JP3592017B2 - 有機化合物、その重合体および有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な有機化合物およびその重合体、さらに発光物質からなる発光層を有し、電界を印加することにより印加エネルギーを直接光エネルギーに変換できる有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機材料の電界発光現象は1963年にポウプ(Pope)等によってアントラセン単結晶で観測され(J.Chem.Phys.38(1963)2042) 、1965年にヘルフィンチ(Helfinch)とシュナイダー(Schneider)は注入効率の良い溶液電極系を用いて比較的強い注入型EL(エレクトロルミネッセンス)の観測に成功している(Phys.Rev.Lett.14( 1965) 229)。
【0003】
以来、米国特許第3,172,862号、同第3,173,050号、同第3,170,167号、J.Chem.Phys.44(1966)2902、J.Chem.Phys.50(1969)14364、J.Chem.Phys.58(1973)1542、あるいはChem.Phys.Lett.36(1975)345等に報告されている様に、共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共役の有機活性化剤とで有機発光性物質を形成した研究が行われた。しかしそれらの有機発光性物質は何れも1μm以上をこえる厚さを持つ単一層として存在し、発光には高電界が必要であった。この為、真空蒸着法による薄膜素子が研究された(例えばThin Solid Films 94(1982)171、Polymer 24(1983)748、J.Appl.Phys.25(1986)L773)。しかし薄膜化は駆動電圧の低減には有効であったが、実用レベルの高輝度の素子を得るには至らなかった。
【0004】
しかし近年、タングス(Tangs)らは(Appl.Phys.Lett.51(1987)913或いは米国特許第4,356,429号)陽極と陰極との間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高輝度を実現した。この種の積層型有機ELデバイスはその後も活発に研究され、例えば特開昭59−194393号公報、米国特許第4,539,507号、米国特許第4,720,432号、特開昭63−264692号公報、Appl.Phys.Lett.55(1989)1467、特開平3−163188号公報等に記載されている。
【0005】
積層型有機EL素子の作成には、一般に真空蒸着法が用いられているが、キャスティング法によってもかなりの明るさの素子が得られる事が報告されている(第50回応物学会学術講演会予稿集1006(1989)及び第51回応物学会学術講演会予稿集1041(1990)等)。
【0006】
更には、ホール輸送化合物としてポリビニルカルバゾール、電子輸送化合物としてオキサジアゾール誘導体及び発光体としてクマリン6を混合した溶液から浸漬塗布法で形成した混合1層型EL素子でもかなり高い発光効率が得られる事が報告されている(第38回応物関係連合講演会予稿集1086(1991))。上述のように有機ELデバイスにおける最近の進歩は著しく、広汎な用途の可能性を示唆している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、それらのEL素子の研究の歴史はまだ浅く、その材料研究やデバイス化への研究は十分なされていない。現状ではEL素子の更なる高輝度の光出力や発光波長の多様化等の問題も未だ十分に解決されていない。また、EL素子の発光性能、特に発光効率が不十分であり、更なる改良検討が望まれている。
【0008】
本発明者等はそれらに鑑み、高輝度の光出力をもたらす新規で有用な有機化合物、その重合体及びそれらを利用した有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1は、下記の構造式(1)で示されることを特徴とする有機化合物である。
【化29】
また、本発明は、前記構造式(1)で示される有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記構造式(1)で示される有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0010】
本発明の第2は、下記の構造式(2)で示されることを特徴とする有機化合物である。
【化30】
また、本発明は、前記構造式(2)で示される有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記構造式(2)で示される有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0011】
本発明の第3は、下記の構造式(3)で示されることを特徴とする有機化合物である。
【化31】
また、本発明は、前記構造式(3)で示される有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記構造式(3)で示される有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0012】
本発明の第4は、下記の構造式(4)で示されることを特徴とする有機化合物である。
【化32】
