JP3580687B2 - ポリテトラフルオロエチレン多孔質成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質成形体に関する。特に、広い温度範囲、とりわけ高温高荷重下において変形に対する抵抗性に優れ、かつ広汎な耐薬品性をもつPTFEの多孔質成形体およびその加工成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
PTFE多孔質成形体は耐薬品性に優れ高い引張強度を有することから、化学品や食品、半導体などの分野でその製造設備、配管等のシーリング、ガスケットなどの用途を主とし、他に気体および液体濾過用のフィルター、衣料の通気・不透水用膜剤、医療用シートなど広い用途に好適に利用されている。
【0003】
かかるPTFE多孔質成形体は種々知られているが、特に米国特許第4,598,011号明細書に、高い引張強度を有し、孔径が比較的大きく、かつ多孔質成形体の空洞容積が大きいPTFE多孔質成形体が記載されている。このPTFE多孔質成形体は、フィブリルで結合された結節を有する内部構造を有する多孔質材料からなり、MTSが15,000psi以上の成形体(以下、「従来の成形体a」という)、後述する図1(前記米国特許のFig.3に対応)の点A(MTS=3,000、C.I.=0.4)、点B(MTS=12,000、C.I.=0.4)、点C(MTS=16,000、C.I.=0.2)および点D(MTS=25,000、C.I.=0.2)で囲まれた範囲のMTSおよびC.I.の値をもつもの(以下、「従来の成形体b」という)、またはMTSが3,000psi以上でEBPが4以下のもの(以下、「従来の成形体c」という)である。なお、MTS、C.I.およびEBPについては後述する。
【0004】
これらのPTFE多孔質成形体は従来の成形体に比して引張強度、耐コールドフロー性、多孔度などが向上しているが、たとえばPTFE多孔質成形体の主要な用途の一つであるガスケットに使用したばあい、つぎのような問題がある。
【0005】
▲1▼比較的高い締付圧をかけないと充分なシーリング効果がえられない。
【0006】
▲2▼高い締付圧下で使用したばあいコールドフローによる変形が特定方向で生じ、
特に高温下で使用したばあい特定方向の変形が著しく大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは以上の問題点を解消し、高温高荷重下でも変形が少なく、変形したとしても変形に方向性が低いPTFEガスケットを提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、該PTFE多孔質成形体と他の材料とを積層してなる複合化成形体を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、該PTFE多孔質成形体を圧縮・焼結することによってPTFEの高密度成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フィブリルで結合された結節を有する内部構造のPTFE多孔質材料からなる多孔質成形体であって、該成形体のMTSが3,000〜12,000psiでC.I.が0.02〜0.20g/cc/psiの範囲内にあるPTFE多孔質成形体に関する。
【0011】
このPTFE多孔質成形体はEBPが5〜16psiの範囲内にあることが好ましい。
【0012】
また、シート状であって、直交する方向のMTSの比(以下、「L/T」と略す)が1.0±0.2の範囲内にあるものが好ましい。
【0013】
本発明はさらに、PTFE多孔質シートを含む積層成形体であって、他の層が緻密な構造のパーフルオロカーボン樹脂シートおよび/または金属もしくはグラファイト製のシートであるPTFE複合化成形体に関する。
【0014】
本発明はまた、L/Tが1.0±0.2の範囲内にあるPTFE多孔質シートを加圧圧縮し、ついでPTFEの融点以上で熱分解温度以下の温度にて焼結するか、もしくは上記温度下で加熱すると同時に加圧圧縮することによってえられるPTFEの高密度シート状成形体に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、MTS、EBPおよびC.I.について説明する。
【0016】
MTSは“Matrix Tensile Strength”の略であり、MTSの値(単位:psi)は次式によって求める。なお、平均MTSは一軸延伸PTFE多孔質成形体についてはその延伸方向の測定値(5サンプルについて測定)の平均値であり、また二軸延伸PTFE多孔質成形体のばあいは直交する二つの延伸方向の測定値(5サンプルについて測定)の平均値である。
【0017】
【数1】
【0018】
また、PTFE多孔質成形体の引張強度および比重はそれぞれつぎの方法で測定する。
