JP3547302B2 - 部品実装方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品を回路基板上に実装する際における部品実装方法及び該部品実装方法を実行する部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子部品を回路基板上に実装する部品実装装置は、近年、高精度・高生産性が追求されている。例えば、電子部品を備えた部品供給部からの電子部品の取り出し、及び取り出した電子部品の上記回路基板への実装の動作を行う部品移載装置(以下、ヘッド部と記す)が、X,Y方向に自由に移動可能なXYロボットによって移動する多機能部品実装機の分野では、その部品供給形態の自由度の高さ、実装可能な部品の範囲の広さ、単純な構成がもたらす実装精度の高さから市場が拡大され、現在も、より高速・高精度を目指してその技術開発がなされている。又、近年では、上記XYロボットへのリニアモータの採用による実装動作の高速化などに加えて、上記ヘッド部に備わる部品吸着ノズルの駆動機構において、上記部品吸着ノズルが電子部品に与える圧力を制御することで部品実装時の圧力を調整するものも現れている。尚、上記ヘッド部による上記部品供給部からの電子部品の取り出しに関する技術としては、以前は、機械的に動作する爪によって部品を把持することで部品を取り出し、さらに取り出した部品の姿勢の補正を同時に行うものが主流であった。ところがこのような爪を用いた機構は、上記機械的な把持機構が複雑な構造であること、機械重量が増すこと、把持される部品へのストレスが高いこと等の欠点がある。よって、近年の画像認識技術の発達に伴い、空圧による部品の吸着、取り出し、全部品の認識、位置補正の流れが主流となっている。
しかしながら、回路基板に実装される部品の形状は、上記回路基板を内蔵する製品の小型化に伴う種々の部品の複合化・小型化により、非常に複雑となってきており、吸着可能な面が存在しない様な部品も存在する。このため、回路基板の厚さ方向に対して直交方向において互いに逆方向に移動する2つの挟持板を備え該挟持板にて部品を挟持するチャック機構を使用して、部品の姿勢補正は画像認識による部品実装装置が存在する。
【0003】
以下に図を参照しながら、上述した従来の部品実装装置において実行される部品実装方法について説明する。
図8は、従来の部品実装装置に備わるチャック装置200の一例を示したものである。チャック装置200は、大きく分けて、チャック機構部201、及びチャック機構部201を回路基板の厚さ方向Iに移動させる駆動部210を備える。チャック機構部201は、上記厚さ方向Iに対する直交方向IIにおいて互いに逆方向へ移動可能な2つの挟持板202,203、及び例えばエアシリンダを有する空圧駆動源204を有し、部品を挟持するように該空圧駆動源204にて挟持板202,203を開閉させる。チャック装置200が部品を挟持するときの部品とチャック機構部201との間の衝撃や、部品を回路基板へ実装する際にチャック機構部201を含む部品と回路基板との間の衝撃を吸収するため、駆動部210とチャック機構部201とは、バネ205を介在させて連結されている。尚、このように構成されるチャック装置200は、上述のように、XYロボットに取り付けられている。
【0004】
このようなチャック装置200を有する従来の部品実装装置における部品実装方法を以下に説明する。
チャック装置200は、XYロボットにて上記部品供給部における部品保持位置の上方に移動され、空圧駆動源204をオンとして挟持板202,203を開状態とする。尚、このときチャック装置200は、図9に示すように、チャック機構部201における上記部品供給部の部品載置面421からの初期高さの寸法IV、及び保持する部品422の高さ寸法IIIを予め認識している。次にチャック機構部201は、上記初期高さ寸法IVから部品高さ寸法IIIを差し引いた(IV−III)寸法分、駆動部210によって部品422の高さ方向へ下降される。このとき、部品載置面421の歪みや部品422の高さ寸法IIIの誤差に起因するチャック機構部201の下降量の変動は、バネ205によって吸収される。次に、チャック機構部201の下降完了と同時、若しくはチャック機構部201の動作遅れ分だけ事前に、空圧駆動源204をオフとして挟持板202,203を閉じて部品422を挟持する。そして部品422の挟持完了と同時に、駆動部210はチャック機構部201を上昇させ、部品供給部からの部品422の取り出しは完了する。