JP3576005B2 - 2バンドチューナ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、AMチューナの如く、中波放送および短波放送の2バンドの放送信号を受信可能な2バンドチューナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2バンドチューナであるAMチューナを図4および図5を参照して説明する。先ず、図4の構成において、前置増幅器31には、図示しないアンテナから中波放送の放送信号(以下、第一の放送信号という)または短波放送の放送信号(以下、第二の放送信号という)が択一的に入力される。中波放送の周波数帯域はおよそ522KHzから1710KHzまでとなっており、短波放送の周波数帯域はおよそ3.5MHzから21MHzまでとなっている。従って、中波放送および短波放送の周波数帯域における最高周波数と最低周波数との比は、それぞれ、3、6となっている。
【0003】
第一の放送信号または第二の放送信号は前置増幅器31で増幅された後に第一の切替回路32の共通入力端32aに入力される。第一の切替回路32は二つの出力端子を有し、一方の出力端子32bには第一の複同調回路33が接続され、他方の出力端子32cには第二の複同調回路34が接続される。第一の切替回路32は選局回路35から出力される切替制御信号Scによって切替制御され、前置増幅器31で増幅された第一の放送信号は第一の複同調回路33に出力され、第二の放送信号は第二の複同調回路34に出力される。第一の複同調回路33は、便宜上図4では一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ33aとバラクタダイオード33bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード33bには選局回路35から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第一の放送信号の周波数に対応して第一の複同調回路33の同調周波数が変化する。
【0004】
同様に、第二の複同調回路34も、図4では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ34aとバラクタダイオード34bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード34bには選局回路35から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第二の放送信号の周波数に対応して第二の複同調回路34の同調周波数が変化する。
【0005】
第一の複同調回路33を通過した第一の放送信号および第二の複同調回路34を通過した第二の放送信号は、それぞれ第二の切替回路36の一方の入力端子36aおよび他方の入力端子36bに入力される。第二の切替回路36の共通出力端子36cは主増幅器37の入力端に接続される
第二の切替回路36も第一の切替回路32と同様に選局回路35から出力される切替信号Scによって切替制御される。そして、第一の放送信号または第二の放送信号が択一的に主増幅器37に入力される。
【0006】
主増幅器37で増幅された第一の放送信号または第二の放送信号は混合器38に入力され、局部発振器39から入力された局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。中間周波信号は復調器40によって復調され、復調器40から音声信号が出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記に説明したAMチューナにおける第一および第二の複同調回路33、34の負荷Qは、同調周波数が低くなると大きくなる。
例えば、第一の複同調回路33の負荷Qは、インダクタ33aのインダクタンスをLとしバラクタダイオード33bの容量をCとした場合、Q=ωCR=R/ωLで示され、周波数が低くなるに従って大きくなる。ここで、Rは第一の複同調回路に並列に接続される抵抗であり、この抵抗にはインダクタ33aの抵抗分の他に前置増幅器31の出力インピーダンスや主増幅器37の入力インピーダンスが含まれる。従って、第一の複同調回路33の挿入損失は、周波数が低くなるほど大きくなる。
第二の複同調回路34においても同様である。
【0008】
そして、第一の放送信号が属する中波放送の周波数帯域aと第二の放送信号が属する短波放送の周波数低域bとにおける利得(例えば、前置増幅器31の入力端から混合器38の出力端までの利得)を比較すると、図5に示すように、中波放送の周波数帯域aにおける利得偏差A(A2−A1)よりも短波放送の周波数帯域bにおける利得偏差B(B2−B1)が大きくなる。この理由は、中波放送の周波数帯域aよりも短波放送の周波数帯域bが広いためである。
