを知り、これを特願平8−23210
8号に係る発明として、既に提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの引き続く研究によると、上記提案の止水シ―ル材
であつても、高温での長期使用という厳しい条件下で
は、その使用中にシ―ル性がしだいに低下する場合があ
ることを知つた。本発明は、このような事情に照らし、
上記提案の止水シ―ル材をさらに改良して、シ―ル性に
一段とすぐれた定型の止水シ―ル材を得ることを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、高温下での長期使用とい
う厳しい条件下では、発泡構造体の種類により、この構
造体中のある種の成分がポリカ―ボネ―ト構造を持つポ
リマ―を主成分とした粘着剤層に移行する現象がみら
れ、これに起因して上記粘着剤層が劣化して接着性の低
下が起こり、これに伴いシ―ル性が低下してくることを
究明した。
【0008】本発明者らは、この究明に基づき、さらに
検討を加えた結果、発泡構造体上にポリカ―ボネ―ト構
造を持つポリマ―を主成分とした特定の粘着剤層を設け
るにあたり、その下層としてゴム系やアクリル系などの
他の粘着剤層を設けるようにしたときに、上層粘着剤層
の非タツク性により組み付け作業などの改善をはかれる
一方、下層粘着剤層により発泡構造体からの移行成分が
阻止されて、上層粘着剤層の劣化を回避でき、その際、
下層粘着剤層に上記成分が移行してもそれによる劣化な
どの不利益はとくにみられず、結局、上層粘着剤層単独
の場合よりもシ―ル性がより向上し、とくに高温下での
長期使用という厳しい条件下でも高いシ―ル性が得られ
ることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明は、独立気泡または独立
気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体の少なく
とも一方の面に、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―
ボネ―ト構造を持つポリマ―としてポリエステルを含む
粘着剤組成物からなる層を最表面に有する多層構造の粘
着剤層が設けられていることを特徴とする止水シ―ル材
(請求項1)に係るものである。また、本発明は、上記
発泡構造体の一方の面にポリカ―ボネ―ト構造を持つポ
リマ―としてポリエステルを含む粘着剤組成物からなる
層を最表面に持つ多層構造の粘着剤層が設けられている
とともに、反対側の面に上記の粘着剤組成物とは異なる
粘着剤層が設けられている上記構成の止水シ―ル材(請
求項2)を提供できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において多層構造の粘着剤
層の最表面には、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―
ボネ―ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物が用い
られる。ここで、上記のポリカ―ボネ―ト構造を持つポ
リマ―の分子量は、重量平均で1万以上、好ましくは3
万以上、より好ましくは5万以上(通常30万まで)で
あるのがよい。
【0011】上記のポリマ―には、ポリカ―ボネ―トジ
オ―ル(またはその誘導体)とジカルボン酸とから合成
されるポリエステル、ポリカ―ボネ―トジカルボン酸と
ジオ―ルとから合成されるポリエステルなどがあり、と
くにポリカ―ボネ―トジオ―ルとジカルボン酸とから合
成されるポリエステルが好ましい。
【0012】このポリエステルは、ポリカ―ボネ―トジ
オ―ルを必須としたジオ―ル成分と炭素数が2〜20の
脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカ
ルボン酸を必須としたジカルボン酸成分とを、常法にし
たがい、無触媒または適宜の触媒を用いてエステル化反
応させることにより、得られるものである。この反応に
際し、ジオ―ル成分とジカルボン酸成分とは、得られる
ポリエステルの分子量が前記範囲となるように、当モル
反応とするのが望ましいが、エステル化反応を促進する
ために、どららかを過剰に用いて反応させてもよい。
【0013】ここで用いられるポリカ―ボネ―トジオ―
ルは、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するジオ―ル
で、数平均分子量は、400以上、好ましくは900以
上(通常1万まで)であるのがよい。具体的には、ポリ
ヘキサメチレンカ―ボネ―トジオ―ル、ポリ(3−メチ
ルペンテンカ―ボネ―ト)ジオ―ル、ポリプロピレンカ
―ボネ―トジオ―ル、これらの混合物や共重合物などが
ある。市販品としては、ダイセル化学工業(株)製の
「PLACCEL CD205PL」、「同CD208
PL」、「同CD210PL」、「同CD220P
L」、「同CD205HL」、「同CD208HL」、