また、本発明は、前記構造式(4)で示される有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記構造式(4)で示される有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が前記重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記の構造式(1)〜(4)表される新規な有機化合物、およびその重合体である。
なお、本発明を、下記一般式(1)で表される有機化合物、あるいはその重合体である一般式(2)で表される重合体を参考に示して説明する。
【0019】
【化33】
(式中、R1 は水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、R2 は
【0020】
【化34】
又はX−Arlを表す。XはNH、O又はSを表し、Arlは置換もしくは無置換の炭素環式芳香環又は置換もしくは無置換の複素環式芳香環を表す。)
【0021】
【化35】
【0022】
(式中、R1 ,R2 は上記と同様の基を表す。mは2〜3000を表す。)
【0023】
また、本発明は、陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が下記の一般式(1)で表される有機化合物あるいは一般式(2)で表される重合体の少なくとも1種を含有することを特徴とする有機電界発光素子が極めて好適である事を見出し本発明に至った。
【0024】
【化36】
(式中、R1 ,R2 は上記と同様の基を表す。)
【0025】
【化37】
【0026】
(式中、R1,R2は上記と同様の基を表す。mは2〜3000を表す。)
【0027】
本発明の上記の一般式(1)で表される有機化合物、あるいは一般式(2)で表される重合体において、式中のR2 は下記の構造からなる群から選択されるものが好ましい。
【0028】
【化38】
【0029】
【化39】
【0030】
【化40】
【0031】
(式中、R3、R4は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R3とR4は同一か又は異なっていてもよい。R5、R6は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R5とR6は同一か又は異なっていてもよい。R7は炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基又はアルキル置換フェニル基を表す。XはNH、O又はSを表す。
【0032】
Ar2は
【0033】
【化41】
を表す。
【0034】
Ar3は
【0035】
【化42】
を表す。R8 は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。)
【0036】
次に、本発明の一般式(1)で表される有機化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0037】
【化43】
【0038】
【化44】
【0039】
【化45】
【0040】
【化46】
【0041】
また、本発明の一般式(1)で表される有機化合物あるいは一般式(2)で表される重合体は、構造によりホール輸送性あるいはエレクトロン輸送性のいずれかあるいは両方の性質を有し、前記一般式(1)で示される有機化合物あるいは一般式(2)で表される重合体を必要に応じて2種類以上使用してもかまわない。
【0042】
一般式(1)で表される有機化合物は、下記の反応により製造することが出来る。
【0043】
【化47】
【0044】
一般式(2)で表される重合体は、例えば溶媒中に、上記の一般式(1)で表される有機化合物をアゾ系や有機過酸化物系等の重合開始剤と共に加え、不活性ガス下で加熱することによって得られる。
【0045】
一般式(2)で表される重合体の重合度mは2〜3000であり、好ましくは5〜2000で、数平均分子量(Mn)は置換基の種類により異なるので一律ではないが、好ましくは2000〜50万、より好ましくは3000〜20万の範囲のものが望ましい。重量平均分子量(Mw)も置換基の種類により異なるので一律ではないが、好ましくは2000〜100万、より好ましくは3000〜40万の範囲のものが望ましい。
【0046】
上記の重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した分子量分布のピーク位置における値から、標準試料により作製された検量線を用いて算出された平均分子量より計算される値である。
【0047】
以下、図面に沿って本発明を更に詳細に説明する。
図1は本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。同図1は、基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成の有機電界発光素子である。ここで使用する有機電界発光素子は、発光層3にそれ自体でそれぞれホール輸送性、エレクトロン輸送性及び発光性の性能を有する化合物3者を混合したり、それら3者の内2つ以上の性能を有する化合物(例えば、エレクトロン輸送性と発光性の両性能を有する化合物とホール輸送性を有する化合物とを混合して)使う場合に有用である。
【0048】
