JP3554573B2 - アスピリン含有経皮吸収製剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、アスピリンを含有した経皮吸収製剤に関するものであり、より詳細には粘着基剤の改良によりアスピリンの保存安定性を向上せしめた経皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アスピリンすなわちアセチルサリチル酸は、これが発見されてほぼ1世紀になるが、今日でも代表的な非ステロイド系消炎鎮痛薬の一つとして医療機関用、一般家庭用を問わず広く用いられている。現在、アスピリン製剤は内服剤と坐剤の剤形で上市されているが、これらの製剤はいずれも全身性の鎮痛解熱剤であり、特に前者の場合は、副作用の1つである消化管障害が無視できない問題となっている。また、これらの製剤は、一般に薬効の持続性を確保するために、1日2〜3回の投与を行わなければならず、煩わしさを伴う。このような問題点から、副作用が少なく、かつ薬効持続性を有するアスピリン含有経皮吸収剤の開発が重要な意義を持つ。
【0003】
アスピリンの経皮、経粘膜吸収を企画したものとして下記のものが挙げられる。USP4640689にはイオントフォレシスによるアスピリンの経皮吸収装置が記載されている。USP4885287にはアスピリン水溶液、懸濁液、ゲルもしくは軟膏の鼻粘膜投与について記載されている。EP0114125A2(USP4460368)には薬物貯蔵槽と薬物透過膜と粘着テープとからなる薬物経皮吸収装置にアスピリン水溶液を充填し、アスピリンを経皮吸収せしめる装置について記載されている。EP0162239A1(USP4948588)にはグリセロール、ポリグリセロールもしくはアルコールから選ばれる吸収促進剤と、それを用いたアスピリン含有座剤について記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにアスピリンの経皮、経粘膜投与に関する試みは従来からなされてきたが、これらの先行技術は、実用に耐え得る有効なアスピリン経皮、経粘膜剤としてははなはだ不充分である。すなわち、アスピリンは極めて加水分解され易く、かつこれらの経皮、経粘膜吸収製剤においてアスピリンの一部もしくは全量が溶解型で含有されているので、このような剤型では実用的な安定性確保が大きな課題となる。しかし、上記先行技術ではこの安定性確保に関する検討は全くなされていない。
【0005】
アスピリンの安定性の見地から考えると自由水の多い水溶液は極めて不利であり、座剤、軟膏剤、ゲル剤もしくはテープ剤などの剤型が有利である。しかし座剤は適用部位が直腸に限定され、軟膏剤やゲル剤は鼻粘膜投与などでは有効な剤型であるが、経皮投与では塗布した製剤が衣服に付着してこれを汚したり、投与量が均一でなくなったり、ベタベタ感があるなど使用上の不具合が多い。従ってアスピリンの経皮投与においては、適用しやすく、かつ安定性を確保しやすい点からテープ剤が適当であるが、さらに実用上の安定性を確保するための手段を講じる必要がある。
【0006】
この発明は上記の如き実情に鑑みてなされたもので、その目的は、副作用が少なく、薬効持続性が優れ、かつ使い勝手がよく、保存安定性が良好なアスピリン含有経皮吸収製剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決すべく工夫されたもので、粘着基剤として特定の物質を用いることによりアスピリンの保存安定性を向上させることができるという知見を得て完成されたものである。
【0008】
【0009】
【0010】
すなわち、この発明による第1のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、粘着基剤が、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99重量%とN−ビニル−2−ピロリドン1〜35重量%とを共重合させてなり常温で粘着性を有する共重合体(a) 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体(b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンであるものである。
【0011】
この発明による第2のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体(a')70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体(b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体 (a') が、メタクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸−2−エチルヘキシルとメタクリル酸ドデシルの共重合体(重量割合で100部:5〜30部:5〜30部)であるものである。
【0012】
この発明による第3のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体 (a') 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体 (b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体 (b) が、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものである。
【0013】
【0014】
この発明による第1〜3のアスピリン含有経皮吸収製剤は、上記粘着基剤がさらに、脂肪族オキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、グリチルリチン酸、(イソ)アスコルビン酸、チオグリコール酸、トコフェロールもしくはその誘導体および没食子酸よりなる群から選ばれ、かつ生体膜学的に許容される少なくとも1つの化合物1〜30重量%を含有するものであってもよい。これらの化合物は、アスピリンの保存安定効果を示す。
【0015】
この発明による経皮吸収製剤の構成成分および製造法について詳述する。
【0016】
a) 粘着基剤
(1) この発明による第1の経皮吸収製剤の共重合体(a) 用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルである。
【0017】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ドデシルなどが例示される。
【0018】
N−ビニル−2−ピロリドンは官能性モノマーとして上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させられる。
【0019】
共重合に供される全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は65〜99重量%、好ましくは70〜95重量%であり、ビニルピロリドンの割合は1〜35重量%、好ましくは5〜30重量%である。全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が65重量%未満であると(ビニルピロリドンの割合が35重量%を越えると)、粘着基剤の粘着性が不足し、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が99重量%を越えると(ビニルピロリドンの割合が1重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0020】
共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとN−ビニル−2−ピロリドンの他に、別の官能性モノマーを49重量%以下の範囲で共重合したものでもあり得る。
【0021】
別の官能性モノマーの例としては、水酸基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー、その他の共重合可能なモノマーが挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが例示される。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが例示される。その他の共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエンなども使用できる。
【0022】
アクリル系共重合体の調製において、場合により多官能性モノマーが加えられ、他のモノマー成分と共重合されることもある。この多官能性モノマーの添加により、生成する重合体間にごくわずかに架橋が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。そのため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとんど無関係に貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ解消せられる。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の放出性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。このような多官能性モノマーとしては、たとえば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これに限定されない。より具体的には、ヘキサメチレングリコールやオクタメチレングリコールなどのポリメチレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートやグリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレートが例示される。これら多官能性モノマーは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