「同CD210HL」、「同CD220HL」などが挙
げられる。
【0014】ジオ―ル成分としては、必要により、エチ
レングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ブタンジオ―
ル、ヘキサンジオ―ル、オクタンジオ―ル、デカンジオ
―ル、オクタデカンジオ―ルなどの直鎖状のジオ―ルや
分枝状のジオ―ルなどを併用してもよい。これらのジオ
―ルは、ジオ―ル成分全体の50重量%以下、好ましく
は30重量%以下の使用量とするのがよい。また、ポリ
マ―を高分子量化するために、3官能以上のポリオ―ル
成分を少量添加してもよい。
【0015】また、ジカルボン酸成分は、炭素数が2〜
20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とし
たもので、上記の炭化水素基が直鎖状のものでも分枝状
のものであつてもよい。具体的には、コハク酸、メチル
コハク酸、アジピン酸、ピメリツク酸、アゼライン酸、
セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テト
ラデカン二酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロフタル酸、これらの酸無水物や低級アルキ
ルエステルなどが挙げられる。
【0016】本発明では、通常、このようなポリエステ
ルをはじめとするポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ―
を適宜の手段で架橋処理して、耐熱性などの耐久性にす
ぐれたタツクのない粘着剤組成物とすることができる。
架橋方法は任意でよいが、一般に、ポリエステルなどの
ポリマ―に含まれる水酸基および/またはカルボキシル
基と反応しうる官能基を有する化合物を添加して反応さ
せる、いわゆる架橋剤を用いる方法が望ましい。架橋剤
には、ポリイソシアネ―ト化合物、エポキシ化合物、ア
ジリジン化合物、金属キレ―ト化合物、金属アルコキシ
ド化合物などがあるが、とくにポリイソシアネ―ト化合
物が好ましく用いられる。
【0017】ポリイソシアネ―ト化合物としては、エチ
レンジイソシアネ―ト、ブチレンジイソシアネ―ト、ヘ
キサメチレンジイソシアネ―トなどの低級脂肪族ポリイ
ソシアネ―ト類、シクロペンチレンジイソシアネ―ト、
シクロヘキシレンジイソシアネ―ト、イソホロンジイソ
シアネ―トなどの脂環族ポリイソシアネ―ト類、2,4
−トリレンジイソシアネ―ト、4,4´−ジフエニルメ
タンジイソシアネ―ト、キシリレンジイソシアネ―トな
どの芳香族ポリイソシアネ―ト類などがあり、そのほか
に、トリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソシアネ―
ト付加物やヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物など
も用いられる。
【0018】これらの架橋剤は、その1種を単独でまた
は2種以上の混合系で使用できる。使用量は、架橋する
べきポリエステルなどのポリマ―とのバランスにより、
また粘着剤組成物の使用目的により、適宜選択される。
一般には、ポリエステルなどのポリマ―100重量部に
対して、0.5〜5重量部の割合とするのがよく、これ
によりシ―ル性を発揮するための接着性と取り付け作業
を容易にするためのタツクフリ―とのバランス特性に好
結果が得られる。
【0019】最表面に用いられる上記の粘着剤組成物に
は、従来公知の各種の粘着付与剤を配合してもよい。粘
着付与剤の配合により、接着力と耐久性などのバランス
がとりやすくなることもある。また、無機または有機の
充填剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状物、箔状物な
どの従来公知の各種の添加剤を任意に配合できる。さら
に、老化防止剤の添加により、耐久性の向上を図るよう
にしてもよい。
【0020】本発明において多層構造の粘着剤層の下
層、つまり最表面を構成する上記のポリカ―ボネ―ト構
造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物からなる層の内側
には、上記粘着剤組成物とは異なる各種の粘着剤を使用
することができる。たとえば、ゴム系粘着剤、アクリル
系粘着剤、シリコ―ン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビ
ニルアルキルエ―テル系粘着剤、ポリビニルアルコ―ル
系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリ
ルアミド系粘着剤、セルロ―ス系粘着剤などが挙げられ
る。この下層粘着剤層は、上記の最表面層を保持し、か
つその劣化を防ぐためのものであり、この点より、ゴム
系粘着剤やアクリル系粘着剤が好ましく、とくに耐久性
にすぐれるアクリル系粘着剤が好ましい。