図2は本発明の有機電界発光素子の他の例を示す概略断面図である。同図2は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、エレクトロン輸送層6及び陰極4を順次設けた構成の有機電界発光素子である。発光層3aは、ホール輸送層5およびエレクトロン輸送層6から構成される。この場合は、ホール輸送性かあるいはエレクトロン輸送性のいずれかを有している材料をそれぞれの層に用い、いずれかの材料が発光性を有し、例えば、ホール輸送性発光材料の場合には発光性の無い単なるエレクトロン輸送性物質と、またエレクトロン輸送性発光材料の場合には発光性の無い単なるホール輸送性物質とを組合せて用いる場合に有用である。
【0049】
図3は本発明の有機電界発光素子の他の例を示す概略断面図である。同図3は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3b、エレクトロン輸送層6及び陰極4を順次設けた構成の有機電界発光素子である。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、エレクトロン輸送性、発光性の各特性を有した物質が適時組み合わせて用いられ,極めて材料の選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の物質が使用できるため、発光色相の多様化が可能となる。また更に中央の発光層にホールとエレクトロン(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて発光効率の向上を図ることも可能になる。
【0050】
本発明の一般式(1)で表される有機化合物あるいは一般式(2)で表される重合体は、いずれも極めて発光特性の優れた化合物であり、必要に応じて図1、図2および図3のいずれの形態でも使用することが可能である。例えば、図1においては、本発明の1−4や1−6で表される有機化合物をホール輸送体に、表2の(18)の化合物をエレクトロン輸送性発光体として用い、両者を混合して発光層3を形成させ、また図2においては、1−4や1−6で表される有機化合物やその重合体をホール輸送体としてホール輸送層5に、表2の(18)の化合物をエレクトロン輸送性発光体としてエレクトロン輸送層6に用いて発光層3aを形成させ、また図3においては、1−4や1−6で表される有機化合物やその重合体をホール輸送体としてホール輸送層5に、1−14の化合物をエレクトロン輸送体としてエレクトロン輸送層6に、発光体として表1の(12)の化合物を用いて発光層3bを形成させて有機電界発光素子を形成する等の様に使用することができる。
【0051】
本発明の有機電界発光素子においては、必要に応じて、上記の様に一般式(1)で表される有機化合物あるいは一般式(2)で表される重合体と、電子写真感光体分野等で研究されているホール輸送性化合物やこれまで知られているホール輸送性発光体化合物(例えば、下記の表1に示される化合物等)、あるいはエレクトロン輸送性化合物やこれまで知られているエレクトロン輸送性発光体化合物(例えば、下記の表2に示される化合物)を一緒に使用する事も出来る。
【0052】
【化48】
【0053】
【化49】
【0054】
【化50】
【0055】
【化51】
【0056】
【化52】
【0057】
【化53】
【0058】
【化54】
【0059】
【化55】
【0060】
本発明の一般式(1)で表される有機化合物を用いた有機電界発光素子は、一般には真空蒸着あるいは適当な結着剤と組み合わせて薄膜を形成する。
また、本発明の一般式(2)で表される重合体を用いた有機電界発光素子は、一般には溶液塗工法として知られるディップ法やスピンコート法、その他の方法により薄膜を形成する。
【0061】
その薄膜の有機層の厚みは2μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは10〜300nmに薄膜化する事が好ましい。
【0062】
上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、例えばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独または共重合体ポリマーとして1種類または2種類以上混合して用いても良い。
【0063】
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものが良く、例えば、ニッケル、金、白金、パラジウム、セレン、レニウム、イリジウムやこれらの合金、あるいは酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨウ化銅が好ましい。またポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェニレンスルフィドあるいはポリピロール等の導電性ポリマーも使用出来る。
【0064】
一方、陰極材料としては仕事関数が小さな銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン、インジウム、クロムあるいはこれらの合金が用いられる。
【0065】
また、陽極及び陰極として用いる材料のうち少なくとも一方は、有機電界発光素子の発光波長領域において50%より多くの光を透過する事が好ましい。
また、本発明で用いる透明性基板としては、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0067】
実施例1
