JP3557718B2 - 循環温浴器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、風呂の浴水を清浄化及び殺菌し同時に加熱しながら循環させる循環温浴器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活の快適さ便利さを追求して循環温浴器が普及しつつある。この循環温浴器は浴水を循環させ濾過装置で浴水を濾過して清浄化し、ヒーターを設けて浴水を加熱して多くは24時間いつでも入浴できるものである。
【0003】
そこで従来の循環温浴器について説明する。図2は従来の循環温浴器のシステムの概略全体図である。1は浴槽、2は浴水を循環する循環ポンプ、3は循環路、5は濾過装置で内部に濾過材4が充填されている。6は浴水の吸入口、7は排出口、8は循環する浴水を加熱するヒーター、9はオゾンガスを吸引するためのインジェクター、10はオゾンガスを発生させるオゾン発生装置である。
【0004】
以上のように構成された従来の循環温浴器について以下その動作を説明する。循環ポンプ2が回転して浴槽1内の浴水を吸入口6から吸引し循環が開始する。浴水はヒーター8に移送され適当な温度に加熱される。加熱された浴水は循環路3を経て濾過装置5に移送される。濾過装置5には細菌や他の微生物が固定された直径0.2mmから2mmの砂、セラミックボールまたは糸巻フィルター等からなる濾過材4が充填されており、この濾過材4に固定された細菌や他の微生物によって濁り成分の濾過材4への吸着と分解が行われ、浴水が濾過される。これらの細菌類はZoogloea ramigeraやSphaerotilusnatans等が適当(フジ・テクノシステム社「微生物の利用・応用技術資料集」昭和50年7月発行)とされている。濾過され清浄になった浴水はインジェクター9を通過するが、この際インジェクター9はオゾン発生装置10で発生したオゾンガスを吸引するので、浴水にオゾンガスが混合される。混合されたオゾンガスは浴水中に繁殖している細菌などを殺菌したり、残存している有機物等を酸化して分解するので、濾過材4に固定された細菌や他の微生物による分解がさらに容易になって濾過装置5の濾過性能を向上することができる。インジェクター9を通過した浴水は浴槽1に環流する。以上の循環操作を適当な間隔で繰り返して浴水の濁り成分を取り除いて清浄にし、さらに殺菌効果を持たせていつでも入浴することができるようにするものである。
【0005】
また、浴水の吸入口6にヘアーキャッチャー等を設け浴水に混入している比較的大きい形状の毛髪や垢及び脂肪分等を予備的に濾過し、濾過装置5の濾過寿命を長くしようとするものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、濾過装置に濾過材を設け、この濾過材に固定された細菌や微生物によって浴水中の濁り成分である垢や脂肪分等を捕捉し、浴水を濾過する方法は、細菌、微生物等が十分に固定され分解能力が発揮されるまでの運転開始初期の1か月程度の間は、頻繁に浴槽水を交換しなければならないという問題があった。
【0007】
また、これらの濁り成分の殆どは表面がマイナスに帯電し(ゼータ電位がマイナス)、浴水中では互いに反発し合って均一な乳濁液状(エマルジョン)となって分散し、このエマルジョンを除去するためには、濾過精度が0.1μm(0.1μmの粒子の殆どを濾過できるもの)の中空糸膜等を利用した精密濾過や、ゼータ電位がプラスに帯電した特殊なフィルターを使用して、ゼータ電位がマイナスの濁り成分を吸着除去しなければならず、濾過材のコストが高く、メンテナンスが煩雑である等の問題があった。
【0008】
また、山砂、セラミックボール、糸巻フィルター等は安価な濾過材であるが、ゼータ電位はマイナスに帯電しており、これらを濾過材に使用すると浴水中の濁り成分と反発し、殆どの濁り成分は濾過されずに通過してしまうという問題もあった。
【0009】
また、ヘアーキャッチャー等を設け、浴水に混入している比較的大きい形状の毛髪や垢及び脂肪分等を予備的に濾過する方法は、浴槽を使用する頻度が多い場合には容易に目詰まりし、ヘアーキャッチャー等を頻繁に清掃したり取り替えなければならないという問題があった。またヘアーキャッチャー等に雑菌が繁殖し、臭いを発生するという問題もあった。
