JP3574101B2 - 粉粒体改良材を用いる地盤改良装置 - Google Patents

粉粒体改良材を用いる地盤改良装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
粉粒体固化材を用い地盤改良装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤を改良するための工法として、攪拌翼が突設された改良ロッドを回転さながら地盤中に挿入し、挿入過程や引き上げ過程において、改良ロッドの所定部位から粉粒体状の固化材(以下、単に固化材ともいう)を噴射し、地盤中に柱体状の固化処理体を造成し軟弱地盤を処理するものが知られている。
【0003】
例えば、深層混合処理工法として知られているものがこれに該当する。
【0004】
一般に、深層混合処理工法では、地盤強度のばらつきを考慮して、攪拌翼の貫入時に固化材を噴射するのではなく、貫入によって一旦ほぐした状態で引き上げ噴射を行なう方式を採用している。そのため、図10に示すようにメインの噴射孔1Uが攪拌翼群1w,1w…の最上段部に取り付けられた改良ロッド1を用いるのが一般的である。この場合、最上段翼1wと最下段翼1wとの間に攪拌しただけで固化材の混入しないいわゆる未改良部A3ができる。この先端側未改良部A3を無くすための対策が深層混合処理工法のひとつの課題となっており、これまで以下のような各種の対策がとられてきている。
【0005】
(先行技術1)
先行技術1は、改良ロッドとは別に外部に固化材噴射専用管を取り付け、これを上下にスライドさせることによって固化材の噴射位置を切替えながら、最上段翼と最下段翼との間の部位に対しても固化材を噴射して改良体を造成するものである。
【0006】
(先行技術2)
先行技術2は、最上段翼と最下段翼との間の範囲における攪拌翼の近傍にも噴射孔を設けるとともに攪拌翼部分を数十度揺動可能にし、この揺動範囲において攪拌翼により噴射孔が開放・閉塞されるようになし、翼にかかる抵抗力を利用して翼の回転方向に応じて噴射孔の開・閉を切替えるものである。
【0007】
(先行技術3)
先行技術3は、改良ロッド管内に固化材供給管を配置して2重管構造となし、改良ロッドの最上段翼と最下段翼との間の範囲にも噴射孔を穿孔し、ロッド最上部にシリンダーを設け、このシリンダーにより内管である固化材供給管を上下スライドさせてこれに連通する噴射孔を切替えながら、最上段翼と最下段翼との間の部位に対しても固化材を噴射して改良体を造成するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1は2軸以上の攪拌翼を有する海上施工機械に適用されたもので、陸地への応用は、構造的にも操作性的にも非常に困難である。また先行技術2は、あくまでも切替えを期待するものであって、切替わっているかを確認する方法がなく、固化材の付着によって翼部が動かず切替えが行なわれないおそれもある点が問題である。さらに先行技術3は、シリンダーのストロークで切替えが行なわれたか否かは確認できるが、構造が非常に複雑となる点が問題である。
【0009】
したがって、本発明の主たる課題は、簡素な構造・機構でありながらも確実な固化材噴射の切り替えが可能な地盤改良装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
下端部に設けられた下部噴射孔、その上方に離間して設けられた上部噴射口、およびこれら下部噴射口から上部噴射口にわたる範囲に設けられた攪拌翼を有する改良ロッドと、
前記下部噴射口及び上部噴射口に対してそれぞれ接続され、前記下部噴射口に対する粉粒体固化材の供給と、前記上部噴射口に対する粉粒体固化材の供給とを切り替える切替装置と、
粉粒体固化材を伴う圧気を前記切替供給装置を介して前記改良ロッドに対して供給する圧送供給装置とを備えた、地盤改良装置であって、
前記切替装置が;
前記圧送供給装置からの固化材を伴う圧気が吹き込まれる供給口、前記下部噴射口に対して接続された第1の送出口、および前記上部噴射口に対して接続された第2の送出口をそれぞれ備えたケーシングと、
このケーシング内にあって前記供給口に対して一方の開口が接続され、他方の開口が前記第1の送出口との接続位置及び第2の送出口との接続位置のそれぞれに移動自在とされた切替管路と、この切替管路に移動力を与える駆動手段と、
ケーシング内に圧気を供給する圧気供給装置と、
からなるものとされた、
ことを特徴とする粉粒体固化材を用いる地盤改良装置。
【0011】
(作用効果)
