JP3544232B2 - 電源伝送方法、電源伝送トランス及び電源伝送装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、所定の間隙を隔てて電力を供給する場合に必要な電源伝送技術に関し、特にロータリー式検査装置や充填装置等において、電源供給側たる固定部から検査を行いながら回転する回転部へ電源を供給するための電源伝送に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータリー検査装置は、主として回転部分に設けられたカメラ等の検査装置により検査を行う。このため、従来よりこの検査装置に電源を供給するために、摺動式の接点、いわゆるスリップリング等が設けられていた。
【0003】
また、相対的に可動な二つの筐体の間の間隙部分に水銀等の液状の導電材料を封入するというものもあった。
一方、大電力供給用には、電源の供給側の被供給側に間隙が生じていても電源が供給可能な電源伝送装置があった。この電源伝送装置を図6に示す。
【0004】
図6に示すように、従来の電源伝送装置は、1次側磁性体30に1次側コイル31が設けられ、2次側磁性体32に2次側コイル33が設けられている。磁性材としては、珪素鋼板等が用いられる。
【0005】
一次側と二次側の筐体とは所定の間隙を隔てて可動に設けられているので、一次側トランス31に大電流を供給すれば、電気的な接点を介さなくても2次側トランス33に二次電流を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スリップリング等の摺動可能な接点では、長期間の動作により、接点不良が生ずる可能性があり、受信側で電源電流の瞬断を起こすという不都合があった。
【0007】
また、水銀を間隙部分に封入するものでは、水銀を完全に封じ込めるための密封構造が必要であるため、完全な封入構造を構成するのには困難が生じていた。
さらに、上記従来の電源伝送装置は極めて大電力用であるため重量があり、カメラやマイクロコンピュータ等の制御装置を駆動するのに必要十分な小電力を供給するのに適するサイズと構造を有していなかった。この電源伝送装置は駆動電流が大きいため、間隙から周辺に漏れ出る磁界も高く、電源伝送装置に隣接させて信号伝送を行うことが極めて困難であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、相対的に可動な領域間で小電力供給に適する電源伝送方法、電源伝送トランス及び信号への妨害の少ない電源伝送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの電源送受信コイルと、それぞれの前記電源送受信コイルの周辺部に、当該コイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化を強調するための金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段と、電源電流を周波数制御信号に基づいた周波数で高周波化した伝送用電源電流を出力するインバータ手段と、前記伝送用電源電流が供給される一次コイル及び前記一次コイルに流れる前記伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルよりなる一方の電源送受信コイルと、前記一次コイルに流れる前記伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される他方の電源送受信コイルと、を有する電源伝送トランスと、前記検出コイルに誘導された前記帰還信号の信号レベルに基づいて前記周波数制御信号の周波数を変化させる周波数制御手段と、前記他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換するコンバータ手段と、を備えたことを特徴として構成する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、開口部を有する磁性体を含み前記開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの磁力補強手段と、各々の前記磁力補強手段の開口部の内側に設けられた電源送受信コイルと、電源電流を周波数制御信号に基づいた周波数で高周波化した伝送用電源電流を出力するインバータ手段と、前記伝送用電源電流が供給される一次コイル及び前記一次コイルに流れる前記伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルよりなる一方の電源送受信コイルと、前記一次コイルに流れる前記伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される他方の電源送受信コイルと、を有する電源伝送トランスと、前記検出コイルに誘導された前記帰還信号の信号レベルに基づいて前記周波数制御信号の周波数を変化させる周波数制御手段と、前記他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換するコンバータ手段と、を備えたことを特徴として構成する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの電源送受信コイルと、それぞれの前記電源送受信コイルの周辺部に、当該コイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化を強調するための金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段と、を有する電源伝送トランスと、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方と前記の電源伝送トランスの電源送受信コイルの一方とを有する第1の筐体と、前記二つの信号伝送手段の他方と前記電源送受信コイルの他方とを