利得偏差が大きい場合は、利得が大きくなる高域の放送信号は、自動利得制御の動作によって前置増幅器31の利得が大きく制御される。この結果、利得が大きくなる高域の放送信号を受信した場合にはNF(雑音指数)が劣化する。従って、利得偏差が少ないのが望ましい。
【0009】
そこで、本発明の2バンドチューナは、周波数帯域の広いバンドにおける利得偏差を少なくすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の2バンドチューナは、第一の周波数帯域の第一の放送信号または前記第一の周波数帯域よりも周波数が高く、且つ、周波数帯域が広い第二の周波数帯域の第二の放送信号を増幅する高周波増幅器を備え、前記高周波増幅器は入力端子と出力端子と基準端子とを有する増幅素子と、前記基準端子とグランドとの間に接続されて前記基準端子と前記グランドとの間にバイアス電圧を発生するバイアス電圧発生手段とを有し、前記第一の放送信号または前記第二の放送信号は前記入力端子に入力され、前記バイアス電圧発生手段には前記基準端子から前記増幅素子の動作電流を流して前記バイアス電圧を発生させ、前記バイアス電圧によって前記増幅素子に負帰還をかけるようにし、前記第一の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的に抵抗素子で構成されるようにし、前記第二の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的にインダクタンス素子で構成されるようにした。
【0011】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタと抵抗との直列回路で前記バイアス電圧発生手段を構成し、前記インダクタのリアクタンスは前記第一の周波数帯域の周波数において前記抵抗の抵抗値よりも十分に低く設定され、前記第二の放送信号を受信するときには前記抵抗の両端を短絡した。
【0012】
また、本発明の2バンドチューナは、前記インダクタを前記増幅素子側に接続するとともに、前記抵抗を前記グランド側に接続し、前記抵抗の両端を短絡するスイッチトランジスタを設け、トランジスタのコレクタまたはエミッタの何れか一方を前記インダクタと前記抵抗との接続点に接続し、前記コレクタまたは前記エミッタの他方を前記グランドに接続し、前記第二の放送信号を受信するときには前記スイッチトランジスタのベースに印加する電圧によって前記スイッチトランジスタをONするようにした。
【0013】
また、本発明の2バンドチューナは、周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性サーミスタを前記抵抗に並列に接続した。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の2バンドチューナであるAMチューナを図1乃至図3を参照して説明する。先ず、図1の構成において、高周波増幅器である前置増幅器1には、図示しないアンテナから第一の周波数帯域である中波放送帯域の放送信号(以下、第一の放送信号という)または第二の周波数帯域である短波放送帯域の放送信号(以下、第二の放送信号)が択一的に入力される。中波放送帯域はおよそ522KHzから1710KHzまでとなっており、短波放送帯域はおよそ3.5MHzから21MHzまでとなっている。従って、中波放送帯域および短波放帯域における最高周波数と最低周波数との比は、それぞれ、およそ3、6となっている。
【0015】
第一の放送信号または第二の放送信号は前置増幅器1で増幅された後に第一の切替回路2の共通入力端2aに入力される。第一の切替回路2は二つの出力端子を有し、一方の出力端子2bには第一の複同調回路3が接続され、他方の出力端子2cには第二の複同調回路4が接続される。第一の切替回路2は選局回路5から出力される切替信号Scによって切替制御され、第一の放送信号を受信するときには共通入力端子2aと一方の出力端子2bとが互いに接続され、第二の放送信号を受信するときには共通入力端子2aと他方の出力端子2cとが互いに接続される。そして、前置増幅器1で増幅された第一の放送信号は第一の複同調回路3に入力され、第二の放送信号は第二の複同調回路4に入力される。
【0016】
第一の複同調回路3は、図1では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ3aとバラクタダイオード3bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード3bには選局回路5から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第一の放送信号の周波数に対応して第一の複同調回路3の同調周波数が変化するようになっている。
【0017】
