JP3564112B2 - スペーサの回収方法 - Google Patents
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Description
[本発明の記載の見出し説明]
本発明の内容に関し、以下の順序で説明する。課題、解決手段、実施形態、実施例の各添え数字はそれぞれ対応して記載しています。
【0002】
(1)従来の技術
(2)発明が解決しようとする課題 課題1乃至課題13
(3)課題を解決するための手段 解決手段1乃至解決手段13
(4)発明の実施の形態 実施形態1乃至実施形態13
(5)実施例 実施例1乃至実施例13
(6)発明の効果 発明の効果1乃至発明の効果13
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地球環境を推進するために、ガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、即ちフェースプレート(前面ガラス基板)とリアプレート(後面ガラス基板)とが、枠を介して、フリットガラス等により気密接合されている構造を有するフラットパネルディスプレイを、廃棄のために解体処理する方法、フラットパネルディスプレイの再利用、さらにはこれに使用されている金属元素のうち、有害金属元素である鉛を分離回収し、その他の貴金属元素や希土類元素を有効再利用する方法、フリットガラスにより溶着された画像形成装置を分解し、そのフェースプレート、リアプレートを再生する方法、スペーサの回収および再利用方法、該蛍光体塗布部に電子線を照射又は紫外線を照射して発光させるフラットディスプレイ装置またはCRT(Cathode Ray Tube)からの蛍光体の回収方法及びディスプレイ装置の製造方法、分解、解体、再利用を好適とする画像表示装置、廃棄物などに含まれる有害金属量を検査する残留有害金属量の検査装置、フラットディスプレイパネルにおける蛍光体の回収方法および装置に関する。
【0004】
【従来の技術】
従来、廃棄される家電製品のほとんどはシュレッダー処理されて、金属などの有価物の回収後、残りは産業廃棄物として素掘りの穴に埋めるだけの「安定型処分場」に捨てられてきた。
【0005】
近年、処分場の容量不足の深刻化とともに、有害物質による環境汚染が問題となっている。一例をあげると、テレビのブラウン管には鉛入りガラスが多く使用されているが、環境庁の試算では廃棄されるブラウン管に含まれる鉛は毎年2万トンで、その多くが安定型処分場に埋め立てられている。しかし、安定型処分場には雨水が自然の状態で浸透し、排水施設も無いため、有害物質である鉛が拡散するおそれがあることが認識されるようになってきている。
このような状況の中で、従来の処理方法の見直しが迫られている。テレビのブラウン管については、ブラウン管ガラスをカレット(ガラス小片)化して、再びブラウン管に再利用するという実証研究が、財団法人家電製品協会によって行われている。その中で、テレビ本体からブラウン管を取り出してガラスカレットにするというシステムが開発されている(たとえば「電子技術」1997年11月号参照)。
【0006】
例えば、ガラスをカレットとして回収する方法としては、特開昭61−50688号公報などに示されている。また、ブラウン管ガラスをカレット化(ガラス小片)して、再びブラウン管に再利用する例(特開平9−193762号公報等)が、知られている。また、ブラウン管をフェースプレート部・ファンネル部と材質毎に分離し、カレット化する方法に関しては特開平05−185064号公報などに示されている。更にブラウン管をフェースプレート部とファンネル部とに分離し、蛍光体及びブラックマスクをフェースプレート部から剥離した後、フェースプレートを再生する方法としては特開平7−037509号公報に示されている。
【0007】
ブラウン管ガラスの再利用のためには、パネルガラスと鉛入りのファンネルガラスに区分けして処理する必要がある。これは、パネルガラスに鉛が所定量以上混入すると、ブラウニング現象が生じるため、鉛の混入したガラスはパネルガラスの原料としては再利用できなくなるためである。そのためにまず、パネル部とファンネル部に分離する工程があるが、これには、位置を規定して切断する方法(特開平9−115449号公報)や、パネル部とファンネル部を接合するフリットガラスを溶解して分離する方法(特開平7−45198号公報)が提案されている。
【0008】
フリットガラスで融着されたファンネル部とパネル部を分離する技術としては、例えば特開平5−151898号公報,特開平7−029496号公報,特開平9−200654号公報,特開平9−200657号公報などの公報に開示された熱処理時の熱歪みを利用してファンネル部とパネル部を分離するような技術が知られている。
【0009】
一方、近年、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行われてきている。冷陰極素子としては、表面伝導型放出素子や、電界放出型素子や、金属/絶縁層/金属型放出素子などが知られており、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒーターを必要とせず、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという各利点もある。
【0010】
冷陰極素子のなかでも特に表面伝導型放出素子は、構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31332号公報において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。
【0011】
また、表面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。
【0012】
特に、画像表示装置への応用としては、たとえば米国特許第5,066,883号明細書、特開平2−257551号公報、あるいは特開平4−28137号公報において開示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0013】
また、電界放出型素子を多数個ならべて駆動する方法は、たとえば米国特許4,904,895号の明細書に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、たとえば、R.Meyerらにより報告されたフラットディスプレイが知られている[R.Meyer:”Recent Development on Micro−tips Displayat LETI”, Tech. Digest of 4th Int. Vacuum Micro−electronics Conf., Nagahama,pp.6−9 (1991)]。
【0014】
また、金属/絶縁層/金属型放出素子を多数個並べて画像表示装置に応用した例は、たとえば特開平3−55738号公報に開示されている。
【0015】
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄いフラットディスプレイは省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。
また、上記画像形成装置中の気密容器の内部は、10のマイナス6乗Torr程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧差によるリアプレートおよびフェースプレートの変形あるいは破壊を防止する手段が必要となる。リアプレートおよびフェースプレートを厚くすることによる方法は、画像表示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、比較的薄いガラス板からなり、表面に帯電防止のための導電膜を形成したスペーサが設けられる場合が一般的である。
以上説明した電界放射型電子源ディスプレイ(FED)、MIM型ディスプレイに加えて、蛍光表示ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)などを含む、フラットディスプレイは省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されており、多くの研究開発が行われてきた。
【0016】
例えば、本出願人は冷陰極型の電子放出素子の一種である表面伝導型電子放出素子を基体上に多数配置した電子源と、これを用いた画像表示装置に関していくつかの提案を行っている。
【0017】
この表面伝導型電子放出素子の構成やこれを用いた画像表示装置の構成などに関しては、例えば特開平7−235255号公報に詳しく述べられているので、簡単に説明する。
【0018】
図68(a)(b)に表面伝導型電子放出素子の構成の一例を示す。411は基体、412,413は一対の素子電極、414は導電性膜で、その一部に電子放出部415を有し、電子放出素子416を構成する。
【0019】
電子放出部415を形成する方法としては、上記一対の素子電極412,413の間に電圧を印加して、上記導電性膜の一部を変形、変質ないし破壊して高抵抗することにより行う方法があり、これを「通電フォーミング処理」と称する。この方法により電子放出特性の良い電子放出部を形成するためには、上記導電性膜は導電性微粒子により構成されたものであることが好ましい。その材質としては、例えばPdO微粒子が挙げられる。通電フォーミング処理において印加される電圧は、パルス電圧が好ましく、図69(a)に示すような波高値が一定のパルスを印加する方法、あるいは図69(b)に示すような、波高値が漸増するパルスを印加する方法のいずれも適用できる。
【0020】
導電性微粒子膜を形成するには、ガスデポジション法により直接、導電性微粒子を堆積させることも可能であるが、導電性膜の構成元素を含む化合物(例えば有機金属化合物)の溶液を塗布し、これを熱処理などによって所望の導電性膜とする方法が、真空装置を必要とせず、製造コストが安く、大型の電子源を形成するのに適用しやすい、等の理由から望ましい方法である。また、上記有機金属化合物の溶液を塗布する方法としてはインクジェット装置を用いて必要な部分のみに塗布する方法が、導電性膜のパターニングのための余分な工程を必要としないため、一層望ましいものである。
【0021】
電子放出部を形成した後、有機物質を含む適当な雰囲気中で、素子電極間にパルス電圧を印加することにより(これを「活性化処理」と呼ぶ)、電子放出部とその近傍に炭素を主成分とする堆積膜が形成され、素子に流れる電流が増大し、電子放出特性も向上する。
【0022】
次いで、好ましくは「安定化処理」と呼ばれる工程を行う。これは、真空容器や電子放出素子を加熱しながら排気を続けることにより、有機物質などを十分に除去し、電子放出素子の特性を安定化させる処理である。
【0023】
このような、表面伝導型電子放出素子を用いた電子源の導電性膜を、インクジェット装置を用いて形成する方法に関しては、特開平8−273529号公報などに開示されている。
【0024】
インクジェット装置について簡単に説明する。インクジェット装置の、インクを吐出する方式には大きく分けて2つの種類がある。第1の方法は、ノズルに配設されたピエゾ素子の収縮圧力により液体の液滴を吐出する方法で、ピエゾジェット方式と呼ぶ。この方式は、導電体薄膜材料をインク溜に貯め、電気信号入力端子に所定の電圧を印加することにより、上記円筒形ピエゾが収縮し、液体を液滴として吐出させるものである。
【0025】
第2の方法は発熱抵抗体により液体を加熱発泡させ、これにより液滴を吐出する方法で、バブルジェット(登録商標)方式と呼ぶ。バブルジェット(登録商標)方式によるインクジェット装置は、発熱抵抗体が発熱して、液体が発泡し、これによりノズルから液滴が吐出される。
【0026】
上述のようなインクジェット装置を用い、所定の位置にのみ有機金属化合物の溶液を液滴として付与し乾燥させた後、加熱処理により該有機金属化合物を熱分解することにより、金属あるいは金属酸化物などの微粒子からなる導電性膜が形成される。
図1に画像表示装置の構成の一例を示す。図1において、1はリアプレート、2は基板2aの内面に蛍光膜2bとメタルバック2c等が形成されたフェースプレート、3は支持枠であり、リアプレート1、支持枠3およびフェースプレート2をフリットガラスで封着・密封して画像表示装置15を構成する。
【0027】
以上に記したような構成のフラットパネルディスプレイは、今後、その大型化と生産量の飛躍的増大が予想されている。また、これらのフラットパネルディスプレイについては封着に用いるフリットガラスに鉛が含まれており、また、画像形成部材をなす蛍光体2b、及びスペーサ4等は高コスト部材になっていることから、ブラウン管ガラスの場合と同様に、「無害化」,「減容化」,「再資源化」の面から回収システムの確立が重大な課題となっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
以下、本発明が解決しようとする課題をそれぞれ以下の順番で記載して、その順序に従って、解決手段及び実施形態更に実施例について説明する。
【0029】
[課題1]FPDは、ブラウン管とは構造が異なるため、別の処理方法が必要である。すなわちFPDは、ガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、即ちフェースプレートとリアプレートとが、枠を介してフリットガラスにより気密接合されている構造を有する。フリットガラスは、一般に低温焼成が可能なように、鉛成分の多いものが使用されている。
【0030】
ブラウン管と同様の理由で、ガラスの再利用のためには、鉛を含まないガラスと鉛入りのガラスとに区分けして処理する必要がある。さらにガラス以外の部材を再利用するにあたっても、鉛を除去する工程が必要である。
【0031】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、廃棄されるFPDの再利用を容易にするための処理方法を提供することである。
【0032】
[課題2]また、本発明の課題は、有害金属である鉛の分離回収方法や、貴金属元素や希土類元素等の希少元素の回収再利用方法も含めた解体処理方法を提供することである。
【0033】
[課題3]また、フラットディスプレイが製造過程での不良発生、あるいは耐用年数の経過などにより廃棄される場合、ディスプレイ全体をシュレッダー処理して廃棄すると廃棄量が多くなる。近年、産業活動に伴う廃棄物の発生を極力制御することが社会的に要請されており、部材の再利用は、緊急性の高い課題となっている。
【0034】
また、構成材料に有害元素等が含まれていた場合、分離して処理する必要がある。さらに、画像表示装置の性能を左右する電子放出素子を有するリアプレートは、均一な素子特性を得るために高価な基板を用いることが多い。中でも、リアプレート用基板の最初に形成する素子電極は、あとの工程でも耐えられる強固な材料を用いることが多い。
【0035】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は廃棄される画像表示装置の重要な構成部品であるリアプレートの再利用をし易くするための解体方法を提供することである。さらに、構成材料に含まれる鉛等の元素の分離回収方法を提供することである。さらに、リアプレート再生時に、複数構成される電子放出素子の電子放出部を含む導電性膜を最小限の原料で効率よく形成することである。
【0036】
[課題4]また、フラットディスプレイが製造過程での不良発生、あるいは耐用年数の経過などにより廃棄される場合、ディスプレイ全体をシュレッダー処理して廃棄するのは、構成材料に比較的高価な部材が含まれていることから経済的にも好ましくない。特に上述のスペーサは、パネル中に多数用いられている上に、その製造にはガラスの薄片化や導電膜の形成などを必要とする、非常に製造コストおよび時間がかかる部品である。また、ディスプレイが何らかの理由で廃棄される場合でも、その原因がスペーサの不良であることはごく希であり、再利用に支障がないことが多い。
【0037】
このような理由から、フラットディスプレイを廃棄する際に、スペーサを他の部材から分離して回収し、再利用することが望まれている。
【0038】
しかし今述べたように、スペーサは薄い板状であり、かつガラスを基板としているため、ディスプレイの分解途中で損傷を受けることが懸念されることから、損傷を受けないように回収することができる方法の開発が望まれている。
【0039】
[課題5]また、従来、使用後廃棄されたディスプレイ装置からの希土類元素の回収は殆ど行われてこなかった。
【0040】
この原因としては、(1).希土類元素のディスプレイ装置一台当たりの使用量が少なく回収が困難である、(2).希土類元素が単体ではなく化合物または合金の形で使用されているので単離にコストがかかる、(3).比較的安価な輸入希土類元素が、円高の影響でより安価に入手可能である、ことなどが挙げられる。
【0041】
しかしながら、環境保全及び希少元素資源の安定供給の面から、これらの材料のリサイクルの推進を行なっていくことが望まれ、工業製品からの希土類元素の回収方法は重要課題となる。尚、希土類元素は主に蛍光体中に含有されている。
【0042】
また、蛍光体中にはクロム及び硫黄元素も含有されており、環境保全の面からはこれらの回収も望まれている。
【0043】
一方、従来の方法で蛍光体を回収した後のフェースプレートは、その内面の平滑性がほとんど失われる。そのため、従来はカレット化して、安定型処分場に埋め立てる、ガラス素材として再利用に供するといった方法が採られてきた。更にカレット化を行なわずに、内面の平滑性を酸処理などによって再生しフェースプレートとして再利用するなどの方法も近年考案されてきている。しかし、安定型処分場はもはや飽和状態となってきており有効な方法ではなくなってきている。また酸処理は湿式処理であるためコスト及び作業環境上好ましくない。
【0044】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、ディスプレイ装置に含有される蛍光体を効率的に回収し、なお且つ内面の平滑性を保持したままで、または再生してフェースプレートを回収し、再利用する方法を提供するものである。
【0045】
[課題6]また、大気圧に対する低圧力に保たれた気密容器を有する画像表示装置を、分解、解体して再利用しようとするには、気密容器内を大気圧に戻す必要がある。大気圧にする際、該気密容器内部との圧力差が大きいほど、気密容器内部に急激に空気等のガスが流入し、気密容器内部を傷つけたり、気密容器を破壊することが多い。また、予期せぬ破壊が起こり、破片がまわりに飛び散る等安全上も好ましくない。加えて、CRTをカレット化し、ガラス材料として再利用する場合は、大きな問題にならなかったが、画像表示装置の各部材を最大限再利用することを考えると、これらの破壊は、資源保護の観点からみて、ごみ等の廃棄物を増やすだけでなく、エネルギー、労働力の浪費につながる。特に、FPDでは、容器内部にスペーサ等の耐大気圧構成部材を多く設けているため、これらの破損が激しく、耐大気圧構成部材が破損するだけでなく、破損した部材が画像表示装置の気密容器内部を傷つけ破損させ、これら部材の再利用を著しく妨げていた。また、スペーサは画像の乱れを防ぐため、側面形状を均一にしたり、画像表示装置の仕様に応じた導電率を持つ膜を均一にコートしたりと、他の部材に比べても大きなコストを占めている部材である。
【0046】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、画像表示装置を真空排気された気密内をスムーズに外部圧に戻すことにより、分解、解体する際、部材の再利用を可能にするものである。
【0047】
[課題7]また、フラットディスプレイが製造過程での不良発生、あるいは耐用年数の経過などにより廃棄される場合、ディスプレイ全体をシュレッダー処理して廃棄するのは環境上問題であり、かつ素子の構成材料に比較的高価な部材が含まれていることから経済的にも好ましくない。例えばスペーサはパネル中に多数用いられている上に、その製造にはガラスの薄片化や導電膜の形成などを必要とし、製造コスト及び時間を要する。またリアプレートやフェースプレート、支持枠においては、その状況に応じてリペアが必要な箇所に適当な処理をした上で再利用することも可能である。
【0048】
このような理由から、製造過程での不良発生および耐用年数の経過などによりフラットディスプレイを解体する際に、損傷なく部材を回収して再利用化を図ることや効率よく資源を回収することが望まれている。
【0049】
そこで本発明の目的は、フラットディスプレイを安全かつ簡易的な方法で各構成部材に分解する方法を提供すること及びこのような解体に適した構成を有するフラットディスプレイパネルを提供することにある。
【0050】
[課題8]また、ブラウン管やフラットパネルディスプレイなどの解体,分別処理においては、前述した環境汚染,破壊の問題から、再利用のための分別部材を回収した残りの廃棄物について有害金属量を定量的に検出して、その残留量が許容値以下であることを検査,確認する必要がある。そして、再利用のための分別部材についても、前述したブラウン管ガラスのように、鉛の有無により分別する必要性から、鉛(有害金属)の残留量を定量的に知りたいという要求がある。
【0051】
ここに、部材中の鉛を検出するには、例えば蛍光X線等により検査する方法が知られているが、それでは検査対象の部材全面を走査する必要があるため、カレット化したガラスなど検査対象が多数になると手間がかかり、検査し得る対象が限定され、そして定量的な検出は行えなく適用が難しい。
【0052】
そこで、本発明はそうした従来の課題に鑑みてなされたものであって、フラットパネルディスプレイなどの解体,分別処理に際して、ガラスからなる分別部材及び廃棄物等の検査対象に残留した鉛等の有害金属量を定量的に検出することができ、検査対象は特に制限なく各種の部材を検査でき、その定量検出を手間なく容易に行うことができる残留有害金属量の検査装置を提供することを目的とする。
【0053】
[課題9]また、フラットパネルディスプレイについて、リサイクルするための解体処理の技術はまだ開発途上にあり、従来公知の関連技術をそのまま流用することはできない。例えば前述した特開平9−193762号公報などに開示されたブラウン管ガラスの解体処理の技術を用いると、スペーサ4を分離させる際に、リアプレートまたはフェースプレートの重量が荷重されてしまい、このためスペーサを破損してしまうという問題があり、フラットパネルディスプレイの解体には適用できない。
【0054】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたものであって、解体処理を適切な工程により行えて、そのまま再利用し得るスペーサ等の構成部材を破損することなく回収でき、再資源化を好ましく図れるフラットパネルディスプレイの解体装置を提供することを目的とする。
【0055】
[課題10]また、FPDはブラウン管とは構造が異なるため、別の処理方法が必要である。上記のFPDはガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、即ちフェースプレートとリアプレートとが、枠を介して、フリットガラスにより気密接合されている構造を有する。フリットガラスは一般に低温焼成が可能なように鉛成分の多いものが使用されている。また、フリットガラスの他にも、配線材料や、フェースプレートの構成材料に鉛が含まれている場合がある。FPDの場合も、ブラウン管と同様の理由で、ガラスの再利用のためには、鉛を含まないガラスと鉛入りのガラスに区分けして処理する必要がある。さらにガラス以外の部材を再利用するにあたっても、鉛を除去する工程が必要である。
【0056】
鉛を除去するためには、酸やアルカリの水溶液を用いて鉛成分を選択的に溶解させて分離する方法が有効である。この方法を大規模に実施するためには、鉛を溶解させるための大量の水溶液と、その後の洗浄工程のための大量の水が必要である。また液体を加熱したり流動させたりするために、多くのエネルギーを投入しなければならない。その結果、処理コストが増大するという課題があった。
【0057】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は廃棄されるFPDを少ないコストで処理する方法を提供することである。
【0058】
[課題11]また、用後廃棄されたディスプレイからの希土類元素の回収は殆ど行われてこなかった。この原因として、(1).希土類元素のディスプレイ1台当たりの使用量が少なく、その回収が困難であり自動化も進んでいない。(2).希土類元素が単体ではなく、化合物または合金の形で使用されているので単離にコストがかかる。(3).比較的安価な輸入希土類元素が、円高の影響でより安価に入手可能である。などの点が挙げられる。
【0059】
しかしながら、環境保全および希少元素資源の安定供給の面から、これらの材料のリサイクルの推進を行なっていく必要があり、工業製品からの希土類元素の回収方法は重要課題となってきている。CRTに関しては回収事業を開始した家電メーカがある一方で、フラットパネルディスプレイにおいても早急にリサイクルの推進を図る要請が高まっている。
【0060】
本発明はかかる実情に鑑み、フラットパネルディスプレイにおいて効率的かつ簡便に分解し、有効に特に蛍光体を回収し得る蛍光体の回収方法および装置を提供することを目的とする。
【0061】
[課題12]また、FPD(フラットパネルディスプレイ)はブラウン管とは構造が異なるため、別の処理方法が必要である。つまりFPDはガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、すなわちフェースプレート2とリアプレート1とが枠を介して、フリットガラスにより気密接合されている構造を有する。フリットガラスは一般に低温焼成が可能なように鉛成分の多いものが使用されている。また、フリットガラスの他にも、配線材料やフェースプレートの構成材料に鉛が含まれている場合がある。FPDの場合もブラウン管と同様の理由で、ガラスの再利用のためには、鉛を含まないガラスと鉛入りのガラスに区分けして処理する必要がある。さらにガラス以外の部材を再利用するにあたっても、鉛を除去する工程が必要である。
【0062】
鉛を除去するためには、酸やアルカリの水溶液を用いて鉛成分を選択的に溶解させて分離する方法(液体中処理)が有効である。この方法を大規模に実施するためには、鉛を溶解させるための大量の水溶液と、その後の洗浄工程のための大量の水が必要である。また液体を加熱したり流動させたりするために、多くのエネルギを投入しなければならない。そのためコストを抑制して短時間で処理を行うためには、廃棄FPDを解体して得られるガラス板を多数まとめて、液体中処理槽へ投入し、処理する必要がある、また、処理槽間を迅速に搬送するためには多数のガラス板を一括して送る搬送機構が必要となる。
【0063】
本発明はかかる実情に鑑み、効率的かつ的確な液体中処理を実現する基板処理方法および装置を提供することを目的とする。
【0064】
[課題13]また、基板ガラスを再利用するに際して、リアプレート1およびフェースプレート2を他の部材と分離する。そして基板上に形成された配線や素子等を除去してガラス単体の状態に戻した上で、そのまま基板として再使用し、あるいは一度カレット化した後新たに基板用のガラスあるいは他製品の原料として再利用することが可能である。
【0065】
ところが上記のようにガラス基板上には配線や電子放出素子、フリットガラス等の材料が構成されている上に、前述のように青板ガラスを基板として使用する場合には、あらかじめ表面に薄膜を形成している場合もある。このような材料の中にはガラス基板との密着性が極めて高いものや、あるいは一部の元素においては徐々にガラス基板中に拡散することが起こり得るため、基板ガラスとの完全な分離が困難なことがある。
【0066】
また、使用済みのガラスを一度カレット化した後に再利用する場合、カレット化したガラス中にガラス構成元素以外の元素が混入してしまうと、ガラスの物性および色に影響を及ぼす。したがって不純物元素の混入したガラスは再利用できないことがある。またそのまま基板として再使用するに場合でも、可能な限り初期のガラス基板に近い状態に戻すことが望まれる。
【0067】
本発明はかかる実情に鑑み、基板ガラスの有効かつ効率的な再利用を実現するガラス基板の処理方法を提供することを目的とする。
【0068】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決する手段として、上述の各発明が解決しようとする課題に対応した順序に従って、説明する。
【0069】
[解決手段1] 上記目的を達成するために本発明は、ガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、即ちフェースプレートとリアプレートとが、枠を介して、フリットガラスにより気密接合されている構造を有するFPDの解体処理方法において、フリットガラスにより接合された枠の部分をその他の部分から分離することを特徴とする。
【0070】
さらに本発明は、内部にスペーサを有し、フェースプレート内面に蛍光面を有する、FPDの解体処理方法において、フリットガラスにより接合された枠の部分を分離する際、残りの部分にスペーサおよび、蛍光面が残るようにすることを特徴とする。
【0071】
さらに本発明は、フェースプレートとリアプレートの一部を切断することにより、フリットガラスにより接合された枠の部分をその他の部分から分離することを特徴とする。
【0072】
本発明において、切断位置を決定する手段は、フリットガラスにより接合された枠の部分の位置の検知を行う手段(ビデオカメラ)によって構成される。
【0073】
[解決手段2] 上記目的を達成するため本発明は、ガラスを主要な構成材料とする2枚の基板、即ち、フェースプレートとリアプレートとが、枠を介して、フリットガラスにより気密接合されている構造を有するFPDにおいて、その接合部を硝酸溶解させて剥離することを特徴とする。更に、本発明は、内部にフリットガラスにより接合されているスペーサを有する場合もある。
フリットガラスを硝酸に溶解する方法としては、硝酸をフリット接合部の奥深く浸透させる必要があるため、硝酸に浸漬する方法が安全かつ容易である。本発明ではこの方法を用いているが、他に接合部に硝酸をノズル吹き付けする方法等があり、この限りではない。
硝酸に溶解させるフリット接合部は、(1)全ての接合部分を硝酸に浸漬して溶解剥離し、各部を分離して廃棄、再利用する方法と、(2)再利用したい部分を酸で侵食せずに残して、その他の部分を硝酸に浸漬して溶解剥離し廃棄する方法とに大別できる。いずれの方法においても、硝酸に溶解する金属成分のうち、有害な鉛成分のみ分離しその他の元素は回収再利用することができる。
【0074】