有し、前記第1の筐体と前記所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられた第2の筐体と、を備え、前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、前記二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と前記電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとを保持してなることを特徴として構成する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、開口部を有する磁性体を含み前記開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの磁力補強手段と、各々の前記磁力補強手段の開口部の内側に設けられた電源送受信コイルと、を有する電源伝送トランスと、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方と前記の電源伝送トランスの電源送受信コイルの一方とを有する第1の筐体と、前記二つの信号伝送手段の他方と前記電源送受信コイルの他方とを有し、前記第1の筐体と前記所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられた第2の筐体と、を備え、前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、前記二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と前記電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとを保持してなることを特徴として構成する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の電源伝送装置において、前記二つの信号伝送手段及び前記電源伝送トランスの周囲に磁気的シールド材料を周設し、前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとの間に延在する前記所定の間隔部分には、前記二つの信号伝送手段及び前記電源伝送トランスのそれぞれの間隙部分から漏れ出る磁界を遮断するための摺動可能な導電材料を設け、前記所定の間隔部分の外界への開口部部分には、外部に漏れ出る磁界を遮断するための摺動可能な導電材料を設けたことを特徴として構成する。
【0016】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、二つの電源送受信コイルのそれぞれには、金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段(例えば、フェライト、積層鉄板等)が設けられているので、一方のコイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化が強調され、他方のコイルに多くの誘導電流が流れる。また、インバータ手段は、電源電流を周波数制御信号に対応して高周波化した伝送用電源電流を出力する。一方の電源送受信コイルは、伝送用電源電流が供給される一次コイル及び一次コイルに流れる伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルを備える。他方の電源送受信コイルは、一次コイルに流れる伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される。周波数制御手段は、検出コイルに誘導された帰還信号の信号レベルに基づいて周波数制御信号の周波数を変化させる。コンバータ手段は、他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換する。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、磁性体の開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しているので、磁界は互いのコイルの方向に強く送出される。このため、一方のコイルに電源電流を流せば他方のコイルに多くの誘導電流が流れる。また、インバータ手段は、電源電流を周波数制御信号に対応して高周波化した伝送用電源電流を出力する。一方の電源送受信コイルは、伝送用電源電流が供給される一次コイル及び一次コイルに流れる伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルを備える。他方の電源送受信コイルは、一次コイルに流れる伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される。周波数制御手段は、検出コイルに誘導された帰還信号の信号レベルに基づいて周波数制御信号の周波数を変化させる。コンバータ手段は、他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換する。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、二つの電源送受信コイルのそれぞれには、金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段(例えば、フェライト、積層鉄板等)が設けられているので、一方のコイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化が強調され、他方のコイルに多くの誘導電流が流れる。また、第1の筐体は、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方、電源送受信コイルの一方を備える。第2の筐体は、二つの信号伝送手段の他方及び電源送受信コイルの他方を備える。