JP3570143B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は鍵盤装置に関し、特に金型を用いて製造する鍵盤装置における各鍵の押鍵動作のガイド手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器等の鍵盤装置においては、音高順に並べた黒鍵および白鍵からなる複数の鍵を適当なユニットに分割し、ユニットごとに金型を用いて作成してこれらを組合せて例えば1オクターブの鍵盤を形成する。このような鍵盤の分割ユニットは、例えば黒鍵のユニットと白鍵のユニットに分割され、白鍵のユニットをさらに2つのユニットに分割して構成される。
【0003】
図13は、黒鍵を介さないで隣接する白鍵、例えばE鍵とF鍵を含む鍵ユニットの一部を示す上面図である。白鍵(例えばE鍵)51と白鍵(例えばF鍵)52は黒鍵を介することなく隣接する。白鍵51、52は、それぞれ黒鍵(D#およびF#)を配設するための切欠き53を有する。各鍵51、52は、揺動支持部54を介して共通の固定支持部55に連結される。各鍵51、52は、切欠き53のある側の屈曲した側壁(外側輪郭のみ図示)の屈曲して鍵の幅が狭くなった部分の下側に、この側壁と一体に突出壁(図示しない)を垂下して可動側の被ガイド部を形成し、その下端部の外側に押鍵動作の上限ストッパ(図示しない)に当接する当接片56(鍵側のストッパ片)が形成される。
【0004】
各鍵51、52の切欠き53のない側の直線状の側壁同士が隣接し、この隣接する側壁の下側には、この側壁と一体に、押鍵動作ガイド手段を構成する固定側の鍵ガイド(図示しない)に摺接する可動側の被ガイド部(図示しない)が垂下して形成される。
【0005】
このような切欠きのない側壁同士が隣接する白鍵を同じユニットとして金型で同時に形成する場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図14は、このような切欠きのない隣接する白鍵を同じ金型で形成する場合の上型および下型の断面の位置関係を示す構成説明図である。上型57および下型58間に上記白鍵用のキャビティが形成される。この場合、切欠きのない側の隣接する両側壁に上記可動側の被ガイド部用の長いキャビティ59が形成されるため、下型58に、隣接する白鍵の隙間に対応した非常に狭い間隔の仕切部分60が上下に長く形成される。
【0007】
しかしながら、金型がこのような薄く細長い仕切部分を有すると、この部分の強度が弱く、破損しやすくなって取扱い性も悪くなり、生産性の低下の問題を生ずることになる。
【0008】
一方、特開平5−143061号公報に、押鍵動作ガイド手段として、前述のような鍵の側壁から可動側の被ガイド部を垂下させる構成に代えて、鍵の下側中央部分から被ガイド部を突出させて設け、この被ガイド部の両側に摺接する固定ガイド部を鍵支持フレーム側に設けた構成が開示されている。
【0009】
しかしながら、この公開された公報記載技術においては、鍵側から突出して垂下する被ガイド部が、鍵の側壁下面までしか固定ガイド部と係合しないため、固定ガイド部材が鍵の内部まで進入できず鍵とフレームとの相互位置が離れコンパクト性が低下するとともに、充分安定したガイド機能が得られない。また、この公報には、特に黒鍵用の切欠きを有する白鍵について、切欠きの有無を考慮した技術思想の開示がなく、本発明の課題が示唆されない。
【0010】
この発明は上記従来技術を考慮してなされたものであって、金型の強度を高めその取扱い性や生産性を向上させ製造コストの低減を図るとともに、安定して信頼性の高い鍵ガイド手段を実現する鍵盤装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、該ユニットは、少なくとも複数の白鍵を含み、該白鍵のうち一方に黒鍵を介して一方の白鍵に隣接し、他方に他方の白鍵が隣接する白鍵は、黒鍵の配される側の側壁に黒鍵配設用の切欠きを有し、この切欠きを有しない側壁を有する白鍵は、この切欠きを有しない側壁の内側に、該側壁から間隔を隔てて前記鍵ガイドに摺接する被ガイド突条を、この鍵の天井壁から垂下させて設けた鍵ユニットで構成され、前記鍵に設けた被ガイド突条は、前記切欠きを有しない側壁と平行な摺動面を有する第1の被ガイド部を構成し、さらに前記切欠きを有する側壁から垂下し、かつ前記摺動面と平行な摺動面を有する第2の被ガイド部を設け、この第2の被ガイド部の下端部の外側に押鍵動作の上限規制手段を構成する当接片を突出させて設けた鍵盤装置を提供する。
