JP3545877B2 - 電力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、プリンタなどの画像形成装置に用いられる定着ヒータや露光ランプ等の電力制御を行う電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、転写紙上に形成したトナー像からなる画像を転写紙に固定するために、定着ヒータで加熱した加熱ローラにより転写紙上のトナー像を融着させる熱定着方式の定着装置が用いられている。中空の加熱ローラは加熱手段として棒状のハロゲンヒータからなる定着ヒータを内蔵し、加熱ローラの表面温度が所定の温度になるように交流電源から定着ヒータへの通電時間が制御される。ハロゲンヒータは、タングステンのフィラメントを不活性ガスとともに棒状のガラス管に封入したものである。
【0003】
交流電源から定着ヒータへの通電時間を制御する方式としては、スイッチング素子としてトライアックを使った位相制御方式が一般に行われている。これは、トライアックをオンするトリガ点(位相角)を交流電源の出力のゼロクロスに同期して制御する方式であり、トライアックの転流特性を利用することにより、少ない部品で効率良く負荷電力(定着ヒータへの供給電力)を制御する。
【0004】
しかし、この方式では、交流電源の半周期毎に定着ヒータの通電比率を制御するので、電源の力率が低く、大きな電流容量のスイッチング素子が必要になるという課題があった。そこで、この課題を解決するものとして、特開平5−216358号公報、特公平6−87432号公報、特公平7−101992号公報に記載されている先行技術がある。これらの先行技術は、交流電源よりもはるかに高い周期でスイッチング素子を動作させることにより、上記位相制御方式の不具合を解決するものである。
【0005】
特開平5−216358号公報に記載されている先行技術は、記録装置の画像熱定着器のヒータ駆動装置であって、交流電源の出力を整流する整流手段と、この整流手段の出力をスイッチング素子で断続するスイッチ手段とを備え、かつ前記スイッチ手段の出力電圧が大略一定になるごとく制御して定着器ヒータへ通電する手段とを有することを特徴とする定着器ヒータ駆動装置である。この定着器ヒータ駆動装置では、交流電源の出力変動によらず定着器ヒータに一定の電力を供給でき、安定した定着特性を維持することができる。
【0006】
特公平6−87432号公報に記載されている先行技術は、商用交流電源を電源とする負荷に直列に接続される装置であって、入力端子間に流れる電流を整流するダイオードブリッジと、このダイオードブリッジの出力を平滑して直流電圧を発生する平滑回路と、上記直流電圧を電源として高周波発振し、デューティ比制御用可変抵抗を備える非安定マルチバイブレータと、上記ダイオードブリッジの出力端子間に接続され、上記非安定マルチバイブレータの出力によりオン/オフするスイッチングトランジスタと、上記非安定マルチバイブレータの発振周波数成分を除去するフィルタとからなる電力制御装置である。この電力制御装置では、電源の力率が向上し、高調波が低減される。
【0007】
特公平7−101992号公報に記載されている先行技術は、交流電源の出力を整流する整流回路と、この整流回路の出力端にトランジスタからなるスイッチング素子を介して接続されたリアクタンス素子と、このリアクタンス素子と共に共振回路を形成するキャパシタンス素子とを具備し、前記スイッチング素子のオン/オフにより前記交流電源の出力を所定周波数の交流電力に変換し前記リアクタンス素子に生ぜしめるインバータ装置において、前記整流回路の出力電圧または前記交流電源の出力電圧のレベルに応じて前記スイッチング素子の通電時間を制御する制御手段を設けたことを特徴するインバータ装置である。
【0008】
このインバータ装置は、電磁調理器などに用いられ、電源の力率が向上する。さらに共振回路によりスイッチング素子であるトランジスタのコレクタに生ずる電圧がサイン状となり、この電圧が低くなる周期に同期してトランジスタがスイッチングを行うことで、いわゆるソフトスイッチングを行うことになり、スイッチング素子の発熱が低減する。また、スイッチング素子にかかる電圧のピークを抑えることができるなどの大きな効果が得られる。