【0019】
(引張強度)
延伸、ヒートセット後の多孔質PTFEから、幅1/2インチ(12.5mm)、長さ7インチ(175mm)の試験片を切出し、幅(ノギス使用)および厚さ(ダイヤルゲージ使用)を精秤する。
【0020】
この試験片を、つかみ間隔が5インチ(125mm)となるように引張試験機にとりつけ、10インチ/minのクロスヘッド速度で引張り、試験切断時の最大荷重を測定する。引張強度(TS)は次式により求める。
【0021】
【数2】
【0022】
(比重)
引張強度の測定と同様にして、幅15mm、長さ250mmの試片を切出し、長さ(金属製直尺)、幅(ノギス)、および厚さ(ダイヤルゲージ)を精秤する。つぎに、この試片を折りたたみ、化学天秤(感量0.1mg)で重量測定後次式により求める。
【0023】
【数3】
【0024】
このMTSは、PTFE多孔質成形体の、フィブリルで結ばれた結節構造の実質的な強度を表すものである。すなわち、多孔質成形体の見掛け上の引張強度(TS測定値)が同一であっても、計算によってえられるMTSの値が大きいということは、多孔質体の空隙率が大きくなっても(多孔質体の比重が低下しても)構造自体の強度が高くなっていることを意味する。
【0025】
EBP(単位:psi)は“Ethanol Bubbling Point”の略であり、EBPはASTM F316−80に準拠して測定し、エタノールで飽和された多孔質材料に空気圧をかけたとき材料中を空気が通り始めた時点の空気圧の最低値である。
【0026】
EBPはPTFE多孔質成形体の孔径を示す指標であり、EBPの値が大きくなると孔径が小さくなる。
【0027】
C.I.は“Coarseness Index”の略であり、つぎの式で求められる。
【0028】
【数4】
【0029】
C.I.は多孔質成形体の多孔質空間の粗さの指標で単位はg/cc/psiである。同比重の多孔質体のばあいC.I.の値が大きいほど空隙率からみて粗い多孔質体である。
【0030】
本発明のPTFE多孔質成形体は、フィブリルで結合された結節を有する内部構造を有している。この構造は前記米国特許第4,598,011号明細書記載のPTFE多孔質成形体と基本的には同様であり、同米国特許のFig.1に模式的に示されているとおりである。
【0031】
しかし、同米国特許明細書記載のPTFE多孔質成形体は前述のとおりのMTS、C.I.およびEBPを有する3種の成形体a、b、cであるが、本発明のPTFE多孔質成形体はMTSが3,000〜12,000psiでかつC.I.が0.02〜0.2g/cc/psi、好ましくはさらにEBPが5〜16psiという値をもつものであり、つぎのとおり異なる。
【0032】
従来の成形体aは平均MTSが15,000psi以上のものであり、明らかに異なる。また従来の成形体bは、図1(米国特許第4,598,011号のFig.3に対応)中の点A(MTS=3,000、C.I.=0.4)、点B(MTS=12,000、C.I.=0.4)、点C(MTS=16,000、C.I.=0.2)および点D(MTS=25,000、C.I.=0.2)の範囲のものであり、本発明の成形体(図1中にハッチングを施してある領域)とは全く異なる。従来の成形体cはMTSが3,000psi以上でEBPが4.0psi以下のものであり、EBPが5〜16psiの本発明の成形体と明確に異なる。
【0033】
このように本発明のPTFE多孔質成形体は新規なものであり、しかも、特定の物性をもつことにより以下に述べる耐コールドフロー性などに優れるものである。
【0034】
PTFE多孔質成形体をたとえばガスケットとして使用するばあい、広い温度範囲で恒常的に締付力がかけられる。このとき、ガスケットが著しくコールドフローを起こしてしまうと交換しなければならない。従来のPTFE多孔質成形体でこのコールドフローが生じやすく、しかもコールドフローが特定方向に生じる(異方性)ので、寿命が短いものであったことは前述のとおりである。しかし、本発明によれば、コールドフローを起こしにくいだけでなく、コールドフローが生じても方向性が小さく(等方性)、したがって特定方向での気体や液体のもれがなく従来品より長期の使用に耐えうる。さらに、再度締付けることにより継続使用が可能となる。これらの効果の差は、特に高温時での使用の際に顕著に現われる。
【0035】
本発明のPTFE多孔質成形体はフィルム状またはシート状に成形できる。二軸延伸のばあい、直交する2つの延伸方向の横方向を基準としたMTSの比(L/T)がほぼ等しい、すなわち1.0±0.2であるのが好ましい。この範囲にあるとき、前述のコールドフローの等方性が特に優れたものになる。
【0036】
本発明のPTFE多孔質成形体は化学、半導体、食品などの諸工業のプラントの配管、容器類のガスケット、フィルター、その他衣料の防湿材料などとして有用である。