多官能性モノマーは共重合体の調製に用いられる多官能性モノマー以外のモノマー100重量部に対し0.005〜0.5重量部の割合で使用される。多官能性モノマーの含有量が0.005重量部未満であると、架橋による内部凝集力向上の効果が小さく、また0.5重量部を超えると重合により得られるアクリル系共重合体がゲル化を起こし易く、アスピリンの拡散・放出にも好ましくない影響が現われる。
【0024】
【0025】
第1の経皮吸収製剤の粘着基剤を構成する共重合体(a) の代表例は、アクリル酸2−エチルヘキシル65〜99重量%とN−ビニル−2−ピロリドン1〜35重量%の共重合体である。
【0026】
【0027】
他方、共重合体(b) は、アスピリンの保存安定化効果を示すと共に、アスピリンの放出性を向上させて、十分な血中濃度を確保する作用を有する。共重合体(b) の調製に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、やはり炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルであり、共重合体(a) 用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同じ化合物が例示される。
【0028】
共重合体(b) の調製に用いられる全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は40〜80重量%、(メタ)アクリル酸の割合は20〜60重量%である。全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が40重量%未満であると((メタ)アクリル酸の割合が60重量%を越えると)、共重合体(a) と共重合体(b) の相溶性が悪くなり、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が80重量%を越えると((メタ)アクリル酸の割合が20重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0029】
共重合体(b) の具体例としては、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体(オイドラギットL100、レーム・ファルマ社製)、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体(オイドラギットS100、レーム・ファルマ社製)などが例示される。
【0030】
共重合体(a) と共重合体(b) の配合割合は、共重合体(a) 70〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%に対し、共重合体(b) 0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0031】
共重合体(a) の割合が70重量%未満であると(共重合体(b) の割合が30重量%を越えると)、粘着基剤層の粘着性が不足し、逆に共重合体(a) の割合が99.5重量%を越えると(共重合体(b) の割合が0.5重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0032】
(2) この発明による第2及び第3の経皮吸収製剤のアクリル系(共)重合体(a')の調製に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、やはり炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルであり、第1の経皮吸収製剤の共重合体用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同じ化合物が例示される。
【0033】
アクリル系(共)重合体(a')の代表例は、メタクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸−2−エチルヘキシルとメタクリル酸ドデシルの共重合体(重量割合で100部:5〜30部:5〜30部)であり、この発明による第2の経皮吸収製剤においては、アクリル系(共)重合体 (a') は、このものに限定される。
【0034】
アクリル系(共)重合体の調製において、第1の経皮吸収製剤の共重合体の場合と同じ目的で、必要により多官能性モノマーが加えられ、他のモノマー成分と共重合されることもある。この多官能性モノマーとしては、第1の経皮吸収製剤の共重合体の調製の際に用いられるものと同じ化合物が例示され、添加量も同じである。
【0035】
他方、共重合体(b) は、この発明による第2の経皮吸収製剤においては、第1の経皮吸収製剤の共重合体(b) と同じものであるが、この発明による第3の経皮吸収製剤においては、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものに限定される。
【0036】
共重合体(a')と共重合体(b) の配合割合は、共重合体(a')70〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%に対し、共重合体(b) 0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0037】
共重合体(a')の割合が70重量%未満であると(共重合体(b) の割合が30重量%を越えると)、粘着基剤層の粘着性が不足し、逆に共重合体(a')の割合が99.5重量%を越えると(共重合体(b) の割合が0.5重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
この発明による第1〜3のアスピリン含有経皮吸収製剤において、アスピリンの保存安定用に粘着基剤に含ませられる化合物のうち、脂肪族オキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが例示され、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸や、フマル酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸が例示される。トコフェロールもしくはその誘導体としては、α−トコフェロール、酢酸−dl−α−トコフェロールなどが例示される。
【0044】
該保存安定用化合物は、生体膜学的すなわち皮膚学的および粘膜学的に許容されるものでなければならない。
【0045】
該保存安定用化合物の含有量は、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。該化合物の含有量が1重量%未満であると、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されず、逆に30重量%を越えると、共重合体の内部凝集力が著しく低下し、剥離時に皮膚に糊残り現象が生じる上に粘着性が低下する。
【0046】
第1〜3の経皮吸収製剤において、粘着基剤には、場合によって粘着性の調整のために粘着性付与剤を配合してもよい。粘着性付与剤の例としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられ、好ましくは水添ロジンエステルなどのロジン系樹脂が用いられる。また、上記粘着基剤中には、可塑剤;充填剤;老化防止剤などの配合剤が場合によっては添加される。
【0047】
アクリル系(共)重合体を調製するには、通常、重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選定される。
【0048】
b) 薬物
この発明による経皮吸収製剤に使用される薬物は、非ステロイド系消炎鎮痛薬の一つであるアスピリンである。
【0049】
アスピリンの含有量は、粘着剤層中に好ましくは1〜30重量%である。含有量が30重量%より多いと、アスピリンが粘着剤層中に析出したり、常温での粘着剤層の粘着性が不十分になったりする。また、含有量が1%より少ないと有効な消炎鎮痛効果が十分に発揮されない。
【0050】
c) 支持体
本経皮吸収製剤の支持体としては、柔軟であるが経皮吸収製剤に自己支持性を付与するものが使用される。支持体の素材としては、アスピリンに対する親和性を有さないものであればよく、具体的には、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例示される。これら素材はたとえば単層のシートないしフィルムや2枚以上の積層体として用いられる。アルミニウム以外の素材は織布や不織布、紙として使用してもよい。上記素材よりなる支持体の中で、製造が容易であり、かつ皮膚面に対して適度な追従性を有することから、特にポリエチレンテレフタレートとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのラミネートフィルムなどが好ましい。支持体の厚みはアスピリンの含有量などにより異なるが、通常は10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
