JP3554711B2 - 木造軸組の柱と梁の結合方法と結合金物 - Google Patents

木造軸組の柱と梁の結合方法と結合金物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木造軸組における柱と梁の結合方法及びこの結合方法に使用される結合金物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木造軸組における柱と梁の結合方法としては従来図5に示すようなものがあった。ここに図5は従来の結合金物を使用して柱と梁を結合する場合の斜視図である。
【0003】
結合金物80の当て板部81を、柱82の側面に設けたほぞ溝に嵌入する。そのうえで柱82に設けたボルト挿入孔83、当て板部81に設けられたボルト挿入孔84及び柱82の側面に当接された座金板85に設けられたボルト挿入孔86にボルトを挿入し固定する。
【0004】
そして梁87を、梁87に設けられたスリット88が結合金物80の側板部89に嵌入される形態で柱82と梁87を結合する。
【0005】
係る状態のもと側板部89に設けられたボルト挿入孔90及び梁87に設けられたボルト挿入孔91にボルトを挿入し固定する。かようにして柱82と梁87を結合するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に木材は繊維方向の力には強いが繊維方向と直交する方向の力には弱いという性質を有する。これを柱と梁にかかる重量についてみると、柱にかかる重量は繊維方向にかかり、梁にかかる重量は繊維方向と直交する方向にかかることになる。
【0007】
そして、かような梁の重量に対する弱さは上述の従来例のような発明ではうまく解消されない。
【0008】
そこで本発明は、梁の重量に対する弱さを重量を分散することでカバーしうる木造軸組の柱と梁の結合方法と結合金物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
一、 上記課題を解決するために、本発明にかかる木造軸組の柱と梁の結合方法は以下のような工程より構成される。
【0010】
1、 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
この側板部の基端側から垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
から成る固定板A。
【0011】
下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
この側板部の基端側から固定板Aと逆向きの垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
から成る固定板B。
【0012】
固定板Aと固定板Bとにより挟持される形状で使用されると共に、ボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
から成る板材C。
【0013】
以上の固定板A、固定板B及び板材Cを固着して成る柱取り付け型結合金物素材Dの構成要素たる固定板Aの当て板部を、柱側面に設けられたほぞ溝に嵌入した状態でボルトで固定する工程と、
2、 下辺に比して上辺の長い台形形状を有すると共にボルト挿入孔を複数個設けた側板E。
【0014】
二枚の側板E・Eにより挟持される形状で使用されると共にボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
から成る板材F。
【0015】
以上の側板E・E及び板材Fを固着して成る梁取り付け型結合金物素材Gを、梁に設けられたスリットに嵌入し、且つボルトで固定する工程と、
3、 柱に取り付けられた結合金物素材Dの構成要素たる板材Cの凸部が、梁に嵌入された結合金物素材Gの構成要素たる板材Fの切り欠き部に嵌まり込み、且つ、板材Cの切り欠き部に板材Fの凸部が嵌まり込む形状で結合金物素材Dと結合金物素材Gを嵌合させ、係る状態のもと梁の側面から挿入されたボルトで結合金物素材Dと結合金物素材Gを固着し、もって柱と梁を固定する工程。
二、 また本発明に係る結合金物は以下の部材で構成される。
【0016】
1、 (1) 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
この側板部の基端側から垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
から成る固定板A。
【0017】
(2) 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
この側板部の基端側から固定板Aと逆向きの垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
から成る固定板B。
【0018】
(3) 固定板Aと固定板Bとにより挟持される形状で使用されると共に、ボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
から成る板材C。
【0019】
(4) 以上の固定板A、固定板B及び板材Cを固着して成る柱取り付け型結合金物素材D。
【0020】
2、 (1) 下辺に比して上辺の長い台形形状を有すると共にボルト挿入孔を複数個設けた側板E。
【0021】
(2) 二枚の側板E、Eにより挟持される形状で使用されると共にボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
から成る板材F。
【0022】
(3) 以上の側板E・E及び板材Fを固着して成る梁取り付け型結合金物素材G。
三、 以下上述のように構成される結合方法及び結合金物が如何に作用して課題を解決するかを図面を参照しながら述べる。
【0023】
図1は本発明の実施形態を示す柱と梁の結合部分の斜視図であり、図2は本発明の結合工程を示す斜視図であり、図3は結合金物素材D及びその構成体の斜視図であり、図4は結合金物素材G及びその構成体の斜視図である。