【0009】
ここに、図6(a)(b)はハードスイッチングとソフトスイッチングとの違いを示す。スイッチング時にスイッチング素子に加わる電圧Vと、スイッチング素子を流れる電流Iとがクロスする図6の格子領域がスイッチング素子の損失になる。ハードスイッチングでは、その領域が図6(b)に示すように広い。ソフトスイッチングでは、共振により電圧がサイン状になるので、その領域が図6(a)に示すように狭い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平5−216358号公報、特公平6−87432号公報、特公平7−101992号公報に記載されている先行技術では、定着装置に用いられるハロゲンヒータや、原稿露光装置に用いられるハロゲンランプ等を負荷とした場合には、負荷の特性の違いにより、電源の力率を改善するとスイッチング素子の損失が増加するなどの不具合が生じ、電源の力率、効率、信頼性等をバランス良く満足することが困難であった。
【0011】
すなわち、特開平5−216358号公報記載の定着器ヒータ駆動装置では、スイッチング素子に加わる電源電圧をスイッチング素子により直接スイッチングするというハードスイッチングを行うので、スイッチング素子での発熱やノイズの発生が多い等の問題があった。
【0012】
また、特公平6−87432号公報記載の電力制御装置では、スイッチング素子以外を交流で通電し、スイッチング素子のみ直流で駆動しているために、非安定マルチバイブレータの発振周波数成分を除去するフィルタを構成する部品として、高価な交流用の部品を使用するので、装置が高価になるという欠点がある。また、上記特開平5−216358号公報記載の定着器ヒータ駆動装置と同様にハードスイッチングを行うので、スイッチング素子の発熱やノイズの発生が多い等の問題があった。
【0013】
さらに、特公平7−101992号公報記載のインバータ装置では、電磁調理器などに用いた場合には上述した効果が得られるが、画像形成装置における定着装置のハロゲンヒータからなる定着ヒータなどに用いても同じ効果を得ることができない。これは、このインバータ装置の負荷である電磁調理器の加熱コイル自身がリアクタンス素子であって大きなインダクタンスを有し、この大きなインダクタンスを有するリアクタンス素子との共振でソフトスイッチングを行っているためである。
【0014】
画像形成装置に定着ヒータとして用いられるハロゲンヒータはインダクタンスがほとんど無いので、上記特公平7−101992号公報記載のインバータ装置は負荷がハロゲンヒータであればハロゲンヒータと共振ができなくてハードスイッチングを行うことになる。このため、定着ヒータとしてハロゲンヒータを用いた定着装置を効率良く駆動するためには、新たな工夫が必要であった。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決し、電源の力率の向上、高調波電流の低減、信頼性の向上、スイッチング損失の低減、ノイズの低減、ソフトスイッチングの実現、負荷駆動効率の向上を図ることができ、しかも、簡単な構成で経済的にも効果がある電力制御装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、交流電源の出力を整流して得た電源電圧を、画像形成装置の本体に設けられている負荷とスイッチング素子とが直列に接続された負荷回路に印加し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作により前記負荷の電力制御を行う電力制御装置において、前記負荷と直列に接続された第1の共振手段と、この第1の共振手段と前記負荷との直列回路に並列に接続された第2の共振手段とを備え、前記第1の共振手段と前記第2の共振手段と前記負荷とを一体に設け前記本体から電気的に着脱可能な構成としたものであり、スイッチング損失の低減、電源の力率の向上、高調波電流の低減、ノイズの低減を図ることができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の電力制御装置において、前記第1の共振手段としてインダクタを用い、前記第2の共振手段としてコンデンサを用いたものであり、ソフトスイッチングの実現、負荷駆動効率の向上を図ることができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の電力制御装置において、前記インダクタの有するインダクタンスが前記負荷の有するインダクタンスよりも大きいものであり、ソフトスイッチングの実現、負荷駆動効率の向上を図ることができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1、2または3記載の電力制御装置において、前記負荷としてのヒータと,該ヒータの近傍に設けられた温度検知手段と,前記第1の共振手段とを直列に接続した直列回路の両端間に前記第2の共振手段を接続した直並列回路を、前記本体に機械的に着脱自在に設けられた前記定着装置に内蔵し、前記本体に設けられた前記電力制御装置の一部と前記直並列回路とをコネクタを介して電気的に接続するようにしたものであり、ノイズの低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に関連した電力制御装置 (1)を示す。この電力制御装置 (1)は、交流電源の出力を整流して得た電源電圧を、負荷とスイッチング素子を直列に接続したインバータ回路に供給するとともに、インバータ回路に2つの共振手段を設けることにより、スイッチング素子での損失を増やさずに入力電流を交流電源と同じ正弦波化し、電源の力率を改善するものであり、例えば複写機、プリンタなどの画像形成装置等に搭載される。
【0021】
この電力制御装置 (1)の構成を説明すると、図1に示すように、交流電源ACの出力端子にはコンデンサC1およびコイルL1で構成されるノイズフィルタの入力側が接続される。このノイズフィルタの出力側は機械に異常が発生したときに電源を遮断する安全リレーRAの接点S1、S2を介して整流器DBの入力側に接続される。この整流器DBの出力側はコンデンサC2、C3およびコイルL2で構成されるノイズフィルタを介してインバータ回路1に接続される。
【0022】
インバータ回路1においては、第1の共振手段2と、画像形成装置における定着装置の定着ヒータとしてのハロゲンヒータや原稿露光装置の露光ランプとしてのハロゲンランプなどからなる負荷3とが直列に接続され、この第1の共振手段2と負荷3との直列回路に並列に第2の共振手段4が接続されて直並列回路が構成される。この直並列回路はトランジスタからなるスイッチング素子Q1を直列に介して整流器DBの出力側(正確にはコンデンサC2、C3およびコイルL2で構成されるノイズフィルタの出力側)に接続される。スイッチング素子Q1の駆動信号が入力されるベースには駆動回路5の出力端子が接続され、駆動回路5には機械の動作条件に応じて負荷3をオン/オフさせるための信号線が制御手段としての機械全体制御部6から接続される。
【0023】
次に、この電力制御装置 (1)の作用を説明する。本電力制御装置 (1)の電力制御装置を搭載している機械の準備が整うと、安全リレーRAの接点S1、S2をオンさせる信号が機械全体精御部6から出力され、交流電源ACの出力はコンデンサC1およびコイルL1で構成されるノイズフィルタでノイズが除去されて安全リレーRAの接点S1、S2を介して整流器DBに供給されて全波整流される。
【0024】
整流器DBの出力はコンデンサC2、C3およびコイルL2で構成されるノイズフィルタに入力されてノイズが除去される。このノイズフィルタのコンデンサC2、C3は、高い周波数のノイズを吸収するために設けてあり、静電容量が小さな値に設定してある。したがって、このノイズフィルタの出力の電圧波形は、図5に示すように交流電源ACの出力を全波整流した電圧Vinとなる。このノイズフィルタの出力はインバータ回路1に入力される。
【0025】
この状態で、負荷3に電力を供給するタイミングになると、機械全体制御部6から負荷3をオンさせる信号Honが駆動回路5に入力される。駆動回路5は、機械全体制御部6からの信号Honによりオンしてスイッチング素子Q1の駆動信号Vbを生成し、この駆動信号Vbによりスイッチング素子Q1を交流電源Q1の出力周波数よりもはるかに高い周波数(例えば20KHz)で駆動する。
