JP3586885B2 - スタッドレスタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、耐摩耗性や耐偏摩耗性と氷雪路走行性能の両立を図ることができるスタッドレスタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近年、氷雪路走行を前提とする冬季用のタイヤとしては、一般にスタッドレスタイヤが使用されている。
【0003】
このスタッドレスタイヤとしては、例えば図6に示すように、タイヤ周方向に連続する主溝等の周方向の溝(11)および該溝(11)と交叉する横溝(12)により画された多数のブロック(13)を含むトレッドパターンを有するものが知られている。通常、ブロック(13)には、氷雪路走行時にスパイク効果を持たせるためのサイプと称する細溝(16)が設けられている。
【0004】
従来、例えば前記のパターンを有するトラック、バス用のスタッドレスタイヤの場合に、ブロックエッジ量を増加させて氷雪路走行性能を向上させる目的で、最小単位のブロック面積を小さく設定し、ブロック数を増加させる傾向にある。例えば図6のように、ショルダー部に位置するブロック(13)を、縦横のスリット(17)により比較的小さいブロック部分(13a)に分断した形状にしている。
【0005】
これによれば、ショルダー部においてブロックエッジが増加するために、氷雪路走行性能は向上するが、その反面、ブロック剛性に欠け、一般路での制動、加速性能や旋回性能が劣る上、耐摩耗性が劣り、偏摩耗が発生し易く、また摩耗が進むにつれて氷雪路走行性能が低下することになった。
【0006】
その対策の一つとして、特に接地圧の高い接地端部のブロック剛性を高くする目的で、トレッドショルダー部に位置するブロックの面積を大きく設定することが考えられている。
【0007】
しかし、冬季用のタイヤの場合には、雪柱せん断力を確保し氷雪路走行性能を向上するために、タイヤ周方向と交叉する横溝を多くする必要があることから、ブロックの大きさは制約され、ショルダー部のブロックについても、あまり大きくすることはできない。
【0008】
そればかりか、ブロックが大きくなりすぎると、トウアンドヒール摩耗が大きく目立ち易くなる。
【0009】
すなわち、ブロックの摩耗状態をみると、走行時のブロックの動きの関係で、走行方向の一端側ほど摩耗が激しく、図7のように、断面ノコギリ刃状に傾斜した摩耗が生じるもので、このブロック(13)の傾斜状態の摩耗をトウアンドヒール摩耗という。ブロックの大きいものほど、耐摩耗性はよいのであるが、トウアンドヒール摩耗(a)は小さいブロック(13)のトウアンドヒール摩耗(b)より大きくなり、見かけの偏摩耗状態が大きく目立つことになる。しかもタイヤの装着位置交換による摩耗矯正により、トウアンドヒール摩耗が解消されてくると、ショルダー摩耗(偏摩耗)が顕著に発生し、また耐摩耗性が悪くなる。
【0010】
したがって、ショルダー部のブロックを比較的大きく設定して、しかもトウアンドヒール摩耗を低減でき、かつブロックエッジ効果を充分に確保できる構成にしなければ、耐摩耗性や耐偏摩耗性と氷雪路走行性能の両立を図ることはできないものである。
【0011】
そこで、本発明者は、上記の性能の両立を図るべく、ブロックの形状や大きさと、スリットやサイプ等の溝との組合せについて種々の研究、検討を行なった結果、次のことを知見するに至った。
【0012】
▲1▼ サイプ(細溝)を入れて、ブロックを前後に分断しても、サイプで分断された前後のブロック部分が、互いに他方の動きを抑制する作用を果し、実質的には前後ブロック部分が一体化して一つのブロックを構成することになるため、トウアンドヒール摩耗は生じるが、ブロックの耐摩耗性は悪化しない。
【0013】
▲2▼ サイプよりも溝幅の大きいスリット(横溝)を入れてブロックを分断すると、スリットで分断されたブロック部分が完全に独立した形になって、最小単位のブロックが小さくなり、耐摩耗性は低下するが、トウアンドヒール摩耗は小さくなる。