そして、上記XYロボットにて回路基板上の実装位置までチャック装置200が移動されて部品422が上記回路基板へ実装される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のような従来の部品実装方法では、チャック機構部201における部品載置面421からの初期高さ寸法IVに誤差が生じたような場合、例えば図9に示すように上記寸法IVが所定寸法よりも長くなっているような場合には、チャック機構部201は部品422を正常な位置で挟持することができず、挟持板202,203における部品載置面421側の端部のみにて部品422を挟持することになり、隙間Vが生じることになる。したがって、極端な場合には、部品422の挟持後、回路基板への移載途中で部品422を落下させたり、部品422の画像認識後における補正用移動時に、挟持している部品422の姿勢がずれてしまうことがある。さらに、回路基板への装着時には、本来の下降距離に上記すき間V分を加えた距離にてチャック機構部201が下降することになるので、回路基板と部品422との間に不必要な衝撃が生じることになる。一方、このような回路基板への装着時の衝撃を避けるために、部品供給部に対するチャック機構部201の下降位置を、本来の位置よりも部品載置面421側に設定すると、部品取り出しの際に部品422に対してチャック機構部201が不必要な衝撃を加えることになってしまう。
【0006】
又、上記部品載置面421が非常に軟弱なトレイの部品載置面である場合がある。この場合、図10に示すように、チャック機構部201による部品422の取り出しの際に、チャック機構部201が不用意に上方から部品422へ力を加えたときには、トレイ423における部品載置面421の一部が変形し、部品422の姿勢を非常に不安定な状態にすることがある。このような状態で部品422の挟持、画像認識、位置補正、及び回路基板への装着を行った場合には、これらのいずれの過程においても挟持している部品422の落下や認識誤差を生じる可能性が非常に大きい。さらに又、このタイプのトレイ423では、その一部分に衝撃を加えることで、当該一部分以外の他の箇所に整列している部品の配置をずらしたり、最悪の場合には当該トレイ423の外へ飛び出させてしまう場合もある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、部品に対する衝撃を最小限に抑え、かつ高速な実装が可能な部品実装方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様である部品実装方法は、部品の高さ方向に部品保持部を移動して上記部品保持部にて部品を保持し保持した部品を被実装体へ実装する部品実装方法であって、
上記部品を保持するとき、上記部品に非接触な位置であって上記部品に上記部品保持部が接触するのを回避する接触回避寸法を上記部品の高さ寸法に加えてなる部品近傍位置まで上記部品保持部を第1速度にて移動し、
上記部品近傍位置から、上記部品の高さ寸法から上記接触回避寸法を減じてなる第2停止高さ位置まで、上記第1速度よりも低速である第2速度にて上記部品保持部を移動し、該移動中に、上記部品保持部と上記部品とが接触した時点で上記部品保持部の移動を停止し、
上記部品保持部の移動停止後、上記部品保持部にて上記部品を保持する、
ことを特徴とする。
【0008】
又、本発明の第2態様である部品実装装置は、部品の高さ方向に部品保持部を移動して上記部品保持部にて部品を保持し保持した部品を被実装体へ実装する部品実装装置であって、
上記部品を保持するとき、上記部品に非接触な位置であって上記部品に上記部品保持部が接触するのを回避する接触回避寸法を上記部品の高さ寸法に加えてなる部品近傍位置まで上記部品保持部を第1速度にて移動し、
上記部品近傍位置から、上記部品の高さ寸法から上記接触回避寸法を減じてなる第2停止高さ位置まで、上記第1速度よりも低速である第2速度にて上記部品保持部を移動し、該移動中に、上記部品保持部と上記部品とが接触した時点で上記部品保持部の移動を停止し、
上記部品保持部の移動停止後、上記部品保持部にて上記部品を保持する制御を行う、
制御装置を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態である部品実装方法及び部品実装装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、上記部品実装方法は上記部品実装装置にて実行されるものである。又、上述の図8ないし図10も含めて、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
又、部品保持部の機能を果たす一実施形態がチャック機構部201に相当する。又、本実施形態において部品としては電子部品を例に採り、被実装体の機能を果たす一実施形態が回路基板に相当する。又、接触回避寸法の機能を果たす一実施形態が変動幅Δαに相当し、部品近傍位置の機能を果たす一実施形態が第1停止高さ451に相当する。
【0010】