【0021】ゴム系粘着剤は、天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重
合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共
重合体ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体
ゴム、ポリイソブチレン、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴム(NBR)などのゴム系ポリマ―をベ―
スポリマ―としたものであり、チウラム加硫やフエノ―
ル樹脂加硫などの架橋処理により、凝集力を適度に制御
したものが好ましく用いられる。
【0022】アクリル系粘着剤は、アルキル基の炭素数
が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと必
要によりこれと共重合可能な他の不飽和単量体を、公知
の方法によりラジカル重合させて得られるアクリル系重
合体をベ―スポリマ―としたものである。ここで、上記
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、n−ブチ
ル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ス
テアリル基などの炭素数が4〜18のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであり、アル
キル基の炭素数が上記範囲外となると、粘着性などが損
なわれやすい。
【0023】また、共重合可能な不飽和単量体には、
(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン
酸、フマ―ル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸
類、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、グリ
シジル基などの官能性有機基を持つ(メタ)アクリル酸
系エステル類、アルキル基の炭素数が前記範囲外の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類、酢酸ビニルやプロ
ピオン酸ビニルなどのビニル系エステル類、スチレンや
α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体類、ビニルピ
ロリドン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミドなど
がある。これらの使用量は、主モノマ―であるアルキル
基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル100重量部あたり、不飽和カルボン酸類では2
0重量部以下、これ以外の他の不飽和単量体では50重
量部以下とするのが望ましい。
【0024】アクリル系粘着剤は、上記のアクリル系重
合体を架橋処理して接着特性を向上させたものが好まし
く用いられる。架橋処理は、エチレングリコ―ルジ(メ
タ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルジ(メタ)ア
クリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アク
リレ―トなどの多官能性不飽和単量体を共重合させて内
部架橋させる方式、上記のアクリル系重合体にイソシア
ネ―ト系化合物、エポキシ系化合物、過酸化物系化合
物、キレ―ト系化合物などの架橋剤を加え、この架橋剤
により外部架橋する方式、電子線や紫外線などの放射線
を照射して架橋する方式などにより、行うことができ
る。
【0025】このようなゴム系粘着剤やアクリル系粘着
剤などからなる下層用粘着剤には、必要により、天然ま
たは合成の樹脂類、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、ガラ
ス繊維やガラスビ―ズ、金属粉や炭酸カルシウム、クレ
―やその他の無機粉末などの充填剤、顔料、着色剤、老
化防止剤など、粘着剤に通常使用される各種の添加剤を
配合することができる。これらの添加剤の中でも、粘着
付与剤は、接着力を向上させる場合に有用であり、とく
に好ましく用いられる。
【0026】本発明に用いられる発泡構造体は、独立気
泡または連続気泡と独立気泡の両気泡を有するものであ
れば、公知の各種のものを使用できる。この発泡構造体
の製造には、天然ゴムまたは合成ゴム(クロロプレンゴ
ム、エチレン・プロピレン・タ―ポリマ―など)、加硫
剤、発泡剤、充填剤などをバンバリ―ミキサや加圧ニ―
ダなどの混練り機で混練したのち、カレンダ、押し出し
機、コンベアベルトキヤステイングなどにより連続的に
混練しつつシ―ト状、ロツド状に成形し、これを加熱し
て加硫、発泡させ、さらに必要によりこの加硫発泡体を
所定形状に裁断加工する方法や、天然ゴムまたは合成ゴ