同様に、第二の複同調回路4も、図1では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ4aとバラクタダイオード4bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード4bには選局回路5から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第二の放送信号の周波数に対応して第二の複同調回路4の同調周波数が変化するようになっている。
【0018】
第一の複同調回路3を通過した第一の放送信号および第二の複同調回路4を通過した第二の放送信号は、それぞれ第二の切替回路6の一方の入力端子6aおよび他方の入力端子6bに入力される。第二の切替回路6の共通出力端子6cは主増幅器7の入力端に接続される
第二の切替回路6も第一の切替回路2と同様に選局回路5から出力される切替信号Scによって切替制御される。即ち、第一の放送信号を受信するときには一方の入力端子6aと共通出力端子6cとが互いに接続され、第二の放送信号を受信するときには他方の入力端子6bと共通出力端子6cとが互いに接続される。そして、第一の複同調回路3を通過した第一の放送信号または第二の複同調回路4を通過した第二の放送信号が高周波増幅器である主増幅器7に択一的に入力される。
【0019】
主増幅器7は、増幅素子であるジャンクションFET8とジャンクションFET8のゲートにバイアス電圧を与えるバイアス電圧発生手段9とを有している。ジャンクションFET8はゲートが入力端子、ドレインが出力端子、ソースが基準端子となるソース接地型の増幅器として使用され、ゲート及びドレインがそれぞれ主増幅器7の入力端子及び出力端子となる。そして、ドレインにはチョークインダクタ10を介して電圧Eが印加され、ソースとグランドとの間にバイアス電圧発生手段9が接続される。また、ゲートは抵抗11を介してグランドに接続されることによってグランドと同電位となっている。
【0020】
バイアス電圧発生手段9は、インダクタ9aと抵抗9bとサーミスタ9cとを有し、インダクタ9aの一端がジャンクションFET8のソースに接続され、その他端が抵抗9aを介してグランドに接続され、抵抗9bに並列にサーミスタ9cが接続されて構成されている。サーミスタ9cは周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性を有している。
そして、ジャンクションFET8のドレイン電流(動作電流)がソースからインダクタ9a、抵抗9b、サーミスタ9cに流れると、バイアス電圧発生手段9の両端には電圧が発生する。この電圧のうちの直流成分によってゲートにはソースに対して負のバイアス電圧が印加される。なお、ソースは高周波的には接地されないので、バイアス電圧発生手段9に生じる電圧のうちの高周波成分によってジャンクションFET8には負帰還がかかる。
【0021】
バイアス電圧発生手段9におけるインダクタ9aのインダクタンスは10μH(マイクロヘンリー)乃至12μH程度に設定され、抵抗9bの抵抗値はおよそ680Ω(オーム)に設定される。また、サーミスタ9cの抵抗値(常温での抵抗値)もおよそ680Ωに設定される。この結果、図2に示すように、抵抗9bとサーミスタ9cとの並列抵抗値は、周波数に無関係におよそ340Ωとなり(図2X参照)、また、インダクタ9aのリアクタンスは、中波放送帯域では30Ω乃至100Ω、短波放送帯域では200Ω乃至1250Ωとなる(図2Y参照)。
【0022】
バイアス電圧発生手段9におけるインダクタ9aと抵抗9bとの接続点にはNPN型のスイッチトランジスタ12のコレクタが接続され、そのエミッタはグランドに接続される。スイッチトランジスタ12のベースには選局回路5か出力される切替信号Scが入力され、スイッチトランジスタ12は第一の放送信号を受信するときにはOFFとなり、第二の放送信号を受信するときにONとなるように制御される。
従って、第一の放送信号を受信するときのバイアス電圧発生回路9は、抵抗9bとサーミスタ9cとの並列抵抗にインダクタ9aが直列接続されたものとなり、そのリアクタンスは図2のZに示すように中波放送帯域aにおいて341Ω(522KHzでの絶対値)から354Ω(1710KHzでの絶対値で)まで僅かに変化し、実質的に抵抗9bとサーミスタ9cとの並列回路による抵抗素子の抵抗値となる。
一方、第二の放送信号を受信するときのバイアス電圧発生回路9は、インダクタンス素子であるインダクタ9aのみとなり(正確にはスイッチトランジスタ12の飽和抵抗が加算される)、そのリアクタンスは短波放送帯域bにおいて200Ω(3.5MHz)から1250Ω(21MHz)まで大きく変化する。
【0023】
この結果、主増幅器7においては、特に、第二の放送信号を受信する場合、低域での負帰還量は高域での負帰還量に比較して少なくなる。従って、従来の利得特性と比較した場合、低域での利得が大きくなり、高域での利得が小さくなる。図3はこの様子を示し、α、βはそれぞれ従来の中波放送帯域a、短波放送帯域bにおける利得特性であり、図5に示したものと同じである。また、図3のγは本発明による利得特性であり、短波放送帯域では利得偏差C(C2−C1)が小さくなっている。