[解決手段3] 上記目的を達成するため本発明のリアプレート再生方法は、一対の素子電極と導電性膜からなる電子放出素子が複数設けられたリアプレート、前記電子放出素子から放出された電子が衝突することにより画像が形成される画像形成部材が設けられたフェースプレート、前記リアプレートとフェースプレートをつなぎ、内部圧力を維持する支持枠から少なくともなり、これらがフリットガラスで溶着された画像表示装置を廃棄する際に、溶着部を硝酸溶液中に浸漬してフリットガラスを溶解する工程、導電性膜をインクジェット方式で形成する工程を含んだリアプレートを回収再利用する方法である。
【0075】
本発明によれば機械的な切断等によらず、フリットガラスを化学的に溶解してリアプレートを分解するため、リアプレート基板や素子電極に、ほとんど損傷を与えることなく回収、再利用することが可能なことから、廃棄物の減少と資源の有効活用ができ、コストの削減を実現できる。さらに、Pb等の元素は、浸漬した硝酸溶液中に溶け出すので容易に回収することができる。さらに、リアプレートの再生時に、導電性膜をインクジェット方式で形成することで、必要部分にのみ導電性膜形成用材料を用いるため導電性膜材料は、最小限の量で良い。また、導電性膜形成後に不良が発見された場合でも、不良部分のみ再形成することも可能である。
【0076】
[解決手段4] 本発明は、上記の要望に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、該リアプレートに対向して配置され画像表示部が設けられたフェースプレートと、枠部と、該リアプレートと該フェースプレートとの間隔を大気圧に対して保持するためのスペーサとを少なくとも有し、かつこれらがフリットガラスにより溶着されたフラットディスプレイにおけるスペーサの回収方法であって、前記スペーサとリアプレートあるいはフェースプレートとの溶着部を硝酸溶液中に浸漬してフリットガラスを溶解する際に、スペーサ同士あるいはスペーサと周辺部材との接触を回避するためのスペーサ回収治具を用いることを特徴とするスペーサの回収方法を提供するものである。
【0077】
本発明の一態様において使用されるスペーサ回収治具は、スペーサが収納できる程度の大きさの凹部を1つまたは複数有する平面板である。また別の態様におけるスペーサ回収治具は、個々のスペーサを挟み保持することが可能な先端部と、その先端部を任意の方向に動かすことができるアーム部を有する。
【0078】
本発明によれば、フラットディスプレイを分解する過程において、スペーサにほとんど損傷を与えることなく回収することが可能なことから、再利用が容易であり、資源を有効に利用することができ、コストの削減を実現できる。また回収工程においては細かな手作業を必要としないため、安全に回収することが可能である。
【0079】
[解決手段5] 本発明のディスプレイ装置からの蛍光体の回収方法は、基体に蛍光体が塗布され、該蛍光体を発光させることで表示を行うディスプレイ装置からの蛍光体の回収方法であって、前記基体に塗布された蛍光体の回収がブラシと吸引器との併用によって行われることを特徴とする。
【0080】
本発明のディスプレイ装置の製造方法は、上記本発明のディスプレイ装置からの蛍光体の回収方法を用いて蛍光体が除去された基体を、ディスプレイ装置に再利用することを特徴とする。
【0081】
本発明は、CRT、フラットディスプレイ装置といった、フェースプレート等の基体に蛍光体が塗布され、電子線の照射や紫外線により蛍光体を発光させる形態のディスプレイ装置からの蛍光体及びフェースプレート等の基体の回収に有効で、蛍光体が塗布された基体面をブラシで掃引し、蛍光体、または蛍光体とブラックマトリックス成分を掃出しつつ、基体面の平滑性を保持または損傷がある場合には再生し、掃引とともに吸引器で蛍光体、ブラックマトリックス成分を吸引して為され、蛍光体やブラックマトリックスは更に蛍光体分離プロセスに回され、フェースプレート等の基体は表面の平滑性を保持または損なわない形で工程より搬出され、そのままフェースプレート等の基体として再利用される。
【0082】
なお、蛍光体を発光させることで表示を行うフラットディスプレイ装置としては、電子線を照射する方式のものとして、後述する電子放出素子を用いたディスプレイ装置や低速電子線により発光させる蛍光表示管があり、紫外線を用いる方式のものとして、プラズマディスプレイ装置が挙げられる。蛍光体は、背面から電子線や紫外線が照射され、表面から可視光が放出される場合はフラットディスプレイ装置のフェースプレート側に塗布されるが、例えば蛍光表示管のように、低速電子線が蛍光体に照射される面から可視光が放出される場合はリアプレート側に蛍光体が塗布される。
【0083】
[解決手段6] 本発明による画像表示装置は、上記目的を達成するため、画像を表示する表示手段と、気密容器と、必要に応じて前記気密容器内を徐々に前記気密容器外の圧力に近づける手段とを備えることを特徴とする。
【0084】
また、本発明は、上記画像表示装置において、更に排気装置を備え、前記気密容器外の圧力に近づける手段は、前記排気装置に接続する手段とは上記気密容器の異なる位置にあることを特徴とする。また、前記気密容器外の圧力に近づける手段は、必要に応じたフィルターを設けたことを特徴とする。
【0085】
また、本発明は、画像を表示する表示手段と、外部圧力を維持する気密容器と、気密容器内の耐大気圧構造部材と、前記気密容器内を排気する排気装置に接続する手段と、必要に応じて前記気密容器内を徐々に前記気密容器外の力に近づける手段とを備えることを特徴とする。
【0086】
上記構成の画像表示装置では、気密容器内を徐々に大気圧に戻す手段を有するため、分解、解体時に、気密容器内の部材に圧力変化によるストレスがかかりにくい。
【0087】
従って、部材が壊れにくく、壊れた部材の破片による2次的ダメージをも、防ぐことを可能にする。
【0088】
[解決手段7] 本発明は、複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、該リアプレートに対向して配置され画像表示部が設けられたフェースプレートと、支持枠と、該リアプレートと該フェースプレートとの間隔を大気圧に対して保持するためのスペーサとを少なくとも有し、かつこれらがフリットガラスにより溶着されたフラットディスプレイにおいて、リアプレートと支持枠の接合とフェースプレートと支持枠の接合に軟化温度の異なるフリットガラスが用いられており、かつスペーサと基板との接合には前記2種類のうち、より軟化温度の高いフリットガラスと同じあるいはそれ以上の軟化温度を有するフリットガラスが用いられていることを特徴とする。
【0089】
ここで、上記複数のフリットガラスはいずれも、他のフリットガラスに対し軟化温度が20℃以上異なることを特徴とする。
【0090】
また本発明におけるスペーサは、リアプレートまたはフェースプレートのどちらか一方の基板に接合されていることを特徴としている。
【0091】
本発明のフラットディスプレイの解体方法は、パネルを最も軟化温度の低いフリットガラスの軟化温度以上及び他のフリットガラスの軟化温度以下に加熱し、最も軟化温度の低いフリットガラスのみを溶解して該フリットガラスで接合された接合部のみを選択的に分離し、さらに同様の手順を繰り返すことにより、軟化温度の低いフリットガラスを用いた接合部から順次分離することを特徴とする。
【0092】
ここで、最も軟化温度の高いフリットガラスによって接合された接合部を分離する方法としては、該フリットガラスを軟化温度以上に加熱して溶融、分離する方法を用いてもよく、また該フリットガラスを適当な溶媒により溶解して、分離する方法を用いてもよい。
【0093】
また、複数の電子放出素子が配置された基板と、該基板に対向して配置され画像表示部が設けられた基板とを、少なくとも格納した気密容器を有するフラットディスプレイにおいて、前記各基板及び気密容器の接合箇所が、解体時の順番に応じた異なる軟化温度のフリットガラスにより接合されていることを特徴とするフラットディスプレイでも良い。
【0094】
また、複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、該リアプレートに対向して配置され画像表示部が設けられたフェースプレートと、該基板間を支持する支持枠と、を少なくとも構成部材として有し、かつこれらの構成部材がフリットガラスにより溶着されたフラットディスプレイにおいて、前記リアプレートと前記支持枠との接合と、前記フェースプレートと前記支持枠との接合に軟化温度の異なるフリットガラスを用いて溶着したことを特徴とするフラットディスプレイでも良い。
【0095】
また、電子放出素子を格納した外囲器を有するフラットディスプレイにおいて、該外囲器を構成するリアプレートと支持枠の接合部、フェースプレートと支持枠の接合部に軟化温度の異なる2種類のフリットガラスを用い、かつ前記基板間を支持するスペーサと少なくとも一方の前記基板との接合部には、前記2種類のフリットガラスの軟化温度より高いかあるいはどちらか一方と同じ軟化温度のフリットガラスを用いて接合されていることを特徴とするフラットディスプレイでも良い。
【0096】
また、前記フラットディスプレイの解体に際し、該フラットディスプレイを段階的に加熱し、前記軟化温度の低いフリットガラスを用いた接合部から順次融解、分離しながら解体していくことを特徴とするフラットディスプレイの解体方法でもある。
【0097】
本発明のフラットディスプレイにおいては、外囲器を形成する部材を順次分離できることから、解体過程において外囲器及び内部の部材に損傷を与えることなく安全かつ簡易的な方法で部材を回収できる。従って再利用可能な状態で回収することが容易となり、資源の有効利用やコストの削減が実現できる。
【0098】
[解決手段8] 上記した目的を達成するために本発明の請求項1に示す残留有害金属量の検査装置は、リサイクルするため解体して分別した部材及び廃棄物などの検査対象に含まれる鉛等の有害金属量を検査する残留有害金属量の検査装置であって、前記検査対象を浸す浴槽に、当該検査対象に含まれる有害金属を溶出させる酸性液を有する第一溶出手段と、前記第一溶出手段により溶出させた後の前記検査対象を洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段により洗浄した後の前記検査対象を浸す浴槽に、当該検査対象に残留している有害金属を溶出させる酸性液を有する第二溶出手段と、前記第二溶出手段の酸性液中に溶出された有害金属量を定量的に検出する定量検出手段とを備えて構成する。
【0099】
上述の残留有害金属量の検査装置は、まず第一溶出手段の浴槽に検査対象を浸すと、浴槽の酸性液により当該検査対象に含まれる有害金属が溶出させられる。次に、その検査対象を洗浄手段に送って洗浄し、この後、第二溶出手段の浴槽に浸すと、浴槽の酸性液により当該検査対象に残留している有害金属が溶出させられる。そして、この溶出液を定量検出手段に送り込めば、その定量検出手段が溶出液中に含まれている有害金属量を定量的に検出する。
【0100】
従って、フラットパネルディスプレイなどの解体,分別処理に際して、ガラスからなる分別部材及び廃棄物等の検査対象に残留した鉛等の有害金属量を定量的に検出することができる。
【0101】
[解決手段9] 本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、リアプレートとフェースプレートとの間に枠部材を配置して平面型の真空容器とし、両プレート間の隙間を大気圧に耐えて保持するスペーサを、それら両プレートあるいは何れか一方のプレートに固着させたフラットパネルディスプレイについてリサイクルする解体を行うものであって、前記真空容器から前記枠部材を分離させる工程を行うため前記スペーサと固着状態にある側のプレートに引上力を加えて支持する第一支持手段と、前記枠部材を分離した後に前記スペーサと固着状態にある側のプレート縁部を受け支持する第二支持手段と、前記第二支持手段により受け支持されたプレートからスペーサを分離させる工程を行うスペーサ回収手段とを備えて構成する。
【0102】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、前記真空容器から前記枠部材を分離させる工程を行った後に前記第一支持手段から支持物の前記プレートを受け取って当該プレートの縁部を受け支持して、これを前記第二搬送手段に搬送する搬送手段を備えて構成する。
【0103】
さらに、本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、前記搬送手段を、前記スペーサと固着状態にある側のプレートの荷重を該スペーサにかけない構造をもって構成する。
【0104】
以上の構成により本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、真空容器から枠部材を分離させる工程に際して、スペーサと固着状態にある側のプレートを、第一支持手段により引上力を加えて支持するので、スペーサは吊り下げ状態になり、これと固着しているプレートの重量が加わらなく、枠部材の分離をスペーサに負担なく行える。
【0105】
枠部材を分離した後は、第二支持手段により、スペーサと固着状態にある側のプレート縁部を受け支持するので、このときもスペーサは吊り下げ状態になり、これと固着しているプレートの重量が加わらない。そして、この第二支持手段により受け支持されたプレートからスペーサを分離させる工程は、スペーサ回収手段が、その受け支持している状態そのままで行うので、スペーサの分離,回収工程においてもスペーサには余分な重量が加わらなく、その損傷を防ぐことができる。
【0106】
[解決手段10] 本発明は、ガラスを主要な構成材料とするフェースプレートとリアプレートの2枚の基板が、枠を介して、鉛含有フリットガラスにより気密接合されている構造を有する、フラットパネルディスプレイの解体処理方法において、解体処理するフラットパネルディスプレイから、フェースプレートを含む部分、リアプレートを含む部分をそれぞれ分離して取り出す工程と、取り出されたフェースプレートを含む部分とリアプレートを含む部分をそれぞれ別々に複数集め、それぞれを処理槽に投入し一括して液体中処理を実施する工程を含むことを特徴としているものである。
【0107】
本発明は、さらにその特徴として、
「上記液体中処理が、酸またはアルカリ水溶液による処理である」こと、
「上記液体中処理が、酸またはアルカリ水溶液による処理と、その後の水または有機溶剤による洗浄処理である」こと、
「上記液体中処理を、上記処理槽内で処理液体を流動させて行う」こと、
「上記液体中処理を、処理液体を上記処理槽と外部との間で循環させて行う」こと、
「上記液体中処理を、処理液体を加熱して行う」こと、
「上記液体中処理を、被処理物に振動または音波を伝播させて行う」こと、をも含むものである。
【0108】
[解決手段11] 本発明のフラットパネル体の固定装置は、一対の対向するパネルが枠部を介して接合されてなるフラットパネル体を固定するための装置であって、基台上に載置されたフラットパネル体を囲繞するように該フラットパネル体に対して進退可能に配設された固定治具を備え、この固定治具がフラットパネル体の周囲から摺動して当接することにより前記フラットパネル体を固定するものである。
【0109】
また、本発明のフラットパネル体の固定装置において、前記固定治具を前記フラットパネル体に対して進退移動させる駆動機構と、前記固定治具の移動量に基づきその位置を検出する位置検知手段と、前記駆動機構を制御し得る制御部と、をさらに備え、前記位置検知手段で得られた前記固定治具の位置情報により、前記フラットパネル体の寸法を検出するようにしたことを特徴とする。
【0110】
また、本発明のフラットパネル体の固定装置において、前記基台に設けた吸引孔を介して、前記フラットパネル体を吸引固定する吸引チャック手段を備えたことを特徴とする。
【0111】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置は、フェースプレート、リアプレートおよび枠部を含み、フェースプレートに塗布した蛍光体に電子を照射して発光させるように構成されたフラットパネルディスプレイにおける蛍光体を回収するための装置であって、上記固定装置を備え、その固定治具によって前記フェースプレートを四方から固定するようにしたことを特徴とする。
【0112】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記固定装置によって固定された前記フェースプレートから蛍光体を回収するための複数の処理手段を備え、これらの処理手段は前記位置検知手段で得た前記位置情報に基づき、前記制御部によって駆動制御されることを特徴とする。
【0113】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記処理手段として、フェースプレートおよびリアプレートを分離する切離手段と、フェースプレートの蛍光体を掃出吸引する回収手段と、を含んでいることを特徴とする。
【0114】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記切離手段のカッタおよび回収手段の回収ブラシの処理作業が、それぞれ所定の作業範囲で行われるように前記制御部によって制御されることを特徴とする。
【0115】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、フェースプレートに残留する蛍光体の量を検知する蛍光体検知手段を備え、この蛍光体検知手段で得られた蛍光体量情報により、前記回収手段の作動を制御するようにしたことを特徴とする。
【0116】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記蛍光体量情報は、前記フェースプレートを透過する可視光の透過率または吸光度によって規定されることを特徴とする。
【0117】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記蛍光体量情報は、前記フェースプレートの内面に紫外光または可視光を照射して発生する蛍光強度によって規定されることを特徴とする。
【0118】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収装置において、前記蛍光体検知手段が、前記回収手段の回収ブラシの作業範囲に追随して移動することを特徴とする。
【0119】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法は、フェースプレート、リアプレートおよび枠部を含み、フェースプレートに塗布した蛍光体に電子を照射して発光させるように構成されたフラットパネルディスプレイにおける蛍光体を回収するための方法であって、基台上に載置されたフラットパネルディスプレイをその四方周囲から固定治具を摺動させて固定する工程と、固定されたフラットパネルディスプレイのフェースプレートおよびリアプレートを分離する工程と、フェースプレートの蛍光体を掃出して吸引する回収工程と、を備えたことを特徴とする。
【0120】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、フラットパネルディスプレイを固定する前記固定治具の移動量に基づきその位置を検出する工程を、さらに含んでいることを特徴とする。
【0121】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、基台に設けた吸引孔を介して、前記フラットパネルディスプレイを吸引固定する工程を、さらに含んでいることを特徴とする。
【0122】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、フェースプレートおよびリアプレートを分離する際、カッタによる切離作業が前記固定治具の位置情報に基づき、フェースプレートの寸法に整合するように制御されることを特徴とする。
【0123】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、フェースプレートの蛍光体を回収する際、回収ブラシによる回収作業が前記固定治具の位置情報に基づき、フェースプレートの寸法に整合するように制御されることを特徴とする。
【0124】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、フェースプレートに残留する蛍光体の量を検知する工程を、さらに含み、検知された蛍光体量情報により、前記回収ブラシの作動を制御するようにしたことを特徴とする。
【0125】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法において、前記回収ブラシの作業範囲に追随して、前記回収ブラシが移動するように制御する工程を、さらに含んでいることを特徴とする。
【0126】
本発明によれば、基台上に載置されたフラットパネルディスプレイをその四方周囲から固定治具を摺動させて固定する。このとき固定治具の移動量に基づきその位置を検出し、この位置情報をその後の処理工程に有効に利用する。すなわちフェースプレートおよびリアプレートを分離するカッタや、フェースプレートの蛍光体を掃出吸引する回収ブラシを駆動する際、固定治具の位置情報を使ってそれらの作業範囲を制御するというものである。
【0127】
これにより極めて効率的で確実にフェースプレートの蛍光体を回収することができる。また、フラットパネルディスプレイのパネルサイズの変化にも有効に対応することができ、極めて実用的価値が高い。
【0128】
[解決手段12] 本発明の基板処理方法は、枠を介して気密接合されている一対のガラスを主要な構成材料とする基板を解体処理するための方法であって、接合されている一対の基板を分離する工程と、分離された基板を複数平行にかつ一定の隙間をおいて保持する工程と、保持された複数の基板を一括で搬送し、所定の処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする。
【0129】
また、本発明の基板処理方法において、基板の表面がほぼ鉛直方向を向くように、該基板を保持することを特徴とする。
【0130】
また、本発明の基板処理方法において基板所定部位を線接触することにより基板が支持されることを特徴とする。
【0131】
また、本発明の基板処理装置は、枠を介して気密接合されている一対のガラスを主要な構成材料とする基板を解体処理するための装置であって、相互に平行にかつ一定の隙間をおいて配設された複数の支持部材を含み、分離された基板が支持部材の間にほぼ鉛直方向を向くように保持されるようにしたことを特徴とする。
【0132】
また、本発明の基板処理装置において前記支持部材は、少なくとも基板との接触部位が円形もしくは円弧状であることを特徴とする。
【0133】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの解体処理方法は、ガラスを主要な構成材料とする一対の基板でなるフェースプレートおよびリアプレートが枠を介して、鉛含有フリットガラスにより気密接合される構造を有するフラットパネルディスプレイの解体処理方法であって、解体処理すべきフラットパネルディスプレイから取り出されたガラス基板を搬送し、液体中処理する際、前記いずれかの基板処理方法によりフェースプレートまたはリアプレートを処理することを特徴とする。
【0134】
また、本発明のフラットパネルディスプレイの解体処理方法において、前記基板処理装置を用いることを特徴とする。
【0135】
本発明によれば、廃棄FPDを解体して得られるガラス板を多数まとめて搬送し液体中処理するために、ガラス板を保持する手段を有する。このように多数の基板を一括に好適に保持することで、結果として廃棄されるFPDを少ないコストで処理する方法を実現することができる。
【0136】
[解決手段13] 本発明のガラス基板の処理方法は、ガラス基板の表面状態を検出し、その検出結果に応じて基板表面を処理する方法であって、ガラス基板表面に1次X線を照射し、発生した蛍光X線を検出することによりガラス基板表面に存在する元素を検出する検出工程と、検出工程の検出結果に応じてガラス基板表面からガラス構成元素以外の元素を除去する除去工程とを有することを特徴とする。
【0137】
また、本発明のガラス基板の処理方法において、ガラス基板表面の元素を検出する検出工程において、ガラス基板の大きさに応じてガラス基板と蛍光X線検出器の相対位置が変化することを特徴とする。
【0138】
また、本発明のガラス基板の処理方法において、蛍光X線検出器が、蛍光X線を検出し得る領域よりも広い領域に1次X線を照射することを特徴とする。
【0139】
また、本発明のガラス基板の処理方法において、ガラス基板に1次X線を入射する際の入射角が、1次X線の臨界角以下の角度であることを特徴とする。また、本発明のガラス基板の処理方法において、ガラス基板表面に対する除去工程が、ガラス基板表面を研磨することにより行われることを特徴とする。
【0140】
また、本発明のガラス基板の処理方法において、ガラス基板表面に対する検出工程および除去工程が、繰り返し行われることを特徴とする。
【0141】
また、本発明のフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理方法は、ガラス基板上に複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、ガラス基板上に画像表示部が設けられたフェースプレートと、これらのプレートを対向配置するように接合する支持枠と、を含むフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理方法であって、リアプレートおよびフェースプレートを分離して取り出した後、リアプレートまたはフェースプレートの基板表面に対して処理する処理方法を適用することを特徴とする。
【0142】
また、本発明のフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理方法において、リアプレートにおいて、ガラス基板上にAgを主成分とする配線が形成されていることを特徴とする。
【0143】
また、本発明のフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理方法において、リアプレートを構成するガラス基板表面に、ガラス構成元素以外の元素を含む薄膜が形成されていることを特徴とする。
【0144】
また、本発明のフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理方法において、リアプレート、フェースプレートおよび枠を接合するためのフリットガラスを溶解することにより、これらの部材を分離するようにしたことを特徴とする。
【0145】
また、本発明のフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理装置は、ガラス基板上に複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、ガラス基板上に画像表示部が設けられたフェースプレートと、これらのプレートを対向配置するように接合する支持枠と、を含むフラットディスプレイにおけるガラス基板の再生処理装置であって、分離して取り出されたリアプレートまたはフェースプレートを構成するガラス基板の表面にX線を照射し、発生した蛍光X線を検出することによりガラス基板表面に存在する元素を検出する機構と、ガラス基板表面からガラス構成元素以外の元素を除去する機構と、を有することを特徴とする。
【0146】
本発明によれば、特に使用済み基板ガラスを処理工程において簡易的な方法でガラス基板表面の残留物を検出し、ガラス構成元素以外の元素を全て除去することができる。これによりガラスを無駄なく再利用することが可能となる。
【0147】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。かく実施形態及び実施例の添え字は上述の課題、解決手段の添え字と整合して記載している。
【0148】
[実施形態1]
以下に本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ここでは、図1および図2に示すような、内部にスペーサを有し、フェースプレート内面に蛍光面を有するFPDを解体処理する場合を一例として説明を行う。
【0149】
図1において、符号1はリアプレート、2はフェースプレート、3は枠、4はスペーサである。また図に黒色で示す、リアプレート1およびフェースプレートと枠3との各接合部には、鉛含有フリットガラス5が使用されている。
【0150】
スペーサ4は、フェースプレート側、リアプレート側のどちらか一方、あるいはその両側にフリットガラス等で接着されているが、ここでは、フェースプレート側のみの場合を示している。リアプレート、フェースプレート、枠は、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにシリカ層を積層したもの等が用いられる。フェースプレートには、ガラス基板2aの内側に蛍光膜2bが形成され、その蛍光膜の内面にはAlを含むメタルバック2cが形成されている。スペーサの材質も基本的にはガラスからなり、帯電防止のためその表面に導電性膜がコーティングされている場合がある。
【0151】
以上の他に、一般にFPDには、内部を真空に排気するための排気管が取り付けられている(不図示)。排気管は通常、鉛を含有する低融点のガラスで形成されている。
【0152】
図2に、FPDの一例として、マトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)を示す。図2において、リアプレート1の上には、表面伝導型電子源11と、この電子源を駆動するための配線12,13が形成されている。12,13は、それぞれX方向(Dox1,Dox2,…Doxm)およびY方向(Doy1,Doy2,…Doyn)の素子配線であり、その材質はAg,Pb等である。X方向配線とY方向配線とは、少なくともそれらの交差部分において絶縁層によって隔てられている。絶縁層には、鉛を多く含むガラスが使用されている。
【0153】
以上述べたように、FPDの様々な部分に鉛を含有する材料が使用されているが、これらのうちで特に多量に使用されるのが、枠の部分のフリットガラスである。本発明の要点は、この枠の部分をその他の部分と分けて処理することにある。すなわち図に示すように、本発明のFPDの解体処理方法において、FPDは切断線A−A、A‘−A’、B−B、B‘−B’で切断される。
【0154】
図4は、本発明の実施の形態を説明するための、FPD機器の解体処理方法の工程を示す流れ図である。この方法の前半である工程(1)〜(3)は前処理工程であり、FPD機器の筐体からFPDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去する工程を含む。次に工程(4)〜工程(6)においてFPDの真空解除を適切な方法で行った後、排気管を取り外す。排気管には鉛が含まれているため、鉛含有ガラスとして処理され、再利用される。
【0155】