【0037】
本発明のPTFE多孔質成形体は、基本的につぎの5つの工程によって製造できる。
【0038】
(1)PTFEファインパウダーのペースト押出し工程
乳化重合法でえられたPTFEファインパウダーとナフサなどの押出助剤とのペースト状混合物を押出機で押出し、円柱状、角柱状、シート状の押出物をうる。なお、PTFEファインパウダーとは、乳化重合法でえられた重合体の水性分散液を凝析することにより重合体を分離し、これを乾燥した粉末である。重合体の構成はテトラフルオロエチレン(TFE)単独重合体、またはTFEと少量のパーフルオロアルキルビニルエーテルもしくはヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(変性PTFE)である。
【0039】
(2)ペースト押出物の圧延工程
(1)でえたペースト押出物をカレンダーロールなどにより押出方向または押出方向に直交する方向に圧延し、シート状とする。
【0040】
(3)押出助剤の除去工程
(2)でえた圧延物を加熱またはトリクロロエタン、トリクロロエチレンなどの溶剤を用いて抽出することにより押出助剤を除去する。
【0041】
(4)延伸工程
(3)でえた押出助剤を含まない圧延物を一軸方向または二軸方向に延伸する。延伸前に約250℃に予熱してもよい。また、二軸延伸をするときは逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
【0042】
延伸倍率はEBP、MTSなどに影響を与えるので慎重に選ぶべきである。通常面積倍率で300〜1000%、好ましくは400〜800%の範囲内とする。
【0043】
(5)ヒートセット工程
(4)でえた延伸物をPTFEの融点(約327℃)よりも少し高く分解温度よりも低い340〜380℃で比較的短時間(5〜30分間)加熱処理してヒートセットする。
【0044】
この方法は従来のPTFE多孔質成形体の製法とほぼ同様であるが、本発明では特にペースト押出し工程でのPTFE樹脂の配向を極力抑えることによって前述の特定の物性を有する成形体をうることができる。配向の抑制は、ペースト押出しにおけるリダクション比(好ましい範囲は100:1以下、通常20〜60:1)、PTFE/押出助剤比(通常77/23〜80/20)、押出機のダイ角度(通常60°前後)などの適切な選定により達成することができる。
【0045】
本発明はまた、シート状の前記PTFE多孔質成形体の層と他の材料の層とが積層されている複合化成形体に関する。
【0046】
他の材料としては、たとえば緻密な(無孔質な)PTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのパーフルオロカーボン樹脂;たとえばチタン、ステンレススチールなどの金属;グラファイトなどがあげられる。これらの複合化材料は平板状、メッシュ状などのシートである。積層法としては、粘着剤を使用する方法、多孔質PTFEシートをメッシュ状複合化材料として圧着する方法などが採用される。各層の厚さは、その主たる用途であるガスケットの大きさ、使用圧力(締付圧力)、シールする気体や液体の種類などによって異なり適宜決めればよい。好ましい複合化成形体としては、たとえばPTFE多孔質シート/緻密なPTFEのシートまたはPFAシート、PTFE多孔質シート/チタン箔、PTFE多孔質シート/ステンレススチール箔または板、PTFE多孔質シート/ステンレススチール箔/グラファイトなどがあげられるがこれらのみに限られるものではなく、いずれの組み合わせでもよい。また、複合化材料は1種類の使用でも複数の使用でもよく、特に制限を受けるものではないが、好ましくは両最外層にPTFE多孔質成形体を位置させる。
【0047】
複合化することによりガスケットとしての強度、寸法安定性、耐コールドフロー性などが一段と改善されるなどの効果が奏され、特に高締付け圧で使用されるガスケットとして好適に使用できる。
【0048】
本発明はさらに、PTFE多孔質成形体の高次加工物であるPTFEの高密度成形体に関する。
【0049】
かかる高密度成形体は、前記PTFE多孔質成形の製造工程(4)でえられた延伸物または工程(5)でえられたヒートセット物を圧縮成形(圧力50〜400kg・f/cm2、室温、保持時間10〜20分間)したのち、PTFEの融点(約327℃)以上でPTFEの熱分解温度(約400℃)以下の温度、好ましくは360〜380℃で30〜60分間(厚さ1〜2mmのばあい)加熱し焼結することによりうることができる。また上記圧力および温度条件で加圧と加熱の操作と同時に行なうことにより、圧縮・焼結することによってもうることができる。なお、圧縮成形の容易さ、高密度化、製造工程の短縮などの面から、製造工程(4)でえられた延伸物から出発する方が好ましい。