本発明では、上部噴射口に対する固化材供給と下部噴射口に対する固化材供給との切り替えを、圧送供給装置から改良ロッドへの固化材供給経路に介在された切替装置により行う。したがって、改良ロッドの構造は非常に簡素で済む。
【0012】
また本発明の切替装置は、固化材を伴う圧気が吹き込まれる供給口、改良ロッドの下部噴射口に対して接続された第1の送出口、および改良ロッドの上部噴射口に対して接続された第2の送出口を有するケーシング内に、供給口に対して一方の開口が接続され、他方の開口が第1の送出口との接続位置及び第2の送出口との接続位置のそれぞれに移動自在とされた切替管路を有し、切替管路の他方の開口を第1の送出口との接続位置または第2の送出口との接続位置に移動させることによって、固化材の送出経路を切り替えるものである。よって構造・機構が非常に簡素であるため、非常に確実な切り替えが可能となる。
【0013】
なお、この切り替えの際、切替管路が一方の送出口に連通された状態では、他方の送出口はケーシング内に連通する。このため、この他方の送出口から粉粒体が逆流したり、対応する噴射口から地下水や軟弱土が逆流したりするおそれがあるが、本発明ではケーシング内に圧気を供給する圧気供給装置を備えているため、このような逆流を防止することが可能である。
【0014】
他方、本請求項1記載の発明では、かかる切り替えを利用して、改良ロッドの挿入過程において、下部噴射口が、深さ方向改良範囲の最下端から下部噴射口と上部噴射口との離間距離分だけ上方の位置に到達したならば、それ以降、切替管路の他方の開口を第1の送出口にのみ接続して、圧送供給装置からの粉粒体固化材を伴う圧気を下部噴射口のみから噴射させながら、改良ロッドの回転挿入を行う。したがって、前述したような先端側未改良部を無くすことができる。
【0015】
<請求項2記載の発明>
前記改良ロッドは、前記下部噴射口および上部噴射口にそれぞれ連通された、ロッド長手方向に沿って上端部まで延在する搬送管路を横並びで一対備えており、
これらの搬送管路は、スイーベル装置を介して前記切替装置の第1の送出口および第2の送出口に対してそれぞれ接続されており、
前記スイーベル装置は、上部固定部と、その下面に気密に且つ回転自在に接続された下部回転部を有し、
このスイーベル装置の上部固定部は一対の管路を有し、これら一対の管路は、前記切替装置の第1の送出口および第2の送出口に対してそれぞれ接続された横並び配置の入側部分を有するとともに、一方の管路は下部回転部との接続面側に向かうにつれて徐々に下部回転部の回転中心線に近づき、かつ接続面において前記回転中心線と同軸をなす円形出口を有し、他方の管路は下部回転部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記一方の管路を取り囲むように変形し、かつ接続面において前記一方の管路の円形出口を同軸的に取り囲む円環状出口を有し、
一方、前記スイーベル装置の下部回転部は一対の管路を有し、これら一対の管路は、前記改良ロッドの一対の搬送管路に対してそれぞれ接続された横並び配置の出側部分を有するとともに、一方の管路は上部固定部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記回転中心線に近づき、かつ接続面において前記回転中心線と同軸をなす円形入口を有し、他方の管路は上部固定部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記一方の管路を取り囲むように変形し、かつ接続面において前記一方の管路の円形入口を同軸的に取り囲む円環状入口を有し、
前記固定部と回転部との接続面にある円形出口および円形入口相互ならびに円環状出口および円環状入口相互が、それぞれ、接続面に関して対称をなし且つ常に連通されるように構成されている、
請求項記載の粉粒体固化材を用いる地盤改良装置。
【0016】
(作用効果)
本発明のように切替装置を用いて上部及び下部噴射口からの固化材噴射を切り替える場合、改良ロッド内に、上部及び下部の各噴射口に対する固化材搬送管路を個別に設けるのが望ましい。そしてこの場合、改良ロッド内に搬送管路を横並びで一対設けると構造が非常に簡素となるとともに、両管路の搬送抵抗や横断面形状を等しくでき、上下噴射口からバランス良く固化材を噴射できるため好ましい。
【0017】
