JP3565105B2 - 受信装置およびテレビジョン受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信機およびテレビジョン受信機に関するものである。さらに詳しくは、受信機およびテレビジョン受信機の回路構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯用あるいは車載用のテレビジョン受信機は、電池あるいはバッテリーなどといった単一電源しか備えていないことから、スイッチング電源装置(DC−DCコンバータ)によって各種の直流電圧を生成し、これらの直流電圧を電源として各回路を動作させている。この種の受信機に搭載されているスイッチング電源装置の回路構成および動作などを、図7、図8および図9を参照して説明する。
【0003】
図7および図8は、従来の携帯用のテレビジョン受信機に搭載されているスイッチング電源装置の回路図である。図9(a)、(b)はそれぞれ、図7に示すスイッチング電源装置の1次コイルに供給される発振信号の電流波形図、および図7に示すスイッチング電源装置が発するノイズの周波数分析結果を示すスペクトラムであり、図9(c)、(d)はそれぞれ、図8に示すスイッチング電源装置の1次コイルに供給される発振信号の電流波形図、および図8に示すスイッチング電源装置が発するノイズの周波数分析結果を示すスペクトラムである。
【0004】
まず、図7に示すスイッチング電源装置100では、トランス110の一次コイル111に対して、電池などから供給された直流電源120の給断を行うトランジスタ130、およびこのトランジスタ130を駆動することにより一次コイル111に対する直流電源120の給断を制御して一次コイル111に所定周波数の発振信号を印加する制御用IC140が形成されている。トランス110の二次側には、二次コイル112、この二次コイル112で逓昇あるいは逓落された二次電圧に対して整流を行うダイオード150、および整流された後の直流電源を平滑する平滑用キャパシタ160が形成されている。
【0005】
このようなスイッチング電源装置100では、一次コイル111に供給される発振信号が、図9(a)に示すように、スイッチング周波数が高く、かつ、波形の立ち上がりあるいは立ち下がりが急峻なほど、電源効率が高いので、省電力化に有利である。但し、このような波形では、図9(b)に示すように、100MHzまで届くようなかなり高い周波数をもつノイズが発生し、このようなノイズの周波数帯域が90MHz〜108MHzのVHFローチャンネルの受信周波数帯域に重なる結果、VHFローチャンネルを受信したとき画像にノイズが発生する。
【0006】
このような問題点は、図8に示すように、トランス110の一次コイル111に対してキャパシタ170を並列接続し、このキャパシタ170によって、一次コイル111に供給される発振信号の波形を、図9(c)に示すように鈍化させることによって解消することができる。すなわち、キャパシタ170によって、一次コイル111に供給される発振信号の波形の立ち上がりおよび立ち下がりを鈍化すると、図9(d)に示すように、スイッチング電源装置100において周波数の高いノイズが発生するのを抑えることができるので、ノイズの周波数帯域が受信チャンネルの周波数帯域と重なることがない。それ故、テレビジョン受信機において受信ノイズを解消することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示したスイッチング電源装置100を搭載したテレビジョン受信機では、発振信号の波形の立ち上がりおよび立ち下がりを鈍化したので、VHFローチャンネルを受信したときのノイズは解消されたが、スイッチング電源装置100の電源効率が低下し、携帯型のテレビジョン受信機において電池寿命が低下するという問題点がある。また、スイッチング電源装置100の温度上昇が大きくなるという問題点もある。これに対して、図7に示したスイッチング電源装置100を搭載したテレビジョン受信機では、電池寿命が長いが、VHFローチャンネルを受信したときにノイズが発生する。すなわち、図7および図8に示すスイッチング電源装置100を搭載したテレビジョン受信機では、特定の受信チャンネルを受信しているときの画像品質と電源効率とが、一方を改良すれば他方が犠牲になるというトレードオフの関係にある。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、高い電源効率の達成と、安定した受信との双方を達成することのできる受信装置およびテレビジョン受信機を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、トランスの一次コイルに対する直流電源の給断を行うための電源給断用スイッチ手段、および該電源給断用スイッチ手段を駆動することにより前記一次コイルに対する直流電源の給断を制御して当該一次コイルに所定周波数の発振信号を印加する電源制御手段を備えるスイッチング電源装置と、該スイッチング電源から供給される直流電圧を電源として受信動作を行う受信装置本体とを有する受信装置において、前記一次コイルに回路的に接続されたときに当該一次コイルに印加される前記発振信号の波形を鈍化させる波形整形素子と、複数の受信チャンネルのうち、周波数の低い特定チャンネルが選択されたときに前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とし、周波数の高いチャンネルが選択されたときには前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態を解除するモード切替え手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る受信装置では、周波数の低い特定チャンネルが選択されたときには、一次コイルに波形整形素子を回路的に接続させて、図9(c)を参照して説明したように、トランスの一次コイルに供給される発振信号の電流波形を鈍化させる。