JP3563377B2 - フリップフロップ回路 - Google Patents

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    • H03K3/356Bistable circuits
    • H03K3/3562Bistable circuits of the primary-secondary type
    • H03K3/35625Bistable circuits of the primary-secondary type using complementary field-effect transistors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスタースレーブ方式のフリップフロップ回路に関し、特に、クロック信号の切り替わりから出力までの信号伝播遅延時間を低減し、高速動作を可能とするフリップフロップ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、回路の動作周波数は、CMOSロジック回路においても、GHzのオーダーが要求されており、このためには、論理合成により回路を作成する場合、フリップフロップの動作速度の向上は必須である。
【0003】
図9(a)及び(b)は従来のフリップフロップ回路を示す回路図である。図9(a)及び(b)に示すフリップフロップ回路(以下、従来技術1という)においては、データ入力端子70がクロックドインバータ75の入力端子へ接続され、クロックドインバータ75の出力端子はインバータ78の入力端子に接続されている。前記インバータ78の出力端子はクロックドインバータ76の入力端子に接続され、クロックドインバータ76の出力端子はインバータ78の入力端子に接続されて閉ループが構成されている。クロック信号入力端子71に入力されたクロック信号はインバータ81で反転されて反転クロック信号CBが生成し、更にインバータ82で反転されて正転クロック信号Cが生成する。
【0004】
クロックドインバータ75の反転入力端子には正転クロック信号Cが入力され、正転入力端子へは反転クロック信号CBが入力されている。前記閉ループ内のクロックドインバータ76の反転入力端子には反転クロック信号CBが入力され、クロックドインバータ76の正転入力端子には正転クロック信号Cが入力される。
【0005】
これにより、クロック信号の立ち上がりエッジにより、データを閉ループ内に保持するマスターラッチが構成される。マスターラッチ内のインバータ78の出力端子はインバータ79の入力端子に接続されている。このインバータ79の出力端子はPチャネルデータ転送ゲート73及びNチャネルデータ転送ゲート74の入力側に接続されている。
【0006】
Pチャネルデータ転送ゲート73のゲート入力端子には反転クロック信号CBが入力され、Nチャネルデータ転送ゲート74のゲート入力端子には正転クロック信号Cが入力される。また、Pチャネルデータ転送ゲート73及びNチャネルデータ転送ゲート74の出力側はインバータ83を介してデータ出力端子72に接続されている。更に、Pチャネルデータ転送ゲート73及びNチャネルデータ転送ゲート74の出力側はインバータ80の入力端子に接続され、このインバータ80の出力端子はクロックドインバータ77の入力端子に接続され、クロックドインバータ77の出力端子はインバータ80の入力端子に接続されて閉ループが構成されている。前記閉ループ内のクロックドインバータ77の反転入力端子には正転クロック信号Cが入力され、クロックドインバータ77の正転入力端子には反転クロック信号CBが入力されている。
【0007】
上述の如く構成された従来技術1においては、クロック信号端子71に入力されるクロック信号の立ち上がりエッジによってPチャネルデータ転送ゲート73及びNチャネルデータ転送ゲート74が開く。そして、マスターラッチに保持されていた値はクロック信号の立ち上がりエッジによりPチャネルデータ転送ゲート73及びNチャネルデータ転送ゲート74を介してインバータ83に転送されてデータ出力端子72へ出力される。
【0008】
図10は従来の他のフリップフロップ回路(以下、従来技術2という)を示す回路図である。なお、図10において、図9と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。この従来技術2のフリップフロップ回路は、従来技術1のインバータ2段分(インバータ81,82)の遅れによる出力信号の遅れを改善するために、入力端子71に入力されたクロック信号を直接Nチャネルデータ転送ゲート87に入力している点が従来技術1と異なり、それ以外の構成は、従来技術1と同じである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1においては、Nチャネルデータ転送ゲート74が開くタイミングは、インバータ81、82のゲート遅延分の遅れ(後述の図2に示すT1+T2)を生じる。このため、データ出力端子72での変化にも遅れが生じるという問題点がある。
【0010】