しかし、搬送管路を横並びで配置するとそれらも改良ロッドの回転に伴って回転してしまい、搬送管路と固化材圧送供給装置とを連結することができない。このため従来の改良ロッドでは、内管及び外管の一方が上部噴射口に接続され他方が下部噴射口に接続された二重管構造とし、固化材圧送供給装置に対しては二重管構造のスイーベル装置により接続しているが、改良ロッドの構造が複雑となるとともに、内管と外管とでは搬送抵抗や横断面形状も異なり、上部噴射口における固化材噴射と下部噴射口のそれとをバランスさせることが困難である。
【0018】
これに対して、本発明では、切替装置から改良ロッドの上下噴射口までの固化材搬送経路のうち、スイベール装置の接続面部分のみ二重管構造となし、スイーベル装置の入側部分および出側部分は横並び配置としているため、改良ロッド内の搬送管路を横並び配置とすることができる。また、スイーベル装置内の一対の管路は、接続面に近づくにつれて徐々に二重管形状に変化するため、固化材が付着・堆積することなく円滑に通過できる利点もある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。
<地盤改良工法およびその装置に関して>
図1は、本発明に係る地盤改良装置例の概略を示しており、地盤に挿入される改良ロッド1、スイーベル装置4、切替装置2および粉粒体固化材の圧送供給装置3から主に構成されている。改良ロッド1は、下端部に設けられた下部噴射孔1b、その上方に所定距離離間して設けられた上部噴射口1u、これら下部噴射口1bから上部噴射口1uにわたる範囲に適宜の間隔をおいて設けられた複数の攪拌翼1w,1w…を備えている。また、攪拌翼1wの下端部および軸部の先端には適切な形状の掘削ビット1a,1cがそれぞれ設けられている。
【0020】
切替装置2は図2にも示されるように、ケーシング2Cを備えている。このケーシング2Cは本発明の圧力保持が可能なように使用状態において完全に密閉できるものが用いられる。さらにケーシング2Cには、一方側の側壁上部中央に、固化材圧送供給装置3の出側に対して管路P1を介して接続された供給口2iが設けられ、他方側の側壁の下部両脇に、改良ロッド1の下部噴射口1bおよび上部噴射口1uに対して管路P2,P3を介して一対一で接続された第1の送出口2aおよび第2の送出口2bが並設されるとともに、これらの間に、供給口2iに対して一方の開口が接続され、他方の開口が第1の送出口2aとの接続位置(すなわち連通位置。以下同じ。)及び第2の送出口2bとの接続位置のそれぞれに移動自在とされた切替管路2Pが設けられている。
【0021】
特に本例では、切替管路2Pの移動は図2に示されるようにケース2C外に取り付けられたシリンダー2Sの往復駆動によって行われる。すなわち、切替管路2Pの一方の開口は供給口2iと同軸的に且つ回動自在に連結されるとともに、この回動による切替管路2Pの他方側開口の軌跡が第1の送出口2aおよび第2の送出口2bを通るように切替管路2Pが屈曲されており、ケース2C外に取り付けられたシリンダー2Sからの往復駆動力は切替管路2Pの回動方向の回動力に機械的に変換されて、切替管路2Pに伝達される。かくして、前述の切替管路2Pの切替移動が可能となっている。
【0022】
また、ケーシング2C内の圧力を所定レベル以上に保つ圧力保持手段として、圧縮空気等の圧気を導入する導入口2nがケーシング2Cの適宜の位置に形成され、この圧気導入口2nに対して図示しないコンプレッサー等の圧気供給装置が接続される。このコンプレッサーとしては固化材圧送供給装置と共通のものを用いることができる。
【0023】
他方、より好ましい改良ロッド1の詳細構造およびスイーベル装置4が、図3〜8に示されている。すなわち図3に示すように、改良ロッド1は、下部噴射口1bおよび上部噴射口1uにそれぞれ連通された、ロッド長手方向に沿って上端部まで延在する搬送管路1p,1pを横並びで一対備えており、これらの搬送管路1p,1pが、スイーベル装置4を介して切替装置2の第1および第2の送出口2a,2bに対してそれぞれ接続されている。図示例の搬送管路1p,1pは、横断面正方形の保護筒1T内に収納保護されているが、この保護筒1Tの形状は断面円形等の適宜の形状とすることができる。また、この保護筒1Tは省略することもできる。
【0024】
スイーベル装置4は、公知のものと同様に、回転しない上部固定部5と、その下面に気密に且つ縦軸周りに回転自在に接続された下部回転部6を有する。ただし、内部の管路構造は公知のものとは全く異なる構成となっている。
【0025】
