JP3551736B2 - 単結晶引上装置のカーボンサセプタ - Google Patents

単結晶引上装置のカーボンサセプタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルツボを用いて貯留された半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結晶引上装置に係わり、特に、半導体融液を貯留するための石英ルツボを収容して支持するカーボンサセプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン(Si)やガリウムひ素(GaAs)等の半導体単結晶を製造する方法の一つとして、チョクラルスキー法(以下、CZ法と称する)が知られている。
このCZ法は、大口径、高純度の単結晶が無転位あるいは格子欠陥の極めて少ない状態で容易に得ることができる等の特徴を有することから、様々な半導体単結晶の製造に用いられている方法である。
【0003】
図5は、前記CZ法を用いたシリコンの単結晶引上装置の一例を示している。この単結晶引上装置1は、中空の気密容器であるチャンバー2内に石英ルツボ3、ヒーター4がそれぞれ配置されるとともに、前記チャンバ2の外部にマグネット5が配置されている。
【0004】
石英ルツボ3は、熱変形による軟化変形を防止するため、シャフト6によってその軸線回りに回転可能に支持されるカーボンサセプタ7内に収容されている。また、このカーボンサセプタ7は、冷却時等における割れを防止するため、周方向に分割されて石英ルツボ3の外周に組み付けられている。
【0005】
そして、この単結晶引上装置1では、半導体融液8に上方から回転可能に吊り下ろされた種結晶9を浸漬してこれを引き上げることにより半導体単結晶12を成長させるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体単結晶の引き上げ操作中、石英ルツボ3から発生したSiOガスとカーボンサセプタ7との間では、
SiO+2C→SiC+CO↑
の珪化反応が進み、カーボンサセプタ7からC(炭素)がCOガスとなって離脱して減肉が生じている。
【0007】
この減肉が生じやすい部位については、次のように説明することができる。 すなわち、ヒーター4による加熱により石英ルツボ3が変形する温度に達すると、半導体融液8の重みで石英ルツボ3がカーボンサセプタ7に密着し、前記COガスの通り道がカーボンサセプタ7の分割部に集中するようになる。
【0008】
この分割部の周辺では、COガスが該分割部を通過してカーボンサセプタ7の外に移動できるため、COガス濃度が上昇せず、絶えず前記珪化反応が進行する。
一方、当該分割部以外の部位では、発生したCOガスが移動し難く滞留しやすいため、前記珪化反応が進み難くなっている。
【0009】
従って、カーボンサセプタ7の分割部では、COガス濃度が上昇せず、前記珪化反応が右辺側に進む傾向があるため、減肉が他の部位に比べて進みやすいと考えられる。
【0010】
また、分割部以外の湾曲部7Aでも分割部ほどではないが減肉が進んでおり、この湾曲部7Aが、単結晶成長軸方向の温度分布において高温領域にあることから、前記珪化反応を促進させる条件としては温度も関係していると考えられる。
【0011】
そして、近年、単結晶の長尺化、大口径化の要求に伴い、石英ルツボ3が大口径化しているため、原料溶解時あるいは結晶成長時のヒーター4の温度が上昇し、これにより前記珪化反応が促進されてカーボンサセプタ7の寿命が短くなっているという問題が生じている。
【0012】
すなわち、前記珪化反応が進行すると、図6(a)〜(c)に示すように、前記湾曲部7Aの減肉が速められ、カーボンサセプタ7を新品のものに交換する交換頻度が増加してコストの上昇を来たす。
このため、従来からカーボンサセプタ7の寿命を延ばすべく、様々な改良が試みられている。
【0013】
例えば、特許2578126号には、図7に示すように、前記ヒーター4からの熱を多く受けて前記珪化反応が促進されるカーボンサセプタ7の下部内面にカーボンリング11を嵌め込み、肉厚の減少したカーボンリング11のみを交換することにより、カーボンサセプタ7の長寿命化を図るといった技術が開示されている。
【0014】
また、図8に示すように、カーボンサセプタ7の分割線8a(図7参照)に沿ってカーボン片12を嵌め込むことにより、分割部13での減肉を抑制するとともに、肉厚の減少したカーボン片12を交換可能とすることにより、カーボンサセプタ7の長寿命化を図るといった技術も考えられる。
【0015】
しかしながら、これらいずれの場合においても、前記珪化反応により発生したCOガスの通り道が、カーボンサセプタ7とカーボンリング11との当接部14(図7参照)およびカーボンサセプタ7とカーボン片12との当接部15(図8参照)に集中することになるから減肉を効果的に抑制できず、カーボンサセプタ7の長寿命化には限界があった。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、石英ルツボから発生するSiOガスを交換部材と選択的に反応させることにより、カーボンサセプタの減肉を効果的に防止することのできる単結晶引上装置のカーボンサセプタの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、かかる目的を達成するため、本発明の単結晶引上装置のカーボンサセプタは、
チャンバ内に、半導体融液を貯留するための石英ルツボと、該石英ルツボを収容して支持するための周方向に分割されたカーボンサセプタとが設けられる単結晶引上装置において、
前記カーボンサセプタの内周に、その分割線に沿って炭素材料からなる交換部材が着脱可能に嵌め込まれ、
前記交換部材は、前記カーボンサセプタの分割線と重なるように分割されていることを特徴とするものである。
【0018】
このような構成では、交換部材がカーボンサセプタの分割線と重なるように分割されているため、該交換部材と石英ルツボからのSiOガスとの珪化反応により発生したCOガスは、カーボンサセプタの分割部から外へと放出される。