また、従来技術2においては、クロック信号が理想波形の場合は、従来技術1における遅延を改善することができる。しかし、実製品上、クロック信号には、配線容量等によりなまりが発生している。クロック信号の立ち上がりの波形なまりによる遅延の影響を図4に示し、クロック信号の立ち下がりの波形なまりによる遅延の影響を図5に示す。詳細は後述するが、信号の立ち下がりに波形なまりがある場合(図5)、波形なまりが少ない領域(グラフ上、波形なまりが1ns以下)では、従来技術1より遅延は少なくなっているが、それ以上の波形なまりが多い領域では、従来技術1より遅延が増えてしまう。このように、図10に示すように、クロック信号を直接データ転送ゲート74に入力した回路では、クロック信号の入力波形のなまりが増加するにつれて遅延の悪化が顕著となるため、波形のなまりの少ない理想状態では、高速動作が可能であるが、通常波形なまりが存在する実製品においては、使用困難である。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、クロック信号に波形なまりが存在しても、クロック信号の切り替わりから出力までの信号伝播遅延時間を低減し、高速動作できるフリップフロップ回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係るフリップフロップ回路は、マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、Pチャネルデータ転送ゲートと第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートとが並列に接続されて構成されており、前記Pチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転クロック信号が入力され、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記正転クロック信号が入力され、前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力されることを特徴とする。
【0013】
本願第2発明に係るフリップフロップ回路は、マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲートとNチャネルデータ転送ゲートとが並列に接続されて構成されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力され、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートに前記正転クロック信号が入力され、前記Nチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転クロック信号が入力されることを特徴とする。
【0014】
本願第3発明に係るフリップフロップ回路は、マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、高電位側電源と低電位側電源との間に縦列に接続された第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲート並びに第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートと、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートに並列に接続された第3のPチャネルデータ転送ゲートとを有し、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートと前記第1のNチャネルデータ転送ゲートとの接続ノードが前記スレーブフリップフロップに接続されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲート及び前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートが前記マスターフリップフロップに接続されており、前記第2及び第3のPチャネルデータ転送ゲートの一方のゲートに前記正転信号が入力され、他方のゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力され、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転信号が入力されることを特徴とする。
【0015】
本願第4発明に係るフリップフロップ回路は、マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、高電位側電源と低電位側電源との間に縦列に接続された第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲート並びに第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートと、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートに並列に接続された第3のNチャネルデータ転送ゲートとを有し、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートと前記第1のNチャネルデータ転送ゲートとの接続ノードが前記スレーブフリップフロップに接続されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲート及び前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートが前記マスターフリップフロップに接続されており、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転信号が入力され、前記第1及び第3のNチャネルデータ転送ゲートの一方のゲートに前記正転信号が入力され、他方のゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力されることを特徴とする。
【0016】
これらのフリップフロップ回路において、前記入力端子に入力されたクロック信号を直接入力するデータ転送ゲートのゲート幅は、前記正転クロック信号が入力されるデータ転送ゲートのゲート幅と同じかそれよりも小さいことが好ましい。また、前記マスターフリップフロップ及び前記スレーブフリップフロップは、例えば、インバータと、このインバータの出力端子に入力端子が接続され前記インバータの入力端子に出力端子が接続されたクロックドインバータとを有する。