すなわち、スイーベル装置4の上部固定部5は一対の管路7A,7Bを有し、これら一対の管路7A,7Bは、切替装置2の第1の送出口2aおよび第2の送出口2bに対してそれぞれ接続された横並び配置の入側部分7i,7nをそれぞれ有する。また、一方の管路7Bは下部回転部6との接続面側に向かうにつれて徐々に下部回転部6の回転中心線に近づき、かつ接続面において回転中心線と同軸をなす円形出口7xを有し、他方の管路7Aは下部回転部との接続面側に向かうにつれて徐々に一方の管路7Bを取り囲むように変形し、かつ接続面において一方の管路7Bの円形出口7xを同軸的に取り囲む円環状出口7eを有する。
【0026】
一方、スイーベル装置4の下部回転部6の内部管路は上部固定部5と面対称をなすように構成される。すなわち、下部回転部6は一対の管路8A,8Bを有し、これら一対の管路8A,8Bは、改良ロッドの一対の搬送管路1p,1pに対してそれぞれ接続された横並び配置の出側部分8e,8xを有するとともに、一方の管路8Bは上部固定部5との接続面側に向かうにつれて徐々に回転中心線に近づき、かつ接続面において回転中心線と同軸をなす円形入口8nを有し、他方の管路8Aは上部固定部5との接続面側に向かうにつれて徐々に一方の管路8Bを取り囲むように変形し、かつ接続面において一方の管路8Bの円形入口8nを同軸的に取り囲む円環状入口8iを有する。
【0027】
そして、本発明のスイーベル装置4では、これら上部固定部5と下部回転部6との接続面にある円形出口7xおよび円形入口8n相互ならびに円環状出口7eおよび円環状入口8i相互が、それぞれ、接続面に関して対称をなし且つ下部回転部6の回転に関わらず常に連通されるように構成される。
【0028】
かくして、回転する改良ロッド1の上下噴射口1u,1bに対して常時連通する個別の固化材搬送路が形成される。しかも本発明では、切替装置2から改良ロッド1の上下噴射口1u,1bまでの固化材搬送経路のうち、スイベール装置4内の接続面部分のみ二重管構造となし、スイーベル装置4の入側部分および出側部分は横並び配置としているため、改良ロッド1内の搬送管路を横並び配置とすることができる。よって、改良ロッド1の構造の簡素化およびバランスの良い固化材噴射が可能となる。また、スイーベル装置4内の一対の管路7a,7b,8a,8bは、接続面に近づくにつれて徐々に二重管形状に変化するため、固化材が付着・堆積することなく円滑に通過できる利点もある。
【0029】
なお図示しないが、本例の改良ロッド1では、固化材噴射口1u,1bを上部および下部にしか設けなかったが、これら上部及び下部噴射口1u,1bを有する限り、さらに別の位置に噴射口を設けることもできる。この場合、切替装置2も同様に送出口2a,2bの数をさらに増やし、3以上の数の噴射口に対する固化材の切替供給が可能なように構成することもできる。
【0030】
他方、かくして構成された地盤改良装置を用いると、図9に示すように先端側未改良部の無い地盤改良を行うことができる。すなわち、先ず図9(a)〜(c)に示すように、改良ロッド1をその軸心周りに回転させ地盤を切削攪拌しながら、下部噴射口1bが改良対象地盤における深さ方向改良範囲の下端Bに到達するまで挿入する。この際、図9(a)に示すように、深さ方向改良範囲の最下端Bから下部噴射口1bと上部噴射口1uとの離間距離Lだけ上方の位置に下部噴射口1bが到達したならば、それ以降、切替装置2において切替管路2Pの他方の開口を第1の送出口2aにのみ接続して(図1参照。同図に実線で示す状態。)、圧送供給装置3からの粉粒体固化材を伴う圧気を下部噴射口1bのみから噴射させながら、改良ロッドの回転挿入を行う。よって、図9(b)及び(c)に示すように、攪拌範囲の下端Bまで固化材噴射およびその現位置土との攪拌混合を行うことができる。図9には、このロッド挿入時改良領域が符号A1により示されている。
【0031】
かくして改良ロッド1を改良範囲の下端Bまで挿入したならば、次いで改良ロッド1を改良範囲の上端(図示せず)まで引き上げる。この際には図9(c)〜(e)に示すように、切替装置2において切替管路2Pの他方の開口を第2の送出口2bにのみ接続した状態(図1参照。同図に点線で示す状態。)に切り替えて、圧送供給装置3からの粉粒体固化材を伴う圧気を上部噴射口1uのみから噴射させながら、改良ロッド1の回転引き上げを行う。かくして、ロッド挿入時改良領域A1の上側の引上げ時改良領域A2についても改良がなされ、攪拌部分全体に改良体を造成できる。なお、ロッド挿入時改良領域A1はこの改良ロッド1の引き上げ回転によって再攪拌されるので、引上げ時改良領域A2と同程度まで攪拌混合がなされ、深さ方向に均質な改良体が造成される。また上下噴射口1u,1bの切替に際し、いずれか一方の噴射口に対する固化材搬送路は切替装置2のケーシング2C内に連通することになるので、対応する噴射口への固化材搬送経路を介して、粉粒体、地下水、軟弱土が逆流するおそれがあるが、ケーシング2C内の圧力を所定レベル以上に保つ圧力保持手段によりケーシング内圧を適切に保持すればこのような逆流を防止することが可能である。ケーシング2Cの内圧は適宜定めることができるが、固化材の圧送圧力以上とするのが好ましい。