このため、図9(d)を参照して説明したように、スイッチング電源装置から出るノイズの周波数を低く抑えることができるので、ノイズの周波数帯域が特定チャンネルの周波数帯域と重なることがない。それ故、テレビジョン受信機において受信ノイズを解消することができる。これに対して、周波数の高いチャンネルが選択されたときには、一次コイルから波形整形素子を回路的に切り離して、図9(a)を参照して説明したように、トランスの一次コイルに供給される発振信号の電流波形を急峻なまま用いるため、電源効率が高い。ここで、トランスの一次コイルに供給される発振信号の波形を急峻なまま用いると、図9(b)を参照して説明したように、スイッチング電源装置から周波数の高いノイズが発生するが、このようなノイズが発生しても、受信チャンネルの周波数が高いため、受信チャンネルの周波数帯域とノイズの周波数帯域とは重ならないので、受信ノイズは発生しない。それ故、本発明によれば、いずれの受信チャンネルでもノイズが発生せず、かつ、電源効率が低下するのは周波数の低い特定チャンネルを選択しているときだけである。よって、電源効率の向上と、安定した受信との双方を達成することができる。
【0011】
本発明において、前記モード切替え手段は、たとえば、前記波形整形素子が前記一次コイルに回路的に接続された状態および該接続状態を解除した状態に切り替えるモード切替え用スイッチ手段と、受信チャンネルの選局結果に基づいて当該モード切替え用スイッチ手段のスイッチ動作を制御するための信号を出力する切替え制御信号発生手段とによって構成することができる。
【0012】
本発明において、前記波形整形素子は、前記一次コイルに並列に接続されたときに前記発振信号の波形を鈍化させるキャパシタ、あるいは抵抗である。
【0013】
本発明において、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときに、当該特定チャンネルに対応するチューナー回路に供給されるチューナー駆動電源に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とする。
【0014】
本発明において、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときに、チューナー回路に供給される所定のバンド切替え電圧に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態としてもよい。
【0015】
本発明において、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときは、選局回路から出力される所定の信号に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態としてもよい。
【0016】
本発明は、前記スイッチング電源装置において前記直流電源が電池から供給される受信機に適用すると効果的である。
【0017】
本発明に係る受信装置は、たとえばテレビジョン受信機として構成される。この場合に、前記特定チャンネルは、当該テレビジョン受信機で受信されるチャンネルのうち、低周波数側のチャンネル、たとえば、VHFのローチャンネルである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した受信装置の一例としての携帯型テレビジョン受信機を説明する。
【0019】
[実施の形態1]
図1(a)、(b)は、本形態のテレビジョン受信機のブロック図、およびこのテレビジョン受信機においてスイッチング電源装置の動作モードを切り替えるためのモード切替え回路の構成を示すブロック図である。図2は、本形態のテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【0020】
図1に示すように、本形態のテレビジョン受信機1は、受信装置本体10とスイッチング電源装置100とから構成され、受信装置本体10の側には、UHF帯およびVHF帯のテレビ高周波信号を受信するためのアンテナ2と、受信チャンネルを選択する選局回路3と、この選局回路3での選局結果に基づいて、アンテナ2で受信したテレビ高周波信号から希望するチャンネルの信号を選択、増幅し、映像信号は58.75MHz、音声信号は54.25MHzの中間周波数に変換するチューナ4およびIF回路5とが構成されている。また、テレビジョン受信機1には、映像信号をカラー信号に変換するクロマ回路6と、このクロマ回路6から出力された信号に基づいて液晶パネル8を駆動する液晶パネル駆動回路7と、音声信号を増幅してスピーカ11に出力する音声信号増幅回路9とが構成されている。このような回路構成は、従来からあるテレビジョン受信機と同様である。
【0021】