まず、本実施形態における部品実装装置51の構成を説明する。図5に示すように、部品実装装置51は、大きく分けて、チャック機構部201及び駆動部251を有するチャック装置2と、該チャック装置2をX,Yの水平方向に移動するXYロボット1と、上記チャック装置2の動作制御を行うチャック装置用制御装置5と、当該部品実装装置51の全体の動作制御を行う主制御装置6とを備える。X,Yロボット1は、例えばX方向に沿って互いに平行に延在する2本のX案内部1−1,1−1と、上記X方向に直交するY方向に延在し上記2本のX案内部1−1,1−1に架け渡されたY案内部1−2とを備え、Y案内部1−2には、駆動部251及びチャック機構部201を有するチャック装置2が取り付けられている。よって、チャック装置2は、Y案内部1−2によってY方向へ移動可能であり、Y案内部1−2がX案内部1−1に沿って移動することでX方向へ移動可能である。本実施形態では、上記2本のX案内部1−1,1−1に挟まれた部分に、種々の電子部品を収納しているトレイ式の部品供給部7及び電子部品が実装される回路基板8が配置され、チャック装置2はこれらの上方を移動する。よって本実施形態におけるチャック装置2の駆動部251はチャック機構部201をX,Yの両方向に直交するZ方向に移動させる。
【0011】
本実施形態では、上記駆動部251は、ボイスコイルモータ(VCM)から構成される。即ち、図6に示すように、駆動部251は、ケーシング252内を上記Z方向に貫通するシャフト253と、該シャフト253の周囲に沿って該シャフト253に固定された磁石254と、磁石254と一定の隙間をあけて非接触な状態にて上記シャフト253の軸方向に沿ってケーシング252の内面に設けられるコイル255とを備えている。又、シャフト253の一端部253aには、従来と同様の構造を有するチャック機構部201が着脱自在に取り付けられる。又、ケーシング252は上記Y案内部1−2に取り付けられ、Y案内部1−2に沿ってY方向へ移動可能である。このように構成される駆動部251のコイル255へ供給する電流量をチャック装置用制御装置5にて制御することで、シャフト253、即ちチャック機構部201は、上記Y案内部1−2に対して上記Z方向への移動量が制御されながら上記Z方向へ移動可能である。尚、駆動部251の動作制御の詳細な説明は後述する。
又、チャック装置2には、チャック機構部201における挟持板202,203の開閉を行う空圧駆動源204へのエアーの供給及び排気を行うソレノイドバルブ3が設けられており、該ソレノイドバルブ3はチャック装置用制御装置5にて上記エアーの供給及び排気の制御がなされる。
このようなチャック装置2は、X,Y方向へ移動することで、上記部品供給部7から電子部品を保持して、保持した電子部品を回路基板8の実装位置へ搬送して装着する。
【0012】
尚、本実施形態では駆動部251のボイスコイルモータの構造としてコイル255を不動として磁石254を可動としたが、これとは逆に、ケーシング252の内面に磁石254を固定しシャフト253の周囲にコイル255を設けることもできる。
又、部品供給部7は本実施形態のトレイ式に限られるものではなく、テープ上に該テープの延在方向に沿って電子部品を配列し該テープを巻回したリール式の部品供給部であってもよい。
【0013】
このように構成される部品実装装置51の動作を以下に説明する。尚、本実施形態では、回路基板8の厚さ方向、上記Z方向、及び部品422の高さ方向は一致しており、又、便宜上、部品供給部7における部品載置面421と回路基板8における部品載置面421とは上記Z方向において同位置にあるものとする。
図1に示すように、まずステップ(図内では「#」にて示す)1において、部品実装装置51のチャック装置用制御装置5には、図2(a)に示すように、回路基板8に実装する電子部品422における高さ寸法III、部品載置面421のZ方向における基準位置からの位置情報α、上記高さ寸法IIIの誤差及び部品載置面421の上記位置情報αの誤差に起因して生じる、上記部品載置面421に載置された部品422の上面422aのZ方向への変動幅Δαの各情報が供給される。尚、実装される部品422が複数種類の場合には、それぞれの種類に対応して上記高さ寸法III及び変動幅Δαの各情報が供給される。又、チャック機構部201は実装動作開始前においてZ方向における初期位置に配置される。該初期位置は、上記基準位置から高さLの位置であり、該初期位置の情報は予め主制御装置6に記憶されている。よって、上記位置情報αが供給されることで主制御装置6は、上記高さLから上記位置情報αを差し引くことで部品載置面421からチャック機構部201における空圧駆動源204の下面204aまでの距離である初期高さ寸法IVを算出する。尚、本実施形態では、XYロボット1における上記Z方向への撓み量はほぼゼロとしているので、該撓み量に起因する、チャック機構部201の上記初期位置の上記Z方向における変化量を無視しているが、上記初期位置の変化量を上記変動幅Δαに加えることもできる。このように、上記変動幅Δαは、チャック機構部201が部品を保持しようとするときに、チャック機構部201が後述の第1速度にて当該部品に接触することを回避するための寸法という概念である。