なお、中波放送帯域aではバイアス電圧発生手段9のリアクタンスの変化は少ないので、負帰還量はほぼ一定となり、利得特性は従来とほぼ同じである。
また、ジャンクションFET8は周囲温度が高くなると利得が低下するので、サーミスタ9cの抵抗値変化によって負帰還量を減らし、利得の変動を防ぐようにしている。
【0024】
主増幅器7で増幅された第一の放送信号または第二の放送信号は混合器13に入力され、局部発振器14から入力された局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。中間周波信号は復調器15によって復調され、復調器15から音声信号が出力される。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明の2バンドチューナは、高周波増幅器は入力端子と出力端子と基準端子とを有する増幅素子と、基準端子とグランドとの間に接続されて基準端子とグランドとの間にバイアス電圧を発生するバイアス電圧発生手段とを有し、第一の放送信号または第二の放送信号は入力端子に入力され、バイアス電圧発生手段には基準端子から増幅素子の動作電流を流してバイアス電圧を発生させ、バイアス電圧によって増幅素子に負帰還をかけるようにし、第一の放送信号を受信するときにはバイアス電圧発生手段が実質的に抵抗素子で構成されるようにし、第二の放送信号を受信するときにはバイアス電圧発生手段が実質的にインダクタンス素子で構成されるようにしたので、低域での負帰還量は高域での負帰還量に比較して少なくなる。従って、従来の利得特性と比較した場合、低域での利得が大きくなり、高域での利得が小さくなる。その結果、帯域の広い第二の周波数帯域での利得偏差が小さくなる。
【0026】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタと抵抗との直列回路でバイアス電圧発生手段を構成し、インダクタのリアクタンスは第一の周波数帯域の周波数において抵抗の抵抗値よりも十分に低く設定され、第二の放送信号を受信するときには抵抗の両端を短絡したので、バイアス電圧発生手段の抵抗の両端の短絡のみで第二の周波数帯域の利得偏差を小さくできる。
【0027】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタを増幅素子側に接続するとともに、抵抗をグランド側に接続し、抵抗の両端を短絡するスイッチトランジスタを設け、トランジスタのコレクタまたはエミッタの何れか一方をインダクタと抵抗との接続点に接続し、コレクタまたはエミッタの他方をグランドに接続し、第二の放送信号を受信するときにはスイッチトランジスタのベースに印加する電圧によってスイッチトランジスタをONするようにしたので、選局回路の切替信号によって抵抗の両端を短絡できる。
【0028】
また、本発明の2バンドチューナは、周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性サーミスタを抵抗に並列に接続したので、周囲温度の変化に関わらず利得変化をふせぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2バンドチューナの回路構成図である。
【図2】本発明の2バンドチューナにおけるバイアス電圧発生手段のリアクタンス特性図である。
【図3】本発明の2バンドチューナの利得を説明する特性図である。
【図4】従来の2バンドチューナの回路構成図である。
【図5】従来の2バンドチューナの利得を説明する特性図である。
【符号の説明】
1 前置増幅器
2 第一の切替回路
2a 共通入力端子
2b、2c 出力端子
3 第一の複同調回路
3a インダクタ
3b バラクタダイオード
4 第二の複同調回路
4a インダクタ
4b バラクタダイオード
5 選局回路
6 第二の切替回路
6a、6b 入力端子
6c 共通出力端子
7 主増幅器
8 ジャンクションFET
9 バイアス電圧発生手段
9a インダクタ
9b 抵抗
9c サーミスタ
10 インダクタ
11 抵抗
12 スイッチトランジスタ
13 混合器
14 局部発振器
15 復調器
【発明の属する技術分野】
本発明は、AMチューナの如く、中波放送および短波放送の2バンドの放送信号を受信可能な2バンドチューナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2バンドチューナであるAMチューナを図4および図5を参照して説明する。先ず、図4の構成において、前置増幅器31には、図示しないアンテナから中波放送の放送信号(以下、第一の放送信号という)または短波放送の放送信号(以下、第二の放送信号という)が択一的に入力される。中波放送の周波数帯域はおよそ522KHzから1710KHzまでとなっており、短波放送の周波数帯域はおよそ3.5MHzから21MHzまでとなっている。従って、中波放送および短波放送の周波数帯域における最高周波数と最低周波数との比は、それぞれ、3、6となっている。