【0024】
本発明おいては図3において示される結合金物素材Dを柱に取り付け、他方で図4において示される結合金物素材Gを梁に取り付け、両者を嵌合して柱と梁を結合するものである。
【0025】
そしてこの際、結合金物素材Dの構成要素である固定板A及び固定板Bの側板部10・10の斜辺11・11が、結合金物素材Gの構成要素である側板E、Eの斜辺20・20に接合することになる。
【0026】
他方で結合金物素材Dの構成要素である板材Cの斜辺12が、結合金物素材Gの構成要素である板材Fの斜辺21に接合することになる。
【0027】
上述のように、本発明では柱と梁に取り付けられた結合金物素材D、Gの構成体の斜辺部分が接合する形で結合金物素材D、Gが嵌合し、もって柱と梁を固定するものである。このように斜辺同士が接合することから梁の重量が垂直方向のみならず斜め方向にも分散してかかっていくことになる。
【0028】
かようにして本発明では、梁の重量に対する弱さを重量を分散することでカバーしうる木造軸組の柱と梁の結合方法と結合金物を提供することが可能となるのである。
【0029】
【発明の実施の形態】
1、 以下好ましい発明の実施の形態につき図面を参照しながら述べる。
【0030】
2、 本発明にかかる木造軸組の柱と梁の結合は、以下のような手順で行われる。
【0031】
まず図3(a)において示される固定板A、図3(b)において示される板材C、及び図3(c)において示される固定板Bを、固定板Aと固定板Bが板材Cを挟む形で一体にし溶接、かしめ又はネジ着といった方法で固着し、図3(d)において示す結合金物素材Dとなす。
【0032】
この結合金物素材Dを図1、図2に示すように柱30に設けたほぞ溝31に、当て板部13a、13bが嵌合する形で嵌め込む。そのうえで柱30に設けたボルト挿入孔32・・・、当て板部13a、13bに設けたボルト挿入孔14・・・、柱30のほぞ溝31が設けられた面と反対面に当接された座金板50に設けられたボルト挿入孔51・・・及び当て板部13a、13bに重ねて使用される板状のネジ付座金70に設けたボルト挿入孔71に、ボルト60・・・を挿入し固定する。
【0033】
次に図4(a)、図4(c)において示される側板E・Eと、図4(b)において示される側板Fを側板E・Eが側板Fを挟む形で一体にし溶接、かしめ又はネジ着といった方法で固着し、図4(d)において示す結合金物素材Gとなす。
【0034】
この結合金物素材Gを図1、図2に示すように、梁40に設けたスリット41に嵌め込む。そのうえで側板E及び側板Fの正面視右辺及び上辺に設けたボルト挿入孔22・・・及び梁40に設けたボルト挿入孔42・・・に、ボルト61・・・を挿入し固定する。
【0035】
以上のように結合金物素材Dを柱30に取り付け、結合金物素材Gを梁40に取り付けたうえで、当該結合金物素材Dと当該結合金物素材Gとが嵌合する形で図1に示すように柱と梁を結合する。
【0036】
この際結合金物素材Dの構成要素である板材Cの凸部15が、結合金物素材Gの構成要素である板材Fの切り欠き部24に嵌合し、板材Fの凸部23が板材Cの切り欠き部16に嵌合する形で結合金物素材Dと結合金物素材Gを結合する。
【0037】
かような結合状態のもと固定板A、固定板B及び板材Cに設けられたボルト挿入孔17・・・、側板E及び側板Fに設けられたボルト挿入孔25・・・及び梁40に設けたボルト挿入孔43・43にボルト62・62を挿入し、結合金物素材同士及び結合金物素材と梁とを固定する。
【0038】
また固定板A及び固定板Bの側板部10・10の正面視右下端部に設けられたボルト挿入孔18・18、板材Cの凸部15の正面視左下端部に設けられたボルト挿入孔18及び梁40に設けられたボルト挿入孔44にボルト63を挿入し、結合金物素材Dを梁40に固定する。
【0039】
以上のようにして結合金物素材同士及び柱と梁を固定するのである。
【0040】
3、 次に結合金物素材の構造につき述べる。
【0041】
図3(a)は固定板Aの斜視図である。固定板Aは、下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔17及びボルト挿入孔18が設けられた側板部10と、この側板部10の基端側から垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔14が複数個設けられた当て板部13aとで形成されるものである。
【0042】
図3(b)は板材Cの斜視図である。板材Cはボルト挿入孔17、ボルト挿入孔18が設けられた板材であり、一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部16と、一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす凸部15とが形成されている。
【0043】
図3(c)は固定板Bの斜視図である。固定板Bは下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔17、ボルト挿入孔18が設けられた側板部10と、この側板部10の基端側から固定板Aと逆向きの垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔14が複数個設けられた当て板部13bとで形成される。
【0044】
図4(a)及び図4(c)は側板Eの斜視図である。側板Eは下辺に比して上辺の長い台形形状を有すると共に、複数のボルト挿入孔22及びボルト挿入孔25が設けられたものである。
【0045】
図4(b)は板材Fの斜視図である。板材Fは複数のボルト挿入孔22・・・及びボルト挿入孔25が設けられた板材であり、一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす凸部23と、一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部24とが形成されている。