【0017】
本発明においては、マスターフリップフロップとスレーブフリップフロップとの間のデータ転送素子を構成する1個のNチャネル又はPチャネルのデータ転送ゲートに並列に1個のNチャネル又はPチャネルデータ転送ゲートを接続して、一方のNチャネル又はPチャネルのデータ転送ゲートのゲートに対して、クロック信号入力端子に入力されたクロック信号を直接入力し、他方のNチャネル又はPチャネルデータ転送ゲートのゲートに対して、直列に2段接続されたインバータにより正転される共に波形整形された正転クロック信号を入力している。
【0018】
このため、このフリップフロップ回路においては、マスタースレーブ間をクロック信号によって開閉するとき、クロック信号により先ずデータ転送素子のクロック信号が直接入力されるNチャネル又はPチャネルのデータ転送ゲートが開き、次に反転クロック信号によりPチャネル又はNチャネルデータ転送ゲートが開き、最後に直列に2段接続されたインバータにより正転した正転クロック信号により、Nチャネル又はPチャネルデータ転送ゲートが開くという動作を行う。
【0019】
従って、データ転送素子が開閉するタイミングがクロック信号の切り替わりタイミングに対して遅れることが少なくなり、クロック信号の切り替わりからフリップフロップ回路の出力までの信号伝播遅延時間が低減する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係るフリップフロップ回路について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図、図2はこの第1の実施例に係るマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路の動作を示すタイミングチャート図である。
【0021】
データ入力端子1及びクロック信号入力端子2には、夫々データ信号及びクロック信号が入力される。データ入力端子1に入力されたデータ信号は、クロックドインバータ7に入力され、クロックドインバータ7の出力はインバータ10に入力される。インバータ10の出力はインバータ11に入力されると共に、クロックドインバータ8に入力され、クロックドインバータ8の出力端子はインバータ10の入力端子に接続されて、閉ループを構成している。インバータ10及びクロックドインバータ8によりマスターフリップフロップが構成される。
【0022】
インバータ11の出力端子には、Pチャネルデータ転送ゲート4及びNチャネルデータ転送ゲート5,6の並列接続体からなるデータ転送素子が接続されている。このPチャネルデータ転送ゲート4及びNチャネルデータ転送ゲート5,6からなるデータ転送素子の出力側には、インバータ13及びクロックドインバータ9の閉ループからなるスレーブフリップフロップが接続されている。そして、インバータ13の入力端子及びクロックドインバータ9の出力端子には、インバータ12を介してデータ出力端子3が接続されている。
【0023】
クロック信号入力端子2には、インバータ14が接続されており、更にインバータ14の出力端子には、インバータ15が接続されている。これにより、インバータ14の出力端子から反転クロック信号CBが生成され、インバータ15の出力端子から正転クロック信号Cが生成される。また、クロック信号入力端子2に入力されたクロック信号は直接Nチャネルデータ転送ゲート6のゲートに入力されている。
【0024】
クロックドインバータ7の反転入力端子にはクロック信号入力端子2からインバータ14,15を介して正転した正転クロック信号Cが入力され、クロックドインバータ7の正転入力端子へはクロック信号入力端子2からインバータ14を介して反転した反転クロック信号CBが入力される。前記閉ループ内のクロックドインバータ8の反転入力端子には、反転クロック信号CBが入力され、クロックドインバータ8の正転入力端子には、正転クロック信号Cが入力される。これにより、クロック信号の立ち上がりエッジにより、データを閉ループ内に保持するマスターラッチが構成される。
【0025】
Pチャネルデータ転送ゲート4のゲート入力端子には反転クロック信号CBが入力され、Nチャネルデータ転送ゲート5のゲート入力端子には正転クロック信号Cが入力され、Nチャネルデータ転送ゲート6のゲート入力端子には、前述の如く、クロック信号入力端子2からクロック信号が直接入力されている。Pチャネルデータ転送ゲート4、Nチャネルデータ転送ゲート5,6からなる並列接続体の出力側に接続されたインバータ13の出力端子はクロックドインバータ9の入力端子に接続され、クロックドインバータ9の出力端子はインバータ13の入力端子に接続されて閉ループが構成されている。この閉ループ内のクロックドインバータ9の反転入力端子には正転クロック信号Cが入力され、クロックドインバータ9の正転入力端子には反転クロック信号CBが入力されている。
【0026】
このような構成により、マスターラッチ(マスターフリップフロップ)に保持されていたデータはクロック信号の立ち上がりエッジにより、Pチャネルデータ転送ゲート4及びNチャネルデータ転送ゲート5、6を介して、インバータ12に転送され、インバータ12を介してデータ出力端子3へ出力される。
【0027】
図3は本実施例のクロックドインバータをトランジスタレベルで示す回路図である。本実施例のクロックドインバータは、例えばPチャネルゲート66、67及びNチャネルゲート68、69が電源電位VDDと接地GNDとの間に縦列接続されており、Pチャネルゲート66が電源電位VDDに接続され、Nチャネルゲート69が接地GNDに接続されている。Pチャネルゲート66及びNチャネルゲート69のゲートにデータ入力端子62が接続されており、Pチャネルゲート67のゲートにクロック信号入力端子63が接続され、Nチャネルゲート68のゲートにクロック信号入力端子64が接続されている。そして、Pチャネルゲート67とNチャネルゲート68との間にデータ出力端子65が接続されている。クロック信号入力端子63、64の一方には反転クロック信号CBが入力され、他方には正転クロック信号Cが入力される。