【0003】
第一の放送信号または第二の放送信号は前置増幅器31で増幅された後に第一の切替回路32の共通入力端32aに入力される。第一の切替回路32は二つの出力端子を有し、一方の出力端子32bには第一の複同調回路33が接続され、他方の出力端子32cには第二の複同調回路34が接続される。第一の切替回路32は選局回路35から出力される切替制御信号Scによって切替制御され、前置増幅器31で増幅された第一の放送信号は第一の複同調回路33に出力され、第二の放送信号は第二の複同調回路34に出力される。第一の複同調回路33は、便宜上図4では一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ33aとバラクタダイオード33bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード33bには選局回路35から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第一の放送信号の周波数に対応して第一の複同調回路33の同調周波数が変化する。
【0004】
同様に、第二の複同調回路34も、図4では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ34aとバラクタダイオード34bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード34bには選局回路35から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第二の放送信号の周波数に対応して第二の複同調回路34の同調周波数が変化する。
【0005】
第一の複同調回路33を通過した第一の放送信号および第二の複同調回路34を通過した第二の放送信号は、それぞれ第二の切替回路36の一方の入力端子36aおよび他方の入力端子36bに入力される。第二の切替回路36の共通出力端子36cは主増幅器37の入力端に接続される
第二の切替回路36も第一の切替回路32と同様に選局回路35から出力される切替信号Scによって切替制御される。そして、第一の放送信号または第二の放送信号が択一的に主増幅器37に入力される。
【0006】
主増幅器37で増幅された第一の放送信号または第二の放送信号は混合器38に入力され、局部発振器39から入力された局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。中間周波信号は復調器40によって復調され、復調器40から音声信号が出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記に説明したAMチューナにおける第一および第二の複同調回路33、34の負荷Qは、同調周波数が低くなると大きくなる。
例えば、第一の複同調回路33の負荷Qは、インダクタ33aのインダクタンスをLとしバラクタダイオード33bの容量をCとした場合、Q=ωCR=R/ωLで示され、周波数が低くなるに従って大きくなる。ここで、Rは第一の複同調回路に並列に接続される抵抗であり、この抵抗にはインダクタ33aの抵抗分の他に前置増幅器31の出力インピーダンスや主増幅器37の入力インピーダンスが含まれる。従って、第一の複同調回路33の挿入損失は、周波数が低くなるほど大きくなる。
第二の複同調回路34においても同様である。
【0008】
そして、第一の放送信号が属する中波放送の周波数帯域aと第二の放送信号が属する短波放送の周波数低域bとにおける利得(例えば、前置増幅器31の入力端から混合器38の出力端までの利得)を比較すると、図5に示すように、中波放送の周波数帯域aにおける利得偏差A(A2−A1)よりも短波放送の周波数帯域bにおける利得偏差B(B2−B1)が大きくなる。この理由は、中波放送の周波数帯域aよりも短波放送の周波数帯域bが広いためである。
利得偏差が大きい場合は、利得が大きくなる高域の放送信号は、自動利得制御の動作によって前置増幅器31の利得が大きく制御される。この結果、利得が大きくなる高域の放送信号を受信した場合にはNF(雑音指数)が劣化する。従って、利得偏差が少ないのが望ましい。
【0009】
そこで、本発明の2バンドチューナは、周波数帯域の広いバンドにおける利得偏差を少なくすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の2バンドチューナは、第一の周波数帯域の第一の放送信号または前記第一の周波数帯域よりも周波数が高く、且つ、周波数帯域が広い第二の周波数帯域の第二の放送信号を増幅する高周波増幅器を備え、前記高周波増幅器は入力端子と出力端子と基準端子とを有する増幅素子と、前記基準端子とグランドとの間に接続されて前記基準端子と前記グランドとの間にバイアス電圧を発生するバイアス電圧発生手段とを有し、前記第一の放送信号または前記第二の放送信号は前記入力端子に入力され、前記バイアス電圧発生手段には前記基準端子から前記増幅素子の動作電流を流して前記バイアス電圧を発生させ、前記バイアス電圧によって前記増幅素子に負帰還をかけるようにし、前記第一の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的に抵抗素子で構成されるようにし、前記第二の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的にインダクタンス素子で構成されるようにした。
