JP3443897B2 - 円偏波用ループアンテナ - Google Patents

円偏波用ループアンテナ

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、円偏波用ループアンテ
ナに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、衛星移動通信の利用が急速に高ま
り、薄形、小型、軽量で性能の安定した安価な円偏波用
アンテナの開発が進められている。この種のアンテナで
は、マイクロストリップアンテナ(MSA)が良く知ら
れているが、マイクロストリップ線路の動作原理上、基
板には誘電体損失の小さなテフロン等の高価な材料が必
要とされる。 【0003】一方、最も単純な構成の線状アンテナを利
用して円偏波を発生させる試みが種々なされている。こ
の一例として、特開昭61−252701号公報(以
下、文献1という)では、ループ状のアンテナ導体に略
(1/4)λの分岐線路を平行に延在させた円偏波用ル
ープアンテナを開示する。 【0004】また、信学会誌〔82/8Vol.J65
−B No.8〕(以下、文献2という)には、略1λ
のループ状アンテナ導体にリアクタンスを装荷する構成
を開示する。これらのループアンテナによる円偏波の発
生原理は、アンテナ導体に装荷されるインピーダンス或
いはリアクタンスによって、アンテナ導体にほぼ一定振
幅で進行波位相の電流を発生させることにある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献1に記載の円偏波用ループアンテナでは、アンテナ導
体と分岐線路との間隔が、また、文献2に記載された円
偏波用ループアンテナでは、装荷リアクタンスの給電点
からの位置(φ=−π/4)が、円偏波を発生する上で
重要であり、これらが厳格に調整されていないと安定し
て円偏波を発生できない。 【0006】また、調整されていても、例えば外部振動
が加わる環境で使用する場合、アンテナ導体と分岐線路
又は装荷リアクタンスとの相対位置が変動して、発生す
る円偏波が不安定となる。また、文献1,2に記載され
た円偏波用ループアンテナでは、分岐線路又は装荷リア
クタンスの位置がそれぞれループ状のアンテナ導体に対
し非対称な構造となっているため、放射指向性が非対称
となることは免れず、移動体通信用アンテナとしては問
題がある。 【0007】本発明は円偏波を発生するため調整が不要
で、円偏波を安定に発生し得るとともに、対称な放射指
向性をもたせることを解決すべき課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の円偏波用ループ
アンテナは、特性インピーダンスが異なる二種の伝送線
路を交互に縦続接続してほぼ全長1λのループ状に形成
し、かつ、同一特性インピーダンスの前記伝送線路同士
を対称配置されたアンテナ導体を具備する 【0009】本発明では更に、前記アンテナ導体が、λ
/4の長さを有して前記二種の伝送線路の一方を構成す
る1本の線状導体からなる単線導体と、該単線導体と同
一径で同一長を有して互いに平行な2本の線状導体によ
り構成されて前記二種の伝送線路の他方を構成する平行
二線導体とをそれぞれ辺とする方形の形状を有する。な
、各伝送線路は、マイクロストリップラインに置き換
えることができる。 【0010】 【作用】本発明の円偏波用ループアンテナでも、ループ
状に縦続接続された各伝送線路が特性インピーダンスを
異にすることにより、アンテナ導体内で反射を生起して
進行波の電流を生成し、円偏波を発生することができ
【0011】本発明では更に、1本の線状導体からなる
径の大きい伝送線路を互いに平行な2本の線状導体から
なる平行二線導体に置換し得ることを利用して、特性イ
ンピーダンスを相違させている。これにより、アンテナ
導体に分岐導体やリアクタンス装荷しなくても、円偏
波の特性アンテナ導体だけで決めることができ、安定
に円偏波を発生することができる。 【0012】また、特性インピーダンスが同一の伝送線
路同士を対称的に配置しているので、確実に放射指向性
の対称性が得られる。 【0013】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ア
ンテナ導体を構成する二種の伝送線路特性インピーダン
異ならせることによって円偏波を極めて安定に発生
ることができる。しかも、異なる特性インピーダンス
をもつ二つの伝送線路が対称的に配置にされることによ
り、放射指向性の対称性が得られ、例えば自動車等の移
動体通信に適する。 【0014】また、本発明によれば、方形ループ形状の
アンテナ導体だけで円偏波を発生するので、分岐線路や
リアクタンスを装荷する必要がなく、円偏波を発生させ
るための調整が不要となり、外部振動の環境下で使用す
る場合にも、安定に円偏波を発生させことができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明に係る円偏波用ループアンテナ