【0019】
よって、交換部材の分割部周辺ではCOガス濃度が上昇せず、SiOガスとの珪化反応が促進される。
これにより、SiOガスは交換部材の分割部を通過する間に消費され、カーボンサセプタの分割部を流通しないことになる。
【0020】
従って、カーボンサセプタの分割部では、COガス濃度が上昇せず、しかもヒーターに面して交換部材よりも高温状態にあるためにSiOガスとの珪化反応が促進されやすくなっているにもかかわらず、該珪化反応が抑制される。
【0021】
請求項2に記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタは、請求項1記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタにおいて、
前記交換部材の内周に、その分割線に沿って切欠が形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
このような構成としたことにより、SiOガスによる交換部材との珪化反応は、該交換部材に形成された切欠において促進されることになる。
これにより、SiOガスと交換部材との珪化反応をより選択的に行わせることができ、SiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応を効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項3に記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタは、請求項1または請求項2のいずれかに記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタにおいて、
前記カーボンサセプタの内周に、前記交換部材と前記カーボンサセプタとの当接線を覆う炭素材料からなる遮蔽フィルムが設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
このような構成としたことにより、カーボンサセプタと交換部材との当接部におけるSiOガスによる珪化反応を防止することができるので、該当接部周辺におけるSiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応を効果的に抑制することができる。
【0025】
また、遮蔽フィルムによりSiOガスがカーボンサセプタと交換部材との当接部に直接接触することがなくなるため、交換部材における分割部での珪化反応がより選択的に行われることになり、SiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応をより一層効果的に抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るカーボンサセプタの平面図、図2は、図1のA−A線断面図であり、これらの図中、符号21はカーボンサセプタ、22は交換部材である。
【0027】
カーボンサセプタ21は、図1に示すように、周方向に三分割された側面部21a,21b,21cから構成され、これらが組み立てられて石英ルツボ(図示略)を収容するようになっている。
【0028】
カーボンサセプタ21の内周には、組み立てられた側面部21a,21b,21cが互いに当接して形成される分割線に沿って交換部材22を収納するための溝23が設けられている。
【0029】
交換部材22は炭素材料からなり、側面部21a,21b,21cにおける直線部21Aおよび湾曲部21Bに対応する溝23に嵌め込み可能なように板状部22aと湾曲部22bとから構成されている。
【0030】
また、交換部材22は、前記側面部21a,21b,21c同士が当接して形成される分割線と重なるように、自身の長さ方向に分割されており、交換部材22の分割線24と側面部21a,21b,21cの分割線とが同一平面内に配されるようになっている。
【0031】
このような構成としたことにより、石英ルツボから発生したSiOガスは、カーボンサセプタ21の分割線と重なるように分割線24を境界として分割された交換部材22と珪化反応を起こし、該珪化反応により発生したCOガスは、図1および図2における矢印Gで示すように、カーボンサセプタ21の外へと放出される。
【0032】
このため、交換部材22の分割部周辺では、COガス濃度が上昇せず、SiOガスと当該交換部材22との珪化反応が促進される。
これにより、SiOガスは交換部材22の分割部を通過する間に消費され、カーボンサセプタ21の分割部を流通しないことになる。
【0033】
従って、カーボンサセプタ21の分割部では、COガス濃度が上昇せず、しかもヒーターに面して交換部材22よりも高温状態にあるために珪化反応が促進されやすくなっているにもかかわらず、SiOガスとの珪化反応が抑制され、カーボンサセプタ21自身の肉厚の減少を有効に防止することができる。
【0034】
よって、本実施形態では、SiOガスとの珪化反応により肉厚が減少した交換部材22のみを交換することで、カーボンサセプタ21の寿命を延ばして交換頻度を少なくすることができるので、カーボンサセプタ21に係る総合的なコストを低く抑えることができる。
【0035】
次に、図3を参照しながら本発明の第二の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係るカーボンサセプタの要部を示す斜視図であり、同図中、符号31はカーボンサセプタ、32は交換部材である。
【0036】
本実施形態に係るカーボンサセプタ31は、側面部31a,31bが組み立てられて形成される分割線に重なるように分割された交換部材32が該分割線に沿って嵌め込まれている点で前記第一の実施形態に係るカーボンサセプタ21と共通するが、交換部材32の内周に、その分割線に沿って断面くさび状の切欠33が設けられている点が異なっている。
【0037】
このような構成とした場合、SiOガスによる交換部材32との珪化反応は、該交換部材32に形成された切欠33において促進され、該交換部材32の分割部34での珪化反応がより選択的に行われることになる。