【0014】
▲3▼ タイヤのトレッドパターンにおけるタイヤ幅方向の横溝が少なくなると、氷雪路走行性能が悪化する。
【0015】
▲4▼ ブロックを分断しないスリットであると、最小単位のブロックが前後方向には分断されないので、耐摩耗性は悪化しない。
【0016】
本発明は、上記の知見に基いてなしたものであり、ブロックの大小による走行性能や摩耗性、さらにスリットやサイプの特性を考慮して、スタッドレスタイヤにおいて、ショルダー部のブロックを比較的大きく設定した上で、ブロックを分断しないスリットと細溝であるサイプとの組合せにより、耐摩耗性を悪化させることなく、トウアンドヒール摩耗を低減し、氷雪路走行性能を向上させるようにしたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明のスタッドレスタイヤは、タイヤ周方向の溝と、該溝と交叉する横溝により画された多数のブロックを含むトレッドパターンを有するスタッドレスタイヤであって、トレッドパターンにおいて、ショルダー部に位置するブロックは、タイヤ周方向に沿う縦方向幅(A)がタイヤ外周長の1.5〜3.0%、タイヤ幅方向に沿う横方向幅(B)がタイヤ接地幅の19〜28%であり、該ブロックの縦方向の略中央位置における両側部に、ブロックを分断しないように所要間隔を存して対向するスリットが形成されるとともに、該両スリット間の部分に両スリットを連結するようにスリットよりも溝幅の狭いサイプが形成されてなり、前記ブロック両側のスリットの長さ(C),(D)の和(C+D)が、ブロックの横方向幅(B)の50〜85%であり、前記両スリット間のサイプの溝幅(E)が、0.5〜3.0mmであることを特徴とする。
【0018】
前記において、ブロックの縦方向幅(A)が、タイヤ外周長の1.5%未満であると、最小単位のブロックが小さくなり、特に本発明のようにスリットを形成することでブロック面積がさらに小さくなって、耐摩耗性が悪化する。また縦方向幅が3.0%を越えると、ブロックが大きくなって、雪柱せん断力を発生させるタイヤ周方向と交叉する方向の溝数が少なくなり、ブロックエッジ効果が充分に得られず、氷雪路を走行する冬季用タイヤとしての使用には適さない。
【0019】
さらにブロックの横方向幅(B)が、タイヤ接地幅の19%未満であると、耐摩耗性が劣り、ショルダー部の肩落ち摩耗が激しくなり、使用に耐えられない。また横方向幅(B)が28%を越えると、トレッドセンター部に主溝等の周方向の溝を集めざるを得ないため、センター部のブロック形状が小さくなって、センター部での耐摩耗性が悪化するか、あるいは溝面積が小さくなって、冬季用タイヤとしての使用に適さないものとなる。
【0020】
したがって、前記のように、ショルダー部の最小単位のブロックを、前記の縦横の幅寸法の範囲に設定するのがよい。
【0021】
また、ブロック両側のスリットの長さ(C),(D)は、必ずしも同長さである必要はないが、その両長さの和(C+D)が、ブロックの横方向幅(B)の50〜85%であるのが望ましく、また両スリット間のサイプの溝幅(E)は、0.5〜3.0mmであるのが望ましい。
【0022】
すなわち、両スリット長さの和(C+D)が、ブロック横方向幅(B)の50%未満であると、氷雪路走行性能の向上の効果が小さくなり、また85%を越えると、スリットにより前後に画されたブロック部分が独立したブロックに近くなって、耐摩耗性が従来技術なみ、あるいはそれより悪い結果しか得られないことになる。
【0023】
また、前記サイプの溝幅(E)が、3.0mmを越えると、両側のスリットとサイプの連続性のために、ブロックを分断するスリットを形成したことと変らないことになり、分断された前後のブロック部分が互いに独立した挙動となり、他方のブロック部分の動きを抑制する効果が小さく、耐摩耗性が従来技術のタイヤと殆ど変らない結果になる。
【0024】
