JP3554961B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は搬送装置、特にリードフレームのような磁性ワークを搬送するのに適した搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リードフレームの搬送装置として、実公平7−35388号公報に記載のように、リードフレームを非磁性の案内レールの上面にそってガイドするとともに、案内レールの上面の一側縁に非磁性の案内部材を設け、この案内部材の内部に磁石を適宜間隔で埋設した移送用案内装置が提案されている。この場合には、リードフレームの側縁が磁力により吸着されて案内部材に接触するため、位置精度に優れ、かつリードフレームの逆行を防止するための装置や、テンションを与えておくための装置などが不要となるという利点がある。
【0003】
しかしながら、この場合には、リードフレームを移送するために送り爪などの移送手段を用いる必要があり、低振動,低騒音で高速搬送を行うことが難しい。また、リードフレームは案内部材に密着しているため、案内部材との間に摩擦抵抗が作用し、送り爪がリードフレームに係合して移送する際、リードフレームに部分的に大きな荷重がかかり、リードフレームの伸びあるいは変形を招く恐れがあった。
【0004】
上記のような問題を解決するものとして、特開平9−199516号公報のように、磁性ワークを低振動,低騒音で高速搬送でき、しかも高精度位置決めが可能な搬送装置が提案されている。この搬送装置は、隣合う2面を有する磁性ワークを搬送するための装置であって、ワークの第1面を滑動自在にガイドするガイド面を有する非磁性のレールと、ワークの第2面に接触する搬送面を有し、レールに沿って移動自在な非磁性ベルトと、ベルトを周回駆動させる駆動手段と、上記ベルトを間にしてレールと対向する位置に配置され、ワークの第2面をベルトに密着させる分力と、ワークの第1面をレールに接触させる分力とを有する磁力を発生する磁石と、を備えたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記搬送装置の場合、磁性ワークは非磁性ベルトを介して磁石(ヨーク)に吸着された状態で搬送される。特に、大きな磁力を必要とする重量ワークを搬送する場合には、非磁性ベルトと磁石(ヨーク)との間の摩擦力も大きくなり、非磁性ベルトや磁石(ヨーク)の摩耗が発生し、耐久性の低下を招くとともに、搬送位置精度が低下するという問題があった。さらに、ベルトを駆動するために大きな駆動力を必要とするという問題もあった。
【0006】
また、非磁性ベルトの耐久性を高めるには、ベルトとして例えばステンレスのような非磁性金属ベルトを使用することが考えられる。ステンレスは硬度が高く、耐久性に優れるが、その反面、磁性金属よりなるヨークを摩耗させ、金属粉を発生させる。この金属粉が研磨材となり、ベルトを摩耗させて破断に至る可能性がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、磁性ワークを低振動,低騒音で高速搬送できるとともに、金属摩耗粉を発生させず、耐久性に優れた搬送装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は請求項1に記載の搬送装置によって達成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、直角な2面を有する磁性ワークの第1面を滑動自在にガイドするガイド面を有する非磁性のレールと、上記ワークの第2面に接触する搬送面を有し、レールに沿って移動自在な非磁性ベルトと、非磁性ベルトを周回駆動させる駆動手段と、上記ベルトを間にしてレールのガイド面と対向する位置に配置されたヨークと、一方の磁極に上記ヨークが配置され、ワークの第2面をベルトに密着させる分力と、ワークの第1面をレールのガイド面に接触させる分力とを有する磁力を発生する磁石とを備え、上記ベルトは非磁性金属ベルトで構成され、上記ヨークの非磁性金属ベルトと対面する部位が耐摩耗性と自己潤滑性とを有する樹脂製ガイド部材で覆われ、上記樹脂製ガイド部材は上記ベルトの搬送面の背面を摺動自在に支持していることを特徴とする搬送装置を提供する。
【0009】
駆動手段によって非磁性金属ベルトをレールに沿って移動させると、磁石の磁力によってワークの第2面がベルトの搬送面に吸着されているので、ワークはベルトと一体に移動する。このとき、ワークの第1面がレールのガイド面によって滑動自在にガイドされているので、ワークは安定した姿勢を保ちながら搬送される。そのため、低振動,低騒音でワークを高速搬送できる。