【0026】
これにより、スイッチング素子Q1がオンした時には、上記ノイズフィルタの出力Vinがスイッチング素子Q1を介して負荷3と共振手段2、4の直並列回路に印加されて負荷3と共振手段2、4の直並列回路に負荷電流Icが流れ、負荷3に電力が供給され、第1の共振手段2にエネルギーが蓄えられる。また、スイッチング素子Q1がオフした時には、負荷3と共振手段2、4の直並列回路内で第1の共振手段2からエネルギーが放出され、第2の共振手段4が充電されるとともに負荷3に電流が流れる。
【0027】
ここで、▲1▼.第1の共振手段2にインダクタを用いて第2の共振手段4にキャパシタを用いることにより、スイッチング素子Q1のスイッチング時にスイッチング素子Q1のコレクタに誘起する電圧、および負荷電流Icの立ち上がりを緩やかにしている。また、▲2▼.負荷3に流れる負荷電流Iは図5に示すように正弦波状の包絡線を有する波形となる。さらに、▲3▼.インバータ回路1の入力電圧Vinが基準値Vsよりも低い期間には、スイッチング素子Q1のオフ時間を無くしてスイッチング素子Q1が連続してオンするようにしている。
【0028】
上記▲1▼の作用により、スイッチング素子Q1によるスイッチングが図6(a)に示すようなソフトスイッチングとなり、スイッチング素子Q1のスイッチング時にスイッチング素子Q1に加わる電圧と電流Icの交差する領域が少なくなってスイッチング素子Q1のスイッチング損失を低減することができる。また、上記▲2▼の作用により、交流電源ACから負荷3に流入する電流の波形が正弦波状となり、力率が向上して高周波電流が低減するという効果が得られる。さらに、上記▲3▼の作用により、スイッチング素子Q1のスイッチング回数が少なくなり、スイッチング損失を低減することができるとともに、スイッチング素子Q1のスイッチングによる電圧電流の変化により発生するノイズも低減させることができる。
【0029】
このように、電力制御装置 (1)では、交流電源ACの出力を整流して得た電源電圧Vinを、負荷3とスイッチング素子Q1とが直列に接続された負荷回路に印加し、前記スイッチング素子Q1のオン/オフ動作により前記負荷3の電力制御を行う電力制御装置において、前記負荷3と直列に接続された第1の共振手段2と、この第1の共振手段2と前記負荷3との直列回路に並列に接続された第2の共振手段4とを備えたので、スイッチング素子によるスイッチングがソフトスイッチングとなり、スイッチング素子のスイッチング時にスイッチング素子に加わる電圧とスイッチング素子を流れる電流の交差する領域が少なくなってスイッチング損失を低減することができる。また、交流電源から負荷に流入する電流の波形が正弦波状となり、電源の力率が向上して高周波電流が低減するという効果が得られる。さらに、スイッチング素子のスイッチング回数が少なくなり、スイッチング損失を低減することができるとともに、スイッチングによる電圧電流の変化により発生するノイズも低減させることができる。
【0030】
図2は本発明の実施形態の前提となる電力制御装置 (2)を示す。この電力制御装置 (2)は、上記電力制御装置 (1)において、第1の共振手段2にインダクタL3を用い、第2の共振手段4にコンデンサC4を用いたものであり、負荷3は例えば画像形成装置における定着装置の定着ヒータとしてのハロゲンヒータHTとする。
【0031】
次に、この電力制御装置 (2)の作用について、上記電力制御装置 (1)の作用とは異なるインバータ回路1の作用のみ説明する。スイッチング素子Q1の動作により流れる負荷電流Icは、各共振手段L3、C4を分流する。
スイッチング素子Q1のオン時には、第1の共振手段であるインダクタL3と負荷HTに図2に示すような経路で電流Ic1が流れ、インダクタL3に磁気エネルギーが蓄積されるとともに、負荷HTが駆動される。他方、第2の共振手段であるコンデンサC4には電流Ic2が流れてコンデンサC4が充電される。これらの電流Ic1、Ic2の合成電流は負荷電流Icとしてスイッチング素子Q1を流れる。
【0032】