さらに、このサイプの溝幅については、タイヤ幅方向センター部のブロックのトウアンドヒール摩耗と、タイヤ接地端部のブロックのトウアンドヒール摩耗とを略一致させるように(E)を設定しなければ、タイヤの装着位置交換後のトウアンドヒール摩耗の矯正時において、摩耗速度がセンター部とショルダー部とで異なることになり、センター摩耗あるいはショルダー摩耗による偏摩耗が発生し、その結果タイヤ寿命を縮めることになる。そのため、溝幅(E)を前記のように0.5〜3.0mm、さらに好ましくは0.7〜2.5mmの範囲に設定して、タイヤ幅方向センター部のブロックとタイヤ接地端部のブロックのトウアンドヒール摩耗を略一致させるのがよい。
【0025】
またサイプの深さ(J)は、主溝深さ(K)の50〜80%程度とするのが好適である。すなわち、このサイプがあまり深くなると、クラックが発生し易くなり、また50%未満であると、早期にサイプがなくなってしまい、予期する効果が得られなくなる。
【0026】
なお、ブロック両側のスリットは、その溝幅(F),(G)が前記のサイプよりも大きい横方向の溝を言い、通常、両スリットの溝幅(F),(G)は、4mm以上、好ましくは5mm以上であって、タイヤサイド側のスリットの溝幅(G)は、氷雪路面走行時に着用する滑止めチェーンのくい込みを考慮して、タイヤサイズに応じた滑止めチェーンのリング構成材の直径の50〜150%の範囲、またセンター側のスリットの溝幅(F)は前記溝幅(G)を越えない範囲であるのが好ましい。
【0027】
すなわち、溝幅(F),(G)が、4mm未満になると、予期する雪柱せん断力が低くなり、特に雪路走行性能の向上効果が小さくなり、また前記溝幅(F)が溝幅(G)より大きくなったり、また溝幅(G)がリング構成材の直径より5mm以上大きくなると、これらのスリットにより画される前後のブロック部分が小さくなり耐摩耗性が悪化するので、いずれも好ましくない。
【0028】
また、上記のブロック両側のスリットは、ブロック縦方向の略中間位置に設けるもので、スリットセンターからブロック前後端までの距離(H),(I)の比率(H/I)が0.8〜1.2の範囲に設けるのがよい。すなわち、前記範囲外になると、前後のブロック部分に大小が生じて、両ブロック部分での段差摩耗が発生し易くなり、好ましくない。
【0029】
【作用】
上記した本発明のスタッドレスタイヤによれば、トレッドパターンにおけるショルダー部のブロックは、比較的大きく設定されて、その両側のスリットが中央部に所要の間隔をおいて両側に設けられ、その両スリット間にはサイプが設けられているだけで、スリットによっては分断されていないため、ブロック全体の耐摩耗性がこれによって保持される。しかも両スリット間のサイプのために、前後のブロック部分が相互に他方の動きを規制するように作用し、トウアンドヒール摩耗が生じ難くなる。
【0030】
その一方、両側のスリットおよび両スリット間のサイプのために、これらの溝の部分でもブロックエッジ効果を発揮し、他の横溝とも相俟って充分な雪柱せん断力を発生させることができ、氷雪路走行性能を向上させることができる。
【0031】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基いて説明する。
【0032】
図1は本発明の実施例に係るスタッドレスタイヤのトレッドパターンを略示する展開図であり、図2はショルダー部に位置する最小単位のブロックの拡大図である。なお、タイヤの内部構造は、例えば一般的なラジアル構造をなすものであり、ここでは図示説明を省略する。
【0033】
タイヤのトレッド外周のトレッドパターンは、図1に示すように、タイヤ周方向に連続する複数本(図の場合4本)の主溝(1)と、この主溝(1)からこれに交叉する方向に延びる横溝(2)と、これらの溝により画されたブロック(3)を有しており、これによりパターン形成されている。
【0034】
各ブロックのうち、最外側の主溝(1)より外側のショルダー部に位置する最小単位のブロック(3)は、次のように形成されている。
【0035】
