JP3565741B2 - ヘッド支持アーム、その製造方法及びデータ記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロード・ビームと、ロード・ビームに結合された部分及びボンディング部分を含むフレクシャと、接着剤によりボンディング部分を接着された、一端にヘッドを有するスライダとを備え、ロード・ビームが、フレクシャとスライダのジンバル動作を生じさせるためのディンプルを有する構造のヘッド支持アーム、その製造方法及びデータ記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ロード・ビームと、ロード・ビームに結合された部分及びボンディング部分を含むフレクシャと、接着剤によりボンディング部分を接着された、一端にヘッドを有するスライダとを備え、ロード・ビームが、フレクシャとスライダのジンバル動作を生じさせるためのディンプルを有する構造のヘッド支持アームは種々の構成のものが知られており、ハード・ディスク・装置等において読み取り/書き込み用のヘッドを支持するために利用されている。近年、記録密度の向上に伴い、ヘッドとしてMRヘッドやGMRヘッドなどのよりセンシティブで静電気や熱に弱いものが使用されてきている。一方、スライダの浮上量も限界近くまで下げてきており、熱変化による、ステンレス製のフレクシャとセラミック製のスライダ間のバイメタル効果による変形も無視出来なくなってきている。
【0003】
こうした背景から、フレクシャとスライダとを接着固定するために、硬化後の熱変化の小さい熱硬化性樹脂等の接着剤を使用することが多くなっている。熱硬化性樹脂を使用してフレクシャとスライダとを接着固定する場合は、まず、生産工程の効率を上げるため、熱硬化性樹脂を介してセットしたフレクシャとスライダのうちフレクシャにレーザ・ビームを短時間照射して仮止め(レーザ・タック)を行い、その後、フレクシャとスライダとを仮止めしたヘッド支持アーム全体を加熱炉内で加熱し、熱硬化性樹脂全体を加熱硬化させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなレーザ・タックを伴うフレクシャとスライダの接着は、ヘッド支持アームの先端にロード/アンロード用のマージ・リップが必要のないコンタクト・スタート・ストップ(CSS)方式のヘッド支持アームでは簡単に実現できるが、近年多用されるロード/アンロード用のマージ・リップが必要なヘッド支持アームでは、そのままではロード・ビームによりフレクシャのほとんどが覆われているため、レーザ・タックができない問題があった。
【0005】
この問題を解消するため、本出願人は特願平10−370272号において、フレクシャのスライダを接着するボンディング部分を露出する露出開口をロード・ビームに設け、この露出開口を利用してレーザ・ビームをフレクシャのボンディング部分に照射し、ロード/アンロード用のマージ・リップが存在するヘッド支持アームでもレーザ・タックを実現可能とする技術を開示している。しかし、特願平10−370272号において開示された技術は、近年用いられるようになった、データ記録媒体からヘッドをアンロードする時などにヘッドすなわちスライダがロード・ビームから離れすぎないよう作用するリミッタのための開口をもロード・ビームに必要とするヘッド支持アームを対象にしていなかった。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解消して、ロード・アンロード用のマージ・リップ及びリミッタを有するヘッド支持アームにおいてレーザ・タックを行うことのできるヘッド支持アーム、その製造方法及びデータ記録装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のヘッド支持アームは、ロード・ビームと、ロード・ビームに結合された部分及びボンディング部分を含むフレクシャと、接着剤によりボンディング部分を接着された、一端にヘッドを有するスライダとを備え、ロード・ビームが、フレクシャとスライダのジンバル動作を生じさせるためのディンプルを有する構造のヘッド支持アームを対象とする。このヘッド支持アームにおいて、(1)スライダのヘッドを設けた一端に対して反対側の他端に接着されたフレクシャのボンディング部分を露出させる露出開口を、ロード・ビームに設けるとともに、(2)フレクシャと一体に設けられたリミッタを露出開口のフレクシャの存在する面に対し反対側の面まで延在させ、リミッタをロード・ビームに係合させた。
【0008】