そして、第1の筐体と第2の筐体とは、所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられている。第1の筐体及び第2の筐体のぞれぞれは、二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく二つの信号伝送手段と電源伝送トランスとの位置関係を調整して保持するので、それぞれの間隙から漏れ出る磁界の他方への干渉を最小限に抑えることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、磁性体の開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しているので、磁界は互いのコイルの方向に強く送出される。このため、一方のコイルに電源電流を流せば他方のコイルに多くの誘導電流が流れる。また、第1の筐体は、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方、電源送受信コイルの一方を備える。第2の筐体は、二つの信号伝送手段の他方及び電源送受信コイルの他方を備える。そして、第1の筐体と第2の筐体とは、所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられている。第1の筐体及び第2の筐体のぞれぞれは、二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく二つの信号伝送手段と電源伝送トランスとの位置関係を調整して保持するので、それぞれの間隙から漏れ出る磁界の他方への干渉を最小限に抑えることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、磁気的シールド材料が、二つの信号伝送手段及び電源伝送トランスの周囲にそれぞれ周設されている。また、導電材料は、二つの信号伝送手段と電源伝送トランスとの間に延在する所定の間隔部分の所定の位置(例えば、信号伝送手段と電源伝送トランスとの距離の中間地点)に摺動可能に設けられている。このため、二つの信号伝送手段及び電源伝送トランスのそれぞれの間隙部分から漏れ出る磁界が遮断される。さらに、他の導電材料が所定の間隔部分の外界への開口部部分に摺動可能に設けられているので、外部に漏れ出る磁界が遮断される。
【0023】
【実施例】
本発明の電源伝送方法、電源伝送トランス及び電源伝送装置に係る好適な実施例を図面を参照して説明する。
【0024】
本実施例は、ロータリー検査装置の回転部と固定部との接合部分において、データ伝送と電源伝送とを同一の筐体内で行う場合のように、一定の限られた体積内でデータの伝送と同時に電源を伝送するための装置を例示する。
(I)実施例の構成
▲1▼ 全体構成
図1に本発明の実施例における伝送装置の構成を示す。図1は、データ及び電源を共に伝送可能な伝送装置の全体図に関する。
【0025】
図1に示すように、通常の商用電源ACin及びデータDinを入力し送信電源電流Pt と送信データSt を出力し、帰還信号FBに基づいて送信電源電流Pt の周波数を制御する送信部200と、電源及びデータの伝送を行う伝送装置本体100と、伝送された受信電源Pr と受信データSr を入力し直流電源電流DCout と復調されたデータDout を出力する受信部300と、を備えて構成される。
【0026】
伝送装置本体100は、送信部200とともに固定部Fに固定されている固定筐体101と、回転軸を中心に固定筐体101に対して受信部300とともに回転する回転筐体102と、を有する。この伝送装置本体100は、例えば、ロータリー式検査装置等の回転部と固定部との接合部分に用いるものである。
【0027】
なお、上記では固定部Fと回転部Rとを規定したが、いずれが固定されていても回転して、また同時に異なる角速度で回転していてもよい。
図2に実施例の伝送装置本体100の断面図を示す。
【0028】
伝送装置本体100において、固定筐体101と回転筐体102とは導電性の材料(例えば、アルミニウム等)により成形されており、内部に電源伝送トランス1とデータ伝送装置4とを収納可能な空間を有し、互いに噛み合うような構造を有している。電源伝送トランスとデータ伝送装置を設けるスペースの他は、固定筐体101と回転筐体102とは所定の間隙を隔てて保持されている。この両筐体間の間隙は間隔が狭い方が漏れ磁界が少なくなるが、機械的な精度が悪いと接触してしまう場合もあるので、設計上適当な間隔(例えば、2〔mm〕程度)を定める。
【0029】
電源伝送トランス1は電源の伝送を行うコイルであり、送受信コイルの一方(送信エレメント1−1(図3参照))が固定筐体101に固定され、他方(受信エレメント1−2(図3参照))が回転筐体102に固定されている。伝送電源電流Pt は送信エレメント1−1に供給され、誘導電流が受信エレメント1−2から出力される。
【0030】
フェライトポット2は磁性材料であり、電源伝送トランス1の一部をなす。
データ伝送装置4は、送信アンテナ4−1と受信アンテナ4−2(図4参照)とにより構成され、変調されたデジタル信号等のデータを送受信するアンテナとして働く。
【0031】
図5にデータ伝送装置の周辺機構を示す。図5(A)に示すのは、データ伝送装置4とその周辺である。
図5(A)に示すように、送信アンテナ4−1は絶縁材20を介して固定筐体101に固定され、受信アンテナ4−2は絶縁材20を介して回転筐体102に固定されている。両エレメントは互いの対向面が所定の形状(例えば、鋸歯形状)をなしており、変調された伝送データの送受信が効率よく行えるよう設計されている。
【0032】
両アンテナの位置関係は対向面が鋸歯形状を有しているため微調整をする必要があり、調整ネジ22を設ける。本実施例では、調整ネジ22を回転させることで、送信アンテナ4−1が横方向に少しずつ移動する。この調整ネジ22を調整するためのネジ穴は、アンテナのゆがみをなくすために、例えば、筐体の周囲に120°程度の角度をおいて3つ(H1 〜H3 )設けられる(図5(B))。
