JP3589314B2 - ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびこれから成形されるタンク類、チューブ類等の成形品に関する。さらに詳しくは、ポリアミド樹脂の特徴である耐ガソリン性、耐オイル性には優れ、かつ弾性率が低く、耐熱性、耐薬品性、成形性(離型性)等に優れる成形物の製造に有用な物であり、ガソリンチューブ、ホース、パッキン、カム、ギヤー等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリマーブレンドの研究が進歩し、高衝撃性などを有する種々の多成分系樹脂組成物が開発されている。一般にポリアミド樹脂にオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマーを配合させたものは、高衝撃ナイロンあるいは低吸水ナイロンとして知られ、たとえば、ナイロン/ポリプロピレン、ナイロン/ABS、ナイロン/ポリプロピレン系ゴムなどがある。
【0003】
また、ポリアミド樹脂を低弾性化するために、ハードセグメントにポリアミド(NT6、NT12、芳香族ポリアミド)、ソフトセグメントとしてポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、脂肪族ポリエステルジオールをブロック共重合したポリアミドエラストマーやポリアミドウレタン共重合体が知られているが、これらは低弾性率化は可能であるが、耐熱性、耐油性、耐ガソリン蒸気透過性に関しては必ずしも満足出来るものが得られていない。
一方、ポリアミドに熱可塑性ポリウレタンを配合することも提案されているが、低弾性化のためには熱可塑性ポリウレタンを多量配合する必要があり、その場合、熱可塑性ポリウレタンがマトリックスになり、熱可塑性ポリウレタン樹脂の欠点である耐ガソリン蒸気透過性、耐油性、耐加水分解性、成形性(離型性)等が極度に低下するという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するため、つまり多量の熱可塑性ポリウレタンをポリアミド樹脂に配合しても、多量の熱可塑性ポリウレタンが常に分散相となるような組成物を得るために鋭意検討した結果、遂に本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)の合計を100重量部として、ポリアミド樹脂(A)の配合量が60〜20重量部、熱可塑性ポリウレタン(B)の配合量が40〜80重量部であるポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)を含有する下記式(1)を満足する樹脂組成物であり、かつ前記ポリアミド樹脂(A)が連続相を、熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)が分散相を形成し、該組成物のASTM D−638に準じて測定した引張弾性率が7,000kg/cm2 以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物である。
【数2】
Figure 0003589314
〔式中、MFR(A)は、加工時における加工温度のポリアミド樹脂(A)のMFR値を、MFR(B)は、加工時における加工温度の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)のMFR値を、φA は、ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)の合計100重量部に対するポリアミド樹脂(A)の重量部を示す〕
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するため、つまり多量の熱可塑性ポリウレタンをポリアミド樹脂に配合しても、これらのポリマーが常に分散相となるような組成物を得るために鋭意検討した結果、遂に本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)を含有する組成物であって、前記ポリアミド樹脂(A)が連続相を、熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)が分散相を形成し、該組成物の引張弾性率が7,000kg/cm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)を含有する組成物であって、前記ポリアミド樹脂(A)が連続相を、熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)が分散相を形成し、かつ下記式(1)を満足することを特徴とするポリアミド樹脂組成物である。
【0006】
【数2】
Figure 0003589314
〔式中、MFR(A)は、加工時における加工温度のポリアミド樹脂(A)のMFR値を、MFR(B)は、加工時における加工温度の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)のMFR値を、φA は、ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)の合計100重量部に対するポリアミド樹脂(A)の重量部を示す〕
【0007】
本発明における(A)成分であるポリアミド樹脂とは、半結晶性樹脂と非晶性樹脂を含み、一般にナイロン樹脂と言われているものを使用することができる。なおポリアミド樹脂は炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と炭素数4〜14のジアミンとを等モル量で縮合させることによって製造され、過剰にジアミン又はジカルボン酸を用いてポリアミドの末端がカルボキシル基よりアミン基過剰となるようにしても良いしその反対であってもよい。具体的には、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6ナイロン)、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6ナイロン)、ポリヘキサメチレンアセラミド(6,9ナイロン)及びポリヘキサメチレンドデカノアミド(6,12ナイロン)、ラクタムの開環で製造されるポリアミド、即ちポリカプロラクタム(6ナイロン)、ポリラウリンラクタム(12ナイロン)、ポリ−11−アミノ−ウンデカン酸(11ナイロン)、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミドを含む。また本発明では上記重合体の2種以上の共重合体であっても良い。又は上記重合体の2種のブレンド物又は2種以上のブレンド物であっても良く、これらに限定されるものではない。