【0051】
また、支持体と粘着基剤層との接着性を良好ならしめるために、支持体にコロナ処理、プラズマ放電処理を施したり、アンカーコート剤を塗布することもある。
【0052】
d) 剥離紙
経皮吸収製剤は、使用時までその粘着基剤層表面を保護するために通常はその貼付面に剥離紙を備えている。剥離紙としてはポリエチレンテレフタレートのフィルムをシリコン処理してなるものがよく用いられるが、これは限定的なものではない。剥離紙の厚みは通常500μm以下、好ましくは20〜200μmである。
【0053】
e) 調製法
この発明による経皮吸収製剤の製法としては、通常の粘着テープの製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、これ以外にもホットメルト塗工法、エマルジョン塗工法、電子線架橋による方法などが用いられる。
【0054】
この発明による経皮吸収製剤を溶剤塗工法で製造するには、たとえば、粘着基剤、薬物、さらに場合によっては各種の配合剤を適当な溶媒に溶解ないし分散させ、得られた溶液ないし分散液を支持体表面に直接塗布・乾燥し、厚み10〜200μmの粘着基剤層を形成する。この粘着基剤層を保護用の剥離紙に密着させ、目的の経皮吸収製剤を得る。また、この溶液ないし分散液を保護用の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた粘着基剤層を支持体に密着させてもよい。
【0055】
この発明による経皮吸収製剤をホットメルト法で調製するには、たとえば、粘着基剤、薬物、さらに場合によっては各種の配合剤を加熱融解した後混合させ、得られた溶融液を支持体表面に直接塗布し、冷却固化させ、粘着剤層を形成させる。この粘着剤層を保護用の剥離紙に密着させ、目的の経皮吸収製剤を得る。また、この溶融液を剥離紙上に塗布し、冷却固化後に得られた粘着剤層を支持体に密着させてもよい。
【0056】
粘着基剤層の厚みは使用目的により異なるが、通常、10〜200μmの範囲である。この厚みが10μmを下回ると必要量の薬物を含有することができず、粘着性も不十分である。厚みが200μmを上回ると支持体付近の粘着基剤層に含有される薬物が充分に拡散せず、薬物放出性が低下する。
【0057】
【実施例】
つぎに、この発明を具体的に説明するために、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を示す比較例をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性能試験結果を示す。
【0058】
なお、実施例1〜4、5〜7および比較例1〜4、5は第1の経皮吸収製剤に対応し、実施例8〜14および比較例6〜8は第2の経皮吸収製剤に対応する。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
(a) 経皮吸収製剤の製造
実施例1
i) アクリル系粘着基剤の調製
a)アクリル酸−2−エチルヘキシル90重量%(225g)と、N−ビニル−2−ピロリドン10重量%(25g)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初期のモノマー濃度が50重量%となるように酢酸エチル250gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に80℃に加熱し、重合開始剤として過酸化ラウロイル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶液を逐次少量ずつ添加し、8時間かけて共重合反応を行った。なお、この重合反応中、粘度が過度に上昇するのを防止するために、酢酸エチル86gを数回に分けて添加した。かくして、固形分濃度37重量%を有する共重合体(a-1) の酢酸エチル溶液を得た。 b)また、メタクリル酸メチル75重量%(187.5g)と、メタクリル酸25重量%(62.5g)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初期のモノマー濃度が50重量%となるように酢酸エチル250gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に80℃に加熱し、重合開始剤として過酸化ラウロイル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶液を逐次少量ずつ添加し、8時間かけて共重合反応を行った。なお、この重合反応中、粘度が過度に上昇するのを防止するために、酢酸エチル86gを数回に分けて添加した。かくして、固形分濃度37重量%を有する共重合体(b-1) の酢酸エチル溶液を得た。
c)ついで、共重合体(a-1) の酢酸エチル溶液と、共重合体(b-1) の酢酸エチル溶液とを、各固形分換算値で、共重合体(a-1) が75重量%、共重合体(b- 1)が25重量%になるように、均一に混合した。こうして、アクリル系粘着基剤の酢酸エチル溶液(c) を得た。
【0072】
ii) 薬物配合塗工液の調製
上記アクリル系粘着基剤の酢酸エチル溶液(c) に薬物アスピリンを、全固形分中濃度が15重量%になるように溶解させ、薬物配合塗工液を調製した。
【0073】
iii) 経皮吸収製剤の調製
厚さ35μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをシリコン処理してなる剥離紙上に、工程ii) の薬物配合塗工液を塗布した後、60℃で30分間乾燥し、厚さ80μmの粘着基剤層を形成した。ついで、PETフィルムとエチレン−酢酸ビニルの共重合体(PET−EVA)フィルムをラミネートしてなる厚さ35μmの支持体のPETフィルム側に上記粘着基剤層を密着させた。かくして、テープ状の経皮吸収製剤を調製した。
【0074】
実施例2
工程i) のa) において、アクリル酸ブチル75重量%と、N−ビニル−2−ピロリドン25重量%を用いて共重合体(a-2) の酢酸エチル溶液を得、工程i) のc) において、共重合体(a-2) の溶液と共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が80重量%、共重合体(b-1) が20重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0075】
実施例3
工程i) のb)において、メタクリル酸メチル60重量%と、メタクリル酸40重量%を用いて共重合体(b-2) の酢酸エチル溶液を得、工程iのc) において、共重合体(a-1) の溶液と共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が85重量%、共重合体(b-2) が15重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0076】
実施例4
工程i) のc)において、共重合体(a-2) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が90重量%、共重合体(b-2) が10重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0077】
比較例1
工程i) のc)において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が60重量%、共重合体(b-1) が40重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0078】
比較例2
工程i) のc)において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が99.8重量%、共重合体(b-2) が0.2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0079】
比較例3
工程i) のc) において、共重合体(a-2) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が99.8重量%、共重合体(b-2) が0.2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0080】
比較例4
工程i) のc)において、共重合体(b-1) のみからなるアクリル系粘着基剤を調製した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
実施例5
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が95重量%、共重合体(b-1) が5重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0116】
実施例6
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が98重量%、共重合体(b-1) が2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0117】
実施例7
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が99重量%、共重合体(b-2) が1重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0118】
比較例5