ム、加硫剤、発泡剤、充填剤などをミキシングロ―ルな
どで混練し、この混練組成物をバツチ式により、型で加
硫、発泡ならびに成形する方法などを使用することがで
きる。
【0027】本発明の止水シ―ル材は、このような発泡
構造体上に、上記のゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤な
どからなる厚さが通常2〜100μmの下層を設け、こ
の上にさらに上記のポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ
―を含む粘着剤組成物からなる厚さが通常2〜100μ
mの上層を設けるようにしたものである。また、その
際、上記の下層をさらに2層以上の構成として、全体と
して3層以上の多層構造としてもよく、要は、上記特定
の粘着剤組成物からなる層が最表面となる構成であれば
よい。さらに、このような多層構造の粘着剤層は、上記
発泡構造体の片面だけでなく、必要により両面に設ける
ようにしてもよい。なお、各層の形成は、発泡構造体上
に直接塗布、乾燥する以外に、あらかじめ剥離ライナ上
に各層を形成して、これを発泡構造体上に順次貼り合わ
せる方法でもよい。
【0028】このように設けられる多層構造の粘着剤層
は、最表面を構成する粘着剤組成物がそれ自体タツクを
有しないため、取り付け時の位置直しが容易であり、取
り付け作業性にすぐれている。また、取り付け後は発泡
構造体の反発力によつて徐々に接着して、発泡構造体の
表面と止水する部位の界面とのシ―ル性を高め、しかも
その際、下層粘着剤層が最表面の上層粘着剤層をうまく
保持してその劣化、とくに発泡構造体からの移行成分に
よる劣化を防ぐため、高温下での長期使用という厳しい
条件下でも高いシ―ル性を発現することになる。
【0029】また、上記の多層構造の粘着剤層を発泡構
造体の片面にのみ設ける場合には、発泡構造体の反対側
の面に、前記したゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤など
の汎用の粘着剤からなる層を設けることもできる。この
場合、通常はその上に剥離ライナが貼り合わされ、取り
付け時に片面側の最表面がタツクを有しない多層構造の
粘着剤層を利用して位置決めを行い、その後に反対面側
の上記剥離ライナを引き剥がして接着シ―ルする方法な
どをとることができる。
【0030】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに
具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは
重量部を意味するものとする。
【0031】実施例1 下記の配合組成物をミキシングロ―ルで混練し、この混
練物をオ―ブンで160℃,30分の条件で加熱して加
硫発泡させ、オ―ブンから取り出し、冷却後、加圧法に
より、気泡の一部を破泡させて半独半連の発泡構造体を
得た。この発泡構造体の比重は0.11g/mlであつ
た。 <発泡構造体の配合組成> エチレン・プロピレン・タ―ポリマ― 100部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 1部 カ―ボン 40部 ポリエチレン 20部 重質炭酸カルシウム 180部 ポリブテン 40部 硫黄 2部 メルカプトベンゾチアゾ―ル 1部 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 2部 アゾジカルボン酸アミド 13部
【0032】一方、アクリル酸2−エチルヘキシル90
部とアクリル酸10部を、アゾビスイソブチロニトリル
0.2部とトルエン200部を用いて、60℃で5時間
ラジカル重合させて、アクリル系重合体を含む溶液を得
た。これに、アクリル系重合体100部あたり、架橋剤
としてトリメチロ―ルプロパンのヘキサメチレンジイソ
シアネ―ト付加物〔日本ポリウレタン(株)製「コロネ
―トHL」〕2部を配合し、よく攪拌混合して、アクリ
ル系粘着剤を調製した。
【0033】これとは別に、四つ口セパラブルフラスコ
に攪拌機、温度計および水分離管を付し、これに、ポリ
カ―ボネ―トジオ―ル〔ダイセル化学工業(株)製の
「PLACCEL CD220PL」、水酸基価:5
5.4KOHmg/g〕500g、セバシン酸50g、触
媒としてのジブチルチンオキサイド123mgを仕込み、
反応水排出溶剤としての少量のトルエンの存在下、攪拌
を開始しながら180℃まで昇温し、この温度で保持し
た。しばらくすると、水の流出分離が認められ、反応が
進行しはじめた。約50時間反応を続けて、重量平均分
子量4.7万のポリエステルを得た。このポリエステル
100部(固形分)に対し、架橋剤としてトリメチロ―
ルプロパンのヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物
〔日本ポリウレタン(株)製の「コロネ―トHL」〕を
2部(固形分)添加し、よく攪拌混合して、ポリエステ