本形態のテレビジョン受信機1は、1.5Vの電池を3本、直列に接続したものを単一電源とするため、スイッチング電源装置(DC−DCコンバータ)100が搭載され、このスイッチング電源装置100によって各種の直流電圧、たとえば5Vの主電圧や30Vのチューニング電圧を生成し、これらの直流電源によって各回路を動作させている。
【0022】
このスイッチング電源装置100の基本的な回路構成は、図7および図8を参照して説明したスイッチング電源装置100と同様であり、図2に示すように、トランス110の一次コイル111に対して、電池から供給された直流電源120の給断を行う電源給断用スイッチ手段としてのトランジスタ130、およびこのトランジスタ130を駆動することにより一次コイル111に対する直流電源120の給断を制御して一次コイル111に所定周波数の発振信号を印加する制御用IC140(電源制御手段)が形成されている。トランス110の二次側には、二次コイル112、この二次コイル112で逓昇あるいは逓落された二次電圧に対して整流を行うダイオード150、および整流された後の直流電源を平滑する平滑用キャパシタ160が配置されている。
【0023】
このように構成したスッチング電源装置100において、本形態では、トランス110の一次コイル111に対する電源120の供給ラインとグランドとの間には、一次コイル111に印加される発振信号の電流波形を、図9(a)に示す波形から図9(c)に示す波形に鈍化させる波形整形素子としてのキャパシタ170が介挿されている。
【0024】
但し、このキャパシタ170に対しては、図1(a)、(b)を参照して説明するモード切替え回路20が構成されているため、このモード切替え回路20のトランジスタ21(モード切替え用スイッチ手段)によって、キャパシタ170は、一次コイル111に対して並列に電気的接続した状態と、この接続を解除した状態に切り替えて使用される。
【0025】
本形態において、モード切替え回路20は、図1(a)、(b)および図2に示すように、キャパシタ170とグランドとの間に介挿されたモード切替え用スイッチ手段としてのトランジスタ21と、受信チャンネルの選局結果に基づいてトランジスタ21のスイッチ動作を制御するための信号を出力する切替え制御信号発生回路22とから構成されている。
【0026】
ここで、制御信号発生回路22は、複数の受信チャンネルのうち、周波数の低い特定チャンネルが選択されたときにトランジスタ21をオンさせて一次コイル111にキャパシタ170が並列に電気的接続された状態とし、周波数の高いチャンネルが選択されたときにはトランジスタ21をオフさせて一次コイル111にキャパシタ170が回路的に接続された状態を解除する。本形態において、周波数の低い特定チャンネルとは、VHFローチャンネルであり、周波数が高いチャンネルとは、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルである。
【0027】
このような切替えを行うために、制御信号発生回路22は、選局回路3の制御の下、チューナ4に形成されている各バンド毎の複数のチューナー回路のうち、所定のチューナー回路にチューナー駆動電源VCCを選択的に供給するためのスイッチ回路を利用して構成されている。すなわち、図1(b)に示すように、希望するチャンネルが指定されると、このチャンネルに対応するチューナ回路にはチューナ駆動電源VCCが供給されるが、チューナー4の3つの端子41、42、43のうち、VHFローチャンネル用の端子43からトランジスタ21のベースには信号線210が延びている。このため、VHFローチャンネルが選択されると、チューナ駆動電源VCCが端子43を介してチューナー4に供給されるとともに、信号線210を介してトランジスタ21のベースに供給されるので、トランジスタ21がオン状態となる。これに対して、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルが選択された状態においては、チューナ駆動電源VCCが端子41、42を介してチューナー4に供給されるので、トランジスタ21はオフ状態である。
【0028】
このように、本形態のテレビジョン受信機1において、周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20は、チューナ4に形成されている複数のチューナー回路のうち、VHFローチャンネルに対応するチューナー回路に供給されるチューナー駆動電源VCCに基づいてトランジスタ21をオンさせ、一次コイル111にキャパシタ170を並列に電気的接続した状態とする。このため、図9(c)を参照して説明したように、一次コイル111に供給される発振信号の電流波形が鈍化するので、図9(d)を参照して説明したように、スイッチング電源装置100から出るノイズの周波数を低く抑えることができ、このような低い周波数のノイズであれば、ノイズの周波数帯域が受信チャンネル(VHFローチャンネル)の周波数帯域と重なることがない。それ故、テレビジョン受信機1において受信ノイズを解消することができる。
【0029】