実施例1の工程i) において、共重合体(b-2) のみからなるアクリル系粘着基剤を調製した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0119】
実施例8
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0120】
実施例9
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例2と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0121】
実施例10
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例3と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0122】
実施例11
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例4と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0123】
実施例12
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例5と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0124】
実施例13
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0125】
実施例14
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例7と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0126】
比較例6
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0127】
比較例7
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例2と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0128】
比較例8
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例3と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0129】
(b) 経皮吸収製剤の性能評価
実施例および比較例で得られた各経皮吸収製剤について、下記の項目における性能を評価した。
【0130】
i) 粘着基剤層中の薬物の定量
粘着基剤層中の薬物アスピリンの定量は下記の方法で行った。すなわち、3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙の除去後、内部標準物質として一定量のパラヒドロキシ安息香酸エチルを含むテトラヒドロフラン5mlに浸漬し、その粘着基剤層を溶解させた。この溶液にイソプロパノール・水混液(1:1)を50ml加え、粘着基剤を沈殿させた。この液の上清を採取し、高速液体クロマトグラフィを用いて、内部標準法により粘着基剤層中のアスピリンを定量した。
【0131】
ii) 経皮吸収製剤の保存安定性
3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙を除去せずに、シリカゲル封入袋(山仁薬品社製、ドライヤーン、2g)と共にアルミニウム包材(藤森工業社製、ペットニウム、厚み74μm)に封入し、60℃の恒温槽中に7日間置いた。その後、7日後の粘着基剤層中のアスピリンを定量した。経皮吸収製剤の粘着基剤層中のアスピリン初期含量に対する7日後のアスピリン残存率を、60℃における経皮吸収製剤の保存安定性とした。
【0132】
【0133】
iii) 経皮吸収製剤の凝集力
JIS Z 0237−1980に準拠し、各製剤の保持力を測定することにより、凝集力を評価した。試験の繰り返し数は3とし、その平均保持力を求めた。本方法において、皮膚への貼付に際して十分な凝集力を持つものは、保持力として約20分以上を示す。よって60分以上の場合、測定を省略し、>60と記した。
【0134】
iv) 経皮吸収製剤の粘着性
3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙の除去後、5人の自発的被験者(健常人、男性)の上腕内側部に貼付し、剥離時の抵抗力および剥離後の皮膚への糊残りなどについて官能試験を行った。試験結果を表1〜2にそれぞれ示す。
【0135】
表中、○は剥離時に十分な抵抗力がある、
△は剥離時の抵抗力が不十分である、
×は剥離時の抵抗力がないか、もしくは糊残りが生じる、
をそれぞれ意味する。
【0136】
v ) マウスの皮膚透過性
下記の手法によりマウスの摘出皮膚に対する薬物アスピリンの透過性試験を行
った。
【0137】
まず、添付図1に示すFranz タイプの拡散セル(1) を準備した。拡散セル(1) は、下側の有底円筒状のレセプター槽(2) と、これの上に配置された有底円筒状のドナー槽(3) とからなる。ドナー槽(3) の底壁中央には開口部(4) が設けられ、またドナー槽(3) の下端およびレセプター槽(2) の上端にはそれぞれ上側フランジ(5) および下側フランジ(6) が設けられている。そして、上側フランジ(5) と下側フランジ(6) を対向状に重ね合わせることによって、ドナー槽(3) とレセプター槽(2) が気密状にかつ同心状に積み重ねられている。レセプター槽 (2) にはその側部に側方突出状のサンプリング口(7) が取付けられ、レセプター槽(2) の内部にはマグネット攪拌子(9) が入れてある。
【0138】
ヘアレスマウス(8週齢、雄)を頸椎脱臼により屠殺した後、ただちに背部皮膚を剥離して皮下脂肪と筋層を除去し、約5cm×5cmの摘出皮膚片を得た。この皮膚片(8) を拡散セル(1) の上側フランジ(5) と下側フランジ(6) の間に挟着して、ドナー槽(3) の開口部(4) を皮膚片(8) で完全に閉じるようにした。
【0139】
面積3.14cm2 に打ち抜いた円形テープ状の経皮吸収製剤試験片(10)を皮膚片(8) の上面に貼付した。
【0140】
レセプター槽(2) には、pH7.2のリン酸緩衝液からなるレセプター液を満たした。
【0141】
ついで、拡散セル(1) を温度37℃に保たれた恒温槽内に設置し、マグネット攪拌装置によりレセプター液の攪拌を行った。試験開始から24時間後に、サンプリング口(7) からレセプター液を採取し、採取レセプター液への薬物の透過量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。試験片の数は製剤毎にそれぞれ3片ずつとした。こうして、試験片1cm2 当たりの薬物アスピリンの透過量を測定した。
【0142】
以上の測定の結果を、表1〜2にそれぞれ示す。
【0143】
【表1】
【表2】
上記表から明らかなように、この発明の範囲に属する実施例の経皮吸収製剤は、いずれも良好なアスピリン保存安定性を示すことが認められる。また、実施例の経皮吸収製剤の薬物皮膚透過性は比較例の製剤のそれと比べ何ら遜色ないことが認められる。
【0144】
【発明の効果】
この発明により、鎮痛剤として、副作用が少なく、薬効持続性が優れ、かつ使い勝手がよく、保存安定性が良好なアスピリン含有経皮吸収製剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Franz タイプの拡散セルを示す斜視図である。
【産業上の利用分野】
この発明は、アスピリンを含有した経皮吸収製剤に関するものであり、より詳細には粘着基剤の改良によりアスピリンの保存安定性を向上せしめた経皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アスピリンすなわちアセチルサリチル酸は、これが発見されてほぼ1世紀になるが、今日でも代表的な非ステロイド系消炎鎮痛薬の一つとして医療機関用、一般家庭用を問わず広く用いられている。現在、アスピリン製剤は内服剤と坐剤の剤形で上市されているが、これらの製剤はいずれも全身性の鎮痛解熱剤であり、特に前者の場合は、副作用の1つである消化管障害が無視できない問題となっている。また、これらの製剤は、一般に薬効の持続性を確保するために、1日2〜3回の投与を行わなければならず、煩わしさを伴う。このような問題点から、副作用が少なく、かつ薬効持続性を有するアスピリン含有経皮吸収剤の開発が重要な意義を持つ。
【0003】
アスピリンの経皮、経粘膜吸収を企画したものとして下記のものが挙げられる。USP4640689にはイオントフォレシスによるアスピリンの経皮吸収装置が記載されている。USP4885287にはアスピリン水溶液、懸濁液、ゲルもしくは軟膏の鼻粘膜投与について記載されている。EP0114125A2(USP4460368)には薬物貯蔵槽と薬物透過膜と粘着テープとからなる薬物経皮吸収装置にアスピリン水溶液を充填し、アスピリンを経皮吸収せしめる装置について記載されている。EP0162239A1(USP4948588)にはグリセロール、ポリグリセロールもしくはアルコールから選ばれる吸収促進剤と、それを用いたアスピリン含有座剤について記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにアスピリンの経皮、経粘膜投与に関する試みは従来からなされてきたが、これらの先行技術は、実用に耐え得る有効なアスピリン経皮、経粘膜剤としてははなはだ不充分である。すなわち、アスピリンは極めて加水分解され易く、かつこれらの経皮、経粘膜吸収製剤においてアスピリンの一部もしくは全量が溶解型で含有されているので、このような剤型では実用的な安定性確保が大きな課題となる。しかし、上記先行技術ではこの安定性確保に関する検討は全くなされていない。