【0014】
ステップ2では、チャック装置用制御装置5の制御によるXYロボット1の移動動作により、部品供給部7に載置され今回実装される部品422の上方へチャック装置2が配置される。又、この配置動作の後、又は同時にて、チャック装置用制御装置5の動作制御によりソレノイドバルブ3が動作され、それによってチャック機構部201の挟持板202,203が開かれる。
【0015】
次にステップ3では、上記高さ寸法III、上記変動幅Δα、及び上記初期高さ寸法IVに基づきチャック装置用制御装置5は上記初期高さ寸法IVから上記高さ寸法III及び上記変動幅Δαを減算して第1下降距離を得る。尚、チャック装置用制御装置5は、駆動部251のボイスコイルモータへ供給する電流値及び電流供給時間に対するチャック機構部201の移動量の関係を予め記憶している。よって、チャック機構部201の移動量は、上記ボイスコイルモータへ供給する電流値及び電流供給時間に基づきチャック装置用制御装置5にて演算される。
チャック装置用制御装置5は駆動部251へ電流を供給して、上記第1下降距離分、チャック機構部201を上記初期位置からZ方向に沿って部品供給部7側へ第1速度にて下降させる。このときの状態を図2の(a)及び図3のVI部に示す。又、チャック機構部201が上記初期位置から上記第1下降距離分下降を終了したときにおける空圧駆動源の下面204aの位置を、図3に示すように第1停止高さ451とする。
【0016】
次に、ステップ4では、まず、チャック装置用制御装置5は上記初期高さ寸法IVから上記高さ寸法IIIを減算し、かつ上記変動幅Δαを加算して第2下降距離を得る。上記初期位置から上記第2下降距離分、チャック機構部201をさらに下降させた場合、空圧駆動源の下面204aは、図3に示すように、上記第1停止高さ451からさらに上記変動幅Δαの2倍の距離分、下降することになる。下降終了時における空圧駆動源の下面204aの位置を、図3に示すように第2停止高さ452とする。チャック機構部201が、上記第1高さ451から上記第2高さ452まで移動するとき、部品供給部7に実装すべき部品422が存在する場合には、通常、チャック機構部201の下降途中にて、空圧駆動源の下面204aは部品422の上面422aに当接するはずである。たとえ、上記Z方向において部品載置面421の設置位置がそのプラス、マイナスの誤差範囲のマイナス側最大値にて規定位置よりもチャック機構部201の下降方向へ位置し、かつ部品422の高さ寸法IIIがその誤差範囲のマイナス側最大値にて規定寸法よりも小さく製作されている場合であっても、チャック機構部201の下降により空圧駆動源204の下面204aが上記第2高さ452に位置したときには、上記下面204aは部品422の上面422aに当接するはずである。
したがって、上記第1速度と同じ速度にてチャック機構部201を下降させたのでは、空圧駆動源204の下面204aが部品422の上面422aに当接したときに部品422に与える圧力が大きくなる。そこで、本実施形態では、上記第1停止高さ451から第2停止高さ452までチャック機構部201を下降させるときには、図3のVII部に示すように、上記第1速度よりも低速である第2速度にてチャック機構部201が下降するように、チャック装置用制御装置5は駆動部251への電流供給量を制御する。
【0017】
さらに、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとの当接を検知するため、チャック装置用制御装置5は駆動部251の負荷、具体的には駆動部251へ供給する電流値を検出している。そしてチャック装置用制御装置5は、上記第1停止高さ451から第2停止高さ452へのチャック機構部201の下降動作において、詳細後述するように、駆動部251へ供給している電流値が急激に増加して、あるしきい値を超えたときには、上記下面204aが部品422の上面422aに当接したと判断し、チャック機構部201の下降動作を停止する。
このようなチャック装置用制御装置5の制御に基づき、ステップ4では、チャック装置用制御装置5はチャック機構部201を上記第1停止高さ451から第2速度にて下降を開始する。
【0018】