これに対して、周波数の高いチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20においては、チューナー駆動電源VCCがトランジスタ21に供給されない。このため、トランジスタ21がオフ状態にあるため、キャパシタ170は、一次コイル111から回路的に切り離された状態にある。従って、図9(a)を参照して説明したように、一次コイル111に供給される発振信号の電流波形が急峻なままであるため、スイッチング電源装置100の電源効率が高い。ここで、一次コイル111に供給される発振信号の波形を急峻なまま用いると、図9(b)を参照して説明したように、スイッチング電源装置100から周波数の高いノイズが発生するが、このようなノイズが発生しても、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルを受信中であれば、受信チャンネルの周波数が高いので、受信チャンネルの周波数帯域とノイズの周波数帯域とは重ならない。それ故、受信ノイズは発生しない。
【0030】
よって、本形態のテレビジョン受信機1によれば、いずれの受信チャンネルでも受信ノイズが発生せず、かつ、電源効率が低下するのは周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)を選択しているときだけであるので、電源効率の向上と、安定した受信の双方を達成することができる。
【0031】
たとえば、スイッチング電源装置100において直流電源120を供給する電池の容量が1500mAHrとしたとき、図7に示す回路構成のスイッチング電源装置100の消費電流が360mAであれば、その電池寿命は250分である。これに対して、図8に示す回路構成のスイッチング電源装置100の消費電流が400mAであれば、このスイッチング電源装置100では、電池寿命が225分となり、図7に示す回路構成と比較して、25分間も短くなってしまう。しかるに本形態のテレビジョン受信機1を東京地区で用いると、一般に受信可能な放送局数は、VHFローチャンネルが2局、VHFハイチャンネルが5局、UHFが2局であるから、各チャンネルを均等に選択したとすれば、図7に示す回路構成のモードで使用される割合が7/9であり、図8に示す回路構成のモードで使用される割合が2/9である。従って、本形態のスイッチング電源装置100を搭載したテレビジョン受信機1であれば、その電池寿命は244分であり、図8に示す回路構成のスイッチング電源装置100を用いたときと比較して約19分間、電池寿命を延長することができる。
【0032】
また、大阪地区ではVHFローチャンネルが1局しかないため、本形態のテレビジョン受信機1は、電源効率の面でより有利である。
【0033】
[実施の形態2]
図3(a)、(b)はそれぞれ、本形態のテレビジョン受信機のブロック図、およびこのテレビジョン受信機において、スイッチング電源装置の動作モードを切り替えるためのモード切替え回路の構成を示すブロック図である。なお、本形態のテレビジョン受信機の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する要素には同一の符号を付して図示するとともに、それらの説明を省略する。また、本形態のテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の構成は、実施の形態1で説明したものと同一であるので、スイッチング電源装置に関する説明は、同じく図2を参照して行う。
【0034】
図2に示すように、本形態のテレビジョン受信機1も、電池を単一電源とするため、スイッチング電源装置(DC−DCコンバータ)100が搭載され、このスイッチング電源装置100によって各種の直流電圧を生成し、これらの直流電圧を電源として各回路を動作させている。このスイッチング電源装置100においても、トランス110の一次コイル111に対する電源120の供給ラインとグランドとの間には、一次コイル111に印加される発振信号の電流波形を、図9(a)に示す波形から図9(c)に示す波形に鈍化させる波形整形素子としてのキャパシタ170が介挿されている。
【0035】
本形態でも、このキャパシタ170に対しては、図3(a)、(b)を参照して説明するモード切替え回路20が構成されている。このモード切替え回路20は、キャパシタ170とグランドとの間に介挿されたモード切替え用スイッチ手段としてのトランジスタ21と、受信チャンネルの選局結果に基づいてトランジスタ21のスイッチ動作を制御するための信号を出力する切替え制御信号発生回路23とから構成されている。
【0036】
本形態においても、制御信号発生回路23は、複数の受信チャンネルのうち周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)が選択されたときにトランジスタ21をオンさせて一次コイル111にキャパシタ170が並列に電気的接続された状態とし、周波数の高いチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されたときにはトランジスタ21をオフさせて一次コイル111にキャパシタ170が回路的に接続された状態を解除する。
【0037】