p−ヨードニトロベンゼン12.5g、ビス(4−メチルフェニル)アミン6.6gをオルソジクロロベンゼン20mlに溶解し、炭酸カリウム5g、銅粉1.7gを加え、撹拌しながら還流した。還流後、固形物を濾過し酢酸エチルで洗浄後、溶液を濃縮し、メタノールを加えて生じた沈殿を濾過して回収した。これをトルエンから再結晶し、N−(4−ニトロフェニル)−N−ビス(4−メチルフェニル)アミン(化合物(a))の黄色結晶6.1gを得た。
【0068】
次に化合物(a)をエタノール50mlに溶解し、活性炭0.5g、塩化第二鉄六水和物30mg、ヒドラジン一水和物1.9gを加え、撹拌しながら還流した。還流後、放冷し、生じたN−(4−アミノフェニル)−N−ビス(4−メチルフェニル)アミン(化合物(b))の白色針状結晶3.6gを得た。
【0069】
次に、窒素雰囲気下、化合物(b)を乾燥したベンゼン100mlに溶解し、5℃以下に冷却し撹拌しながら、イソプロペニルイソシアネート3.3gを滴下した。化合物(b)が無くなったのを確認後、ベンゼンを減圧留去し、シリカゲルカラムを用いて分離精製し、さらにアセトンから再結晶して、N−(4−メタクリロイルアミノカルボニルアミノフェニル)−N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミンの白色針状結晶(化合物(c))3.0gを得た。
【0070】
化合物(c)の物性を以下に示す。
融点 184℃
元素分析(分子式 C25H25N3 O2 )
計算値:C 75.16%、H 6.31%、N 10.52%
分析値:C 75.02%、H 6.30%、N 10.38%
NMRスペクトル(1H−NMR、CDCl3 )
σ=2.0(s,3H)、2.3(s,6H)、5.6(s,1H)、6.0(s,1H)、7.0〜7.5(m,12H)、9.3(s,1H)、10.6(s,1H)ppm
以上の結果より目的の化合物であることが確認された。
【0071】
実施例2
トリフェニルアミン5.0gを酢酸80mlに加え、撹拌しながら濃硝酸2.4gを滴下後、還流した。原料が無くなったのを確認後、酢酸を減圧留去し、シリカゲルカラムを用いて精製し、N−(4−ニトロフェニル)−N−(ジフェニル)アミン(化合物(d))3.4gを得た。
【0072】
次に、化合物(d)をエタノール30mlに溶解し、活性炭0.28g、塩化第二鉄六水和物17mg、ヒドラジン一水和物1.1gを加え、撹拌しながら還流した。還流後、放冷し、生じたN−(4−アミノフェニル)−N−(ジフェニル)アミン(化合物(e))の白色針状結晶2.0gを得た。
【0073】
次に、窒素雰囲気下で、化合物(e)を乾燥したベンゼン60mlに溶解し、5℃以下に冷却し撹拌しながら、イソプロペニルイソシアネート1.9gを滴下した。化合物(e)が無くなったのを確認後、ベンゼンを減圧留去し、シリカゲルカラムを用いて分離精製し、さらにアセトンから再結晶して、N−(4−メタクリロイルアミノカルボニルアミノフェニル)−N,N−ジフェニルアミンの白色針状結晶(化合物(f))1.8gを得た。
【0074】
化合物(f)の物性を以下に示す。
融点 201℃
元素分析(分子式 C23H21N3 O2 )
計算値:C 74.37%、H 5.70%、N 11.31%
分析値:C 74.18%、H 5.64%、N 11.17%
NMRスペクトル(1H−NMR、CDCl3 )
σ=2.0(s,3H)、5.6(s,1H)、6.0(s,1H)、6.9〜7.4(m,14H)、8.0(s,1H)、10.5(s,1H)ppm
以上の結果より目的の化合物であることが確認された。
【0075】
実施例3〜4
実施例1において、化合物(b)を下記の表3に示す化合物に変えた以外は同様にして目的の化合物(g)〜(h)を得た。
【0076】
【表3】
【0077】
実施例5
実施例1で得た化合物(c)1.5gを乾燥トルエン20mlに加え、アゾビスイソブチロニトリル30.0mgを添加して、窒素雰囲気下60℃で24時間重合反応させた。反応終了時には重合体が析出しており、析出物を濾過し約50℃のアセトンで洗浄後、クロロホルムに溶解させアセトン中へ再沈する操作を3回繰り返し重合体(i)を得た。
【0078】
重合体(i)の物性を以下に示す。
Tg 173℃
分子量(GPC、溶媒THF)
数平均分子量(Mn)/重量平均分子量(Mw)=9300/17100
元素分析(分子式 C25H25N3 O2 )
計算値:C 75.16%、H 6.31%、N 10.52%
分析値:C 75.24%、H 6.25%、N 10.31%
NMRスペクトル(1H−NMR、CDCl3 )
σ=1.2(brd,3H)、1.7(s,2H)、2.5(s,6H),6.9−7.2(brd,12H)、10.0−10.4(brd,1H)ppm
以上の結果より化合物(c)の重合体(j)が得られたことが確認された。
【0079】
実施例6〜8
実施例6において、化合物(c)を下記の表4および5に示す化合物に変えた以外は同様にして目的の重合体(j)〜(l)を得た。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
実施例9
ガラス基板上に設けた酸化錫インジウム(ITO)被膜(膜厚50nm)からなる透明陽極上に、実施例1で得た化合物(c)と表2の化合物(18)を混合してなる発光層(厚さ100nm)、そしてMg/Ag(配合重量比10/1)合金からなる陰極(厚さ500nm)を各々順次真空蒸着により形成し、図1に示すような有機電界発光素子を形成した。
【0083】