また、スイッチング素子Q1のオフ時には、インダクタL3に蓄積された磁気エネルギーがリセットされて電流Ic3が図2に示すような経路で流れて負荷HTを駆動する。▲4▼.この電流Ic3は、スイッチング素子Q1のオフ時初期におけるコンデンサC4の放電電流および、その後のコンデンサC4の充電電流も合成されている。
【0033】
スイッチング素子Q1を流れる電流Icおよびスイッチング素子Q1の電圧Vceの波形は図7に示すようになる。スイッチング素子Q1のオン時には第1の共振手段であるインダクタL3により、負荷電流Icは比較的緩やかな傾斜で増加する。また、▲5▼.スイッチング素子Q1のオフ時には、負荷HT及び各共振手段L3、C4を流れる電流により、スイッチング素子Q1に正弦波状の電圧Vceが発生する。このため、スイッチング素子Q1のオン時、オフ時ともに、スイッチング素子Q1に加わる電圧Vceと電流Icの交差する領域が少なくなる。
【0034】
上記のように、インダクタンス成分がほとんど無いハロゲンヒータのような負荷HTにおいても、第1の共振手段に負荷のインダクタンスよりも十分に大きなインダクタンスを有するインダクタL3を用い、さらに第2の共振手段にコンデンサC4を用いたことにより、ソフトスイッチングを行うことができる。また、上記▲4▼の作用により負荷HTにはスイッチング素子Q1のオンとオフの両期間に渡って電流を流すことができ、負荷の駆動効率が向上する。
【0035】
このように、本電力制御装置 (2) は、電力制御装置 (1)において、前記第1の共振手段としてインダクタL3を用い、前記第2の共振手段としてコンデンサC4を用いたので、ソフトスイッチングを行うことができる。また、負荷にはスイッチング素子のオンとオフの両期間に渡って電流を流すことができ、負荷の駆動効率が向上する。
【0036】
また、本電力制御装置 (2) は、前記インダクタL3の有するインダクタンスが前記負荷HTの有するインダクタンスよりも大きいので、インダクタンス成分がほとんど無いヒータのような負荷においても、ソフトスイッチングを行うことができる。また、負荷にはスイッチング素子のオンとオフの両期間に渡って電流を流すことができ、負荷の駆動効率が向上する。
【0037】
図3は本発明の一実施形態を示し、図4は本実施形態を用いた画像形成装置としての電子写真装置の一実施形態を示す。本実施形態の電力制御装置は回路構成が上記電力制御装置 (2)と略同じであり、定着ヒータからなる負荷HTは電子写真装置における定着装置HUの図示しない加熱ローラに内蔵するように配置してある。
【0038】
定着ヒータHTの一端は第1の共振手段であるインダクタL3の一端が接続され、定着ヒータHTの他端は温度ヒューズFUの一端が接続される。そして、インダクタL3、定着ヒータHT及び温度ヒューズFUが直列に接続され、このインダクタL3、定着ヒータHT及び温度ヒューズFUの直列回路と並列に第2の共振手段であるコンデンサC4が接続される。
【0039】
定着ヒータHTを内蔵する加熱ローラの表面付近には、この加熱ローラの温度を検出するサーミスタTHが設けられる。インバータ回路1を構成する部品のうち図3に破線で囲まれたインダクタL3、コンデンサC4、定着ヒータHT、温度ヒューズFU及びサーミスタTHが加熱ローラ等と共に定着装置HUに一体に配置される。
【0040】
定着装置HUは図4に示すように電子写真装置の本体7に機械的に着脱自在に装着される。定着装置HU内に配置された、本電力制御装置におけるインバータ回路1の一部と、電子写真装置の本体7内に配置された、本電力制御装置の他の部分とは、コネクタと中継用の電線T1〜T4を介して接続されており、コネクタにより電気的にも着脱可能な構成となっている。
【0041】
次に、本電力制御装置の作用を説明する。機械全体精御部6が安全リレーRAの接点S1、S2をオンさせると、交流電源ACの出力がコンデンサC1およびコイルL1で構成されるノイズフィルタ、安全リレーRAの接点S1、S2、整流器DB、コンデンサC2、C3およびコイルL2で構成されるノイズフィルタを介してインバータ回路1に供給される。
【0042】
さらに、機械全体制御部6から負荷3をオンさせる信号Honが駆動回路5に入力されると、駆動回路5がオンして駆動信号Vbによりスイッチング素子Q1を交流電源Q1の出力周波数よりもはるかに高い周波数で駆動する。これにより、定着装置HUの定着ヒータHTに電流が流れ、加熱ローラが加熱される。
