JP3552006B2 - 光ヘッドアクチュエータ - Google Patents

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正吉 菅原
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクのような光記録媒体への記録再生用の光ヘッドアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ヘッドアクチュエータの一例について、図6〜図8を参照して説明する。図6において、光ヘッドアクチュエータは、対物レンズ31を保持するレンズホルダ30と、このレンズホルダ30に備えられたコイルボビンに巻回されたフォーカシングコイル32a及びトラッキングコイル32bと、このレンズホルダ30を、ダンパベース33に対して、フォーカシング方向F及びトラッキング方向Trに移動可能に支持するサスペンションワイヤ34と、ダンパベース33をラジアル方向Rに揺動調整可能に支持するピックアップベース35と、このピックアップベース35をタンジェンシャル方向Taに揺動調整可能に支持するアクチュエータベース40とから構成されている。
【0003】
サスペンションワイヤ34は、図示の場合、全体として二対、計4本が配設されており、それぞれレンズホルダ30の両側にて、レンズホルダ30とダンパベース33とを連結することにより、機械的及び電気的に接続するようになっている。
【0004】
ピックアップベース35には、二本のヨーク35a,35bが一体に形成されている。このヨーク35aのヨーク35bと対向する面には、マグネット36が備えられており、このマグネット36と共にヨーク35aは、フォーカシングコイル32aに挿通されている。一方、ヨーク35bは、そのヨーク35aと対向する面でトラッキングコイル32bと対向し、丁度、ヨーク35aと共同してトラッキングコイル32bをトラッキング方向Trに垂直な水平方向Xで間隔をあけて挟むように配設されている。ピックアップベース35は更に、ダンパベース33をX方向から固定するための立上り部35cと、立上り部35cを貫通してダンパベース33に設けられたネジ穴33aに螺合するネジ35dと、下方からピックアップベース35を貫通してダンパベース33の下面に当接するネジ35eと、ダンパベース33の下面を上方に付勢するコイルバネ35f(図7参照)とを備えている。
【0005】
アクチュエータベース40は、ピックアップベース35をタンジェンシャル方向Taに調整可能に支持するように、ピックアップベース35のための支持部40aを備えている。アクチュエータベース40は更に、レーザーダイオード40b、ビームスプリッタ40c、立上げミラー40d、及びフォトダイオード40eを備えている。更に、アクチュエータベース40は、下方からアクチュエータベース40を貫通してピックアップベース35の下面に設けられたネジ穴に螺合するネジ40fと、ピックアップベース35の下面を上方に付勢するコイルバネ40g(図8参照)とを備えている。
【0006】
なお、複数のサスペンションワイヤ34の一端側を固定しているダンパベース33の長手方向の両端には、複数のサスペンションワイヤ34の振動を抑制するためのゲル状の制振材の収容空間を構成するゲルカバー37が取り付けられる。このゲルカバー37は、サスペンションワイヤ34の固定部に近い部分を収容し、このゲルカバー37とダンパベース33との間に構成される収容空間内にゲル状の制振材(図示せず)が注入される。このように従来では、ダンパベース33とゲルカバー37とは、別体に構成されている。
【0007】
以上のように構成された光ヘッドアクチュエータ1によれば、レーザダイオード40bから出た光は、ビームスプリッタ40cにより反射された後、立上げミラー40dにより反射されて、対物レンズ31を介して、光記録媒体(図示せず)の信号面に集光される。そして、光記録媒体の信号面で反射された光は、再び対物レンズ31を介して立上げミラー40dで反射され、ビームスプリッタ40cを透過した後、フォトダイオード40eに入射する。これにより、フォトダイオード40eからの出力信号に基づいて、光記録媒体の信号面に記録された情報が検出され得るようになっている。
【0008】
ところで、この光ヘッドアクチュエータ1は、次のステップを経て組み立てられる。まず、レンズホルダ30を図6に示すように組み立てる。次に、レンズホルダ30に複数のサスペンションワイヤ34の一端を取り付ける。続いて、複数のサスペンションワイヤ34の他端にダンパベース33を取り付け、ダンパベース33にはゲルカバー37を取り付ける。そして、ゲルカバー37内にゲル状の制振材を注入する。この制振材の注入には、注射器のような治具が用いられる。更に、上記のように組み立てられた組立体をピックアップベース35に組み付け、更にこれをアクチュエータベース40に取り付ける。