【0008】
なお、本発明においては、ポリアミド樹脂の融点が210℃以下のポリアミド樹脂が好ましく、6ナイロン、6,6ナイロンを基本とする共重合ポリアミド樹脂が特に望ましい。このようなポリアミド樹脂として、6/6,6共重合ナイロン、6/12共重合ナイロン、6,6/12共重合ナイロン、6/MXD−6共重合ナイロン、6,6/MXD−6共重合ナイロン等が例示される。なおポリアミド樹脂の融点を210℃以下にする理由としては、ポリアミド樹脂を連続相(マトリックス)とし熱可塑性ポリウレタン樹脂を分散相(ドメイン)とするポリマーアロイ化する場合、ポリウレタンの溶融粘度をポリアミド樹脂に比べ出来るだけ高くする必要があるが、ポリウレタン樹脂は加工温度に対する溶融粘度の依存性がポリアミド樹脂に比べ非常に変化し易いため、両者の溶融粘度差をつける場合(ポリウレタンの溶融粘度を高くする)、加工温度は出来るだけ低くする必要がある。またポリウレタン樹脂は加工温度が210℃前後以上になれば急激に分解がおこり、溶融粘度が極度に低下しポリウレタン樹脂がマトリックスになり目的とする樹脂特性(耐ガソリン蒸気透過性、耐熱性等)を得ることが困難となるためである。
【0009】
次に本発明で用いられる(B)成分である熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、有機イソシアネートと活性水素化合物の重付加反応によって生成するポリウレタン結合を有するポリマーであり、ジイソシアネートとポリオールを原料とし、さらに鎖延長剤によって合成されるブロックコポリマーであり、組合せにより種々の特性を持ったポリマーが得られる。熱可塑性ポリウレタン樹脂の構造は平均分子量300〜6,000のポリメリックグリコールから成るソフトセグメントとハードセグメントを構成する単分子鎖延長剤と炭素数4〜21のジイソシアネートから成り、ソフトセグメントのポリオールの種類によりポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系に大別でき、本発明においてはポリエステル系、ポリカーボネート系が好ましい。
【0010】
ポリエステル系としては、酸成分として炭素数4〜21の脂肪族飽和ジカルボン酸、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸などがあり、芳香族ジカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などがあり一般的にはアジピン酸がよく使用されている。ジオール成分として炭素数2〜21の脂肪族あるいは脂環式化合物で、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール、メチルペンタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等があり、一般的にはブタンジオールがよく使用されている。それらのエステル系の重合体、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリメチルペンタンアジペート、ポリノナンアジペート、ポリノナンイソフタレート及びそれらの共重合物等があり、一般的にはポリブチレンアジペートがよく使用されている。その他ポリエステル系としてポリカプロラクトン使用等のラクトン系、ポリ炭酸系がある。またポリエーテル系としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等がよく用いられている。なお鎖延長剤としては炭素数2〜21の脂肪族あるいは脂環式化合物のジオールが用いられており、一般的にはブタンジオールがよく使用されている。
【0011】
熱可塑性ポリウレタンの硬度(ショアA)は60〜100前後のものがあるが、本発明組成物は弾性率を低くすることを目的の一つとしているため使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂の硬度は低い方が良く、好ましくは90A以下のものを使用するのが良い。また熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度は高い(MFR値は低い)方がよく、その理由はポリアミド樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂をポリマーブレンドによるアロイ化しポリアミド樹脂をマトリックス化する場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂の溶融粘度はポリアミド樹脂の溶融粘度より高い方が有利であるためである。熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度を高くする方法としては分子量を高くするとか、部分架橋させる方法等を採用することができる。
【0012】
熱可塑性ポリウレタン樹脂はポリアミド樹脂との相溶性が良いため、相溶化剤とか熱可塑性ポリウレタン樹脂を変性させる必要はないが、相溶性改良の必要性が生じた場合、公知の方法、例えば無水マレイン酸に代表される不飽和ジカルボン酸又はその無水物等で熱可塑性ポリウレタンを酸変性して活用してもよい。
【0013】
本発明では、(A)成分および(B)成分が下記式(1)を満足することが必要である。
【数3】
Figure 0003589314
【0014】