【0012】
この構成によれば、黒鍵を介さないで隣接する白鍵同士は、各々その可動側(鍵側)の被ガイド部が、隣接する切欠きのない側壁には形成されず、その内側の天井壁から垂下して設けられるため、可動側の被ガイド部同士が相互に離れた位置に配設され、隣接する両側壁の下側は空間となる。したがって、このような隣接する両白鍵を型を用いて成形する場合、両白鍵間を仕切る幅の狭い部分は、鍵の側壁の高さ分のみであって、被ガイド部同士を隣接させた場合のように側壁部分から延長した幅狭の細長い部分がなくなる。このため、金型が充分な強度を有し、使用性が向上し生産性が高められる。
【0013】
また、被ガイド部は鍵の側壁から間隔を隔てて天井壁から垂下するため、固定側の鍵ガイドが鍵の内部まで進入できコンパクトな構成(特に高さ方向)が得られるとともに安定したガイド動作が達成され、鍵操作性がよくなる。
【0014】
好ましい実施の形態においては、前記鍵に設けた被ガイド突条は、前記切欠きを有しない側壁と平行な摺動面を有する第1の被ガイド部を構成し、さらに前記切欠きを有する側壁から垂下し、かつ前記摺動面と平行な摺動面を有する第2の被ガイド部を設け、この第2の被ガイド部の下端部の外側に押鍵動作の上限規制手段を構成する当接片を突出させて設けるとともに、第1および第2の被ガイド部の平行摺動面間に前記鍵ガイドを摺接させて設けたことを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、鍵側に設けた2つの平行な可動側の被ガイド部の摺動面間に鍵ガイドを摺接させるため、押鍵ストロークの全範囲にわたって安定した押鍵揺動動作が得られる。また、鍵ガイドが鍵の幅方向の中央部近傍に配置されるため、押鍵揺動動作がさらに安定する。また、切欠きのある側の側壁に被ガイド部を一体に形成し、その下端部外側に上限ストッパへの当接片を突出させているため、型を用いて成形する場合、アンダーカット部が形成されず金型がシンプルな構成になる。
【0016】
別の好ましい実施の形態においては、前記第1および第2の被ガイド部の前後端部のいずれか同士を連結する補強板を設け、実質的に前後面のいずれかが開口する断面コ字状の被ガイド部を形成したことを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、鍵側の被ガイド部の剛性が高まり、案内動作の信頼性がさらに大きくなる。また、断面コ字状の被ガイド部により鍵ガイドの前側または後側が開口しその反対側が遮蔽されるため、組立て作業等において、鍵ガイドに塗布したグリスが後方の基板上の接点部等に付着することが防止され、組立て作業が円滑に行われる。
【0018】
本発明ではさらに、押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、一方の側壁に黒鍵配設用の切欠きを有するとともに他方に前記切欠きを有しない白鍵は、その両側の側壁間の天井壁から垂下して前記鍵ガイドに摺接する被ガイド突条を有し、前記鍵ガイドはこの被ガイド突条の両側からこの被ガイド突条に摺接する鍵盤装置を提供する。
【0019】
この構成によれば、鍵の天井壁から例えば板状の被ガイド部(被ガイド突条)を垂下させて一体形成し、この被ガイド部を挟んで両側から鍵ガイドを摺接させるため、切欠きのない側壁同士を隣接させた白鍵の金型を製造する場合、両白鍵の被ガイド部同士間の鍵横並び方向の距離が長くなる。このため、従来のように隣接する側壁と一体形成した場合に両方の鍵の被ガイド部間に形成される幅狭の細長い仕切部分がなくなり、金型強度が高まるとともに、鍵ガイドが鍵の内部まで進入可能となって、安定した鍵の上下揺動動作のガイドを達成することができる。
【0020】