工程(7)においてFPDの計測を行って、枠の部分のフリットガラスで接合された領域の広がりについての情報を取得し、切断位置の決定を行う。通常フリットガラスは黒色をしており、ガラス基板を透して光学的にその存在を検出することが可能である。具体的には、ビデオカメラでFPDを撮影し、その映像から、画像解析によりフリットガラスで接合された領域の広がりを計測することができる。この場合、フリットガラスで接合された領域の内側に切断線を設定する。また枠の位置と幅とが一定の値の範囲にあることが分かっている場合は、単にFPDの端部を検出しそれから所定の距離隔たった線を切断線とすることもできる。
【0156】
工程(8)は、枠部分とその他の部分の分離工程である。工程(7)で設定された切断線に沿って切断する。切断の方法については、ガラスの切断を行うための一般的な手法を用いることができる。▲1▼超硬合金製ローラーで傷をつけて傷の部分に熱的に応力を与える方法、▲2▼ダイヤモンドカッティングソウ、▲3▼ダイヤモンド砥石、▲4▼レーザー加工、▲5▼超音波加工等を用いる方法がある。この工程により、この廃棄FPDは、3つの部分、すなわち(9)枠部分、(11)パネル内部材、(13)フェースプレート、(20)リアプレートそれぞれの部分に分離されることになる。以下、それぞれの処理方法を記述する。
【0157】
まず、(9)枠部分は粉砕して、(10)鉛入りガラスとして再利用される。
【0158】
また、工程(11)パネル内部材としてスペーサ(ガラス製)、グリッド(金属製)などが存在している場合は、それぞれ回収して再利用される(工程(12))。
【0159】
次に、工程(13)フェースプレートについては、工程(14)で蛍光体が除去され、工程(15)で蛍光体の回収が行われる。工程(16)は、さらに残留フリットガラスを除去する工程で、この工程を経て、残留フリットガラスの鉛が回収された後、工程(18)でガラス基板は粉砕されてガラスカレットとなる。工程(19)は、このガラスカレットを、フェースプレート、リアプレート用基板として再利用可能とする。
【0160】
また、工程(20)リアプレートについては、工程(21)で配線を除去した後、工程(22)で、配線に含まれていた金属(Ag、Pb等)を回収し、ついで工程(23)においてガラス基板は粉砕されたガラスカレットとなる。工程(24)は、このガラスカレットを、フェースプレート、リアプレート用基板として再利用可能とする。
【0161】
[実施例1]
以下、図1〜図4を参照しながら、実施例にしたがって本発明を詳細に説明する。
【0162】
[実施例1−1]
図2に示すような、マトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)を解体処理した。このSEDは図1に示すようなスペーサを含む、パネル構造を有している。
【0163】
図4のFPD機器の解体処理工程図に従い、SED機器の筐体からSEDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去した。次にSEDの真空解除を行い、排気管を取り外した。排気管は、鉛含有ガラスとして処理し再利用した。
【0164】
次に、SEDをビデオカメラで撮影し、その画像を画像処理装置に取り込んだ。その画像では、フリットガラスで接合された領域はパネルの他の部分と比較してより黒く見える領域として認識できる。そこで画像を二値化することにより、フリットガラスで接合された領域の広がりを計測した。
【0165】
まず解体の前処理工程(1)〜(5)を行う。つまり、フラットパネルディスプレイ機器の筐体からフラットパネルディスプレイを取り外して投入し[工程(1)(2)]、付設されている配線や端子を取り外して[工程(3)]、排気管の取り付け部の封止を破るなどの適切な処理により当該真空容器内の真空を解除して大気圧に戻し[工程(4)]、そして排気管を取り外す[工程(5)]。その排気管を回収し、再利用する[工程(6)]。次に、フラットパネルディスプレイの寸法を計測し、切断位置を決定する[工程(7)]。
【0166】
次に、この後、フラットパネルディスプレイ20から枠部材3を分離させる[工程(8)]。この分離には、単に切断する、枠部材3と両プレート1,2との接合部にくさび刃工具を押し込んで剥離させる、硝酸液を噴霧する等の適宜な方法を採ればよい。
【0167】
工程(7)で分離させた枠部材3は[工程(9)]、破砕して、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(10)]。
【0168】
次に、スペーサ4を回収する[工程(11)]。このとき、スペーサ4の分離,回収を行わせる[工程12]
スペーサ4を回収できた後は、当該プレート部材がフェースプレート2の場合は[工程(13)]、そのフェースプレート2から蛍光体2bを回収し[工程(14)]、破砕すると共に鉛成分を除去して、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(15)]。その後、残留フリットガラスを除去し[工程(16)]、ガラス基板を粉砕し[工程(18)]、基板用ガラスとして再利用する(工程(19))。
【0169】
また、当該プレート部材がリアプレート1の場合は[工程(20)]、そのリアプレート1から配線を取り外し[工程(21)]、破砕すると共に[工程(23)]、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(24)]。
【0170】
計測の結果から、図3に示すように、フリットガラスで接合された領域の内側に切断線A−A、A‘−A’、B−B、B‘−B’を設定した。次に、ダイヤモンドカッティングソウを使用して、研削液を加えながら、上記切断線に沿ってSEDを切断した。
【0171】
切断によりSEDは、枠部分3、フェースプレート2、リアプレート1に分割された。スペーサ4は、切断の際にはずれたものと、フェースプレート2に接着した状態のものとがあったが、両者とも手作業により回収し再生可能なものを選別し、再利用した。
【0172】
枠部分3はそのまま粉砕して、鉛入りガラスの原料として再利用した。フェースプレート2は、蛍光体を除去し、硝酸により残留フリットガラスを除去した後、ガラス基板を粉砕して、再利用した。リアプレート1は配線を除去した後、ガラス基板を粉砕して、再利用した。
【0173】
[実施例1−2]
図2に示すような、マトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)を解体処理した。切断線A−A、A‘−A’、B−B、B‘−B’を設定する工程までは実施例1と共通である。次に、SEDの切断線に沿って超硬合金製ローラーで傷をつけた。続いて、都市ガスに酸素を加えたガスバーナーによって傷の部分を順次加熱した。その結果、切断線に沿ってガラスが切断されSEDは枠部分3、フェースプレート2、リアプレート1に分割された。以後の工程は実施例1−1と共通である。
【0174】
本実施例1−2では、研削液などを使用しないため、各部材の回収、再利用が容易となる。
【0175】
[実施形態2]
以下に、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0176】
図5は、本発明に係るFPDの解体方法のフローである。ここでは、図1に示すような、スペーサを有するFPDを解体処理する場合を一例として説明を行う。
【0177】
図1において、符号1はリアプレート、2はフェースプレート、3は枠、4はスペーサである。また、図1(b)に黒色で示す接合部には、鉛含有のガラスフリット5が使用されている。スペーサ4は、フェースプレート2側、リアプレート1側のどちらか一方、あるいはその両方に接着されているものがあるが、ここでは、フェースプレート1側のみの場合を示している。
【0178】
リアプレート1、フェースプレート2、枠3には、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2を積層したガラス基板等が用いられる。またフェースプレート2には、ガラス基板2aの内側に、Y等の希土類を含む蛍光体を含有する蛍光膜2bが形成され、その蛍光膜の内面側にはメタルバック2cが形成されている。
【0179】
スペーサ4の材質も基本的にはガラスからなり、帯電防止するために、その表面に導電性膜をコートする等の工夫がなされている。この導電膜材料としては、例えばCr、Ni、Cu等の金属の酸化物、Alと遷移金属合金の窒化物、炭素等が用いられる。
【0180】
また、ガラスフリット5の材質としては、低温焼成が可能なように鉛成分の多いものが使用されており、PbOを主成分としている。
【0181】
本発明は、接合部に使用されているガラスフリット5中の鉛(Pb)を硝酸に溶解し、接合部から各部を剥離して解体するものであり、本発明に適用される硝酸濃度は、0.1N(規定)から数Nの範囲で、好ましくは0.1Nから2Nが用いられる。また浸漬時間は、数時間から数十時間の範囲で、好ましくは10時間から24時間が用いられる。
【0182】
以下、解体方法を図5のフロー図にしたがって、図6を参照して詳細に説明する。
(1)筐体を外し、さらに容器外端子を外しディスプレイ部のみ取り出す(S1〜S3)。
(2)真空系のものは、真空をリークする(S4)。
(3)ディスプレイ全体を、硝酸を満たした槽中に浸漬する(S5)。この時、ガラスが傷つくのを防ぐために、槽22の中にテフロン(登録商標)樹脂製の網目籠21を入れておき、その中へディスプレイ50を置くようにする(図6(a))。
(4)網目籠21を引き上げて、フリット接合部から剥離した各部を回収し(S6,S7)、純水25の洗浄槽に移し洗浄してから(S8)、再利用できるものと廃棄するものとに分離する(図6(b))(S9,S10)。
(5)硝酸溶液をろ過して(S11)、ろ液と不溶分とに分離する(S12,S13)。
【0183】
この時の不溶分は、フリット成分の硝酸不溶分やスペーサコート成分の中で、硝酸に不溶のもの等である。また、ろ液の方には(S13)、鉛と貴金属元素や希土類元素が溶解している(S14,S16)。
(6)上記ろ液中の金属を、電解法により鉛とその他の金属とに分離する。
【0184】
この時、鉛はPbO2として陰極に、貴金属を含むその他の金属は陽極に析出する。
(7)陰極に析出したPbO2を回収して、有害物としての廃棄処分とする(S15)。
(8)陽極には、貴金属等が析出するのでそれを回収再利用する(S16)。
(9)希土類元素が混入している場合は(S19)、上記液をpH=0に調整してから、シュウ酸を添加することにより、シュウ酸塩として沈殿させ、ろ過回収する。
【0185】
上記方法は、貴金属元素も回収する方法であるが、その他の方法として、(6)のろ液中に硫酸イオンを添加して、鉛成分の沈殿(PbSO4)を生成させて鉛を分別する方法もあるが、この場合は貴金属元素も共沈してしまい、その回収は困難となる。貴金属元素が微量で回収する必要のない場合か、または含まれていない場合はこの方法が簡単で便利である。
【0186】
上記方法は、パネル全体を硝酸に浸漬するものであるが、再利用したい部分を残して、その他の部分のみ硝酸に浸漬する場合も、基本的には上記方法に基づくものである。
【0187】
以下、部分的に硝酸に浸漬して処理する工程を、図7および図8を参照して説明する。
【0188】
図7、図8は、リアプレート部1およびフェースプレート部2のみを硝酸に浸漬し(図7(a)、図8(a))、それぞれ枠が付いたままのフェースプレート2、枠3が付いたままのリアプレート1を引き上げて再利用する(図7(b)、図8(b))方法である。硝酸溶液の方は、上記全体を浸漬する方法と同様に処理する。
【0189】
この場合には、硝酸に浸漬する位置を精密にコントロールする必要があるが、その方法は実験的手段で確認することができる。この時、テフロン(登録商標)製の支持台31を置くと便利である。スペーサを有するディスプレイにおいて、スペーサを再利用する場合も、ディスプレイ全体を硝酸に浸漬する方法と、フリット接合部のみを浸漬する方法があり、基本的には、上記同様の方法が用いられる。
【0190】
[実施例2]
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0191】
(実施例2−1) −全体を硝酸に浸漬する方法−
図5、図6、図9を参照しながら、実施例2−1を説明する。
【0192】
この例で用いられるFPDの簡略図を図9に示す。図1と同じ部分は、同一の符号を用いて示す。このディスプレイは、ガラス製のリアプレート上に電極と配線、絶縁層、電子放出素子等を具備した、表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)である。リアプレート1は、青板ガラスの上にSiO2がコートされている。この上に対向して形成されている素子電極はPtからなり、両電極間に形成されている電子放出素子11は、Pdからなるものである。さらに、Ag、Pb、B等からなる上配線13と下配線12、その配線間を絶縁するPbOからなる絶縁層が形成されている。枠3の材質にも青板ガラスが使用されている。Dx01ないしDx0m、Dy01ないしDy0nは、容器外端子である。
【0193】
フェースプレート2には、青板ガラス基板2aの内側に、ブラックストライプと蛍光体からなる蛍光膜2bが形成され、その蛍光膜の内面側には、Alからなるメタルバック2cが形成されている。ブラックストライプはPbOとC(カーボン)からなり、蛍光体はZnSとYSからなる。また、このディスプレイの内面には、スペーサ4がガラスフリットにより接着されている。
【0194】
スペーサ4の材質は、ガラス基板の表面に導電性のセラミックスがコートされているものが使われている。
【0195】
このパネルを以下のように、解体した。
(1)上記ディスプレイを筐体から取り外し、容器外端子を外した。
(2)ディスプレイの真空をリークして常圧に戻した。
(3)ディスプレイ全体を、1.2N硝酸槽に一昼夜浸漬した。この時、ガラスが傷つくのを防ぐために、硝酸槽中にテフロン(登録商標)樹脂製の網目籠21を入れ、その中にディスプレイが入るようにした(図6(a))。
(4)フリット接合部から剥離した、リアプレート、フェースプレート、枠、スペーサを各々硝酸液から引き上げて、純水の洗浄槽に移し洗浄してから、再利用できるものと廃棄するものとに分離した(図6(b))。
(5)各部を引き上げた後の、硝酸溶液をろ過し、ろ液と不溶分に分離した。
(6)このろ液には、フリットガラスの鉛成分の他に、電子放出素子膜のPdと配線のAgの一部等が溶解しているため、これらの分離回収を行なうため、以下のように電解法を行なった。
【0196】
ろ液を、銀/塩化銀の標準電極を基準にして+1.4〜1.7Vの電位に設定し、陰極で析出したPdとAgを回収再利用とし、陽極ではPbO2として酸化析出したものを回収し、有害物としての廃棄処分を行なった。
(7)さらにこのろ液中には、蛍光体に使用されているY(イットリウム)が溶解しているため、これを回収するため、PH=0に調整し、シュウ酸を添加してY2(C2O4)3として沈殿回収を行なった。
【0197】
(実施例2−2)
−フェースプレート(枠、スペーサ付き)を残し、他を硝酸に浸漬する方法−
図5、図7を参照しながら、実施例2−2を説明する。
【0198】
実施例2−1と同様のFPDを用いて、以下のように解体した。
(1)実施例2−1の(1)、(2)と同様の処置を施した。
(2)ディスプレイの枠部に硝酸液面と水平方向に2箇所マーキングを施し、テフロン(登録商標)製の支持台31に載せ、枠とリアプレートの接合部のみが硝酸に浸るように、フェースプレート側のマーク以下に液面がくるよう調整して、1.2N硝酸槽に一昼夜浸漬した(図7(a))。
(3)枠、スペーサ付きフェースプレートを引き上げて、純水の洗浄槽に移し硝酸に浸った部分を洗浄し、再利用した(図7(b))。
(4)実施例2−1の(5)から(6)と同様に硝酸溶液を処理した。
【0199】
(実施例2−3)
−リアプレート(枠付き)を残し、他を硝酸に浸漬する方法−
図5、図8を参照しながら、実施例3を説明する。
【0200】
実施例2−1と同様のFPDを用いて、以下のように解体した。
(1)実施例2−1の(1)、(2)と同様の処置を施した。
(2)実施例2−2と同様にマーキングを施し、枠とフェースプレートの接合部のみが硝酸に浸るようにして、実施例2−2と同様1.2N硝酸槽22に一昼夜浸漬した(図8(a))。
(3)実施例2−2と同様に、枠付きリアプレートを引き上げて、洗浄し、再利用した(図8(b))。
(4)硝酸溶液をろ過し、ろ液中に硫酸を添加して、PbSO4の沈殿を生成させこの沈殿をろ過により分離し、有害物廃棄処分とした。
(5)上記硝酸溶液中には、蛍光体のYが含まれているため、溶液をPH=0に調整し、シュウ酸を添加してY2(C2O4)3として沈殿回収を行なった。
【0201】
[比較例2]
実施例2−1と同様のFPDの廃棄や再利用を目的として、接合部分から剥離する方法として、フリットガラス部分を加熱融解し剥離することを試みた。
【0202】
しかし、フリットガラス成分のPbOを融解するには融点の900℃程度以上の高温にしなければならず、このような高い温度をフリット接合部に局所的にかけると、条件によってはガラス基板の歪みや割れが生じ、基板の再利用可能な条件の設定が難しかった。
【0203】
[実施形態3]
以下に、より好ましい他の実施形態を挙げて本発明を詳述する。
【0204】
本発明をより具体的に述べるならば、まず、電子放出素子の一対の素子電極と該一対の素子電極の両方に接続され、その一部に電子放出部を有する導電性膜からなる電子放出素子が複数設けられたリアプレート1、前記電子放出素子から放出された電子が衝突することにより画像が形成される画像形成部材が設けられたフェースプレート2、前記リアプレートとフェースプレートをつなぎ、内部圧力を維持する支持枠3から少なくともなり、これらがフリットガラス5で溶着された画像表示装置を廃棄する際に、リアプレート1を回収再利用する画像表示装置のリアプレート再生方法であって、溶着部を硝酸溶液中に浸漬してフリットガラス5を溶解する工程と導電性膜をインクジェット方式で形成する工程を含む。
【0205】
図10は画像表示装置の構成を示す図である。図10において、1は電子放出素子11が複数設けられたリアプレート、2は電子放出素子11から放出された電子が衝突することにより画像が形成される画像形成部材が設けられたフェースプレート、3はリアプレート1とフェースプレート2をつなぎ、内部圧力を維持する支持枠、4はリアプレート1とフェースプレート2ならびに支持枠3を接合するフリットである。これらの構成要素から画像表示装置5が形成されている。
【0206】
容器外端子等をはずした画像表示装置5は、図11に示すように、内部圧力が低い場合はリークした後、硝酸を満たした硝酸液槽6に浸漬する図11(a)。画像表示装置5は、耐大気圧支持部材としてスペーサを内部に持つ場合もある。硝酸浸漬に際しては、リアプレート1が剥がれ易いよう必要に応じて硝酸液量を調節したり、硝酸液槽6の中に不図示の台を設けるなどして画像表示装置5からリアプレート1を取り出す図11(b)。ここでは、リアプレート付近を溶着するフリット4を溶解する例を示したが、画像表示装置15全体を硝酸を満たした硝酸液槽6に浸漬してそれぞれの構成要素を分け、リアプレート1を取り出すこともできる。この時の硝酸濃度は0.1N(規定)から数Nの範囲で、好ましくは0.1から2Nが用いられる。
【0207】
また、浸漬時間は、数時間から数十時間の範囲がよく、より好ましくは、10〜24時間が好適である。取り出したリアプレート1は、純水の洗浄槽に移し洗浄し、乾燥させる。この時、乾燥むらを防ぐために必要に応じてケトン類、アルコール類の溶媒で洗浄してもよい。また、後述する導電性膜形成用液滴の溶媒で洗浄しておくことで、再生時の導電性膜の形成を容易にすることもある。このようにして取り出した洗浄後のリアプレート1を図12に示す。41はリアプレート基板、42,43は素子電極である。洗浄後は導電性膜や印刷配線が取り除かれ、リアプレート基板41上に素子電極42,43が残る。
【0208】
リアプレート1用の基板41としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス等にスパッタ法やCVD法あるいは液相成長等でSiO2を積層したガラス基板、PドープのSiO2を積層したガラス基板等が用いられる。素子電極用の電極材料としては、導電性を有するものであればどのようなものであっても構わないが、硝酸溶液で変質しないPt、Au等の貴金属で形成されている場合は洗浄後のリアプレート用基板上に残り、再利用可能である。硝酸溶液で変質する材料の場合は、硝酸溶液中に溶け出すため、リアプレート用基板のみ再利用する。
【0209】
図12では、素子電極42,43に電気的に接続して素子を駆動させる上配線、下配線が硝酸溶液中に溶解する例を示したが、素子電極の一方と下配線を同一材料で、同時に形成することも可能であるため、素子電極を含む下配線が、リアプレート基板上に残ることもある。また、接合部に使用されるフリットガラスの材質は、低温焼成が可能なように鉛成分の多いものが使用されており、PbOを主成分としている。フリットガラス中の鉛成分は、硝酸溶液中に溶け出すため、電気分解法による析出、あるいは酸アルカリ反応による沈殿物として回収することができる。
【0210】
このように、素子電極42,43が形成されたリアプレート用基板41を用いて、リアプレート1を作製する。その一例としては、素子電極42上にY方向配線13を形成し、層間絶縁層45を設けた後、切り欠き46を形成し、X方向配線12を形成する。このような配線、層間絶縁層は、印刷法等で形成できる。次に、導電性溶液をインクジェット方式により摘出するインクジェット装置により導電性膜の前駆体となる膜を形成し、溶媒を乾燥させた後、熱処理を施し導電性膜49を作製する。このようにして画像表示装置15のリアプレート1を再生することができる。
【0211】
[実施例3]
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
【0212】
[実施例3−1]
図10〜図13を参照しながら実施例3−1を説明する。
【0213】
図10は本実施例の画像表示装置の構成を示す。図10において、1はリアプレート、2は、基板2aの内面に蛍光膜2bとメタルバック2c等が形成されたフェースプレート、3は支持枠であり、リアプレート1、支持枠3およびフェースプレート2をフリットガラスで封着して、画像表示装置5を形成する。Dox1、Dox2、…Dox(m−1)、Doxm、Doy1、Doy2、…Doy(n−1)、Doynは、容器外端子である。
【0214】
図10において、11は表面伝導型電子放出素子に相当する。図12の42,43は、図13における表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極と接続されたY方向配線13およびX方向配線12である。
【0215】
リアプレート用の基板41は青板ガラスの上にSiO2がコートされている。素子電極42,43はPtである。Y方向配線13ならびにX方向配線12はAgペースト、層間絶縁層45はPbOガラスペースト、導電性膜49はPdである。
【0216】
図11は、本発明のリアプレートの回収、再生方法を示す説明図である。図11において、符号1は、電子放出素子11が複数設けられたリアプレート、2は電子放出素子11から放出された電子が衝突することにより画像が形成される画像形成部材が設けられたフェースプレート、3はリアプレート1とフェースプレート2をつなぎ、内部圧力を維持する支持枠、4はリアプレート1とフェースプレート2ならびに支持枠3を接合するフリットガラスである。これらの構成要素から画像表示装置15が形成されている。
【0217】
容器外端子等をはずした画像表示装置15は、内部圧力が低かったので、リークした後、1.2N硝酸を満たした硝酸液槽6に一昼夜浸漬する。この状態を図11(a)に示す。硝酸浸漬に際しては、リアプレート1が剥がれ易いよう硝酸液量を調節して画像表示装置15からリアプレート1を取り出す(図11(b))。取り出したリアプレート1は、純水の洗浄槽に移し洗浄した後、アセトン、イソプロパノールで洗浄乾燥させる。
【0218】
このようにして取り出した洗浄後のリアプレートを図12に示す。41はリアプレート基板、42,43は素子電極である。洗浄後は導電性膜や印刷配線が取り除かれ、リアプレート基板41上に素子電極42,43が残った。
【0219】
硝酸溶液をろ過し、ろ液を以下のように電気分解した。
【0220】
ろ液を、銀/塩化銀の標準電極を基準にして+1.4〜1.7Vの電位に設定したところ、陰極にはPdとAgが析出し、陰極にはPbO2が析出した。それぞれ回収し、PdとAgは再利用、PbO2は、廃棄処分を行った。
【0221】
次に、素子電極42,43が形成されたリアプレート用基板41を用いて、リアプレート1を作製する。図13はリアプレート1の作製工程を示す図である。
【0222】
素子電極42,43が形成されたリアプレート用基板41(図13(a))上にAgペーストを所定の形状にスクリーン印刷し、これを加熱焼成してY方向配線13を形成する。なお、Y方向配線の厚みは約20μm、幅は100μmとした(図13(b))。
【0223】
ガラスペーストを所定の形状に印刷し、これを加熱焼成して、層間絶縁層45を形成する。この時素子電極43の部分は覆わないように切り欠き46を設ける。層間絶縁層の幅は約250μmで、厚さはY方向配線と重なる部分で約20μm、他の部分で約35μmとなるようにした(図13(c))・
続いて、上記層間絶縁層45の上にAgペーストを印刷し、これを加熱焼成してX方向配線12を形成した。なお、X方向配線の幅は約200μm、厚さは15μmとした(図13(d))。
【0224】
続いてピエゾジェット方式のインクジェット装置により、有機パラジウムのエタノールアミン錯体の溶液を液滴として付与し、導電性膜の前駆体となる膜を形成、溶媒を乾燥後、300℃、10分間の熱処理を施し、上記前駆体膜をPdO微粒子よりなる導電性膜49に変化させた。導電性膜は略円形でその直径は、40μmであり、膜厚は15nmであった(図13(e))。
【0225】
このようにしてリアプレート1を再生した。フェースプレートと支持枠をフリットガラスで溶着し、容器内を十分排気した後フォーミング、活性化を行い、図10に示す画像表示装置15を作製した。
【0226】
このようにして作製した画像表示装置は画像に目立つ欠陥や、輝度バラツキもないものであった。
【0227】
[実施例3−2]
本実施例は、次の点を除いて上記実施例3−1と同様の再生方法に関するものである。
【0228】
実施例3−1ではY方向配線13は印刷電極であるが、本実施例では素子電極42,43と同時に形成した素子電極42とつながるPtである。従って、硝酸溶液中浸漬、洗浄後のリアプレート用基板には、図14に示すように素子電極とその一方につながるY方向配線13が残っている。
【0229】
実施例3−1の液滴の付与に用いたインクジェット装置はピエゾジェット方式のものであるが、この代わりに、本実施例では、バブルジェット(登録商標)方式のものを用いた。このようにしても画像表示装置15のリアプレート1を再生することができる。
【0230】
[実施形態4]
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0231】
本発明の特徴とするところは、フラットディスプレイを分解するにあたり、簡易な方法でスペーサに損傷を与えず回収することにより、該スペーサを再利用できるよう分解することにある。
【0232】
本発明におけるスペーサの回収方法は、スペーサとフラットパネルあるいは基板間の、フリットガラスにより溶着されている部分を硝酸溶液に浸漬し、溶着部を溶かすことでスペーサのみを分離する方法であり、さらにその際、他のスペーサあるいは周辺部材との接触による損傷を回避するため、スペーサを収納または保持するための治具を用いるものである。
【0233】
図15は本発明のスペーサの回収方法および回収装置の一実施態様を示す模式図である。図15において、151は硝酸液槽、152は硝酸溶液、153はリアプレートあるいはフェースプレート、154はスペーサ、155はスペーサ収納容器、156はリアプレートあるいはフェースプレートの支持材、157はフリットである。
【0234】
スペーサ154はフェースプレート、リアプレートあるいはその両方に溶着されている場合があるが、ここでは前者の場合について述べる。
【0235】
まず、リアプレート、フェースプレートおよび枠を分離し、フェースプレートとスペーサがフリットで溶着された状態まで分解する。リアプレート、フェースプレート、枠を分離する方法としては、切断する方法、各部材間を溶着しているフリット部に硝酸溶液を噴霧あるいは浸漬してフリットを溶解する方法、加熱によりフリットを溶解する方法などがあるが、スペーサに損傷を与えない点から、硝酸による溶解が望ましい方法と言える。
【0236】
次に、スペーサとフェースプレートを硝酸溶液中に浸漬する。浸漬は、図15に示すように、支持材156でフェースプレート153を支持し、スペーサ154を下向きに浸漬して行う。
【0237】
スペーサ154とフェースプレート153間のフリット157を溶解し、両者を分離するが、この際、スペーサ157が硝酸液層151中に落下し、他のスペーサや周辺部材と接触して損傷を受けないようにするため、図16に示したような収納容器155を用いる。
【0238】
収納容器155は、フェースプレート153とほぼ同じ大きさを有し、スペーサ154の配置に合わせて凹部148が形成されている容器であり、硝酸に対して安定でかつスペーサを損傷する恐れのない材料、例えばフッ素樹脂で形成されている。さらに凹部に液が溜まらないようにするために、容器全体あるいは凹部の底がメッシュ状になっているものでもよい。この収納容器155をスペーサ154の下に配置し、フェースプレート153から分離するスペーサ154が凹部148内に収納されるようにすることで、スペーサ154同士の接触を防ぐことができる。
【0239】
フェースプレート153を除去した後、収納容器155を硝酸液層151から引き上げ、収納容器のまま次の洗浄工程および乾燥工程を行うことができる。
【0240】
なお、スペーサの収納容器155は上記の形状に限ったものではない。図16に示したのは上記で説明した容器の形状の一例であるが、その他にも、図17に示したように、スペーサ154より若干大きい凹型容器149を多数用い、個々の容器149をスペーサの下に配置してフェースプレート153から分離するスペーサ154を収納する方法を用いることもできる。この方法を用いた場合、硝酸液層151から引き上げられた容器149を狭い範囲に収集することができるため、その後の洗浄槽や乾燥槽をより小さくすることができる。
【0241】
図18は本発明のスペーサの回収方法および回収装置の別の実施態様を示す模式図である。図18において、符号151は硝酸液槽、152は硝酸溶液、153はリアプレートあるいはフェースプレート、154はスペーサ、157はフリット、158はリアプレートあるいはフェースプレートの支持台、159はスペーサ支持アーム、160はアーム先端部である。