ル系粘着剤を調製した。
【0034】上記の半独半連の発泡構造体、アクリル系
粘着剤およびポリエステル系粘着剤を用いて、以下の要
領により、止水シ―ル材を作製した。まず、剥離ライナ
上にアプリケ―タ―によりアクリル系粘着剤を塗布、乾
燥して、厚さが50μmおよび150μmの2種のアク
リル系粘着剤層を形成した。また、上記と同様にして、
剥離ライナ上にポリエステル系粘着剤を塗布、乾燥し
て、厚さが30μmのポリエステル系粘着剤層を形成し
た。つぎに、上記の半独半連の発泡構造体の片面側に、
上記の厚さが50μmのアクリル系粘着剤層を貼り付
け、その上にさらに上記の厚さが30μmのポリエステ
ル系粘着剤層を貼り付けて、2層構造の粘着剤層を設け
た。さらに、この粘着剤層とは反対面側に、上記の厚さ
が150μmのアクリル系粘着剤層を貼り付けて、止水
シ―ル材を作製した。
【0035】実施例2 剥離ライナ上に実施例1で調製したポリエステル系粘着
剤を塗布、乾燥して、厚さが5μmのポリエステル系粘
着剤層を形成した。このポリエステル系粘着剤層を、2
層構造の粘着剤層の上層用として使用した以外は、実施
例1と同様にして、止水シ―ル材を作製した。
【0036】実施例3 下記の配合組成物をミキシングロ―ルで混練し、この混
練物をオ―ブンで160℃30分の条件で加熱して加硫
発泡させ、独立気泡の発泡構造体を得た。この発泡構造
体の比重は0.10g/mlであつた。つぎに、この独
立気泡の発泡構造体を、実施例1の半独半連の発泡構造
体に代えて、使用した以外は、実施例1と同様にして、
止水シ―ル材を作製した。 <発泡構造体の配合組成> エチレン・プロピレン・タ―ポリマ― 40部 ブチルゴム 60部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 3部 カ―ボン 50部 重質炭酸カルシウム 50部 プロセスオイル 20部 硫黄 0.5部 メルカプトベンゾチアゾ―ル 1部 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 1部 キノンジオキシム 0.5部 キノンモノオキシム 0.5部 アゾジカルボン酸アミド 20部
【0037】上記の実施例1〜3の各止水シ―ル材につ
いて、止水試験として、下記の方法により、U字止水試
験および高圧流水止水試験を行つた。これらの試験結果
は、後記の表1に示されるとおりであつた。
【0038】<U字止水試験>止水シ―ル材を、厚さ1
0mm、幅10mmの四角形断面のひも状に加工して、試料
Aとした。この試料Aを、図1および図2に示すよう
に、U字型にし、2枚のアクリル板1,1で挟み、スペ
―サ2による間隔保持のもとで、アクリル板1,1間を
ボルト・ナツト3で締結した。試料Aの厚さ方向の圧縮
率は、スペ―サ2の厚さによつて調節するようにした。
【0039】このようにボルト・ナツト3で締結したの
ち、図3に示すように、試料AのU字型内に水頭h=1
00mmで水4を入れた。また、ボルト・ナツト3の締結
後、80℃の雰囲気下に168時間放置したのち、室温
に戻し、上記と同様に試料AのU字型内に水頭h=10
0mmで水4を入れた。前者を組み付け直後、後者を80
℃×168時間後のU字止水試験として、試料Aの厚さ
方向の圧縮率を何%としたときに、止水可能であるかど
うかを調べた。
【0040】<高圧流水止水試験>止水シ―ル材を、厚
さ10mm、外径100mm、内径80mmのド―ナツ状に加
工して、試料Bとした。この試料Bを、図4および図5
に示すように、アクリル板1とアクリル成形体5で挟
み、ボルト部分に通したスペ―サ2による間隔保持のも
とで、アクリル板1とアクリル成形体5間をボルト・ナ
ツト3で締結した。試料Bの厚さ方向の圧縮率は、スペ
―サ2の厚さによつて調節した。このようにボルト・ナ
ツト3で締結したのち、300mmの距離から80kgf /
cm2 の圧力で止水シ―ル材の部分をめがけて、3分間水
を当てた。試料Bの厚さ方向の圧縮率を何%としたとき
に、止水可能であるかどうかを調べた。
【0041】
【0042】上記の表1の結果から明らかなように、本
発明の実施例1〜3の各止水シ―ル材は、いずれも、発
泡構造体の低い圧縮率で良好な止水性が得られており、
経時とともに反発応力が緩和しても止水性が低下するこ
とはなく、高圧の流水に対しても高い止水性を示してい
ることがわかる。
【0043】なお、発泡構造体の片面側にアクリル系粘
着剤層を設けた従来構成の止水シ―ル材は、上記より高
い圧縮率、たとえばU字止水試験(80℃×168時間
後)で90%圧縮率としても、漏水がみられるというよ
うに、低いシ―ル性を示し、また発泡構造体の両面側に
アクリル系粘着剤層を設けた止水シ―ル材は、シ―ル性
は良好(10〜20%圧縮で止水可)であつたが、表面
タツクにより位置直しが難しく、シ―ル作業にしばしば
支障をきたした。これに対し、実施例1〜3の各止水シ
―ル材は、2層構造の粘着剤層の最表面がタツクを有し
ていないため、このような問題もなく、組み付け作業を