【0028】
本実施例においては、クロック信号が直接入力されるNチャネルデータ転送ゲート6のゲート幅は、正転クロック信号が入力されるNチャネルデータ転送ゲート5のゲート幅に対し、同じか、又はそれよりも小さい幅で形成されている。これにより、クロック信号入力端子2を直接Nチャネルデータ転送ゲート6に接続してもクロック入力端子2の容量の増加が少なくなる。例えば、0.15μmプロセスで、クロック入力端子2の容量は従来回路の場合は4.7fFであるのに対し、本発明回路の場合は5.1fFとなり、本発明の場合は0.4fF増加するものの、本発明によれば、この程度の入力端子容量の増加で、後述するように入力クロック信号に波形なまりがある場合でも高速化を実現できる。
【0029】
以下、本実施例の動作について図1及び図2を参照して説明する。マスターラッチに取込まれたデータ入力信号は、クロック信号の立ち上がりタイミングで、データ転送ゲートが開くことにより、出力端子3へ伝達される。
【0030】
先ず、クロック信号の立ち上がりタイミングで、Nチャネルデータ転送ゲート6が開き、次に、図2に示すように、反転クロック信号CBがインバータ14のゲート遅延T1だけ遅れたタイミングで立ち下がり、これによりPチャネルデータ転送ゲート4が開く。最後に、図2に示すように、正転クロック信号Cがインバータ14、15のゲート遅延T1+T2分遅れて立ち上がり、このタイミングでNチャネルデータ転送ゲート5が開き、マスターラッチの値が出力端子3に伝達される。このようにして、クロック信号の立ち上がりタイミングと同時にデータ転送ゲート6が開くため、データ転送速度の向上を図ることができる。
【0031】
また、データ転送ゲート6のゲートにクロック入力信号を直接入力しているので、クロック信号の立ち上がりからデータ出力までの信号伝播遅延時間を低減でき、高速動作を実現できる。
【0032】
また、クロック信号を2段のインバータ14,15で正転した正転クロック信号Cを使用して、他方のNチャネルデータ転送ゲート5を切り替えているので、このNチャネルデータ転送ゲート5は、2段のインバータ14,15により波形整形された信号で切り替えられることになり、クロック入力信号の波形が配線等によってなまった場合でも、Nチャネルデータ転送ゲート5はこの波形なまりの影響が少ない正転クロック信号Cで切り替えられるため、波形なまりが大きい場合の遅延を防止でき、高速動作を実現できる。
【0033】
図4及び図5は、横軸に波形なまり、縦軸に遅延時間をとって、本発明の第1実施例と従来技術1及び従来技術2とにおいて、クロック入力信号の波形なまりと、この波形なまりに依存する遅延との関係を示すグラフ図である。図4はクロック入力信号の立ち上がりの波形なまりによる遅延を示し、図5はクロック入力信号の立ち下がりの波形なまりによる遅延を示す。
【0034】
本実施例の場合、従来技術1と比較して、波形なまりが小さい場合もまた大きい場合も全ての範囲の波形なまりに対して、遅延が少ないことがわかる。また、従来技術2においては、波形なまりが増大するにつれて遅延の増加が著しいのに対し、本実施例においては、波形なまりが大きくなっても遅延の増大は少ない。図5に示す立ち下がりの場合のデータにおいては、波形なまりが0.75n秒を超えると、本実施例の遅延は従来技術2の場合より小さくなる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は本発明の第2の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。なお、図6において、図1乃至図3に示す第1の実施例と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
本実施例の回路は、クロック入力信号の立ち下がりエッジでホールドされるマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路である。本実施例は、第1実施例と比較して、データ転送ゲートのPチャネル転送ゲートをPチャネル転送ゲート4、20の2段構成とし、一方のPチャネル転送ゲート4にはクロック入力端子2に入力されたクロック入力信号が直接入力され、もう一方のPチャネル転送ゲート20にはインバータを2段介した正転クロック信号Cが入力されている。また、Nチャネル転送ゲート6にはインバータを1段介した反転クロック信号CBが入力されている。そして、Pチャネルデータ転送ゲート4のゲート幅は、もう一方のPチャネルデータ転送ゲート20のゲート幅と同じか、又はそれより小さい幅で構成されている。それ以外の構成は第1の実施例と同じである。
【0037】
上述の如く構成された本実施例のフリップフロップ回路においては、クロック信号の立ち下がりタイミングと同時にデータ転送ゲートが開くため、高速動作を実現できる。また、クロック入力信号に波形なまりが存在した場合でも、インバータ14,15の2段のインバータで波形整形された正転クロック信号Cにより制御されるPチャネル転送ゲート20を持つため、安定した高速動作が可能である。
【0038】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図7は本発明の第3の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。なお、図7において、図1乃至図3に示す第1の実施例と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施例のフリップフロップ回路はクロック信号の立ち下がりエッジで動作するタイプのフリップフロップ回路である。本実施例は、第1の実施例と比較して、データ転送部をクロックドインバータに置き換えた点が異なり、それ以外の構成は第1実施例と同じである。