本発明ヘッド支持アームでは、ヘッドを有するスライダ、フレクシャ、ロード・ビーム等からなるヘッド支持アームにおけるヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)において、フレクシャとスライダとを接着するための熱硬化性樹脂からなる接着剤の仮止めに用いる露出開口を、ロード/アンロード用のリミッタの開口としても利用することで共通化し、露出開口にリミッタを係合させている。そのため、ロード/アンロード用のマージ・リップ及びリミッタの機能を持ったまま、レーザ・タックのためのレーザ照射が可能となるとともに、そのレーザ照射位置がGMRヘッド等の熱に弱いエレメントより離れたところにあるため、その熱上昇も抑えることができる。その結果、ヘッド支持アームをシンプルでコンパクトに構成することが可能となる。また、本発明の露出開口の構成であれば、強度的に弱くなるロード・ビーム上の部位は存在しない。
【0009】
本発明のヘッド支持アームにおける好適例として、露出開口がほぼ四角形でありその一辺の大きさが、フレクシャのボンディング部分の幅方向の大きさより大きくなるよう構成すること、リミッタが、露出開口のディンプルに対し遠い側の一辺に係合するよう構成することが挙げられる。いずれの場合も、レーザ照射用の開口とリミッタ用の開口とを供用する露出開口を好適に実現することができる。
【0010】
また、本発明のヘッド支持アームの製造方法は、上述した構成のヘッド支持アームの製造方法を対象とする。まず、フレクシャのリミッタをロード・ビームの露出開口に係合させた状態で、ロード・ビームに対しフレクシャのボンディング部分に熱硬化性樹脂を介してスライダを配置する。次に、露出開口を介してフレクシャの露出しているボンディング部分の一部にレーザ・ビームを照射し、レーザ・ビームの熱で熱硬化性接着剤を硬化させてフレクシャとスライダとを仮固定する。その後、フレクシャとスライダとを仮固定したヘッド支持アームを加熱炉内で加熱することで熱硬化性樹脂をさらに加硫して、フレクシャとスライダとを接着固定する。上述した製造方法によれば、ロード/アンロード用のマージ・リップ及びリミッタを備えるヘッド支持アームを、歩留まり良く製造することができる。
【0011】
さらに、本発明のデータ記録装置は、データを記録するデータ記録媒体と、データ記録媒体に対して相対的に移動する上述した構成のヘッド支持アームとから構成される。上述した構成のデータ記録装置は、ロード/アンロード用のマージ・リップ及びリミッタを備えるヘッド支持アームを好適に利用してデータ記録装置を構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に従うヘッド支持アーム31を含むハード・ディスク・ドライブ(HDD)装置の回路ブロック図である。磁気データ記録用ハード・ディスク10を回転させるスピンドル・モータ11及びボイス・コイル・モータ(VCM)は、VCM/スピンドル・ドライバ12により制御される。読み取り/書き込み回路14はハード・ディスク制御回路15に接続され、そしてこの回路15はVCM/スピンドル・ドライバ12に接続されている。データ及び制御データを記憶するためのメモリ16が回路15及び主制御回路すなわちMPU13に接続され、MPU13はVCM/スピンドル・ドライバ12、ハード・ディスク制御回路15及びメモリ16を制御する。読み取り/書き込みヘッドはスライダ(図示せず)に装着される。スライダはヘッド支持アーム31の先端部に装着される。ヘッド支持アーム31の後部はハード・ディスク・ドライブ装置のフレームの枢着されている。
【0013】
また、内側クラッシュ停止材17がフレームに装着されており、ヘッド支持アーム31に係合して読み取り/書き込みヘッドを、最も内側のデータ記録トラック上に位置決めする。ランプ素子18がHDD装置のフレームに装着される。このHDD装置はロード/アンロード方式で動作され、待機状態ではヘッド支持アーム31の先端のマージ・リップ21がランプ素子18上に乗り、そして読み取り/書き込み動作が開始されると、ヘッド支持アーム31はハード・ディスク10に中心に向かって移動され、これにより先端のマージ・リップ21はランプ素子18からはずれてそしてスライダ及び読み取り/書き込みヘッドはディスク上で飛行する。なお、上述したHDD装置の特徴は、後述するヘッド支持アーム31の構造であり、その他の構成は従来のHDD装置と同じである。
【0014】