を図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る円偏波
用ループアンテナは、図1に概念的に示すように、全長
1λのループ状をなすアンテナ導体10によって構成さ
れている。アンテナ導体10は、特性インピーダンスZ
0 に定められたλ/4長の伝送線路11,12と、特性
インピーダンスZ1 に定められたλ/4長の伝送線路1
3,14とが交互に連設された方形ループ状をなし、特
性インピーダンスが一致した伝送線路同士対向するよう
になっている。アンテナ導体10の給電端子1,5は、
隣接した伝送線路11,14の交点を開放して設けられ
ている。 【0016】上記円偏波用ループアンテナは、図2
(a)に示すように、給電端子1,5、節点2、3及び
4で分けられる各伝送線路11〜14が縦続接続された
等価回路で表すことができる。放射抵抗は各伝送線路1
1〜14に等価的に配分されている。ここで、各伝送線
路11〜14と、等価的に配分された放射抵抗raと
は、それぞれ直列回路をなし、かつ、縦続接続の直列要
素となっている。また、等価的に配分された放射抵抗r
aは、各伝送線路11〜14の両側にra/2ごと集中
して表される。 【0017】以下、図2(a)に示す等価回路に基づい
て本円偏波用ループアンテナが円偏波を発生する条件を
求める。図2(a)の回路において、電圧V1 ,電流I
1 の信号が、給電端子1に印加され、給電端子5に電圧
5 ,電流I1 の信号として送電されるものとすれば、
アンテナ導体10が円偏波を発生する条件は、端子条件
より、 V1 −V5 =V0 …………(1) I1 =I5 …………(2) が成立しなければならない。 【0018】一方、F行列を用いれば、V1 ,I1 とV
5 ,I5 は、 すなわち、I1 =CV5 +DI1 が得られる。 【0019】今、アンテナ導体10に対して垂直方向に
円偏波を放射するには、特性インピーダンスZ0 の伝送
線路11(又は12)と特性インピーダンスZ1 の伝送
線路13(又は14)とを流れる電流I1 ,I2 の位相
差に関して次式の成立が必要条件である。 ただし、上符号は左旋円偏波、下符号は右旋円偏波を表
し、以下、複号同順とする。V1 ,I1 とV2 ,I
2 は、図2(b)より、 式(6)と式(7)により、 【0020】 【数1】 【0021】…………(8) が得られる。式(8)を式(5)に代入して、 【0022】 【数2】 【0023】…………(9) ここで、A,Cは、図2(b)の行列〔Fi 〕の積であ
るから、 【0024】 【数3】 【0025】 【数4】 【0026】…………(10) となる。今、ra≪Z0 ,Z1 とすると、 【0027】 【数5】 【0028】…………(11) と近似できる。この近似は、反射板15からのアンテナ
導体10の高さhが、h≪λのときに成立する。よっ
て、式(9)は、 【0029】 【数6】 【0030】…………(12) 故に、次式の円偏波条件が得られる。 【0031】 【数7】 【0032】…………(13) ここで、raは正であるから、Z1 <Z0 のとき下符号
を満たし、右旋円偏波となり、Z1 >Z0 のとき上符号
を満たし、左旋円偏波となる。この逆関係は、図3
(a),(b)に示すような構造上の対称性から明らか
に成立することがわかる。 【0033】次に、抵抗raを通常の1波長ループアン
テナの放射抵抗Raを用いて近似する。Z0 =Z1 のと
き、直線偏波となり、節点2と4の抵抗は0となって、
図4(a)の等価回路になる。λ/2の線路は、インピ
ーダンスとして省略できるので、図4(a)の回路は同
図(b)のように変形され、 となる。一方、h≪λの場合、1波長ループアンテナの
放射抵抗Raは、概略、反射板15上の半波長ダイポー
ルの放射抵抗Rd の2倍と考えることができる。従っ
て、 【0034】 【数8】 【0035】 …………(15) となり、本アンテナ導体10の構造を決定することがで
きる。次に、本発明に係る円偏波用ループアンテナの
例を図5に示す。図5に示す円偏波用ループアンテナ
は、反射板15上に、半径がa0でλ/4長の線状導体
16、17と、半径がa1 (>a0 )でλ/4長の線状
導体18,19とを、方形ループ状に交互に配列してア
ンテナ導体20を構成したものである。給電は、隣接し
た線状導体の交点を開放して行う。 【0036】このようなアンテナ導体20によれば、半
径a0 の線状導体16,17と、半径a1 の線状導体1
8,19は、 で表される特性インピーダンスを呈し、図1に示したア
ンテナ導体10を実現する。 【0037】本発明の一実施例を図6に示す。図6に示
す他の実施例は、図7(b)に示す半径a0の線状導体
が、 【0038】 【数9】 【0039】 …………(17) により、等価的に図7(a)に示す半径a、距離dの平
行二線導体に置き換えることができることにより、図5
に示した半径a1 の線状導体18,19を、距離dの平
行二線導体23,24にそれぞれ置き換え、該平行二線
導体23,24の各端点間同士を線状導体16,17の
半径a0 を維持した単線導体21,22で連結してアン
