JP3553908B2 - 折畳式角形蛇篭及び蛇篭包装体並びに蛇篭の取り扱い方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折畳式の角形蛇篭と蛇篭包装体及びその取り扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、護岸工事や宅地造成工事等には、図20に示すような、一般にふとん篭や石詰篭と称される角形蛇篭が使用される。この角形蛇篭は、通常、菱形金網や亀甲金網、溶接金網等によって六面体状に形成され、上面網を開放した状態で内部に土石を充填したあと、上面網を閉じることによって現場に設置される。
【0003】
このような角形蛇篭は、一般に、底面網1と前後の側面網2a,2b及び左右の側面網3a,3bと上面網4とを、それぞれ独立に形成し、それらを分離状態のままか、あるいは部分的に連結したものを折り畳んだ状態で現場に輸送し、現場で各面網の相接する辺同士を螺旋状をした連結線5で相互に連結することにより容器形に組み立てるようにしている。ところが、上記連結線5は、中心軸線の回りに回転させながら連結すべき辺に巻き付けていかなければならないため、連結作業がかなり面倒で、設置すべき蛇篭の数が数十あるいは数百といったように多い場合には、それらの組み立てに非常に多くの手数と時間とを必要とし、作業効率が悪い。
【0004】
そこで上記蛇篭を、工場などで予め容器形に組み立てて現場に輸送すれば、現場での組立作業を簡略化することができるが、組み立てた蛇篭は非常に嵩張るため、梱包や輸送に不便で大量輸送することができない。
このような問題は、上述したように4つの側面網2a,2b及び3a,3bを全て有する蛇篭だけでなく、一部の側面網を省略することによって隣接する蛇篭間で側面網が重複するのを防止するようにした特殊な構成を持つ蛇篭においても共通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、角形蛇篭を、予め所定の形に組み立てた状態のまま折り畳むことができるように構成することにより、嵩張りを防いで現場への輸送を容易にすると共に、現場での組み立て作業を簡略化して設置作業の効率化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、矩形の底面網と、4つの側面網のうち互いに隣接する少なくとも2つの側面網とを含み、各面網の相接する辺同士が折曲自在なるように連結されていて、隣接する側面網の一方が、他方の側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭が提供される。
【0007】
上記底面網の中間位置には少なくとも1つの仕切面網を起倒自在に取り付けることができ、この場合にこの仕切面網は、その端部が該仕切面網と交差する側面網に折曲自在に連結され、且つ、傾斜する骨線によって斜めに折曲自在なるように構成される。
【0008】
また、本発明によれば、矩形の底面網と、該底面網の中間位置に起倒自在に取り付けられた少なくとも1つの仕切面網と、上記底面網の側辺に該仕切面網と交差する向きに取り付けられた1つ又は2つの側面網とを含み、これらの仕切面網と側面網とが相互に折曲自在なるように連結されると共に、上記仕切面網が、交差する側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭が提供される。
【0009】
このような構成を有する本発明の角形蛇篭は、骨線付きの側面網及び仕切面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより、各面網を底面網上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、該現場で上記側面網及び仕切面網を起立させることにより組み立て、内部に土石等を充填することにより現場に設置される。このとき、必要に応じてその上面には、上面網が取り付けられる。上記骨線の傾斜角は実質的に45度であることが望ましい。
【0010】
かくして上記角形蛇篭によれば、予め容器形など所定の形に組み立てた状態のまま、即ち、各面網を互いに連結した状態のまま、それらを底面網上に折り重ねることができるため、蛇篭を嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことが可能となり、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での蛇篭の組み立ても、折り畳まれた側面網及び仕切面網を単に起立させるだけで、それらを連結する必要がないため、組み立て作業が簡単で蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことができる。
【0011】
本発明の角形蛇篭においては、上記骨線を有する面網が、この骨線により複数の網部分に区分されていて、これらの網部分が該骨線の位置で相互に折曲自在に連結されている。
【0012】
上記各面網の相接する辺同士は、1本又は2本の骨線を介して相互に連結されていることが望ましい。
【0013】
また本発明によれば、上記角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で包装してあることを特徴とする蛇篭包装体が提供される。
【0014】
更に本発明によれば、上記角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、該現場で上記各面網を起立させることにより組み立てることを特徴とする蛇篭の取り扱い方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る角形蛇篭の第1実施形態を示すもので、この角形蛇篭10Aは、上面が開放する角形容器状をした容体11と、必要に応じてその上面を塞ぐ上面網12とを備えていて、これらの容体11及び上面網12は、扁平螺旋状に折曲した複数の列線を順次連繋してなる菱形金網により形成されている。
【0016】
上記容体11は、矩形の底面網14と、相対する前後一対の矩形の側面網15a,15bと、相対する左右一対の矩形の側面網16a,16bとからなっていて、これらの各面網14,15a,15b,16a,16bの相接する辺同士を互いに折曲自在なるように連結することにより、予め角形容器状に組み立てられている。この場合、図2に示すように、上記各面網14,15a,15b,16a,16bをそれぞれを個別に形成し、それらを骨線18等の適宜連結手段で相互に連結しても、あるいは、図3に示すように、底面網14と前後の側面網15a,15bとを一体に形成して、左右の側面網16a,16bを個別に形成し、それらを同様の適宜連結手段で相互に連結しても良い。
【0017】