【0011】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタと抵抗との直列回路で前記バイアス電圧発生手段を構成し、前記インダクタのリアクタンスは前記第一の周波数帯域の周波数において前記抵抗の抵抗値よりも十分に低く設定され、前記第二の放送信号を受信するときには前記抵抗の両端を短絡した。
【0012】
また、本発明の2バンドチューナは、前記インダクタを前記増幅素子側に接続するとともに、前記抵抗を前記グランド側に接続し、前記抵抗の両端を短絡するスイッチトランジスタを設け、トランジスタのコレクタまたはエミッタの何れか一方を前記インダクタと前記抵抗との接続点に接続し、前記コレクタまたは前記エミッタの他方を前記グランドに接続し、前記第二の放送信号を受信するときには前記スイッチトランジスタのベースに印加する電圧によって前記スイッチトランジスタをONするようにした。
【0013】
また、本発明の2バンドチューナは、周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性サーミスタを前記抵抗に並列に接続した。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の2バンドチューナであるAMチューナを図1乃至図3を参照して説明する。先ず、図1の構成において、高周波増幅器である前置増幅器1には、図示しないアンテナから第一の周波数帯域である中波放送帯域の放送信号(以下、第一の放送信号という)または第二の周波数帯域である短波放送帯域の放送信号(以下、第二の放送信号)が択一的に入力される。中波放送帯域はおよそ522KHzから1710KHzまでとなっており、短波放送帯域はおよそ3.5MHzから21MHzまでとなっている。従って、中波放送帯域および短波放帯域における最高周波数と最低周波数との比は、それぞれ、およそ3、6となっている。
【0015】
第一の放送信号または第二の放送信号は前置増幅器1で増幅された後に第一の切替回路2の共通入力端2aに入力される。第一の切替回路2は二つの出力端子を有し、一方の出力端子2bには第一の複同調回路3が接続され、他方の出力端子2cには第二の複同調回路4が接続される。第一の切替回路2は選局回路5から出力される切替信号Scによって切替制御され、第一の放送信号を受信するときには共通入力端子2aと一方の出力端子2bとが互いに接続され、第二の放送信号を受信するときには共通入力端子2aと他方の出力端子2cとが互いに接続される。そして、前置増幅器1で増幅された第一の放送信号は第一の複同調回路3に入力され、第二の放送信号は第二の複同調回路4に入力される。
【0016】
第一の複同調回路3は、図1では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ3aとバラクタダイオード3bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード3bには選局回路5から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第一の放送信号の周波数に対応して第一の複同調回路3の同調周波数が変化するようになっている。
【0017】
同様に、第二の複同調回路4も、図1では便宜上一つの同調回路で代表して示したが、インダクタ4aとバラクタダイオード4bとの並列同調回路を有している。そして、バラクタダイオード4bには選局回路5から出力される同調電圧Vtが印加されることによって第二の放送信号の周波数に対応して第二の複同調回路4の同調周波数が変化するようになっている。
【0018】
第一の複同調回路3を通過した第一の放送信号および第二の複同調回路4を通過した第二の放送信号は、それぞれ第二の切替回路6の一方の入力端子6aおよび他方の入力端子6bに入力される。第二の切替回路6の共通出力端子6cは主増幅器7の入力端に接続される
第二の切替回路6も第一の切替回路2と同様に選局回路5から出力される切替信号Scによって切替制御される。即ち、第一の放送信号を受信するときには一方の入力端子6aと共通出力端子6cとが互いに接続され、第二の放送信号を受信するときには他方の入力端子6bと共通出力端子6cとが互いに接続される。そして、第一の複同調回路3を通過した第一の放送信号または第二の複同調回路4を通過した第二の放送信号が高周波増幅器である主増幅器7に択一的に入力される。
【0019】