図2に拡大して示すように、ブロック(3)のタイヤ周方向に沿う縦方向幅(A)、タイヤ外周長の1.5〜3.0%の範囲で、またブロック(3)のタイヤ幅方向に沿う横方向幅(B)は、タイヤ接地幅の19〜28%の範囲で、それぞれパターン形状に応じて任意に選択されて、最小単位のブロックとして比較的大きく設定される。。
【0036】
また前記のブロック(3)の縦方向の略中央位置における両側部に、ブロック(3)を分断しないように所要間隔を存して対向するスリット(4a),(4b)が形成されるとともに、該両スリット(4a),(4b)間の部分に両スリット(4a),(4b)を連結するようにスリット(4a),(4b)よりも溝幅の狭いサイプ(5)が形成されている。
【0037】
前記の両スリット(4a),(4b)の長さ(C),(D)は、必ずしも同長さとする必要はないが、その両スリット(4a),(4b)の長さの和(C+D)が、、ブロックの横方向幅(B)に対して50〜85%の長さの範囲となるように適宜設定すればよく、これにより両スリット(4a),(4b)間の部分に横方向幅(B)の50〜15%の間隔を保有させる。
【0038】
このブロック両側のスリット(4a),(4b)のうち、タイヤサイド側のスリット(4a)の溝幅(G)については、4mm以上、好ましくは5mm以上で、かつタイヤサイズに応じて適用される滑止めチェーンのリング構成材の直径の50〜150%の範囲で設定される。なおリング構成材の直径より5mm以上大きくならないように設定される。またセンター側のスリット(4b)の溝幅(F)は4mm以上、好ましくは5mm以上で、前記の溝幅(G)を越えない範囲に設定される。
【0039】
また前記の両スリット(4a),(4b)間のサイプ(5)については、両スリット(4a),(4b)に開口するオープンタイプのサイプであり、その溝幅(E)は、スリット(4a),(4b)の溝幅より小さく、0.5〜3.0mmの範囲、特に好ましくは0.7〜2.5mmの範囲で適宜選択して設定できる。また前記サイプ(5)の溝深さ(J)は、主溝深さ(K)の50〜80%の範囲で設定される。
【0040】
なお本発明において、最小単位のブロック(3)は、上記のように主溝(1)と横溝(2)により画されたブロックのみでなく、前記主溝(1)およびこれよりやや細幅のタイヤ周方向の補助溝(図示せず)等のタイヤ周方向の溝と、図のような横溝(2)あるいはこれよりやや細幅のスリット(図示せず)等のタイヤ周方向に交叉する横溝によって画されたブロック単位をいう。
【0041】
前記の主溝(1)等のタイヤ周方向の溝は、ストレート溝だけでなく、図4のように、ジグザグ状に屈曲した所謂波状の場合もあり、さらに横溝(2)は、タイヤ幅方向に平行方向をなすものに限らず、タイヤ幅方向に傾斜方向をなすものや、一部で折れ曲った溝の場合もある。
【0042】
また、最小単位のブロック(3)の形状としては、図3や図4および図5に例示する形状等、主溝(1)等のタイヤ周方向の溝、および横溝(2)等の横方向の溝の形態によって種々のブロック形状のものがあり、いずれも上記と同様に実施できる。例えばスリット(4a),(4b)の一方もしくは双方を、図3(図4)のように、ブロック(3)外形の傾斜に応じて傾斜させて設けたり、また図5のようにサイプ(5)をジグザグ状に屈曲させて設けることができる。
【0043】
なお、図3(図4)および図5に示すブロック形状等の四角形以外のものの場合、ブロック(3)の縦方向幅(A)および横方向幅(B)は、その平均の寸法を取るものとする。
【0044】
図の(6)は、従来同様にブロック(3)に設けられるサイプであり、クローズドサイプの場合と、オープンサイプの場合とがある。
【0045】
上記のトレッドパターンを有するタイヤであると、ショルダー部に位置するブロック(3)が、図6に示す従来例に比して、最小単位のブロック面積が大きく設定されることになり、特にブロック両側にスリット(4a),(4b)が中央部に所要の間隔を存して対向するよう形成され、両スリット(4a),(4b)間には細溝によるサイプ(5)が設けられているだけで、スリット(4a),(4b)によっては分断されていないため、スリット(4a),(4b)の前後に画されるブロック部分(3a),(3a)がそのまま一体性を保ち、ブロック(3)全体の耐摩耗性がこれによって保持される。