【0242】
スペーサ154は、リアプレート、フェースプレートおよび枠がそれぞれ分離され、リアプレートあるいはフェースプレートとフリットで溶着された状態まで分解した後、硝酸液槽151中に浸漬される。
【0243】
スペーサ154はフェースプレート、基板あるいはその両方に溶着されている場合があり、本発明はそのいずれの場合でも用いることができるが、ここでは前者の場合について述べる。
【0244】
浸漬の方法は、図18に示したように、まず支持台158上にスペーサ154が上向きになるようにフェースプレート153を置いた後、各々のスペーサ154の上部をアーム159の先端部160で挟み固定する。その後、支持台158を降下させてフェースプレート153および溶着部157を硝酸溶液152中に浸漬する。このようにスペーサ154を予め固定し、フェースプレート153から分離されたスペーサ154が落下しないようにすることで、スペーサ154の損傷を防ぐことができる。なおアーム159およびその先端部160は、硝酸に対して安定な材料、例えばフッ素系化合物で形成されていることが必要である。
【0245】
スペーサ154はアーム先端部160に固定されたまま、次の洗浄工程および乾燥工程を行うことができる。洗浄工程は、スペーサ154上に残ったフリットガラス157を溶解するとともに、フェースプレート153や基板からの溶解物の再付着を除去するものであり、通常新たな硝酸液槽中で行われる。その後、純水槽に移して最終的な洗浄が行われる。
【0246】
さらに乾燥工程においては、上記の純水が揮発する方法であれば何でもよく、例えば温風による乾燥等を用いることができる。
【0247】
なお、乾燥後のスペーサを再利用するにあたっては、スペーサに損傷がないかどうかを検査することが必要である。検査方法は適宜採用されるが、例えば目視により欠陥の有無を確認する方法や加熱による割れの有無を調べる方法等を用いることができる。
【0248】
図19はスペーサ154を示す模式図である。スペーサ154の形状は、通常、長さおよび幅が数10mm、厚み300μm以下の薄い板状であり、絶縁性基材161の表面に帯電防止を目的とした導電膜162が形成されている。このスペーサ154は、目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて配置され、フェースプレート153の内側または基板の表面にガラスフリットにより固定されている。尚、スペーサ154は、フェースプレートに固着された場合と同様に、リアプレートに固着されている場合も同様に取り扱われる。
【0249】
導電膜材料としては、例えばクロム、ニッケル、銅等の金属酸化物、アルミと遷移金属合金の窒化物、炭素等が用いられる。
【0250】
スペーサ154の絶縁性基材161としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラスあるいは上述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層を積層した基板などを用いることができる。
【0251】
上述のように、スペーサ表面には導電膜162が成膜されており、その材料によって硝酸に対して安定なものと溶解するものがある。硝酸に対して安定な材料が成膜されている場合は、洗浄、乾燥、検査工程を経て再利用することが可能である。一方、硝酸に溶解する材料を用いている場合には、硝酸溶液中で膜を十分溶解し、洗浄、乾燥、検査工程を経た後、導電膜を新たに成膜し再利用することが可能となる。
【0252】
[実施例4]
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
【0253】
[実施例4−1]
図15に示した本発明に係るスペーサ回収装置を用いてスペーサの回収を行った。図15の装置は、フェースプレート153とスペーサ154を溶着しているフリットガラス157を溶解し、両者を分離するための装置である。図15において、151は硝酸液槽、152は硝酸溶液、153はフェースプレート、154はスペーサ、155はスペーサ収納容器、156はフェースプレートの支持材、157はフリットガラスである。
【0254】
図20は、本発明に係るスペーサの回収方法の各工程における状態を模式的に示したものである。図20(a)は基板とフェースプレートと枠を分離する工程、(b)はフェースプレートとスペーサを分離する工程、図20(c),図20(d)はスペーサの洗浄工程、図20(e)はスペーサの乾燥工程を表す。
【0255】
この実施例においては、300mm×250mm×2.8mmのソーダライムガラスからなるフェースプレート153に、25枚のスペーサ154が溶着されたディスプレイを用いた。またスペーサ154は、高さ2.8mm、板厚200μm、長さ40mmのソーダライムガラス基材上に導電膜として窒化アルミニウムが約100nmの厚さで成膜されているものを用いた。
【0256】
以下、図15、図16および図20を用いて詳述する。
【0257】
▲1▼ 筐体部を分解し、リアプレート163、フェースプレート153、枠164がフリットガラス157により溶着された部分を取り出した。
【0258】
▲2▼ 上記の溶着部に0.2規定の硝酸溶液を噴出し、溶着部を徐々に溶解し、ほとんどのフリット157が溶解したところでフェースプレート153を支持材156で引き上げて枠部から分離した(図20(a))。
【0259】
▲3▼ 0.2規定の硝酸溶液が入った、長さ400mm、幅350mmの硝酸液槽151中にスペーサを収納するための容器155を沈めた。この容器は図16に示したように、長さ300mm×幅250mm×高さ10mmで、スペーサの配置に合わせて25箇所の凹部(長さ50mm、幅5mm、深さ4mm)が形成されている容器であり、硝酸に対して安定でかつスペーサを損傷する恐れのないフッ素樹脂で形成されている。さらに凹部は、液が溜まらないようにするために、メッシュ状になっている。
【0260】
この硝酸液槽151中に、スペーサ154が溶着された状態のフェースプレート153を、スペーサ154が下向きになるように浸漬し、スペーサ154とフェースプレート153間のフリットを溶解することで両者を分離した。各々のスペーサ154は容器155の凹部内に落下した。
【0261】
スペーサ154と分離されたフェースプレート153を除去した後、容器155を硝酸液槽から引き上げた(図20(b))。
【0262】
▲4▼ スペーサ154を容器155ごと、0.2規定硝酸溶液を収容する洗浄用の硝酸液槽中に沈めた。この工程で、スペーサ154上に残ったフリットガラス157を溶解するとともに、フェースプレート153や基板からの溶解物の再付着を除去した(図20(c))。
【0263】
▲5▼ 次にスペーサ154を容器155ごと純水槽に移して純水165による最終的な洗浄を行った。なお、上記硝酸洗浄槽と純水洗浄槽は、図20(b)の硝酸液槽と同じ大きさのものを用いた(図20(d))。
【0264】
▲6▼ 続いて、スペーサ154に容器155ごと温風166を吹き付け、乾燥を行った(図20(e))。
【0265】
▲7▼ このようにして回収されたスペーサを再利用するにあたり、スペーサ154の検査を行った。検査方法としては、まず光学顕微鏡により導電膜の膜剥がれや、傷、付着物その他の汚れの有無の確認を行った後、加熱による割れの有無を調べガラス基材に欠陥のあるスペーサを除く方法を用いた。これらの検査は、容器に収納されたまま、あるいは個々に取り出して行われた。このようにして検査した結果、不良品として除去されたスペーサは約10%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。良品スペーサはそのまま新たなディスプレイの組み立てに用いられた。
【0266】
[実施例4−2]
本実施例では、実施例4−1と同じ構成のディスプレイを用い、筐体から分離した枠、リアプレート、フェースプレートを切断により分離すること以外は実施例4−1と同様の方法を用いてスペーサの回収を行った。
【0267】
枠、基板、フェースプレートの切断は、図21に示したように、四方の溶着部とその内側、すなわちスペーサのある部分とを分離するように切断した。切断後のスペーサ回収方法は、実施例4−1の工程▲3▼〜▲6▼と同様に行った。
【0268】
このようにして検査した結果、不良品として除去されたスペーサは約15%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。
【0269】
[実施例4−3]
本実施例では実施例1と同じ構成のディスプレイを用い、フェースプレートとスペーサを分離する際に用いるスペーサ収納容器として、図17に示したものを用いる以外は、実施例4−1と同様の方法を用いてスペーサの回収を行った。
【0270】
以下、図15、図16、図17、図22を用いて説明する。
【0271】
実施例4−1の▲1▼〜▲2▼と同様の方法フェースプレートと枠を分離した。
【0272】
▲3▼ 0.2規定の硝酸溶液が入った硝酸液槽中にスペーサ154を収納するための容器167をスペーサと同数の25個、土台168に固定して沈めた。
【0273】
この容器は、図17に示したような、長さ60mm、幅10mm、高さ10mmの長方形であり、上部に長さ50mm、幅5mm、深さ8mmの凹部が形成されている。凹部は液が溜まらないようにするために、メッシュ状になっており、硝酸に対して安定でかつスペーサを損傷する恐れのないフッ素樹脂で形成されている。この容器を各々のスペーサの真下に配置されるよう、台座の上に固定した後、硝酸液槽151中に沈めた。
【0274】
この硝酸液槽151中に、スペーサ154が溶着された状態のフェースプレート153を、スペーサ154が下向きになるよう浸漬し、フリットガラス157を溶解して両者を分離した。各々のスペーサ154は収納容器の凹部内に落下した。
【0275】
スペーサ154と分離されたフェースプレート153を移動した後、容器167を土台168ごと硝酸液槽から引き上げた(図22(a))。
【0276】
▲4▼ 各々の容器を間隔を開けないよう再配置した後、容器ごと0.2規定硝酸溶液を収容する洗浄用の硝酸液槽中に沈めた。この工程で、スペーサ上に残ったフリットガラスを溶解するとともに、フェースプレートや基板からの溶解物の再付着を除去した(図22(b))。
【0277】
▲5▼ 続いて実施例4−1と同様の方法で、純水洗浄、乾燥、検査を行った。なお、本実施例で用いた洗浄槽は、実施例4−1で用いたものよりも小さく、長さ200mm、幅150mmであった(図22(c),(d))。
【0278】
このようにして検査した結果、不良品として除去されたスペーサは約10%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。
【0279】
[実施例4−4]
本実施例では、実施例4−1と同じ装置を用いてスペーサの回収を行った。本実施例においては、実施例4−1と同じフェースプレート25枚のスペーサが溶着されているものを用いた。スペーサは、石英ガラス基材上に導電膜として酸化ニッケルNiO2が成膜されているものを用いた。
【0280】
スペーサの分離、洗浄、乾燥は実施例4−1の▲1▼〜▲6▼と同様の方法で行った。
【0281】
次にこのようにして回収されたスペーサの検査を行った。検査方法としてはまず光学顕微鏡により付着物その他の汚れの確認、導電膜の傷や膜剥がれの確認を行った後、加熱による割れの有無を調べ欠陥のあるスペーサを除く方法を用いた。このようにして検査した結果、不良品として除去されたスペーサは約10%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。良品スペーサはそのまま新たなディスプレイの組み立てに用いられた。
【0282】
[実施例4−5]
本実施例では、実施例4−1と同じ構成のフラットディスプレイを用いた。
【0283】
またスペーサ回収装置として、図18に示したような装置を用いた。図18において、151は硝酸液槽、152は硝酸溶液、153はフェースプレート、154はスペーサ、157はフリット、158はフェースプレートの支持台、159はスペーサ支持アーム、160はその先端部である。150は支持台を支える弾力材であり、支持台158、アーム159には硝酸に対して安定なフッ素樹脂を用い、さらに先端部160にはスペーサを損傷する恐れのないフッ素ゴムを用いた。
【0284】
以下図18、図23を用いて説明する。
【0285】
まず実施例4−1の▲1▼〜▲2▼と同様の方法でフェースプレートと枠を分離した。
【0286】
▲3▼ 支持台158上にスペーサが上向きになるようにフェースプレート153を置いた後、各々のスペーサ154の上部を支持アーム159の先端部160で挟み固定した(図23(a))。その後支持台158を下げてフェースプレート153および溶着部157を0.2規定の硝酸溶液を収容する硝酸液槽151中に浸漬した。フリットガラス157が溶解し、スペーサ154が分離したのを確認した後、硝酸液槽から引き上げた(図23(b))。
【0287】
▲4▼ スペーサを支持材に挟んだままの状態で0.2規定硝酸溶液からなる洗浄用の硝酸液槽中に沈めた。この工程で、スペーサ上に残ってフリットガラスを溶解するとともに、フェースプレートや基板からの溶解物の再付着を除去した(図23(c))。
【0288】
▲5▼ 次に純水槽165に移して最終的な洗浄を行った(図23(d))。
【0289】
▲6▼ 続いて、温風乾燥を行った(図23(e))。
【0290】
▲7▼ このようにして回収されたスペーサを実施例4−1と同様の方法で検査した結果、不良品として除去されたスペーサは約10%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。
【0291】
[実施例4−6]
本実施例では、スペーサが基板およびフェースプレートの両側で溶着されている以外は実施例4−1と同じ構成のディスプレイを用いた。
【0292】
以下、図15、図24を用いて詳述する。
【0293】
▲1▼ 筐体から基板163、フェースプレート153、枠164がフリットガラス157により溶着された部分を取り出した。
【0294】
▲2▼ 実施例4−2と同様の方法で、枠、基板、フェースプレートの溶着部を切断した(図24(a))。
【0295】
▲3▼ 0.2規定の硝酸溶液が入った硝酸液槽151中に基板を下に上記ユニットを徐々に浸漬し、基板とスペーサの溶着部が液中に沈んだところで、それ以上浸漬するのを止めた(図24(b))。
【0296】
このようにして基板とスペーサ間のフリットのみを溶解して分離した(図24(c))。
【0297】
▲4▼ 硝酸液槽から基板を引き上げた後、実施例4−1の工程▲3▼〜▲7▼と同様の方法でスペーサをフェースプレートから分離、回収した。
【0298】
このような方法で回収した結果、不良品として除去されたスペーサは約15%で、ほとんどのスペーサは再利用することが可能となった。
【0299】
[実施形態5]
図25は本発明のディスプレイ装置からの蛍光体の回収方法の工程を示すフローチャートである。図25を参照しつつ、回収工程について説明する。
【0300】
ここで処理・廃棄されるディスプレイ装置(S20)は、フェースプレートに蛍光体が塗布され、電子線の照射や紫外線により蛍光体を発光させる形態のディスプレイで、具体的には通常のCRT及びフラットディスプレイの一部でフェースプレートに蛍光体を塗布されているものが挙げられる。
【0301】
上記のディスプレイ装置は、キャビネットからCRT部またはフラットディスプレイ部を分離する前に、センサによりその機種を識別され、以降の工程で使用されるデータ(例えば寸法、ディスプレイの取り外し方、フェースプレート形状に適したブラシサイズ、形状及び吸引器形状など)がデータベースから引き出される。
【0302】
上記の識別工程で得られたデータに従い、ディスプレイ部をキャビネットから取り出し、更にディスプレイからフェースプレートを外しやすいように、ディスプレイを治具上に固定する。ここで使用される治具は、上記した識別工程で得られたデータに従い、最適な形状の治具が選択され使用される。ディスプレイ部にプラスチック、金属の部材が取り付けられている場合には必要に応じて取り外しを行う(S21)。
【0303】
治具に固定されたディスプレイは、内部の減圧状態を破られて次の工程に送られる。
【0304】
フェースプレートの分離(分解)工程では(S22)、CRTの場合にはフェースプレート部とファンネル部の間、フラットディスプレイの場合にはフェースプレート部と枠部の間にあるフリットガラス部分に沿って、フェースプレート部をディスプレイから取り外す。取り外し方法としては、フェースプレート部とファンネル部の間を切断する、または両部を封着しているフリットガラス部分を剥離液で剥離するなどの方法が挙げられる。CRTの分解方法としては、例えば、電熱線により切断する方法(特開平07−029496号公報)、熱歪みを生じさせて分解する方法(特開平05−151898号公報)、加熱と同時に超音波振動を与えて分解する方法、剥離液として硝酸を使用する方法(特開平07−045198号公報)などが提案されているが、熱歪みの発生を防ぐ、湿式工程には時間とコストがかかるといった理由からワイヤソーまたはエネルギーカッターによる切断が好ましい。またこの際に発生するガラス屑は切断機に付属する吸引器によって吸引除去される。ファンネル部やリアプレートはガラスカレット化される。
【0305】
取り外されたフェースプレートは、内面側を上にした状態で治具上に固定され、ブラシ掃引及び吸引工程に回される(S28)。
【0306】
ブラシ掃引工程は蛍光体の回収のみを目的とするならば、一回の掃引のみで終了することも可能であるが、フェースプレートの再利用も目的とするならば、内面が仕様を満たすまで繰り返し掃引することも可能である。その際、蛍光体を除去するブラシに替え、内面鏡面仕上げ用のバフに変更することもできる。
【0307】
本発明のブラシ掃引工程で使用されるブラシは、通常のCRTの場合にはフェースプレート内面のR(曲率半径)に対応した形状のブラシが選択される、またフラットCRTまたはフラットディスプレイの場合には平面に対応したブラシが選択される。また後述するスリコギ運動方式を採用する場合にはスリコギ運動の分を考慮してフラットなフェースプレートの処理工程でもRのついた曲面形状のブラシを使用する(S32)。
【0308】
本発明で使用されるブラシの運動は、フェースプレート2の表面に対して、単純な回転運動、反復回転運動など特に規定されないが、例えばブラシ171が自転運動と公転運動の両方の運動を同時に行なう方法(図26)、または中心線を自転軸として自転しつつ、自転軸がある一点を中心として回転する運動(スリコギ運動)方法(図27)を採ると、蛍光体の掃出しが容易且つ速やかに行われ、更に内面の平滑化にも役立ち、望ましい。
【0309】
本発明で使用される吸引器はブラシによって掃き出された蛍光体2b及びブラックストライプを吸引回収できる能力を有していればノズル形状、吸引力は特に規定されない。また、蛍光体2bの飛散を防止するためにブラシ内部に設置する、またはブラシの外周を取り囲むように設置することも可能であり、フェースプレート辺部の蛍光体吸引を良好に行なうためにはブラシ内部に設置するのが好ましい。
【0310】
本発明で回収された蛍光体2b及びブラックストライプは、既知の方法によって分離、精製され、特にその手段は問わない。例えば、回収した蛍光体をNaOH,NaClO及びH2O2を含有する水溶液で処理し、次いで弱酸で処理する方法(特開平06−108047号公報)、回収した蛍光体を強酸で処理して希土類を浸出させ、更にシュウ酸を添加して希土類をシュウ酸塩とし、これを焙焼して希土類酸化物を得る方法(特開平08−333641号公報)などが公開されている。
【0311】
以下、フラットディスプレイの一例として、表面伝導型電子放出素子を用いたフラットディスプレイ装置の構成例について説明する。図29は、スペーサを用いたディスプレイ装置の斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切り欠いて示している。
【0312】
図29において、11は電子放出素子部、1はリアプレート、3は側壁(枠)
、2はフェースプレートであり、リアプレート1、側壁3、フェースプレート2により表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器(外囲器15)を形成している。スペーサ4は必要に応じて設けられるもので、大気圧を受けて外囲器が破損、変形するのを防止する等の目的から設けられる。気密容器を組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させるため封着する必要があるが、たとえばフリットガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することにより封着する。
【0313】
リアプレート1には、基板41が固定されているが、該基板上には冷陰極型電
子放出素子11がN×M個形成されている(N,Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした画像形成装置においては、N=3000,M=1000以上の数を設定することが望ましい。)。N×M個の冷陰極型電子放出素子11は、M本のX方向配線12とN本のY方向配線13により単純マトリクス配線されている。
【0314】
ここでは、気密容器のリアプレート1にマルチ電子ビーム源の基板41を固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板41が十分な強度を有するものである場合には、気密容器のリアプレート1としてマルチ電子ビーム源の基板41自体を用いてもよい。
【0315】
また、フェースプレート2の下面には、蛍光膜2bが形成されている。カラー
のディスプレイの場合には、蛍光膜2bの部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体が塗り分けられている。各蛍光体間にはブラックストライプが設けてある。ブラックストライプを設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生じないようにすることや、外光の反射を防止して表示コントラストの低下を防ぐことなどである。
【0316】
なお、モノクロームの表示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍
光膜2bに用いればよく、またブラックストライプを必ずしも用いなくともよい。
【0317】
また、蛍光膜2bのリアプレート側の面には、CRTの分野では公知のメタル
バック2cを設けてある。メタルバック2cを設けた目的は、蛍光膜2bが発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜2bを保護することや、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させることや、蛍光膜2bを励起した電子の導電路として作用させることなどである。メタルバック2cは、蛍光膜2bをフェースプレート基板2a上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。なお、蛍光膜2bに低加速電圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック2cは用いない場合がある。
【0318】
また、加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上等を目的として、フェースプレ
ート基板2aと蛍光膜2bとの間に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けることもある。
【0319】
また、Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の
電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源のX方向配線と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー ム源のY方向配線と、Hvはフェースプレートのメタルバック2cと電気的に接続している。
【0320】
[実施例5]
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
【0321】
[実施例5−1]
フェースプレート部、枠部及びリアプレート部よりなる表面伝導型電子放出素子を用いる方式のフラットディスプレイ装置を、フェースプレート側を下にして治具上に固定し、ゴム吸盤を備えた押え具をリアプレート部に密着させ、ディスプレイを固定した。排気管先端を砕いてディスプレイ内の真空状態を解き、フェースプレート部と枠部の間のフリット部分をエネルギーカッターにより切りとり分解した。
【0322】
リアプレート部及び枠部を取り除き、吸引器を備えスリコギ運動をする回転ブラシ(図27参照)により、フェースプレート2内面を掃引して蛍光体2bを掃き出しつつ(約20分間)、蛍光体2b及びブラックマトリックスを吸引孔172より吸引回収した。
【0323】
蛍光体2bが完全に除去されてから、更に30分間内面を磨き、鏡面化処理を行なった。
【0324】
フェースプレート内面のブラックマトリックス部と蛍光体2b塗布部の凸凹は15μm以下に抑えられており、そのまま再生フェースプレートとして使用できることがわかった。
【0325】
[比較例5−1]
実施例5−1と同様にして、分解されたフェースプレートをシュウ酸水溶液に浸漬し蛍光体を除いた後、ブラックマトリックスを高圧水にて除いた。蛍光体塗布部とブラックマトリックス塗布部では約85μmの凸凹が観察された。
【0326】
[実施例5−2]
キャビネットから分離したCRTから、電子銃及び偏向ヨーク部分を切り取った。CRTのフェースプレート側を下にして治具上に固定し、ゴム吸盤を備えた押え具をファンネル部に密着させ、CRTを固定した。CRTのフリットガラス部に巻かれた防爆バンドを剥がし取り、更に粘着剤をグラインド操作により除いた。CRTをエネルギーカッターによりフェースプレート部とファンネル部に分解した。
【0327】
ファンネル部を取り除き、吸引器を備えた公転運動ブラシ(図26及び図28参照)により、フェースプレート内面を掃引して蛍光体を掃き出しつつ(約20分間)、蛍光体及びブラックトマリックスを吸引回収した。
【0328】
蛍光体が完全に除去されてから、回転ブラシをバフに変更して、更に30分間内面を磨き、鏡面化処理を行なった。
【0329】
フェースプレート内面のブラックマトリックス部と蛍光体塗布部の凸凹は10μm以下に抑えられており、そのまま再生フェースプレートとして使用できることがわかった。
【0330】
図28(a),(b)はブラシ及び吸引器の構成を示す断面図である。図28
(a)はブラシ部171内に吸引孔が設けられ、吸引機構173により吸引が行われる。図28(b)はブラシ部171を吸引器174で覆い、吸引を行うとともに、吸引による空気の流れをタービン175で回転運動に変え、ブラシ部171の駆動力として使用する。
【0331】
[実施形態6]
以下、本発明による実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、上述したフェースプレートや、リアプレート、枠、スペーサ等を回収しようとする場合、まず、FPD内部の気密容器によって10−5Pa程度の真空に近い低気圧であるので、通常の気圧に戻す必要がある。その場合、気圧を戻さずに、直接破削、融解等で処理すれば、効率のよい回収ができない。そこで、リサイクルも可能な回収方法の一工程として、真空気密容器から通常気圧に戻す方式を、以下に説明する。
【0332】
図30は、本発明の画像表示装置の一実施形態を示す模式図である。図中、201は画像表示部、202は画像表示装置の圧力を維持する気密容器、203は該気密容器内部に有り、該気密容器を安定に保つ耐大気圧構成部材、204は前記圧力を得るために排気装置に接続する手段、205は該気密容器内を徐々に大気圧に戻す手段である。
【0333】
また、図31は、本発明の画像表示装置の実施形態の一例を示すFPDの模式図である。図中、2は画像表示部であるフェースプレートであり、ガラス基板2a、蛍光面2b、メタルバック2cからなっている。1はリアプレート、3は枠である。これらのフェースプレート2、リアプレート1、枠3によって気密容器202が構成される。また、図30に示した排気装置に接続する手段204と大気圧に戻す手段205とが備えられている。また、耐大気圧構成部材の一例としてスペーサ4が備えられている。
【0334】
本発明に好適な画像表示装置としては、内部が大気圧より低圧力を維持する表示装置である。例えば、CRTをはじめとする画像表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面伝導型電子放出素子を含む平面型画像表示装置、電界(FE)型電子放出素子を含む平面型画像表示装置、メタル−絶縁物−メタル(MIM)型電子放出素子を含む平面型画像表示装置、蛍光表示管、フラットCRT、薄型のFPD等が該当する。
【0335】
CRTをはじめとする画像表示装置の画像表示部15は、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス型パネルに対して、通常の大気圧に比べ、かなり低い圧力に保たれている。これは、電子を微細な蛍光体等に照射し、発光させ、これを制御することによって画像情報を表示しているためである。すなわち、圧力を低くし、電子がぶつかる障害となる物質を十分排除した雰囲気にしなければ、電子の軌道を制御することができないからである。この様な電子の軌道を制御できる圧力としては、画像表示装置の構成によって、適宜最適な圧力が選ばれるが、10Pa以下がよい。好ましくは1Pa以下の圧力が望ましい。
【0336】
画像表示部15の内部圧力を維持する気密容器の材料としては、フェースプレート2aには内部の画像情報を外部に表示できる可視光に対して透明で、かつ内部圧力を維持できる強度を持つ材料、主として各種ガラス材料が用いられる。また、フェースプレート2aと枠3、リアプレート1とは内部を気密に維持するため、ほぼ同一の熱膨張係数を備え、ほぼ同一の熱膨張係数を有するフリットガラス等で封着できる材料が好ましい。
【0337】
また、内部圧力が外部の大気圧に比べて差が大きい場合、気密容器202の強度を向上させ、気密容器202の変形を防ぐために、スペーサ4等の耐大気圧構成部材が用いられる。特に大画面の画像表示装置では、気密容器202を厚くすることで容器の強度をあげようとすると、画像表示装置の重量が増加し、家庭での使用が困難になる。
【0338】