図2に示す例では、上記底面網14と前後の側面網15a,15bとが、各面網14,15a,15bの隣接端に位置する列線19の折曲部19aに1本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結され、底面網14と左右の側面網16a,16bとが、列線19の端部に形成した環19bに一本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結され、隣接する側面網15aと16a及び15bと16bの側辺同士が、端部に位置する列線19の折曲部19aと列線端に形成された環19bとに一本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結されている。また、図3に示す例では、一体に形成された底面網14と前後の側面網15a,15bとの境界部分に一本の骨線18が挿通されている以外は、図2の場合と同様の方法で各面網14,15a,15b,16a,16bが連結されている。即ち、これらの例では、上記各面網14,15a,15b,16a,16bの相接する辺同士が、相互に一本の骨線18によって連結されている。
【0018】
なお、上記側面網の説明に「前後」及び「左右」という言葉を用いているが、これは、図示されている蛇篭を説明するについて便宜上使用している表現方法であって、実際の蛇篭の設置方向を規定ものではない。
また、上記側面網15a,15b及び16a,16bについては、それらを区別して表現する必要がない場合には、単に符号「15」又は「16」で表示するものとする。
【0019】
上記容体11における左右の側面網16a,16bには、これらの側面網を斜めに折曲可能ならしめるための折線21がそれぞれ傾斜状態に形成されている。この折線21は、隣接する側面網15a,15bに連結された側辺22の下端部と上辺23の中間部との間を斜めに結ぶもので、図4又は図5に詳細に示すように、側面網16a,16bを形成する列線19をこの折線21の位置で分断すると共に、分断した線端部分にそれぞれ環24を形成し、この環24に骨線25を挿通して分断された列線19を相互に連結することにより、この折線21が形成されている。図4に示す例では、各列線19,19の折曲部19a,19a同士が係合し合うべき位置に上記折線21が形成されており、図5に示す例では、各列線19の折曲部19aと19aと間の位置に上記折線21が形成されている。しかし、列線19の螺旋のピッチや折線21の傾斜角度等によっては、この折線21が、図4に鎖線で示すように、列線19の折曲部19aの列に対して傾斜した状態や、この折曲部列を跨ぐように設けられることもある。なお、上記折線21の傾斜角θは実質的に45度であることが望ましいが、45度より若干大きくても小さくても構わない。
【0020】
また、上記折線21の形成により側面網16a,16bの上辺23は、骨線26が2つまたは3つの線部分に分断され、これらの各線部分が折曲自在に連結されることになる。即ち、例えば図4及び図5に示すように、側面網16a,16bの長さLが高さHの2倍より大きく、かつこの側面網16a,16bの両側に折線21を45度の傾斜角度で設ける場合には、2つの折線21の上端は互いに離れた位置で上辺23と交わるため、この上辺23即ち骨線26は、3つの線部分26a,26b,26cに分割され、これらの線部分が相互に折曲自在に連結される。これに対し、上記側面網16a,16bの長さLが高さHの略2倍である場合には、これらの折線21の上端は上辺23の中央部で互いに交わるため、骨線26は2つの線部分に分割される。
【0021】
従って、上記折線21を有する側面網16a,16bは、この折線21によって複数の網部分、つまり、両側の三角形状をなす網部分17a,17bと、それらの間の台形状又は三角形状をなす網部分17cとに区分され、これらの各網部分が、上記折線21の位置で骨線26により相互に折曲自在に連結された構成を有することになる。
【0022】
図1中の符号27は、前後の側面網15a,15bの保形性を保つためにそれらの中間位置に縦方向に取り付けられた補強線、28は底面網14を補強するための補強線である。
【0023】
上記構成を有する角形蛇篭10Aは、容体11を図1に示す如く予め箱形に組み立てた状態のまま、換言すれば、隣接する各側面網15a,15b,16a,16bの相接する側辺同士を互いに連結した状態のまま、図6に金網の図示を省略して示すように、上記折線21を備えた左右の側面網16a,16bをこの折線21の位置で斜め内側に向けて折曲すると共に、前後の側面網15a,15bをその上に倒して底面網14上に折り重ねることにより、図7に示すように扁平状に折り畳む。そして、その状態で一つ又は複数をまとめて梱包することにより蛇篭包装体として現場に輸送したあと、該現場で上記梱包を解き、各側面網15a,15b,16a,16bを起立させることにより図1のように箱形に組み立て、所定の場所に所要数を配置して内部に土石等を充填し、上面網12を閉じることにより現場に設置される。この場合に各蛇篭10Aは、必ずしも前後の側面網15a,15bを設置場所の前後に向けて設置されるとは限らず、左右の側面網16a,16bを前後に向けて設置されることも当然あり得る。
【0024】
上記上面網12の取り付けは適宜手段により行うことができるが、螺旋状の連結線を使用する場合でも、全ての面網の連結に螺旋状連結線を使用する従来工法に比べれば、その使用は上面網12の取り付けだけに限られるため、連結に要する手数と時間は大幅に短縮されることになる。なお、例えば蛇篭を上下に複数段段積するような場合には、上段の蛇篭で下段の蛇篭の上面を覆うことにより、該下段の蛇篭の上面網12は省略することができる。
【0025】
また、上記蛇篭10Aは、例えば図8に示すように、傾斜する法面20aと水平な路肩20bとが連なったような、途中で傾斜角度が変化する場所に連続して設置することもある。このような場合に、角部に設置される蛇篭10Aは、例えばその角部に面する側面網15a,15b又は16a,16bが傾いた形に形成されるが、このような異形の蛇篭においても、上記側面網15a,15b又は16a,16bに上述した折線21を形成することにより、折り畳み自在とすることができる。
【0026】
かくして上記角形蛇篭10Aによれば、それを予め容器形に組み立てた状態のまま、即ち、隣接する側面網15a,15b,16a,16bの相接する側辺同士を互いに連結した状態のまま、これらの各側面網を底面網14上に折り重ねることにより、嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことができ、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での組み立ても、折り重ねた側面網15a,15b,16a,16bを単に立ち上がらせるだけで良いため、組み立て作業が非常に簡単で一人でも瞬時に行うことができ、蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことができる。
【0027】
なお、図示した実施形態においては、長さが短い方の側面網16a,16bに折線21が設けられているが、長さが長い方の側面網15a,15bに折線21を設けても良いことは当然である。
【0028】
