JP3550198B2 - 一液型室温硬化性接着剤組成物 - Google Patents
一液型室温硬化性接着剤組成物 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一液型室温硬化性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、タイル貼り工事にはセメントモルタルもしくはポリマーセメントモルタルが接合材料として広く用いられており、特に外装タイル貼り工事に関しては、現在でもセメントモルタルもしくはポリマーセメントモルタルが一般的に用いられている。しかし、上記セメントモルタルもしくはポリマーセメントモルタルを用いるタイル貼り工事には高度な専門的技能を有する技能工が必要であり、最近ではそのような技能工の確保が困難になりつつあるという問題点がある。
【0003】
近年、硬化後にゴム弾性を有し、外力が加えられた場合の歪みを吸収し得る室温硬化性接着剤がタイル貼り工事用等として検討されており、例えば、分子中に少なくとも1つの反応性珪素基を含有するゴム系有機重合体、エポキシ樹脂、エポキシ基と反応しうる官能基と反応性珪素基とを分子中に含有するシリコン化合物及びエポキシ樹脂硬化剤を有効成分として含有し、上記各成分が特定の比率であることを特徴とする硬化性樹脂組成物(特公平3−31726号公報)や、エポキシ樹脂と、1分子中にエポキシ樹脂と反応し得る官能基及び反応性珪素基を有するシリコン化合物とを含む接着剤組成物であって、上記各成分を特定の割合で配合することを特徴とする接着剤組成物(特開平5−148469号公報)等が提案されている。
【0004】
しかし、上記提案による組成物は二液型であるため、塗布作業直前に二液を均一に混合する必要があり、混合作業が煩雑で作業性が悪かったり、混合不良や混合ミスに起因する接着性能の低下を来し易い等の問題点がある。又、二液を混合して得られる混合液の揺変性が不充分であるため、例えば垂直面にタイルのような建材等を接着する場合、混合液が硬化する前にタイルのような建材等にズレが生じ易く支障を来すという問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するため、作業性が良好であり、垂直面にタイルのような建材等を接着する場合にもズレを生じ難いと共に、硬化後は優れた接着性、耐衝撃性、耐久性等を発揮する一液型室温硬化性接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般に、垂直面にタイルのような建材等(以下、「被着体」と記す)を接着する場合、接着剤に無機質もしくは有機質の充填剤を含有させて接着剤の粘度や揺変性を高めることにより、接着剤が硬化する前に生じる被着体のズレを防止することが行われている。しかし、接着剤に含有させる充填剤の量を単純に増加させると、接着剤の粘度が高くなり過ぎて塗布作業性が悪くなると共に、硬化後の柔軟性が乏しくなって耐衝撃性や耐久性等が不充分となる傾向がある。又、単に1種類の充填剤のみを用いると、接着剤のベースポリマーに均一分散する量が制約されるため充分な粘度や揺変性を得られずズレ防止効果が乏しくなる傾向がある。
【0007】
本発明者等は上記の点に鑑み鋭意検討した結果、主成分として分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を含有する有機重合体を用い、該有機重合体に対し、揺変剤として4種類に分類される揺変剤、及び有機重合体の硬化促進触媒として有機錫触媒をそれぞれ特定量含有させることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物は、分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、コロイド炭酸カルシウム50〜100重量部、合成スメクタイト5〜15重量部、疎水性微粉シリカ1〜10重量部、有機揺変剤1〜5重量部、有機錫触媒0.5〜3重量部及び脱水剤1〜5重量部を含有して成ることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物には、主成分として分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体が用いられる。
【0010】
ここで言う反応性珪素基とは、水酸基もしくは加水分解性基の結合した珪素原子を含む珪素原子含有基であって、シラノール縮合反応によりシロキサン結合を形成し得る基を意味する。
【0011】
上記加水分解性基の種類としては、特に限定されるものではないが、各種アルコキシ基が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでも反応性が穏やかなメトキシ基、エトキシ基等がより好適に用いられる。
【0012】
上記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体の具体例としては、例えば、下記一般式(1)に示されるようなポリプロピレンオキシドを主鎖骨格とし、メトキシ基を加水分解性基として含有する変成シリコン化合物が挙げられ、好適に用いられる。
【化1】
(式中、Rはアルキル基を表し、aは1〜3の整数を表し、nは正の整数を表す)
【0013】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に揺変剤として用いられるコロイド炭酸カルシウムの種類としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸系表面処理剤、珪酸系表面処理剤、スルホン酸系表面処理剤等により表面処理を施されたコロイド炭酸カルシウム等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでも脂肪酸系表面処理剤で表面処理を施された平均粒子径が0.05〜0.2μmであるコロイド炭酸カルシウムが揺変性付与効果に優れるのでより好適に用いられる。
【0014】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記コロイド炭酸カルシウムが50〜100重量部含有されていることが必要である。
【0015】
分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対するコロイド炭酸カルシウムの含有量が50重量部未満であると、充分な揺変性付与効果を得られず、逆に100重量部を超えると、得られる接着剤硬化物の柔軟性が乏しくなり耐衝撃性や耐久性が低下する。