【0010】
また、濾過材に捕捉された濁り成分を除去するため浴槽水を逆流させ逆洗すると、濾過材に一旦固定された細菌や他の微生物も同時に除去され、濁り成分である垢や脂肪分等の分解能力が低下するという問題もあった。
【0011】
そこで本発明は前記従来の問題点を解決するもので、運転開始初期から微小な濁り成分までを容易に濾過し、ヘアーキャッチャー等を設けることなく、逆洗浄作業が容易で、濾過材の閉塞寿命が長く、小型でメンテナンスが容易で衛生的な循環温浴器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、浴槽の浴水を循環させる循環ポンプと、一対の電極が設けられ循環される浴水を電気分解して電極のそれぞれから金属イオンを溶出させ水酸化物を生成する電解槽とを備え、電解槽で生成された水酸化物によって凝集された濁り成分を含有した浴水を濾過装置で濾過して浴槽に戻す循環温浴器であって、電極のそれぞれに印加される電圧は一定時間ごとに極性が切り替えられ、切り替え時には所定の時間だけ電圧の印加が停止されることを特徴とする。
【0013】
また、循環ポンプが電解槽と濾過装置の間に設けられていることが望ましい。また、電極がAl、Fe、Niまたはそれらの合金からなることが好ましい。
【0014】
また、電解槽に電力を制御して供給する制御部を設けたことを特徴とする。
また、浴水を加熱するヒーターを備えていることが望ましい。
【0015】
また、浴水の流量を検知する流量検知部を設けていることが好ましい。
【0016】
【作用】
本発明の循環温浴器は、浴槽の浴水を循環させる循環ポンプと、一対の電極が設けられ循環される浴水を電気分解して電極のそれぞれから金属イオンを溶出させ水酸化物を生成する電解槽とを備え、電解槽で生成された水酸化物によって凝集された濁り成分を含有した浴水を濾過装置で濾過して浴槽に戻し、電極のそれぞれに印加される電圧は一定時間ごとに極性が切り替えられ、切り替え時には所定の時間だけ電圧の印加が停止されるから、微小な垢や脂肪分等の濁り成分をフロック状にし、濾過装置で濾過して清浄な浴水に保つことができる。また、電極寿命が長く、電極表面への付着による劣化が殆どない。
【0017】
また、循環ポンプが電解槽と濾過装置の間に設けられているから、浴水と水酸化物を十分混合でき、水酸化物による濁り成分の凝集を容易にすることができる。
【0018】
また、電極がAl、Fe、Niまたはそれらの合金からなるから、それら金属の水酸化物を容易に形成することができる。
【0019】
また、電解槽に電力を制御して供給する制御部を設けているから、電解槽に設けた電極への電圧の極性を切り替えることができ、一定間隔で電力の供給をON−OFFすることができる。
【0020】
また、浴水を加熱するヒーターを備えているから、浴水を常に適温に保つことができる。
【0021】
また、浴水の流量を検知する流量検知部を設けているから、浴水の循環流量を制御することができ、浴水を効果的に濾過することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の一実施例の循環温浴器について図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施例における循環温浴器の概略全体図である。図1において、1は浴槽、2は循環ポンプ、3は循環路、4は濾過材、5は濾過装置、6は吸入口、7は排出口、8はヒーター、11は流量検知部、12は電解槽、13は電極、14a、14bは電磁弁、15は排水路、16は制御部である。従来例と同じ符号のものについては、動作、機能が基本的に同じであるので説明を省略する。制御部16から電力が循環ポンプ2に供給され循環ポンプ2が回転し、浴槽1の浴水が吸引され、矢印(実線)で示すように吸入口6から電解槽12に移送される。電解槽12は密閉容器で構成され、その一部に浴水が流入する流入口と電気分解された浴水が流出する流出口を備え、その内部に一対の電極13が対向して設けられている。電極13は制御部16にそれぞれ接続されている。この電極13の形状は板状やメッシュ状等でよく浴水との接触面積が広くとれるものがよい。