【0005】
アスピリンの安定性の見地から考えると自由水の多い水溶液は極めて不利であり、座剤、軟膏剤、ゲル剤もしくはテープ剤などの剤型が有利である。しかし座剤は適用部位が直腸に限定され、軟膏剤やゲル剤は鼻粘膜投与などでは有効な剤型であるが、経皮投与では塗布した製剤が衣服に付着してこれを汚したり、投与量が均一でなくなったり、ベタベタ感があるなど使用上の不具合が多い。従ってアスピリンの経皮投与においては、適用しやすく、かつ安定性を確保しやすい点からテープ剤が適当であるが、さらに実用上の安定性を確保するための手段を講じる必要がある。
【0006】
この発明は上記の如き実情に鑑みてなされたもので、その目的は、副作用が少なく、薬効持続性が優れ、かつ使い勝手がよく、保存安定性が良好なアスピリン含有経皮吸収製剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決すべく工夫されたもので、粘着基剤として特定の物質を用いることによりアスピリンの保存安定性を向上させることができるという知見を得て完成されたものである。
【0008】
【0009】
【0010】
すなわち、この発明による第1のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、粘着基剤が、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99重量%とN−ビニル−2−ピロリドン1〜35重量%とを共重合させてなり常温で粘着性を有する共重合体(a) 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体(b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンであるものである。
【0011】
この発明による第2のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体(a')70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体(b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体 (a') が、メタクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸−2−エチルヘキシルとメタクリル酸ドデシルの共重合体(重量割合で100部:5〜30部:5〜30部)であるものである。
【0012】
この発明による第3のアスピリン含有経皮吸収製剤は、支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体 (a') 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体 (b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体 (b) が、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものである。
【0013】
【0014】
この発明による第1〜3のアスピリン含有経皮吸収製剤は、上記粘着基剤がさらに、脂肪族オキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、グリチルリチン酸、(イソ)アスコルビン酸、チオグリコール酸、トコフェロールもしくはその誘導体および没食子酸よりなる群から選ばれ、かつ生体膜学的に許容される少なくとも1つの化合物1〜30重量%を含有するものであってもよい。これらの化合物は、アスピリンの保存安定効果を示す。
【0015】
この発明による経皮吸収製剤の構成成分および製造法について詳述する。
【0016】
a) 粘着基剤
(1) この発明による第1の経皮吸収製剤の共重合体(a) 用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルである。
【0017】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ドデシルなどが例示される。
【0018】
N−ビニル−2−ピロリドンは官能性モノマーとして上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させられる。
【0019】
共重合に供される全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は65〜99重量%、好ましくは70〜95重量%であり、ビニルピロリドンの割合は1〜35重量%、好ましくは5〜30重量%である。全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が65重量%未満であると(ビニルピロリドンの割合が35重量%を越えると)、粘着基剤の粘着性が不足し、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が99重量%を越えると(ビニルピロリドンの割合が1重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0020】
共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとN−ビニル−2−ピロリドンの他に、別の官能性モノマーを49重量%以下の範囲で共重合したものでもあり得る。
【0021】
別の官能性モノマーの例としては、水酸基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー、その他の共重合可能なモノマーが挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが例示される。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが例示される。その他の共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエンなども使用できる。
【0022】
アクリル系共重合体の調製において、場合により多官能性モノマーが加えられ、他のモノマー成分と共重合されることもある。この多官能性モノマーの添加により、生成する重合体間にごくわずかに架橋が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。そのため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとんど無関係に貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ解消せられる。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の放出性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。このような多官能性モノマーとしては、たとえば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これに限定されない。より具体的には、ヘキサメチレングリコールやオクタメチレングリコールなどのポリメチレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートやグリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレートが例示される。これら多官能性モノマーは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
多官能性モノマーは共重合体の調製に用いられる多官能性モノマー以外のモノマー100重量部に対し0.005〜0.5重量部の割合で使用される。多官能性モノマーの含有量が0.005重量部未満であると、架橋による内部凝集力向上の効果が小さく、また0.5重量部を超えると重合により得られるアクリル系共重合体がゲル化を起こし易く、アスピリンの拡散・放出にも好ましくない影響が現われる。
【0024】
【0025】
第1の経皮吸収製剤の粘着基剤を構成する共重合体(a) の代表例は、アクリル酸2−エチルヘキシル65〜99重量%とN−ビニル−2−ピロリドン1〜35重量%の共重合体である。
【0026】
【0027】
他方、共重合体(b) は、アスピリンの保存安定化効果を示すと共に、アスピリンの放出性を向上させて、十分な血中濃度を確保する作用を有する。共重合体(b) の調製に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、やはり炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルであり、共重合体(a) 用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同じ化合物が例示される。
【0028】