【0050】
本発明のPTFEの高密度成形体はシート状であり、実質的に無孔であって比重が2.15〜2.20g/ccのものである。
【0051】
一般にPTFEの高密度シートは懸濁重合法でえられるモールディングパウダーを多孔質化工程を経ずに圧縮成形して予備成形シートとし、これを焼結することによって製造しているが、用途によっては耐屈曲疲労性および引張強度に劣る点で問題があった。
【0052】
本発明の高密度成形体はPTFEがもつ耐薬品性や耐油性、耐熱性、低摩擦特性、非粘着性などの性質に加えて、特に引張強度、耐屈曲疲労性に優れており、単独でまたはネオプレンやクロロプレンのシートなどの他の材料と複合化して、ポンプやバルブのダイヤフラム、シール材などとして特に優れた機能を果たす。
【0053】
【実施例】
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
実施例1
乳化重合法で製造したPTFEファインパウダー80重量部とナフサ20重量部とのペースト状混合物を押出機を用いて押出し(押出時のリダクション比=56:1)、直径18mmのロッド状の押出物をえた。このロッド状押出物を押出方向と同じ方向にカレンダーロールで圧延し、幅110mm、厚さ3.2mmのシート状圧延物をえた。このものをオーブン中で300℃にて加熱し、ナフサを除去した。ついで長さ150mmに切断し、250℃で30分間予備加熱したのち直ちに、一軸延伸機により、300%/秒の延伸速度で一軸延伸し(延伸方向は押出方向と同じ)、この延伸状態(延伸倍率:200%)を保ったまま340℃で15分間加熱してヒートセットした。
【0055】
えられたPTFE多孔質シート(厚さ2.7mm)について、比重(d多孔質PTFE)、MTS、EBPを前述の方法で測定し、さらにC.I.を算出した。また、つぎの方法でシール性を調べた。結果を表1に示す。
【0056】
(シール性)
直径29mm(内径25mm)の2本のパイプ(1本の端部は溶接により封止されており、他方のパイプの端部は水圧ポンプに接続されており、バルブと圧力計が設けられている)を継手により連結する。継手のシール部にPTFE多孔質成形体をガスケットとして使用する。パイプ内に10kg・f/cm2の水圧をかけた状態で5時間保持したのちパイプ内の圧力を調べ、シール性を評価する。
【0057】
実施例2および比較例1
延伸倍率を300%(実施例2)および400%(比較例1)に変えたほかは実施例1と同様にしてPTFE多孔質成形体をえ、実施例1と同様にして、比重(d多孔質PTFE)、MTS、EBP、C.I.およびシール性を調べた。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例3〜11
乳化重合法で製造したPTFEファインパウダー80重量部とナフサ20重量部とのペースト状混合物を矩形のシリンダーおよびダイを備えた押出機を用いて押出し(押出時のリダクション比=24:1)、幅240mm、厚さ5mmのシートをえ、これを長さ240mmごとに切断した。
【0060】
この押出物を押出方向に直交する方向でカレンダーロールにより圧延し、厚さ2.1mmのシート状圧延物をえ、ついでオーブン中で300℃にて加熱し、ナフサを除去した。このものを250℃で30分間予備加熱したのち延伸機により、まず圧延方向と同方向に延伸速度100%/秒の条件で100%延伸し、ついでその延伸倍率を維持したまま、直交方向に延伸速度100%/秒、200%/秒または300%/秒の各条件下に再度延伸することにより二軸延伸した(2軸目の延伸倍率を表2に示す)。延伸物を延伸状態を保持したまま340℃で15分間加熱してヒートセットした。
【0061】
えられたPTFE多孔質シート(厚さを表2に示す)について、比重(d多孔質PTFE)、MTS(直交する2方向(縦と横)のそれぞれのMTS)、EBP、C.I.およびシール性を実施例1と同様にして調べた。また、直交する方向のMTS比(L/T)を算出した。結果を表2に示す。
【0062】
比較例2
押出機の押出時のリダクション比を約50:1と大きくしたほかは実施例11と同様にしてPTFE多孔質シートをえ、実施例1と同様にして物性およびシール性を調べた。結果を表2に示す。
【0063】
なおリダクション比を大きくするとPTFE粒子のフィブリル化の度合および配向性が高くなる。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例12
実施例8においてヒートセットするまえの二軸延伸物(厚さ1.35mm)を300kg・f/cm2の圧力で圧縮成形したのち370℃で1時間焼結して比重2.18g/ccの高密度PTFEシート(厚さ0.49mm)をえた。このシートの引張強度は405kg・f/cm2と大きなものであった。
【0066】