制御部16から直流電圧が印加されることで、循環される浴水を電気分解して陽極側からは金属イオンを溶出し水酸化物を生成する。この電極13はAl、Fe、Ni金属またはそれらの合金からなり、陽極と陰極には同じ金属あるいは合金同志を使用するのがよい。この合金はAl、Fe及びNiがそれぞれ単独に他の金属との間で合金化されたものや、Al、Fe及びNiの少なくとも2つ以上で形成されたものであればよい。ただし合金を形成する金属は人体に無害なものを選択することが大切である。生成した金属イオン及び金属水酸化物は陽イオンに帯電しており凝集力に優れ、陰イオンに帯電した垢及び脂肪分等の濁り成分を容易に凝集させることができる。
【0024】
凝集した濁り成分はフロックを形成し約40μm以上の大きさになって浴水中に混在、分散化する。一方陰極側へは浴水中のプラスに帯電したものが吸着される。ここで用いる電極13はAl、Fe、Niまたはそれらの合金からなるから、凝集力に優れた水酸化物を容易に形成し、人体に無害なものである。なかでもAl金属は人体に安全で、生成する水酸化物のゼータ電位が他のもに比べて高いため、ゼータ電位がマイナスの濁り成分を容易に凝集し易く、その酸化物は安定していて浴水を汚染することもなく、さらに電極洗浄した洗浄水が外部に流出しても環境を汚染する可能性はなく、電極13に適したものである。そこで本実施例ではAlの電極13を使用している。
【0025】
電解槽12を通過した浴水は、その直後か後方の適当な位置に循環ポンプ2を置くことによって、循環ポンプ2内を移送中に攪拌、混合され、さらに凝集効果が高くなる。すなわち循環ポンプ2はターボ型ポンプ等を用いているから、運転時に羽根車が回転し、この羽根車の回転が浴水の攪拌作用を生むものである。凝集効果を高めるためには循環ポンプ2は電解槽1と濾過装置5の間、できれば電解槽12の直後に設けるのがよい。これによって濾過装置5までのフロック形成時間を大きくすることができ、濁り成分を容易に凝集し、大きくなった濁り成分を効率的に濾過することができる。循環ポンプ2によって移送された濁り成分のフロックを含んだ浴水は、流量検知部11で流量を検知して制御部16が循環ポンプ2の回転数を制御することによって制御され、矢印(実線)で示すように電磁弁14aを経由して濾過装置5内に送られる。濾過装置5で浴水は濾過槽内に充填された濾過材4の表面を流下し、ここで濾過される。ここで浴水の流量は一般家庭の場合は20〜30L/分が適当で、これより多くなると金属イオンと金属水酸化物による凝集が十分でなくなったり、濾過材4に固定され濁り成分を捕捉して分解する細菌(Zoogloea ramigeraやSphaerotilus natans等)や他の微生物が離脱しやすくなったりする。またこれより流量が少なくなると、電解槽12に印加される電力が一定の場合には循環される浴水中に含まれる金属イオンの水酸化物の濃度が高くなり、浴槽1の浴水面に余剰の金属水酸化物の膜が形成され衛生的でなくなる。このために流量検知部11は循環する浴水の流量を常に検知し、循環系路の目詰まり等のよって所定の流量以下になった場合には、制御部16に信号を送って循環ポンプ2の運転を中断させるとともに、電解槽12への電力の供給を止め電解を中断することができる。
【0026】
濁り成分のフロックは濾過材4の表面に吸着されたり、多数の濾過材4の隙間に係留されて浴水は濾過される。濾過材4は、直径が約0.4mm〜1mmの球状のセラミックボール(例えばシリカとアルミナ等からなる)で構成されており、物理的に濾過できる濾過精度は約40μmであり、約40μm以上のフロックを形成した濁り成分は物理的に濾過することができる。濾過された浴水は電磁弁14bを通ってヒーター8によって適温に加熱され再び浴槽1に戻る。ここで制御部16は予め設定した設定流量になるように循環ポンプ2の回転数の制御を行うのである。さらに一対の電極13に所定の直流電流を連続して印加し、その後に一定時間OFF状態にし、ここでさらに極性を切り替えて再び一定時間直流電流を印加するという動作を繰り返すのである。この繰り返し動作は後述するように電極13に付着した濁り成分を離脱させ、電極寿命を伸ばすために有効な方法である。またヒーター8には浴水を所定の温度に保つために必要な電力を制御して供給する。ここでは図示していないが、温度センサを設けて浴水の温度を検知してヒーター8に供給する電力を制御している。