【0046】
【発明の効果】
本発明の以上のように構成されていることから、梁の重量に対する弱さを重量を分散することでカバーしうる木造軸組の柱と梁の結合方法と結合金物を提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す柱と梁の結合部分の斜視図。
【図2】本発明の結合工程を示す斜視図。
【図3】結合金物素材D及びその構成体の斜視図。
【図4】結合金物素材G及びその構成体の斜視図。
【図5】従来の結合金物を使用して柱と梁を結合する場合の斜視図
【符号の説明】
10・・側板部 11、12・・斜辺
13a、13b・・当て板部 14、17、18・・ボルト挿入孔
20、21・・斜辺 22、25・・ボルト挿入孔
23・・凸部 24・・切り欠き部
30・・柱 31・・ほぞ溝
32・・ボルト挿入孔
40・・梁 41・・スリット
42、43、44・・ボルト挿入孔
50・・座金板 51・・ボルト挿入孔
60、61、62、63・・ボルト
70・・ネジ付座金 71・・ボルト挿入孔

Claims (2)

  1. 1、 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
    この側板部の基端側から垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
    から成る固定板A。
    下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
    この側板部の基端側から固定板Aと逆向きの垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
    から成る固定板B。
    固定板Aと固定板Bとにより挟持される形状で使用されると共に、ボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
    一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
    一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
    から成る板材C。
    以上の固定板A、固定板B及び板材Cを固着して成る柱取り付け型結合金物素材Dの構成要素たる固定板Aの当て板部を、柱側面に設けられたほぞ溝に嵌入した状態でボルトで固定する工程と、
    2、 下辺に比して上辺の長い台形形状を有すると共にボルト挿入孔を複数個設けた側板E。
    二枚の側板E・Eにより挟持される形状で使用されると共にボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
    一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
    一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
    から成る板材F。
    以上の側板E・E及び板材Fを固着して成る梁取り付け型結合金物素材Gを、梁に設けられたスリットに嵌入し、且つボルトで固定する工程と、
    3、 柱に取り付けられた結合金物素材Dの構成要素たる板材Cの凸部が、梁に嵌入された結合金物素材Gの構成要素たる板材Fの切り欠き部に嵌まり込み、且つ、板材Cの切り欠き部に板材Fの凸部が嵌まり込む形状で結合金物素材Dと結合金物素材Gを嵌合させ、係る状態のもと梁の側面から挿入されたボルトで結合金物素材Dと結合金物素材Gを固着し、もって柱と梁を固定する工程。
    4、 以上の工程より成ることを特徴とする木造軸組の柱と梁の結合方法。
  2. 1、 (1) 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
    この側板部の基端側から垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
    から成る固定板A。
    (2) 下辺に比して上辺の短い台形形状を有すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた側板部と、
    この側板部の基端側から固定板Aと逆向きの垂直方向に延出すると共にボルト挿入孔が複数個設けられた当て板部と、
    から成る固定板B。
    (3) 固定板Aと固定板Bとにより挟持される形状で使用されると共に、ボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
    一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
    一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
    から成る板材C。
    (4) 以上の固定板A、固定板B及び板材Cを固着して成る柱取り付け型結合金物素材D。
    2、 (1) 下辺に比して上辺の長い台形形状を有すると共にボルト挿入孔を複数個設けた側板E。
    (2) 二枚の側板E・Eにより挟持される形状で使用されると共にボルト挿入孔を複数個設けた板材であり、
    一辺が垂直辺であり他辺が右上りの斜辺であると共に、該垂直辺と該斜辺の交部が円弧形状をなす凸部と、
    一辺が左下がりの斜辺であり他辺が垂直辺であると共に、該斜辺と該垂直辺の交部が円弧形状をなす切り欠き部と、
    から成る板材F。
    (3) 以上の側板E・E及び板材Fを固着して成る梁取り付け型結合金物素材G。
    3、 以上の柱取り付け型結合金物素材Dと梁取り付け型結合金物素材Gより成る木造軸組の柱と梁の結合金物。
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