ステップ4にてチャック機構部201の移動を開始した直後においては、駆動部251へ供給される電流は、図4の「Tw」にて示す時間以内において図示するように、急激に増加する。このときの電流値の増加にて、チャック装置用制御装置5が上記下面204aと部品422の上面422aとの当接を誤認しないように、ステップ5では、上記第2速度による移動を開始する際に、チャック機構部201を加速するため駆動部251へ供給する電流が安定するまでの時間として電流安定時間Twを設け、チャック装置用制御装置5は上記電流安定時間Twの経過の有無を判断する。尚、上記電流安定時間Twはチャック機構部201の加速度に応じて調整可能である。
【0019】
ステップ5の後、ステップ6では、上記電流安定時間Twの経過時点において、チャック装置用制御装置5は、チャック機構部201が上記第1停止高さ451から第2停止高さ452へ上記第2速度にて移動するときに駆動部251へ供給される電流の電流値Icontを測定する。
【0020】
上述のように、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとが当接後、駆動部251へ供給される電流は急激に増加するが、その増加した電流のある時点における電流値であって空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとが当接したとみなされる電流値をIthとする。ステップ7では、チャック装置用制御装置5は、上記電流値Ithから上記電流値Icontを減算し、設定電流差ΔIsetを得るとともに、駆動部251へ供給している時々刻々の電流値を測定してその測定電流値Itを得る。尚、チャック機構部201による部品の保持動作において、いずれの部品に対しても、上記電流値Icont及び上記電流値Ithが一定であるような場合には、上記設定電流差ΔIsetは一定値となることから、その値を予めチャック装置用制御装置5に格納しておいてもよい。
又、上記電流値Ithは、チャック装置用制御装置5における制御プログラム上にて変更可能である。
【0021】
次のステップ8では、チャック装置用制御装置5は、チャック機構部201が上記第2停止高さ452へ移動したか否かを判断する。即ち、チャック装置用制御装置5は、上記チャック機構部201の上記初期位置からの降下量が上述のように演算にて得た上記第2下降距離を越えていないかどうかを判断する。上述のように、チャック機構部201にて挟持される部品422がチャック機構部201の下降方向に存在する場合には上記チャック機構部201が上記初期位置から上記第2下降距離分、降下する間に、空圧駆動源204の下面204aが部品422の上面422aに当接する。それにもかかわらず、ステップ8における判断にて、上記チャック機構部201が上記第2下降距離を越えて移動したとチャック装置用制御装置5が判断したときには、チャック装置用制御装置5は挟持すべき部品422が存在しないものとみなして、エラー処理の動作を実行する。
【0022】
ステップ8にてチャック機構部201の降下量が上記第2下降距離を越えていないと判断されたときには、ステップ9へ移行し、ステップ9では、チャック装置用制御装置5は、上記測定電流値Itから上記電流値Icontを差し引いた値(It−Icont)が上記設定電流差ΔIset以上であるか否かを判断する。上記差し引いた値(It−Icont)が上記設定電流差ΔIset未満であるときには、再度ステップ7に戻りステップ7〜ステップ9を繰り返す。一方、上記差し引いた値(It−Icont)が上記設定電流差ΔIset以上と判断されたときには、ステップ10へ移行する。
【0023】
ステップ10では、ステップ9にて上記差し引いた値(It−Icont)が上記設定電流差ΔIset以上と判断されると同時に、チャック装置用制御装置5は、駆動部251に対してチャック機構部201の上記第2停止高さ452への移動を停止する。尚、チャック機構部201の移動停止後においても、駆動部251を構成するボイスコイルモータが発生するトルクを当接時のトルクに保持して、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとの密着を維持する必要がある。よって、チャック装置用制御装置5は、チャック機構部201の移動停止後においても、駆動部251に対して上記測定電流値Itに相当する電流を供給し続ける。このような状態において、チャック装置用制御装置5は、さらにソレノイドバルブ3を介して空圧駆動源204を動作させて、挟持板202,203が互いに接近する方向、即ち閉方向へ挟持板202,203を移動させ部品422を挟持させる。
尚、この状態は図2の(c)及び図3のVIII部に対応する。
【0024】
ステップ10の次のステップ11では、チャック装置用制御装置5は、図2の(d)に示すように部品422を挟持した状態でチャック機構部201を上記初期位置まで上昇させる。尚、このときの上昇速度は、図3のIX部に示すように、上記第1速度よりも速い速度である。
