JP3556576B2 - 容量式圧力センサの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量式圧力センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
容量式圧力センサは、基台に形成された固定電極と、ダイアフラムに形成された可動電極とが、互いに対向配置されて容量を形成し、この容量変化によって圧力の変化を検出する。また、従来よりダイアフラムや基台には、耐食性等が優れているため、サファイアが用いられることがある。
【0003】
図3(a)は一般的な容量式圧力センサを示す平面図、図3(b)はそのA−A’線断面図である。これらの図に示すように圧力センサ110は、凹部内に固定電極101aの設けられた基台101と、可動電極102a、参照電極102bおよびパッド102c,102d,102eの設けられたダイアフラム102と、各パッドに接続されかつはんだによって形成されたリード線103aおよび103bとで構成され、パッド102cからのリード線は隠れている。なお、参照電極102bは基準容量を得るために用いられる。また、パッド102fはダミーであり、はんだによるリード線は取り出していない。
【0004】
このように構成された圧力センサ110は、センサ外部と容量室内との圧力差に応じてダイアフラム102が撓み、それに伴う可動電極102aと固定電極101aとの距離の変化によって容量が変化し、圧力が測定される。
【0005】
ここで、圧力センサ110の従来の製造工程について説明する。
まず、2枚のサファイア・ウエハを用意し、一方のウエハに基台を形成し、他方のウエハにダイアフラムを形成する。すなわち、一方のサファイア・ウエハを機械加工、レーザ加工または超音波加工することにより、リード線103a,103b等を形成するためのスルーホールを各センサ・チップ毎に開口し、次いでドライエッチングにより、各センサチップ毎に凹部を形成してから、蒸着等により固定電極101aを形成する。この結果、サファイア・ウエハ上には、複数の固定電極が形成される。
【0006】
一方、別のサファイア・ウエハに、センサ・チップ毎に蒸着等により、複数の可動電極102a、参照電極102bおよびパッド102c〜102fを形成する。
その後、これら2枚のウエハを、各固定電極101aと可動電極102aとが対向するように位置合わせをしてから、所定の加熱雰囲気の下で直接接合する。直接接合された後、基台101側のサファイア・ウエハを上面にしてから、スルーホール内に粒状の固形はんだを載置し、加熱により溶融させ、スルーホール内に流れ込んだ溶融はんだによってリード線103a,103bを形成し、パッド2d,2fと接続する。最後に、サファイア・ウエハをダイシングすることにより、センサ・チップができあがる。
【0007】
以上の工程により、従来においては耐食性に優れたサファイア製の容量式圧力センサを容易に大量生産することができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いわゆる微圧センサと呼ばれるものは、測定感度を向上させるためにダイアフラムがより薄く作られる傾向にあり(例えば50μm程度)、その製造時においてはダイアフラムが容易に撓んでしまうという問題点があった。一方、容量を大きくするために各電極(固定電極101a、可動電極102a)の面積は広く、かつそれらの電極間隔は狭くなる傾向(数μm)にある。したがって、僅かなダイアフラムの撓みによっても電極同士が短絡し、センサの歩留まりを低下させる原因となる。また、若干の撓みであれば、測定結果を信号処理の段階で補正することも可能ではあるが、撓みが生じた状態ではすでに圧力ゼロの点がずれてしまっているので、ダイアフラムの受圧時における撓みに余裕がなくなり、測定できる圧力の範囲が狭くなるなどの問題がある。さらに、このようなセンサでは、撓み具合の経年変化により圧力ゼロの点がシフトし、品質が低下する。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、製造時に生じるダイアフラムの撓みを容易に抑制することができる容量式圧力センサの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に係る容量式圧力センサの製造方法は、可動電極の形成された受圧用のダイアラムと、固定電極が形成されかつ前記ダイアフラムに接合された基台とを有する容量式圧力センサにおいて、前記可動電極が複数形成された第1のウエハの温度を、前記固定電極が複数形成された第2のウエハの温度よりも高温にしてから、前記第1および第2のウエハを接合し、これら接合されたウエハを切断する。
【0011】