【0046】
しかも両スリット(4a),(4b)間のサイプ(5)のために、前後のブロック部分(3a),(3a)が相互に他方の動きを規制するように作用し、前後のブロック部分(3a)が個別に摩耗することとなって、ブロック全体としてのトウアンドヒール摩耗が生じ難くなる。
【0047】
その一方、両側のスリット(4a),(4b)およびその両スリット間のサイプ(5)のために、これらの部分でブロックエッジ効果を発揮して、氷雪路走行性能を向上させることができる。
【0048】
下記の表1は、図4のパターンを基準形状とするトレッドパターンのタイヤについて、摩耗テストと氷雪路走行性能テストを実施した結果を示している。
【0049】
この表1において、タイプ(a)〜(k)は、いずれもショルダー部のブロック(3)の縦方向幅(A)はタイヤ外周長の1.89%、横方向幅(B)はタイヤ接地幅の22.3%のものとし、そのうちタイプ(a)〜(i)は、ブロック両側に溝幅スリット(4a),(4b)を有し、さらに両スリット間にサイプ(5)を有する場合(請求項1の発明の実施例に対応)を示している。なお前記のスリットの溝幅(G),(F)はいずれも5mmとした。
【0050】
またタイプ(j)は、ブロック両側に前記同様のスリットは有するが、両スリット間にサイプを有さない場合を、またタイプ(k)はスリットおよびサイプの双方を有さない場合を示している。さらにタイプ(m)は、図6に示すトレッドパターンのタイヤによる従来例を示している。
【0051】
各タイヤの内部構造は同条件とし、ショルダー摩耗、耐摩耗性およびトウアンドヒール摩耗については、次のようにして評価した。
【0052】
耐摩耗性
100%乾燥路面を2万km走行させた後、リヤ装着タイヤのトレッド溝の摩耗ミリ当り走行距離を求め、従来例のタイヤ(タイプm)を基準(100)に指数化することにより評価した。
【0053】
トウアンドヒール摩耗
100%乾燥路面を1万km走行させた後、フロント装着タイヤのタイヤ周方向における隣接ブロック間の段差量を測定し、従来例タイヤを基準(100)に指数化することにより評価した。
【0054】
(片側)ショルダー摩耗
100%乾燥路面を1万km走行させた後、フロント装着タイヤにおいて、タイヤ踏面部のセンター領域とショルダー領域の段差を測定するもので、トウアンドヒール摩耗の評価と同一のタイヤにて実施し、メディエイト・センター・メディエイトの各ブロックにアール定規をあて、これを仮想アールとした時、この仮想アールとショルダーブロックとの段差量をショルダー摩耗量として比較し、従来例タイヤを基準(100)に指数化することにより評価した。
【0055】
また氷雪路走行性能については、実車走行による運転者の官能評価とし、従来例を基準(100)として指数で表示した。なお、上記の各評価はいずれも数字が大きいほど評価の良いことを示している。
【0056】
【表1】
【0057】
上記の表1によれば、タイプ(a)〜(i)のいずれの場合も、従来例に比して、トウアンドヒール摩耗および氷雪路走行性能が改善され、中でも両スリットの長さの和(C+D)が、ブロック横方向幅(B)の50%あるいは70%で、サイプの溝幅(E)が0.5mmおよび2.0mmのタイプ(a),(b),(d)および(e)の場合、耐摩耗性の改善の効果も大きいものとなっている。
【0058】
これに対し、両スリットの長さの和(C+D)が、ブロック横方向幅(B)の90%であるタイプ(g)〜(i)の場合、耐摩耗性が従来並であるか、あるいは逆に悪化することになる。また両スリットの長さの和(C+D)が、ブロック横方向幅(B)の50%あるいは70%であっても、サイプの溝幅(E)が3.5mmのタイプ(c)および(f)の場合、耐摩耗性の改善の効果は殆ど得られない。