この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結び、直流電源を接続し7Vの電圧を印加した所、電流密度3.7mA/cm2 の電流が素子に流れ、1730cd/m2 の発光が確認された。
【0084】
そして、そのままの電流密度(3.7mA/cm2 )を100時間保った所、100時間後でも850cd/m2 の発光が7.6Vの印加電圧で得られた。
【0085】
実施例10〜12
上記実施例9で用いた化合物(c)の代わりに、下記の表6に示す化合物を用いた他は実施例9と同様に有機電界発光素子を作成した。
そして、それらの得られた素子に、電流密度3.7mA/cm2 の電流を100時間流した。その時の結果を以下の表6に示す。
【0086】
【表6】
【0087】
実施例13
ガラス基板上に設けた酸化錫インジウム(ITO)被膜(膜厚50nm)からなる透明陽極上に、実施例5で得た重合体(i)のクロロホルム溶液からスピンコート法で形成したホール輸送層(厚さ50nm)、そして表2の化合物(18)からなるエレクトロン輸送性発光層、Mg/Ag(配合重量比10/1)合金からなる陰極(厚さ500nm)を各々真空蒸着により形成し、図2に示すような有機電界発光素子を作成した。
【0088】
この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結び、直流電源を接続し10Vの電圧を印加した所、電流密度45mA/cm2 の電流が素子に流れ、1560cd/m2 の発光が確認された。
そして、そのままの電流密度(45mA/cm2 )を100時間保った所、100時間後でも780cd/m2 の発光が10.7Vの印加電圧で得られた。
【0089】
実施例14〜16
上記実施例13で用いた重合体(i)の代わりに、下記の表7に示す重合体を用いた他は実施例13と同様に有機電界発光素子を作成した。
そして、それらの得られた素子に、電流密度45mA/cm2 の電流を100時間流した。その時の結果を以下の表7に示す。
【0090】
【表7】
【0091】
実施例17
ガラス基板上に金からなる陽極(厚さ50nm)、実施例6で得られた重合体(j)のクロロホルム溶液からスピンコート法で形成したホール輸送層(厚さ40nm)、そして表2の化合物(24)からなるエレクトロン輸送性発光体層(厚さ60nm)、アルミニウムからなる陰極(厚さ300nm)を各々真空蒸着により形成し、図2に示すような素子を作成した。
【0092】
この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結び、直流電源を接続し10Vの電圧を印加した所、電流密度36mA/cm2 の電流が素子に流れ、470cd/m2 の発光が確認された。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、化合物の構造で、あるいは重合体の高分子の特徴を生かし、ディスプレイ等のオプトエレクトロニクス素子の薄膜形成・大面積化が容易で、かつ高輝度をもたらす新規の有機化合物およびその重合体を得ることが出来る。
また本発明の有機化合物およびその重合体を用いた電界発光素子は、低い印加電圧で極めて輝度の高い発光を得ることができ、且つ耐久性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3,3a,3b 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 エレクトロン輸送層
Claims (16)
- 請求項1記載の有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項1に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項2に記載の重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 請求項5記載の有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項5に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項6に記載の重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 請求項9記載の有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項9に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項11に記載の重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 請求項13記載の有機化合物を重合してなることを特徴とする重合体。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項13に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 陽極及び陰極の間に、一層または複数層の有機物層を挟持してなる有機電界発光素子において、前記有機物層のうち少なくとも一層が請求項15に記載の重合体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
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