【0016】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に揺変剤として用いられる合成スメクタイトの種類としては、特に限定されるものではないが、各種膨潤性層状珪酸塩が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでも親油化処理を施された合成スメクタイトがより好適に用いられる。
【0017】
上記親油化処理を施された合成スメクタイトの具体例としては、コープケミカル社より市販されている商品名「ルーセンタイト」が挙げられ好適に用いられる。
【0018】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記合成スメクタイトが5〜15重量部含有されていることが必要である。
【0019】
分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対する合成スメクタイトの含有量が5重量部未満であると、充分な揺変性付与効果を得られず、逆に15重量部を超えると、得られる接着剤硬化物の柔軟性が乏しくなり耐衝撃性や耐久性が低下する。
【0020】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に揺変剤として用いられる疎水性微粉シリカの種類としては、特に限定されるものではないが、親水性シリカ中のシラノール基がジメチルジクロロシラン等により変成された各種疎水性微粉シリカが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられが、なかでも一次粒子の平均粒子径が5〜15nmである疎水性微粉シリカが揺変性付与効果に優れるのでより好適に用いられる。
【0021】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記疎水性微粉シリカが1〜10重量部含有されていることが必要である。
【0022】
分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対する疎水性微粉シリカの含有量が1重量部未満であると、揺変性付与効果を殆ど得られず、逆に10重量部を超えると、得られる接着剤組成物の粘度が高くなり過ぎて塗布作業性が悪化する。
【0023】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に揺変剤として用いられる有機揺変剤の種類としては、特に限定されるものではないが、植物重合油系揺変剤、水添ひまし油系揺変剤、脂肪酸アマイド系揺変剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられが、なかでも脂肪酸アマイド系揺変剤が揺変性付与効果に優れるのでより好適に用いられる。
【0024】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記有機揺変剤が1〜5重量部含有されていることが必要である。
【0025】
分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対する有機揺変剤の含有量が1重量部未満であると、充分な揺変性付与効果を得られず、逆に5重量部を超えると、得られる接着剤硬化物の柔軟性が乏しくなり、耐衝撃性や耐久性が低下する。
【0026】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に硬化促進触媒として用いられる有機錫触媒の種類としては、特に限定されるものではないが、ジブチル錫ジラウレイト、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレイト、オクチル酸錫等のカルボン酸塩等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0027】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記有機錫触媒が0.5〜3重量部含有されていることが必要である。
【0028】
分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対する有機錫触媒の含有量が0.5重量部未満であると、充分な硬化促進効果を得られず、逆に3重量部を超えると、もはや硬化促進効果は向上しないにもかかわらず希釈作用が出て得られる接着剤組成物に好ましくない影響を与える。
【0029】
本発明においては、前記分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、上記脱水剤が1〜5重量部含有されていることが必要である。
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物に主成分として用いられる分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体は水分により硬化反応が進行するので、接着剤組成物中の微量水分により貯蔵中に接着剤組成物が増粘もしくはゲル化するのを防止するためである。
上記脱水剤の種類としては、特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0030】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物には、上述の各成分以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ、接着性付与剤、粘度調整剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、消泡剤等の各種添加剤が含有されていても良い。
【0031】
上記接着性付与剤の種類としては、特に限定されるものではないが、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類等のシランカップリング剤が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0032】
上記粘度調整剤の種類としては、特に限定されるものではないが、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の充填剤やジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0033】