図9は角形蛇篭の第2実施形態を金網を省略して示すもので、この第2実施形態の角形蛇篭10Bは、内部を複数の石詰め領域に仕切るための仕切面網29を有する点で、上記第1実施形態の角形蛇篭10Aと相違している。即ち、この第2実施形態の角形蛇篭10Bは、底面網14の中間位置に上記仕切面網29を左右の側面網16a,16bと平行に配置し、この仕切面網29の底辺を底面網14に、また両側辺を前後の側面網15a,15bに、それぞれ折曲自在なるように連結している。この仕切面網29を他の面網14,15a,15bに連結する方法としては、上記底面網14と各側面網15a,15b,16a,16bとを連結する方法と同じ方法を用いることができるが、それ以外の方法であっても良い。そして上記仕切面網29は、左右の側面網16a,16bと同様に、側面網15a,15bに連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜する折線21を有していて、この折線21の位置で斜めに折曲自在なるように構成されている。この蛇篭10Bの上記以外の構成や上面網の要否、あるいは好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0029】
従って、上記第2実施形態の角形蛇篭10Bにおいても、図10に示す如く、上記仕切面網29を、左右の側面網16a,16bと同様に折線21の位置で折曲することにより、各側面網15a,15b及び16a,16bと共に底面網14上に折り重ねることができる。
【0030】
また、上述したように左右の側面網16a,16bに折線21を設ける代わりに、図9に鎖線で示すように前後の側面網15a,15bに折線21を設けても良く、この場合には、角形蛇篭10Bは図11に示すように折り畳まれる。
なお、図示の例では1つの仕切面網29が設けられているが、蛇篭の長さ等に応じて複数の仕切面網29を設けることができることは言うまでもないことである。
【0031】
図12は角形蛇篭の第3実施形態を金網を省略して示すもので、この第3実施形態の角形蛇篭10Cは、側面網として隣接する2つの側面網15a及び16aだけを備えている点で、前後及び左右の4つの側面網15a,15b,16a,16bを備えた上記第1実施形態の蛇篭10Aと相違している。即ち、この第3実施形態の角形蛇篭10Cは、容体11が、底面網14と、前後一対の側面網のうち一方の側面網15aと、左右一対の側面網のうち一方の側面網16aとを有していて、これら2つの側面網15a,16aのうち一方の側面網16aに折線21が形成されている。この折線21は、側面網15aに連結された側辺22a側だけに形成されていて、他方の側辺22b側には形成されていない。この蛇篭10Cの上記以外の基本構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
なお、この蛇篭10Cにおいても、特に図示はされていないが、必要に応じて上面網12が用意される。
【0032】
上記角形蛇篭10Cは、図13に示すように側面網15a,16aを底面網14上に折り重ねて梱包し、その状態で現場に輸送したあと、図12に示すようにこれらの側面網15a,16aを起立させて組み立て、図14に示すように、同様に構成された複数の蛇篭10Cを前後及び左右に配置して適宜手段で相互に連結すると共に、最側端部と最後端部に位置する蛇篭10Cに個別に形成した側面網15b及び16bをそれぞれ取り付けることにより、複数の蛇篭10Cが一体化された篭マット状に組み立て、それらの内部に土石を充填して上面網を取り付けることにより設置される。なお、上記側面網16aには折線は形成されていない。
【0033】
これにより、隣接する2つの蛇篭10C,10Cの接合面間に1枚の側面網15a,16aだけを介在させた状態で蛇篭を設置することができ、資材の重複をなくして経済性の向上を図ることができる。なお、この場合に上面網は、各蛇篭10C毎に個別に取り付けても良いが、縦又は横の蛇篭列毎にその列に対応する長さの上面網を取り付けても良く、あるいは、縦横複数の蛇篭を1単位として各単位毎にそれに対応する広さの上面網を取り付けることもできる。更には、例えば蛇篭を上下に複数段段積するような場合には、上段の蛇篭で下段の蛇篭の上面を覆うことにより、該下段の蛇篭の上面網は省略することができる。
【0034】
なお、この第3実施形態の角形蛇篭10Cにおいても、図12及び図13に鎖線で示すように、上記底面網14の中間位置に、傾斜する折線21を側部に有する少なくとも1つの仕切面網29を取り付けることができる。
また、上記角形蛇篭10Cを単独で設置する場合は、その開放する2つの側面に上述した側面網15b及び16bをそれぞれ取り付ければ良い。
【0035】
図15は角形蛇篭の第4実施形態を金網の図示を省略して示すもので、この第4実施形態の角形蛇篭10Dは、3つの側面網を備えている点で、上記第1及び第3実施形態の蛇篭10A,10Cと相違している。即ち、この第4実施形態の角形蛇篭10Dは、容体11が、底面網14と、前後の側面網のうち一方の側面網15aと、左右の側面網16a,16bとを有していて、これら左右の側面網16a,16bにそれぞれ折線21が形成されている。この折線21は、前部の側面網15aに連結された側辺側だけに形成されていて、反対側には形成されていない。この蛇篭10Dの上記以外の基本構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。なお、この蛇篭10Dにおいても、必要に応じて上面網が用意される。
【0036】
そしてこの第4実施形態の蛇篭10Dにおいても、左右の側面網16a,16bをそれぞれ上記折線21の位置で斜めに折曲して前部の側面網15aと共に底面網14上に折り重ねることにより、コンパクトに折り畳んで輸送することができるだけでなく、現場での組立作業を、折り重ねた側面網15a,16a,16bを単に立ち上がらせるだけで簡単に行うことができる。
【0037】
なお、図示の例では、左右の側面網16a,16bに折線21が形成されているが、この折線21は、左右の側面網16a,16bに設ける代わりに、図15に鎖線で示すように、それらの間に位置する前部の側面網15aの左右両側に設けることもできる。
【0038】
また、上記第4実施形態の蛇篭10Dは、同様の構成を持つ複数の蛇篭を前後に接続して設置する際に、隣接する蛇篭の接合面間に1枚の側面網15aだけが介在して資材の重複が防止されるようにしたものであるが、同様の考えにより、左右に接続する蛇篭の接合面間に1枚の側面網16a又は16bだけを介在させるようにする場合には、蛇篭を、前後の側面網15a,15bと、左右いずれか一方の側面網16a又は16bとを備えるように構成すれば良く、この場合に折線21は、上記前後の側面網15a,15bにそれぞれ形成されるか、それらの間に位置する側面網16a又は16bに形成される。
【0039】
なお、この第4実施形態の角形蛇篭10Dにおいても、図15に鎖線で示すように、上記底面網14の中間位置に、傾斜する折線21を側部に有する少なくとも1つの仕切面網29を取り付けることができる。
【0040】
