JP3574620B2 - 光ファイバ接続用mtコネクタのフェルールおよびこれを用いた光ファイバ接続用コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバの接続用コネクタ、特に低コストで製造できるMT型コネクタ用フェルールおよびこのフェルールの製造方法ならびにこれを使用したコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを接続するコネクタの一つにMT型コネクタと称されるものが知られている。MT型コネクタとは矩形を呈するプラスチック製のフェルールによって、多心のリボン状ファイバを一括接続できるコネクタである。これは、例えば特公平6−54364号公報第1図〜第3図に示される通りである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このMT型コネクタのフェルールは、材質が主として価格の高いエポキシ樹脂あるいはPPS樹脂が使用されており、エポキシ樹脂の場合は主にプレス成形法で製作され、PPS樹脂の場合は主に射出成形法で製作されている。これらの方法で製造されるフェルールは、接続される光ファイバの接続損失を低く押さえるためにフェルール形状の寸法精度を極めて高度に維持した状態で成形されなければならない。
【0004】
この要求を満たすために高価なプラスチック材料、例えばエポキシ樹脂を使用し、また成形時に使用される成形金型の精度を常に良好な状態に維持すると共に出来上がった製品の全数或いは抜き取り検査を行い、ガイドピン孔、ファイバガイド孔の孔径、孔の直進性、偏芯度などを詳細に検査をし、所定の仕様からはずれている場合は直ちに成形金型を調整するなどして高精度の維持を図っている。
【0005】
特にシングルモード光ファイバ用のフェルールの場合には、ことさら厳しく特性チェックし、精度の維持をはかっているのが現状である。このためプレス成形法や射出成形法で製作されるフェルールは製作数量にも限度(金型は4ケ取り程度)があり、かつ価格も高価になっている。近時IT化の推進等で光ファイバ接続用のコネクタの使用量は増加の一途をたどっており、ユーザのニーズに合った低コスト、高精度のフェルールの出現が待たれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前述の問題点を解決するために成されたものあって、従来のMT型コネクタ用フェルールと同等の精度、機能を保ちつつ、低コストのMT型フェルールを安価にかつ効率よく製造することが出来るMT型コネクタ用フェルールおよびこのフェルールの製造方法ならびにこれを使用したコネクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第一の発明は、全体として矩形を呈するプラスチック製のフェルールによって、多心のリボン状ファイバを一括接続できるMTコネクタのフェルールであって、成形後の寸法安定性の良いプラスチックから成りかつ複数の光ファイバ挿通孔がその背面から前面に架けて貫通されているチップ部がフェルール本体の先端部において一体にモールドされ、このチップ部の前面が前記フェルール本体の先端面となるように露出され、さらに該チップ部の背面が前記フェルール本体の上面中央部に設けられた空洞部に臨んで露出されるとともに、前記チップ部の上面及び/又は底面に突起部を形成し、この突起部の高さをフェルール本体の上面に一致させ、フェルール本体の上面に突起部を露出させるように構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面を参照してこの発明の一例を説明する。
図1(A)〜(C)に示されるように全体として矩形を呈するフェルール本体1の上面中央部には、挿入される複数本の光ファイバ心線を固定するための接着剤を流入させるための略四角形の空洞部2が設けられており、その深さはフェルール本体1の厚さSの略半分に達している。そして該空洞部2の底面には前記複数本の光ファイバ心線を位置決めするための溝2Aが複数本、刻設されている。
一方、フェルール本体1の先端部において成形後の寸法安定性の良いプラスチック、例えばエポキシ樹脂を予め別途にプレス成形法、あるいは射出成形法にて成形されたチップ部3がフェルール本体1内に一体にモールドされている。
【0009】
さらにフェルール本体1の後端部には複数本の光ファイバ心線を導入させる案内孔4が形成されこの案内孔4は前記空洞部2に連通されている。また、フェルール本体1の両側の側面近傍には一対のフェルール本体1を付き合わせてこれを密接状態に保持するためのガイドピン(図示は省略)を挿通するためのガイドピン案内孔5,5が貫通されている。
【0010】
前記チップ部3は図2(a)〜(c)に示されるように全体として長方形を呈し、その幅Lはフェルール本体1の幅Lと略同じか幾分小さく、その長さMはフェルール本体1の先端面と前記空洞部2における光ファイバ位置決め溝2Aの終端部との間の距離Mに等しい。また、このチップ部3の両側の側面近傍には前記ガイドピン案内孔5,5に連通するガイドピン案内孔31が設けられている。さらに、チップ部3の内部には前記フェルール本体1の光ファイバ位置決め溝2Aに連通する複数の光ファイバ挿通孔6,6が背面から前面に架けて貫通されている。
【0011】