上記着色剤の種類としては、特に限定されるものではないが、カーボンブラック、酸化チタン、弁柄等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0034】
上記酸化防止剤の種類としては、特に限定されるものではないが、ヒンダードアミン系酸化防止剤やヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0035】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、所定量の各成分を秤量し、ミキサーやニーダー等の混合機で予備混合を行った後、例えば三本ロール等を用いて均一に混練りすることにより所望の一液型室温硬化性接着剤組成物を得ることが出来る。
【0036】
【作用】
本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物は、分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体を主成分とし、4種類に分類される揺変剤をそれぞれ特定量併用して含有するので、適正な粘度と揺変性を有し、作業性が良好であると共に、垂直面にタイルのような建材等を接着する場合にもズレを生じ難い。又、該接着剤組成物の硬化皮膜は柔軟性に富むので、優れた接着性、耐衝撃性、耐久性等を発揮する。
【0037】
【実施例】
本発明をさらに詳しく説明するため、以下に実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0038】
(実施例1)
【0039】
(1)一液型室温硬化性接着剤組成物の作製
先ず、合成スメクタイト(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製)8部及びトルエン8部をポリエチレン容器中に秤取し、ヘラを用いて手練りし合成スメクタイトの塊をつぶした。次いで、上記ポリエチレン容器中に、分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体として変成シリコン化合物(商品名「サイリルSAT200」、鐘淵化学工業社製)100部、コロイド炭酸カルシウム(商品名「CCR」、白石工業社製)60部、疎水性微粉シリカ(商品名「アエロジルR−202」、日本アエロジル社製)5部、有機揺変剤として脂肪酸ビスアマイド(商品名「ディスパロン#6500」、楠本化成社製)2部及び脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(商品名「KBM1003」、信越シリコーン社製)3部を秤取し、ヘラを用いて手練りした後、三本ロールに3回通して均一な混練物を得た。得られた混練物をガラス瓶に入れて120℃のギヤーオーブン中で3時間加熱した後、室温まで冷却し、有機錫触媒としてジブチル錫ジラウレイトとジブチル錫オキサイドの混合物(商品名「SB−65」、三共有機合成社製)2部を添加混合して、一液型室温硬化性接着剤組成物を得た。
【0040】
(2)評価
上記で得られた一液型室温硬化性接着剤組成物の各種性能を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0041】
▲1▼垂直面でのズレ性:垂直に保持されたボードに、4mm角の櫛目ごてを用いて、上記接着剤組成物を塗布量が1.2kg/m2 となるように塗布した。次いで直ちに、幅50mm、長さ50mm、厚み4mmの2枚の板ガラス間の中心線上に先端がフック状に加工された針金を挟んで接着して予め作製しておいた重量60gの被着体を、上記ボードの塗布面に針金のフック状部が下部となるように貼り付け、針金のフック状部に150gから10gきざみで重くした荷重を掛け、被着体がズレ始める時の最小荷重(g)を測定した。
【0042】
▲2▼硬化物の物性:上記接着剤組成物を厚み2mmのシート状に展延し、23℃−65%RHの恒温恒湿室で7日間養生硬化させた後、JIS K−6301「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して、3号ダンベルで打ち抜き、最大点抗張力(kg/cm2 )及び最大点伸び率(%)を測定した。
【0043】
(実施例2〜5)
【0044】
一液型室温硬化性接着剤組成物の作製において、表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして4種類の一液型室温硬化性接着剤組成物を得た。
【0045】
(比較例1〜3)
【0046】
一液型室温硬化性接着剤組成物の作製において、合成スメクタイト及びトルエンを用いることなく、表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして3種類の一液型室温硬化性接着剤組成物を得た。
【0047】
(比較例4)
【0048】
一液型室温硬化性接着剤組成物の作製において、表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして一液型室温硬化性接着剤組成物を得た。
【0049】
実施例2〜5及び比較例1〜4で得られた8種類の一液型室温硬化性接着剤組成物の各種性能を実施例1と同様にして評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による一液型室温硬化性接着剤組成物は、良好な作業性を有し、垂直面にタイルのような建材等を接着する場合にもズレを生じ難いと共に、硬化物は柔軟性に富み、優れた接着性、耐衝撃性、耐久性等を発揮するので、垂直面に建材等を接着する用途にも好適に用いられる。
Claims (1)
- 分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有する有機重合体100重量部に対し、コロイド炭酸カルシウム50〜100重量部、合成スメクタイト5〜15重量部、疎水性微粉シリカ1〜10重量部、有機揺変剤1〜5重量部、有機錫触媒0.5〜3重量部、及び脱水剤1〜5重量部が含有されていることを特徴とする一液型室温硬化性接着剤組成物。
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1994
- 1994-11-17 JP JP28322994A patent/JP3550198B2/ja not_active Expired - Lifetime
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