また、ベルトの背面、つまり搬送面と対向する面が樹脂製ガイド部材によって摺動自在に支えられているので、ベルトとヨークとの金属接触による金属摩耗粉の発生が防止され、金属ベルトの寿命を改善できる。特に、樹脂製ガイド部材は耐摩耗性と自己潤滑性とを有するので、使用に際して適時潤滑剤を供給する必要がなく、無潤滑で長期継続使用が可能となる。
さらに、ベルトとして非磁性の金属ベルトを使用しているので、樹脂ベルトに比べると引っ張り強度に優れ、延びを防止でき、しかも薄肉に構成できる。
【0010】
請求項2に記載のように、樹脂製ガイド部材は、ポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル、四フッ化エチレンのいずれかで形成されているのが望ましい。これら材料は、機械的強度、耐疲労性、耐クリープ性、耐摩耗性、耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックであるから、使用中に破損したり変形することなく、樹脂製ガイド部材として長期使用にわたって安定した特性を維持できる。
【0011】
請求項3のように、樹脂製ガイド部材の非磁性金属ベルトと接触する面の幅を、非磁性金属ベルトの幅の1/2以上とするのが望ましい。ガイド部材のベルトと接触する面の幅が小さいと、ベルトがガイド部材側へ撓み、ベルトに長手方向にそって折れ目ができることがあり、搬送面が凸面となってしまう。そこで、ガイド部材の幅を非磁性金属ベルトの幅の1/2以上とすることで、ベルトがガイド部材側へ撓むのを抑制し、搬送面が凸面となるのを防止している。
【0012】
本発明は、リードフレームのように薄肉板状のフープ材の搬送に適している。すなわち、フープ材の場合、局部的に大きな荷重を作用させると、撓みや変形が発生しやすい性質があるが、本発明のように磁力を用いて吸着しながら搬送する方式では、フープ材に局部的に過大な荷重を作用させずに、高速搬送することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1,図2は本発明の第1実施例を示し、この搬送装置はワークの一例であるリードフレームWを横向きにして搬送するのに用いられる。
この実施例のリードフレームWは、薄肉な帯状の磁性金属板(フープ材)より打ち抜き形成されたものであり、長手方向の一側縁に送り穴を有するタイバーaが形成され、他側縁にはタイバーaからほぼ直交方向に突出する複数本の端子部bが一体に形成されている。
【0014】
本搬送装置は、リードフレームWのタイバーaの下面(第1面)を滑動自在に支えるレール1を備えている。レール1はステンレス,アルミニウム,樹脂などの非磁性材料で構成され、その上面(ガイド面)1aにはリードフレームWとの摩擦抵抗を少なくするため、フッ素樹脂コーティングなどを適宜施してもよい。レール1は、非磁性材料よりなるレールベース2の側面にネジ等によって固定されている。レールベース2上には、非磁性のマグネットホルダ3を介して幅広な上側ヨーク4が固定され、この上側ヨーク4の下面に永久磁石5および下側ヨーク6が順に取り付けられている。つまり、永久磁石5のN,S両極にそれぞれ磁性体よりなるヨーク4,6が配置され、上側ヨーク4の位置はガイド面1aの高さとほぼ等しい高さにある。なお、ヨーク4,6はレールベース2とほぼ同長の長尺材であるが、永久磁石5はヨーク4,6のような長さを有する必要はなく、部分的に配置してもよい。
【0015】
上側ヨーク4の上面には、このヨーク4と同長の樹脂ガイド(樹脂製ガイド部材)7がネジなどによって固定されている。樹脂ガイド7には、上側ヨーク4と後述するベルト18との間に延びるガイド壁7aが全長にわたって垂設されている。このガイド壁7aは永久磁石5の磁力が確実に透過できるよう、1mm程度の薄肉に形成するのが望ましい。なお、ガイド壁7aを薄肉とすると機械的強度が低下するが、ガイド壁7aの背面はヨーク4および磁石5によって支えられているので、ガイド壁7aの撓みは防止される。樹脂ガイド7は、ポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル、四フッ化エチレンなどの、耐摩耗性と自己潤滑性とを有する樹脂材料で形成されている。ガイド壁7aの幅Dはベルト18の幅の1/2以上とするのが望ましい。例えば、幅が10mmのベルト18を使用した場合、ガイド壁7aの幅を5mm以上に設定するのがよい。このガイド壁7aがベルト18の背面を摺動自在に支え、ベルト18とヨーク4との金属接触による摩耗粉の発生を防止している。