図16は角形蛇篭の第5実施形態を金網を省略して示すもので、この第5実施形態の角形蛇篭10Eは、矩形の底面網14と、この底面網14の中間位置に起倒自在に取り付けられた1つ以上の仕切面網29と、上記底面網14の側辺に該仕切面網29と交差する向きに取り付けられた1つの側面網15aとを有している。そして、これらの仕切面網29と側面網15aとは相互に折曲自在なるように連結されていて、上記仕切面網29には、側面網15aに連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる折線21が設けられ、この折線21に沿って斜めに折曲可能なるように構成されている。この蛇篭10Eの上記以外の基本的構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0041】
この角形蛇篭10Eは、図17に示すように、仕切面網29を折線21の位置で折曲することにより側面網15aと共に底面網14上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、上記仕切面網29と側面網15aとを起立させることにより組み立てる。そして図18に示すように、複数の蛇篭10Eを前後及び左右に配置して、左右の蛇篭間に別形成された共通の側面網16を介在させると共に、後端部に位置する各蛇篭10Eの後面に側面網15bを取り付け、更に、左右両側端部に位置する蛇篭10Eの外側面に側面網16を取り付けることにより、篭マット状に組み立て、内部に石詰めすることにより設置される。この場合、必要に応じて図示しない上面網が取り付けられる。また、蛇篭を段積することもできる。さらに、この角形蛇篭10Eを単独で設置する場合は、別形成された側面網15b及び16a,16bが用意され、開放する3つの側面にこれらの側面網15b及び16a,16bがそれぞれ取り付けられる。
【0042】
なお、図16に示す蛇篭10Eは、仕切面網29の一端側だけに側面網15aを備えているが、同図に鎖線で示すように、仕切面網29の他端側にも側面網15bを設けることができる。この場合には、仕切面網29の両側部に折線21が形成されることは当然である。
【0043】
図19は、折線21を有する側面網15,16又は仕切面網29の変形例を示すもので、この側面網15,16又は仕切面網29は、折線21で区分される各網部分17a,17b,17cを、外周の各辺にそれぞれ骨線31を備えた枠付き網として個別に形成し、これらの網部分の骨線31,31同士を螺旋状連結線のような連結金具32で相互に折曲自在に連結したものである。このような側面網の形態は、図12、図15、図16に示す蛇篭の、一つの折線を有する側面網や仕切面網にも適用できることは言うまでもないことである。
【0044】
なお、上記各実施例では、蛇篭が菱形金網で形成されているが、亀甲金網や溶接金網のようなその他の適宜網材を用いることができることも当然である。
【0045】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明によれば、角形蛇篭を予め容器形など所定の形に組み立てた状態のまま、即ち、各面網を互いに連結した状態のまま、それらを底面網上に折り重ねることができるため、蛇篭を嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことができ、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での蛇篭の組み立ても、折り畳まれた側面網及び仕切面網を単に起立させるだけで、それらを連結する必要がないため、組み立て作業が非常に簡単で一人でも瞬時に行うことができ、蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角形蛇篭の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の角形蛇篭における容体の一例を示す展開図である。
【図3】図1の角形蛇篭における容体の他例を示す展開図である。
【図4】図1の角形蛇篭における折線付きの側面網の一例を示す正面図である。
【図5】図1の角形蛇篭における折線付きの側面網の他例を示す正面図である。
【図6】図1の角形蛇篭の折り畳み途中の状態を示す金網を省略した斜視図である。
【図7】図1の角形蛇篭の折り畳み後の状態を示す金網を省略した平面図である。
【図8】図1の角形蛇篭の設置例を示す側面図である。
【図9】本発明に係る角形蛇篭の第2実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図10】図9の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図11】図9の角形蛇篭の他の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図12】本発明に係る角形蛇篭の第3実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図13】図12の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した斜視図である。
【図14】図12の角形蛇篭の設置方法を説明する金網を省略した斜視図である。
【図15】本発明に係る角形蛇篭の第4実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図16】本発明に係る角形蛇篭の第5実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図17】図16の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図18】図16の角形蛇篭の設置方法を説明するための平面図である。
【図19】折線を有する側面網又は仕切面網の変形例を示す正面図である。
【図20】従来の角形蛇篭の斜視図である。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D,10E 蛇篭
14 底面網
15a,15b,15 前後の側面網
16a,16b,16 左右の側面網
18 骨線
22 側辺
24 環
25 骨線
29 仕切面網
【発明の属する技術分野】
本発明は、折畳式の角形蛇篭と蛇篭包装体及びその取り扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、護岸工事や宅地造成工事等には、図20に示すような、一般にふとん篭や石詰篭と称される角形蛇篭が使用される。この角形蛇篭は、通常、菱形金網や亀甲金網、溶接金網等によって六面体状に形成され、上面網を開放した状態で内部に土石を充填したあと、上面網を閉じることによって現場に設置される。
【0003】
このような角形蛇篭は、一般に、底面網1と前後の側面網2a,2b及び左右の側面網3a,3bと上面網4とを、それぞれ独立に形成し、それらを分離状態のままか、あるいは部分的に連結したものを折り畳んだ状態で現場に輸送し、現場で各面網の相接する辺同士を螺旋状をした連結線5で相互に連結することにより容器形に組み立てるようにしている。ところが、上記連結線5は、中心軸線の回りに回転させながら連結すべき辺に巻き付けていかなければならないため、連結作業がかなり面倒で、設置すべき蛇篭の数が数十あるいは数百といったように多い場合には、それらの組み立てに非常に多くの手数と時間とを必要とし、作業効率が悪い。