【0009】
更に詳しく言えば、レンズホルダ30の組合わせは、対物レンズ31の受け部に、対物レンズ31の中心位置を規定するための互いに直交する基準線C1,C2を設定し、その交点に対物レンズ31の中心が一致するように対物レンズ31を組み込む。一方、ダンパベース33は、その中心線が基準線C2に一致するようにレンズホルダ30に組み合わされる。また、ダンパベース33は、その中心線がピックアップベース35の立上り部35cに設定された基準位置に一致するようにしたうえでピックアップベース35に固定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の光ヘッドアクチュエータでは、ダンパベースと、ゲルカバーとが別体であるので、これらを形成するための金型が別々に必要であり、しかも、ダンパベースにゲルカバーを取り付けるための製造工程が必要であるので、その分だけ製造コストが高く成ってしまうと言った問題がある。更に、ダンパベースとゲルカバーとが別体であるので、これらの間の隙間から制振材が漏れてしまうと言った問題もある。
【0011】
それ故に、本発明の課題は、部品点数を減らし、製造を容易にして、製造コストを低減し、更に、制振材が漏れ出すことのない光ヘッドアクチュエータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明によれば、光ピックアップ用のレンズを保持しているレンズホルダと、該レンズホルダを複数のサスペンションワイヤを介して上下左右に変位可能に支持し、前記サスペンションワイヤの一端部をその後壁側に設けられた配線基板に接続するためのダンパベースと、前記複数のサスペンションワイヤの振動を減衰させるためのゲル状の制振材とを含む光ヘッドアクチュエータにおいて、前記ダンパベースは、前記複数のサスペンションワイヤの一端部を固定するための固定面を露出させる切欠きを前記後壁側に有する固定部と、前記複数のサスペンションワイヤの一端部を前記固定部の切欠きへ通すための穴、及び前記複数のサスペンションワイヤの一端部を前記固定部の切欠きへ挿通させると共に前記制振材を収容する収容空間を備え、前記固定部に一体に形成された脚状部とを有し該穴は、そこに前記複数のサスペンションワイヤを挿通させた状態で合成樹脂により塞がれ、前記複数のサスペンションワイヤは、合成樹脂により前記固定部の切欠きに固定され、かつ前記配線基板に半田付け接続されていることを特徴とする光ヘッドアクチュエータが得られる。
【0014】
請求項記載の発明によれば、前記ダンパベースは、透明な合成樹脂から成り、前記制振材は、前記ダンパベースを透過した紫外線によりゲル状に成るものであることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッドアクチュエータが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による光ヘッドアクチュエータを示す平面図であり、図2はその底面図、図3は図1のA−A´線での断面図である。図1を参照すると、この光ヘッドアクチュエータ1は、アクチュエータベース2と、対物レンズ3−1、トラッキングコイル3−2及びフォーカシングコイル3−3(図3参照)を備えたレンズホルダ3と、このレンズホルダ3及びダンパベース4を収容しているアクチュエータフレーム5等を備えている。
【0016】
図3を参照して、光ヘッドアクチュエータ1は、レーザ光を発生するレーザ部11を備えている。レーザ部11から発したレーザ光はビームスプリッタ12から対物レンズ3−1を介して光記録媒体である光ディスク13に照射される。また光ディスク13からの反射光は対物レンズ3−1からビームスプリッタ12を介して受光装置14に入射する。即ち、受光装置14は光ディスク13からの反射光を受光する。
【0017】
レーザ部11及びビームスプリッタ12はアクチュエータベース2に保持されている。なお、アクチュエータベース2は更に光ディスクドライブの筐体に保持固定される。このアクチュエータベース2の側面には回路基板15が固定されている。回路基板15はそれに搭載されたコネクタ16により光ディスクドライブの他の回路要素に電気的に接続される。
【0018】
アクチュエータベース2の下面には上述の受光装置14が組み付けられている。受光装置14は、素子ホルダ14−1にフォトダイオード14−2を搭載して成る。なお、アクチュエータフレーム5には、対物レンズ3−1を露出させ、残りの表面部分を覆うカバー17が設けられている。