【0027】
以上のように構成された循環温浴器について、以下その動作を図1に基づいて説明する。図1は循環温浴器の概略構造図である。ここでは一対の電極13にAlを使用した場合について述べる。制御部16によって循環ポンプ2に通電すると、循環ポンプ2は回転し始め吸入口6から矢印(実線)で示すように浴槽1の浴水を吸引し始める。この浴水の所定の循環量は流量検知部11に記憶されている設定流量となる循環ポンプ2の回転数で決まり、制御部16はこの回転数になるよう循環ポンプ2を制御する。吸引された浴水は電解槽12に移送されて電気分解され、同時に電極13の陽極側にAlイオンが溶出する。この溶出したAlイオンは浴水の水酸基と反応し水酸化アルミニウムを生成する。この反応によって生成した水酸化アルミニウムは、微小な濁り成分を凝集させフロックを形成する。この凝集したフロックを含んだ浴水は循環路3を送られ、流量検知部11によって流量を検知され、電磁弁14aから矢印(実線)で示すように濾過装置5に移送される。この移送された浴水に含まれ凝集したフロックは40μm程度以上となっており十分大きいため、通常使用される砂、セラミックボールまたは糸巻フィルター等の濾過材4でも十分に濾過でき、浴水を清澄にすることができる。
【0028】
また物理的濾過の外にもこのフロックのゼータ電位はややプラスに帯電しており、セラミックボール及び糸巻フィルター等の通常使用される濾過材4のゼータ電位がマイナスに帯電していることから、クーロン力やファンデルワールス力が作用し濁り成分を電気化学的に吸着して、浴水を濾過することができる。
【0029】
このように濁り成分を凝集して約40μm程度以上の大きさのフロックを生成するため、濾過材4を通過するだけで容易に濁り成分を除去できるし、フロックのゼータ電位はややプラスに帯電しているから、濾過材4に吸着させて効率的に除去することもできる。また濾過材4に固定された細菌や他の微生物によって浴水中の濁り成分である垢や脂肪分等をさらに捕捉するから、微細な形状のものまで十分に濾過することができる。濾過された浴水は電磁弁14bからヒーター8に移送され、適温に加熱されて排出口7から浴槽1に排出される。この実施例のようにAlを電極にして、浴水中にAlイオン及びAl水酸化物を形成して濁り成分を凝集する方法は、他の金属に比べてゼータ電位が高く濁り成分を容易に凝集できるばかりでなく、寿命が永くそして人体に無害であり、Al酸化物によって浴水を汚染することがなく、循環温浴器用には適したものである。
【0030】
ところで、電解槽12に設けられた電極13の陽極はAlイオンの溶出により、微量ながら少しづつ消耗し、陰極表面にはプラスに帯電したイオンや濁り成分が付着して、電極表面が酸化される。このため電極13の極性を変えずに電解操作を続けると、付着成分によって電解電流が低下して陽極からのAlイオンの溶出量が減少し、そのため濁り成分の凝集能力が落ちて、一般的には約1週間程度で電解操作を続けることができなくなる。そこでこの実施例では制御部16から電極13に印加する電圧を一定時間ごとに極性を切り換えるように制御した。上述したようにこの電極13は陽極、陰極ともAl金属で構成されているので、電極13の極性が切り換えられても陽極側からAlイオンを生成し、Al水酸化物を容易に生成することができる。また同時に電極13の陽極側の表面に形成される酸化アルミニウム等の生成物は、この極性切り替えによって除去され、電極13の表面は常にAl金属が露出していることになる。しかしながら、電極13の極性を単に切り換えると、それぞれの電極表面に付着していた物質上にさらに新たな付着物が付着するため、かえって電極寿命を短くすることが生じる。これを防ぐために本実施例においては電極13の極性切り換え時に一定時間だけ電圧を印加するのを止め、その後に極性を切り替えて電圧の印加を開始する。このように一定時間の間電圧の印加を止めると、クーロン力等によって電気的に吸着され電極表面に付着していた付着物は吸着から解放され自由になる。この解放され自由になった付着物は電解槽12内を移送する浴水の水流によって剥離され、浴水と共に濾過装置5に移送されて濾過される。その後に電極13の極性を切り換えることで、電極表面がクリーニングされてから極性を切り換えることができるのである。この電圧の印加を止める時間は通電時間と同じ程度の長さかそれ以下でよく、浴水の濁り成分の程度によってその時間を設定すればよい。濁り成分が多いときには電圧印加の停止時間を短くするとともに、電極13の極性切り替え間隔も短くすればよい。