〔式中、MFR(A)は、加工時における加工温度の(A)成分のMFR値を、MFR(B)は、加工時における加工温度の(B)成分のMFR値を、φA は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対する(A)成分の重量部を示す〕ここでMFR値は、下記の条件下、JIS K 7210の規定に準じて測定した値である。
荷重:2160g
測定温度:樹脂組成物の加工温度、すなわち(A)成分の融点より10〜15℃高い温度
本発明においては(A)成分と(B)成分の重量比およびMFR値を、前記式(1)を満足するように調整すれば、たとえ(B)成分の組成物中に占める重量比が大きくなっても、常にポリアミドが連続相となるので、優れた耐ガソリン性、耐オイル性を保ちつつ柔軟な成形物を提供することができる。
【0015】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、各種用途、目的に応じて強化剤、結晶核剤、離型剤、難燃剤、光または熱安定剤、可塑剤、静電防止剤、着色剤などを添加することができる。強化剤としては、繊維状強化剤、フィラー状強化剤などがあり、繊維状強化剤としては炭素繊維、ガラス繊維など、フィラー状強化剤としてはタルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、各種ウィスカー、シリカ、カオリン、モンモリロナイト、クレーなどが挙げられるが、これらに限定されない。強化剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約50重量部まで添加することができる。
【0016】
結晶核剤としては、タルク、クレー、炭化カルシウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、アルミナ、微粉砕ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。結晶核剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約3重量部まで添加することができる。
【0017】
離型剤としては、ステアリン酸の金属塩、モンタン酸ワックスの金属塩、ステアリルアルコール、シリコンオイルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではい。離型剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約2重量部まで添加できる。
【0018】
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤など、特に制限なく使用できる。なかでもハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの混合物が好ましい。ハロゲン系難燃剤として、ブロム化ポリスチレン、ポリブロモジフェニールエーテル、高分子臭素化エポキシ樹脂などが挙げられ、非ハロゲン系難燃剤としてはメラミンシアヌレート、赤リンなどが挙げられる。難燃剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約35重量部まで添加することができる。
【0019】
光あるいは熱安定剤としては、カーボンブラック、ハロゲン化銅とハロゲン化カリウムの混合物、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール系安定剤、ベンゾフェノン系安定剤、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。光あるいは熱安定剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約4重量部まで添加することができる。
【0020】
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ベンジル、フタル酸ブチルベンジル、炭化水素油、N−n−ブチルベンゼンスルホン酸アミド、o−トルエンエチルスルホンアミド、p−トルエンエチネスルホンアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。可塑剤の添加量は、ポリアミド樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂の合計量100重量部に対し、約40重量部まで添加することができる。
【0021】
本発明のポリアミド樹脂組成物を得る方法としては、特定の制限はなく、すなわち常用の混合装置、たとえばローラニーダー、バンバリーミキサー、単軸あるいは多軸スクリュー押出機などを用いて、ポリアミド樹脂(A)の融点より約5℃以上高い温度で混練り、成形すればよい。
【0022】
以上、かかる構成よりなる本発明組成物は、通常の成形方法、例えば射出成形、押し出し成形方法等により、特に耐ガソリン性、耐オイル性が要求されるガソリンタンク、オイルタンクなどのタンク類、ガソリンチューブなどのチューブ類として好適に成形され、利用される。また、家電、雑貨、自動車などに使用される部品のなかで吸水寸法変化が問題視される用途にも好適に利用される。さらに、塗装など良好な装飾性が求められるスキーブーツ、ホイールキャップ、バンパー、エンブレムなどにも好適に利用される。これらの成形品の製造方法に特別の制限はなく、自体既知の方法によって成形される。
【0023】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例に挙げられた各種の物理特性および試験結果は、以下のようにして測定した。
・MFR値:JIS K7210に準じた(測定条件:荷重2160g)。
・硬度(ショアA):ASTM D−2240に準じた。
・引張弾性率:ASTM D−638に準じた。
・マトリックスの判定、分散相の粒径:JIS3号引張ダンベルの流れ方向断面形態をRuO4 .PTA染色超薄切片法により透過型電子顕微鏡(×10,000)を使用して判定した。
【0025】
・耐ガソリン蒸気透過性:
(A)試験片(薄膜)の作成方法