また、本発明はその他の態様として次に示す構成を含むものである。すなわち、前記第1のウエハに第1の基準点を設け、この第1の基準点に基づいて第1のウエハ上に複数の可動電極をレイアウトし、前記第2のウエハに第2の基準点を設け、この第2の基準点に基づいて第2のウエハ上に複数の固定電極をレイアウトし、前記レイアウトは、熱膨張した前記第1のウエハ上の可動電極と、前記第2のウエハ上の固定電極との接合時における位置ずれを防ぐようにして実施される。また、前記ウエハは、サファイア、シリコン、ガラスまたはダイアモンドからなる。さらに、前記第1および第2のウエハの温度差を50℃以上150℃以下とする。
【0012】
したがって、このように構成することにより本発明は、熱膨張していたダイアフラムが接合後に収縮するため、ダイアフラムに撓みが生じることを防ぐことができる。また、熱膨張を考慮して可動電極および固定電極をレイアウトすることにより、張り合わせの際に生じる位置ずれを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一つの実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る容量式圧力センサの製造方法を説明するための説明図である。同図に示すように、本実施の形態による製造方法は、ヒータ3aを備えたウエハ保持機構3と、このヒータ3aによる発熱温度を制御する温度制御手段5と、ヒータ4aを備えたウエハ保持機構4と、このヒータ4aによる発熱温度を制御する温度制御手段6とを用いて行われる。ウエハ保持機構3,4は、ともに静電チャックや真空チャック等を備え、載置されたウエハ1,2を一時的に固定保持することができるとともに、載置されたウエハを移動させて互いに張り合わせることができる。
【0014】
また、ウエハ保持機構3,4は、ヒータ3a,4aおよび温度センサ3b,4bを備え、ヒータ3a,4aを発熱させることによってウエハ1,2の温度を所望の温度に制御することができる。すなわち、温度制御手段5,6は、ヒータ3a,4aに通電することによってウエハ3a,4aの温度を上昇させ、温度センサ3b,4bを使ってウエハ1,2の温度を測定し、所望の温度になるとヒータ3a,4aへの通電を切る。この繰り返しにより温度制御手段5,6は、ウエハ1,2の温度がユーザの所望の温度になるよう制御する。
【0015】
ここで、本実施の形態による製造手順について説明する。
まず、同図(a)に示すように、ウエハ保持機構3に基台側のサファイア製のウエハ1を載置し、ウエハ保持機構4にダイアフラム側のサファイア製のウエハ2を載置する。そして、両ウエハ上に従来方法によって予め形成された可動電極2aおよび固定電極1a同士を対向させてから直接接合する。直接接合とは鏡面研磨したウエハ1,2を重ね合わせるだけで分子間力によって行われ、加熱することによって強固に接合させることができる。
【0016】
直接接合の際には、温度制御手段5,6によってヒータ3a,4aの発熱を調整し、ダイアフラム側のウエハ2の温度が基台側のウエハ1の温度よりも高く(ただし温度差が50℃以上150℃以下)なるように制御する。なお、温度差を150℃以下とするのは、ヒートショックにより接合したウエハが割れてしまうことを防止するためにであり、50℃以上とするのは、十分にダイアフラム側のウエハ2を膨張させるためである。また、両ウエハの温度をそれぞれ数百度まで上げてから、両ウエハの温度差を上記のように制御してもよいし、もしくはウエハ1を加熱せずに室温のままとし、ウエハ2の温度のみを制御するようにしてもよい。
【0017】
この結果、ウエハ2は熱膨張した状態でウエハ1に直接接合され、ウエハ保持機構から取り外された後に、膨張していたウエハ2が収縮するため、同図(b)に示すように、ウエハ2は若干のテンションを保った状態でウエハ1に接合される。したがって、ウエハ2に撓みが生じることを防ぐことができる。その後、直接接合されたウエハをダイシングすれば、圧力センサ10ができあがる。
【0018】
次に、可動電極および固定電極のレイアウトの仕方について説明する。本発明においては、ダイアフラム側のウエハ2を基台側のウエハ1よりも高温にするため、ウエハ2はウエハ1よりも若干熱膨張する。そのため、各ウエハに複数の電極をレイアウトした場合、同じ間隔でレイアウトすると、張り合わせた際に電極の位置がずれてしまうことがある。そこで、熱膨張を考慮して電極をレイアウトすることにより、このような問題点を解決できる。
【0019】
図2(a)は複数の可動電極および参照電極の形成されたウエハを示す平面図、図2(b)は複数の凹部および固定電極の形成されたウエハを示す平面図である。ウエハ1には図の表側に複数の固定電極1aが形成され、ウエハ2には図の裏面に複数の可動電極2aが形成されている。
【0020】