主増幅器7は、増幅素子であるジャンクションFET8とジャンクションFET8のゲートにバイアス電圧を与えるバイアス電圧発生手段9とを有している。ジャンクションFET8はゲートが入力端子、ドレインが出力端子、ソースが基準端子となるソース接地型の増幅器として使用され、ゲート及びドレインがそれぞれ主増幅器7の入力端子及び出力端子となる。そして、ドレインにはチョークインダクタ10を介して電圧Eが印加され、ソースとグランドとの間にバイアス電圧発生手段9が接続される。また、ゲートは抵抗11を介してグランドに接続されることによってグランドと同電位となっている。
【0020】
バイアス電圧発生手段9は、インダクタ9aと抵抗9bとサーミスタ9cとを有し、インダクタ9aの一端がジャンクションFET8のソースに接続され、その他端が抵抗9aを介してグランドに接続され、抵抗9bに並列にサーミスタ9cが接続されて構成されている。サーミスタ9cは周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性を有している。
そして、ジャンクションFET8のドレイン電流(動作電流)がソースからインダクタ9a、抵抗9b、サーミスタ9cに流れると、バイアス電圧発生手段9の両端には電圧が発生する。この電圧のうちの直流成分によってゲートにはソースに対して負のバイアス電圧が印加される。なお、ソースは高周波的には接地されないので、バイアス電圧発生手段9に生じる電圧のうちの高周波成分によってジャンクションFET8には負帰還がかかる。
【0021】
バイアス電圧発生手段9におけるインダクタ9aのインダクタンスは10μH(マイクロヘンリー)乃至12μH程度に設定され、抵抗9bの抵抗値はおよそ680Ω(オーム)に設定される。また、サーミスタ9cの抵抗値(常温での抵抗値)もおよそ680Ωに設定される。この結果、図2に示すように、抵抗9bとサーミスタ9cとの並列抵抗値は、周波数に無関係におよそ340Ωとなり(図2X参照)、また、インダクタ9aのリアクタンスは、中波放送帯域では30Ω乃至100Ω、短波放送帯域では200Ω乃至1250Ωとなる(図2Y参照)。
【0022】
バイアス電圧発生手段9におけるインダクタ9aと抵抗9bとの接続点にはNPN型のスイッチトランジスタ12のコレクタが接続され、そのエミッタはグランドに接続される。スイッチトランジスタ12のベースには選局回路5か出力される切替信号Scが入力され、スイッチトランジスタ12は第一の放送信号を受信するときにはOFFとなり、第二の放送信号を受信するときにONとなるように制御される。
従って、第一の放送信号を受信するときのバイアス電圧発生回路9は、抵抗9bとサーミスタ9cとの並列抵抗にインダクタ9aが直列接続されたものとなり、そのリアクタンスは図2のZに示すように中波放送帯域aにおいて341Ω(522KHzでの絶対値)から354Ω(1710KHzでの絶対値で)まで僅かに変化し、実質的に抵抗9bとサーミスタ9cとの並列回路による抵抗素子の抵抗値となる。
一方、第二の放送信号を受信するときのバイアス電圧発生回路9は、インダクタンス素子であるインダクタ9aのみとなり(正確にはスイッチトランジスタ12の飽和抵抗が加算される)、そのリアクタンスは短波放送帯域bにおいて200Ω(3.5MHz)から1250Ω(21MHz)まで大きく変化する。
【0023】
この結果、主増幅器7においては、特に、第二の放送信号を受信する場合、低域での負帰還量は高域での負帰還量に比較して少なくなる。従って、従来の利得特性と比較した場合、低域での利得が大きくなり、高域での利得が小さくなる。図3はこの様子を示し、α、βはそれぞれ従来の中波放送帯域a、短波放送帯域bにおける利得特性であり、図5に示したものと同じである。また、図3のγは本発明による利得特性であり、短波放送帯域では利得偏差C(C2−C1)が小さくなっている。
なお、中波放送帯域aではバイアス電圧発生手段9のリアクタンスの変化は少ないので、負帰還量はほぼ一定となり、利得特性は従来とほぼ同じである。
また、ジャンクションFET8は周囲温度が高くなると利得が低下するので、サーミスタ9cの抵抗値変化によって負帰還量を減らし、利得の変動を防ぐようにしている。
【0024】
主増幅器7で増幅された第一の放送信号または第二の放送信号は混合器13に入力され、局部発振器14から入力された局部発振信号と混合されて中間周波信号に周波数変換される。中間周波信号は復調器15によって復調され、復調器15から音声信号が出力される。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明の2バンドチューナは、高周波増幅器は入力端子と出力端子と基準端子とを有する増幅素子と、基準端子とグランドとの間に接続されて基準端子とグランドとの間にバイアス電圧を発生するバイアス電圧発生手段とを有し、第一の放送信号または第二の放送信号は入力端子に入力され、バイアス電圧発生手段には基準端子から増幅素子の動作電流を流してバイアス電圧を発生させ、バイアス電圧によって増幅素子に負帰還をかけるようにし、第一の放送信号を受信するときにはバイアス電圧発生手段が実質的に抵抗素子で構成されるようにし、第二の放送信号を受信するときにはバイアス電圧発生手段が実質的にインダクタンス素子で構成されるようにしたので、低域での負帰還量は高域での負帰還量に比較して少なくなる。従って、従来の利得特性と比較した場合、低域での利得が大きくなり、高域での利得が小さくなる。その結果、帯域の広い第二の周波数帯域での利得偏差が小さくなる。