このような切替えを行うために、本形態において、制御信号発生回路23は、受信チャンネルの選択結果に基づいて、チューナ4の同調回路のコイルのインダクタンス値を切り替えるためのバンド切り替え電圧Vsを利用して構成されている。すなわち、電子同調チューナーでは、 VHFローチャンネル受信時同調回路のコイルのインダクタンス値を増加させるためのスイッチング回路が内蔵されており、そのスイッチング回路をオンオフするためのバンド切り替え電圧Vsが供給される。したがって、本形態では、図3(b)に示すように、希望するチャンネルが指定されると、このチャンネルの選択結果に対応して、VHFローチャンネルが選択されたときと、VHFハイチャンネルやUHFチャンネルが選択されたときとでは、バンド切替え端子44の電位が相違することになる。また、バンド切替え端子44からトランジスタ21のベースには信号線210が延びている。従って、VHFローチャンネルが選択されたときには、バンド切替え端子44に約20Vのバンド切替え電圧Vsが印加されるとともに、このバンド切替え電圧Vsの印加によって、トランジスタ21がオン状態となる。その他のチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択された状態で、トランジスタ21はオフ状態である。
【0038】
このように構成したテレビジョン受信機1でも、実施の形態1と同様、周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20は、トランジスタ21をオンさせ、一次コイル111にキャパシタ170を並列に電気的接続した状態とする。このため、スイッチング電源装置100から出るノイズの周波数を低く抑えることができ、このような低い周波数のノイズであれば、ノイズの周波数帯域が受信チャンネル(VHFローチャンネル)の周波数帯域と重なることがない。それ故、テレビジョン受信機1において受信ノイズを解消することができる。また、周波数の高いチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20において、トランジスタ21がオフ状態にあるため、キャパシタ170は、一次コイル111から回路的に切り離された状態にある。従って、電源効率が高く、かつ、スイッチング電源装置100から周波数の高いノイズが発生しても、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルを受信中であるので、受信チャンネルの周波数帯域とノイズの周波数帯域とは重ならない。それ故、受信ノイズは発生しない。よって、本形態のテレビジョン受信機1によれば、いずれの受信チャンネルでも受信ノイズが発生せず、かつ、電源効率が低下するのは周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)を選択しているときだけであるので、電源効率の向上と、安定した受信の双方を達成することができる。
【0039】
[実施の形態3]
図4は、本形態のテレビジョン受信機のブロック図である。なお、本形態のテレビジョン受信機の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する要素には同一の符号を付して図示するとともに、それらの説明を省略する。また、本形態のテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の構成は、実施の形態1で説明したものと同一であるので、スイッチング電源装置に関する説明は、同じく図2を参照して行う。
【0040】
図2に示すように、本形態のテレビジョン受信機1も、電池を単一電源とするため、スイッチング電源装置(DC−DCコンバータ)100が搭載され、このスイッチング電源装置100によって各種の直流電圧を生成し、これらの直流電圧を電源として各回路を動作させている。このスイッチング電源装置100の回路構成は、図2を参照して説明したように、トランス110の一次コイル111に対する電源120の供給ラインとグランドとの間には、一次コイル111に印加される発振信号の電流波形を、図9(a)に示す波形から図9(c)に示す波形に鈍化させる波形整形素子としてのキャパシタ170が介挿されている。
【0041】
本形態でも、このキャパシタ170に対しては、図4を参照して説明するモード切替え回路20が構成されている。このモード切替え回路20は、本形態でも、キャパシタ170とグランドとの間に介挿されたモード切替え用スイッチ手段としてのトランジスタ21と、受信チャンネルの選局結果に基づいてトランジスタ21のスイッチ動作を制御するための信号を出力する切替え制御信号発生回路24とから構成されている。
【0042】
本形態においても、制御信号発生回路24は、受信チャンネルのうち周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)が選択されたときにトランジスタ21をオンさせて一次コイル111にキャパシタ170が並列に電気的接続された状態とし、周波数の高いチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されたときにはトランジスタ21をオフさせて一次コイル111にキャパシタ170が回路的に接続された状態を解除する。
【0043】
このような切替えを行うために、制御信号発生回路24は、選局回路3において、VHFローチャンネルが選択されたときに制御信号を出力する信号出力部として構成され、この信号出力部は、その他のチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されているときには、信号出力を行わない。
【0044】