【0032】
<粉粒体圧送供給装置に関して>
次に、上記地盤改良工法及び装置で好適に用いることができる粉粒体圧送供給装置について詳説する。
図11及び図12は、粉粒体圧送供給装置の第1の形態を示している。この粉粒体圧送供給装置は、主に、粉体計量供給手段10、第1の開閉弁20、中間チャンバ30、第2の開閉弁40、圧送チャンバ50、送出手段60およびローレベル検出手段51から構成されている。
【0033】
粉粒体計量供給手段10は、上部に粉粒体供給口11iおよび下端部に排出口11xを有する収納チャンバ11と、この収納チャンバ11内に設けられた、外部から粉粒体供給口を介して粉粒体を受け入れて貯留し及び貯留した粉粒体を外部へ排出しうるように構成された計量容器12と、この計量容器12内の粉粒体量を計量する計量手段としてのロードセル13,13を有する。この構成からも理解できるように、この装置は、粉粒体計量供給手段10の上部粉粒体供給口11iに対し、例えば出側に供給開閉装置を備えたサイロ等の大型貯留槽(図示せず)から粉粒体を供給することを想定したものである。
【0034】
特に本第1の形態では、収納チャンバ11の上部に排気フィルタ14が連通されている。また、計量容器12は上面が開口した形状をなしており、両側面に回転軸15,15の一端がそれぞれ連結されており、これらの回転軸15,15の他端はモータ等の回転駆動源16,16にそれぞれ連結されており、回転駆動源16,16は、収納チャンバ11の天板11u内面に対してロードセル13,13を介して吊り下げ支持された内部側板17,17に固定されている。したがって、計量容器12はロードセル13,13を介して収納チャンバ11内に吊り下げられ、ロードセル13,13によって内部の粉粒体量が計量可能となっており、また回転駆動源15,15により反転されて内部の貯留粉粒体を排出できるようになっている。反転後の状態が点線で示されている。
【0035】
収納チャンバ11の下端部排出口11xには第1の開閉弁20を介して中間チャンバ30が接続され、この中間チャンバ30の下端部排出口30xに対して第2の開閉弁40を介して圧送チャンバ50が接続される。各開閉弁20,40としては、図示のように管路21,41内に水平横断方向に沿う回転軸22,42を設け、この回転軸22,42に管路21を塞ぎ得る形状の板状弁体23,43を取付け、管路外に回転軸22,32の回転駆動源24,44を設けたものを用いることができる。図示例ではシリンダ25,45の往復駆動力を回転軸22,32の回転方向に機械的に変換して回転軸22,42に伝達する構成としている。一方、各チャンバ11,30,50は粉粒体を自重落下により搬送するため、図示のように、下端に向かうにつれて内径が小さくなる筒状体を用いるのが望ましい。
【0036】
特に、圧送チャンバ50内には、所定高さ位置にローレベルセンサ51が設けられており、このローレベルセンサ51によって圧送チャンバ50内の粉粒体量が所定量に達してないローレベル状態を検出できるようになっている。このローレベルセンサの高さ位置は、例えばローレベル状態を検出してから圧送チャンバ50内に粉粒体が補充されるまでの間、外部送出手段60が粉粒体を連続定量供給するのに十分な粉粒体量と対応した高さ位置とされる。
【0037】
また圧送チャンバ50には、内部に貯留された粉粒体を連続的に所定量取り出し、圧気に乗せて外部に送り出す送出手段60が設けられる。
【0038】
この外部送出手段60は、例えば図示のように、圧送チャンバ50の下端部から連続するロータケース部61、およびこのロータケース部61に内装された所定方向に連続的に回転駆動されるロータ62からなる連続定量供給式ロータリーフィーダと、このロータリーフィーダにより切り出した粉粒体を、図示しないコンプレッサ等の圧気供給源からの圧気に乗せて送出する送出部とによって構成することができる。ロータ62は、横向き(又は水平)回転軸63周りに回転自在とされており、この回転軸63の外周面には径方向に突出する区画羽根部64が周方向に等間隔で多数形成され、これら羽根部64間がポケット65として形成されている。また回転軸63は、ケース部61の外部に連結された図示しないモータ等の回転駆動源に連結されており、この回転駆動源によってロータ62が回転されるように構成されている。もちろん、他の公知の形状のロータを用いることもできる。また送出部としては、図示のようにロータケース部61におけるロータ62の回転軸63方向と直交する側面の下端部に粉粒体送出口66を形成し、これと対向する側面の下端部には圧気供給源からの圧気導入口67を形成し、圧気導入口67からの圧気がこれらと対応する位置のポケット65を介して粉粒体送出口66へと流通する構成を採用することができる。