さらに本発明では、押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、黒鍵配設用の切欠きを有しない側壁を有する白鍵は、切欠きを有する側の側壁と一体でこの側壁から垂下して前記鍵ガイドに摺接する板状の被ガイド部を有し、前記鍵ガイドはこの被ガイド部の両側からこの被ガイド部に摺接する鍵盤装置を提供する。
【0021】
この構成によれば、前述の構成と同様に、切欠きのない側壁同士を隣接させた白鍵の金型を製造する場合、両白鍵の被ガイド部同士が大きく離れるため、隣接する側壁と一体形成した場合に両方の被ガイド部間に形成される幅狭の細長い仕切部分がなくなり、金型強度が高まる。また、切欠きのある側壁の側壁屈曲部から前方に突出させてこの側壁と一体に前記被ガイド部を形成することにより、鍵ガイドをこの被ガイド部の両側から挟むように摺接させて鍵の内部まで進入させることができ、安定した鍵の上下揺動ガイド動作を得ることができる。
【0022】
また、被ガイド部は板状であるため、型により形成する場合に板厚を高精度に形成することができ、鍵ガイドとのクリアランス精度が適正に保たれ、円滑な押鍵ガイド動作が達成される。
【0023】
好ましい実施の形態においては、前記被ガイド部は、鍵の側壁と平行な板状本体と、この本体の前端部に本体と直角に一体に設けた被ガイド板からなり、この被ガイド板の端面に前記鍵ガイドが摺接することを特徴としている。
【0024】
この構成によれば、鍵の幅方向と平行に被ガイド板が設けられその端面に鍵ガイドが摺接するため、被ガイド部の鍵幅方向の剛性が高まるとともに鍵自体の強度が大きくなる。
【0025】
【実施例】
以下この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る鍵盤装置の構成説明図であり、(A)はE,F鍵の上面図、(B)は(A)のX−X断面図である。また、図2は図1のY−Y断面図、図3はその健ガイド部分の斜視図、図4は図1の健を下面側からみた斜視図である。
【0026】
この例では、1オクターブの鍵を、例えば白鍵ユニット100と黒鍵ユニット101の2つの鍵ユニットに分割し、これら2つの鍵ユニットの固定支持部3a,3bを重ねてネジ3cによりフレーム5に固定する。
【0027】
白鍵ユニット100の鍵(白鍵)1は、その基端部の揺動支持部2を介して白鍵に共通の支持部である固定支持部3aに連結される。この揺動支持部2は、弾性を有する板状部材であり、白鍵1および固定支持部3aとともに型により一体にモールド成型される。固定支持部3aは、ネジ3cにより、黒鍵ユニット101の固定支持部3bとともに白鍵ユニット100および黒鍵ユニット101の共通の支持手段となるフレーム5に固定される。
【0028】
各白鍵1は、黒鍵を配設するための切欠き53を有し、この切欠き53のある側の側壁S1は点C(図1(A))で屈曲して形成され、切欠き53のない側の側壁S2は直線状である。両方の白鍵1は切欠き53のない側の側壁S2同士を対向隣接させて配設される。
【0029】
フレーム5には、ボス6が適当な位置に複数個設けられ、このボス6の上面に、鍵スイッチ回路等が形成された基板8が、ネジ7により固定される。9はダイオード等の電子部品を表わす。基板8上には、各鍵1に対応して、押鍵力に対する反力発生手段となる伏椀状ゴムスイッチ10が取付けられる。このゴムスイッチ10は、鍵1の一方の側壁(切欠き53のある側の側壁)S1の下側に設けられる。この側壁S1には、ゴムスイッチ10の位置にアクチュエータ11が設けられ、側壁S1の下面1aとともにゴムスイッチ10の上面に当接する。
【0030】
鍵1の押鍵動作に応じて、側壁S1の下面1aがアクチュエータ11とともにゴムスイッチ10を押圧して、ゴムスイッチ10が押し潰されるように弾性変形し、これに応じてゴムスイッチ10が側壁S1の下面1aおよびアクチュエータ11を介して鍵1に対し反力を付与し、鍵1を復帰方向に付勢する。
【0031】
この反力発生手段を構成するゴムスイッチ10は、押鍵ストロークの最初から適度な反力を与えるために、予圧をもった状態、即ち鍵を押上げる方向に付勢する弾性力をもった状態で、鍵1の側壁S1の下面1aおよびアクチュエータ11の下面に当接して組立てられる。