【0033】
また、データ伝送装置4の前後には漏れ磁界を防ぐための導電ナイロン7が設けられている。導電ナイロン7は、導電性を有する布材であり、電源伝送トランス1の電磁妨害を防ぐためにデータ伝送装置4の電源伝送トランス1側の間隙を塞ぐように設けられている。導電ナイロン7’は、データ伝送装置4の間隙からの漏れ磁界が外部に放出されるのを防ぐために、伝送装置本体100の外周面の間隙部分を覆うように設けられている。
【0034】
さらに、図1において、電磁シールド5は、電源伝送トランス1の周囲及びデータ伝送装置4の周囲とを囲み、漏れ磁界の遮断を行っている。
ニードルベアリング6は、固定筐体101と回転筐体102とを回転軸103に係止する。
▲2▼ 電源伝送トランスの構成
図3に電源伝送トランスの構成を示す。図3(A)は斜視図であり、図3(B)は断面図である。
【0035】
図3(A)に示すように、本実施例の電源伝送トランス1は、送信エレメント1−1と受信エレメント1−2とを備える。両エレメントは物理的に分離している。
両エレメントはコの字形状に成形したフェライトポット2−1及び2−2(図3(B)参照)を備え、フェライトポット2−1及び2−2のコの字の内側にはコイル3−1及び3−2が設けられている。
【0036】
送信エレメント1−1は、ターミナルT1 より一次側の電源電流が供給されて誘導磁界を発生させるための一次コイルL1 と、一次コイルL1 からの誘導磁界により起電力を発生しターミナルT2 に検出電流を出力する検出コイルLD とにより構成される。
【0037】
受信エレメント1−2は、両エレメントを所定の間隙まで近づけたとき、送信エレメント1−1の一次コイルL1 が発生する誘導磁界により受信電源電流を発生する二次コイルL2 を備える。
【0038】
フェライトポットの材料としては磁気的特性がよく抵抗率が高い素材が好ましい。いわゆる、フェライト(珪素鋼板=鉄(Fe)に5%以内の珪素(Si)を加えたもの)が特性のよい材料として挙げられる。圧延した鉄板を積層してなる磁力補強材であってもよい。
【0039】
一次コイルL1 と二次コイルL2 の巻き線比によって、二次側に誘導される起電力が変化するが、この巻き線比は、一次側に供給可能な電圧値と二次側の平滑回路の許容ピーク入力値に合わせて決めればよい。
▲3▼ 制御系統のブロック
図4に実施例の伝送装置の制御ブロック図を示す。
【0040】
伝送装置の制御ブロックは、電源・データの送信を行う送信部200と固定部Fから回転部Rへの伝送を行う伝送装置本体100とデータの受信を行う受信部300とを備える。
【0041】
送信部200において、平滑回路10は、商用電源ACinを平滑して直流化する。
電力制御回路11は、周波数制御回路12の供給する周波数制御信号CNTに基づいて、平滑回路10の出力する直流電流を高周波信号に変換し、送信電源電流Pt として電源伝送トランス1の一次コイルL1 に供給する。
【0042】
周波数制御回路12は、検出コイルLD で検出されフィードバックされた検出信号を入力して平滑化等の手段で実効値を図り、この実効値に対応して周波数が変化する周波数制御信号CNTを出力する。周波数制御信号12の一部はいわゆるV−f変換回路をなしている。
【0043】
送信機15はデジタル等のデータを入力し伝送に適する周波数で変調(例えば、FSK変調)して送信データSt として送信アンテナ4−1に供給する。
伝送装置本体100において、電源伝送トランス1は電源の伝送を行う。則ち、送信エレメント1−1において、一次コイルL1 は電力制御回路11の供給する送信電源電流Pt により誘導磁界を生ずる。
【0044】
検出コイルLD は、この誘導磁界により一定の帰還信号FBを発生しターミナルTD に出力する。
所定の間隙を隔てて送信エレメント1−1と対向する受信エレメント1−2では、二次コイルL2 に誘導磁界が届くので、ターミナルT2 より受信電源電流Pr が出力される。
【0045】
一方、データ伝送装置4は変調されたデータの送受信を行う。
受信部300において、平滑回路13は、ターミナルT2 より供給された受信電源電流Pr を平滑化し直流電流とする。
【0046】
定電圧回路14は、出力する直流電源DCout の供給電圧を一定化する安定化回路である。
受信機16は、受信した受信データSr を復調し、元のデジタル信号のデータとそて出力する。
(II)動作の説明
次に動作を説明する。
【0047】
電力制御回路11は、いわゆるインバータ回路として働く。則ち、直流電流を周波数制御回路12から供給される所定の周波数の周波数制御信号に対応した周波数で発振させる。よって、出力される送信電源電流Pt は周波数制御信号CNTに対応する周波数を有する電源電流となる。
【0048】
ここで、一般に、本実施例のようなトランスは、インダクタンスが無限大に大きい理想トランスに比べて、小型故にインダクタンスが小さく容量成分が強く作用する。このため、回路はある程度の共振特性を有し、最も効率よく電力を伝送しうる周波数のピークが存在する。
【0049】
本実施例では、このことを利用し、最も効率よく電力の伝送が行える周波数を検出する。
まず、検出コイルLD は一次コイルL1 により生じた誘導磁界により起電力が生じ帰還信号FBが発生する。周波数制御回路12は、この帰還信号FBを入力し、電圧の実効値を検出する。この実効値はV−f変換回路を動作させ周波数制御信号CNTを出力する。つまり、検出される帰還信号FBの実効値が高い程、周波数制御回路12は高い周波数の周波数制御信号CNTを発生することになる。電力制御回路11は、周波数制御信号CNTの発振周波数に対応する周波数の送信電源電流Pt を発生する。
【0050】
従って、周波数の上昇と共に実効値、則ち、トランスの伝送効率が上昇する限り周波数が上昇するが、伝送効率が下降を始めると発振周波数も対応して下降する。よって、帰還信号FBの存在により、この系にフィードバックが作用することになり、電源制御回路11の発生する送信電源電流Pt はサーボ作用により最も効率のよい周波数に収束する。