共重合体(b) の調製に用いられる全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は40〜80重量%、(メタ)アクリル酸の割合は20〜60重量%である。全モノマー中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が40重量%未満であると((メタ)アクリル酸の割合が60重量%を越えると)、共重合体(a) と共重合体(b) の相溶性が悪くなり、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が80重量%を越えると((メタ)アクリル酸の割合が20重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0029】
共重合体(b) の具体例としては、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体(オイドラギットL100、レーム・ファルマ社製)、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体(オイドラギットS100、レーム・ファルマ社製)などが例示される。
【0030】
共重合体(a) と共重合体(b) の配合割合は、共重合体(a) 70〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%に対し、共重合体(b) 0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0031】
共重合体(a) の割合が70重量%未満であると(共重合体(b) の割合が30重量%を越えると)、粘着基剤層の粘着性が不足し、逆に共重合体(a) の割合が99.5重量%を越えると(共重合体(b) の割合が0.5重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0032】
(2) この発明による第2及び第3の経皮吸収製剤のアクリル系(共)重合体(a')の調製に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、やはり炭素数1〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られたエステルであり、第1の経皮吸収製剤の共重合体用の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同じ化合物が例示される。
【0033】
アクリル系(共)重合体(a')の代表例は、メタクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸−2−エチルヘキシルとメタクリル酸ドデシルの共重合体(重量割合で100部:5〜30部:5〜30部)であり、この発明による第2の経皮吸収製剤においては、アクリル系(共)重合体 (a') は、このものに限定される。
【0034】
アクリル系(共)重合体の調製において、第1の経皮吸収製剤の共重合体の場合と同じ目的で、必要により多官能性モノマーが加えられ、他のモノマー成分と共重合されることもある。この多官能性モノマーとしては、第1の経皮吸収製剤の共重合体の調製の際に用いられるものと同じ化合物が例示され、添加量も同じである。
【0035】
他方、共重合体(b) は、この発明による第2の経皮吸収製剤においては、第1の経皮吸収製剤の共重合体(b) と同じものであるが、この発明による第3の経皮吸収製剤においては、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものに限定される。
【0036】
共重合体(a')と共重合体(b) の配合割合は、共重合体(a')70〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%に対し、共重合体(b) 0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0037】
共重合体(a')の割合が70重量%未満であると(共重合体(b) の割合が30重量%を越えると)、粘着基剤層の粘着性が不足し、逆に共重合体(a')の割合が99.5重量%を越えると(共重合体(b) の割合が0.5重量%未満であると)、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されない。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
この発明による第1〜3のアスピリン含有経皮吸収製剤において、アスピリンの保存安定用に粘着基剤に含ませられる化合物のうち、脂肪族オキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが例示され、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸や、フマル酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸が例示される。トコフェロールもしくはその誘導体としては、α−トコフェロール、酢酸−dl−α−トコフェロールなどが例示される。
【0044】
該保存安定用化合物は、生体膜学的すなわち皮膚学的および粘膜学的に許容されるものでなければならない。
【0045】
該保存安定用化合物の含有量は、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。該化合物の含有量が1重量%未満であると、アスピリンの保存安定効果が十分に発揮されず、逆に30重量%を越えると、共重合体の内部凝集力が著しく低下し、剥離時に皮膚に糊残り現象が生じる上に粘着性が低下する。
【0046】
第1〜3の経皮吸収製剤において、粘着基剤には、場合によって粘着性の調整のために粘着性付与剤を配合してもよい。粘着性付与剤の例としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられ、好ましくは水添ロジンエステルなどのロジン系樹脂が用いられる。また、上記粘着基剤中には、可塑剤;充填剤;老化防止剤などの配合剤が場合によっては添加される。
【0047】
アクリル系(共)重合体を調製するには、通常、重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選定される。
【0048】
b) 薬物
この発明による経皮吸収製剤に使用される薬物は、非ステロイド系消炎鎮痛薬の一つであるアスピリンである。
【0049】
アスピリンの含有量は、粘着剤層中に好ましくは1〜30重量%である。含有量が30重量%より多いと、アスピリンが粘着剤層中に析出したり、常温での粘着剤層の粘着性が不十分になったりする。また、含有量が1%より少ないと有効な消炎鎮痛効果が十分に発揮されない。
【0050】
c) 支持体
本経皮吸収製剤の支持体としては、柔軟であるが経皮吸収製剤に自己支持性を付与するものが使用される。支持体の素材としては、アスピリンに対する親和性を有さないものであればよく、具体的には、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例示される。これら素材はたとえば単層のシートないしフィルムや2枚以上の積層体として用いられる。アルミニウム以外の素材は織布や不織布、紙として使用してもよい。上記素材よりなる支持体の中で、製造が容易であり、かつ皮膚面に対して適度な追従性を有することから、特にポリエチレンテレフタレートとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのラミネートフィルムなどが好ましい。支持体の厚みはアスピリンの含有量などにより異なるが、通常は10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
【0051】
また、支持体と粘着基剤層との接着性を良好ならしめるために、支持体にコロナ処理、プラズマ放電処理を施したり、アンカーコート剤を塗布することもある。
【0052】
d) 剥離紙
経皮吸収製剤は、使用時までその粘着基剤層表面を保護するために通常はその貼付面に剥離紙を備えている。剥離紙としてはポリエチレンテレフタレートのフィルムをシリコン処理してなるものがよく用いられるが、これは限定的なものではない。剥離紙の厚みは通常500μm以下、好ましくは20〜200μmである。
【0053】
e) 調製法
この発明による経皮吸収製剤の製法としては、通常の粘着テープの製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、これ以外にもホットメルト塗工法、エマルジョン塗工法、電子線架橋による方法などが用いられる。
【0054】
この発明による経皮吸収製剤を溶剤塗工法で製造するには、たとえば、粘着基剤、薬物、さらに場合によっては各種の配合剤を適当な溶媒に溶解ないし分散させ、得られた溶液ないし分散液を支持体表面に直接塗布・乾燥し、厚み10〜200μmの粘着基剤層を形成する。この粘着基剤層を保護用の剥離紙に密着させ、目的の経皮吸収製剤を得る。また、この溶液ないし分散液を保護用の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた粘着基剤層を支持体に密着させてもよい。
【0055】
この発明による経皮吸収製剤をホットメルト法で調製するには、たとえば、粘着基剤、薬物、さらに場合によっては各種の配合剤を加熱融解した後混合させ、得られた溶融液を支持体表面に直接塗布し、冷却固化させ、粘着剤層を形成させる。この粘着剤層を保護用の剥離紙に密着させ、目的の経皮吸収製剤を得る。また、この溶融液を剥離紙上に塗布し、冷却固化後に得られた粘着剤層を支持体に密着させてもよい。