【0039】
また特開平8−113370号公報に記載されたスクリューフィーダを用いたものや、特願平2001−233135号の図6〜8に記載のもの及び図9〜図11に記載のものように、複数の外部送出路に対して連続定量供給できるものも用いることができる。
【0040】
他方、上記第1の形態では、計量容器12をロードセルを介して収納チャンバに対して支持することにより、計量容器12内の粉粒体量が計量可能となっているが、第2の形態として図13及び14に示すように、粉粒体計量供給手段10全体を架台70(一部のみ図示)に対してロードセル13を介して吊り下げ支持し、装置分の重さを差し引くことによって計量容器12内の粉粒体量を計量できるように構成しても良い。この場合、粉粒体計量供給手段10の収納チャンバ11と第1の開閉弁20とは、上下方向に伸縮可能なフレキシブル継手(例えばゴム等の樹脂製蛇腹管)80により接続され、第1の開閉弁20よりも下側の部分は別途架台70に対して固定される。またこの場合、図示のように計量容器の回転軸15を収納チャンバ外部へ連通させ、収納チャンバ11の外周面に固定した回転駆動源16に連結し、内部側板17を省略することができる。
【0041】
また、上記第1の形態では、計量容器11は反転により貯留粉粒体を排出するように構成しているが、図15に示す第3の形態、ならびに図16に示す第4の形態のように、上面全体が粉粒体受け入れ開口部91とされ、かつ下端部に粉粒体排出口92が形成され、この下端部排出口92に開閉弁を設けたホッパ形状の計量容器90を用いることもできる。開閉弁は、図示のように下側から排出口内に嵌合する錘状弁体93と、天板11uに固定された、この錘状弁体93を上下動させ排出口92に対する嵌脱を行うためのシリンダー94とから構成されている。また、第3の形態と第4の形態とは計量容器12の吊り下げ方が異なり、前者は計量容器12をロードセル13を介して収納チャンバに対して支持する点で第1の形態と対応する粉粒体計量構成を採用したものであり、後者は、粉粒体計量供給手段10全体を架台70に対してロードセル13を介して吊り下げ支持し、粉粒体計量供給手段10の収納チャンバ11と第1の開閉弁20とをフレキシブル継手80により接続する点で、第2の形態と対応する粉粒体計量構成を採用したものである。
【0042】
他方、かくして構成された粉粒体圧送供給装置の動作態様は、図17に示すようになる。なお図17では代表的に上記第3の形態の装置の場合を示しているが、他の形態の装置の場合についても基本的に同様である。
【0043】
(装置始動時)
装置始動時には、先ず外部送出手段60による外部送出を行わずに、すなわち少なくともロータリーフィーダは停止させた状態で、圧送チャンバ50、中間チャンバ30及び計量容器11のそれぞれが所定量の粉粒体を蓄えた状態とする(図示せず)。
【0044】
このため、先ずサイロ等の外部大型貯留槽から供給口11iを介して計量容器90に粉粒体を投入供給する。この際、ロードセル13により計量容器90内の粉粒体量を計量し、所定量に達したら外部からの供給が自動的に停止するようにする。計量が終了したならば計量容器90の開閉弁を開けて内部の粉粒体を収納チャンバ11内に排出するとともに、第1の開閉弁20及び第2の開閉弁30を適宜開閉して、中間チャンバ30まで又は圧送チャンバ50まで粉粒体を送り込む。必要に応じて外部貯留槽からの粉粒体供給を複数回行うことができる。なお、既に圧送チャンバ50、中間チャンバ30及び計量容器90のそれぞれが所定量の粉粒体を蓄えときにはこの装置始動時動作を行う必要はない。
【0045】
(粉粒体の外部供給動作時)