以後、従来と同様に、XYロボット1を駆動してチャック装置2を回路基板8の実装位置の上方へ移動させた後、チャック機構部201を再び下降して挟持している部品422を上記実装位置へ実装する。
本実施形態では、上述のように空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとが常に当接した状態で、チャック機構部201は部品422を挟持しているので、図9に示すような隙間Vが発生することはない。よって、上記実装位置への部品422の実装時において、部品422が不必要に回路基板8に押し付けられるという現象は発生しないので、上記実装位置へ部品422を実装するときのチャック機構部201の下降速度は、従来と同様の速度にて行うことができる。
【0025】
又、上記実装位置へ部品422を実装するときにおいても、上述した動作制御と全く同様の制御を行うのが好ましい。即ち、部品422と回路基板8との接触を、上述の場合と同様に駆動部251へ供給する電流値の変化を検出することで検知して、該検知にて挟持板202,203を開けばよい。
【0026】
以上説明した部品実装方法について、回路基板8へ実装する部品422の種類が変化するときにはステップ1から、一方上記部品422の種類が変化しないときにはステップ2から、それぞれステップ11までの動作を繰り返すことで、複数の部品が回路基板8へ実装されていく。
尚、上記部品422の高さ方向に沿った挟持板202,203の長さが、保持しようとする部品422の高さ寸法IIIよりも長い場合には、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとの間に上記隙間Vが形成されてしまう。よって、部品422の上記高さ寸法IIIに応じて、上記部品422の高さ方向に沿った適切な長さにてなる挟持板202,203を有するチャック機構部201を用いる必要があるため、挟持板における上記長さを異ならせた複数種のチャック機構部201が予め用意させている。上述のように、チャック装置用制御装置5には、実装すべき部品に関する情報が予め供給されることから、チャック装置用制御装置5は、実装する部品422に適切な挟持板202,203を有するチャック機構部201を選択し、チャック機構部201に対してシャフト253の一端部253aにてチャック機構部201の着け変えを自動的に行わせる。
【0027】
このように本実施形態の部品実装方法によれば、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとが実際に当接することによって生じる、駆動部251におけるボイスコイルモータの電流変化を捉え、該電流変化に基づきチャック機構部201の挟持板202,203の開閉を行うため、チャック機構部201の移動方向における部品載置面421の設置位置誤差や、チャック機構部201の移動方向における部品422の高さ寸法のバラツキや、部品供給部7の例えばトレイ423の強度等に左右されることなく、安定して部品422の挟持を行うことができる。
又、上述のステップ7にて説明した上記設定電流差ΔIsetを算出する元となる、上記しきい値Ithは、チャック装置用制御装置5における動作プログラム上で容易に変更することができる。よって、必要に応じて上記しきい値を変更することで上記設定電流差ΔIsetを変更して、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとの当接の検出感度を変化させることができる。したがって、例えば部品載置面421が軟弱な場合、もしくは部品422自体が破損しやすい場合であり微弱な電流変化しか得られないような場合であっても、上記下面204aと部品422の上面422aとの当接を検出することができ、かつ検出誤動作を防ぐこともでき、部品供給部7から安定して部品422の取り出しを行うことができる。
又、チャック機構部201が部品422に当接するまでは第2速度にて移動することから、チャック機構部201と部品422とは柔らかに接触するので、当接時における衝撃吸収のための機構をチャック機構部201に設ける必要がなくなる。したがって、チャック機構部201の軽量化を図ることができるので、その動作速度を上げることができ、ひいては部品422の実装速度の高速化を図ることができる。
【0028】
又、上記実施形態では、空圧駆動源204の下面204aと部品422の上面422aとの当接検出を、ボイスコイルモータの電流変化の検知にて行ったが、これに限定されるものではなく、例えば、空圧駆動源204の下面204aに例えばロードセルような圧力センサを設け、該圧力センサの出力に基づき上記当接を検出することもできる。
【0029】