図2は本発明のヘッド支持アーム31の一実施例を示す図であり、図2(a)はその平面図を、図2(b)はその側面図をそれぞれ示している。図2(a)、(b)に示す実施例において、ヘッド支持アーム31は、枢着点33でHDD装置のフレームに装着されるアクチュエータ・アーム32、ロード・ビーム34、ロード・ビーム34をアクチュエータ・アーム32に接続するマウント・プレート35、結合点45(図3)でロード・ビーム34に取り付けられたフレクシャ36、フレクシャ36のボンディング部分36Aに取り付けられたスライダ37とから構成されている。ここで、スライダ37、フレクシャ36、ロード・ビーム34及びマウント・プレート35は、ヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)と呼ばれる。
【0015】
図3は本発明のヘッド支持アーム31におけるロード・ビーム34、フレクシャ36及びスライダ37の一実施例を説明するための図であり、図3(a)はその平面図を、図3(b)はその側面図をそれぞれ示している。図3(a)、(b)に示す実施例において、MRヘッドやGMRヘッドのような読み取り/書き込みヘッド43はスライダ37の先端に取り付けられている薄膜44上に装着されている。ロード・ビーム34上の突出部すなわちディンプル42は、スライダ37及び読み取り/書き込みヘッド43を支持するフレクシャ36のボンディング部分36Aに接触して、スライダ37及びヘッド43のジンバル動作を実現する。また、開口部51がロード・ビーム34に形成されており、ロード・ビーム34の屈曲部52を規定する。ロード・ビーム34は、図2(b)に示すように、屈曲部52で屈曲することにより2つの位置の間で移動される。さらに、開口53がスライダ37の先端のヘッド43に対応する位置でロード・ビーム34に形成されており、例えばヘッド43からの接続ワイヤ等をロード・ビーム54のヘッド43とは反対側の面に導くために利用されている。
【0016】
本発明のヘッド支持アーム31における最大の特徴は、ロード・ビーム54に、スライダ37のヘッド43を設けた一端に対して反対側の他端に接着されたフレクシャ36のボンディング部分36Aを露出させる露出開口61を形成した点、および、フレクシャ36と一体に設けられた2つのリミッタ62を露出開口61のフレクシャ36の存在する面に対し反対側の面まで延在させ、リミッタ62の先端62Aをロード・ビーム34に係合させた点である。上述した構成をとることで、この露出開口61を利用して、図3(a)に示す上面からレーザ・ビームをボンディング部分36AのA部に照射してレーザ・タックを行えるよう構成することができる。また、専用の開口を設けることなく、レーザ・タック用に設けた露出開口61を利用して、例えばアンロード時のスライダ37の異常な動作を防止するリミッタ62をロード・ビーム34に対して形成することができる。
【0017】
なお、上述した実施例では、露出開口61の形状がほぼ四角形であり、その一辺の大きさが、フレクシャ36のボンディング部分36Aの幅方向の大きさより大きくなるよう形成している。これは、2つのリミッタ62がフレクシャ36のボンディング部分36Aの幅方向の両端に設けられており、これらのリミッタ62を露出開口61を介してロード・ビーム34に対してセットするために必要なためである。もちろん、リミッタ62の形状に応じて、すなわち、リミッタ62が例えばボンディング部分36Aの幅方向の中央に1カ所だけ設けられているような場合は、露出開口61の一辺をそのリミッタ62の幅より少なくとも大きくなるよう形成すれば良い。また、露出開口61の形状も四角形に限定されるものではない。さらに、上述した実施例では、リミッタ62の先端62Aが、露出開口61のディンプル42に対して遠い側の一辺に係合するよう構成している。これは、この位置でリミッタ62の先端62Aをロード・ビーム34に係合させることで、リミッタ62の効果を最大限発揮できるためである。しかし、他の位置例えば露出開口61の側面でリミッタ62の先端62Aをロード・ビーム34に係合するよう構成しても、上述した例よりは若干劣るが十分リミッタ62として利用できることは言うまでもない。
【0018】
上述した構成のヘッド支持アーム31を製造するには、まず、フレクシャ36のリミッタ62をロード・ビーム34の露出開口に係合させた状態で、ロード・ビーム34に対しフレクシャ36のボンディング部分36Aに熱硬化性樹脂を介してスライダ37を配置する。次に、露出開口62を介してフレクシャ36の露出しているボンディング部分36Aの一部にレーザ・ビームを照射し、レーザ・ビームの熱で熱硬化性接着剤を硬化させてフレクシャ36とスライダ37とを仮固定する。その後、フレクシャ36とスライダ37とを仮固定したヘッド支持アーム31を加熱炉内で加熱することで熱硬化性樹脂をさらに加硫して、フレクシャ36とスライダ37とを接着固定する。