【0032】
鍵1の切欠き53のない側の側壁S2の内側の天井壁1bから、側壁S2と平行な板状の第1の被ガイド部40(被ガイド突条)が垂下する。一方、切欠き53のある側の側壁S1の屈曲した幅狭部分の側壁からこれと一体に第2の被ガイド部材12(被ガイド突条)が垂下して形成される。この第2の被ガイド部12は、第1の被ガイド部40と平行な板状である。すなわち、第1の被ガイド部40は、切欠きのない側の側壁S2と平行な摺動面40aを有し、第2の被ガイド部12は、第1の被ガイド部40の摺動面40に対向してこれと平行な摺動面12aを有している。これらの平行な摺動面12a,40a間に、後述のように、鍵ガイド42が配設される。この第2の被ガイド部12の下端部外側に当接片13が形成される。この当接片13の上面が可動側上限規制手段を構成し、基板8の前端部下面側に設けた固定側の上限規制手段を構成する例えばフェルト材等からなる上限ストッパ14に当接する。このような可動側および固定側の上限規制手段により、押鍵ストローク復帰時の上限位置が規制される。
【0033】
また、フレーム5の前端部には、固定側の下限規制手段を構成する例えばフェルト材等からなる下限ストッパ15が設けられる。この固定側の下限ストッパ15に対し、可動側の下限規制手段として第2の被ガイド部12および当接片13の下面が当接して、押鍵ストロークの下限位置を規制する。
【0034】
フレーム5の前端部には、各鍵に対応して、鍵ガイド42が上方に屈曲して形成される。この鍵ガイド42が固定側のガイド手段を構成し、その両側に前記第1の被ガイド部40および第2の被ガイド部12が摺接して、各鍵の上下方向押鍵動作をガイドする。このように鍵ガイド42の両側から、第1、第2の2つの被ガイド部40、12で挟んで摺動させることにより、押鍵ストロークの全範囲にわたって安定した確実なガイド動作が達成される。
【0035】
第1および第2の被ガイド部40、12の後端部同士は、補強板41で連結される。したがって、固定側のガイド手段(鍵ガイド42)に対し、可動側の被ガイド手段は、図1(A)の点線で示すように、この鍵ガイド42の後面を覆い実質上前側が開いた水平断面がコ字形(すなわち、左右両側の被ガイド部40および12とその後側の補強板41からなる水平断面がコ字形)の被ガイド部として形成される。このような構成の鍵ガイド手段を用いることにより、鍵側の第1、第2の被ガイド部40、12が補強されて強固になり、さらに安定した信頼性の高いガイド動作が達成される。また、このように、鍵ガイド42の背面に補強板41を設けることにより、組立て作業等において、鍵ガイドに塗布したグリスが後方の基板上の接点部等に付着することが防止され、組立て作業が円滑に行われるとともに、機能低下のおそれや信頼性低下のおそれをなくし、高品質の製品を得ることができる。さらに、鍵ガイド42は、被ガイド部40、12に沿って、鍵1の側壁下面より内部(上部)まで進入可能であるため、押鍵ストロークを充分下方位置まで延して安定して確実なガイド動作を行うことができる。
【0036】
なお、上記実施例では、1オクターブの鍵を白鍵ユニット100と、黒鍵ユニット101の2つのユニットで構成したが、全鍵共通の1つのユニットで構成してもよい。あるいは、1つの黒鍵ユニットと2つの白鍵ユニット、または1つの黒鍵ユニットと3つの白鍵ユニット等により構成した鍵盤装置に対しても本発明は適用可能である。
【0037】
このような構成の鍵盤装置は、上ケースおよび下ケース(いずれも図示しない)からなる楽器本体内に収容される。この場合、複数段に重ねた鍵盤装置の各鍵ユニットの内、最上位の黒鍵ユニット(または白鍵ユニット)を上ケースと一体にモールド成型して楽器本体ケースを構成してもよい。
【0038】