【0019】
図1に戻って、レンズホルダ3とダンパベース4との間は、複数のサスペンションワイヤ6で連結され、これらの組立体がアクチュエータフレーム5に収容されている。アクチュエータフレーム5には更に、ヨーク7が組み付けられ、このヨーク7にはマグネット8が組み合わされている。
【0020】
図4を参照して、アクチュエータフレーム5は、樹脂材料で成形された略箱状体の一端側にダンパベース4の受入れ部を有する。この受入れ部には、ダンパベース4をネジ9で固定するための支持ブロック5−1を有する。また、アクチュエータフレーム5の底壁には、対物レンズ3−1への入射光及び反射光の通過可能な開口5aが設けられている。更に、略箱状体の両側壁には、アクチュエータベース2に設けられた支持部2−1(図1)で支持される略半円形状の突部5−2が設けられていると共に、ゲル状の制振材を注入する注入器の挿通可能な穴5−3が設けられている。この穴5−3は、注入器の上下方向の移動を規制するために、楕円形状にすることが好ましい。これは、制振材の注入に際して、注入器の一部がサスペンションワイヤ6に接触して変形させてしまうことを防止するためである。支持部2−1は、図6で説明したのと同様の形状である。
【0021】
ダンパベース4は、コ字形状を呈し、サスペンションワイヤ6の一端部を固定するための固定部4−1と、この固定部4−1の両側に一体に連設された脚状部4−2とから成る。固定部4−1の四隅の部分は、切欠いてあり、この切欠き部分の上下方向端面は、サスペンションワイヤ6の一端部を固定するための固定面4−3と成っている。脚状部4−2は、従来の光ヘッドアクチュエータのゲルカバーに相当する部分である。この脚状部4−2は、角筒状に成っており、その内部空間は、サスペンションワイヤ6の一端側部分を固定部4−1へ通す共にサスペンションワイヤ6の振動を減衰させるための制振材(図示せず)を収容する収容空間4−4と成っている。また、脚状部4−2には、サスペンションワイヤ6の一端部を固定面4−3へ挿通させるための穴4−5が形成されている。この穴4−5は、ここにサスペンションワイヤ6が通された後に、合成樹脂(図示せず)により閉塞される。ダンパベース4の後壁には、サスペンションワイヤ6の一端部と半田付け接続するためのフレキシブル配線基板(図示せず)が設けられている。尚、本実施形態の場合、ダンパベース4は、透明な合成樹脂で形成されており、また、制振材は、ダンパベース4を透過した紫外線によりゲル化するもの(例えば、UV硬化型シリコーンを主成分とするゲル)を用いている。
【0022】
このダンパベース4は、両側の脚状部4−2がアクチュエータベース2の両側壁と支持ブロック5−1との間のスペースに挿入された状態にてネジ9で固定される。以下に述べるように、ダンパベース4をアクチュエータベース2に固定する前に、ダンパベース4にはサスペンションワイヤ6が取り付けられている。すなわち、レンズホルダ3とダンパベース4とは、複数のサスペンションワイヤ6で連結された組立体の状態にてアクチュエータフレーム5に収容され固定される。
【0023】
本実施形態の光ヘッドアクチュエータ1の組み立て方法について説明する。まず、治具で保持した状態にてレンズホルダ3の組み立てを行う。次に、組み立てられたレンズホルダ3に複数のサスペンションワイヤ6を取り付ける。続いて、サスペンションワイヤ6を取り付けられたレンズホルダ3を、別の治具で固定されているアクチュエータフレーム5内に位置決めする。そして、この位置決めされたレンズホルダ3における複数のサスペンションワイヤ6の端部にダンパベース4を組み付ける。この場合、ダンパベース4も別の治具で保持されており、サスペンションワイヤ6の端部が、ダンパベース4の両側の収容空間4−4内に入り込むように、ダンパベース4をアクチュエータフレーム5の支持ブロック5−1に向けて水平移動させることで組み付けが行われる。更に、組み付けされたダンパベース4をアクチュエータフレーム5の支持ブロック5−1にネジ9で固定し、サスペンションワイヤ6をダンパベース4の固定部4−1に固定する。最後に、ダンパベース4のサスペンションワイヤ6を収容している収容空間4−4に制振材を注入する。この注入には、注射器のような注入器が用いられ、アクチュエータフレーム5の両側壁の穴5−3を通して行われる。
【0024】