【0031】
ここで濁度3程度の通常の濁り成分の浴水を循環させ、電極13に20mm×40mm×3mmtの大きさのAl金属を使用し、60mAの電流を約1時間通電して約15分間停止し、その後極性を切り換えて約1時間通電して再び約15分間停止し、再び極性を切り換えて約1時間運転するという操作を1日に1サイクル繰り返したところ、約1年間使用することができた。この電極13の寿命は、Alイオンの溶出による消耗であり、電極表面への付着による劣化の影響は殆どなかった。
【0032】
この実施例では、電解槽13内で短時間に濁り成分のフロックを形成しているから、使用する濾過材4の直径を約0.4mm以上と大きくでき、濁度が3程度の浴水を1以下にする時間は約1時間程度と短いものである。凝集剤を加えてフロックを形成させる従来の方法ではフロック形成に要する時間が長くなって、濁度を1以下にするには約12時間程度要するのに比べその効果は顕著である。さらにここでは濾過材4にセラミックボールを使用しているが、砂、硝子ボールまたは糸巻フィルター等でもよくその材質に影響されない。またこれらの濾過材4の濾過精度が約250μm程度と粗くても大部分のフロックは濾過材4に吸着されて濾過されるので、この程度の濾過材4であっても充分であって濾過精度の小さいものを使用する必要はなく、価格を低く抑えることができる。また濾過材4の大きさは直径が約0.1mm〜2mm程度と広く分布していても、なんら濾過効果に影響を与えない。また形状も球形、立方形等、浴水との接触面積が大きく、濁り成分を捕捉して分解する細菌や微生物を固定しやすい形状であればどのようなものでもかまわない。
【0033】
一方、浴水を繰り返し循環していると、濾過装置5内の濾過材4の表面に濁り成分が付着し堆積して目詰まりを起こしたり、濾過材4に固定された細菌や微生物による濁り成分の分解能力が低下して、濾過能力が著しく低下する。これを防ぐために本実施例では1日に2回程度、逆洗浄操作(逆洗)によって濾過装置5内を洗浄する。そこでこの逆洗について説明する。浴水は濾過されながら循環されるが、所定の時間になると、制御部16に設けられたタイマーが作動し、制御部16は電磁弁14aに切り換え信号を伝達し、電磁弁14aの流路をA−BからB−Cに切り替える。次に電磁弁14bに切り換え信号を伝達し、電磁弁14bの流路をE−FからD−Eに切り替える。こうすることによって浴槽1から循環ポンプ2で吸引された浴水は、電解槽12及び流量検知部11を流れ、電磁弁14bの流路D−Eから濾過装置5に達する。濾過装置5の下部から上部に移送される浴水によって、濾過材4は洗浄水である浴水中に攪拌され浮遊し、濾過材4が互いに衝突を繰り返し、表面に付着している濁り成分が剥離し、濾過材4は洗浄される。この濁り成分を含んだ浴水は排水路15から排水される。このようにして逆洗操作が終了し、制御部16からの切り換え信号によって電磁弁14aの流路をB−CからA−Bに切り換え、電磁弁14bの流路をD−EからE−Fに切り換えて再びもとの浴水の循環濾過操作に戻るのである。
【0034】
この実施例ではヒーター8は濾過装置5の下流に設けているが、この位置に限定されることなく循環温浴器内のいずれの循環路3に設けてもよく、最も効果的に加熱でき保温が容易にできる位置を選べばよい。また上記の流路以外に浴槽1にヒーター8を直接設けてもよい。この場合にはヒーター8のメンテナンスが容易になり、浴水の循環が不要なときには浴水の循環を止めたまま加熱することができる。
【0035】