従って、本形態のテレビジョン受信機1において、周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20は、選局回路3に形成されている制御信号発生回路24が所定の信号を出力することにより、トランジスタ21をオンさせ、一次コイル111にキャパシタ170を並列に電気的接続した状態とする。このため、スイッチング電源装置100から出るノイズの周波数を低く抑えることができ、このような低い周波数のノイズであれば、ノイズの周波数帯域が受信チャンネル(VHFローチャンネル)の周波数帯域と重なることがない。それ故、テレビジョン受信機1において受信ノイズを解消することができる。また、周波数の高いチャンネル(VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネル)が選択されたときには、モード切替え回路20において、トランジスタ21がオフ状態にあるため、キャパシタ170は、一次コイル111から回路的に切り離された状態にある。従って、電源効率が高く、かつ、スイッチング電源装置100から周波数の高いノイズが発生しても、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルを受信中であるので、受信チャンネルの周波数帯域とノイズの周波数帯域とは重ならない。それ故、受信ノイズは発生しない。よって、本形態のテレビジョン受信機1によれば、いずれの受信チャンネルでも受信ノイズが発生せず、かつ、電源効率が低下するのは周波数の低い特定チャンネル(VHFローチャンネル)を選択しているときだけであるので、電源効率の向上と、安定した受信の双方を達成することができる。
【0045】
[その他の実施の形態]
なお、上記の形態1、2、3では、一次コイル111に対してキャパシタを回路的に接続した状態と、この接続状態を解除した状態とに切り替える構成であったが、図5に示すように、一次コイル111に対して、回路的に接続した状態とこの接続状態を解除した状態とにトランジスタ21によって切り替えられるキャパシタ170と、一次コイル111に対して回路的に接続された状態のままのキャパシタ171とを設けた構成であってもよい。このような構成の場合には、VHFローチャンネルが選択されているときには、2つのキャパシタ170、171で一次コイル111に供給される発振信号の波形を鈍化させ、VHFハイチャンネルおよびUHFチャンネルが選択されているときには、キャパシタ170の方を切り離して、キャパシタ171のみで一次コイル111に供給される発振信号の波形をわずかに鈍化させることになる。
【0046】
また、上記のいずれの形態でも、一次コイル111に供給される発振信号の波形を鈍化させる電気素子としてキャパシタを用いたが、キャパシタに代えて、図6に示すように、一次コイル111に並列に電気的接続する状態、およびこの接続状態が解除される抵抗172を用いてもよい。
【0047】
さらに、上記のいずれの形態においても、VHFローチャンネルが選択されているときのみ、一次コイル111に供給される発振信号の波形を鈍化させる構成であったが、スイッチング電源装置100から発生するノイズの周波数分布によっては、たとえば、VHFローチャンネルおよびVHFハイチャンネルが選択されているときに、一次コイル111に供給される発振信号の波形を鈍化させ、UHFチャンネルが選択されているときにはこのような波形の鈍化を中断あるいは緩和する構成であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、周波数の低い特定チャンネルが選択されたときには、トランスの一次コイルに供給される発振信号の波形を鈍化させる。このため、スイッチング電源装置から出るノイズの周波数を低く抑えることができるので、ノイズの周波数帯域が受信チャンネルの周波数帯域と重なることがない。また、周波数の高いチャンネルが選択されたときには、トランスの一次コイルに供給される発振信号の波形を急峻な条件に設定するため、電源効率が高く、かつ、この条件下において、周波数の高いノイズが発生しても、受信チャンネルの周波数が高いので、受信チャンネルの周波数帯域とノイズの周波数帯域とは重ならない。それ故、本発明によれば、いずれの受信チャンネルでも受信ノイズが発生せず、かつ、電源効率が低下するのは周波数の低い特定チャンネルを選択しているときだけである。よって、電源効率の向上と、安定した受信との双方を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受信機のブロック図、およびこのテレビジョン受信機においてスイッチング電源装置の動作モードを切り替えるためのモード切替え回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明の実施の形態2に係るテレビジョン受信機のブロック図、およびこのテレビジョン受信機においてスイッチング電源装置の動作モードを切り替えるためのモード切替え回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るテレビジョン受信機のブロック図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係るテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態に係るテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【図7】従来のテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【図8】従来の別のテレビジョン受信機に搭載したスイッチング電源装置の回路図である。