また、耐屈曲疲労性をASTM D2178に準じて調べたところ、屈曲寿命は2×107回と耐久性のあるものであった。
【0067】
実施例13
ヒートプレス機を用い実施例12と同じ試験片を圧力200kg・f/cm2、温度370℃の条件で1時間加熱圧縮して高密度PTFEシートをえた。このシートは比重2.20g/cc、厚さ0.47mm、引張強度420kg・f/cm2であった。
【0068】
また、ASTM D2178に準じて測定した屈曲寿命は、2.8×107回という高い値を示した。
【0069】
比較例3
懸濁重合法で製造されたPTFEモールディングパウダーを300kg・f/cm2の圧力で圧縮成形し、370℃で1時間焼結して比重2.15g/ccの高密度のPTFEシート(厚さ0.50mm)をえた。このシートの引張強度は245kg・f/cm2であり、屈曲寿命は2.5×106回であった。
【0070】
実施例14
図2に概略平面図、図3に図2のX−X線概略断面図を示すステンレススチール板1(厚さ0.3mm)に孔2(直径2mm)を約8〜10mm間隔で開け、孔2の周囲に突起3(高さ約1mm)を設けた。
【0071】
このステンレススチール板の両面に実施例3でえたPTFE多孔質成形体シート(厚さ約1.6mm)を配置し、約2kg・f/cm2の比較的低い圧力をかけ、突起3を利用してPTFE多孔質成形体シートを固定し、複合化成形体をえた。
【0072】
えられた複合化成形体は取扱い性に優れ、容易に配管継ぎ部のフランジ管に挿入できた。また、30kg・f/cm2の荷重をかけても実質的にPTFE多孔質成形体シートの面積変化は認められなかった。なお、PTFE多孔質成形体シート単独では30kg・f/cm2の荷重で約4.5%面積が拡大した。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、高温高荷重下での耐コールドフロー性に特に優れたPTFE多孔質成形体が提供できる。さらに、圧縮成形後、完全に焼結することにより引張強度、耐屈曲疲労性に優れた高密度のPTFEシートが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPTFE多孔質成形体の物性範囲と従来のPTFE多孔質成形体の物性範囲を示すグラフである。
【図2】本発明の複合化成形体の一実施態様に用いる複合化材料の概略平面図である。
【図3】図2のX−X線概略断面図である。
Claims (6)
- フィブリルで結合された結節を有する内部構造のポリテトラフルオロエチレン多孔質材料からなるガスケットであって、該ガスケットのMTSが3,000〜12,000psiでC.I.が0.02〜0.20g/cc/psiの範囲内にあるポリテトラフルオロエチレンガスケット。
- 前記ガスケットのEBPが5〜16psiの範囲内にある請求項1記載のガスケット。
- 前記ガスケットがシート状であって、二軸延伸されており、かつ、直交する方向のMTSの比が横方向を基準として1.0±0.2の範囲内にある請求項1または2記載のガスケット。
- フィブリルで結合された結節を有する内部構造のポリテトラフルオロエチレン多孔質材料からなる多孔質成形体であり、該成形体のMTSが3,000〜12,000psiでC.I.が0.02〜0.20g/cc/psiの範囲内にあるシート状のポリテトラフルオロエチレン多孔質成形体を含む複合化ガスケットであって、他の層が、緻密な構造のパーフルオロカーボン樹脂シートおよび/または金属もしくはグラファイト製のシートであるポリテトラフルオロエチレン複合化ガスケット。
- フィブリルで結合された結節を有する内部構造のポリテトラフルオロエチレン多孔質材料からなる二軸延伸された多孔質成形体であり、該成形体のMTSが3,000〜12,000psiでC.I.が0.02〜0.20g/cc/psiの範囲内にあり、直交する方向のMTSの比が横方向を基準として1.0±0.2の範囲内にあるシート状のポリテトラフルオロエチレン多孔質成形体を加圧圧縮し、ついでポリテトラフルオロエチレンの融点以上で熱分解温度より低い温度範囲内の温度にて焼成してえられるシート状のポリテトラフルオロエチレン高密度成形体。
- フィブリルで結合された結節を有する内部構造のポリテトラフルオロエチレン多孔質材料からなる二軸延伸された多孔質成形体であり、該成形体のMTSが3,000〜12,000psiでC.I.が0.02〜0.20g/cc/psiの範囲内にあり、直交する方向のMTSの比が横方向を基準として1.0±0.2の範囲内にあるシート状のポリテトラフルオロエチレン多孔質成形体をポリテトラフルオロエチレンの融点以上で熱分解温度より低い温度範囲内の温度にて加圧圧縮してえられるシート状のポリテトラフルオロエチレン高密度成形体。
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