【0004】
そこで上記蛇篭を、工場などで予め容器形に組み立てて現場に輸送すれば、現場での組立作業を簡略化することができるが、組み立てた蛇篭は非常に嵩張るため、梱包や輸送に不便で大量輸送することができない。
このような問題は、上述したように4つの側面網2a,2b及び3a,3bを全て有する蛇篭だけでなく、一部の側面網を省略することによって隣接する蛇篭間で側面網が重複するのを防止するようにした特殊な構成を持つ蛇篭においても共通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、角形蛇篭を、予め所定の形に組み立てた状態のまま折り畳むことができるように構成することにより、嵩張りを防いで現場への輸送を容易にすると共に、現場での組み立て作業を簡略化して設置作業の効率化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、矩形の底面網と、4つの側面網のうち互いに隣接する少なくとも2つの側面網とを含み、各面網の相接する辺同士が折曲自在なるように連結されていて、隣接する側面網の一方が、他方の側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭が提供される。
【0007】
上記底面網の中間位置には少なくとも1つの仕切面網を起倒自在に取り付けることができ、この場合にこの仕切面網は、その端部が該仕切面網と交差する側面網に折曲自在に連結され、且つ、傾斜する骨線によって斜めに折曲自在なるように構成される。
【0008】
また、本発明によれば、矩形の底面網と、該底面網の中間位置に起倒自在に取り付けられた少なくとも1つの仕切面網と、上記底面網の側辺に該仕切面網と交差する向きに取り付けられた1つ又は2つの側面網とを含み、これらの仕切面網と側面網とが相互に折曲自在なるように連結されると共に、上記仕切面網が、交差する側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭が提供される。
【0009】
このような構成を有する本発明の角形蛇篭は、骨線付きの側面網及び仕切面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより、各面網を底面網上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、該現場で上記側面網及び仕切面網を起立させることにより組み立て、内部に土石等を充填することにより現場に設置される。このとき、必要に応じてその上面には、上面網が取り付けられる。上記骨線の傾斜角は実質的に45度であることが望ましい。
【0010】
かくして上記角形蛇篭によれば、予め容器形など所定の形に組み立てた状態のまま、即ち、各面網を互いに連結した状態のまま、それらを底面網上に折り重ねることができるため、蛇篭を嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことが可能となり、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での蛇篭の組み立ても、折り畳まれた側面網及び仕切面網を単に起立させるだけで、それらを連結する必要がないため、組み立て作業が簡単で蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことができる。
【0011】
本発明の角形蛇篭においては、上記骨線を有する面網が、この骨線により複数の網部分に区分されていて、これらの網部分が該骨線の位置で相互に折曲自在に連結されている。
【0012】
上記各面網の相接する辺同士は、1本又は2本の骨線を介して相互に連結されていることが望ましい。
【0013】
また本発明によれば、上記角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で包装してあることを特徴とする蛇篭包装体が提供される。
【0014】
更に本発明によれば、上記角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、該現場で上記各面網を起立させることにより組み立てることを特徴とする蛇篭の取り扱い方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る角形蛇篭の第1実施形態を示すもので、この角形蛇篭10Aは、上面が開放する角形容器状をした容体11と、必要に応じてその上面を塞ぐ上面網12とを備えていて、これらの容体11及び上面網12は、扁平螺旋状に折曲した複数の列線を順次連繋してなる菱形金網により形成されている。
【0016】
上記容体11は、矩形の底面網14と、相対する前後一対の矩形の側面網15a,15bと、相対する左右一対の矩形の側面網16a,16bとからなっていて、これらの各面網14,15a,15b,16a,16bの相接する辺同士を互いに折曲自在なるように連結することにより、予め角形容器状に組み立てられている。この場合、図2に示すように、上記各面網14,15a,15b,16a,16bをそれぞれを個別に形成し、それらを骨線18等の適宜連結手段で相互に連結しても、あるいは、図3に示すように、底面網14と前後の側面網15a,15bとを一体に形成して、左右の側面網16a,16bを個別に形成し、それらを同様の適宜連結手段で相互に連結しても良い。
【0017】
図2に示す例では、上記底面網14と前後の側面網15a,15bとが、各面網14,15a,15bの隣接端に位置する列線19の折曲部19aに1本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結され、底面網14と左右の側面網16a,16bとが、列線19の端部に形成した環19bに一本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結され、隣接する側面網15aと16a及び15bと16bの側辺同士が、端部に位置する列線19の折曲部19aと列線端に形成された環19bとに一本の共通の骨線18を挿通することにより、相互に連結されている。また、図3に示す例では、一体に形成された底面網14と前後の側面網15a,15bとの境界部分に一本の骨線18が挿通されている以外は、図2の場合と同様の方法で各面網14,15a,15b,16a,16bが連結されている。即ち、これらの例では、上記各面網14,15a,15b,16a,16bの相接する辺同士が、相互に一本の骨線18によって連結されている。
【0018】
なお、上記側面網の説明に「前後」及び「左右」という言葉を用いているが、これは、図示されている蛇篭を説明するについて便宜上使用している表現方法であって、実際の蛇篭の設置方向を規定ものではない。
また、上記側面網15a,15b及び16a,16bについては、それらを区別して表現する必要がない場合には、単に符号「15」又は「16」で表示するものとする。