【0059】
また、スリットおよびサイプの双方を有さないタイプ(k)、およびサイプを有さないタイプ(j)については、いずれもトウアンドヒール摩耗が大きく、また氷雪路走行性能の向上の効果も得られない。
【0060】
したがって、タイプ(a),(b),(d)および(e)で実施するのが、実施上最善である。
【0061】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、比較的大きめのブロックを設定して、ブロックを分断しないスリットを形成し、しかもスリットを連結しブロックを切断するサイプを形成することで、トウアンドヒール摩耗を低減し、耐摩耗性を悪化させることなく、氷雪路走行性能を向上させることができ、両性能の両立を図ることができる。
【0062】
特に、ブロック両側のスリットおよびサイプを、請求項2さらには請求項3のように設定した場合には、耐摩耗性およびトウアンドヒール摩耗の低減の効果を共に向上でき、さらに氷雪路走行性能の向上の効果も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のスタッドレスタイヤのトレッドパターンを略示する部分展開図である。
【図2】同上のショルダー部の最小単位のブロックを拡大して示す略示平面図(a)とタイヤ横断方向の断面図(b)である。
【図3】他の最小単位のブロックの例を示す平面図である。
【図4】前図のブロックを備えるトレッドパターンを略示する一部の展開図である。
【図5】他のトレッドパターンを略示する一部の展開図である。
【図6】従来のトレッドパターンを例示する一部の略示展開図である。
【図7】トウアンドヒール摩耗の説明図である。
【符号の説明】
(1) 主溝
(2) 横溝
(3) ブロック
(4a),(4b) スリット
(5) サイプ
(A) 縦方向幅
(B) 横方向幅
(C),(D) 両スリットの長さ
(E) サイプの溝幅
(F),(G) スリットの溝幅
(J) サイプの深さ
Claims (2)
- タイヤ周方向の溝と、該溝と交叉する横溝により画された多数のブロックを含むトレッドパターンを有するスタッドレスタイヤであって、
トレッドパターンにおいて、ショルダー部に位置するブロックは、縦方向幅(A)がタイヤ外周長の1.5〜3.0%、横方向幅(B)がタイヤ接地幅の19〜28%であり、該ブロックの縦方向の略中央位置における両側部に、ブロックを分断しないように所要間隔を存して対向するスリットが形成されるとともに、該両スリット間の部分に両スリットを連結するようにスリットよりも溝幅の狭いサイプが形成されてなり、前記ブロック両側のスリットの長さ(C),(D)の和(C+D)が、ブロックの横方向幅(B)の50〜85%であり、前記両スリット間のサイプの溝幅(E)が、0.5〜3.0mmであることを特徴とするスタッドレスタイヤ。 - ブロック両側のスリットのうちタイヤサイド側のスリットの溝幅(G)は、4mm以上であって、雪路走行用の滑止めチェーンのリング構成材の直径の50〜150%であり、センター側のスリットの溝幅(F)は、4mm以上であって、他方のスリットの溝幅(G)を越えない範囲に設定されてなる請求項1に記載のスタッドレスタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09158094A JP3586885B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | スタッドレスタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09158094A JP3586885B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | スタッドレスタイヤ |
Publications (2)
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