【図9】(a)、(b)はそれぞれ、図7に示すスイッチング電源装置の1次コイルに供給される発振信号の電流波形図、および図7に示すスイッチング電源装置が発するノイズの周波数分析結果を示すスペクトラムであり、(c)、(d)はそれぞれ、図8に示すスイッチング電源装置の1次コイルに供給される発振信号の電流波形図、および図8に示すスイッチング電源装置が発するノイズの周波数分析結果を示すスペクトラムである。
【符号の説明】
1 テレビジョン受信機
2 アンテナ
3 選局回路
4 チューナ
5 IF回路
6 クロマ回路
7 液晶パネル駆動回路
8 液晶パネル
9 音声信号増幅回路
10 受信装置本体
11 スピーカ
20 モード切替え回路(モード切替え手段)
21 トランジスタ(モード切替え用スイッチ手段)
22、23、24 制御信号出力回路(制御信号出力手段)
100 スイッチング電源装置
110 トランス
111 一次コイル
120 直流電源
130 トランジスタ(電源給断用スイッチ手段)
140 制御用IC(電源制御手段)
150 ダイオード
160 平滑用のキャパシタ
170 波形整形用のキャパシタ(波形整形素子)
172 波形整形用の抵抗(波形整形素子)

Claims (10)

  1. トランスの一次コイルに対する直流電源の給断を行うための電源給断用スイッチ手段、および該電源給断用スイッチ手段を駆動することにより前記一次コイルに対する直流電源の給断を制御して当該一次コイルに所定周波数の発振信号を印加する電源制御手段を備えるスイッチング電源装置と、該スイッチング電源から出力される直流電圧を電源として受信動作を行う受信装置本体とを有する受信装置において、
    前記一次コイルに回路的に接続されたときに当該一次コイルに印加される前記発振信号の波形を鈍化させる波形整形素子と、
    複数の受信チャンネルのうち、周波数の低い特定チャンネルが選択されたときに前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とし、周波数の高いチャンネルが選択されたときには前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態を解除するモード切替え手段とを有することを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1において、前記モード切替え手段は、前記波形整形素子が前記一次コイルに回路的に接続された状態および該接続状態を解除した状態に切り替えるモード切替え用スイッチ手段と、受信チャンネルの選択結果に基づいて当該モード切替え用スイッチ手段のスイッチ動作を制御するための信号を出力する切替え制御信号発生手段とを有していることを特徴とする受信装置。
  3. 請求項1または2において、前記波形整形素子は、前記一次コイルに並列に接続されたときに前記発振信号の波形を鈍化させるキャパシタであることを特徴とする受信装置。
  4. 請求項1または2において、前記波形整形素子は、前記一次コイルに並列に接続されたときに前記発振信号の波形を鈍化させる抵抗であることを特徴とする受信装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときに、複数のチューナー回路のうち、前記特定チャンネルに対応するチューナー回路に供給されるチューナー駆動電源に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とすることを特徴とする受信装置。
  6. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときに、チューナ回路に供給される所定のバンド切替え電圧に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とすることを特徴とする受信装置。
  7. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記モード切替え手段は、前記特定チャンネルが選択されたときに、選局回路から出力される所定の信号に基づいて、前記一次コイルに前記波形整形素子が回路的に接続された状態とすることを特徴とする受信装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記スイッチング電源装置では、前記直流電源が電池から供給されることを特徴とする受信機。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに規定する受信装置を備えたテレビジョン受信機であって、前記特定チャンネルは、当該テレビジョン受信機で受信されるチャンネルのうち、低周波数側のチャンネルであることを特徴とするテレビジョン受信機。
  10. 請求項1ないし8のいずれかに規定する受信装置を備えたテレビジョン受信機であって、前記特定チャンネルは、VHFのローチャンネルであることを特徴とするテレビジョン受信機。
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