さらに、チップ部3の上面と底面には突起部7がそれぞれ突設されている。これら突起部7,7の幅Wはフェルール本体1の幅Lより短く、また突起部7,7の先端間の距離はフェルール本体1の厚さSに略等しいか幾分小さい。また、この突起部7の厚さHはチップ部3の長さMより小さい。
【0012】
したがって、少なくともチップ部3の前面32は前記フェルール本体1の先端面となるように露出され、さらに該チップ部3の背面33はフェルール本体1の上面中央部に設けられた空洞部2に臨んで露出されている。さらに、チップ部3の突起部7,7の高さをフェルール本体1の上面に一致させ、これをフェルール本体1の上面に露出させることができる。
【0013】
チップ部3は上記の通りに構成されるのでチップ部3にフェルール本体1がモールド成形される際、チップ部3の突起7,7が補強梁の働きをしてこれが変形することがない。また、少なくともチップ部3の前面32がフェルール本体1の先端面に露出されるのでこの先端面に接触する他方のコネクタフェルールとの整合性が確保される。
【0014】
なお、上記チップ部3の形状は前記実施例の形状に限定されるものではなくフェルール本体1の先端にチップ部3をモールドした際、チップ部3に曲がり変形が生じたり、チップ部3が脱落しないようにフェルール本体1とが係合しうるような形状で有ればよい。このため、突起7に代えてU字形の溝状の窪部を採用することが出来る。
【0015】
次に、このフェルールの製造方法について説明する。
まず、合成樹脂、例えばエポキシ樹脂を使用してプレス成形法にて上記チップ部3が予め成形される。ついで、このチップ部3を所定の成形金型内にインサートし、さらに該成形金型内に前記空洞部2、光ファイバ位置決め溝、光ファイバ心線導入案内孔4、ガイドピン案内孔5,5を形成するための中子をそれぞれ位置決め設置した後、溶融合成樹脂、例えばPPS樹脂を金型内に圧入充填、たとえば射出成形法により射出し、冷却固化せしめた後に各中子を除去すると共に成形金型を移動させることによって、この発明に係るフェルールが得られる。
【0016】
なお、チップ部3の形成方法は、プレス成型法の他、押し出し法でもよい。また、その材質もエポキシ樹脂の他、アモルファスシリコン、金属等も採用できる。
【0017】
上記のように構成されたフェルールの後方から従前の通りに多心のリボン状ファイバを挿入した後、チップ部3の先端面において各光ファイバ素線を平滑に仕上げ、このフェルール一対を互いに突き合わせ密接状態に保持することによってコネクタが構成される。
【0018】
【発明の効果】
この発明は上記の通りに構成されるので下記の効果を奏する。
(1)フェルール全体の中で先端部のみを高価な樹脂、例えばエポキシ樹脂で構成すれば良いので、全体として低コストのフェルールが得られる。
(2)チップ部がフェルール精度を決定するが、この部分の長さが短くなるのでフェルールの加工精度が向上し、従来品に比べ歩留まりが向上する。
(3)チップ部をインサートして射出成形法により高速成形が可能となり全体としてコストダウンが図れる。
(4)チップ部に従来のエポキシ樹脂を採用した場合、従来のMT光コネクタは全体がエポキシ樹脂であるため従来光コネクタとの互換性が保てる。
(5)あらかじめ精度が確保されているチップ部をインサート成形するため多数のフェルールを同時に製造できる。
(6)先端がチップ構造のためチップ部を変えることにより容易に高精度、異なった数の光ファイバ挿通孔を持ったMTコネクタ用フェルールの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)この発明の一例を示す平面図
(B)図1(A)におけるY−Y線断面図
(C)図1(A)における側面図
【図2】(a)この発明に使用されるチップ部の一例を示す一部断面平面図
(b)図2(a)における側面図
(c)図2(a)における横断面図
【符号の説明】
1 フェルール本体
2 空洞部
3 チップ部
4 光ファイバ心線導入案内孔
5 ガイドピン案内孔
6 光ファイバ挿通孔
Claims (4)
- 全体として矩形を呈するプラスチック製のフェルールによって、多心のリボン状ファイバを一括接続できるMTコネクタのフェルールであって、
成形後の寸法安定性の良いプラスチックから成りかつ複数の光ファイバ挿通孔(6)がその背面から前面に架けて貫通されているチップ部(3)がフェルール本体(1)の先端部において一体にモールドされ、
このチップ部(3)の前面が前記フェルール本体(1)の先端面となるように露出され、
さらに該チップ部(3)の背面が前記フェルール本体(1)の上面中央部に設けられた空洞部(2)に臨んで露出されているとともに、
前記チップ部(3)の上面及び/又は底面に突起部(7)を形成し、この突起部(7)の高さをフェルール本体の上面に一致させ、フェルール本体(1)の上面に突起部(7)を露出させたことを特徴とする光ファイバ接続用MTコネクタのフェルール。 - 前記チップ部(3)を構成するプラスチックがエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続用MTコネクタのフェルール。
- 前記チップ部(3)が金属またはセラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続用MTコネクタのフェルール。
- 請求項1記載のフェルールを一対、チップ部の先端面を互いに密着して対向保持させてなる光ファイバ接続用コネクタ。
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