まず、ダイアフラム側のウエハ2については等間隔に可動電極2aを形成する。それに対して、基台側のウエハ1については、等間隔に形成したのではウエハ2を直接接合した際に、固定電極1aと膨張したウエハ2の可動電極2aとが位置ずれを起こしてしまうため、予め固定電極1aの位置をずらしてレイアウトする。すなわち、固定電極1aを、図中の基準点からの距離およびウエハ2の熱膨張係数に応じてレイアウトを調整し、基準点から離れるにつれて位置ずれが大きくなるため、基準点から離れるに連れて各電極の間隔(横方向および縦方向)を大きくする。この関係を式で表すと、x1<x2<x3<x4<x5<x6<x7<x8とし、y8<y7<y6<y5<y4<y3<y2<y1となる。
【0021】
その後、図中の基準点やその他図示しないアライメント・マーク同士を一致させてからウエハ1,2を直接接合し、直接接合された両ウエハをダイシングすることにより、センサ・チップができあがる。なお、上述のように基台側のウエハ1にレイアウトする固定電極同士の間隔を広くする代わりに、ダイアフラム側のウエハ2にレイアウトする可動電極2aの間隔を狭くするようにしてもよいことは明らかである。また、基準点を設ける位置は図2のものに限られず、例えばウエハの中心に設けるようにすれば、レイアウトの際にずらす量は最も小さくてすむ。さらに、上記においては電極の位置をずらすだけであって、電極の大きさを変えることはしなかったが、熱膨張を考慮して各電極の大きさを変えるようにしてもよい。
【0022】
以上においては、ダイアフラムおよび基台の材料として、サファイアを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えばシリコン、ガラスまたはダイヤモンド等の単結晶材料を用いてもよい。また、参照電極は必須の構成でなく、必要に応じて付加すればよい。したがって、本発明には可動電極および固定電極のみを用いた構成も含まれる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明は、前記受圧用のダイアフラムを形成するための第1のウエハの温度を、前記基台を形成するための第2のウエハの温度よりも高温にしてから、前記第1および第2のウエハを接合することとしたので、接合後に熱膨張していたダイアフラムが収縮するため、ダイアフラムに撓みが生じることを防ぐことができる。また、熱膨張を考慮して可動電極および固定電極をレイアウトすることにより、張り合わせの際に生じる位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る容量式圧力センサの製造方法を説明するための説明図である。
【図2】(a)複数の可動電極および参照電極の形成されたウエハを示す平面図(各電極はウエハの裏面に形成されている)、(b)複数の凹部および固定電極の形成されたウエハを示す平面図である(各電極はウエハの表面に形成されている)。
【図3】(a)一般的な容量式圧力センサを示す平面図、(b)A−A’線における断面図である。
【図4】従来の製造方法で作製された圧力センサ(圧力が印加されていない状態)を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2…ウエハ、3,4…ウエハ保持機構、3a,4a…ヒータ、3b,4b…温度センサ、5,6…温度制御手段、10…圧力センサ。

Claims (4)

  1. 可動電極の形成された受圧用のダイアラムと、固定電極が形成されかつ前記ダイアフラムに接合された基台とを有する容量式圧力センサにおいて、
    前記可動電極が複数形成された第1のウエハの温度を、前記固定電極が複数形成された第2のウエハの温度よりも高温にしてから、前記第1および第2のウエハを接合し、
    これら接合されたウエハを切断する
    ことを特徴とする容量式圧力センサの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1のウエハに第1の基準点を設け、この第1の基準点に基づいて第1のウエハ上に複数の可動電極をレイアウトし、
    前記第2のウエハに第2の基準点を設け、この第2の基準点に基づいて第2のウエハ上に複数の固定電極をレイアウトし、
    前記レイアウトは、熱膨張した前記第1のウエハ上の可動電極と、前記第2のウエハ上の固定電極との接合時における位置ずれを防ぐようにして実施されることを特徴とする容量式圧力センサの製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記ウエハは、サファイア、シリコン、ガラスまたはダイアモンドからなることを特徴とする容量式圧力センサの製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記第1および第2のウエハの温度差を50℃以上150℃以下とすることを特徴とする容量式圧力センサの製造方法。
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