上述したヘッド支持アーム31の製造方法において重要な点は、リミッタ62を係合するのに利用した露出開口61を利用してレーザ・タックを行う点であり、その他の各工程は、従来と同様の工程で製造することができる。上述した製造方法によれば、ロード/アンロード用のマージ・リップ21及びリミッタ62を備えるヘッド支持アーム31を、歩留まり良く製造することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、フレクシャとスライダとを接着するための熱硬化性樹脂からなる接着剤の仮止めに用いる露出開口を、ロード/アンロード用のリミッタの開口としても利用することで共通化し、露出開口にリミッタを係合させている。そのため、ロード/アンロード用のマージ・リップ及びリミッタの機能を持ったまま、レーザ・タックのためのレーザ照射が可能となるとともに、そのレーザ照射位置がGMRヘッド等の熱に弱いエレメントより離れたところにあるため、その熱上昇も抑えることができる。その結果、ヘッド支持アームをシンプルでコンパクトに構成することが可能となる。また、本発明の露出開口の構成であれば、強度的に弱くなるロード・ビーム上の部位は存在しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うヘッド支持アームを含むHDD装置の回路ブロック図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明のヘッド支持アームの一実施例を示す平面図及び側面図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ本発明のヘッド支持アームにおけるロード・ビーム、フレクシャ及びスライダの一実施例を示す平面図及び側面図である。
【符号の説明】
10 ハード・ディスク、21 マージ・リップ、31 ヘッド支持アーム、34 ロード・ビーム、36 フレクシャ、36A ボンディング部分、37 スライダ、42 ディンプル、43 ヘッド、51、53 開口、61 露出開口、62 リミッタ、62A 先端
Claims (5)
- ロード・ビームと、一端にヘッドを有するスライダと、前記ロード・ビームに結合された部分及び前記スライダと前記一端に対して反対側の他端で接着剤によって接着されたボンディング部分を備えたフレクシャと、前記ボンディング部分を露出させ、前記スライダと前記フレクシャを前記接着剤を用いて仮止めするための、前記ロード・ビームに設けられた露出開口とを備え、前記ロード・ビームが、前記フレクシャと前記スライダのジンバル動作を生じさせるためのディンプルを有する構造のヘッド支持アームにおいて、前記フレクシャと一体に設けられたリミッタが、前記露出開口の前記フレクシャの存在する面に対して反対側の面にまで延在し、前記露出開口に係合することを特徴とするヘッド支持アーム。
- 前記露出開口がほぼ四角形であり、その一辺の大きさが、フレクシャのボンディング部分の幅方向の大きさより大きい請求項1記載のヘッド支持アーム。
- 前記リミッタが、露出開口のディンプルに対し遠い側の一辺に係合する請求項1記載のヘッド支持アーム。
- フレクシャのリミッタをロード・ビームの露出開口に係合させた状態で、ロード・ビームに対しフレクシャのボンディング部分に熱硬化性樹脂を介してスライダを配置し、露出開口を介してフレクシャの露出しているボンディング部分の一部にレーザ・ビームを照射し、レーザ・ビームの熱で熱硬化性接着剤を硬化させてフレクシャとスライダとを仮固定し、その後フレクシャとスライダとを仮固定したヘッド支持アームを加熱炉内で加熱することで熱硬化性樹脂をさらに加硫して、フレクシャとスライダとを接着固定することを特徴とするヘッド支持アームの製造方法。
- データを記録するデータ記録媒体と、データ記録媒体に対して相対的に移動するヘッド支持アームとを含み、このヘッド支持アームは、ロード・ビームと、一端にヘッドを有するスライダと、前記ロード・ビームに結合された部分及び前記スライダと前記一端に対して反対側の他端で接着剤によって接着されたボンディング部分を備えたフレクシャと、前記ボンディング部分を露出させ、前記スライダと前記フレクシャを前記接着剤を用いて仮止めするための、前記ロード・ビームに設けられた露出開口とを備え、前記ロード・ビームが、前記フレクシャと前記スライダのジンバル動作を生じさせるためのディンプルを有する構造のヘッド支持アームにおいて、前記フレクシャと一体に設けられたリミッタが、前記露出開口の前記フレクシャの存在する面に対して反対側の面にまで延在し、前記露出開口に係合することを特徴とするデータ記録装置。
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