従って、画像表示装置の軽量化をはかるために、気密容器202の外壁以外にも、耐大気圧構成部材が用いられる。また、薄型のFPDでは、気密容器202を構成するパネル内部の画像表示部1であるフェースプレート2と、リアプレート1の間隔を一定にすることで画像表示装置の全面にわたって均一な画像を得る事ができる。そこで、耐大気圧構成部材としてスペーサ4がパネル内部に多数配置され気密容器202であるパネル内のフェースプレート2とリアプレート1間の距離をほぼ一定に保っている。
【0339】
このスペーサ4は、パネルが大きくなるにしたがって、フェースプレート2とリアプレート1の歪みを押さえるため、パネル内のより多くの場所に用いなければならない。形状、枚数などは、フェースプレート2とリアプレート1の大きさ、強度、距離ならびに枠3の強度等によって適宜決められる。
【0340】
この様な構成の画像表示部を持つ気密容器202は、真空ポンプ等の排気装置に接続する手段204を有することで気密容器202内部の圧力を低くすることができる。十分に低い圧力になるまで排気した後、封着することで気密容器15内部を低い圧力に保つことができる。その後、画像表示装置の画像表示部を駆動する。
【0341】
気密容器202につながる後は、徐々に大気圧に戻す手段である。通常、リークする時の流れる気体の量Qは、以下の式で表される。
【0342】
Q=C(P1 −P0 ) [Pa・m2 /s]…………(1)
ここで、
C:コンダクタンス[m2 /s]
P1 :大気圧 [Pa]
P0 :気密容器内部の圧力[Pa]
P1 −P0 :大気圧と気密容器内部の圧力差[Pa]
である。
【0343】
気密容器や内部構成部材の破損を防止するには、気密容器内部への急激な気体流入を防ぐことが重要である。このためには気体の流量Qを101 Pa・m2 /s程度以下にすることが望ましい。従って、(1)式より、コンダクタンスCが、10−4m2 /s程度以下のリーク手段を持つ機構を、徐々に大気圧に戻す手段205として、気密容器202に配置する。
【0344】
この様な徐々に大気圧に戻す手段205としては、スローリーク弁、仕様に応じた長い細管を気密容器に設けたり、多孔質材料を用いることなどで行う。さらに、この徐々に大気圧に戻す手段205は、気密容器202と大気側をつなぐ位置に配置されるが、大気側からも排気装置に接続し封着する。こうすることで気密容器202を低圧力に保つ時は大気側からも密閉される。画像表示装置を再利用するためリークする時は大気側の封着を解除し、気密容器内の圧力を徐々に大気圧にすることができる。
【0345】
また、本実施形態では、徐々に大気圧に戻す手段205を気密容器202の一辺に設ける例を示したが、これに限られるものではなく、気密容器202のコーナーや裏面、側面等、画像表示部1を妨げない位置に配置すれば良い。
【0346】
必要に応じてフィルター等を設け、ガスを徐々に導入する機構に接続することも、可能である。
【0347】
使用済み画像表示装置を再利用する場合には、その後の処理に応じて不活性ガス、窒素、空気、水分を取り除いた空気等を徐々に導入する。
【0348】
また、製造工程中に発生した不良を修理する場合は、その後の製造工程に支障を及ぼさないよう適宜導入ガスを選択し、低い圧力に保たれた気密容器202を徐々に大気圧に戻し、分解、修理を行う。
【0349】
[実施例6]
以下、実施例を挙げて、本発明を詳述する。
【0350】
[実施例6−1]
図30、図31を参照しながら実施例1を説明する。図30は本発明の画像表示装置の構成を示す図である。図31は本発明の画像表示装置でFPDの例である。
【0351】
画像表示部であるフェースプレート2とリアプレート1、枠3からなる気密容器202内には耐大気圧構成部材であるスペーサ214が配置されている。気密容器202には、排気装置に接続する排気接続手段204がつながっており、内部を低圧力に保った後、封着されている。本実施例では5×10−2Pa程度まで排気後封着した。さらに気密容器202には、徐々に大気圧に戻す気圧戻し手段205がつながっている。本実施例ではコンダクタンスCが約10−7m2 /s程度のスローリーク弁を用いた。このスローリーク弁は、大気側も5×10−2Pa程度まで排気した後、封着している。この画像表示装置を分解するため、徐々に大気圧に戻す手段205の大気側を破り、気密容器202をリークした。分解、解体後パネル内を確認したところ、スペーサ4の破損も無く、特に気密容器202内の部材に傷がついた形跡も無かった。
【0352】
次に比較のため、同様の画像表示装置の排気装置に接続する排気接続手段204を破り気密容器202をリークした。すぐにパネル内は大気圧に開放されたが、内部のスペーサ4は破損し、その破片がフェースプレート2、リアプレート1、枠3にたくさんの傷を付けていた。
【0353】
[実施例6−2]
本実施例では、画像表示装置として、図32に示すようなマトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)の例を示す。リアプレート1の上には表面伝導型電子源の電子源11を駆動するための配線12、13が形成されている。配線12、配線13はそれぞれX方向(Dox1,Dox2,…Doxm)およびY方向(Doy1,Doy2,…Doyn)の素子配線である。このSEDは、図31に示すようなスペーサ214を含む構造を有している。本実施例も実施例6−1と同様、徐々に大気圧に戻す気圧戻し手段205を有している。
【0354】
パネル部がほぼ完成した後駆動したところ、パネル内の一部に欠陥があることが判明した。そこで、徐々に大気圧に戻す気圧戻し手段205の大気側を開放し、パネルをリークし、欠陥を修理した。その後、再度排気装置に接続する排気接続手段204からパネル内を排気封着、同時に徐々に大気圧に戻す気圧戻し手段205の大気側を排気封着を行い、画像表示装置を完成した。駆動させ、画像を表示させたところ、欠陥は、修理されており、他の欠陥も発生していなかった。
【0355】
[実施形態7]
以下、本発明の実施形態7について、図面を参照しつつ説明する。
【0356】
図33(a)は本発明のフラットディスプレイの一態様を模式的に示した断面図、図33(b)は図33(a)に示したフラットディスプレイの一部を切り欠いて見た平面図である。
【0357】
本発明のフラットディスプレイは、ガラス基板上に多数の電子放出素子221が配置されたリアプレート222と、該リアプレート222に対向して配置され画像表示部223が設けられたフェースプレート224と、支持枠225と、該リアプレート222と該フェースプレート224との間隔を大気圧に対して保持するためのスペーサ226とを少なくとも有し、かつこれらをフリットガラス229を用いて気密接合することにより構成されている。フリットガラス229は一般に酸化鉛等を主成分とする低融点ガラスである。
【0358】
各部材の接合において、スペーサと基板との接合には第1のフリットガラス227が用いられ、リアプレートと支持枠の接合には第2のフリットガラス228、フェースプレートと支持枠の接合には第3のフリットガラス229が用いられる。上記3種類のうちフリットガラス228と229は軟化温度が異なり、スペーサ226を接合している第1のフリットガラス227は第2、第3のフリットガラス228、229のうち、より軟化温度の高いものと同じあるいはそれ以上の高い軟化温度を有する。いずれも350〜470℃の範囲にあり、他フリットガラスに対しては20℃以上異なることが好ましい。
【0359】
上記複数のフリットガラスうち、第2、第3のフリットガラス228、229については、どちらの軟化温度が高くてもよく、工程上の問題である。またスペーサ226はリアプレート222またはフェースプレート224のいずれか一方の基板に接合されており、それはどちらの基板であってもよい。
【0360】
製造工程における各部材の接合は、接合部にフリットガラスを塗布し、フリットの軟化温度以上に加熱して行う。実際の操作としては、大気中で300℃程度の加熱処理を行い、フリットガラス中にバインダーとして含まれる成分を除去(この工程を仮焼成とよぶ)した後、Ar等の不活性ガス中で400℃以上の加熱処理を行い接合部を溶着する。各部材の接合で、手順はどのようであっても構わず、上記複数のフリットを同時に塗布し、全てのフリットの軟化温度以上にまで加熱して一度に接合を行うことも可能である。また軟化温度の高いフリットを用いる箇所から順に接合する方法を用いることもできる。この方法は先に接合した箇所のフリットガラスを溶融しない温度で順に接合することができるため、好ましい方法といえる。
【0361】
本発明でいう軟化温度とは、フリットガラスの粘度が107.65dPa・s(Poise)に相当する温度であり、軟化温度より高い温度(焼成温度)で加熱することにより接合することができる。
【0362】
スペーサの形状は、通常長さ及び幅が数10mm、厚み300μm以下の薄い板状であり、絶縁性基材の表面に帯電防止を目的とした導電膜が形成されている。このスペーサは目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて配置される。
【0363】
スペーサの絶縁性部材としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラスあるいは上述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層を積層した基板などを用いることができる。
【0364】
導電膜材料としては例えばクロム、ニッケル、銅等の金属酸化物、アルミと遷移金属合金の窒化物、炭素等が用いられる。
【0365】
続いて、フェースプレート224の構成について説明する。図33において、フェースプレート224は、ガラス基板上に蛍光膜230、メタルバック231が形成されてなり、この部分は画像表示領域となる。蛍光膜230は白黒画像の表示装置の場合には、蛍光体のみからなるが、カラー画像を表示する場合には、赤、緑、青の3原色の蛍光体により画像形成単位(以下、ピクセルとも呼ぶ)が形成され、その間を黒色導電材で分離した構造とする場合がある。黒色導電材はその形状により、ブラックストライプ、ブラックマトリクスなどと呼ばれる。メタルバック231はAl等の導電性薄膜により構成される。メタルバック231は、蛍光体から発生した光のうち、電子放出素子群221からなる電子源の方に進む光をガラス基体の方向に反射して輝度を向上させるとともに、パネル内に残留したガスが、電子線により電離され生成したイオンの衝撃によって、蛍光体が損傷を受けるのを防止する働きもある。
【0366】
また、フェースプレート224の画像表示領域に導電性を与えて、電荷が蓄積されるのを防ぎ、電子源に対してアノード電極の役割を果たすものである。尚、メタルバック231は高圧端子Hvと電気的に接続されており、高圧端子Hvを通して外部から電圧を印加できるようになっている。
【0367】
次に本発明のフラットディスプレイの解体方法について説明する。
【0368】
図34は本発明の解体方法の一態様を示す模式図である。図34において、222はリアプレート、224はフェースプレート、225は支持枠、226はスペーサ、227は第1のフリットガラス、228は第2のフリットガラス、229は第3のフリットガラスを示す。図34において、各接合部に用いられている第1、第2及び第3のフリットガラスには軟化温度の異なる3種類のフリットガラスが用いられている(図34(a))。ここではその一態様として軟化温度が高い順に第1のフリットガラス227>第2のフリットガラス228>第3のフリットガラス229であるとする。
【0369】
解体手順は以下の通りである。まずパネルを適当な加熱炉中に入れ、第3のフリットガラス229の軟化温度以上かつそれ以外のフリットの軟化温度以下に加熱し、第3のフリットガラス229のみを溶融する。温度を保持しながらフェースプレート224を支持枠225から分離する(図34(b))。次に第2のフリットガラス228の軟化温度以上かつ第1のフリットガラス227の軟化温度以下まで加熱温度を上昇させる。第2のフリットガラス228が溶融したところで支持枠225とリアプレート222を分離する(図34(c))。さらに加熱温度を上昇させて第1のフリットガラス227を溶融し、スペーサ226とリアプレート222を分離する。
【0370】
なお、第1のフリットガラス227による接合部において分離する方法としては特に加熱による方法を用いなくてもよい。たとえば図35に示したように、図34(c)の状態まで分離した後は、このパネルをフリットを溶解する溶液中239に浸漬し、フリットガラスを溶解させて両者を分離することも可能である。溶液としては硝酸が好ましく用いられる。
【0371】
分離後の各部材は硝酸等により残留フリットガラスを除去し、さらに洗浄工程を経て回収される。回収後の部材は、再利用工程またはより細かな回収工程へと進む。
【0372】
図36は本発明の解体方法の別の一態様を示す模式図である。図36においても、各接合部には軟化温度の異なる3種類のフリットガラスが用いられている(図36(a))。ここではその一態様として軟化温度が高い順に第1のフリットガラス227>第3のフリットガラス229>第2のフリットガラス228であるとする。
【0373】
解体手順は以下の通りである。まずパネルを適当な加熱炉中に入れ、第2フリットガラス228の軟化温度以上かつそれ以外のフリットガラスの軟化温度以下に加熱し、第2のフリットガラス228のみを溶融する。加熱しながらフェースプレート224と支持枠225及びリアプレート222とスペーサ226に分離する(図36(b))。前者については次の工程で加熱温度を第2のフリットガラス228の軟化温度以上にする。すると第2のフリットガラス228が溶融するので支持枠225とリアプレート222を分離する(図36(c))。またリアプレート222とスペーサ226の分離については、上記第1の実施態様と同様の方法で行うことができる。
【0374】
[実施例7]
実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。なお本実施例中では、以下の表1に示したフリットガラスの中から適宜選択して用いた。
【0375】
【表1】
【0376】
[実施例7−1]
図33(a)は本発明のフラットディスプレイの一態様を模式的に示した断面図、図33(b)は図33(a)に示したフラットディスプレイの一部を切り欠いて見た平面図である。本発明のフラットディスプレイは、ガラス基体上に多数の電子放出素子221が配置されたリアプレート222と、該リアプレート222に対向して配置され画像表示部223が設けられたフェースプレート224と、支持枠225と、該リアプレート222と該フェースプレート224との間隔を大気圧に対して保持するためのスペーサ226とを少なくとも有し、かつこれらをフリットガラスを用いて気密接合することにより構成されている。
【0377】
本実施例においては、300mm×250mm×2.8mmのソーダライムガラスからなるリアプレート222に、25枚のスペーサ226が溶着されたディスプレイを作製した。またスペーサは、高さ2.8mm、板厚200μm、長さ40mmのソーダライムガラス基材上に導電膜として窒化アルミニウムが約100nm成膜されているものを用いた。
【0378】
スペーサ226とリアプレート222間のフリットガラス227としては表1−III (軟化温度410℃)を用いた。またリアプレート222と支持枠225間のフリットガラス228には表1−II(軟化温度390℃)、フェースプレート224と支持枠225間のフリットガラス229には表1−I(軟化温度365℃)のフリットガラス229を用いた。
【0379】
また電子放出素子221として、図37に示したタイプの表面伝導型電子放出素子を作製した。
【0380】
次に本実施例におけるフラットディスプレイの製造方法を図33、図37、図38を用いて説明する。
▲1▼まずリアプレートとしてソーダライムガラスを用い、該基板上にPtを用いて素子電極235,236を作製した。この時、素子電極間隔L1を10μm、素子電極幅W1を500μm、素子電極の厚さdを100nmとした。次に素子電極上を含む所望の位置に有機パラジウム含有溶液を塗布した後、300℃で10分間の加熱処理を行い、酸化パラジウム(PdO)微粒子(平均粒径7nm)からなる微粒子膜234を形成した。
【0381】
以上のようにして基板上に複数の電子放出素子221を作製してリアプレート222を得た。またフェースプレートはガラス基板に画像形成部材223として蛍光体を塗布したものを用いた。
▲2▼次に本実施例における封着方法を説明する。まず、スペーサ226をフリットガラスIII (軟化温度410℃)でリアプレート222に溶着した(図38(a))。
▲3▼次にフリットガラスII(軟化温度390℃)をリアプレート222上の外周部分(図33(b)のフリット塗布箇所240の部分)に塗布し、またフェースプレート224上の同部分にフリットガラスI(軟化温度365℃)を塗布した後、フェースプレート224、支持枠225、リアプレート222を精密な位置合わせを行いながら重ね合わせた(図38(b))。フェースプレート224とリアプレート222が動かないように治具を用いて固定し、炉の中で400℃で10分以上焼成した。
【0382】
このようにして、フェースプレート、リアプレート、支持枠を接合した(図38(c))。
▲4▼次に、上記工程で作製された容器内を真空状態にするために、封着処理後支持枠225等に設けられた排気管(不図示)により真空に引き、その後排気管を封止した。
【0383】
[実施例7−2]
本実施例では実施例7−1と同じ構成のディスプレイを作製した。本実施例においてはスペーサはリアプレートに接合されており、その接合にはフリットガラスIII(軟化温度410℃)を用いた。またリアプレート222と支持枠225の接合にはフリットガラスI(軟化温度365℃)、フェースプレート224と支持枠225の接合にはフリットガラスII(軟化温度390℃)を用いた。
【0384】
本実施例におけるフラットディスプレイの製造は実施例7−1と同様の方法を用いた。
【0385】
[実施例7−3]
本実施例では実施例7−1と同じ構成のディスプレイを作製した。本実施例においてはスペーサ226はリアプレート222に接合されており、その接合にはフリットガラスIV(軟化温度450℃)を用いた。またリアプレート222と支持枠225の接合にはフリットガラスIII (軟化温度410℃)、フェースプレート224と支持枠225の接合にはフリットガラスII(軟化温度390℃)を用いた。
【0386】
本実施例のフラットディスプレイにおけるリアプレート222及びフェースプレート224の製造は実施例7−1の▲1▼と同様の方法を用いた。
▲2▼次に本実施例における封着方法を説明する。まず、スペーサ226をフリットガラスIV(軟化温度450℃)でリアプレート222に溶着した(図38(a))。
▲3▼次にフリットガラスIII(軟化温度410℃)をリアプレート222上の外周部分(図33(b)240の部分)に塗布し、またフェースプレート224上の同部分にフリットガラスII(軟化温度390℃)を塗布した後、フェースプレート224、支持リアプレート222を精密な位置合わせを行いながら重ね合わせた(図38(b))。フェースプレート224とリアプレート222が動かないように治具を用いて固定し、炉の中で420℃で10分以上焼成した。
【0387】
このようにして、フェースプレート224、リアプレート222、支持枠225を接合した(図38(c))。
▲4▼次に、上記工程で作製された容器内を真空状態にするために、封着処理後支持枠225等に設けられた排気管(不図示)により真空に引き、その後排気管を封止した。
【0388】
[実施例7−4]
本実施例では実施例7−1と同じ構成のディスプレイを作製した。本実施例においては、スペーサ226はフェースプレート224に接合されており、その接合にはフリットガラスIII (軟化温度410℃)を用いた。またリアプレート222と支持枠225の接合にはフリットガラスII(軟化温度390℃)、フェースプレート224と支持枠225の接合にはフリットガラスI(軟化温度365℃)を用いた。
【0389】
本実施例のフラットディスプレイにおけるリアプレート222及びフェースプレート224の製造は実施例7−1の▲1▼と同様の方法を用いた。
▲2▼次に本実施例における封着方法を、図39を用いて説明する。まず、スペーサ226をフリットガラスIII (軟化温度410℃)でフェースプレート224に溶着した(図39(a))。
▲3▼次にフリットガラスII(軟化温度390℃)をリアプレート222上の外周部分に塗布し、またフェースプレート上の同部分にフリットガラスI(軟化温度365℃)を塗布した後、フェースプレート224、支持枠225、リアプレート222を精密な位置合わせを行いながら重ね合わせた(図39(b))。フェースプレート224とリアプレート222が動かないように治具を用いて固定し、炉の中で420℃で10分以上焼成した。
【0390】
このようにしてフェースプレート224、リアプレート222、支持枠225を接合した(図39(c))。
▲4▼次に、上記工程で作製された容器内を真空状態にするために、封着処理後支持枠225等に設けられた排気管(不図示)により真空に引き、その後排気管を封止した。
【0391】
[実施例7−5]
本実施例では実施例7−1と同じ構成のディスプレイを作製した。本実施例においては、スペーサ226はリアプレート222に接合されており、その接合にはフリットガラスII(軟化温度390℃)を用いた。またリアプレート222と支持枠225の接合にもフリットガラスII(軟化温度390℃)、フェースプレート224と支持枠225の接合にはフリットガラスI(軟化温度365℃)を用いた。
【0392】
本実施例のフラットディスプレイにおけるリアプレート222及びフェースプレート224の製造は実施例7−1の▲1▼と同様の方法を用いた。
▲2▼次に本実施例における封着方法を、図40を用いて説明する。まず、スペーサ226と支持枠225をフリットガラスII(軟化温度390℃)でリアプレート222に溶着した(図40(a))。
▲3▼次にフリットガラスI(軟化温度365℃)をフェースプレート224上の外周部分に塗布した後、フェースプレート224と支持枠225を精密な位置合わせを行いながら重ね合わせた(図40(b))。フェースプレート224と支持枠が動かないように治具を用いて固定し、炉の中で420℃で10分以上焼成した。
【0393】
このようにしてフェースプレート224と支持枠225を接合した(図40(c))。
▲4▼次に、上記工程で作製された容器内を真空状態にするために、封着処理後支持枠225等に設けられた排気管(不図示)により真空に引き、その後排気管を封止した。
【0394】
[実施例7−6]
本実施例では、実施例7−1に示したフラットディスプレイの解体方法について述べる。図34を用いて解体方法を説明する。
▲1▼まず排気管の封止箇所を破って空気を導入し、容器内の真空を解除した(不図示)。
▲2▼次にディスプレイを加熱炉の中に入れ、リアプレート222及びフェースプレート224を適当な治具で保持した後、380℃に加熱した。365℃を越えたところでフェースプレート224と支持枠225を接合していたフリットガラスIが徐々に溶融し、フェースプレート224を保持している治具を上部に引き上げることで両者を分離した(図34(a),(b))。
▲3▼次に、支持枠225を適当な治具で保持した後、加熱温度を400℃に上昇させた。390℃を越えたところでリアプレート222と支持枠225を接合していたフリットガラスIIが徐々に溶融し、支持枠225を保持している治具を上部に引き上げることで両者を分離した(図34(c))。
▲4▼引き続き各スペーサ226を適当な治具で保持した後、加熱温度を450℃に上昇させた。410℃を越えたところでリアプレート222とスペーサ226を接合していたフリットガラスIIIが徐々に溶融し、スペーサ226を保持している治具を上部に引き上げることで両者を分離した(図34(d))。
【0395】
回収後の各部材は0.2規定硝酸液で洗浄し残留フリットガラスを除去した後、洗浄、乾燥を行った。その後、スペーサ及び支持枠は検査工程を経て選別され、損傷のなかったものはそのまま再利用工程へと進んだ。またリアプレート及びフェースプレートは、該基板上に形成された各資源の回収工程、さらに基板自体の再利用工程等へと進んだ。本実施例に従って解体を行ったフラットディスプレイにおいては、工程中でのフェースプレート222、リアプレート224、支持枠及びスペーサ226の破損はほとんどなかった。
【0396】
[実施例7−7]
本実施例では、実施例7−2に示したフラットディスプレイの解体方法について述べる。図36を用いて解体方法を説明する。
▲1▼まず排気管の封止箇所を破って空気を導入し、容器内の真空を解除した(不図示)。
▲2▼次にディスプレイを加熱炉の中に入れ、リアプレート222及びフェースプレート224を適当な治具で保持した後、380℃に加熱した。365℃を越えたところでリアプレート222と支持枠225を接合していたフリットガラスIが徐々に溶融し、フェースプレート224を保持している治具を上部に引き上げることでフェースプレート224と支持枠225及びリアプレート222とスペーサ226の2つの部分に分離した(図36(a),(b),(c))。
▲3▼分離した2つの部分のうち、フェースプレート224と支持枠225については実施例7−5の方法と同様に炉を410℃まで加熱させてフリットガラスIIを徐々に溶融し、支持枠225を保持している治具を上部に引き上げることで両者を分離した(図36(e))。
▲4▼一方、リアプレート222とスペーサ226の分離は実施例7−5の▲4▼と同様の方法で行った(図36(d))。回収後の各部材は0.2規定硝酸液で洗浄し残留フリットガラスを除去し、洗浄、乾燥を行った。その後、スペーサ226及び支持枠は検査工程を経て選別され、損傷のなかったものはそのまま再利用工程へと進んだ。またリアプレート222及びフェースプレート224は、該基板上に形成された各資源の回収工程、さらに基板自体の再利用工程等へと進んだ。本実施例に従って解体を行ったフラットディスプレイにおいては、工程中でのフェースプレート、リアプレート、支持枠及びスペーサの破損はほとんどなかった。
【0397】
[実施例7−8]
本実施例では、実施例7−3に示したフラットディスプレイの解体方法について述べる。図34,図35を用いて解体方法を説明する。
【0398】
まず実施例7−6の▲1▼〜▲3▼の方法で、ディスプレイからフェースプレート224および支持枠225を図34(c)の状態まで分離した。
▲4▼次にリアプレートを適当な治具で保持し、リアプレート222とスペーサ226の接合部を0.2規定の硝酸液239が入った液槽237に浸漬した(図35(a))。硝酸液槽237はその内部に網目状のテフロン(登録商標)製の容器238を有している。接合部を硝酸液239に浸漬するとフリットガラスIVが溶解しスペーサ226は容器238中に回収された。全てのスペーサ226が分離したのを確認した後、リアプレート222を引き上げた(図35(b))。またスペーサ226も容器238ごと硝酸液239から引き上げた。
【0399】
回収後の各部材は残留フリットガラスを除去し、洗浄、乾燥を行った。その後、部材毎に検査工程を経て選別され、再利用工程あるいはより細かな回収工程へと進んだ。本実施例に従って解体を行ったフラットディスプレイにおいては、工程中でのフェースプレート、リアプレート、支持枠及びスペーサの破損はほとんどなかった。
【0400】
[実施例7−9]
本実施例では、実施例7−4に示したフラットディスプレイの解体方法について述べる。まず実施例7−7の▲1▼〜▲2▼と同様の方法でディスプレイを360℃に加熱し、リアプレート222と支持枠225及びフェースプレート224とスペーサ226の2つの部分に分離した。
【0401】
次に分離した2つの部分のうち、リアプレート222と支持枠225は実施例7−7の▲3▼と同様の方法で分離した。
【0402】
一方、フェースプレート224とスペーサ226の分離は実施例7−6の▲4▼と同様の方法で行った。
【0403】
本実施例に従って解体を行ったフラットディスプレイにおいては、工程中でのフェースプレート224、リアプレート222、支持枠225及びスペーサ226の破損はほとんどなかった。
【0404】
[実施例7−10]
本実施例では、実施例7−5に示したフラットディスプレイの解体方法について述べる。まず実施例7−6の▲1▼〜▲2▼と同様の方法で、ディスプレイからフェースプレート224を図34(b)の状態まで分離した。
▲3▼次に支持枠225及びスペーサ226を同時に適当な治具で保持した後、加熱温度を410℃に上昇させた。390℃を越えたところでリアプレート222と支持枠225及びリアプレート222とスペーサ226を接合していたフリットガラスIIが徐々に溶融し、支持枠225及びスペーサ226を保持している治具を上部に引き上げることで各部材を分離した。
【0405】
本実施例に従って解体を行ったフラットディスプレイにおいては、工程中でのフェースプレート224、リアプレート222、支持枠225及びスペーサ226の破損はほとんどなかった。
【0406】
[比較例7−1]
本比較例において解体されるフラットディスプレイは、スペーサ226とリアプレート222、リアプレート222と支持枠225及びフェースプレート224と支持枠225の接合にいずれもフリットガラスII(軟化温度390℃)が用いられていること以外は実施例7−1と同様の方法を用いて作製されたディスプレイである。
【0407】
該フラットディスプレイの解体は以下のように行った。まず容器内の真空を解除した後、加熱炉中に入れ、リアプレート222及びフェースプレート224、支持枠225を適当な治具で保持した後、410℃に加熱した。390℃を越えたところでフリットガラスIIが溶融し始めた。リアプレート、枠、フェースプレートの接合部が同時に溶融し分離することから治具で保持はしているものの安定性に欠け、時には部材同士や治具と部材との接触により部材が破損してしまうことがあった。特に薄い板状に形成されているスペーサには破損が多く見られた。
【0408】
[実施形態8]
以下、本発明にかかる残留有害金属量の検査装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0409】
図41は、本発明の一実施形態を示し、残留有害金属量の検査装置の構成図である。
【0410】
この検査装置は、図41に示すように、リサイクルするため解体して分別した部材及び廃棄物などの検査対象Xに含まれる鉛等の有害金属量を検査するものであり、主に鉛の溶出及び回収を行う鉛溶出回収部130と、洗浄部131と、残留鉛溶出部132と、残留鉛定量部133とを備えて構成されている。
【0411】
検査対象Xとしては、図43に示すリアプレート1と、フェースプレート2と、枠3と、スペーサ4とから構成されるフラットパネルディスプレイや、ブラウン管など、ガラス部材を主要な構成材料とするものを解体して分別した部材及びその廃棄物が挙げられる。しかし、後述するように、この検査装置は硝酸液に鉛を溶出させる構成であり、従って、硝酸液に不溶解なものであれば検査を行うことができ、検査対象Xはガラス部材には限らない。
【0412】