良好に行えることもわかつた。
【0044】なおまた、実施例1,3の止水シ―ル材に
おいて、2層構造の粘着剤層に代えて、下層(厚さが5
0μmのアクリル系粘着剤層)を省き、上層(厚さが3
0μmのポリエステル系粘着剤層)だけの単層構造とし
た止水シ―ル材を作製して、その性能を上記同様に調べ
てみた。その結果、実施例3に対応する独立気泡の発泡
構造体を用いたもので、高圧流水止水試験で「30%圧
縮で漏水、40%圧縮で止水」となり、本発明のものに
比べ、劣つていた。
【0045】また、80℃×168時間後のU字止水試
験よりもさらに厳しい条件として、ボルト・ナツト3の
締結後、80℃の雰囲気中に60日間放置したのちに、
上記同様にしてU字止水試験を行つてみた。その結果、
上記の単層構造とした止水シ―ル材では、実施例1に対
応する半独半連の発泡構造体を用いたもので50%圧縮
で止水、実施例3に対応する独立気泡の発泡構造体を用
いたもので30%圧縮で止水できたのに対し、実施例
1,3の止水シ―ル材では、いずれも、10%圧縮で十
分に止水可能であり、上記の単層構造としたものに比べ
て、止水シ―ル性をさらに一段と向上できるものである
ことがわかつた。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明は、独立気泡また
は連続気泡と独立気泡の両気泡を有する発泡構造体に最
表面がポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ―を主成分と
した特定の粘着剤組成物からなる多層構造の粘着剤層を
設けるようにしたことにより、最表面がタツクがないた
め、取り付け作業を容易に行え、しかも取り付け後は発
泡構造体の反発力によつて徐々に接着し、発泡構造体表
面と被着体界面とのシ―ル性にすぐれ、とくに下層粘着
剤層により発泡構造体からの移行成分が阻止されて、最
表面の粘着剤層の劣化が回避され、高温下での長期使用
という厳しい条件下でも高いシ―ル性を発揮する止水シ
―ル材を得ることができる。また、片面に上記多層構造
の粘着剤層層を設け、反対面側に汎用のゴム系粘着剤や
アクリル系粘着剤からなる粘着剤層を設けたものでは、
上記利点を失うことなく、上記汎用の粘着剤の特徴をも
生かすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】止水シ―ル材のU字止水試験の装置構成を示す
側面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図1および図2の装置構成におけるU字型試料
(止水シ―ル材)内に水を入れた状態を示す断面図であ
る。
【図4】止水シ―ル材の高圧流水止水試験の装置装置を
示す側面図である。
【図5】図4におけるV−V線断面図である。
【符号の説明】
A,B 試料(止水シ―ル材) 1 アクリル板 2 スペ―サ 3 ボルト・ナツト 4 水 5 アクリル成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 学 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 栗生 豊 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−170065(JP,A) 特開 平7−324183(JP,A) 特開 平5−239202(JP,A) 特開 昭51−122170(JP,A) 実開 平6−49071(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10 C09J 167/00 - 167/08 C09J 169/00 C09J 175/00 - 175/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡または独立気泡と連続気泡との
    両気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、つ
    ぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
    基である) で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―ボネ―ト構
    造を持つポリマ―としてポリエステルを含む粘着剤組成
    物からなる層を最表面に有する多層構造の粘着剤層が設
    けられていることを特徴とする止水シ―ル材。
  2. 【請求項2】 発泡構造体の一方の面にポリカ―ボネ―
    ト構造を持つポリマ―としてポリエステルを含む粘着剤
    組成物からなる層を最表面に有する多層構造の粘着剤層
    が設けられているとともに、反対側の面に上記の粘着剤
    組成物とは異なる粘着剤層が設けられている請求項1に
    記載の止水シ―ル材。
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