また、循環温浴器内部に発生した雑菌などを除去するために活性炭槽等(図示せず)を設けるのも適当である。この場合にはこれを濾過装置5とヒーター8の間に設けるのがよく、この設けた活性炭槽等によって雑菌が吸着除去されるだけでなく、浴水中の溶解性有機物や臭い成分を除去することもできる。一方、活性炭槽を濾過装置5と電磁弁14bの間に設け、ヒーター8を活性炭槽と流量検知部11との間のいずれかの場所に設けておくと、逆洗操作時にヒーター8に通電して逆流する浴水を60〜70℃程度に加熱することによって、活性炭槽や濾過装置5の内部を同時に熱湯再生、熱湯殺菌し、加熱された熱湯は排水路15から排水することができる。このように浴水の循環路3に電解槽12を設け、電極13を溶出させて水酸化物を生成し、生成した水酸化物によって濁り成分を凝集してフロックにし濾過装置5で濾過する方法は、ヘアーキャッチャー等を設けて予備的に浮遊物などを除去する煩雑さがなく、運転開始初期から微小な濁り成分までを容易に濾過でき、濾過速度が速く、逆洗操作による熱湯再生と熱湯殺菌が可能で、安価な濾過材4を使用して衛生的な浴水を循環することができ、殺菌されて清澄になった浴水のみを浴槽に満たすことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように本発明によれば、浴槽の浴水を循環させる循環ポンプと、一対の電極が設けられ循環される浴水を電気分解して電極から金属イオンを溶出させ水酸化物を生成する電解槽とを備え、電解槽で生成された水酸化物によって凝集された濁り成分を含有した浴水を濾過装置で濾過して浴槽に戻し、電極のそれぞれに印加される電圧は一定時間ごとに極性が切り替えられ、切り替え時には所定の時間だけ電圧の印加が停止されるから、運転開始初期から微小な濁り成分までを容易に濾過し、逆洗操作が容易で、濾過材の閉塞寿命が長く、メンテナンスを容易にすることができる。また、電極寿命が長く、電極表面への付着による劣化が殆どない。
【0037】
また、循環ポンプが電解槽と濾過装置の間に設けられているから、電極から溶出する金属の水酸化物によって微細な濁り成分を大きな形状に凝集することができる。
【0038】
また、電極がAl、Fe、Niまたはそれらの合金からなるから、金属の水酸化物が形成しやすく、安全で衛生的な電極にすることができる。
【0039】
また、電解槽に電力を制御して供給する制御部を設けているから、電極の極性切り換えが容易で、逆洗操作を繰り返し行うことができる。
【0040】
また、浴水を加熱するヒーターを備えているから、浴水の温度を自由に換えることができる。
【0041】
また、浴水の流量を検知する流量検知部を設けているから、電極の水酸化物が浴水中に過剰に生成するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における循環温浴器の概略全体図
【図2】従来の循環温浴器のシステムの概略全体図
【符号の説明】
1 浴槽
2 循環ポンプ
3 循環路
4 濾過材
5 濾過装置
6 吸入口
7 排出口
8 ヒーター
9 インジェクター
10 オゾン発生装置
11 流量検知部
12 電解槽
13 電極
14a、14b 電磁弁
15 排水路
16 制御部
Claims (6)
- 浴槽の浴水を循環させる循環ポンプと、一対の電極が設けられ循環される浴水を電気分解して前記電極のそれぞれから金属イオンを溶出させ水酸化物を生成する電解槽とを備え、前記電解槽で生成された水酸化物によって凝集された濁り成分を含有した浴水を濾過装置で濾過して前記浴槽に戻す循環温浴器であって、前記電極のそれぞれに印加される電圧は一定時間ごとに極性が切り替えられ、切り替え時には所定の時間だけ電圧の印加が停止されることを特徴とする循環温浴器。
- 前記循環ポンプが前記電解槽と前記濾過装置の間に設けられたことを特徴とする請求項1記載の循環温浴器。
- 前記電極がAl、Fe、Niまたはそれらの合金からなることを特徴とする請求項1または2記載の循環温浴器。
- 前記電解槽に電力を制御して供給する制御部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の循環温浴器。
- 浴水を加熱するヒーターを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の循環温浴器。
- 浴水の流量を検知する流量検知部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の循環温浴器。
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