外部への粉粒体供給動作時には、外部送出手段60を常時作動させて外部に対して連続定量送出を行う。より詳細には図18に示すように、ロータリーフィーダのロータ62が所定方向に連続的に回転され、圧送チャンバ50内に貯留された粉粒体P3が、ロータ62のポケット65に順次受け入れられ、ロータ62の回転に伴って送出口66側へ移送される。その一方で、図示しない圧気供給源から圧気が、圧気導入口67と連通するポケット65内に導入される。その結果、ポケット65に受け入れられた粉粒体P4は、当該ポケット65が圧送チャンバ50と連通せず且つ下端の送出口66と連通したときに、ポケット65を通過する圧気に乗せられて送出口66を介して外部に対して送出される。なお、圧気の殆どは粉粒体を伴って送出されるが、粉粒体が送出された後のロータポケット65はロータ62の回転によって圧送チャンバ側に循環されるため、これに伴って圧気が圧送チャンバ50内に若干漏れる。
【0046】
かかる外部送出によって圧送チャンバ50内の粉粒体P3の貯留量が図17(a)に示すように減少し、ローレベル検出手段51によってローレベル状態が検出されたときには、図17(b)に示すように第1の開閉弁20を閉じた状態で第2の開閉弁40が所定時間だけ開放され、中間チャンバ30内の貯留粉粒体が圧送チャンバ50に落下供給される。この際、圧送チャンバ50内に漏れた圧気の一部が中間チャンバ30内に若干漏れる。
【0047】
この第2の開閉弁40の開閉動作があると、続いて図17(c)に示すように、本例では第2の開閉弁40を閉じた状態で第1の開閉弁20が所定時間だけ開放され、中間チャンバ30内の圧気が収納チャンバ11内に送られ、排気フィルタ14を介して装置外部へ排気される。この際、収納チャンバ11内の粉粒体P1は計量容器90内に収容されているので、収納チャンバ11を通過する圧気が殆ど作用しない。したがって、の装置では圧気が適切に排気され、粉粒体が逆流するような事態は発生し難い。
【0048】
次いで、図17(d)に示すように、第2の開閉弁40を閉じた状態で、第1の開閉弁20を開けるとともに計量容器90に貯留された計量済み粉粒体を排出して中間チャンバ30に供給する中間チャンバ補給動作がなされる。また続いて図17(e)に示すように、第1の開閉弁20を閉じた状態で、外部から計量容器90内に粉粒体の受け入れが開始されるとともにロードセル13による計量がなされ、計量容器90内に所定量の粉粒体が受け入れられる(計量容器補給動作)。これらの補給動作は、一回の補給量が少ない設計となっている場合には、必要に応じて交互に複数回繰り返すようにしても良い。
【0049】
よってこの場合、圧送チャンバ50内の粉粒体がローレベルに達するまでの間に中間チャンバ30への補給が終了するように、圧送チャンバ50の容積やローレベル位置、補給量等を適切に設計する。換言すれば、中間チャンバ30への供給最短時間と圧送チャンバ50の貯留量がローレベルに達するまでの時間が等しいところが、この装置の最大圧送能力ということになる。ただし、この計量容器供給動作においては少なくとも第1の開閉弁20を閉じていれば足り、したがってこの動作中に圧送チャンバ50の貯留量がローレベルになる(又はなったとき)場合、並行して第2の開閉弁40を開けて圧送チャンバ補給動作を行うこともできる。
【0050】
かくして、粉粒体の外部圧送中は常に、中間チャンバ30および計量容器90内に所定量の粉粒体が蓄えられ、この粉粒体は必要に応じて圧送チャンバ50へ向けて段階的に供給される。以降は、この繰り返しである。
【0051】
そして、このように構成された粉粒体圧送供給装置においては、次のような利点がもたらされる。
(イ)粉粒体を計量容器90(第1及び第2の形態では符号12で示されている)及び計量手段13による計量を経て圧送するため、粉粒体使用量の管理記録を容易且つ正確に行うことができる。
(ロ)装置内に粉粒体を大量に貯留する必要がないため、装置の小型化を図ることができる。このようにしても、小規模工事の場合を除いては、粉粒体を貯留しておく大型貯留装置を使用するから実用上は問題がない。
(ハ)上記手順による適切な弁開閉タイミングによって装置内の圧気が適切に排気され、粉粒体の逆流が発生しにくい。
(ニ)2つの開閉弁20,40によって固化材供給経路を間隔をおいて遮断しているだけなので、非常に簡素な構造であり、内部清掃等のメンテナンスも非常に容易である。
【0052】
【発明の効果】
以上のとおり本発明の地盤改良装置においては、簡素な構造・機構でありながらも確実な固化材噴射の切り替えが可能となる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地盤改良工法および装置の概要、および特に切替装置の横断面を示す図である。
【図2】本発明の切替装置の縦断面図である。
【図3】好適な地盤改良ロッド例を示す一部破断図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC部拡大図である。
【図7】図3のD部拡大図である。
