JP3400510B2 - 含水性ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズ

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JP3400510B2 JP31067293A JP31067293A JP3400510B2 JP 3400510 B2 JP3400510 B2 JP 3400510B2 JP 31067293 A JP31067293 A JP 31067293A JP 31067293 A JP31067293 A JP 31067293A JP 3400510 B2 JP3400510 B2 JP 3400510B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含水性ソフトコンタクト
レンズに関し、更に詳細には、含水率、酸素透過性及び
汚染性等に優れた含水性ソフトコンタクトレンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】含水性ソフトコンタクトレンズは、メチ
ルメタクリレート、シロキサニルアルキルメタクリレー
ト等のモノマーを主成分とする非含水性ハードコンタク
トレンズ(特公昭52−23502号公報)と比較し
て、目になじみやすく、優れた装用感を有することが知
られている。従来、含水性ソフトコンタクトレンズとし
ては、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分と
し、機械的強度及び加工性に優れるソフトコンタクトレ
ンズが使用されている。しかしながら、該ソフトコンタ
クトレンズは、含水率が40%以下と低含水率であるた
め、長時間の連続装用には適さないという問題がある。
【0003】そこで最近では、レンズ材料の含水率を更
に高めることにより、連続装用を可能とする含水性ソフ
トコンタクトレンズが要望されている。例えば、N−ビ
ニルピロリドンを主成分として、メチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びメタクリ
ル酸等を共重合させて得られる重合体からなる含水性ソ
フトコンタクトレンズが提案されている。しかしなが
ら、N−ビニルピロリドンを主成分とする含水性ソフト
コンタクトレンズには、汚れが付着しやすい、強度が低
下する、切削、研磨によるレンズ加工が難しい、ソフト
コンタクトレンズに不可欠な滅菌処理の繰り返しによる
黄変等の種々の問題がある。また2−ヒドロキシエチル
メタクリレートを主成分とする含水性ソフトコンタクト
レンズには、前述のような問題はないが、含水率が低い
ために、含水飽和に長時間を要したり、含水率のバラツ
キ等の生産上において問題がある。また一般に含水性ソ
フトコンタクトレンズは、タンパク質、脂質等の付着、
細菌の繁殖等の衛生の問題、含水率を高めるとレンズの
機械的強度が低下する等の種々の問題があるため、通
常、煮沸滅菌、殺菌剤、洗浄液等のケアー用品を使用す
る衛生管理が必要である。
【0004】これらの問題を解決するため、特開平5−
107511号公報では、汚れの付着を防ぐ目的でホス
フォリルコリン基を有する(メタ)アクリレートモノマ
ーを成分とするコンタクトレンズが提案されている。し
かしながら、前記ホスフォリルコリン基を有する(メ
タ)アクリレートモノマーは固体であるため重合方法が
限定され、共重合する際にも使用量が限定されるという
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高含
水率、高酸素透過性を有し、装着感に優れ、目への影響
を減少し、更にタンパク質及び脂質等の付着、沈着を抑
制することができる、長期連続装用可能な含水性ソフト
コンタクトレンズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化3で表わされる(メタ)アクリル酸エステル(以
下(メタ)アクリル酸エステルAと称す)と、下記一般
式化4で表わされるイタコン酸ジエステル(以下イタコ
ン酸ジエステルBと称す)とを含む重合成分を共重合さ
せて得られる重合体を含むことを特徴とする含水性ソフ
トコンタクトレンズが提供される。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、特定の(メタ)アクリル酸エステルと、特定のイタ
コン酸ジエステルとを含む重合成分を共重合させて得ら
れる重合体を含む。前記特定の(メタ)アクリル酸エス
テルは、前記一般式化3で表わされる(メタ)アクリル
酸エステルAであり、式中R3の炭素数が9以上、nが
9以上の場合には、得られる重合体の親水性、防汚染性
が低下する。一方、前記特定のイタコン酸ジエステル
は、前記一般式化4で表わされるイタコン酸ジエステル
Bであり、式中mが7以上の場合には製造が困難であ
る。
【0011】前記(メタ)アクリル酸エステルAとして
は、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシエチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリ
メチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)
アクリロイルオキシエトキシエチル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシジエトキシエチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシトリエトキシエチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)アクリ
ロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル
−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−
(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(2”−ト
リヒドロキシエチルアンモニオ)エチルホスフェート等
を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸
エステルAは、得られるコンタクトレンズの含水率、酸
素透過性を向上させることができ、同時にタンパク質、
脂質等に対する防汚染性等を付与することができる。
【0012】前記(メタ)アクリル酸エステルAを調製
するには、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートとオキシ3塩化リンと塩化コリンとをアミンの存
在下又は不存在下反応させる方法、あるいはヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートと2−ブロモエチルホス
フォリルジクロリドとを反応させた後、所定の三級アミ
ンと反応させる方法等により調製することができる。こ
のようにして得られた(メタ)アクリル酸エステルA
は、重合に供する前に再結晶等の公知の方法で精製する
のが望ましい。
【0013】前記イタコン酸ジエステルBとしては、例
えばジ−(2−ヒドロキシエチル)イタコネート、ジ−
(2−ヒドロキシエトキシエチル)イタコネート、ジ
(トリエチレングリコール)イタコネート、ジ(エチレ
ングリコール)イタコネート、ジ−(2−ヒドロキシプ
ロピル)イタコネート、ジ−(4−ヒドロキシブチル)
イタコネート、ジグリセロイルイタコネート等を挙げる
ことができる。このようなイタコン酸ジエステルBは、
前記(メタ)アクリル酸エステルAとの溶解性に優れ、
重合体に高含水性を付与することができる。
【0014】前記イタコン酸ジエステルBを調製するに
は、例えばイタコン酸と、対応するモノ乃至ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール又はグリセリン等のジオールとを、酸触媒の存
在下、エステル化反応させる方法等の公知の方法により
調製することができる。
【0015】前記(メタ)アクリル酸エステルAと、前
記イタコン酸ジエステルBとを共重合させる際の仕込み
割合は、重量比で1:0.1〜99、特に1:0.2〜
90であるのが好ましい。前記イタコン酸ジエステルB
の仕込み割合が99重量%を越えると、防汚染性が低下
し、一方0.1重量%未満の場合、強度が低下するので
好ましくない。
【0016】また本発明の含水性ソフトコンタクトレン
ズは、必須成分である前記(メタ)アクリル酸エステル
A及び前記イタコン酸ジエステルBに、更に共重合可能
なビニルモノマー及び/又は架橋性多官能モノマーを重
合成分として含有させることもできる。
【0017】前記共重合可能なビニルモノマーとして
は、スチレン、メチルスチレン、メチル核置換スチレ
ン、クロロ核置換スチレン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル
ピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、ジ
エチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネート等が
挙げられる。前記共重合可能なビニルモノマーは、含水
性ソフトコンタクトレンズの含水性、機械的強度等を調
節することができる。
【0018】また前記架橋性多官能モノマーとしては、
アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート、メチレンビスア
クリルアミド、トリメリット酸トリアリル、トリアリル
シアヌレート、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。前
記架橋性多官能モノマーは、含水性ソフトコンタクトレ
ンズの耐熱性、加工性、形状安定性等を向上させること
ができる。
【0019】前記共重合可能なビニルモノマー及び/又
は架橋性多官能モノマーを重合成分として用いて共重合
させる場合の仕込み量は、前記(メタ)アクリル酸エス
テルA及び前記イタコン酸ジエステルB100重量部に
対して2000〜0.1重量部が好ましく、特に100
0〜1重量部が望ましい。前記仕込み量が2000重量
部を越えると、得られる含水性ソフトコンタクトレンズ
の含水率、耐熱性が著しく低下し、一方1重量部未満の
場合、共重合による効果が十分でないので好ましくな
い。
【0020】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズを
構成する重合体は、前述の各重合成分を重合開始剤の存
在下、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで置換
又は雰囲気において重合させる方法等により調製するこ
とができる。具体的に含水性ソフトコンタクトレンズと
するために重合させるには、前記重合成分及び重合開始
剤を金属、ガラス、プラスチック製の所望の形状、例え
ば試験管状、レンズ状の型に注入密封し、加熱又は光照
射により重合させることができ、次いで例えば得られた