【0040】
即ち、本実施例においては、Pチャネルゲート34,35及びNチャネルゲート37,38が電源電位VDDと接地電位GNDとの間に縦列接続されており、これにより、図3に示すクロックドインバータと同様のクロックドインバータが構成されている。そして、電源電位VDDに接続されたPチャネルゲート34のゲートと、接地電位GNDに接続されたNチャネルゲート38のゲートとがインバータ10の出力端子に接続されており、Pチャネルゲート35のゲートに、2段のインバータ14、15により正転したクロック信号の正転信号Cが入力され、Nチャネルゲート37のゲートに、1段のインバータ14により反転したクロック信号の反転信号CBが入力されている。Pチャネルゲート35とNチャネルゲート37との間の接続点はインバータ12を介してデータ出力端子3に接続されているが、このPチャネルゲート35とNチャネルゲート37との間の接続点と、Pチャネルゲート34とPチャネルゲート35との接続点との間には、Pチャネルゲート36が接続されている。このPチャネルゲート36のゲートには、クロック入力端子2に入力されたクロック信号が直接入力されている。
【0041】
上述の如く構成された本実施例のフリップフロップ回路においては、クロック信号の立ち下がりエッジでPチャネルゲート36が開く。これにより、クロック入力信号の立ち下がりエッジでデータがデータ出力端子3に出力される。このように、クロックドインバータのクロックが入力されるPチャネルゲートを、Pチャネルゲート35,36の2段構成にし、一方のPチャネルゲート36に直接クロック入力信号に入力し、他方のPチャネルゲート35にインバータ14,15を2段介して波形整形した正転クロック信号Cを入力することにより、高速動作が可能となる。なお、クロック信号入力端子2に入力されたクロック信号と、インバータ14,15により正転された正転クロック信号とのいずれか一方をPチャネルデータ転送ゲート35のゲートに入力し、他方をPチャネルデータ転送ゲート36のゲートに入力すればよく、その組み合わせは図7に示す実施例に限定されない。
【0042】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図8は本発明の第4の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。なお、図8において、図7に示す第3の実施例と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施例のフリップフロップ回路はクロック信号の立ち上がりエッジで動作するタイプのフリップフロップ回路である。本実施例においては、図7に示す第3の実施例に対し、データ転送部を構成するクロックドインバータのNチャネルゲート37に並列にNチャネルゲート39が接続されている。このNチャネルゲート39のゲートには、クロック入力端子2に入力されたクロック信号が直接入力されるようになっている。
【0044】
本実施例においては、クロック入力信号の立ち上がりでNチャネルゲート39が開き、クロック入力信号の立ち上がりエッジでデータ出力端子3にデータが出力される。このように、マスタースレーブ間のデータを転送するクロックドインバータのクロックが入力されるNチャネルゲートをNチャネルゲート37,39の2段構成にし、一方のNチャネルゲート39に直接クロック入力信号を入力し、2段のインバータ14,15を介して正転した正転クロック信号CをNチャネルゲート37に入力すると共に、Nチャネルゲート39のゲート幅をNチャネルゲート37のゲート幅と同じか、それよりも小さいゲート幅にすることにより、高速動作を得ることができる。本実施例においても、クロック信号入力端子2に入力されたクロック信号と、インバータ14,15により正転された正転クロック信号とのいずれか一方をNチャネルデータ転送ゲート37のゲートに入力し、他方をNチャネルデータ転送ゲート39のゲートに入力すればよく、その組み合わせは図8に示す実施例に限定されない。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、一方のデータ転送ゲートのゲート入力端子にクロック入力信号を直接接続しているので、クロック信号の立ち上がりからデータ出力までの信号伝播遅延時間を低減でき、高速動作を得ることができる。
【0046】
また、クロック信号をインバータを2段介して、波形整形された信号で他方のデータ転送ゲートを切り替えているため、クロック入力信号に配線等によって波形なまりが生じた場合でも、安定して高速動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るフリップフロップ回路のタイミングチャート図である。
【図3】本実施例のクロックドインバータをトランジスタレベルで示す回路図である。
【図4】横軸に波形なまりをとり、縦軸に遅延時間をとって、クロック入力信号の立ち上がりの波形なまりと遅延との関係を示すグラフ図である。
【図5】横軸に波形なまりをとり、縦軸に遅延時間をとって、クロック入力信号の立ち下がりの波形なまりと遅延との関係を示すグラフ図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である
【図7】本発明の第3の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係るフリップフロップ回路を示す回路図である。
【図9】(a)及び(b)は従来のフリップフロップ回路を示す回路図である。
【図10】従来の他のフリップフロップ回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1、62、70;データ入力端子