テナ導体30を構成したものである。ここに、平行二線
導体23、24の特性インピーダンスは、単線導体2
1、22の半径a0 のそれと同値である。給電は、平行
二線導体24と単線導体21との交点を開放して行う。 【0040】図8は図6のアンテナ導体30で円偏波の
軸比を測定した結果を示す。縦軸は軸比〔dB〕を表
し、横軸は周波数〔GHz〕を表す。なお、平行二線導
体23(又は24)の距離dは、1.44mm、長さL
yは22.5mm、単線導体21(又は22)の長さ
は、距離dを加算した長さLxとして37.5mm、半
径a0 は0.3mmである。 【0041】図8によれば、対象とする1.8〜2GH
zの周波数域で、円偏波は1.9GHzで最も良好な
比をもつことができることがわかる。このように本発明
を達成するこの実施例によれば、同一径の線状導体を要
素とするアンテナ導体だけで円偏波を発生することがで
き、分岐導体やリアクタンスを装荷することがないの
で、調整が不要であり、外部振動等に影響されず、円偏
波を極めて安定に発生することができる。 【0042】また、平行二線導体と単線導体との併用に
よって特性インピーダンスを異ならせ、これら二種類の
線状導体を方形ループの各対向する二辺に配置している
ので、放射指向性の対称性が得られ、例えば自動車等の
移動体通信に好適である。更に、同一径の線状導体をル
ープ状に形成するだけでよいので、一体成形等の手段で
容易な作製が可能となり、コストを低減できる利点があ
る。 【0043】なお、反射板とアンテナ導体との高さhは
任意であり、反射板は無くてもよい。また、アンテナ導
体を板状の誘電体に埋設形態で構成することもできる。
また、上記線状導体は、マイクロストリップラインへの
置き換えが容易であり、プリント基板として構成するこ
ともできる
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る円偏波用ループアンテナの円偏波
発生原理を説明する概念図であり、(a)はアンテナ導
体だけを示す平面図、(b)は斜視的に示す説明図あ
る。 【図2】(a)は図1の円偏波用ループアンテナの全体
の等価回路図であり、(b)は1ブロック分の等価回路
図である。 【図3】本発明による特性インピーダンスの異なる伝送
線路の配置によって右旋円偏波(a)と左旋円偏波
(b)となることを示す説明図である。 【図4】本円偏波用ループアンテナの放射抵抗を特性イ
ンピーダンスが一様の通常のループアンテナの放射抵抗
から近似するための等価回路図である。 【図5】本発明の参考例を示す斜視図である。 【図6】本発明を具体化した他の実施例を示す斜視図で
ある。 【図7】図6の実施例を導出した過程を示す説明図であ
る。 【図8】図6の実施例における軸比特性の測定図であ
る。 【符号の説明】 1,5…給電端子、2、3、4…節点、10…アンテナ
導体、11,12…伝送線路、13,14…伝送線路、
15…反射板、16,17…線状導体、18,19…線
状導体、20…アンテナ導体、21、22…単線導体、
23,24…平行二線導体、Z0 ,Z1 …特性インピー
ダンス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−252701(JP,A) 特開 昭54−69366(JP,A) 実開 昭54−62642(JP,U) 特公 昭30−3558(JP,B1) 中村隆他,円偏波用複合線ループアン テナ,電子情報通信学会技術研究報告, 日本,財団法人電子情報通信学会,1993 年10月21日,VOL.93,NO.280 (A・P93−73〜85),P.71−77 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 7/00 H01Q 1/24

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】特性インピーダンスが異なる二種の伝送線
    路を交互に縦続接続してほぼ全長1λ(λは波長)のル
    ープ状に形成し、かつ、同一特性インピーダンスの前記
    伝送線路同士を対称配置してなるアンテナ導体を具備
    し、 前記アンテナ導体は、λ/4の長さを有して前記二種の
    伝送線路の一方を構成する1本の線状導体からなる単線
    導体と、該単線導体と同一径で同一長を有して互いに平
    行な2本の線状導体により構成されて前記二種の伝送線
    路の他方を構成する平行二線導体とをそれぞれ辺とする
    方形の形状を有することを特徴とする 円偏波用ループア
    ンテナ。
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中村隆他,円偏波用複合線ループアンテナ,電子情報通信学会技術研究報告,日本,財団法人電子情報通信学会,1993年10月21日,VOL.93,NO.280(A・P93−73〜85),P.71−77

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