【0043】
機械全体制御部6は、加熱ローラの表面温度をサーミスタTHにより検出し、その検出温度が所定の温度になるように駆動回路5への出力信号Honを制御する。駆動回路5は、機械全体制御部6からの信号Honに応じてスイッチング素子Q1のオンとオフの比率を制御する。これらにより、加熱ローラは電子写真装置の本体の動作に対応して所定の温度を維持し、最良の画像を提供するように温度が制御される。
【0044】
電子写真装置の本体は、定着装置HUに転写紙が詰まった場合に、定着装置HUを引き出してその転写紙を簡単に取り出せるように図4に示す如く定着装置HUが着脱自在に装着される。このため、定着装置HU内の定着ヒータHTとインパータ回路1とを接続する電線が長くなってしまう。さらに、スイッチング時に流れる充放電電流Ic2、Ic3が長い経路を流れることになり、電線から放射するノイズが多くなるという不具合が発生する。
【0045】
そこで、本実施形態では、上記のように各共振手段L3、C4を、負荷である定着ヒータHTの近傍に配置したことにより、スイッチング時の充放電電流Ic2、Ic3が流れる経路が最短になり、定着装置HU内の定着ヒータHTとインパータ回路1とを接続する電線から放射されるノイズを低減することができる。
なお、本発明は上記電力制御装置 (1)にも同様に適用することができる。
【0046】
このように、本発明の一実施形態では、上記電力制御装置 (1) または上記電力制御装置 (2)において、前記負荷としてのヒータHTと,該ヒータHTの近傍に設けられた温度検知手段としてのサーミスタTHと,前記第1の共振手段としてのインダクタL3とを直列に接続した直列回路の両端間に前記第2の共振手段としてのコンデンサC4を接続した直並列回路を、画像形成装置の本体に着脱自在に設けられた定着装置HUに内蔵し、前記本体に設けられた前記電力制御装置の一部と前記直並列回路とをコネクタを介して接続するようにしたので、スイッチング時の充放電電流が流れる経路を最短にでき、ヒータと電力制御装置の一部とを接続する電線から放射されるノイズを低減することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、交流電源の出力を整流して得た電源電圧を、画像形成装置の本体に設けられている負荷とスイッチング素子とが直列に接続された負荷回路に印加し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作により前記負荷の電力制御を行う電力制御装置において、前記負荷と直列に接続された第1の共振手段と、この第1の共振手段と前記負荷との直列回路に並列に接続された第2の共振手段とを備え、前記第1の共振手段と前記第2の共振手段と前記負荷とを一体に設け前記本体から電気的に着脱可能な構成としたので、スイッチング素子によるスイッチングがソフトスイッチングとなり、スイッチング素子のスイッチング時にスイッチング素子に加わる電圧とスイッチング素子を流れる電流の交差する領域が少なくなってスイッチング損失を低減することができる。また、交流電源から負荷に流入する電流の波形が正弦波状となり、電源の力率が向上して高周波電流が低減するという効果が得られる。さらに、スイッチング素子のスイッチング回数が少なくなり、スイッチング損失を低減することができるとともに、スイッチングによる電圧電流の変化により発生するノイズも低減させることができる。また、スイッチング時の充放電電流が流れる経路を最短にでき、負荷と電力制御装置の一部とを接続する電線から放射されるノイズを低減することができる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、請求項1記載の電力制御装置において、前記第1の共振手段としてインダクタを用い、前記第2の共振手段としてコンデンサを用いたので、ソフトスイッチングを行うことが可能になる。また、負荷にはスイッチング素子のオンとオフの両期間に渡って電流を流すことができ、負荷の駆動効率が向上する。
【0049】