図5は、上記実施例の鍵盤装置をモールド成形する場合に使用する金型の構成説明図である。上型70と下型71間に前述の隣接する2つの白鍵1が形成される。本実施例では、隣接する側壁S2より各鍵の内側に第1の被ガイド部40が形成されるため、2つの第1の被ガイド部40間の間隔が広がり、前述の図14の従来技術で説明したような、隣接する白鍵の隙間に対応した非常に狭い間隔の上下に長い仕切部分60(図14)がなくなり、両鍵間の狭い間隔の仕切部分は、側壁S2の長さ分だけの短い長さとなる。このため、型の強度が高まり、取扱い性が向上し成形プロセスが円滑に行われ生産性が向上する。
【0039】
図6は、本発明の別の実施例に係る鍵盤装置を成形するための金型の構成説明図である。この例は、隣接する鍵1の側壁S2の下側に連続して側壁S2より幅の薄い第1の被ガイド部40を側壁の内面側を同一面として形成したものである。このような構成においても、2つの隣接する鍵の第1のガイド部40間の間隔は、前述の従来例に比べ広がるため、金型の強度が高まる。
【0040】
図7は、本発明のさらに別の実施例の斜視図である。この実施例は、断面が長円形の筒状部材72により可動側の被ガイド部を構成したものである。固定側の鍵ガイドは前述の図3の実施例に示す鍵ガイド42と同じである。このような筒状部材72を、隣接する直線状の側壁S2の内側に、側壁から間隔を隔てて設けることにより、可動側の被ガイド部間の間隔が広がり、前記実施例と同様に、金型の仕切部分の間隔が広がり、金型の強度が高まる。また、この可動側の被ガイド部(筒状部材72)が鍵ガイドの両側に摺接してガイドされる点、および鍵ガイドが鍵1の側壁下面を越えて内部(上方)に深く進入する点等の作用効果は前記実施例と同様である。
【0041】
図8は、本発明のさらに別の実施例に係る鍵盤装置の構成説明図であり、(A)はE,F鍵の上面図、(B)は(A)のX−X断面図である。また、図9は図8のY−Y断面図、図10はその健ガイド部分の斜視図、図11は図1の健を下面側からみた斜視図である。
【0042】
この実施例は、黒鍵配設用切欠き53のある側の側壁S1の幅狭部分の屈曲部を前方に延長して、可動側の被ガイド部73を形成したものである。この可動側の被ガイド部73の両側を挟んで、断面コ字形の鍵ガイド74がフレーム5の前端部に形成される。この実施例においても、隣接する2つの白鍵の被ガイド部73間の間隔が広がり、前記実施例と同様に、金型の被ガイド部間の仕切部分の間隔が広がり、金型の強度が高まる。また、この被ガイド部73の両側に鍵ガイド74が摺接してガイドするため、安定した確実なガイド動作が達成される点、および鍵ガイドが鍵1の側壁下面を越えて内部(上方)に深く進入する点等の作用効果は前記実施例と同様である。その他の鍵の構成および作用効果は、前記図1の実施例と同様である。
【0043】
図12(A)(B)は、それぞれ前記図8の実施例を変形した本発明のさらに別の実施例の斜視図である。(A)図は、側壁S1の屈曲部を延長した可動側の被ガイド部73の前端部に、これと直角に被ガイド板75を内側に突出させて設け、断面L字形の被ガイド手段を形成したものである。固定側の鍵ガイド(図示しない)はこのL字前端の被ガイド板75の両側を挟んで外接する。(B)図は、可動側の被ガイド部73の前端部に、これと直角に被ガイド板75を両側に突出させて設け、断面T字形の被ガイド手段を形成したものである。固定側の鍵ガイド(図示しない)はこのT字前端の被ガイド板75の両側縁の端面75aに摺接するように、その外側から挟んで形成される。このように被ガイド部73の前端部にこれと直角に被ガイド板75を設けることにより、被ガイド部73が補強され、特に鍵幅方向の剛性が高まって安定して保持されるため、これと直角な上下方向へのガイド動作が安定して行われる。その他の構成および作用効果は前記図8の実施例と同様である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、一方側において、黒鍵が隣設されるための切欠きのある白鍵で、他方側が切欠きのない側壁で構成される白鍵を含む鍵ユニットにおいて、切欠きのない側壁からそのまま被ガイド部を垂下させず、その側壁からみて内側に被ガイド部を形成するという新しい技術思想を導入したため、鍵の金型構造の耐久性を高める構成にすることができた。これによって、生産性を高めることができた。また、鍵ガイド部および被ガイド部の両者の摺接部を長くすることができたので鍵操作の安定性を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)はそれぞれ本発明の実施例に係る鍵盤装置の上面図およびそのX−X断面図。