【0019】
上記容体11における左右の側面網16a,16bには、これらの側面網を斜めに折曲可能ならしめるための折線21がそれぞれ傾斜状態に形成されている。この折線21は、隣接する側面網15a,15bに連結された側辺22の下端部と上辺23の中間部との間を斜めに結ぶもので、図4又は図5に詳細に示すように、側面網16a,16bを形成する列線19をこの折線21の位置で分断すると共に、分断した線端部分にそれぞれ環24を形成し、この環24に骨線25を挿通して分断された列線19を相互に連結することにより、この折線21が形成されている。図4に示す例では、各列線19,19の折曲部19a,19a同士が係合し合うべき位置に上記折線21が形成されており、図5に示す例では、各列線19の折曲部19aと19aと間の位置に上記折線21が形成されている。しかし、列線19の螺旋のピッチや折線21の傾斜角度等によっては、この折線21が、図4に鎖線で示すように、列線19の折曲部19aの列に対して傾斜した状態や、この折曲部列を跨ぐように設けられることもある。なお、上記折線21の傾斜角θは実質的に45度であることが望ましいが、45度より若干大きくても小さくても構わない。
【0020】
また、上記折線21の形成により側面網16a,16bの上辺23は、骨線26が2つまたは3つの線部分に分断され、これらの各線部分が折曲自在に連結されることになる。即ち、例えば図4及び図5に示すように、側面網16a,16bの長さLが高さHの2倍より大きく、かつこの側面網16a,16bの両側に折線21を45度の傾斜角度で設ける場合には、2つの折線21の上端は互いに離れた位置で上辺23と交わるため、この上辺23即ち骨線26は、3つの線部分26a,26b,26cに分割され、これらの線部分が相互に折曲自在に連結される。これに対し、上記側面網16a,16bの長さLが高さHの略2倍である場合には、これらの折線21の上端は上辺23の中央部で互いに交わるため、骨線26は2つの線部分に分割される。
【0021】
従って、上記折線21を有する側面網16a,16bは、この折線21によって複数の網部分、つまり、両側の三角形状をなす網部分17a,17bと、それらの間の台形状又は三角形状をなす網部分17cとに区分され、これらの各網部分が、上記折線21の位置で骨線26により相互に折曲自在に連結された構成を有することになる。
【0022】
図1中の符号27は、前後の側面網15a,15bの保形性を保つためにそれらの中間位置に縦方向に取り付けられた補強線、28は底面網14を補強するための補強線である。
【0023】
上記構成を有する角形蛇篭10Aは、容体11を図1に示す如く予め箱形に組み立てた状態のまま、換言すれば、隣接する各側面網15a,15b,16a,16bの相接する側辺同士を互いに連結した状態のまま、図6に金網の図示を省略して示すように、上記折線21を備えた左右の側面網16a,16bをこの折線21の位置で斜め内側に向けて折曲すると共に、前後の側面網15a,15bをその上に倒して底面網14上に折り重ねることにより、図7に示すように扁平状に折り畳む。そして、その状態で一つ又は複数をまとめて梱包することにより蛇篭包装体として現場に輸送したあと、該現場で上記梱包を解き、各側面網15a,15b,16a,16bを起立させることにより図1のように箱形に組み立て、所定の場所に所要数を配置して内部に土石等を充填し、上面網12を閉じることにより現場に設置される。この場合に各蛇篭10Aは、必ずしも前後の側面網15a,15bを設置場所の前後に向けて設置されるとは限らず、左右の側面網16a,16bを前後に向けて設置されることも当然あり得る。
【0024】
上記上面網12の取り付けは適宜手段により行うことができるが、螺旋状の連結線を使用する場合でも、全ての面網の連結に螺旋状連結線を使用する従来工法に比べれば、その使用は上面網12の取り付けだけに限られるため、連結に要する手数と時間は大幅に短縮されることになる。なお、例えば蛇篭を上下に複数段段積するような場合には、上段の蛇篭で下段の蛇篭の上面を覆うことにより、該下段の蛇篭の上面網12は省略することができる。
【0025】
また、上記蛇篭10Aは、例えば図8に示すように、傾斜する法面20aと水平な路肩20bとが連なったような、途中で傾斜角度が変化する場所に連続して設置することもある。このような場合に、角部に設置される蛇篭10Aは、例えばその角部に面する側面網15a,15b又は16a,16bが傾いた形に形成されるが、このような異形の蛇篭においても、上記側面網15a,15b又は16a,16bに上述した折線21を形成することにより、折り畳み自在とすることができる。
【0026】
かくして上記角形蛇篭10Aによれば、それを予め容器形に組み立てた状態のまま、即ち、隣接する側面網15a,15b,16a,16bの相接する側辺同士を互いに連結した状態のまま、これらの各側面網を底面網14上に折り重ねることにより、嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことができ、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での組み立ても、折り重ねた側面網15a,15b,16a,16bを単に立ち上がらせるだけで良いため、組み立て作業が非常に簡単で一人でも瞬時に行うことができ、蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことができる。
【0027】
なお、図示した実施形態においては、長さが短い方の側面網16a,16bに折線21が設けられているが、長さが長い方の側面網15a,15bに折線21を設けても良いことは当然である。
【0028】
図9は角形蛇篭の第2実施形態を金網を省略して示すもので、この第2実施形態の角形蛇篭10Bは、内部を複数の石詰め領域に仕切るための仕切面網29を有する点で、上記第1実施形態の角形蛇篭10Aと相違している。即ち、この第2実施形態の角形蛇篭10Bは、底面網14の中間位置に上記仕切面網29を左右の側面網16a,16bと平行に配置し、この仕切面網29の底辺を底面網14に、また両側辺を前後の側面網15a,15bに、それぞれ折曲自在なるように連結している。この仕切面網29を他の面網14,15a,15bに連結する方法としては、上記底面網14と各側面網15a,15b,16a,16bとを連結する方法と同じ方法を用いることができるが、それ以外の方法であっても良い。そして上記仕切面網29は、左右の側面網16a,16bと同様に、側面網15a,15bに連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜する折線21を有していて、この折線21の位置で斜めに折曲自在なるように構成されている。この蛇篭10Bの上記以外の構成や上面網の要否、あるいは好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0029】
従って、上記第2実施形態の角形蛇篭10Bにおいても、図10に示す如く、上記仕切面網29を、左右の側面網16a,16bと同様に折線21の位置で折曲することにより、各側面網15a,15b及び16a,16bと共に底面網14上に折り重ねることができる。