【0016】
レールベース2の長手方向両端部は、支持台10,11によって水平に支持されている。一方の支持台10には、サーボモータやパルスモータ等からなる駆動用モータ12が固定されている。モータ12の回転軸13はカップリング14を介して、レールベース2の一端部上面に配置された駆動側プーリ15と連結されている。また、レールベース2の他端部上面には回転自在な従動側プーリ16が配置され、この従動側プーリ16の回転軸は図示しない支持機構によってレールベース2の長手方向に移動自在にガイドされている。そして、従動側プーリ16の回転軸はテンションスプリング17によって駆動側プーリ15と相反方向に付勢されており、ベルト18に所定の張力が与えられる。
【0017】
上記駆動側プーリ15と従動側プーリ16の間には、非磁性金属材料よりなるベルト18が張力をもって巻き掛けられており、水平方向に周回駆動される。ベルト18としては、ステンレススチールなどの非磁性金属ベルトが使用される。ベルト18は、例えば厚みが50μm程度、幅が10mm程度の薄肉なテープ状に形成され、樹脂ガイド7のガイド壁7aとレール1との隙間を水平方向に移動自在である。ベルト18の搬送面(送り側の外周面)18aはリードフレームWのタイバーaの端面(第2面)と密着し、背面(送り側の内周面)は樹脂ガイド7のガイド壁7aによって摺動自在に支持されている。そのため、ベルト18の搬送面18aはレール1のガイド面1aに対しほぼ垂直となっている。
なお、ベルト18は、モータ12の駆動制御により、リードフレームWの送り速度を変換することが可能であり、連続送りのほか、タクト送り、前進・後進切替を行うことも可能である。
【0018】
ここで、本搬送装置の作動について説明する。
永久磁石5の両極にヨーク4,6が配置されているため、ヨーク4,6と永久磁石5との境界部に磁力線が集中する。特に、上側ヨーク4と永久磁石5との境界部近傍にはレール1のガイド面1aが位置しているので、ガイド面1a上を滑動するリードフレームWのタイバーaに磁力線が集中的に作用する。
【0019】
永久磁石5の磁力は、図2に示すように、リードフレームWのタイバーaの端面(第2面)をベルト18に密着させる分力Xと、リードフレームWのタイバーaの下面(第1面)をレール1に密着させる分力Yとを発生することができる。なお、リードフレームWをベルト18に効果的に密着させ、かつリードフレームWとレール1との摺動摩擦をできるだけ小さくするため、分力Xを分力Yより大きく設定してある。上記のような磁石5の吸着力により、リードフレームWはその端面(第2面)がベルト18を介して樹脂ガイド7のガイド壁7aと接触し、下面(第1面)がレール1のガイド面1aと接触した姿勢を保つ。ここで、ベルト18を駆動すると、リードフレームWはレール1と摺接しながら、ベルト18と一体的に搬送される。そのため、高速搬送させても、安定した姿勢を保つことができる。また、ベルト18とリードフレームWとはほぼ全長にわたって密着しているので、長い距離で接触状態を確保でき、リードフレームWに対し局部的に大きな荷重が作用しない。そのため、リードフレームWが薄肉な材料で形成されていても、リードフレームWの変形,ソリ,撓みなどを防止できる。しかも、搬送体であるベルト18は周回駆動されるので、従来の往復動作する送り爪のような振動や騒音の発生を抑制できる。
【0020】
また、ベルト18の背面は、ベルト18の幅の1/2以上の幅を持つ樹脂ガイド7のガイド壁7aにより摺動自在に支持されているので、ベルト18の撓みや折れ目の発生を防止できるとともに、ベルト18とヨーク4との接触による金属摩耗粉の発生が防止され、ベルト18やヨーク4の耐久性が向上する。また、樹脂ガイド7が耐摩耗性と自己潤滑性とを持つ樹脂で構成されているので、長期間にわたって無潤滑で継続使用できる。また、ベルト18と樹脂ガイド7との間の摩擦が少ないので、ベルト18を駆動するモータ12の駆動力を小さくできるとともに、樹脂ガイド7の摩耗が少ないので、ワークWの幅方向の位置精度を常に高く保持できる。したがって、小型で高精度な搬送装置を実現できる。
【0021】
ベルト18を停止させた時、リードフレームWは磁石5の磁力によって停止位置を保持するので、この状態で振動や衝撃を受けても、リードフレームWの位置が狂うことがなく、高い位置決め精度が得られる。そのため、本搬送装置を電子部品の組立工程や特性測定工程に用いた場合、電子部品の位置の狂いが少ない。また、リードフレームWの逆行を防止したり、テンションを与えておくための装置が不要となるため、装置を小型・簡素化できる。