図41において、鉛溶出回収部130は、検査対象Xを浸す浸漬浴槽100に、酸性液Aを満たしていて、当該検査対象Xに含まれる有害金属(鉛)を溶出させるようになっている。つまり、浸漬浴槽100には、配管101を介して回収浴槽102が連結されており、その配管101の途中に設けた開閉バルブ103,液送ポンプ104を中継して鉛の溶出液が回収浴槽102に送られる構成とされている。
【0413】
そして、浸漬浴槽100の上縁部には、搬送コンベア105の搬送出口部が配置され、図示しない解体処理部から分別部材等の検査対象Xが送り込まれる。浸漬浴槽100の内部には、網かご106がセットされていて、検査対象Xは搬送コンベア105から網かご106内に落下し、所定の溶出時間が経過した後に網かご106の取っ手を持って引き上げて取り出す。
【0414】
洗浄部131は、検査対象Xを浸す洗浄浴槽110に、純水Bを満たしていて、鉛溶出回収部130により溶出させた後の検査対象Xを洗浄するようになっている。つまり、浸漬浴槽100から引き上げた網かご106を、今度は洗浄浴槽110にセットする。
【0415】
残留鉛溶出部132は、検査対象Xを浸す浸漬浴槽120に、酸性液Cを満たしていて、洗浄部131により洗浄した後の検査対象Xに残留している鉛を溶出させるようになっている。つまり、浸漬浴槽120には、適宜な配管121により開閉バルブ122,液送ポンプ123,切替えバルブ124が接続されていて、残留鉛の溶出液が残留鉛定量部133に送られる構成とされている。浸漬浴槽120の下部には、超音波振動子125が設けられており、浸漬浴槽120内の酸性液Cへ超音波振動を与えて溶出を促進するようになっている。
【0416】
また、切替えバルブ124の他方には、浸漬浴槽100に延びる配管126が接続され、浸漬浴槽120に満たした酸性液Cの残り分を浸漬浴槽100に送って再利用する構成とされている。酸性液Cそしてこれを再利用する酸性液Aとしては、例えば硝酸液が挙げられ、硝酸液の濃度は0.1N(規定)から1Nの範囲が好ましい。
【0417】
残留鉛定量部133は、後述する定量検出のための適切な構成を採り、送り込まれた溶出液から鉛を定量的に検出するようになっている。
【0418】
各浴槽100,102,110,120の材質は、テフロン(登録商標)等の樹脂、あるいは鉛を含まないガラスなどが好ましく、収容して満たす酸性液A,Cに侵されない材質とすることは言うまでもない。そして、網かご106の材質も同様であり、これが漬かる酸性液A,Cに侵されない材質とされ、例えばテフロン(登録商標)等の樹脂が好ましい。
【0419】
即ち、この検査装置では、まず検査対象Xを浸漬浴槽100の酸性液A(硝酸液)に浸漬して、それが含有する鉛成分を溶解させた後に、洗浄浴槽110の純水Bにより洗浄し、この後に浸漬浴槽120の酸性液C(新硝酸液)に浸漬して残留鉛を溶解させ、残留鉛定量部133で定量することにより、残留鉛量を検査する。
【0420】
図42は、図41に示す残留有害金属量の検査装置による検査処理を順に説明するフローチャートであり、ここでは、前述した図43に示すフラットパネルディスプレイを解体する場合を例にして説明する。
【0421】
まず解体の前処理工程(1)〜(3)を行う。つまり、フラットパネルディスプレイ機器の筐体から端子等の接続を外して[工程(1)]、ディスプレイ本体のみを取り出す[工程(2)]。そして、そのディスプレイ本体をなす真空容器内の真空を解除して大気圧に戻す[工程(3)]。
【0422】
この後、ディスプレイ本体を、適切な手段により解体して分別するものであり、分別した部材及びその残りの廃棄物などが、検査対象Xとなる。
【0423】
そうした検査対象Xを、搬送コンベア105により鉛溶出回収部130に搬送し、浸漬浴槽100の酸性液A(硝酸液)に浸漬させる[工程(4)]。
【0424】
所定の時間が経過した後、網かご106を引き上げ、フリットガラスによる固着が剥離した部材を取り出す[工程(5)]。
【0425】
次に、引き上げた網かご106を、洗浄部131へ運んで洗浄浴槽110に入れ、検査対象Xに付着している硝酸液を純水により洗浄する[工程(6)]。
【0426】
洗浄した後に、網かご106を、残留鉛溶出部132へ運んで浸漬浴槽120に入れ、硝酸液Cに浸し漬ける[工程(7)]。このとき、超音波振動子125を起動させて浸漬浴槽120に振動を与え、溶出効率を上げる。
【0427】
この後、開閉バルブ122を操作し、浸漬浴槽120内の溶出液を残留鉛定量部133に送って取り出す[工程(8)]。この取り出し量は、数十ccで十分である。
【0428】
残留鉛定量部133では、送られた溶出液にヨウ化物を添加して発色させ、吸光度を測定する[工程(9)]。測定波長は分析精度を高く得るため340nm付近で行なうことが好ましい。そして、測定した吸光度から鉛イオン濃度を求める。
【0429】
鉛イオン濃度の求め方は、予め、標準試料の鉛イオン濃度と吸光度の関係(検量線)を求めておき、その検量線に吸光度を照らして鉛イオン濃度を求める。ただしその際、使用している硝酸液中の鉛の定量値をブランク値に用いる。
【0430】
また、送られた溶出液を、そのままプラズマ発光分光分析(ICP)測定し、鉛イオンの濃度を検出してもよい。その際の測定波長は220.4nmが感度的に好ましい。
【0431】
そして、吸光度法による鉛の定量下限は1ppm程度であり、ICP法による鉛の定量下限は0.05ppm程度である。
【0432】
なお、ここで検査用に取り出した溶出液の残りの硝酸液は、切替えバルブ124を操作し、浸漬浴槽100に送って再利用する。これにより、むだな廃棄物を減らすことができて好ましい。
【0433】
このようにして求めた鉛イオン濃度値が、所定の許容値(例えば数十ppm)以下であるなら、検査対象Xには残留鉛が付着していなと見ることができる。許容値を越える鉛イオン濃度では、工程(7)に戻って再度新しい硝酸液に浸漬させて工程(8)〜(10)を繰り返す[工程(10)]。このとき、工程(8)の硝酸液を全て排出した後に、その浸漬浴槽120に新たな硝酸液を入れてもよいが、他にも複数の浸漬浴槽120を準備して使用することでもよい。ただし、鉛イオン濃度は溶液量の増減により変化する対比量なので、浸漬浴槽120に用意する新たな硝酸液は液量,濃度値の定常性を保つ必要があることは言うまでもない。
【0434】
ところで一方、工程(4)を行った後に、浸漬浴槽100の硝酸液は開閉バルブ103を操作して回収浴槽102に送りる[工程(11)]。そして、その回収浴槽102に、硫酸イオンを過剰に添加して硝酸溶液中の鉛を反応させ、硫酸鉛として沈殿させるものであり、これをろ過して回収し、鉛を含む有害物質として適切な廃棄処分を行う。
【0435】
以上の構成により本実施形態の残留有害金属量の検査装置は、まず鉛溶出回収部130の浸漬浴槽100に検査対象Xを浸すと、その浸漬浴槽100の硝酸液(酸性液A)により当該検査対象Xに含まれる鉛(有害金属)が溶出させられる。次に、その検査対象Xを洗浄部131に送って洗浄し、この後、残留鉛溶出部132の浸漬浴槽120に浸すと、浸漬浴槽120の硝酸液(酸性液C)により当該検査対象Xに残留している鉛(有害金属)が溶出させられる。そして、この溶出液を残留鉛定量部133に送り込めば、その残留鉛定量部133が溶出液中に含まれている鉛イオン濃度(有害金属量)を定量的に検出する。
【0436】
従って、フラットパネルディスプレイなどの解体,分別処理に際して、ガラスからなる分別部材及び廃棄物等の検査対象Xに残留した鉛等の有害金属量を定量的に検出することができる。この場合、酸性液A,Cを満たした浸漬浴槽100,120に検査対象Xを単に浸し漬けるだけなので容易であり、即ち、その定量検出を手間なく容易に行うことができる。そして、検査対象Xとしては、酸性液A,Cに不溶解であれば、それが含む鉛等の有害金属を溶出させることができ、その材質,形状等には特に制限がなく、各種の部材を検査できる。
【0437】
[実施形態9]
以下、本発明にかかるフラットパネルディスプレイの解体装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0438】
(実施形態9−1)
図44〜図49は、本発明の第1実施形態を示し、図44(a)はフラットパネルディスプレイの解体装置の構成を示す斜視図、図44(b)はその平面図、図45は図44の保持台及び支持手段を示す側面図、図46(a)は図44の搬送手段を示す正面図、そして図46(b)はその搬送手段の側面図、図47(a)は図44の搬送手段の他例を示す正面図、そして図47(b)はその他例の側面図、図48は図44のスペーサ回収治具を示す側面図、図49は図44のスペーサ回収治具の他例を示す側面図である。
【0439】
図中、50はフラットパネルディスプレイ、57はフラットパネルディスプレイ50を載せる保持台、54はフラットパネルディスプレイ50の上面に引上力を加えて支持する支持手段、55は支持手段54に引上力を発生させる制御部、71(72)はスペーサ回収治具、300は搬送手段である。
【0440】
解体するフラットパネルディスプレイ50は、前述したのと同様な構成を有する図43に示す構成を採り、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を上にして保持台57に載置し、その上面に支持手段54を接面させ、所定の引上力を作用させて固定するようになっている。図45には、スペーサ4が少なくともフェースプレート2側に固着されたものを例にして示している。保持台57は、フラットパネルディスプレイ50を載置した状態で上下に昇降させることができるようになっている。
【0441】
支持手段54は、制御部55に接続されている。制御部55はフラットパネルディスプレイ50の型番を入力することにより上面の重量を支える引上力を所定に発生させるようになっている。
【0442】
この支持手段54が引上力を発揮する構成としては、真空排気装置の吸引力により引上力を発揮して支持を行う吸引手段とした構成、あるいは吸盤の吸着力により引上力を発揮して支持を行う吸着手段とした構成が採られる。本実施形態では吸引手段の構成を採り、支持手段54が真空排気装置56に接続されている。なお、支持手段54の引上力は、保持台57上に載置したフラットパネルディスプレイ50の全重量を支持し得る値ではなく、フラットパネルディスプレイ50から枠部材3を分離させたものの重量、つまりスペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を支持し得る値程度に設定され、例えばその重量よりも1キログラム程度大きく設定することが好ましい。
【0443】
搬送手段300は、フラットパネルディスプレイ50から枠部材3を分離させた後に、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材をスペーサ回収部73(74)に搬送するものであり、ガイドレール100に沿って移動して搬送を行うようになっている。図46(a),(b)に示す構成はスペーサ4が両プレート1,2の何れか一方に固着されたディスプレイ用であり、図47(a),(b)に示す構成はスペーサ4が両プレート1,2の両方に固着されたディスプレイ用となっている。
【0444】
搬送手段300の柱61は、ステージ60上で前後及び左右へ移動できるようになっている。柱61にはアーム63が取り付けられており、そのアーム63は高さ位置を調整できるようになっている。そして、アーム63には押さえ治具62が取り付けられている。
【0445】
押さえ治具62は、スペーサ4と固着状態にあるプレート部材を両側から挟み込むことにより保持する構成とされていて、つまり、アーム63の前後に、左右一対の吊り棒321R,321L及び322R,322Lが取り付けられ、各吊り棒321R,321L及び322R,322Lには、縦間隔d1離れたツメ部321R1,321R2及び321L1,321L2そして322R1,322R2及び322L1,322L2が設けられている。この縦間隔d1は、リアプレート1またはフェースプレート2を載置し得る間隔に設定されている。そして、アーム63に取り付けられた押さえ治具62は、左右の開き角度、及び前後の位置を調整できるようになっている。
【0446】
スペーサ回収治具71(72)は、枠部材3を分離した後に、スペーサ4と固着状態にある側のプレート縁部を受け支持するものであり、図48に示す構成はスペーサ4が両プレート1,2の何れか一方に固着されたディスプレイ用71であり、図49に示す構成はスペーサ4が両プレート1,2の両方に固着されたディスプレイ用72となっている。
【0447】
このスペーサ回収治具71(72)は、プレート部材を受け支持した状態のものが、スペーサ回収部73(74)に収容され、そこでスペーサ4の分離,回収が行われる。
【0448】
スペーサ回収治具71については、溝部深さd2がスペーサ4の高さ以上に設定され、溝部幅d3はスペーサ4の領域以上の距離に設定され、受け開口d4はこれへ受け支持させるプレート部材の幅以上に設定されている。また、スペーサ回収治具72については、下段溝部深さd5がプレート部材の厚さ以上に設定され、棚部厚さd6はリアプレート1とフェースプレート2との間隔つまり前工程で分離させた枠部材3の厚さ以下に設定されている。そして、スペーサ回収治具72の溝底部には、負荷回避治具70が設けられていて、受け支持状態にあるプレート部材においてスペーサ4に荷重がかかることを回避できるようになっている。
【0449】
スペーサ回収部73(74)は、プレート部材を受け支持した状態のスペーサ回収治具71(72)を収容し、スペーサ4の分離及び回収を行うようになっている。
【0450】
スペーサ4を分離させて回収するには、硝酸液などの酸性液に浸漬する構成や加熱する構成を採ればよく、つまり、スペーサ回収部として酸性液浸漬槽73を備えて、スペーサ回収治具71(72)をその酸性液に浸し漬けることにより受け支持状態のプレート部材からスペーサ4を取り出して、それの溝部底に溜まっているスペーサ4を回収する。また、スペーサ回収部として熱処理炉74を備えて、スペーサ回収治具71(72)を加熱することにより受け支持状態のプレート部材からスペーサ4を分離させ、この後、スペーサ回収治具71(72)を取り出して、それの溝部底に溜まっているスペーサ4を回収する。
【0451】
なお、酸性液には、例えば0.2規定の硝酸液が用いられる。また、スペーサ回収部として酸性液に浸漬する構成を採る場合は、スペーサ回収治具71(72)をプラスチック等の耐酸性材料から形成し、加熱する構成を採る場合はスペーサ回収治具71(72)を金属等の耐熱材料から形成する。
【0452】
図50は、図44に示すフラットパネルディスプレイの解体装置による解体工程を順に説明するフローチャートである。
【0453】
まず解体の前処理工程(1)〜(5)を行う。つまり、フラットパネルディスプレイ機器の筐体からフラットパネルディスプレイ50を取り外して[工程(1)]、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を上にして保持台57に載置し[工程(2)]、付設されている配線や端子を取り外して[工程(3)]、排気管の取り付け部の封止を破るなどの適切な処理により当該真空容器内の真空を解除して大気圧に戻し[工程(4)]、そして排気管を取り外す[工程(5)]。
【0454】
次に、図45に示すように、保持台57上のフラットパネルディスプレイ50上面に支持手段54を接面させ、所定の引上力を作用させて固定する[工程(6)]。
【0455】
この後、フラットパネルディスプレイ50から枠部材3を分離させる[工程(7)]。この分離には、単に切断する、枠部材3と両プレート1,2との接合部にくさび刃工具を押し込んで剥離させる、硝酸液を噴霧する等の適宜な方法を採ればよい。
【0456】
工程(7)で分離させた枠部材3は[工程(8)]、破砕すると共に鉛成分を除去して、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(9)]。
【0457】
次に、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を、図46で示した搬送手段300に保持させ[工程(10)]、そしてガイドレール100に沿つて移動させてスペーサ回収治具71(72)に移す[工程(11)]。つまり、吊り棒321L,321R及び322L,322Rの開き角度を調整しながらツメ部321L1,321L2及び321R1,321R2そして322L1,322L2及び322R1,322R2でプレート部材を挟んで吊り支持し、ステージ60をガイドレール100に沿つて移動させて、吊り支持手順と逆の手順動作によりスペーサ回収治具71(72)に移す。
【0458】
この後、スペーサ4を回収する[工程(12)]。これには、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を受け支持しているスペーサ回収治具71(72)を、スペーサ回収部73(74)へ収容させ、そこでスペーサ4の分離,回収を行わせる。
【0459】
スペーサ4を回収できた後は、当該プレート部材がフェースプレート2の場合は[工程(13)]、そのフェースプレート2から蛍光体を回収し[工程(14)]、破砕すると共に鉛成分を除去して、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(15)]。
【0460】
また、当該プレート部材がリアプレート1の場合は[工程(16)]、そのリアプレート1から配線を取り外し[工程(17)]、破砕すると共に鉛成分を除去して、再生新規のガラス材料として再利用する[工程(18)]。
【0461】
以上の構成により本実施形態のフラットパネルディスプレイの解体装置は、ディスプレイ本体(真空容器)から枠部材3を分離させる工程に際して、スペーサ4と固着状態にある側のプレート部材を、支持手段54により引上力を加えて支持するので、スペーサ4は吊り下げ状態になり、これと固着しているプレート部材の重量が加わらなく、枠部材3の分離をスペーサ4に負担なく行える。従って、スペーサ4の損傷を防止することができる。
【0462】
枠部材3を分離した後は、スペーサ回収治具71(72)により、スペーサ4と固着状態にある側のプレート縁部を受け支持するので、このときもスペーサ4は吊り下げ状態になり、これと固着しているプレート部材の重量が加わらない。そして、このスペーサ回収治具71(72)により受け支持されたプレート部材からスペーサ4を分離させる工程は、スペーサ回収部73(74)が、その受け支持している状態そのままで行うので、スペーサ4の分離,回収工程においてもスペーサ4には余分な重量が加わらなく、その損傷を防ぐことができる。
【0463】
即ち、解体処理を適切な工程により行えるものであり、そのまま再利用し得るスペーサ4等の構成部材を破損することなく回収することができる。その結果、再資源化を好ましく図ることができる。
【0464】
(実施形態9−2)
図51は、本発明の実施形態9−2を示し、図51(a)はそのフラットパネルディスプレイの解体装置の構成を示す斜視図、図51(b)はその平面図である。
【0465】
実施形態9−2は、フラットパネルディスプレイ50の上面に引上力を加えて支持する支持手段を、吸盤の吸着力により引上力を発揮して支持を行う吸着手段240とし、そして搬送手段301は、柱61を回転軸にしてその上部のアーム63を回転させる構成としてあり、そのアーム63の回転範囲内に、保持台57,スペーサ回収部73(74),スペーサ回収治具71(72)を配置した構成を採る。なお、前述した実施形態9−1と同様な各部には同一符号を付してその説明を省略する。
【0466】
この場合の解体工程も、実施形態9−1と同様であり、各工程においてスペーサ4を吊り下げ状態にすることができ、重量負担なくスペーサ4の分離,回収を行うことができ、その損傷を防止できる。そして、各部材を解体して再生新規のガラス材料として再利用することができ、即ち、解体処理を適切な工程により行えるものであり、その結果、再資源化を好ましく図ることができる。
【0467】
[実施形態10]
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。ここでは、図43、図32に模式的に示すような、内部にスペーサを有しフェースプレート内面に蛍光面を有するFPDを解体処理する場合を一例として説明を行う。
【0468】
図43(a)はFPDの一部を切り欠いた斜視図であり、図43(b)は断面図である。図43中、1はリアプレート、2はフェースプレート、3は枠、4はスペーサである。また図43に黒色で示す接合部には、鉛含有のフリットガラス5が使用されている。
【0469】
リアプレート1、フェースプレート2、枠3は、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにシリカ層を積層したもの等が用いられる。
【0470】
フェースプレート2は、ガラス基板2aの内側に蛍光膜2bが形成され、その蛍光膜2bの内面にAlを含むメタルバック2cが形成されて構成されている。
【0471】
スペーサ4はフェースプレート側、リアプレート側のどちらか一方、あるいはその両側に接着されるが、ここではフェースプレート側のみの場合を示している。スペーサ4の材質も基本的にはガラスからなり、帯電防止のためその表面に導電性膜がコーティングされている場合がある。
【0472】
以上の他に一般にFPDには内部を真空に排気するための排気管が取り付けられている(不図示)。排気管は通常鉛を含有する低融点のガラスで形成されている。
【0473】
図32に示すFPDは、マトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)の例であり、一部を切り欠いて示している。図32において、リアプレート1の上には表面伝導型電子源11とこの電子源を駆動するための配線12、13が形成されている。12、13はそれぞれX方向(Doxl,Dox2,・・・Doxm)及びY方向(Doyl,Doy2,・・・Doyn)の素子配線であり、その材質はAg,Pb等である。X方向配線12とY方向配線13とは少なくともそれらの交差部分において絶縁層(不図示)によって隔てられている。この絶縁層には鉛を多く含むガラスが使用されている。
【0474】
以上述べたように、FPDの様々な部分に鉛を含有する材料が使用されている。本発明の主旨はこれらの鉛を除去して、ガラスなどを再利用可能な状態にするための処理を、被処理部材の形状に適合した方法によって効率的に実施することである。
【0475】
図53は本発明の実施態様を説明するための、FPD機器の解体処理方法の工程を示す流れ図である。この方法の前半である工程(1)〜(3)は、前処理工程であり、FPD機器の筐体からFPDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去する工程を含む。次に工程(4)〜(6)においてFPDの真空解除を適切な方法で行った後、排気管を取り外す。排気管には鉛が含まれているため、鉛含有ガラスとして処理され再利用される。
【0476】
次に、工程(7)でパネルを枠の部分で切断し各部を分離するか、若しくは工程(8)で接合部のフリットガラスを溶解させて各部を分離する。工程(7)または工程(8)を経ることにより、この廃棄FPDは枠部分、パネル内部材、フェースプレート、リアプレートそれぞれの部分に分離されることになる。以下、それぞれの処理方法を記述する。
【0477】
枠部分は粉砕して、鉛入りガラスとして再利用される。
【0478】
パネル内部材としてスペーサ(ガラス製)、グリッド(金属製)などが含まれている場合はそれぞれ回収し再利用される(工程(9))。
【0479】
フェースプレートにおいては、まず蛍光体が除去され(工程(10))、蛍光体の回収が行われる(工程(11))。次に、工程(12)において残留フリットガラスを除去するためにフェースプレートを液体処理槽に投入する。図52はこのとき使用される処理槽の構成を示す模式図である。この処理槽81では、複数のフェースプレート82を同時に処理することが可能である。処理槽81内で各フェースプレート82は支持枠(不図示)などにより、表面と表面が接触しないように、一定の間隅を置いて平行に並べられ、フリットガラスを溶解させる作用を有する液体83(例えば希硝酸)に浸漬される。なお、処理槽81は例えばステンレスのような耐食性の高い材料で構成される。
【0480】
フリットガラスの溶解を加速するために、▲1▼液体を流動させる、▲2▼フェースプレートに振動または音波を伝播させる、▲3▼加熱機構により液体の温度を上げる、という手段が適宜とられる。フリットガラスが溶け出した処理液は、処理槽81から処理液再生手段86に取り出され、鉛やその他溶出物の回収が行われる(工程(13))。その結果、処理液は再生され、処理槽81へ戻される。このように処理液の再生、循環機構を設けることにより、処理槽内の環境を概ね一定の状態に保ことができ、フェースプレート82から残留フリットガラスを除去する処理を連続して行うことが可能となる。図52中に記入された矢印は処理液の流れを模式的に示すためのものである。
【0481】
続いて、フェースプレートは処理槽から洗浄槽へ移され、洗浄される(工程((14))。この洗浄工程では、洗浄に使用される液体(例えば水)が用いられ、フェースプレートに付着している上記処理液が除去される。洗浄槽の構造および機能は、図52に示した処理槽と基本的に同じである。洗浄工程を終えたガラスは、そのまま、または粉砕、再溶融工程を経てフェースプレート用基板として再利用可能である。
【0482】
リアプレートにおいては、まず工程(15)として配線を除去するためにリアプレートを図52に示した液体処理槽に投入する。フェースプレートと同様、処理槽81内で各リアプレートは支持枠(不図示)などにより、表面と表面が接触しないように、一定の間隔を置いて平行に並べられ、配線材料を溶解させる作用を有する液体83(例えば希硝酸)に浸漬され、複数枚のリアプレートが同時に処理される。リアプレート用処理槽の構造および機能はフェースプレート用処理槽と基本的に同じである。処理槽内で配線を除去した後、配線に含まれていた金属(Ag、Pb等)を回収する(工程(16))。
【0483】
続いて、リアプレートは処理槽から洗浄槽へ移され、洗浄される(工程(17)。この洗浄工程では、洗浄に使用される液体(例えば水)が用いられ、リアプレートに付着している上記処理液が除去される。洗浄槽の構造および機能は、上記処理槽と基本的に同じである。洗浄工程を終えたガラスは、そのまま、または粉砕、再溶融工程を経てリアプレート用基板として再利用可能である。
【0484】
[実施例10]
以下、図32,図43,図52〜図53を参照しながら、実施例にしたがって本発明を詳細に説明する。
【0485】
[実施例10−1](切断分離してから一括処理する方法)
図32に示すような、マトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)10個を解体処理した。このSEDは図43に示すようなスペーサを含む、パネル構造をしている。
【0486】
図53のFPD機器の解体処理工程図に従い、SED機器の筐体からSEDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去した。次にSEDの真空解除を行い、排気管を取り外した。排気管は、鉛含有ガラスとして処理し再利用した。
【0487】
次に、SEDパネルのフリットガラスで接合された領域の内側に切断線を設定し、ダイヤモンドカッテイングソウを使用して、研削液を加えながら、上記切断線に沿って、SEDを切断した。
【0488】
以上の操作を10個のSEDについて行なった。切断により各SEDは、それぞれ枠部分、フェースプレート、リアプレートに分割された。スペーサは切断の際にはずれたものと、フェースプレートに接着した状態のものとがあったが、両者とも手作業により回収し再生可能なものを選別し、再利用した。
【0489】
枠部分はそのまま粉砕して、鉛入りガラスの原料として再利用した。フェースプレートは、メタルバック及び蛍光体を除去してから、残留鉛成分を除去するために10枚をまとめて液体処理槽へ投入した。図52はこのとき使用した処理槽の構成を示す模式図である。処理槽81には処理液83として、0.2Nの硝酸が満たされており、各フェースプレート82を平行に並べて、これに浸漬した。処理槽81内には、フェースプレート82が一定の間隔を置いて平行に並ぶように支持枠(不図示)が設置されている。液体流動手段84により、処理液83をフェースプレート82の表面に沿って流動させると共に、処理液83を、加熱用ヒーター85により50℃に加熱した状態で、1時間処理を行った。
【0490】
この間、処理液83は処理液再生機構86へと送られ、再生されて処理槽81に戻される。処理液再生機構86では、フィルターによって固形成分を除去し、溶解成分は電解法により分離回収した。
【0491】
続いて、フェースプレート82は10枚まとめて処理槽81から洗浄槽へ移し、洗浄した。洗浄槽の構造は、上記処理槽と基本的に同じである。洗浄液として水を使用し、30分間洗浄した。洗浄工程を終えたガラスは、粉砕、再溶融工程を経てフェースプレート用基板として再利用した。
【0492】
リアプレートは図52に示す処理槽へ10枚まとめて投入し、残留フリットガラスおよび配線を除去した。処理液は0.2Nの硝酸であり、温度50℃に加熱し、さらに、超音波印加手段87により超音波を印加しながら2時間処理を行った。
【0493】
続いて、リアプレートは10枚まとめて処理槽から洗浄槽へ移し、洗浄した。洗浄槽の構造は、上記処理槽と基本的に同じである。洗浄液として水を使用し、30分間洗浄した。洗浄工程を終えたガラスは、粉砕、再溶融工程を経てリアプレート用基板として再利用した。
【0494】
[実施例10−2](溶解分離してから一括処理する方法)
図53のFPD機器の解体処理工程図に従い、SED機器の筐体からSEDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去した。次にSEDの真空解除を行い、排気管を取り外した。排気管は、鉛含有ガラスとして処理し再利用した。
【0495】
次に、各SEDパネルをそれぞれ硝酸液に浸漬し、パネルの接合部のフリットガラスを溶解させた。その結果各パネルは、それぞれ枠部分、フェースプレート、リアプレートに分割された。
【0496】
以上の操作を10個のSEDについて行なった。
【0497】
以降、フェースプレート、リアプレートの洗浄工程までは実施例10−1と共通である。洗浄工程を終えたガラスは乾燥後そのままフェースプレートもしくはリアプレート用基板として再利用した。
【0498】
本実施例では、ガラス基板の切断を行わないため、回収されたガラス基板はそのままの形でSEDの部材として再利用が可能となる。
【0499】
[実施形態11]
以下、図面に基づき、本発明によるフラットパネルディスプレイの蛍光体回収方法および装置の好適な実施形態を説明する。
【0500】