特に、レンズホルダ3の位置決めは、図5をも参照して、アクチュエータフレーム5には、あらかじめその両側の突部5−2の中心を結ぶ線分S1を通り、対物レンズ3−1の中心が位置すべき光軸L1が設定されており、この光軸L1に合わせてアクチュエータフレーム5の下方から開口5aを通して、図示しない治具に取り付けられたレーザダイオードLDから参照用のレーザ光が照射される。レンズホルダ3の上方にはモニタ用のカメラが設けられて対物レンズ3−1への参照用のレーザ光の入射点がモニタされる。図5中、斜線で示した領域は、モニタ用のカメラによるモニタ領域を示す。このモニタ用のカメラでモニタしながら、参照用のレーザ光が対物レンズ3−1の中心に入射、すなわち対物レンズ3−1の光軸L2が光軸L1に一致するようにレンズホルダ3を保持している治具を位置調整することにより、レンズホルダ3をアクチュエータフレーム5内に位置決めする。
【0025】
以上のように、本実施形態では、レンズホルダ3とダンパベース4の組立てを、レンズホルダ3をアクチュエータフレーム5内に位置決めした状態にて行うので、レンズホルダ3がアクチュエータフレーム5内に精度良く位置決めされる。また、アクチュエータフレーム5は、サスペンションワイヤ6をその両サイドにおいてカバーして保護するようになっており、レンズホルダ3に対してサスペンションワイヤ6の取り付けを行った後、すぐにアクチュエータフレーム5内に収容されるので、その後の工程でサスペンションワイヤ6を変形させてしまうようなことが無い。勿論、制振材の注入工程でも注入器でサスペンションワイヤ6を変形させてしまうようなことが無い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の光ヘッドアクチュエータの場合、ダンパベースとゲルカバーを一体化したので、部品点数を減らすことができ、これにより、製造コストを低減させることができる。更に、本発明の光ヘッドアクチュエータの場合、ダンパベースとゲルカバーとを一体化したので、従来のようにダンパベースとゲルカバーとの間の隙間から制振材が漏れ出してしまう不都合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光ヘッドアクチュエータの平面図である。
【図2】図1に示す光ヘッドアクチュエータの底面図である。
【図3】図1のA−A´線での断面図である。
【図4】図1に示す光ヘッドアクチュエータにおいて用いられているダンパベース及びアクチュエータフレームの斜視図である。
【図5】図1に示す光ヘッドアクチュエータにおいてアクチュエータフレームに対するレンズホルダの位置決め方法を説明するための説明図である。
【図6】従来の光ヘッドアクチュエータの分解斜視図である。
【図7】図6に示すダンパベースの取り付け構造を説明するための部分断面側面図である。
【図8】図6に示すピックアップベースの取り付け構造を説明するための部分断面側面図である。
【符号の説明】
1 光ヘッドアクチュエータ
2 アクチュエータベース
3 レンズホルダ
3−1 対物レンズ
3−2 トラッキングコイル
3−3 フォーカシングコイル
4 ダンパベース
4−1 固定部
4−2 脚状部
4−3 固定面
4−4 収容空間
4−5 穴
5 アクチュエータフレーム
6 サスペンションワイヤ
7 ヨーク
8 マグネット

Claims (2)

  1. 光ピックアップ用のレンズを保持しているレンズホルダと、該レンズホルダを複数のサスペンションワイヤを介して上下左右に変位可能に支持し、前記複数のサスペンションワイヤの一端部をその後壁側に設けられた配線基板に接続するためのダンパベースと、前記複数のサスペンションワイヤの振動を減衰させるためのゲル状の制振材とを含む光ヘッドアクチュエータにおいて、
    前記ダンパベースは、
    前記複数のサスペンションワイヤの一端部を固定するための固定面を露出させる切欠きを前記後壁側に有する固定部と、
    前記複数のサスペンションワイヤの一端部を前記固定部の切欠きへ通すための穴と、前記複数のサスペンションワイヤの一端部を前記固定部の切欠きへ挿通させると共に前記制振材を収容する収容空間とを備え、かつ前記固定部に一体に形成された脚状部と、
    を有し
    前記穴は、そこに前記複数のサスペンションワイヤを挿通させた状態で合成樹脂により塞がれ
    前記複数のサスペンションワイヤは、前記固定部の切欠きに合成樹脂により固定され、かつ前記配線基板に半田付け接続されている
    ことを特徴とする光ヘッドアクチュエータ。
  2. 前記ダンパベースは、透明な合成樹脂から成り、前記制振材は、前記ダンパベースを透過した紫外線によりゲル状に成るものであることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッドアクチュエータ。
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