【0030】
また、上述したように左右の側面網16a,16bに折線21を設ける代わりに、図9に鎖線で示すように前後の側面網15a,15bに折線21を設けても良く、この場合には、角形蛇篭10Bは図11に示すように折り畳まれる。
なお、図示の例では1つの仕切面網29が設けられているが、蛇篭の長さ等に応じて複数の仕切面網29を設けることができることは言うまでもないことである。
【0031】
図12は角形蛇篭の第3実施形態を金網を省略して示すもので、この第3実施形態の角形蛇篭10Cは、側面網として隣接する2つの側面網15a及び16aだけを備えている点で、前後及び左右の4つの側面網15a,15b,16a,16bを備えた上記第1実施形態の蛇篭10Aと相違している。即ち、この第3実施形態の角形蛇篭10Cは、容体11が、底面網14と、前後一対の側面網のうち一方の側面網15aと、左右一対の側面網のうち一方の側面網16aとを有していて、これら2つの側面網15a,16aのうち一方の側面網16aに折線21が形成されている。この折線21は、側面網15aに連結された側辺22a側だけに形成されていて、他方の側辺22b側には形成されていない。この蛇篭10Cの上記以外の基本構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
なお、この蛇篭10Cにおいても、特に図示はされていないが、必要に応じて上面網12が用意される。
【0032】
上記角形蛇篭10Cは、図13に示すように側面網15a,16aを底面網14上に折り重ねて梱包し、その状態で現場に輸送したあと、図12に示すようにこれらの側面網15a,16aを起立させて組み立て、図14に示すように、同様に構成された複数の蛇篭10Cを前後及び左右に配置して適宜手段で相互に連結すると共に、最側端部と最後端部に位置する蛇篭10Cに個別に形成した側面網15b及び16bをそれぞれ取り付けることにより、複数の蛇篭10Cが一体化された篭マット状に組み立て、それらの内部に土石を充填して上面網を取り付けることにより設置される。なお、上記側面網16aには折線は形成されていない。
【0033】
これにより、隣接する2つの蛇篭10C,10Cの接合面間に1枚の側面網15a,16aだけを介在させた状態で蛇篭を設置することができ、資材の重複をなくして経済性の向上を図ることができる。なお、この場合に上面網は、各蛇篭10C毎に個別に取り付けても良いが、縦又は横の蛇篭列毎にその列に対応する長さの上面網を取り付けても良く、あるいは、縦横複数の蛇篭を1単位として各単位毎にそれに対応する広さの上面網を取り付けることもできる。更には、例えば蛇篭を上下に複数段段積するような場合には、上段の蛇篭で下段の蛇篭の上面を覆うことにより、該下段の蛇篭の上面網は省略することができる。
【0034】
なお、この第3実施形態の角形蛇篭10Cにおいても、図12及び図13に鎖線で示すように、上記底面網14の中間位置に、傾斜する折線21を側部に有する少なくとも1つの仕切面網29を取り付けることができる。
また、上記角形蛇篭10Cを単独で設置する場合は、その開放する2つの側面に上述した側面網15b及び16bをそれぞれ取り付ければ良い。
【0035】
図15は角形蛇篭の第4実施形態を金網の図示を省略して示すもので、この第4実施形態の角形蛇篭10Dは、3つの側面網を備えている点で、上記第1及び第3実施形態の蛇篭10A,10Cと相違している。即ち、この第4実施形態の角形蛇篭10Dは、容体11が、底面網14と、前後の側面網のうち一方の側面網15aと、左右の側面網16a,16bとを有していて、これら左右の側面網16a,16bにそれぞれ折線21が形成されている。この折線21は、前部の側面網15aに連結された側辺側だけに形成されていて、反対側には形成されていない。この蛇篭10Dの上記以外の基本構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。なお、この蛇篭10Dにおいても、必要に応じて上面網が用意される。
【0036】
そしてこの第4実施形態の蛇篭10Dにおいても、左右の側面網16a,16bをそれぞれ上記折線21の位置で斜めに折曲して前部の側面網15aと共に底面網14上に折り重ねることにより、コンパクトに折り畳んで輸送することができるだけでなく、現場での組立作業を、折り重ねた側面網15a,16a,16bを単に立ち上がらせるだけで簡単に行うことができる。
【0037】
なお、図示の例では、左右の側面網16a,16bに折線21が形成されているが、この折線21は、左右の側面網16a,16bに設ける代わりに、図15に鎖線で示すように、それらの間に位置する前部の側面網15aの左右両側に設けることもできる。
【0038】
また、上記第4実施形態の蛇篭10Dは、同様の構成を持つ複数の蛇篭を前後に接続して設置する際に、隣接する蛇篭の接合面間に1枚の側面網15aだけが介在して資材の重複が防止されるようにしたものであるが、同様の考えにより、左右に接続する蛇篭の接合面間に1枚の側面網16a又は16bだけを介在させるようにする場合には、蛇篭を、前後の側面網15a,15bと、左右いずれか一方の側面網16a又は16bとを備えるように構成すれば良く、この場合に折線21は、上記前後の側面網15a,15bにそれぞれ形成されるか、それらの間に位置する側面網16a又は16bに形成される。
【0039】
なお、この第4実施形態の角形蛇篭10Dにおいても、図15に鎖線で示すように、上記底面網14の中間位置に、傾斜する折線21を側部に有する少なくとも1つの仕切面網29を取り付けることができる。
【0040】
図16は角形蛇篭の第5実施形態を金網を省略して示すもので、この第5実施形態の角形蛇篭10Eは、矩形の底面網14と、この底面網14の中間位置に起倒自在に取り付けられた1つ以上の仕切面網29と、上記底面網14の側辺に該仕切面網29と交差する向きに取り付けられた1つの側面網15aとを有している。そして、これらの仕切面網29と側面網15aとは相互に折曲自在なるように連結されていて、上記仕切面網29には、側面網15aに連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる折線21が設けられ、この折線21に沿って斜めに折曲可能なるように構成されている。この蛇篭10Eの上記以外の基本的構成や好ましい変形例等については、実質的に上記第1実施形態の蛇篭10Aと同じであるため、主要な同一構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0041】