【図2】図1のY−Y断面矢視図。
【図3】図1の鍵ガイド部分の斜視図。
【図4】図1の鍵盤装置の下から見た斜視図。
【図5】図1の鍵盤装置を製造する金型の構成説明図。
【図6】本発明の別の実施例の金型の構成説明図。
【図7】本発明のさらに別の実施例を下から見た斜視図。
【図8】(A)(B)はそれぞれ本発明のさらに別の実施例に係る鍵盤装置の上面図およびそのX−X断面図。
【図9】図8のY−Y断面矢視図。
【図10】図8の鍵ガイド部分の斜視図。
【図11】図8の鍵盤装置の下から見た斜視図。
【図12】(A)(B)はそれぞれ本発明の別の実施例の斜視図。
【図13】本発明が適用される鍵盤装置の上面図。
【図14】図13の鍵盤装置を製造するための従来の金型の構成説明図。
【符号の説明】
1:白鍵、2:揺動支持手段、3a,3b:固定支持部、3c:ネジ、
4:黒鍵、5:支持手段(フレーム)、6:ボス、7:ネジ、8:基板、
9:電子部品、10:反力発生装置(ゴムスイッチ)、
11:アクチュエータ、12:第2の被ガイド部、13:当接片、
14:上限ストッパ、15:下限ストッパ、40:第1の被ガイド部、
41:補強板、42:鍵ガイド、53:切欠き。

Claims (4)

  1. 押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、
    該ユニットは、少なくとも複数の白鍵を含み、該白鍵のうち一方に黒鍵を介して一方の白鍵に隣接し、他方に他方の白鍵が隣接する白鍵は、黒鍵の配される側の側壁に黒鍵配設用の切欠きを有し、この切欠きを有しない側壁を有する白鍵は、この切欠きを有しない側壁の内側に、該側壁から間隔を隔てて前記鍵ガイドに摺接する被ガイド突条を、この鍵の天井壁から垂下させて設けた鍵ユニットで構成され、
    前記鍵に設けた被ガイド突条は、前記切欠きを有しない側壁と平行な摺動面を有する第1の被ガイド部を構成し、さらに前記切欠きを有する側壁から垂下し、かつ前記摺動面と平行な摺動面を有する第2の被ガイド部を設け、この第2の被ガイド部の下端部の外側に押鍵動作の上限規制手段を構成する当接片を突出させて設けた鍵盤装置。
  2. 前記第1および第2の被ガイド部の前後端部のいずれか同士を連結する補強板を設け、実質的に前後面のいずれかが開口する断面コ字状の被ガイド部を形成した請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、
    一方の側壁に黒鍵配設用の切欠きを有するとともに他方に前記切欠きを有しない白鍵は、その両側の側壁間の天井壁から垂下して前記鍵ガイドに摺接する被ガイド突条を有し、前記鍵ガイドはこの被ガイド突条の両側からこの被ガイド突条に摺接し、
    前記被ガイド部は、鍵の側壁と平行な板状本体と、この本体の前端部に本体と直角に一体に設けた被ガイド板からなり、この被ガイド板の端面に前記鍵ガイドが摺接する鍵盤装置。
  4. 押離鍵動作がガイドされる被ガイド突条を有した複数の鍵が、共通の支持部を有しこの共通の支持部に揺動支持部を介して押離鍵方向に揺動自在に共通に支持される鍵ユニットと、該ユニットを前記共通の支持部を介して支持するとともに、前記鍵の鍵並び方向の動きを規制し、前記被ガイド突条を押離鍵方向に揺動動作ガイドすることで、各鍵をガイドする鍵ガイドを有した支持手段を設けた鍵盤装置において、
    黒鍵配設用の切欠きを有しない側壁を有する白鍵は、切欠きを有する側の側壁と一体でこの側壁から垂下して前記鍵ガイドに摺接する板状の被ガイド部を有し、前記鍵ガイドはこの被ガイド部の両側からこの被ガイド部に摺接し、
    前記被ガイド部は、鍵の側壁と平行な板状本体と、この本体の前端部に本体と直角に一体に設けた被ガイド板からなり、この被ガイド板の端面に前記鍵ガイドが摺接する鍵盤装置。
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