【0051】
二次コイルL2 に対しても同様の効率で電力伝送が行われるならば、二次側から出力される直流電源DCout は最も効率のよい電力で供給が続けられることになる。
【0052】
このときの最高効率の周波数は、例えば、10〔kHz 〕〜20〔kHz 〕となる。
本実施例の電源伝送装置における電力伝送をより効率よく行うためには、磁力補強材料をフェライト等の磁性特性の優れるものとし、送信エレメント1−1と受信エレメント1−2との間の間隙を狭くすればよい。また、発振信号は高調波成分により電力ロスを少なくするため、正弦波であることが好ましい。
【0053】
しかし、それぞれのエレメントが固定される筐体は相対的に回転するため、構造上の偏芯を考慮してこの間隙の設定がなされる。例えば、両エレメント間の間隔は0.3〔mm〕〜1.0〔mm〕程度の範囲に設定される。
(III )実施例の効果
上記の如く本実施例によれば、小型で効率のよい電源伝送トランス、電源伝送装置を提供できる。この効率は、例えば、30%程度の効率が達成できる。
その他の変形例
本発明の上記実施例に限らず種々の変形が可能である。
【0054】
例えば、上記実施例の電源伝送トランスはコの字型のフェライトポットを用いたが、ドーナツ状の円管状であってもよい。また、対向面の幅を大きくし、対向面積を上げることもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上の通り、請求項1乃至請求項5に記載の発明によれば、互いに対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの電源送受信コイル間で正弦波特性を有する電源電流による電源伝送が行われるので、効率のよい小型の装置による電源伝送ができる。
【0056】
請求項1又は請求項2に記載の発明によれば、検出コイルにより検出される帰還信号のレベルに対応する周波数で発振しインバータ手段が発振した周波数制御信号に基づいて高周波数の伝送用電源電流を出力するので、最も効率のよい周波数で電源伝送が行える。
【0057】
請求項3又は4に記載の発明によれば、互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの筐体内において、信号伝送手段による漏れ磁界の方向と電源伝送トランスによる漏れ磁界の方向が直角をなすので、効率が高いながらも、信号の相互干渉が少ない電源伝送装置を提供できる。
【0058】
請求項5に記載の発明によれば、磁気的シールド材料と導電材料を設けたので、磁界の漏れがなく効率のよい電源伝送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の伝送装置の全体図である。
【図2】実施例の伝送装置本体の断面図である。
【図3】実施例の電源伝送コイルであり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【図4】実施例の伝送装置の制御ブロック図である。
【図5】データ伝送装置の周辺図であり、(A)はデータ伝送装置の調整機構、(B)はネジ穴の位置である。
【図6】従来の信号伝送装置である。
【符号の説明】
1…電源伝送トランス
2、2−1、2−2…フェライトポット
4…データ伝送装置
4−1…送信エレメント
4−2…受信エレメント
5…電磁シールド
6…ニードルベアリング
7…導電ナイロン
10、13…平滑回路
11…電力制御回路
12…周波数制御回路
14…定電圧回路
15…送信機
16…受信機
20…絶縁体
22…調整ネジ
30…一次側磁性体
31…一次側コイル
32…二次側磁性体
33…二次側コイル
100…伝送装置本体
101…固定筐体
102…回転筐体
103…回転軸
200…送信部
300…受信部
T1 〜T3 …ターミナル
H1 〜H3 …ネジ穴
Claims (5)
- 互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの電源送受信コイルと、
それぞれの前記電源送受信コイルの周辺部に、当該コイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化を強調するための金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段と、
電源電流を周波数制御信号に基づいた周波数で高周波化した伝送用電源電流を出力するインバータ手段と、
前記伝送用電源電流が供給される一次コイル及び前記一次コイルに流れる前記伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルよりなる一方の電源送受信コイルと、
前記一次コイルに流れる前記伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される他方の電源送受信コイルと、
を有する電源伝送トランスと、
前記検出コイルに誘導された前記帰還信号の信号レベルに基づいて前記周波数制御信号の周波数を変化させる周波数制御手段と、
前記他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換するコンバータ手段と、
を備えたことを特徴とする電源伝送装置。 - 開口部を有する磁性体を含み前記開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの磁力補強手段と、
各々の前記磁力補強手段の開口部の内側に設けられた電源送受信コイルと、
電源電流を周波数制御信号に基づいた周波数で高周波化した伝送用電源電流を出力するインバータ手段と、
前記伝送用電源電流が供給される一次コイル及び前記一次コイルに流れる前記伝送用電源電流により帰還信号が誘導される検出コイルよりなる一方の電源送受信コイルと、