シンジー式SF型油圧プレス(神藤金属工業所製)を、試験すべき組成物を構成するポリアミド樹脂の融点より15℃高い温度に設定する。
試験すべき組成物のペレットまたは成形品を厚さ0.2mmの型枠に入れ、テフロンシートではさみ、これを鉄板ではさむ。
これを上記プレス機に入れ(圧力はかけない)1分間保持し、エア抜きをしながら徐々に圧力をかけ、100Kg/cmにする。
加圧状態を10秒程度保持した後、圧力を取り除き、厚さ0.2mmの薄膜(試験片)を得る。
(B)耐ガソリン蒸気透過性(g・mm/m・日・atm)
真鍮製容器にガソリンを内容積の約2/3入れ、試験片で密閉し、ネジで固定する。これを40±1℃にコントロールされたオーブン中で、4日間放置し、その後、減少したガソリン重量を測定し、ガソリン蒸気透過性を式(2)により算出した。
【化4】
Figure 0003589314
〔式(2)中、Dは耐ガソリン蒸気透過性(透過係数)を、tは試験片のフィルム厚(mm)を、Qはガソリン重量の減少量(g/日)を、Sはガソリン蒸気に接している試験片の面積(m)を示す。なおtはノギスを使用して小数点以下2桁まで測定する。Qは小数点以下3桁まで測定した。〕
【0026】
・耐加水分解性:JIS3号引張ダンベルを使用し95℃温水60日間浸漬後引張ダンベル中の吸水率を除去する目的で80℃×2日間真空乾燥し水分を除去後初期強度に対する保持率(%)で評価した。
○印:保持率50%以上
×印:保持率50%未満
・離型性:下記の射出成形機を使用し、成形品の金型離型のし易さの評価を行なった。使用成形機=日精樹脂工業 FS−75型、射出時間=10sec 、冷却時間=変更、シリンダー設定温度=ポリアミド樹脂の融点より10℃高い温度 金型温度=室温、成形品形状=平板(100mm ×100mm ×2mm サイドガード)
離型性の判定
○印:冷却時間10sec 以内でなんの問題もなく連続成形が可能
×印:冷却時間10sec 以内では離型不良起因によるツキ出しピンデ成形品が変形したり離型不可が生じ連続成形ができない。
【0027】
実施例1〜20、比較例1〜15
表1〜表5に示すポリアミド樹脂〔(A)成分)〕と、熱可塑性ポリウレタン〔(B)成分)〕を、表1〜表4に示す重量比で各々配合し、30mm軸押出し機(池貝鉄工)を用いて、実施例1〜8および比較例1〜10では、(A)成分の融点(190℃)より10℃高い温度で、実施例9〜12および比較例11〜13では表3に示す温度で、また実施例13〜16および比較例14、15では200℃で、それぞれ混練・加工した。なおスクリュー回転数は、80rpmで実施した。但し実施例17〜20は実施例5と同様にして組成物を得た。
得られた組成物をそれぞれ押出し機より吐出し、水槽で冷却後、カッターで切断して、80℃×16HR真空乾燥し、2mm×2mmのペレットに成形し、それぞれのペレットの各物性を測定した。その結果を表1〜表5に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003589314
【0029】
【表2】
Figure 0003589314
表2中
PA:6/6,6共重合ナイロン、融点190℃
TPU:(T−1080):ポリエステル型のカプロタイプの熱可塑性ポリウレタン(大日本インク(株)、パンテックスT−1080)表面硬度80A、MFR=11g/10分(200℃)
(E−580F):ポリエステル型カプロタイプの熱可塑性ポリウレタン(武田バデッシュ(株)、エラストランE580F)表面硬度80A、MFR=3.1g/10分(200℃)
【0030】
【表3】
Figure 0003589314
Figure 0003589314
【0031】
【表4】
Figure 0003589314
【0032】
【表5】
Figure 0003589314
【0033】
【発明の効果】
表1〜5より明らかなように、ポリアミド樹脂が連続相を形成している本発明組成物は、耐ガソリン透過性および離型性が良いことが判る。なおポリアミド樹脂を連続相にするには、各々の配合量、MFR比、樹脂の種類など、種々の要因があり、引張弾性率を低くするには熱可塑性ポリウレタンの表面硬度の影響していることが判る。
以上かかる構成よりなる本発明組成物は、低弾性率で、優れた耐ガソリン蒸気透過性を有しているので、例えばガソリンホースとして使用する場合、その接合部に特別のカップラーを必要とせずに接合できるなど様々な利点があり、産業界に寄与すること大である。

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)の合計を100重量部として、ポリアミド樹脂(A)の配合量が60〜20重量部、熱可塑性ポリウレタン(B)の配合量が40〜80重量部であるポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)を含有する下記式(1)を満足する樹脂組成物であり、かつ前記ポリアミド樹脂(A)が連続相を、熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)が分散相を形成し、該組成物のASTM D−638に準じて測定した引張弾性率が7,000kg/cm2 以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
    Figure 0003589314
    〔式中、MFR(A)は、加工時における加工温度のポリアミド樹脂(A)のMFR値を、MFR(B)は、加工時における加工温度の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)のMFR値を、φA は、ポリアミド樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)の合計100重量部に対するポリアミド樹脂(A)の重量部を示す〕
  2. ポリアミド樹脂(A)の融点が210℃以下である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物から成形される成形品。
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