この実施形態において、処理されるべきディスプレイはフェースプレート、リアプレートおよびびパネル間に設置される枠部とからなり、フェースプレート内面に蛍光体を塗布され、電子線の照射により蛍光体を発光させる形態のフラットパネルディスプレイとする。
【0501】
本発明の蛍光体回収装置において、作業台または作業ベルト等の基台上に載置されたフラットパネルディスプレイを囲繞するように該フラットパネルディスプレイに対して進退可能に配設された固定治具を備え、この固定治具がその四方周囲から摺動して当接することにより固定するようにした固定装置を使用する。
【0502】
図54は、本発明における処理の基本工程を示している。
【0503】
図54において、処理・廃棄されるディスプレイ(S40)は、キャビネットから分離される。この場合、ディスプレイのフェースプレート側を下面として作業台上に配置し、その周囲を本発明に係る可動絞り式の固定治具で仮固定し、さらに作業台に設けられた吸引チャックを作動させて完全に固定する。
【0504】
ここで使用される固定治具において、その移動距離に基づき位置が検出され、この位置情報からフラットパネルディスプレイのサイズ情報が検知される(S41)。この情報は制御端末(制御部)に送られ、後述の枠部切断時に使用されるカッタ(切離手段)の移動範囲、あるいはその後の蛍光体回収ブラシ(回収手段)の作業範囲が決定される(S41)。また、吸引チャックの吸引口周囲にはフェースプレートの密着性を増すために、ゴムまたはプラスティックからなるシールが設けられている。
【0505】
つぎに、上方から吸盤を降下させて上側のリアプレートに吸着させ、上述した制御端末からの情報に従い枠部を切断する(S44)。または枠部のフリットガラスを熱溶融させるなどの方法でフェースプレートとリアプレートおよび枠部を分離させる(S45,S49)。リアプレートおよび枠部(S45)はフェースプレート上から取り除かれ(S46)、金、銀およびパラジウムなどの貴金属元素(S47)を取り除かれた後にカレット化の工程へ移送される(S48)。
【0506】
一方、フェースプレート(S49)は、吸引機構付の蛍光体回収ブラシをフェースプレート上に降下、複数回フェースプレート上を往復作動させ(S50)、蛍光体を回収する(S51)。この場合フェースプレートに残留する蛍光体の量を検知する蛍光体検知手段を備え、この蛍光体検知手段で得られた蛍光体量情報により、回収手段の回収ブラシの作動を制御するようになっている。
【0507】
本発明に係る蛍光体検知手段を使って蛍光体回収作業の終了を判断する方法として、たとえば可視光を照射してその透過率を検知する手段を作業台に設け、作業終了を判断することができる。あるいは回収ブラシ後方に蛍光スペクトロメータ検知部を配しておき、蛍光体が発する蛍光強度が初期値の0.5%以下、より好ましくは0.2%以下となったところで作業終了を判断する方法がある。
【0508】
また、リアプレートおよび枠部を分離した後にフェースプレートを治具ごと反転させ、下方からブラシを作用させて、蛍光体を落下回収する方法もある。この方法によれば、ブラシの吸引機構のエネルギおよび回収チューブの取回しが必要なくなるため、作業をより効率的に行うことができる。
【0509】
このようにして蛍光体の大部分が除かれたフェースプレートはさらに、蒸留水または蛍光体を溶解し易い水溶液、たとえばシュウ酸水溶液による洗浄工程にかけられ、さらに蛍光体が完全に回収除去される。後のシュウ酸の回収工程コストを考慮すると、蒸留水のみで洗浄できるようにブラシ工程での蛍光体の掻出しを充分に行なうのが望ましい(S52)。
【0510】
洗浄工程を経たフェースプレートは、フェースプレートとして再利用することができるよう乾燥工程を施され(S53)、フェースプレートの製造工程に回される(S55)。あるいはまた、内面がフェースプレートの規格に達しない場合にはカレット化、溶融工程を経て通常のガラスとして再利用される(S54)、またはフェースプレート部材の一部として再利用される。
【0511】
回収された蛍光体は、既知の方法によって分離、精製され、特にその手段は問わない。たとえば、回収した蛍光体をNaOH、NaClOおよびH2O2を含有する水溶液で処理し、ついで弱酸で処理する方法(特開平6−108047号公報)、あるいは回収した蛍光体を強酸で処理して希土類を浸出させ、さらにシュウ酸を添加して希土類をシュウ酸塩とし、これを焙焼して希土類酸化物を得る方法(特開平8−333641号公報)などの方法で行うことができる。
【0512】
上記の場合、本発明装置に含まれる固定装置やカッタあるいは回収ブラシ等の駆動制御は、CPUを有する制御部において所定のプログラムに従って行われるようになっている。すなわち、固定治具の位置情報や蛍光体検知手段の蛍光体量情報により、カッタあるいは回収ブラシ等の部材の移動量やON/OFFに関して、それらに対する駆動機構に適正な駆動命令を出して、それらの処理作業を制御する。
【0513】
[実施例11]
つぎに、本発明における具体的な実施例を説明する。
【0514】
(実施例11−1)
ここで、図58は、フラットパネルディスプレイから蛍光体を回収する実施例11−1に係る工程を示している。
【0515】
まず、フラットパネルディスプレイ260からパネル周辺部品の取外しを行なう。ディスプレイ周辺部の締付けネジをドライバ等で外し、ディスプレイケーシングを取り外す。さらに電源ケーブル、高圧電源部、チューナ部およびフレキシケーブルを取り外し、金属類とプラスティックを別途収容し、パネル部分のみとする。
【0516】
図55、図56に示すように上記のようにして取り出したパネル部分(フラットパネルディスプレイ260)を、フェースプレート部2を下にして真空吸引チャック271を備えた作業台261上に置く。フラットパネルディスプレイ260は、制御端末に接続された可動絞り式治具270を用いて固定される。すなわち、図55(a)に示されるようにパネルの上下を固定する治具270a,270bは、パネルに接触するまで徐々に縦方向に移動する。同時にパネルの左右を固定する治具270c,270dがパネルに接触するまで横方向に徐々に移動し、つまりパネルの上下端およびパネルの左右端を検知するまで治具270が移動する。
【0517】
実際にはこれらパネルの上端下端の検知移動、パネルの左端右端の検知移動は交互に行われ、何れかの端を検知するまでは交互に、その後は未検知の方向のみの検知移動が行われる。このため治具270の移動は、治具270が次第に間隔を狭めながらパネルを固定するように観察される。これらパネル固定治具270の位置情報は制御端末に送られ、後述するカッタの移動範囲や吸引機構付きブラシの作業範囲を決定する。
【0518】
なお、パネルは作業台261に設けた吸引孔262aを介して、吸引チャック262により完全に作業台261上に固定される。この場合、吸引チャック262の吸引口周囲はシール263によって完全にシールされる。
【0519】
つぎに図55に示すようにリアプレート1を4囲270a,270b,270c,270dからなる吸盤270によって押さえる。前述の制御端末によって移動範囲を制御されたカッタ272により、図示のようにフェースプレート2と枠部3の間を切断分離する。リアプレート1および枠部3は吸盤により取り去られ、配線に使用されている貴金属回収の工程に回され、主にリアプレートはガラスカレットとして収容される。
【0520】
一方、フェースプレート2は、図57に示したようなブラシ273によって蛍光体を掃出し、吸引回収された。この場合フェースプレート2の上方から図示しない蛍光スペクトロメータにより蛍光体の残量を確認し、その情報を制御端末で処理して、ブラシ273の作業時間を決定する。この段階で、製造時に使用した内の99.5%の蛍光体を除去することができ、また、99.2%を回収することができた。
【0521】
フェースプレート2は、さらに洗浄工程にかけられ、粉塵として残留している蛍光体が回収される。ここまでの段階で、フェースプレート2上には検知できる蛍光体は存在しなかった。また回収された蛍光体は製造時に使用したうちの99.4%であった。フェースプレート2はそのままフェースプレートとして使用できるか否かを検査され、検査に合格すれば再使用される。またはガラスカレット化され通常のガラス資源として再利用される工程に回される。
【0522】
(実施例11−2)
つぎに、実施例11−2を説明する。
【0523】
この例ではリアプレート1および枠部3を除いた後に、フェースプレート2を治具ごと反転させ、その他は実施例11−1と同様にして蛍光体の回収を行なった。
【0524】
実施例11−1の場合と同様にフェースプレート2上には検知できる蛍光体は存在しなかった。また蛍光体の回収率は99.6%であった。
【0525】
(実施例11−3)
つぎに、実施例11−3では蛍光体の検知手段として、可視光の透過率を用いた他は実施例11−1と同様の方法で蛍光体の回収を行なった。この場合、透過率が変化しなくなった時点でブラシ工程を終了した。
【0526】
処理工程終了後、蛍光スペクトロメータを用いて残留蛍光体量を測定したところ、約1%の蛍光体が残留していることが確認された。また、蛍光体の回収率は99.2%であった。
【0527】
[実施形態12]
以下、図面に基づき、本発明による基板処理方法および装置の好適な実施の形態を説明する。
【0528】
この実施形態では、図43および図32に示すように内部にスペーサを有し、フェースプレート内面に蛍光面を有するFPDを解体処理する場合の例とする。
【0529】
図43において、1はリアプレート、2はフェースプレート、3は枠、4はスペーサである。また図中、黒色で示す接合部には鉛含有のフリットガラス5が使用されている。
【0530】
スペーサ4はフェースプレート2側およびリアプレート1側のどちらか一方、
あるいはその両側に接着されている。ここでは、フェースプレート2側のみの場合を示している。リアプレート1、フェースプレート2および枠3は、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラスあるいは青板ガラスにシリカ層を積層したもの等が用いられる。フェースプレート2には、ガラス基板2aの内側に蛍光膜2bが形成され、その蛍光膜2bの内面にはAlを含むメタルバック2cが形成されている。
【0531】
スペーサ4の材質も基本的にはガラスからなり、帯電防止のためその表面に導電性膜がコーティングされている場合がある。以上の構成部材の他に一般には、FPD内部を真空に排気するための排気管が取り付けられている(図示せず)。排気管は通常鉛を含有する低融点のガラスで形成されている。
【0532】
図32に示すようにFPDの1例として、マトリックス駆動方式の表面伝導型
電子源ディスプレイ(SED)を示す。図2において、リアプレート1上には表面伝導型電子源11とこの電子源を駆動するための配線12、13が形成されている。図において、12,13はそれぞれX方向(Dox1,Dox2,...Doxm)およびY方向(Doy1,Doy2,...Doyn)の素子配線であり、その材質はAg,Pb等である。X方向配線とY方向配線とは少なくとも、それらの交差部分において絶縁層によって絶縁されている。絶縁層には鉛を多く含むガラスが使用されている。
【0533】
上述のようにFPDの様々な部分に鉛を含有する材料が使用されている。本発明はこれらの鉛を除去し、ガラスなどを再利用可能な状態にするために被処理部材の形状に適合した方法によって効率的な処理を実施するものである。
【0534】
ここで、図61は本発明の実施形態を説明するためのFPD機器の解体処理方法の工程を示す流れ図である。
【0535】
この方法の前半である工程(1)〜(3)は、前処理工程であり、FPD機器の筐体からFPDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去する工程を含む。つぎに工程(4)〜(6)において適切な方法でFPDの真空解除を行った後、排気管を取り外す。排気管には鉛が含まれているため鉛含有ガラスとして処理され、再利用される。
【0536】
工程(7)でパネルを枠の部分で切断し、各部を分離する。または接合部のフリ
ットガラスを溶解させる工程(8)によって各部を分離する。工程(7)または工程(8)を経ることにより、この廃棄FPDは(9)枠部分、(11)パネル内部材、(13)フェースプレート、(20)リアプレートそれぞれの部分に分離されることになる。以下、それぞれの処理方法を記述する。
【0537】
(9) の枠部分は粉砕して、鉛入りガラスとして再利用される(工程(10))。
(11)のパネル内部材としてスペーサ(ガラス製)、グリッド(金属製)などが存在している場合はそれぞれ回収し再利用される(工程(12))。
【0538】
フェースプレートにあっては、まず工程(14)にて蛍光体が除去され、工程(15)にて蛍光体の回収が行われる。つぎにフェースプレート基板であったガラス板を、本発明の基板処理装置であるガラス板保持装置に収納して残留フリットガラスを除去するために液体処理槽に投入する(工程(16))。
【0539】
図59は、このときに使用されるガラス基板保持装置の構成を説明する図である。ここで図59を用いて、ガラス基板保持装置の構成および機能について詳しく説明する。この装置に収納された複数のガラス板286は、互いに平行にかつ一定の隙間をおいて保持される。これは液体処理槽中で、処理液がガラス表面に沿って充分に流動できるようにする効果がある。また液切れを良くして、処理槽からの処理液の持ち出しを最小限にするため、典型的にはガラス板286の表面がほぼ鉛直方向を向くようにガラス板286が保持されることが好ましい。なお、一点鎖線により示すようにガラス板286を適度に傾斜させて保持するようしてもよい。
【0540】
さらに、ガラス板286に接触する支持部材287は典型的には、円柱形状を有する。このように支持部材287の少なくとも基板との接触部位を円形もしくは円弧状にすることで、ガラス板286と線接触してガラス板286を保持するようになっており、この構造も処理液の持ち出しを低減する効果がある。
【0541】
なお、本ガラス基板保持装置において、上記のように支持部材287の形状等によって処理液の液切れ性を向上させる場合の他、たとえばエアーブロー等を用いてガラス板286から処理液を除去するようにしてもよい。また、保持すべきガラス板は同一サイズのものを複数保持し、あるいは異なるサイズのものを複数保持するいずれの場合にも本ガラス基板保持装置を適用可能である。
【0542】
ガラス基板保持装置は、多数のガラス板286を収納したうえで、液体処理槽間を迅速に移動する必要がある。そのため全体として、十分な強度を有することが求められる。また、酸やアルカリ溶液による処理に対応するため高い耐食性が要求される。ガラス基板保持装置はたとえばステンレス、テフロン(登録商標)、ポリプロピレンのような材料で構成することが可能である。
【0543】
図60は、このとき使用される処理槽の構成を示す模式図である。処理槽81内で各ガラス板は保持装置により、表面と表面が接触しないように一定の間隔を置いて平行に並べられ、フリットガラスを溶解させる作用を有する液体(たとえば希硝酸)の処理液83に浸漬される。
【0544】
フリットガラスの溶解を加速するために、▲1▼処理液83の液体を流動させる、▲2▼ガラス板に振動または音波を伝播させる、▲3▼加熱機構により液体の温度を上げる等の手段が適宜とられる。フリットガラスが溶け出した処理液83は、処理槽81から取り出され、工程(17)にて(図61参照)鉛やその他溶出物の回収が行われる。その結果処理液83は再生され、処理槽81へ戻される。このように処理液83の再生、循環機構を設けることにより、処理槽81内の環境を一定の状態に保ことができ、ガラス板から残留フリットガラスを除去する処理を連続して行うことが可能となる。図60中に記入された矢印は、処理液83の流れを模式的に示すためのものである。処理槽81はたとえば、ステンレスのような耐食性の高い材料で構成されている。
【0545】
続いて、フェースプレート2であったガラス板は、ガラス板保持装置に収納されたまま処理槽81から洗浄槽へ移され、洗浄される(工程(18))。この洗浄工程では、洗浄に使用される液体(たとえば水)が用いられ、上述の処理液83が除去される。洗浄槽の構造および機能は、処理槽81と基本的に同じである。洗浄工程を終えたガラスはそのまま、または粉砕あるいは再溶融工程を経て、フェースプレート用基板として再利用可能である(工程(19))。
【0546】
図61、(20)のリアプレート1にあっては、まずリアプレート1であったガラス板は、ガラス板保持装置に収納して配線を除去するために液体処理槽に投入する(工程(16))。ガラス板保持装置の構成および機能はフェースプレートで使用されたものと基本的に同じである。
【0547】
処理槽81内で各ガラス板はガラス板保持装置により、表面と表面が接触しないように一定の間隔を置いて平行に並べられ、配線材料を溶解させる作用を有する液体(たとえば希硝酸)に浸漬される。リアプレート用処理槽の構造および機能はフェースプレート用処理槽と基本的に同じである。工程(21)で処理槽内で配線を除去した後、工程(22)によって配線に含まれていた金属(Ag、Pb等)を回収する。
【0548】
続いて、リアプレート1であったガラス板はガラス板保持装置に収納されたまま、処理槽から洗浄槽へ移され洗浄される。洗浄工程(23)では、洗浄に使用される液体(たとえば水)が用いられ、上述の処理液が除去される。洗浄槽の構造および機能は、上述した処理槽と基本的に同じである。洗浄工程を終えたガラスはそのまま、または粉砕あるいは再溶融工程を経てリアプレート用基板として再利用可能である(工程(24))。
【0549】
[実施例12]
つぎに、図43、図32、図59〜図61を参照しながら、本発明における具体的な実施例について説明する。
【0550】
(実施例12−1)
本発明の実施例12−1において、図59に示したガラス板保持装置に収納された複数のガラス板286は、互いに平行にかつ一定の隙間をおいて保持される。またガラス板286の表面がほぼ鉛直方向を向くようにガラス板が保持されるようになっている。
【0551】
本実施例では、厚さ3mmのガラス板286が10枚収納可能である。ガラス板286に接触する支持部材287は円柱形状を有し、ガラス板286と線接触することによりガラス板286を保持するようになっている。ガラス板286に接触する部材はテフロン(登録商標)で構成されている。
【0552】
本実施例のガラス基板保持装置は、10枚のガラス板286を収納したうえで、液体処理槽間を迅速に移動することが可能なように、多数のステンレス製の桁材で補強されている。これらの構造材は、液体処理槽内で処理液の流動を妨げないような形状と配置をとっている。また、本実施例のガラス基板保持装置を液体処理槽空引き上げる際に処理液の持ち出しを最小限にするため、水平面を少なくしてある。
【0553】
(実施例12−2)
実施例12−2において、図32に示すようなマトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)を10個の解体処理した例について説明する。
【0554】
このSEDは図43に示すようなスペーサを含む、パネル構造をしている。そして図61のFPD機器の解体処理工程に従い、SED機器の筐体からSEDを取り出し、それに付随する配線や端子を除去した。つぎにSEDの真空解除を行い、排気管を取り外した。排気管は、鉛含有ガラスとして処理し再利用した。
【0555】
つぎに、SEDパネルのフリットガラスで接合された領域の内側に切断線を設定し、ダイヤモンドカッティングソウを使用して、研削液を加えながら、切断線に沿ってSEDを切断した。以上の操作を10個のSEDについて行なった。
【0556】
切断により各SEDはそれぞれ、枠部分、フェースプレートおよびリアプレートに分割された。スペーサは切断の際に外れたものとフェースプレートに接着した状態のものとがあったが、両者とも手作業により回収し再生可能なものを選別し、再利用した。枠部分はそのまま粉砕して、鉛入りガラスの原料として再利用した。フェースプレート10枚は、メタルバックおよび蛍光体を除去してから、図59に示すガラス板保持装置282に収納した。
【0557】
フェースプレート10枚は、メタルバックおよび蛍光体を除去してから、図59に示すガラス板保持装置282に収納した。さらにこれを残留鉛成分を除去するために液体処理槽へ投入した。図60はこのとき使用した処理槽の構成を示す模式図である。処理槽には処理液として、0.2Nの硝酸が満たされている、液体流動手段84により、処理液をフェースプレートの表面に沿って流動させた。処理液を加熱用ヒータ85により50℃に加熱した状態で、1時間処理を行った。
【0558】
この間、処理液は処理液再生機構へと送られ、再生されて処理槽に戻される。処理液再生機構では、フィルタによって固形成分を除去し、溶解成分は電解法により分離回収した。続いて、本実施例のガラス板保持装置282を処理槽から洗浄槽へ移し洗浄した。洗浄槽の構造は、上述した処理槽と基本的に同じである。洗浄液として水を使用し、30分間洗浄した。洗浄工程を終えたガラスは、ガラス板保持装置282から取り出され、粉砕あるいは再溶融工程を経てフェースプレート用基板として再利用した。
【0559】
リアプレート10枚は、図59に示すガラス板保持装置282に収納した。さらにこれを図60に示す処理槽へ投入し、残留フリットガラスおよび配線を除去した。処理液は0.2Nの硝酸で、温度50℃に加熱した。さらに超音波印加手段87により超音波を印加しながら2時間処理を行った。
【0560】
続いて、リアプレート基板10枚を収納したガラス板保持装置282を処理槽から洗浄槽へ移し洗浄した。洗浄槽の構造は、上述した処理槽と基本的に同じである。洗浄液として水を使用し、30分間洗浄した。洗浄工程を終えたガラスは、ガラス板保持装置282から取り出され、粉砕あるいは再溶融工程を経てリアプレート用基板として再利用した。
【0561】
ここで、本発明方法によって処理したガラス基板上に、表面伝導型電子放出素子を多数形成してなる電子源基板を構成し、これを用いて画像形成装置を製造する例を説明する。
【0562】
まず、再生後のガラス基板上に、真空成膜技術およびフォトリソグラフィ技術を用いてPt電極をマトリクス状に形成する。ここでは素子電極の間隔は、20μm、各素子電極の幅は500μm、厚さは100nm、そして素子の配列ピッチは1mmとした。続いて、印刷法によりAgからなる配線をマトリクス状に形成する。
【0563】
つぎに素子電極の間に酢酸パラジウムモノエタノールアミン水溶液をスピンナによって回転塗布し、270℃で10分間の加熱焼成処理を行う。酸化パラジウム(PdO)微粒子からなる薄膜が得られた。その後フォトリソグラフィ法とドライエッチング法により幅300μmの導電性薄膜が得られた。
【0564】
つぎに真空中で素子電極間に電圧を印加してフォーミング処理を行い、導電性薄膜に亀裂形状の電子放出部を形成する。
【0565】
つぎに通電フォーミングが終了した素子に活性化処理を施す。本実施形態では真空中にエチレンガスを導入し、素子電極間に波高値20Vのパルス電圧を30分間繰り返し印加する。この活性化工程により電子放出部に近傍に炭素を主とする化合物が約10nm堆積した。
【0566】
このように表面伝導型電子放出素子が多数形成された電子源基板をリアプレートとし、フェースプレートおよび支持枠とで外囲器を形成した。この外囲器の内部を真空排気し、封止を行って表示パネルさらにはテレビジョン表示を行うための駆動回路を有する画像形成装置を作製した。この画像形成装置において、非発光部(画素欠陥)のない極めて良好な画像が形成される。
【0567】
[実施形態13]
以下、図面に基づき本発明の好適な実施の形態を説明する。ここでは、図29に示したようなフラットパネルディスプレイを解体処理する場合の例とする。
【0568】
図62は、この実施形態における解体処理方法の工程を示す流れ図である。まず筐体から取り出されたフラットパネルディスプレイ(S60)から配線、端子などを除去した後(S61)、内部の真空解除を行い、ついで排気管を取り外す(S62)。つぎにフェースプレート(S64)、リアプレート(S70)および枠部等(S63)の各構成部材に分離する。これら各部を溶着しているフリットガラスとしては、酸化鉛を主材料とする低融点ガラスが一般に用いられている。分離の方法としては、加熱によるフリットガラスの融解や適当な溶媒によるフリットガラスの溶解等の方法を用いることができる。
【0569】
分離後のフェースプレート(S64)は蛍光体、黒色体およびメタルバックを適当な方法で除去した後(S65)、残留フリットガラスの除去とガラス表面の洗浄のため、硝酸等の溶剤および水で洗浄する(S66)。一方、分離後のリアプレート(S70)についても、適当な溶剤および水洗浄工程を行うことで(S71,S72)、基板上に形成された構成材料の一部あるいは全てを除去することができる。
【0570】
つぎに、上記のような除去工程を経た後のガラス基板表面に存在する元素の検出を行う。
【0571】
図63はガラス表面に存在する元素を検出するための本発明に係る蛍光X線分析装置を示す模式図である。図63において、301はガラス基板302の支持台、302は試料であるガラス基板、303はX線光源、304はモノクロメータ、305は1次X線、306は蛍光X線、307は半導体検出器、308は冷却装置、309はプリアンプ、310はアンプ、311はマルチチャンネルアナライザ、312はコンピュータである。
【0572】
元素の検出は、以下の手順で行われる。まず、X線光源303から放出される一次X線305をモノクロメータ304で単色化した後、支持台301上のガラス基板302の表面に角度θで入射させる。X線の光源としては、ガラス基板302上に存在する元素を励起し得るエネルギを有するものである。たとえば、W−Lα線、Au−Lα線、Mo−Kα線等が用いられる。一次X線305が照射されたガラス基板302の表面からは蛍光X線が発生し、これをガラス基板302の上方に設置された半導体検出器307で検出する。検出素子としてはSi(Li)半導体検出器が用いられる。半導体検出器307からの検出信号はプリアンプ309、アンプ310およびマルチチャンネルアナライザ311を経た後コンピュータ312によって処理され、ガラス基板302の表面元素の種類や濃度に応じた信号強度が得られる。なお、半導体検出器307およびプリアンプ309は、液体窒素によって冷却されている。
【0573】
なお、ここで一次X線305の入射角θをX線が全反射を起こす角度、すなわち全反射臨界角以下の低角度にすると、そのX線は試料表面から数nm程度しか侵入せず、かつ蛍光X線が効率良く発生する。このため試料表面数nmnm以下の領域で、検出下限109 atoms/cm2程度の極めて敏感な元素分析を行うことができる。全反射臨界角は、θc≒1.64×105 ×ρ1/2 ×λ(ρ:基板の密度(g/cm3 )、λ:X線の波長(cm))で求めることができる。
【0574】
ところで本実施形態におけるガラス基板302は、大きいもので一辺が数10cmの大きさを有している。本発明は、このような広い面積の元素分析を効率良く、また低コストで行うことを意図するものである。上記の方法で感度よく測定するには、一般にはできる限り検出器を試料表面に接近させることが好ましい。この場合、分析領域はほぼ検出器の口径に依存しており、通常約10mmφ程度である。しかしこのように試料と検出器を接近させた状態での測定は、広い面積を測定する場合には、試料を走査して多数点のデータをとり、あるいは検出器を多数配置することが必要となる。したがって、そのままでは多くの時間および設備コストを要することになる。
【0575】
そこで本発明においては、感度を犠牲にすることなく、効率よく元素分析を行うために、基板の大きさに応じて試料表面と検出器の相対位置を変化させる方法を用いる。つぎに、本発明における相対位置を変化させる方法について、図64を用いて説明する。
【0576】
図64において、301はガラス基板302の支持台、302は試料であるガラス基板、307は半導体検出器、314は半導体素子、315はX線透過窓、316はコリメータを示す。半導体検出器307の構成は図に示したようになっており、半導体素子314は、点線で示した領域、すなわちX線透過窓315の大きさや半導体素子314との相対位置等から決まる角度φと、半導体素子314自体の大きさlに依存した広がりを有する領域のX線を受光することができる。
【0577】
図64(a)のように半導体検出器7を試料表面に近づけた場合、分析領域はほぼX線透過窓315の口径と同等である。これに対し、半導体検出器307の位置を試料表面から遠ざけて図64(b)の状態にすると、単位面積から検出できるX線強度は減少するが、検出し得る領域は増加する。したがって一辺の長さLのガラス基板302からの蛍光X線を検出する場合、2d・tanφ>Lとなるようにガラス基板302と半導体検出器307の距離dを設定し、かつガラス基板302全面に一次X線を照射しながら測定することにより、結果として感度を犠牲にすることなくガラス基板302全体からのX線を取り込むことができる。
【0578】
X線を所望の領域に照射するためには、図65に示したように照射すべき領域Wおよび1次X線の入射角θからa>W・sinθに基づき、1次X線のビーム径aを決定すればよい。なお、ガラス基板302が極めて大きく、それに応じた距離d確保することが装着の構成上難しい場合は、ガラス基板302を複数の領域に分割して測定を繰り返すことで行うことができる。
【0579】
半導体検出器307のX線透過窓315の形状については、ガラス基板302の形状に近い矩形であることが好ましい。たとえば図66に、形状が円の場合(図66(a))とガラス基板302と相似形である場合(図66(b))の蛍光X線の検出領域の違いを示した。図66において、302はガラス基板(上部から見た図)であり、点線もしくはドット表示部分はX線の検出領域である。X線透過窓315が円形の場合、ガラス基板302との形状が一致しないことから、検出効率としては必ずしも高いとは言えない。これに対して、図66(b)の場合には効率よくX線を検出することができる。ガラス基板302のアスペクト比は必ずしも一定ではないが、その種類と使用量から適当な透過窓の形状を選択することで、より効率よい検出工程が可能となる。このような方法でガラス基板302の表面から発生した蛍光X線を検出することにより、基板表面の残留元素や基板内部へ拡散している元素の有無、および基板表面に形成された薄膜の有無等を知ることができる。
【0580】
以上の工程でガラス構成元素以外の元素が検出された場合には、続いてこれを除去する工程を行う。この場合の除去方法としては、いろいろな方法を用いることができるが、特にガラス基板302の表面研磨が好適である。
【0581】
図67は、本発明における研磨装置の一例を示す模式図である。図67において、327はガラス基板328の支持台、328はガラス基板、329は研磨具、330は回転支持棒、331は支持アーム、332はモータ、333は支柱、334は研磨面である。研磨されるガラス基板328は研磨面を上向きにして支持台327上に設置され、研磨面には研磨具329が押しつけられる。モータ332の作動により回転支持棒330および研磨具329が回転するとともに、研磨面334には酸化セリウム等の研磨剤を含むスラリーが供給され、ガラス表面334の研磨が行われる。