【0056】
粘着基剤層の厚みは使用目的により異なるが、通常、10〜200μmの範囲である。この厚みが10μmを下回ると必要量の薬物を含有することができず、粘着性も不十分である。厚みが200μmを上回ると支持体付近の粘着基剤層に含有される薬物が充分に拡散せず、薬物放出性が低下する。
【0057】
【実施例】
つぎに、この発明を具体的に説明するために、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を示す比較例をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性能試験結果を示す。
【0058】
なお、実施例1〜4、5〜7および比較例1〜4、5は第1の経皮吸収製剤に対応し、実施例8〜14および比較例6〜8は第2の経皮吸収製剤に対応する。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
(a) 経皮吸収製剤の製造
実施例1
i) アクリル系粘着基剤の調製
a)アクリル酸−2−エチルヘキシル90重量%(225g)と、N−ビニル−2−ピロリドン10重量%(25g)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初期のモノマー濃度が50重量%となるように酢酸エチル250gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に80℃に加熱し、重合開始剤として過酸化ラウロイル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶液を逐次少量ずつ添加し、8時間かけて共重合反応を行った。なお、この重合反応中、粘度が過度に上昇するのを防止するために、酢酸エチル86gを数回に分けて添加した。かくして、固形分濃度37重量%を有する共重合体(a-1) の酢酸エチル溶液を得た。 b)また、メタクリル酸メチル75重量%(187.5g)と、メタクリル酸25重量%(62.5g)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初期のモノマー濃度が50重量%となるように酢酸エチル250gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に80℃に加熱し、重合開始剤として過酸化ラウロイル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶液を逐次少量ずつ添加し、8時間かけて共重合反応を行った。なお、この重合反応中、粘度が過度に上昇するのを防止するために、酢酸エチル86gを数回に分けて添加した。かくして、固形分濃度37重量%を有する共重合体(b-1) の酢酸エチル溶液を得た。
c)ついで、共重合体(a-1) の酢酸エチル溶液と、共重合体(b-1) の酢酸エチル溶液とを、各固形分換算値で、共重合体(a-1) が75重量%、共重合体(b- 1)が25重量%になるように、均一に混合した。こうして、アクリル系粘着基剤の酢酸エチル溶液(c) を得た。
【0072】
ii) 薬物配合塗工液の調製
上記アクリル系粘着基剤の酢酸エチル溶液(c) に薬物アスピリンを、全固形分中濃度が15重量%になるように溶解させ、薬物配合塗工液を調製した。
【0073】
iii) 経皮吸収製剤の調製
厚さ35μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをシリコン処理してなる剥離紙上に、工程ii) の薬物配合塗工液を塗布した後、60℃で30分間乾燥し、厚さ80μmの粘着基剤層を形成した。ついで、PETフィルムとエチレン−酢酸ビニルの共重合体(PET−EVA)フィルムをラミネートしてなる厚さ35μmの支持体のPETフィルム側に上記粘着基剤層を密着させた。かくして、テープ状の経皮吸収製剤を調製した。
【0074】
実施例2
工程i) のa) において、アクリル酸ブチル75重量%と、N−ビニル−2−ピロリドン25重量%を用いて共重合体(a-2) の酢酸エチル溶液を得、工程i) のc) において、共重合体(a-2) の溶液と共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が80重量%、共重合体(b-1) が20重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0075】
実施例3
工程i) のb)において、メタクリル酸メチル60重量%と、メタクリル酸40重量%を用いて共重合体(b-2) の酢酸エチル溶液を得、工程iのc) において、共重合体(a-1) の溶液と共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が85重量%、共重合体(b-2) が15重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0076】
実施例4
工程i) のc)において、共重合体(a-2) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が90重量%、共重合体(b-2) が10重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0077】
比較例1
工程i) のc)において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が60重量%、共重合体(b-1) が40重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0078】
比較例2
工程i) のc)において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が99.8重量%、共重合体(b-2) が0.2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0079】
比較例3
工程i) のc) において、共重合体(a-2) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-2) が99.8重量%、共重合体(b-2) が0.2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0080】
比較例4
工程i) のc)において、共重合体(b-1) のみからなるアクリル系粘着基剤を調製した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
実施例5
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が95重量%、共重合体(b-1) が5重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0116】
実施例6
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-1) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が98重量%、共重合体(b-1) が2重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0117】
実施例7
工程i) のc) において、共重合体(a-1) の溶液と、共重合体(b-2) の溶液を、各固形分換算値で共重合体(a-1) が99重量%、共重合体(b-2) が1重量%になるように、混合した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0118】
比較例5
実施例1の工程i) において、共重合体(b-2) のみからなるアクリル系粘着基剤を調製した以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0119】
実施例8
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0120】
実施例9
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例2と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0121】
実施例10
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例3と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0122】
実施例11
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例4と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0123】
実施例12
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例5と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0124】
実施例13
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0125】
実施例14