重合体を切削加工、研磨してレンズとし、水和膨潤させ
る方法等により所望のソフトコンタクトレンズを製造す
ることができる他、公知の注型重合法により直接レンズ
にする方法、または光照射しながらキャストを行う方法
等により得ることができる。
【0021】前記重合開始剤としては、通常のラジカル
重合開始剤でれば特に限定されるものではないが、例え
ば過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカー
ボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチル
ペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、アゾ
ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等を好ましく
挙げることができる。
【0022】前記重合開始剤の仕込み量は、重合成分1
00重量部に対して10重量部以下が好ましく、特に5
重量部以下が望ましい。また重合温度は重合開始剤の種
類により異なるが、20〜140℃が好ましく、重合時
間は6〜120時間が好ましい。更にまた、前記重合に
際しては、色素等の着色剤、紫外線吸収剤、あるいはこ
のような機能を有するモノマー等を添加しても良い。
【0023】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの
含水率は10〜80%が好ましい。含水率が10%未満
の場合装用感が低下し、80%を越えると強度が低下す
るので好ましくない。
【0024】
【発明の効果】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、リン脂質類似極性基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルAと、水酸基を有するイタコン酸ジエステルBと
を含有するので、高含水率、高酸素透過性を有し、目へ
の装用感を上げることができる。更にタンパク質、脂質
等の汚れの付着、沈着を抑制できるため、レンズの変性
防止や目への安全性を向上することができる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】2−メタクリロイルオキシエチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート9gと、
ジ−(2−ヒドロキシエチル)イタコネート10gと、
エチレングリコールジメタクリレート1gと、t−ブチ
ルペルオキシピバレート0.02gとからなる混合液
を、試験管状のガラス型に注入し、系内を十分窒素置換
脱気を繰り返し、型を密封した後、加熱重合した。加熱
は、恒温室中にて40〜120℃まで、50時間かけて
昇温し、重合終了後、無色の硬化物を型から取り出し
た。得られた硬化物を通常の加工法により切削、研磨
し、コンタクトレンズ及び13mm¢×厚さ0.2mm
形状のテストピースを作成し、含水率、酸素透過性、防
汚染性の各測定を以下の方法にて測定した。測定結果を
表1に示す。
【0027】含水率;0.9%生理食塩水中に浸漬、膨
潤させた後、重量変化により含水率を求めた。 含水率(重量%)=(W1−W2)/W1×100 W1:飽和含水時の重量 W2:レンズの脱水乾燥時の重量 酸素透過係数;製科研式フィルム酸素透過測定器(理科
精機工業(株)社製、商品名「K−316IPI型」)
により、35℃、0.9%生理食塩水中にて測定した。
【0028】防汚性;アルブミン0.39重量%と、リ
ゾチーム0.17重量%と、グロブリン0.105重量
%とを含む生理食塩水中に、35℃で2週間コンタクト
レンズを浸漬させた後、生理食塩水で洗浄し、界面活性
剤で前記コンタクトレンズからタンパク質を分離した。
分離した溶液にタンパク質定量用の試薬を注入し、コン
タクトレンズに吸着したタンパク質の量を測定した。
【0029】
【実施例2〜8、比較例1及び2】重合成分を、表1に
示す組成及び配合割合となるように代えた以外は、実施
例1に従ってコンタクトレンズ及びテストピースを作成
し、各測定を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 299/02 C08F 299/02 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5丁目6番20号 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町6−5−9−201 (56)参考文献 特開 平6−43400(JP,A) 特開 平6−313865(JP,A) 特開 平9−20814(JP,A) 特開 平5−107511(JP,A) 特開 平6−43401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる(メタ)ア
    クリル酸エステルと、下記一般式化2で表わされるイタ
    コン酸ジエステルとを含む重合成分を共重合させて得ら
    れる重合体を含むことを特徴とする含水性ソフトコンタ
    クトレンズ。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記重合成分が、更に共重合可能なビニ
    ルモノマー及び/又は架橋性多官能モノマーを含むこと
    を特徴とする請求項1記載の含水性ソフトコンタクトレ
    ンズ。
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