前記一次コイルに流れる前記伝送電源電流により第2の電源電流が誘導される他方の電源送受信コイルと、
を有する電源伝送トランスと、
前記検出コイルに誘導された前記帰還信号の信号レベルに基づいて前記周波数制御信号の周波数を変化させる周波数制御手段と、
前記他方の電源送受信コイルからの第2の電源電流を出力用電源電流に変換するコンバータ手段と、
を備えたことを特徴とする電源伝送装置。 - 互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの電源送受信コイルと、
それぞれの前記電源送受信コイルの周辺部に、当該コイルを流れる電流の変化に対応した磁束密度の変化を強調するための金属材料又は磁性材料を含む磁力補強手段と、
を有する電源伝送トランスと、
互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方と前記の電源伝送トランスの電源送受信コイルの一方とを有する第1の筐体と、
前記二つの信号伝送手段の他方と前記電源送受信コイルの他方とを有し、前記第1の筐体と前記所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられた第2の筐体と、
を備え、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、前記二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と前記電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとを保持してなることを特徴とする電源伝送装置。 - 開口部を有する磁性体を含み前記開口部が互いに向き合った状態で所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの磁力補強手段と、
各々の前記磁力補強手段の開口部の内側に設けられた電源送受信コイルと、
を有する電源伝送トランスと、
互いに所定の間隔を保持して対向しつつ相対的に回転可能とされる二つの信号伝送手段の一方と前記の電源伝送トランスの電源送受信コイルの一方とを有する第1の筐体と、
前記二つの信号伝送手段の他方と前記電源送受信コイルの他方とを有し、前記第1の筐体と前記所定の間隔を隔てて相対的に回転可能となるように設けられた第2の筐体と、
を備え、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体は、前記二つの信号伝送手段間の間隙から漏れ出る磁界の方向と前記電源送受信コイル間の間隙から漏れ出る磁界の方向とが略直角をなすべく前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとを保持してなることを特徴とする電源伝送装置。 - 請求項3又は4に記載の電源伝送装置において、
前記二つの信号伝送手段及び前記電源伝送トランスの周囲に磁気的シールド材料を周設し、
前記二つの信号伝送手段と前記電源伝送トランスとの間に延在する前記所定の間隔部分には、前記二つの信号伝送手段及び前記電源伝送トランスのそれぞれの間隙部分から漏れ出る磁界を遮断するための摺動可能な導電材料を設け、
前記所定の間隔部分の外界への開口部部分には、外部に漏れ出る磁界を遮断するための摺動可能な導電材料を設けたことを特徴とする電源伝送装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26757994A JP3544232B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 電源伝送方法、電源伝送トランス及び電源伝送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26757994A JP3544232B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 電源伝送方法、電源伝送トランス及び電源伝送装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08130136A JPH08130136A (ja) | 1996-05-21 |
| JP3544232B2 true JP3544232B2 (ja) | 2004-07-21 |
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ID=17446743
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26757994A Expired - Lifetime JP3544232B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 電源伝送方法、電源伝送トランス及び電源伝送装置 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP3544232B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2492932B1 (en) * | 2006-12-20 | 2014-07-30 | Analogic Corporation | Non-contact rotary power transfer system |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP26757994A patent/JP3544232B2/ja not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
| JPH08130136A (ja) | 1996-05-21 |
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