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、実施例7と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0126】
比較例6
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例1と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0127】
比較例7
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例2と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0128】
比較例8
工程i) のa) において、メタクリル酸−2−エチルヘキシル80重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル10重量%およびメタクリル酸ドデシル10重量%を用いて共重合体の酢酸エチル溶液を得、これを共重合体(a')として用いたこと以外は、比較例3と同様の操作によって経皮吸収製剤を調製した。
【0129】
(b) 経皮吸収製剤の性能評価
実施例および比較例で得られた各経皮吸収製剤について、下記の項目における性能を評価した。
【0130】
i) 粘着基剤層中の薬物の定量
粘着基剤層中の薬物アスピリンの定量は下記の方法で行った。すなわち、3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙の除去後、内部標準物質として一定量のパラヒドロキシ安息香酸エチルを含むテトラヒドロフラン5mlに浸漬し、その粘着基剤層を溶解させた。この溶液にイソプロパノール・水混液(1:1)を50ml加え、粘着基剤を沈殿させた。この液の上清を採取し、高速液体クロマトグラフィを用いて、内部標準法により粘着基剤層中のアスピリンを定量した。
【0131】
ii) 経皮吸収製剤の保存安定性
3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙を除去せずに、シリカゲル封入袋(山仁薬品社製、ドライヤーン、2g)と共にアルミニウム包材(藤森工業社製、ペットニウム、厚み74μm)に封入し、60℃の恒温槽中に7日間置いた。その後、7日後の粘着基剤層中のアスピリンを定量した。経皮吸収製剤の粘着基剤層中のアスピリン初期含量に対する7日後のアスピリン残存率を、60℃における経皮吸収製剤の保存安定性とした。
【0132】
【0133】
iii) 経皮吸収製剤の凝集力
JIS Z 0237−1980に準拠し、各製剤の保持力を測定することにより、凝集力を評価した。試験の繰り返し数は3とし、その平均保持力を求めた。本方法において、皮膚への貼付に際して十分な凝集力を持つものは、保持力として約20分以上を示す。よって60分以上の場合、測定を省略し、>60と記した。
【0134】
iv) 経皮吸収製剤の粘着性
3.14cm2 の円形テープ状の経皮吸収製剤を、剥離紙の除去後、5人の自発的被験者(健常人、男性)の上腕内側部に貼付し、剥離時の抵抗力および剥離後の皮膚への糊残りなどについて官能試験を行った。試験結果を表1〜2にそれぞれ示す。
【0135】
表中、○は剥離時に十分な抵抗力がある、
△は剥離時の抵抗力が不十分である、
×は剥離時の抵抗力がないか、もしくは糊残りが生じる、
をそれぞれ意味する。
【0136】
v ) マウスの皮膚透過性
下記の手法によりマウスの摘出皮膚に対する薬物アスピリンの透過性試験を行
った。
【0137】
まず、添付図1に示すFranz タイプの拡散セル(1) を準備した。拡散セル(1) は、下側の有底円筒状のレセプター槽(2) と、これの上に配置された有底円筒状のドナー槽(3) とからなる。ドナー槽(3) の底壁中央には開口部(4) が設けられ、またドナー槽(3) の下端およびレセプター槽(2) の上端にはそれぞれ上側フランジ(5) および下側フランジ(6) が設けられている。そして、上側フランジ(5) と下側フランジ(6) を対向状に重ね合わせることによって、ドナー槽(3) とレセプター槽(2) が気密状にかつ同心状に積み重ねられている。レセプター槽 (2) にはその側部に側方突出状のサンプリング口(7) が取付けられ、レセプター槽(2) の内部にはマグネット攪拌子(9) が入れてある。
【0138】
ヘアレスマウス(8週齢、雄)を頸椎脱臼により屠殺した後、ただちに背部皮膚を剥離して皮下脂肪と筋層を除去し、約5cm×5cmの摘出皮膚片を得た。この皮膚片(8) を拡散セル(1) の上側フランジ(5) と下側フランジ(6) の間に挟着して、ドナー槽(3) の開口部(4) を皮膚片(8) で完全に閉じるようにした。
【0139】
面積3.14cm2 に打ち抜いた円形テープ状の経皮吸収製剤試験片(10)を皮膚片(8) の上面に貼付した。
【0140】
レセプター槽(2) には、pH7.2のリン酸緩衝液からなるレセプター液を満たした。
【0141】
ついで、拡散セル(1) を温度37℃に保たれた恒温槽内に設置し、マグネット攪拌装置によりレセプター液の攪拌を行った。試験開始から24時間後に、サンプリング口(7) からレセプター液を採取し、採取レセプター液への薬物の透過量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。試験片の数は製剤毎にそれぞれ3片ずつとした。こうして、試験片1cm2 当たりの薬物アスピリンの透過量を測定した。
【0142】
以上の測定の結果を、表1〜2にそれぞれ示す。
【0143】
【表1】
【表2】
上記表から明らかなように、この発明の範囲に属する実施例の経皮吸収製剤は、いずれも良好なアスピリン保存安定性を示すことが認められる。また、実施例の経皮吸収製剤の薬物皮膚透過性は比較例の製剤のそれと比べ何ら遜色ないことが認められる。
【0144】
【発明の効果】
この発明により、鎮痛剤として、副作用が少なく、薬効持続性が優れ、かつ使い勝手がよく、保存安定性が良好なアスピリン含有経皮吸収製剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Franz タイプの拡散セルを示す斜視図である。
Claims (6)
- 支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、粘着基剤が、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99重量%とN−ビニル−2−ピロリドン1〜35重量%とを共重合させてなり常温で粘着性を有する共重合体(a) 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体(b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤。
- 共重合体(a) が、該(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜95重量%とN−ビニル−2−ピロリドン5〜30重量%とを共重合させてなるアクリル系共重合体からなる、請求項1記載のアスピリン含有経皮吸収製剤。
- 共重合体(b) が、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものである、請求項1記載のアスピリン含有経皮吸収製剤。
- 支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体 (a') 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体 (b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体(a')が、メタクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸−2−エチルヘキシルとメタクリル酸ドデシルの共重合体(重量割合で100部:5〜30部:5〜30部)である、アスピリン含有経皮吸収製剤。
- 支持体上に、薬物を含有した粘着基剤層が設けられている経皮吸収製剤において、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(共)重合させてなり常温で粘着性を有する(共)重合体 (a') 70〜99.5重量%と、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%と(メタ)アクリル酸20〜60重量%を共重合させてなる共重合体 (b) 0.5〜30重量%とからなるアクリル系共重合体組成物であり、薬物がアスピリンである、アスピリン含有経皮吸収製剤であって、共重合体(b) が、メタクリル酸38〜52重量%−メタクリル酸メチル48〜62重量%・共重合体、メタクリル酸25〜35重量%−メタクリル酸メチル65〜75重量%・共重合体よりなる群から選ばれたものである、アスピリン含有経皮吸収製剤。
- 上記粘着基剤がさらに、脂肪族オキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、グリチルリチン酸、(イソ)アスコルビン酸、チオグリコール酸、トコフェロールもしくはその誘導体および没食子酸プロピルよりなる群から選ばれ、かつ生体膜学的に許容される少なくとも1つの化合物1〜30重量%を含有する、請求項1〜5のうちの1記載のアスピリン含有経皮吸収製剤。
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