【0038】
よって、本実施形態においても、SiOガスとの珪化反応により肉厚の減少した交換部材32のみを交換することで、カーボンサセプタ31の寿命を延ばして交換頻度を少なくすることができるので、カーボンサセプタ31に係る総合的なコストを低く抑えることができる。
【0039】
次に、図4を参照しながら本発明の第三の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係るカーボンサセプタの要部を示す斜視図であり、同図中、符号41は、カーボンサセプタ、42は交換部材である。
【0040】
本実施形態に係るカーボンサセプタ41は、側面部41a,41bが組み立てられて形成される分割線に重なるように分割された交換部材42が該分割線に沿って嵌め込まれている点で前記第一の実施形態に係るカーボンサセプタ21と共通するが、カーボンサセプタ41の内周に、交換部材42とカーボンサセプタ41との当接線43を覆う炭素材料からなる遮蔽フィルム44が設けられている点が異なっている。
【0041】
このような構成とした場合、カーボンサセプタ41と交換部材42との当接部45におけるSiOガスによる珪化反応を防止することができるので、当該当接部45の周辺におけるSiOガスとカーボンサセプタ41との珪化反応を効果的に抑制することができる。
【0042】
また、遮蔽フィルム44によりSiOガスが当接部45に直接接触することがなくなるため、交換部材42との珪化反応がより選択的に行われることになり、SiOガスとカーボンサセプタ41との珪化反応をより一層効果的に抑制することができる。
【0043】
よって、本実施形態によっても、SiOガスとの珪化反応により肉厚の減少した交換部材42のみを交換することで、カーボンサセプタ41の寿命を延ばして交換頻度を少なくすることができるので、カーボンサセプタ41に係る総合的なコストを低く抑えることができる。
【0044】
なお、図4には、遮蔽フィルム44が前記当接線43の上部を覆っていない状態を示しているが、当該遮蔽フィルム44を、当接線43全てを覆うように設けても構わない。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタによれば、交換部材がカーボンサセプタの分割線と重なるように分割されているため、SiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応を抑制し、SiOガスによる珪化反応を交換部材と選択的に行わせることができる。
【0046】
従って、SiOガスとの珪化反応により肉厚の減少した交換部材のみを交換するだけで、カーボンサセプタの交換頻度を少なくでき、総合的なコストを低く抑えることができる。
【0047】
(b)請求項2記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタによれば、SiOガスによる交換部材との珪化反応が切欠において選択的に行われることになる。
これにより、カーボンサセプタの寿命のさらなる延長を図ることができ、総合的なコストをより低く抑えることができる。
【0048】
(c)請求項3記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタによれば、カーボンサセプタと交換部材との当接部におけるSiOガスによる珪化反応を防止することができるので、該当接部におけるSiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応を効果的に防止することができる。
【0049】
また、遮蔽フィルムによりカーボンサセプタと交換部材との当接部がSiOガスに直接接触することがなくなるため、交換部材における分割部での珪化反応がより選択的に行われることになり、SiOガスとカーボンサセプタとの珪化反応をより一層効果的に抑制することができる。
よって、カーボンサセプタの寿命を飛躍的に延長することができ、総合的なコストをより一層低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るカーボンサセプタの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係るカーボンサセプタの要部を示す斜視図である。
【図4】本発明の第三の実施形態に係るカーボンサセプタの要部を示す斜視図である。
【図5】従来の単結晶引上装置の一例の要部を示す断面図である。
【図6】(a)はカーボンサセプタが局部的に減肉した状態を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】従来のカーボンサセプタの第一の改良例を示す斜視図である。
【図8】従来のカーボンサセプタの第二の改良例を示す斜視図である。
【符号の説明】
21、31、41 カーボンサセプタ
24 分割線
22、32、42 交換部材
33 切欠
43 当接線
44 遮蔽フィルム

Claims (3)

  1. チャンバ内に、半導体融液を貯留するための石英ルツボと、該石英ルツボを収容して支持するための周方向に分割されたカーボンサセプタとが設けられる単結晶引上装置において、
    前記カーボンサセプタの内周に、その分割線に沿って炭素材料からなる交換部材が着脱可能に嵌め込まれ、
    前記交換部材は、前記カーボンサセプタの分割線と重なるように分割されていることを特徴とする単結晶引上装置のカーボンサセプタ。
  2. 前記交換部材の内周に、その分割線に沿って切欠が形成されていることを特徴とする請求項1記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタ。
  3. 前記カーボンサセプタの内周に、前記交換部材と前記カーボンサセプタとの当接線を覆う炭素材料からなる遮蔽フィルムが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の単結晶引上装置のカーボンサセプタ。
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