【0026】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタと抵抗との直列回路でバイアス電圧発生手段を構成し、インダクタのリアクタンスは第一の周波数帯域の周波数において抵抗の抵抗値よりも十分に低く設定され、第二の放送信号を受信するときには抵抗の両端を短絡したので、バイアス電圧発生手段の抵抗の両端の短絡のみで第二の周波数帯域の利得偏差を小さくできる。
【0027】
また、本発明の2バンドチューナは、インダクタを増幅素子側に接続するとともに、抵抗をグランド側に接続し、抵抗の両端を短絡するスイッチトランジスタを設け、トランジスタのコレクタまたはエミッタの何れか一方をインダクタと抵抗との接続点に接続し、コレクタまたはエミッタの他方をグランドに接続し、第二の放送信号を受信するときにはスイッチトランジスタのベースに印加する電圧によってスイッチトランジスタをONするようにしたので、選局回路の切替信号によって抵抗の両端を短絡できる。
【0028】
また、本発明の2バンドチューナは、周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性サーミスタを抵抗に並列に接続したので、周囲温度の変化に関わらず利得変化をふせぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2バンドチューナの回路構成図である。
【図2】本発明の2バンドチューナにおけるバイアス電圧発生手段のリアクタンス特性図である。
【図3】本発明の2バンドチューナの利得を説明する特性図である。
【図4】従来の2バンドチューナの回路構成図である。
【図5】従来の2バンドチューナの利得を説明する特性図である。
【符号の説明】
1 前置増幅器
2 第一の切替回路
2a 共通入力端子
2b、2c 出力端子
3 第一の複同調回路
3a インダクタ
3b バラクタダイオード
4 第二の複同調回路
4a インダクタ
4b バラクタダイオード
5 選局回路
6 第二の切替回路
6a、6b 入力端子
6c 共通出力端子
7 主増幅器
8 ジャンクションFET
9 バイアス電圧発生手段
9a インダクタ
9b 抵抗
9c サーミスタ
10 インダクタ
11 抵抗
12 スイッチトランジスタ
13 混合器
14 局部発振器
15 復調器
Claims (4)
- 第一の周波数帯域の第一の放送信号または前記第一の周波数帯域よりも周波数が高く、且つ、周波数帯域が広い第二の周波数帯域の第二の放送信号を増幅する高周波増幅器を備え、前記高周波増幅器は入力端子と出力端子と基準端子とを有する増幅素子と、前記基準端子とグランドとの間に接続されて前記基準端子と前記グランドとの間にバイアス電圧を発生するバイアス電圧発生手段とを有し、前記第一の放送信号または前記第二の放送信号は前記入力端子に入力され、前記バイアス電圧発生手段には前記基準端子から前記増幅素子の動作電流を流して前記バイアス電圧を発生させ、前記バイアス電圧によって前記増幅素子に負帰還をかけるようにし、前記第一の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的に抵抗素子で構成されるようにし、前記第二の放送信号を受信するときには前記バイアス電圧発生手段が実質的にインダクタンス素子で構成されるようにしたことを特徴とする2バンドチューナ。
- インダクタと抵抗との直列回路で前記バイアス電圧発生手段を構成し、前記インダクタのリアクタンスは前記第一の周波数帯域の周波数において前記抵抗の抵抗値よりも十分に低く設定され、前記第二の放送信号を受信するときには前記抵抗の両端を短絡したことを特徴とする請求項1記載の2バンドチューナ。
- 前記インダクタを前記増幅素子側に接続するとともに、前記抵抗を前記グランド側に接続し、前記抵抗の両端を短絡するスイッチトランジスタを設け、トランジスタのコレクタまたはエミッタの何れか一方を前記インダクタと前記抵抗との接続点に接続し、前記コレクタまたは前記エミッタの他方を前記グランドに接続し、前記第二の放送信号を受信するときには前記スイッチトランジスタのベースに印加する電圧によって前記スイッチトランジスタをONするようにしたことを特徴とする請求項2記載の2バンドチューナ。
- 周囲温度の上昇に対して抵抗値が減少する負特性サーミスタを前記抵抗に並列に接続したことを特徴とする請求項2または3記載の2バンドチューナ。
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