2、63、64、71;クロック信号入力端子
3、65、72;データ出力端子
4、20、34、35、36、66、67、73;Pチャネルデータ転送ゲート
5、6、37、38、39、68、69、74;Nチャネルデータ転送ゲート
7、8、9、75、76、77;クロックドインバータ
10、11、12、13、14、15、78、79、80、81、82、83;インバータ

Claims (6)

  1. マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、Pチャネルデータ転送ゲートと第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートとが並列に接続されて構成されており、前記Pチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転クロック信号が入力され、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記正転クロック信号が入力され、前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力されることを特徴とするフリップフロップ回路。
  2. マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲートとNチャネルデータ転送ゲートとが並列に接続されて構成されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力され、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートに前記正転クロック信号が入力され、前記Nチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転クロック信号が入力されることを特徴とするフリップフロップ回路。
  3. マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、高電位側電源と低電位側電源との間に縦列に接続された第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲート並びに第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートと、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートに並列に接続された第3のPチャネルデータ転送ゲートとを有し、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートと前記第1のNチャネルデータ転送ゲートとの接続ノードが前記スレーブフリップフロップに接続されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲート及び前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートが前記マスターフリップフロップに接続されており、前記第2及び第3のPチャネルデータ転送ゲートの一方のゲートに前記正転信号が入力され、他方のゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力され、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転信号が入力されることを特徴とするフリップフロップ回路。
  4. マスターフリップフロップと、スレーブフリップフロップと、前記マスターフリップフロップの出力を前記スレーブフリップフロップに転送するデータ転送素子と、クロック信号の入力端子と、前記入力端子に接続されてクロック信号の反転信号を出力する第1のインバータと、前記第1のインバータに接続されて前記クロック信号の反転信号を反転して正転信号を出力する第2のインバータと、を有するマスタースレーブ方式のフリップフロップ回路において、前記データ転送素子は、高電位側電源と低電位側電源との間に縦列に接続された第1及び第2のPチャネルデータ転送ゲート並びに第1及び第2のNチャネルデータ転送ゲートと、前記第1のNチャネルデータ転送ゲートに並列に接続された第3のNチャネルデータ転送ゲートとを有し、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートと前記第1のNチャネルデータ転送ゲートとの接続ノードが前記スレーブフリップフロップに接続されており、前記第1のPチャネルデータ転送ゲート及び前記第2のNチャネルデータ転送ゲートのゲートが前記マスターフリップフロップに接続されており、前記第2のPチャネルデータ転送ゲートのゲートに前記反転信号が入力され、前記第1及び第3のNチャネルデータ転送ゲートの一方のゲートに前記正転信号が入力され、他方のゲートに前記入力端子に入力されたクロック信号が入力されることを特徴とするフリップフロップ回路。
  5. 前記入力端子に入力されたクロック信号を直接入力するデータ転送ゲートのゲート幅は、前記正転クロック信号が入力されるデータ転送ゲートのゲート幅と同じかそれよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフリップフロップ回路。
  6. 前記マスターフリップフロップ及び前記スレーブフリップフロップは、インバータと、このインバータの出力端子に入力端子が接続され前記インバータの入力端子に出力端子が接続されたクロックドインバータとを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフリップフロップ回路。
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