【0582】
研磨後のガラス基板328は洗浄した後再び、上述した元素分析を行う。こうして最終的にガラス基板328のガラス構成元素以外の元素が検出されなくなるまでガラス表面334の元素検出と研磨を繰り返す。以上の工程を終了したガラス基板328はそのまま、またはカレット化され、再融解工程を経てフラットディスプレイ用基板あるいは他製品の原料として再利用することが可能である。
【0583】
[実施例13]
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の実施例においては、図29に示したようなマトリックス駆動方式の表面伝導型電子源ディスプレイを解体処理した例とする。
【0584】
(実施例13−1)
実施例13−1においては、フェースプレート2、リアプレート基板として80mm×800mm×2.8mmの石英ガラスが用いられる。またリアプレートは基板上にPdを主成分とする冷陰極素子11、Agを主成分とする配線12、Ptからなる電極等が形成されており、フェースプレート2は基板上に蛍光体2b、黒色体、メタルバック2c等が形成されている。かかる構成のディスプレイについての解体処理方法を、図63、図64、図67および図29を用いて述べる。
【0585】
▲1▼筐体部を分解し、リアプレート1、フェースプレート2、枠3がフリットガラスにより溶着された部分を取り出した。
【0586】
▲2▼リアプレート1、フェースプレート2および枠3部を0.2規定の硝酸溶液中に浸漬して溶着部を徐々に溶解し、各部を分離した。
【0587】
▲3▼リアプレート1およびフェースプレート2上に形成されている構成物の物理的な掻き落とし作業を行なった後、再び0.2規定硝酸溶液中に浸漬し、超音波振動を加えた。その後リアプレート1およびフェースプレート2を純水で洗浄し、基板上に残ったフリットガラスその他の溶解物を除去した。
【0588】
▲4▼つぎに図63に示すような蛍光X線分析装置で基板表面に存在する元素の検出を行った。X線の光源としてAu−Lα線(λ=0.12764nm)を用い、X線の基板への入射角θは全反射角臨界角以上とした。またガラス基板全面にX線が照射されるように、図65に示したビーム幅0.15mm以上で、奥行き80mm以上のX線を照射した。またX線透過窓の形状は正方形であり、図64に示したガラス基板と検出器の距離dを40mmに設定した。
【0589】
このようにしてガラス基板全面から発生する蛍光X線を200秒間取り込み元素を測定したところ、リアプレート基板からは基板元素であるSiの他、PtおよびAgが検出された。またフェースプレート基板からはSi以外の元素は検出されなかった。
【0590】
▲5▼つぎにPtおよびAgが検出されたリアプレート基板の表面を、図67に示した研磨装置で研磨した。基板の研磨面に研磨具325を押しつけ、研磨具を回転させるとともに平均粒径10ミクロンの酸化セリウムスラリーをかけながら基板全体を5分間研磨した。
【0591】
▲6▼研磨後のリアプレート基板を純水で洗浄した後再び、上述した元素分析を行った。その結果、PtおよびAgは検出限界以下となり、基板上の残留物が全て除去できたことを確認した。
【0592】
▲7▼以上の工程を終了したリアプレート基板は、研磨工程を要しなかったフェースプレート基板とともにカレット化せずにそのまま基板として再利用することができた。
【0593】
(実施例13−2)
この実施例13−2においては、フェースプレート基板として80mm×800mm×2.8mmの青板ガラス、リアプレート基板として同じ大きさの青板ガラスにSiO2薄膜が100nm積層されたものが用いられる。またリアプレートは基板上にPdを主成分とする冷陰極素子11、Agを主成分とする配線12、13、Ptからなる電極等が形成されており、フェースプレートは基板上に蛍光体、黒色体およびメタルバック等が形成されている。このようなディスプレイについて、以下に解体処理方法を述べる。
【0594】
まず実施例13−1における▲1▼〜▲3▼の工程と同じ方法で、リアプレート、フェースプレート、枠部を分離した後、基板上に形成されていた素子の構成材料の一部を除去した。
【0595】
▲4▼つぎに基板表面に存在する元素の検出を行った。本実施例においては、X線の光源としてAu−Lα線(λ=0.12764nm)を用い、X線の基板への入射角θは全反射角臨界角以下の0.1°とした。またガラス基板全面にX線が照射されるように、図65に示したビーム幅0.15mm以上で、奥行き80mm以上のX線を照射した。X線透過窓の形状は正方形であり、図64に示したガラス基板と検出器の距離dを40mmに設定した。
【0596】
このようにしてガラス基板全面から発生する蛍光X線を200秒間取り込み、元素分析を行ったところ、リアプレート基板から基板構成元素の他、Pt、AgおよびPbが検出された。またフェースプレート基板からも基板構成元素の他にPbが検出された。
【0597】
▲5▼つぎにリアプレートおよびフェースプレート基板の表面を図67に示した研磨装置で研磨した。基板の研磨面に研磨具329を押しつけ、研磨具を回転させるとともに平均粒径10ミクロンの酸化セリウムスラリーをかけながら基板全体を5分間研磨した。
【0598】
▲6▼研磨後のリアプレート基板を純水で洗浄した後再び、上述した元素分析を行った。その結果、PtおよびPbは検出限界以下となったが、Agは強度が減少したものの依然検出された。一方フェースプレート基板からは基板構成元素以外の元素は検出されなかった。
【0599】
▲7▼再びリアプレート基板の表面を図67に示した研磨装置で研磨した。▲5▼の工程と同様の方法で基板全体を15分間研磨した。
【0600】
▲8▼研磨後のリアプレート基板を純水で洗浄した後再び、上述した元素分析を行った。その結果、基板構成元素以外の元素は検出されず、基板上の残留物および基板内に拡散元素が全て除去できたことを確認した。
【0601】
▲9▼以上の工程を終えたリアプレート基板及びフェースプレート基板はカレット化し、溶融工程を経た後、フラットディスプレイ用基板として再利用した。
【0602】
(実施例13−3)
実施例13−3においては、フェースプレート、リアプレート基板として300mm×250mm×2.8mmの石英ガラスが用いられる。この点以外は実施例13−1と同様の構成のフラットディスプレイについて解体処理方法を述べる。
【0603】
まず実施例13−1における▲1▼〜▲3▼の工程と同じ方法で、リアプレート、フェースプレート、枠部を分離した後、硝酸溶液中で基板上に形成されていた素子の構成材料の一部を除去した。
【0604】
▲4▼つぎに図63に示すような全反射蛍光X線分析装置で基板表面に存在する元素の検出を行った。本実施例において、X線の光源としてAu−Lα線(λ=0.12764nm)を用い、X線の基板への入射角θを0.1°とした。またガラス基板全面にX線が照射されるように、図65に示したビーム幅0.6mm以上、奥行き300mm以上のX線を照射した。またX線透過窓の形状は正方形とし、図64に示したガラス基板と検出器の距離dを150mmに設定した。
【0605】
このようにしてガラス基板表面から発生する蛍光X線を200秒間取り込み、元素分析を行った結果、リアプレート基板からは基板元素であるSiの他、PtおよびAgが検出された。またフェースプレート基板からはSi以外の元素は検出されなかった。
【0606】
続いて実施例1における▲5▼〜▲7▼の工程と同じ方法で、ガラス表面の研磨を行い、基板上の残留物を全て除去した。以上の工程を終了したリアプレート基板は、研磨工程を要しなかったフェースプレート基板とともにカレット化せずにそのまま基板として再利用することができた。
【0607】
(実施例13−4)
この実施例13−4においては、リアプレート基板として300mm×250mm×2.8mmの青板ガラスに、PをドープしたSiO2薄膜が1μm積層されたものが用いられる。この点以外は実施例13−1の場合と同様の構成のフラットディスプレイについて、解体処理方法を述べる。
【0608】
まず実施例13−1の▲1▼〜▲3▼の工程と同じ方法で、リアプレート、フェースプレートおよび枠部を分離した後、硝酸溶液中で基板上に形成されていた素子の構成材料の一部を除去した。
【0609】
▲4▼つぎに図63に示すような全反射蛍光X線分析装置で基板表面に存在する元素の検出を行った。本実施例13−4においては、X線の光源としてMo−Kα線(λ=0.07107nm)を用い、X線の基板への入射角θを0.1°とした。またガラス基板全面にX線が照射されるように、図65に示したビーム幅0.6mm以上、奥行き300mm以上のX線を照射した。またX線透過窓の形状は正方形であり、図64に示したガラス基板と検出器の距離dを150mmに設定した。
【0610】
このようにしてガラス基板表面から発生する蛍光X線を200秒間取り込み、元素分析を行ったところ、リアプレート基板からはSi、P、Pt、AgおよびPbが検出された。またフェースプレート基板からは基板構成元素の他にPbが検出された。
【0611】
▲5▼つぎにリアプレートおよびフェースプレート基板の表面を図67に示した研磨装置で研磨した。基板の研磨面に研磨具329を押しつけ、研磨具を回転させるとともに平均粒径10ミクロンの酸化セリウムスラリーをかけながら基板全体を5分間研磨した。
【0612】
▲6▼研磨後のリアプレート基板を純水で洗浄した後再び、上述した元素分析を行った。その結果、Pt、AgおよびPbは検出限界以下となり、SiおよびPのみが検出された。一方フェースプレート基板からは基板構成元素以外の元素は検出されなかった。
【0613】
▲7▼再びリアプレート基板の表面を図67に示した研磨装置で研磨した。▲5▼と同様の方法で基板全体を10分間研磨した。
【0614】
▲8▼研磨後のリアプレート基板を純水で洗浄した後再び、上述した元素分析を行った。その結果、Pは検出限界以下となる一方、ガラス構成元素のK、Ca等が検出された。これにより、PをドープしたSiO2層が除去されたこと、および基板上の残留物を全て除去したことを確認した。
【0615】
▲9▼以上の工程を終了したリアプレート基板およびフェースプレート基板はカレット化し、溶融工程を経た後、フラットディスプレイ用基板として再利用することができた。
【0616】
ここで、本発明方法によって処理したガラス基板上に、表面伝導型電子放出素子を多数形成してなる電子源基板を構成し、これを用いて画像形成装置を製造する例を説明する。
【0617】
まず、再生後のガラス基板上に、真空成膜技術およびフォトリソグラフィ技術を用いてPt電極をマトリクス状に形成する。ここでは素子電極の間隔は、20μm、各素子電極の幅は500μm、厚さは100nm、そして素子の配列ピッチは1mmとした。続いて、印刷法によりAgからなる配線をマトリクス状に形成する。
【0618】
つぎに素子電極の間に酢酸パラジウムモノエタノールアミン水溶液をスピンナによって回転塗布し、270℃で10分間の加熱焼成処理を行う。酸化パラジウム(PdO)微粒子からなる薄膜が得られた。その後フォトリソグラフィ法とドライエッチング法により幅300μmの導電性薄膜が得られた。
【0619】
つぎに真空中で素子電極間に電圧を印加してフォーミング処理を行い、導電性薄膜に亀裂形状の電子放出部を形成する。
【0620】
つぎに通電フォーミングが終了した素子に活性化処理を施す。本実施形態では真空中にエチレンガスを導入し、素子電極間に波高値20Vのパルス電圧を30分間繰り返し印加する。この活性化工程により電子放出部に近傍に炭素を主とする化合物が約10nm堆積した。
【0621】
このように表面伝導型電子放出素子が多数形成された電子源基板をリアプレートとし、フェースプレートおよび支持枠とで外囲器を形成した。この外囲器の内部を真空排気し、封止を行って表示パネルさらにはテレビジョン表示を行うための駆動回路を有する画像形成装置を作製した。この画像形成装置において、非発光部(画素欠陥)のない極めて良好な画像が形成される。
【0622】
【発明の効果】
以下、本発明の効果について、上述の各実施形態及び実施例の添え字に沿った効果を列記する。
【0623】
[発明の効果1] 本発明によれば、廃棄FPDを解体処理する際に、鉛を含まないガラスと鉛入りのガラスに区分けして処理することができるため、解体処理と部材の再利用を容易に行うことができる。また鉛による環境汚染を防止することができる。
【0624】
[発明の効果2] 本発明により、FPDの廃棄、再利用において必要とされる解体処理を容易に行なうことができる。
【0625】
また、その際に問題となる有害金属である鉛の分離回収も行なうことができるため、廃棄の際の環境負荷を削減することができる。さらに、使用されている貴金属元素や希土類元素等の希少元素の回収再利用も可能であるため、資源の確保という視点からも有効である。
【0626】
[発明の効果3] 本発明の再生方法によって、廃棄されるパネルディスプレイの重要な構成部品であるリアプレートの再利用が可能になり、資源を有効に使用することができコストの削減を実現できる。
【0627】
[発明の効果4] 本発明によれば、フラットディスプレイを分解する過程において、スペーサにほとんど損傷を与えることなく回収、再利用することが可能なことから、資源を有効に使用することができ、コストの削減を実現できる。また回収工程においては細かな手作業を必要としないため、安全に回収することが可能である。
【0628】
[発明の効果5] 本発明によれば、CRT、フラットディスプレイ装置を問
わず、これらから蛍光体を効率よく回収し、且つ凹凸が少なく再利用可能なフェースプレートを回収できる方法を提供することができる。
【0629】
[発明の効果6] 本発明の画像表示装置によれば、大気圧に比べ低い圧力に保った気密容器と排気装置に接続する手段と必要に応じて容器内を徐々に大気圧に戻す手段を備えるため、気密容器を大気圧に戻す時、容器内の耐大気圧構造部材や画像表示手段を破壊したり、傷つけることが少ないため、分解後の部材の再利用を容易にする。さらに、製造工程で発生した不良部分を容易に修理することができるようになった。
【0630】
[発明の効果7] 本発明のフラットディスプレイにおいては、外囲器を形成する部材を順次分離できることから、解体過程において外囲器及び内部の部材に損傷を与えることなく安全かつ簡易的な方法で部材を回収できる。従って再利用可能な状態で回収することが容易となり、資源の有効利用やコストの削減が実現できる。
【0631】
[発明の効果8] 本発明の残留有害金属量の検査装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0632】
本発明の残留有害金属量の検査装置は、まず第一溶出手段の浴槽に検査対象を浸すと、浴槽の酸性液により当該検査対象に含まれる有害金属が溶出させられる。次に、その検査対象を洗浄手段に送って洗浄し、この後、第二溶出手段の浴槽に浸すと、浴槽の酸性液により当該検査対象に残留している有害金属が溶出させられる。そして、この溶出液を定量検出手段に送り込めば、その定量検出手段が溶出液中に含まれている有害金属量を定量的に検出する。従って、フラットパネルディスプレイなどの解体,分別処理に際して、ガラスからなる分別部材及び廃棄物等の検査対象に残留した鉛等の有害金属量を定量的に検出することができる。
【0633】
この場合、酸性液を満たした浸漬浴槽に検査対象を単に浸し漬けるだけなので容易であり、即ち、その定量検出を手間なく容易に行うことができる。そして、検査対象としては、酸性液に不溶解であれば、それが含む鉛等の有害金属を溶出させることができ、その材質,形状等には特に制限がなく、各種の部材を検査できる。
【0634】
[発明の効果9] 本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
(1) 本発明のフラットパネルディスプレイの解体装置は、ディスプレイ本体(真空容器)から枠部材を分離させる工程に際して、スペーサと固着状態にある側のプレートを、第一支持手段により引上力を加えて支持するので、スペーサは吊り下げ状態になり、これと固着しているプレートの重量が加わらなく、枠部材の分離をスペーサに負担なく行える。従って、スペーサの損傷を防止することができる。
【0635】
枠部材を分離した後は、第二支持手段により、スペーサと固着状態にある側のプレート縁部を受け支持するので、このときもスペーサは吊り下げ状態になり、これと固着しているプレートの重量が加わらない。そして、この第二支持手段により受け支持されたプレートからスペーサを分離させる工程は、スペーサ回収手段が、その受け支持している状態そのままで行うので、スペーサの分離,回収工程においてもスペーサには余分な重量が加わらなく、その損傷を防ぐことができる。
【0636】
即ち、解体処理を適切な工程により行えるものであり、そのまま再利用し得るスペーサ等の構成部材を破損することなく回収することができる。その結果、再資源化を好ましく図ることができる。
【0637】
[発明の効果10] 本発明によれば、廃棄FPDを解体処理する際に、液体中処理によってガラス基板から鉛などの成分を分離する工程において、多数のガラス基板をまとめてから一括して処理することができるため、▲1▼処理液の必要量が少ない、▲2▼処理に必要なエネルギーが小さい、▲3▼短時間に多量のガラスの処理が可能である、という効果があり、その結果、廃棄FPDの処理にかかるコストを大幅に減少させることが可能となる。
【0638】
[発明の効果11] 本発明によれば、この種のフラットパネルディスプレイにおいて蛍光体を回収する際、蛍光体回収作業時のフェースプレート固定治具および固定方法を工夫するとともに、蛍光体回収に使用されるブラシを固定治具の位置情報に基づき駆動制御することで、蛍光体を極めて効率よくしかも確実に回収することができる。
【0639】
[発明の効果12] 本発明によれば、廃棄FPDを解体処理する際に、液体中処理によってガラス基板から鉛などの成分を分離する工程において、多数のガラス基板をまとめてから一括して液体処理槽で処理することが容易になる。また多数のガラス基板を安全に迅速に搬送することが可能となり、工程を自動化することが容易になる。その結果、廃棄FPDの処理にかかるコストを大幅に減少させることが可能となる等の利点を有している。
【0640】
[発明の効果13] 本発明によれば、簡易的な方法で基板表面の残留物や基板内部に拡散した元素を検出するとともに、これらガラス構成元素以外の元素を全て除去することができることから、ガラスを無駄に廃棄することなく、効率よく再利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解体処理方法により処理されるフラットパネルディスプレイの一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係わるフラットパネルディスプレイのうち、表面伝導型電子源ディスプレイの模式図である。
【図3】本発明のフラットパネルディスプレイ解体処理方法における、フラットパネルディスプレイの切断位置を示す平面図である。
【図4】本発明のFPD解体処理方法の流れ図である。
【図5】本発明の廃棄フラットパネルディスプレイの解体方法の工程を示すフロー図である。
【図6】(a)、(b)は本発明の方法においてパネル全体を同時に解体する状態を示す説明図である。
【図7】(a)、(b)は本発明の方法においてパネルの一部を残して解体する方法を示す図である。
【図8】(a)、(b)は本発明の方法においてパネルの一部を残して解体する方法を示す図である。
【図9】本発明の方法によって解体処理されるFPDとしての表面伝導型電子源ディスプレイ(SED)を概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明で再生されるリアプレートを備えた画像表示装置の一例を模式的に示す一部切欠斜視図である。
【図11】(a)、(b)は本発明のリアプレートの回収、再生方法の工程を示す説明図である。
【図12】本発明の再生方法で洗浄したリアプレート用基板の一例を示す斜視図である。
【図13】リアプレート上の電子放出素子を形成する工程を説明するための模式図である。
【図14】本発明の再生方法で洗浄したリアプレート用基板の他の一例を示す斜視図である。
【図15】本発明に従ったスペーサ回収方法の一態様を示す図である。
【図16】本発明方法で使用されるスペーサ回収容器を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図17】本発明で使用される他のスペーサ回収容器を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図18】本発明に従ったスペーサ回収方法の他の一態様を示す図である。
【図19】本発明におけるスペーサを示す図である。
【図20】本発明に従ったスペーサ回収工程の一例を示す図である。
【図21】本発明に従ったフラットディスプレイパネルの切断方法を示す図である。
【図22】本発明に従ったスペーサ回収工程の他の一例を示す図である。
【図23】本発明に従ったスペーサ回収工程の他の一例を示す図である。
【図24】本発明に従ったスペーサ回収工程の他の一例を示す図である。
【図25】本発明のディスプレイ装置からの蛍光体の回収方法の工程を示すフローチャートである。
【図26】公転運動方式のブラシの動作を示す図である。
【図27】スリコギ運動方式のブラシの動作を示す図である。
【図28】ブラシ及び吸引器の構成を示す図である。
【図29】スペーサを用いたディスプレイ装置の斜視図である。
【図30】本発明の画像表示装置の構成を示す模式図である。
【図31】本発明の画像表示装置の一例を示すFPDの模式図である。
【図32】本発明の画像表示装置の一例を示すSEDの模式図である。
【図33】本発明に従ったフラットディスプレイの1態様を示す図である。
【図34】本発明に従ったフラットディスプレイの解体方法の1態様を示す図である。
【図35】本発明に従ったフラットディスプレイの解体方法の別の1態様を示す図である。
【図36】本発明に従ったフラットディスプレイの解体方法の別の1態様を示す図である。
【図37】本発明における電子放出素子の一例を示す図である。
【図38】本発明に従ったフラットディスプレイの製造方法の1態様を示す図である。
【図39】本発明に従ったフラットディスプレイの解体方法の別の1態様を示す図である。
【図40】本発明に従ったフラットディスプレイの解体方法の別の1態様を示す図である。
【図41】本発明の一実施形態を示す残留有害金属量の検査装置の構成図である。
【図42】図41に示す残留有害金属量の検査装置による検査処理を順に説明するフローチャートである。
【図43】フラットパネルディスプレイを一部分解して示す斜視図(a)及びその断面図(b)である。
【図44】本発明の第1実施形態を示し、フラットパネルディスプレイの解体装置の構成を示す斜視図(a)及びその平面図(b)である。
【図45】図44の保持台及び支持手段を示す側面図である。
【図46】図44の搬送手段を示す正面図(a)及びその側面図(b)である。
【図47】図44の搬送手段の他例を示す正面図(a)及びその側面図(b)である。
【図48】図44のスペーサ回収治具を示す側面図である。
【図49】図44のスペーサ回収治具の他例を示す側面図である。
【図50】図44に示すフラットパネルディスプレイの解体装置による解体工程を順に説明するフローチャートである。
【図51】本発明の第2実施形態を示し、フラットパネルディスプレイの解体装置の構成を示す斜視図(a)及びその平面図(b)である。
【図52】本発明のFPD解体処理方法における、液体処理槽の構成例を示す模式図である。
【図53】本発明のFPD解体処理方法を説明するための流れ図である。
【図54】本発明における蛍光体回収処理の基本工程を示す図である。
【図55】本発明に係る可動絞り式治具の構成例を示す平面図および側面図である。
【図56】本発明に係るフェースプレートおよびリアプレートの分離工程を示す斜視図である。
【図57】本発明に係る回収ブラシの構成作用を示す図である。
【図58】本発明におけるフラットパネルディスプレイから蛍光体を回収する工程を示す図である。
【図59】本発明のFPD解体処理方法に係るガラス板保持機構を説明する図である。
【図60】本発明のFPD解体処理方法に係る液体処理槽の構成を示す模式図である。
【図61】本発明のFPD解体処理方法の工程例を示すフローチャートである。
【図62】本発明のフラットディスプレイの解体処理工程を示す流れ図である。
【図63】本発明のガラス基板表面に存在する元素を検出する蛍光X線分析装置を示す模式図である。
【図64】本発明の全反射蛍光X線分析装置における試料表面と検出器の相対位置を示す模式図である。
【図65】本発明の全反射蛍光X線分析装置における1次X線の照射領域を示す模式図である。
【図66】本発明の全反射蛍光X線分析装置における蛍光X線の検出領域を示す模式図である。
【図67】本発明のガラス基板表面の研磨装置を示す模式図である。
【図68】本発明に用いることのできる電子放出素子の平面図と断面図である。
【図69】本発明に用いられる電子放出素子のフォーミング時の印加電圧波形図である。
【符号の説明】
1 リアプレート
2 フェースプレート
3 枠
4 スペーサ
5 フリットガラス
6 硝酸液槽
11 表面伝導型電子源
12 X方向素子配線(上配線)
13 Y方向素子配線(下配線)
15 画像表示装置
2a ガラス基板(フェースプレート基板)
2b 蛍光面
2c メタルバック
21 テフロン(登録商標)製網目籠
22 処理槽
23 硝酸液
25 純粋洗浄液
31 テフロン(登録商標)製支持台
41 リアプレート基板
42、43 素子電極
45 層間絶縁層
46 切り欠き
49 導電性膜
50 フラットパネルディスプレイ
54,240 支持手段(第一支持手段)
55 制御部
56 真空排気装置(吸引手段)
57 保持台
60 ステージ
61 柱
62 押え治具
63 アーム
70 負荷回避治具
71,72 スペーサ回収治具(第二支持手段)
73 酸性液浸漬槽(スペーサ回収手段)
74 熱処理炉(スペーサ回収手段)
81 液体処理槽
82 処理されるガラス基板
83 処理液
84 処理液流動手段
85 加熱用ヒーター
86 処理液再生手段
87 超音波印加手段
300,301 搬送手段
100,120 浸漬浴槽
101,121,126 配管
102 回収浴槽
103,122 開閉バルブ
104,123 液送ポンプ
105 搬送コンベア
106 網かご
110 洗浄浴槽
124 切替えバルブ
125 超音波振動子
130 鉛溶出回収部(第一溶出手段)
131 洗浄部(洗浄手段)
132 残留鉛溶出部(第二溶出手段)
133 残留鉛定量部(定量検出手段)
148 凹部
149 凹型容器
150 弾力材
151 硝酸液槽
152 硝酸溶液
153 フェースプレート
154 スペーサ
155 スペーサ収納容器
156 フェースプレートの支持材
157 フリット
158 フェースプレートの支持台
159 スペーサの支持アーム
160 アーム先端部
161 スペーサ基材
162 導電膜
163 リアプレート
164 枠
165 純水
166 温風
167 スペーサ収納容器
168 収納容器用支持台
169 電子源基板
170 冷陰極素子
171 ブラシ部
172 吸引孔
173 吸引機構
174 吸引器
175 タービン
201 画像表示部
202 気密容器
203 耐大気圧構成部材
204 排気装置に接続する手段
205 徐々に大気圧に戻す手段
221 電子放出素子
222 リアプレート
223 画像形成部
224 フェースプレート
225 支持枠
226 スペーサ
227 第1のフリットガラス
228 第2のフリットガラス
229 第3のフリットガラス
230 蛍光膜
231 メタルバック
232 ガラス基板
233 電子放出部
234 電子放出部を含む薄膜
235、236 素子電極
237 液槽
238 容器
239 フリットガラス溶解液
240 フリット塗布箇所
260 フラットパネルディスプレイ
261 作業台(基台)
262 吸引チャック
262a 吸引孔
263 シール
270 可動絞り式固定治具
270a,270b,270c,270d 治具
271 吸盤
272 カッタ
273 ブラシ
282 ガラス板保持装置
286 ガラス板
287 支持部材
301 ガラス基板の支持台
302 ガラス基板
303 X線光源
304 モノクロメータ
305 1次X線
306 蛍光X線
307 半導体検出器
308 冷却装置
309 プリアンプ
310 アンプ
311 マルチチャンネルアナライザ
312 コンピュータ
313 1次X線の入射角
314 半導体素子
315 X線透過窓
316 コリメータ
321R,321L,322R,322L 吊り棒
321R1,321L1,322R2,322L2 ツメ部
327 ガラス基板の支持台
328 ガラス基板
329 研磨具
330 回転支持棒
331 支持アーム
332 モータ
333 支柱
334 研磨面
Claims (8)
- 複数の電子放出素子が配置されたリアプレートと、該リアプレートに対向して配置され画像表示部が設けられたフェースプレートと、該リアプレートと該フェースプレートとの間に配置された枠部と、該リアプレートと該フェースプレートとの間隔を大気圧に対して保持するためのスペーサとを少なくとも有し、かつこれらがフリットガラスにより溶着されたフラットディスプレイにおけるスペーサの回収方法であって、
スペーサ回収治具を用いて、前記スペーサ同士の接触を回避するように当該スペーサを収納または保持した状態で、前記スペーサと、前記リアプレートあるいは前記フェースプレートとの溶着部を硝酸溶液中に浸漬して前記フリットガラスを溶解することを特徴とするスペーサの回収方法。 - 前記スペーサが厚さ300μm以下の板状である請求項1に記載のスペーサの回収方法。
- 上記のスペーサ回収治具が、スペーサを収納できる凹部を1つまたは複数有する平面板である請求項1に記載のスペーサ回収方法。
- 前記スペーサ回収治具が、スペーサを挟み保持することが可能な先端部と、その先端部を支持するアーム部を有する治具である請求項1に記載のスペーサ回収方法。
- 前記スペーサ回収治具の一部または全てがフッ素樹脂からなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスペーサ回収方法。
- 前記スペーサの基材がガラスである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスペーサの回収方法。
- フリットガラスが酸化鉛を含む請求項1に記載のスペーサ回収方法。
- リアプレートとフェースプレートと枠の分離が、切断またはフリットの溶解によって行われる請求項1に記載のスペーサの回収方法。
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