【0022】
ベルト18を停止状態から起動した時、ベルト18と樹脂ガイド7との摩擦により所定の起動トルクを必要とするが、樹脂ガイド7とベルト18との間の摩擦抵抗が非常に小さいので、モータ12の起動トルクが小さくて済む。そのため、ベルト18をタクト送りする場合や、前進・後進切替駆動を行なう場合でも、小型のモータで駆動させることができ、起動遅れを少なくできる。
【0023】
なお、上記各実施例は本発明のほんの一例を示すに過ぎず、種々変更が可能であることは言うまでもない。
上記実施例では単一のユニットについて説明したが、図1のユニットを複数個直列に連結すれば、搬送経路が長くなり、ワークを多数の工程の間で搬送することが可能である。この場合、各ユニットのモータを制御することにより、各ユニットのベルトを同期運転させることも可能である。
このように、設備仕様に応じてユニットの追加、削除が容易であり、設計の自由度が増すという特徴がある。
【0024】
上記実施例では、ワークの第1面を滑動自在にガイドするガイド面を水平面とし、ワークの第2面に接触するベルトの搬送面を垂直面としたが、搬送面を水平面とし、ガイド面を垂直面としてもよい。本発明で搬送可能なワークとしては、実施例のような一側部にタイバーを有するリードフレームに限らないことは勿論であり、直角な2面を有する磁性ワークであれば、如何なるものでもよい。
【0025】
本発明にかかる樹脂ガイドは、実施例のように上側ヨークの上面に固定され、下方へ垂下するガイド壁を有する形状に限るものではない。例えば、レールベース2の上面に固定され、ヨークとベルトとの間に介在するガイド壁を起立形成したものでもよいし、ヨーク4,6および磁石5のベルト側側面全体を覆うような形状であってもよい。
また、ガイド壁の幅寸法はベルト幅の1/2以下であってもよいし、ベルト幅より大きくてもよい。
上記実施例では磁石5の両極にヨーク4,6を配置したが、下側ヨーク6については必ずしも必要ではない。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、金属ベルトの背面が樹脂製ガイド部材によって摺動自在に支えられているので、重量ワークの搬送時のように大きな吸着力を必要とする場合でも、ベルトとヨークとの金属接触による金属摩耗粉の発生が防止され、金属ベルトの寿命を改善できる。特に、樹脂製ガイド部材は耐摩耗性と自己潤滑性とを有するので、使用に際して潤滑剤を補給する必要がなく、無潤滑で長期継続使用が可能となるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる搬送装置の一例の斜視図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【符号の説明】
W ワーク
1 レール
1a ガイド面
4 上側ヨーク
5 永久磁石
7 樹脂ガイド(樹脂製ガイド部材)
7a ガイド壁
12 モータ
15 駆動側プーリ
16 従動側プーリ
18 非磁性金属ベルト

Claims (3)

  1. 直角な2面を有する磁性ワークの第1面を滑動自在にガイドするガイド面を有する非磁性のレールと、
    上記ワークの第2面に接触する搬送面を有し、レールに沿って移動自在な非磁性ベルトと、
    非磁性ベルトを周回駆動させる駆動手段と、
    上記ベルトを間にしてレールのガイド面と対向する位置に配置されたヨークと、一方の磁極に上記ヨークが配置され、ワークの第2面をベルトに密着させる分力と、ワークの第1面をレールのガイド面に接触させる分力とを有する磁力を発生する磁石とを備え、
    上記ベルトは非磁性金属ベルトで構成され、
    上記ヨークの非磁性金属ベルトと対面する部位が耐摩耗性と自己潤滑性とを有する樹脂製ガイド部材で覆われ、
    上記樹脂製ガイド部材は上記ベルトの搬送面の背面を摺動自在に支持していることを特徴とする搬送装置。
  2. 上記樹脂製ガイド部材は、ポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル、四フッ化エチレンのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 上記樹脂製ガイド部材の非磁性金属ベルトと接触する面の幅は、非磁性金属ベルトの幅の1/2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
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