請求項3に係る発明によれば、請求項2記載の電力制御装置において、前記インダクタの有するインダクタンスが前記負荷の有するインダクタンスよりも大きいので、インダクタンス成分がほとんど無いヒータのような負荷においても、ソフトスイッチングを行うことができる。また、負荷にはスイッチング素子のオンとオフの両期間に渡って電流を流すことができ、負荷の駆動効率が向上する。
【0050】
請求項4に係る発明によれば、請求項1、2または3記載の電力制御装置において、前記負荷としてのヒータと,該ヒータの近傍に設けられた温度検知手段と,前記第1の共振手段とを直列に接続した直列回路の両端間に前記第2の共振手段を接続した直並列回路を、前記本体に機械的に着脱自在に設けられた前記定着装置に内蔵し、前記本体に設けられた前記電力制御装置の一部と前記直並列回路とをコネクタを介して電気的に接続するようにしたので、スイッチング時の充放電電流が流れる経路を最短にでき、ヒータと電力制御装置の一部とを接続する電線から放射されるノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に関連した電力制御装置 (1)を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の前提となる電力制御装置 (2)を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】同実施形態を用いた電子写真装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】上記電力制御装置 (1)の各部の電圧・電流波形を示す波形図である。
【図6】ハードスイッチングとソフトスイッチングとの違いを示す図である。
【図7】上記電力制御装置 (2)の電圧・電流波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 インバータ回路
2 第1の共振手段
3 負荷
4 第2の共振手段
5 駆動回路
6 機械全体制御部
7 電子写真装置の本体
AC 交流電源
C1〜C4 コンデンサ
L1、L2 コイル
L3 インダクタ
S1、S2 安全リレーの接点
DB 整流器
Q1 スイッチング素子
HU 定着装置
FU 温度ヒューズ
TH サーミスタ
Claims (4)
- 交流電源の出力を整流して得た電源電圧を、画像形成装置の本体に設けられている負荷とスイッチング素子とが直列に接続された負荷回路に印加し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作により前記負荷の電力制御を行う電力制御装置において、前記負荷と直列に接続された第1の共振手段と、この第1の共振手段と前記負荷との直列回路に並列に接続された第2の共振手段とを備え、前記第1の共振手段と前記第2の共振手段と前記負荷とを一体に設け前記本体から電気的に着脱可能な構成としたことを特徴とする電力制御装置。
- 請求項1記載の電力制御装置において、前記第1の共振手段としてインダクタを用い、前記第2の共振手段としてコンデンサを用いたことを特徴とする電力制御装置。
- 請求項2記載の電力制御装置において、前記インダクタの有するインダクタンスが前記負荷の有するインダクタンスよりも大きいことを特徴とする電力制御装置。
- 請求項1、2または3記載の電力制御装置において、前記負荷としてのヒータと,該ヒータの近傍に設けられた温度検知手段と,前記第1の共振手段とを直列に接続した直列回路の両端間に前記第2の共振手段を接続した直並列回路を、前記本体に機械的に着脱自在に設けられた前記定着装置に内蔵し、前記本体に設けられた前記電力制御装置の一部と前記直並列回路とをコネクタを介して電気的に接続するようにしたことを特徴とする電力制御装置。
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| JP11236996A JP3545877B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 電力制御装置 |
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