【図8】図3のE部拡大図である。
【図9】本発明の地盤改良工法の施工要領を示す図である。
【図10】従来の地盤改良工法の施工要領を示す図である。
【図11】粉粒体圧送供給装置の第1の形態の縦断面図である。
【図12】第1の形態の別の方向からの縦断面図である。
【図13】粉粒体圧送供給装置の第2の形態の縦断面図である。
【図14】第2の形態の別の方向からの縦断面図である。
【図15】粉粒体圧送供給装置の第3の形態の縦断面図である。
【図16】粉粒体圧送供給装置の第4の形態の縦断面図である。
【図17】粉粒体圧送供給装置の動作要領を示す図である。
【図18】粉粒体圧送供給装置の動作要領を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1…改良ロッド、2…切替装置、3…粉粒体固化材圧送供給装置、4…スイーベル装置、10…粉粒体計量供給手段、11…収納チャンバ、12…計量容器、13…ロードセル、14…排気フィルタ、20…第1の開閉弁、30…中間チャンバ、40…第2の開閉弁、50…圧送チャンバ、51…ローレベル検出手段、60…外部送出手段。

Claims (2)

  1. 下端部に設けられた下部噴射孔、その上方に離間して設けられた上部噴射口、およびこれら下部噴射口から上部噴射口にわたる範囲に設けられた攪拌翼を有する改良ロッドと、
    前記下部噴射口及び上部噴射口に対してそれぞれ接続され、前記下部噴射口に対する粉粒体固化材の供給と、前記上部噴射口に対する粉粒体固化材の供給とを切り替える切替装置と、
    粉粒体固化材を伴う圧気を前記切替供給装置を介して前記改良ロッドに対して供給する圧送供給装置とを備えた、地盤改良装置であって、
    前記切替装置が;
    前記圧送供給装置からの固化材を伴う圧気が吹き込まれる供給口、前記下部噴射口に対して接続された第1の送出口、および前記上部噴射口に対して接続された第2の送出口をそれぞれ備えたケーシングと、
    このケーシング内にあって前記供給口に対して一方の開口が接続され、他方の開口が前記第1の送出口との接続位置及び第2の送出口との接続位置のそれぞれに移動自在とされた切替管路と、この切替管路に移動力を与える駆動手段と、
    ケーシング内に圧気を供給する圧気供給装置と、
    からなるものとされた、
    ことを特徴とする粉粒体固化材を用いる地盤改良装置。
  2. 前記改良ロッドは、前記下部噴射口および上部噴射口にそれぞれ連通された、ロッド長手方向に沿って上端部まで延在する搬送管路を横並びで一対備えており、
    これらの搬送管路は、スイーベル装置を介して前記切替装置の第1の送出口および第2の送出口に対してそれぞれ接続されており、
    前記スイーベル装置は、上部固定部と、その下面に気密に且つ縦軸周りに回転自在に接続された下部回転部を有し、
    このスイーベル装置の上部固定部は一対の管路を有し、これら一対の管路は、前記切替装置の第1の送出口および第2の送出口に対してそれぞれ接続された横並び配置の入側部分を有するとともに、一方の管路は下部回転部との接続面側に向かうにつれて徐々に下部回転部の回転中心線に近づき、かつ接続面において前記回転中心線と同軸をなす円形出口を有し、他方の管路は下部回転部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記一方の管路を取り囲むように変形し、かつ接続面において前記一方の管路の円形出口を同軸的に取り囲む円環状出口を有し、
    一方、前記スイーベル装置の下部回転部は一対の管路を有し、これら一対の管路は、前記改良ロッドの一対の搬送管路に対してそれぞれ接続された横並び配置の出側部分を有するとともに、一方の管路は上部固定部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記回転中心線に近づき、かつ接続面において前記回転中心線と同軸をなす円形入口を有し、他方の管路は上部固定部との接続面側に向かうにつれて徐々に前記一方の管路を取り囲むように変形し、かつ接続面において前記一方の管路の円形入口を同軸的に取り囲む円環状入口を有し、
    前記固定部と回転部との接続面にある円形出口および円形入口相互ならびに円環状出口および円環状入口相互が、それぞれ、接続面に関して対称をなし且つ常に連通されるように構成されている、
    請求項記載の粉粒体固化材を用いる地盤改良装置。
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