この角形蛇篭10Eは、図17に示すように、仕切面網29を折線21の位置で折曲することにより側面網15aと共に底面網14上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、上記仕切面網29と側面網15aとを起立させることにより組み立てる。そして図18に示すように、複数の蛇篭10Eを前後及び左右に配置して、左右の蛇篭間に別形成された共通の側面網16を介在させると共に、後端部に位置する各蛇篭10Eの後面に側面網15bを取り付け、更に、左右両側端部に位置する蛇篭10Eの外側面に側面網16を取り付けることにより、篭マット状に組み立て、内部に石詰めすることにより設置される。この場合、必要に応じて図示しない上面網が取り付けられる。また、蛇篭を段積することもできる。さらに、この角形蛇篭10Eを単独で設置する場合は、別形成された側面網15b及び16a,16bが用意され、開放する3つの側面にこれらの側面網15b及び16a,16bがそれぞれ取り付けられる。
【0042】
なお、図16に示す蛇篭10Eは、仕切面網29の一端側だけに側面網15aを備えているが、同図に鎖線で示すように、仕切面網29の他端側にも側面網15bを設けることができる。この場合には、仕切面網29の両側部に折線21が形成されることは当然である。
【0043】
図19は、折線21を有する側面網15,16又は仕切面網29の変形例を示すもので、この側面網15,16又は仕切面網29は、折線21で区分される各網部分17a,17b,17cを、外周の各辺にそれぞれ骨線31を備えた枠付き網として個別に形成し、これらの網部分の骨線31,31同士を螺旋状連結線のような連結金具32で相互に折曲自在に連結したものである。このような側面網の形態は、図12、図15、図16に示す蛇篭の、一つの折線を有する側面網や仕切面網にも適用できることは言うまでもないことである。
【0044】
なお、上記各実施例では、蛇篭が菱形金網で形成されているが、亀甲金網や溶接金網のようなその他の適宜網材を用いることができることも当然である。
【0045】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明によれば、角形蛇篭を予め容器形など所定の形に組み立てた状態のまま、即ち、各面網を互いに連結した状態のまま、それらを底面網上に折り重ねることができるため、蛇篭を嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことができ、現場への輸送が容易で大量の蛇篭を同時輸送することができる。また、現場での蛇篭の組み立ても、折り畳まれた側面網及び仕切面網を単に起立させるだけで、それらを連結する必要がないため、組み立て作業が非常に簡単で一人でも瞬時に行うことができ、蛇篭の設置作業を短時間で効率良く行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角形蛇篭の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の角形蛇篭における容体の一例を示す展開図である。
【図3】図1の角形蛇篭における容体の他例を示す展開図である。
【図4】図1の角形蛇篭における折線付きの側面網の一例を示す正面図である。
【図5】図1の角形蛇篭における折線付きの側面網の他例を示す正面図である。
【図6】図1の角形蛇篭の折り畳み途中の状態を示す金網を省略した斜視図である。
【図7】図1の角形蛇篭の折り畳み後の状態を示す金網を省略した平面図である。
【図8】図1の角形蛇篭の設置例を示す側面図である。
【図9】本発明に係る角形蛇篭の第2実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図10】図9の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図11】図9の角形蛇篭の他の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図12】本発明に係る角形蛇篭の第3実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図13】図12の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した斜視図である。
【図14】図12の角形蛇篭の設置方法を説明する金網を省略した斜視図である。
【図15】本発明に係る角形蛇篭の第4実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図16】本発明に係る角形蛇篭の第5実施形態を示す金網を省略した斜視図である。
【図17】図16の角形蛇篭の折り畳み状態を示す金網を省略した平面図である。
【図18】図16の角形蛇篭の設置方法を説明するための平面図である。
【図19】折線を有する側面網又は仕切面網の変形例を示す正面図である。
【図20】従来の角形蛇篭の斜視図である。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D,10E 蛇篭
14 底面網
15a,15b,15 前後の側面網
16a,16b,16 左右の側面網
18 骨線
22 側辺
24 環
25 骨線
29 仕切面網
Claims (8)
- 矩形の底面網と、4つの側面網のうちの互いに隣接する少なくとも2つの側面網とを含み、各面網の相接する辺同士が折曲自在なるように連結されていて、隣接する側面網の一方が、他方の側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭。
- 矩形の底面網と、該底面網の中間位置に起倒自在に取り付けられた少なくとも1つの仕切面網と、上記底面網の側辺に該仕切面網と交差する向きに取り付けられた1つ又は2つの側面網とを含み、これらの仕切面網と側面網とが相互に折曲自在なるように連結されると共に、上記仕切面網が、交差する側面網に連結された側辺の下端部から斜め上方に向けて傾斜状態に延びる骨線を有し、この骨線に沿って斜めに折曲可能であることを特徴とする折畳式角形蛇篭。
- 上記底面網の中間位置に少なくとも1つの仕切面網が起倒自在に取り付けられると共に、該仕切面網の端部が該仕切面網と交差する側面網に折曲自在に連結され、且つ該仕切面網が、傾斜する骨線によって斜めに折曲自在であることを特徴とする請求項1に記載の角形蛇篭。
- 上記骨線を有する面網が、この骨線により複数の網部分に区分されていて、これらの網部分が該骨線の位置で相互に折曲自在に連結されていることを特徴とする請求項1から3までの何れかに記載の角形蛇篭。
- 上記骨線の傾斜角が実質的に45度であることを特徴とする請求項1から4までの何れかに記載の角形蛇篭。
- 上記各面網の相接する辺同士が、1本又は2本の骨線を介して相互に連結されていることを特徴とする請求項1から5までの何れかに記載の角形蛇篭。
- 請求項1から6までの何れかに記載の角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で包装してあることを特徴とする蛇篭包装体。
- 請求項1から6までの何れかに記載の構成を持つ角形蛇篭を、各面網を相互に連結した状態のまま、上記骨線付きの面網を該骨線の位置で斜めに折曲することにより底面網上に折り重ね、その状態で現場に輸送したあと、該現場で上記各面網を起立させることにより組み立てることを特徴とする蛇篭の取り扱い方法。
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