上述の実施形態では駆動部251をボイスコイルモータを用いて構成したが、図7に示すようなチャック装置11を構成する駆動部261を採用することもできる。尚、図7は、図5におけるチャック装置2の近辺のみを示しており、その他の構成部分については図示を省略している。又、図7に示す部品実装装置52では、図5に示すチャック装置用制御装置5に代えてチャック装置用制御装置12を設ける。
駆動部261は以下のような構成を有する。即ち、駆動部261は、サーボモータ262と、一端部にチャック機構部201を設けたボールネジ263と、チャック機構部201の空圧駆動源204へ供給するエアーの供給、排気を行うソレノイドバルブ264とを備える。ボールネジ263には、該ボールネジ263に係合して該ボールネジ263の中心軸を中心としてその周方向に回転するナット部265が取り付けられている。又、サーボモータ262の出力軸に取り付けられたプーリ266と、ナット部265との間にはベルト267が掛けられ、ナット部265はサーボモータ262の動作によりボールネジ263の周方向に回転される。ナット部265は、XYロボット1のY案内部1−2に対しては移動不可の状態にてY案内部1−2に取り付けられているので、ナット部265が回転することで、ナット部265に係合するボールネジ263は上記Z方向に昇降可能となり、チャック機構部201が上記Z方向に昇降することになる。尚、チャック装置用制御装置12において、特にサーボモータ262の動作制御は、デジタルサーボドライバにて行われる。
【0030】
以上のように構成された部品実装装置52における部品実装方法は、基本的に上述した部品実装装置51における実装方法と同一であり、以下の点が相違するのみである。よって、上記相違点のみを以下に説明する。即ち、上記ステップ6及びステップ7では駆動部251へ供給する電流値を測定しているが、当該部品実装装置52では、上記デジタルサーボドライバへフィードバックされる、サーボモータ262のトルク値(以下、「トルクフィードバック値」と記す)を測定する点が相違する。
このように、上記デジタルサーボドライバにおける内部処理データの一つである上記トルクフィードバック値を用いても、上述の部品実装装置51の場合と同様に、チャック機構部201の移動方向における部品載置面421の設置位置誤差や、チャック機構部201の移動方向における部品422の高さ寸法のバラツキや、部品供給部7の例えばトレイ423の強度等に左右されることなく、安定して部品422の挟持を行うことができる。
さらに又、部品実装装置52では、チャック機構部201の駆動部として、サーボモータ262及びボールネジ263を備えたタイプを使用していることから、従来の部品実装装置の構成を大きく変更することなく、本実施形態の部品実装方法を適用することができる、よって、部品実装装置52における部品実装方法は、既存の設備に対しても有効な手段になりうる。
【0031】
尚、上述の部品実装装置51,52でが、挟持板202,203の開閉動作を空圧にて行っているが、ソレノイドなどを利用した電磁アクチュエータにて行うこともできる。
【0032】
又、部品実装装置52では、チャック機構部201の移動機構としてボールネジ263を使用しているが、回転動作を直線動作に変換する物であれば、力の変換効率が著しく低下するような物でない限りその種類に制限はない。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様である部品実装方法、及び第2態様の部品実装装置によれば、制御装置にて、部品の近傍位置まで部品保持部を第1速度にて移動し、上記近傍位置から上記部品保持部が上記部品に接触するまでは上記部品保持部を上記第1速度よりも遅い第2速度にて移動させて上記接触した時点で該移動を停止して部品を保持するように制御することから、保持を行う際、部品に作用する衝撃力を小さくすることができる。さらに、上述の動作により、部品保持部の移動方向における部品載置面の設置位置誤差や、部品保持部の移動方向における部品の高さ寸法のバラツキや、部品供給部の強度等に左右されることなく、安定して上記部品の挟持を行うことができる。さらに、上述の動作により、上記部品保持部と上記部品との当接時における衝撃吸収のための機構を設ける必要がなくなることから、上記部品保持部の軽量化を図ることができ、したがって部品の実装速度の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の部品実装方法における動作の流れを示すフローチャートである。
【図2】(a)〜(d)は、図1に示す部品実装方法において、チャック機構部による部品の取り出し動作を順を追って示した図である。
【図3】図1に示す部品実装方法において、チャック機構部が部品供給部から部品の取り出しを行うときの、部品載置面とチャック機構部との間の距離の変化を時間経過に沿って表したグラフである。
【図4】図1に示す部品実装方法において、チャック機構部が第2速度にて移動するときの駆動部に供給される電流の変化を示すグラフである。
【図5】図1に示す部品実装方法を実行する部品実装装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示すチャック装置の駆動部の構造を示す断面図である。
【図7】図1に示す部品実装方法を実行可能なチャック装置の駆動部の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】従来の部品実装装置におけるチャック装置部分の構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示すチャック装置にて部品を保持した状態を示す図である。
【図10】部品載置面が軟弱な場合に、図8に示すチャック装置にて部品を保持した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…XYロボット、2…チャック装置、5…チャック装置用制御装置、
6…主制御装置、7…部品供給部、8…回路基板、
201…チャック機構部、202,203…挟持板、
204…空圧駆動源、251…駆動部、
421…部品載置面、422…部品、451…第1停止高さ、
452…第2停止高さ。
Claims (12)
- 部品の高さ方向に部品保持部(201)を移動して上記部品保持部にて部品(422)を保持し保持した部品を被実装体(8)へ実装する部品実装方法であって、
上記部品を保持するとき、上記部品に非接触な位置であって上記部品に上記部品保持部が接触するのを回避する接触回避寸法を上記部品の高さ寸法に加えてなる部品近傍位置まで上記部品保持部を第1速度にて移動し、
上記部品近傍位置から、上記部品の高さ寸法から上記接触回避寸法を減じてなる第2停止高さ位置(452)まで、上記第1速度よりも低速である第2速度にて上記部品保持部を移動し、該移動中に、上記部品保持部と上記部品とが接触した時点で上記部品保持部の移動を停止し、
上記部品保持部の移動停止後、上記部品保持部にて上記部品を保持する、
ことを特徴とする部品実装方法。 - 上記部品保持部と上記部品との接触は、上記部品保持部に作用する負荷を検出することで検知する、請求項1記載の部品実装方法。
- 上記部品保持部への負荷の検出は、上記部品の高さ方向に上記部品保持部を移動させる駆動部へ供給する電流量の変化にて行う、請求項2記載の部品実装方法。
- 上記部品の高さ方向とは、上記部品を載置する部品載置面に対する直交方向であり、上記駆動部はボイスコイルモータである、請求項3記載の部品実装方法。
- 上記接触回避寸法とは、少なくとも上記部品の高さ方向における上記部品載置面の設置位置誤差及び上記部品の高さ寸法誤差を加えた寸法である、請求項1ないし4のいずれかに記載の部品実装方法。
- 上記部品保持部は、上記部品を挟持するチャック機構である、請求項1ないし5のいずれかに記載の部品実装方法。
- 部品の高さ方向に部品保持部(201)を移動して上記部品保持部にて部品(422)を保持し保持した部品を被実装体(8)へ実装する部品実装装置であって、
上記部品を保持するとき、上記部品に非接触な位置であって上記部品に上記部品保持部が接触するのを回避する接触回避寸法を上記部品の高さ寸法に加えてなる部品近傍位置まで上記部品保持部を第1速度にて移動し、
上記部品近傍位置から、上記部品の高さ寸法から上記接触回避寸法を減じてなる第2停止高さ位置(452)まで、上記第1速度よりも低速である第2速度にて上記部品保持部を移動し、該移動中に、上記部品保持部と上記部品とが接触した時点で上記部品保持部の移動を停止し、
上記部品保持部の移動停止後、上記部品保持部にて上記部品を保持する制御を行う、
制御装置(5)を備えたことを特徴とする部品実装装置。 - 上記部品保持部と上記部品との接触は、上記部品保持部に作用する負荷を検出することで検知する、請求項7記載の部品実装装置。
- 上記部品保持部への負荷の検出は、上記部品の高さ方向に上記部品保持部を移動させる駆動部(251)へ供給する電流量の変化にて行う、請求項8記載の部品実装装置。
- 上記部品の高さ方向とは、上記部品を載置する部品載置面(421)に対する直交方向であり、上記駆動部はボイスコイルモータである、請求項9記載の部品実装装置。
- 上記接触回避寸法とは、少なくとも上記部品の高さ方向における上記部品載置面の設置位置誤差及び上記部品の高さ寸法誤差を加えた寸法である、請求項7ないし10のいずれかに記載の部品実装装置。
- 上記部品保持部は、上記部品を挟持するチャック機構である、請求項7ないし11のいずれかに記載の部品実装装置。
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