JP3599748B2 - 低偏光モード分散特性を持つ光ファイバ - Google Patents

低偏光モード分散特性を持つ光ファイバ Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、予備成形体の溶融端部からファイバが引き抜かれ、次いで該ファイバにトルクが掛けられ、これにより上記ファイバの一部が当該ファイバの長軸の廻りにひねられると共にスピンが付与されるような光ファイバの製造方法にに関する。
又、本発明は保護被覆により囲まれた光学クラッド部により囲まれるようなコア部を備える光ファイバにも関する。特に、本発明は低偏光モード散乱特性を有するような上記形式の光ファイバに関する。
背景技術
偏光モード散乱(PMD)特性とは、光ファイバ(特に単一モードファイバ)中を伝搬する信号の、ファイバのコア部における複屈折の結果としての散乱を指す。このような複屈折は、通常、コア断面の僅かな非真円性、横方向の非対称応力等の不完全さにより生じ、搬送される信号の2つの直交偏光モードに対し非類似な実効屈折率を呈する。PMDのない完全なファイバの場合は、これら2つのモードは共通の速度で互いに独立に伝搬する。しかしながら、PMDが存在する場合は、2つのモードの間でかなり大きな位相差が累積し得る。
PMDに対抗する既知の方法は、予備成形体から引き抜かれる際の暖かいファイバを慎重にひねり、該ファイバが冷却するにつれて機械的スピンが当該ファイバ中に“凍結”されるようにするというものである。ファイバ中の結果としての応力は、搬送される信号の直交偏光モード間に連続したモード結合を生成し、これにより上記2つのモード間での重大な位相遅れの累積を禁止し、結果としてファイバ中のPMDを大幅に低減させる。
冒頭で特定されたような方法は、米国特許第5,298,047号から既知であり、該特許では引き抜かれたファイバが回転軸を傾けることができるプーリ上を通過させ、該プーリが上記回転軸に対して垂直な軸の廻りで前後に揺動し得るようにする。該プーリは円柱状の表面を有し、該表面は両円形端に沿って突出保持フランジにより境界が形成され、運動するファイバはこれらフランジの間を通過する。該プーリの上記揺動運動は、ファイバ中にその長さのかなりの部分に沿ってひねりを生じさせる。特に、このようにしてひねられた暖かいファイバの部分は、これらの部分の構成材料が冷却すると、永久的なひねり(スピン)が付与されることになる。
上記の引用された文献は、ファイバに付与されるスピンは理想的には一定ではない空間周波数を持つということを規定している。このことは、前記プーリを非周期的な方法で前後に傾斜させることにより達成することができる。このようにして、前述した方法は0.5ps/km1/2より小さなPMDを達成することを狙っている。
上記既知の方法は多数の欠点を有している。例えば、前記保持フランジの存在にも拘わらず、運動するファイバは、特に高い引き抜き速度においては、傾斜するプーリから容易に滑脱し得る。この理由により、傾斜角度θ及び傾斜周波数の両方とも比較的小さく維持する必要があり、このことは当該ファイバをひねることができる程度を制限することになる。更に、プーリの傾斜運動は運動するファイバに過度の振動を生じさせ、これが例えば被覆の不正確性につながる。このような問題は、通常、付加的な安定化プーリの助けのみにより軽減することができる。加えて、プーリが非周期的に前後に傾動されねばならないという要件は、通常、例えば電子的乱数発生器により制御されるアクチュエータのような比較的簡単ではない駆動手段を必要とする。
発明の開示
本発明は、上述したような問題を軽減することを目的としている。特に、本発明はファイバが滑脱する危険性が殆どなく、非常に管理され且つ一様な方法でファイバに非常に大きなスピンを付与することが可能な方法を提供することを目的としている。加えて、本発明の目的は、上記のような方法がファイバの厄介な振動を伴うことがないようにすることにもある。更に、本発明の目的は、この新しい方法がファイバに一様な周期的スピンを付与することを許容するようなものであり、それでいて非常に大幅なPMDの低減を達成するようにうすることにある。
これら及び他の目的は、冒頭に述べたような方法において、
前記トルクが、前記ファイバを各々が周曲面を備え且つ2つの異なる回転軸の廻りに相互に反対方向に回転する一対の車輪の間に走行させることにより付与され、
前記各車輪は、前記ファイバがこれら車輪の前記曲面の略接線方向に走行すると共にこれらの車輪の間に押圧されるように配設され、
前記各車輪は前記ファイバに対して略垂直方向に互いに前後に運動して、前記ファイバが前記曲面の間で前後に転動されるようにする、
ことを特徴とすることにより達成される。
ここで使用される「車輪」なる用語は、広い意味で解釈されるべきであり、車輪、円筒、糸巻き、巻わく、ローラ及び円柱等の物品を含むことを意図している。前述した車輪の回転は受動的でも能動的でもよく、言い替えると、該回転は曲面間のファイバの線形運動により引き起こされるものであっても、又は上記車輪の一方が例えばモータにより能動的に駆動されるものであってもよい。後者の場合は、車輪の回転を、ファイバの線形運動を引き起こし、これにより該ファイバを予備成形体から引き抜くように用いることができる。前記車輪が「相互に反対方向に」回転するという規定は、或る方向から見る場合に車輪の一方が時計方向に回転する場合に他方は反時計方向に回転することを意味する。「周曲面」なる用語は、前記車輪の周部の廻りの表面を指し、該表面は当該車輪の回転軸に垂直に描かれた何れの平面で見た場合にも略円形な断面を有する。この面は理想的には円柱的であるが、例えば(部分的に)円錐状又は球状であってもよい。ファイバが上記曲面の間に「押圧」される程度は、前記車輪が前後に移動された場合に該ファイバが滑脱することなく転動されることを保証するに充分であれさえすればよい。前記車輪が「互いに前後に運動される」との要件は、これら2つの車輪の相対運動のみを指し、このような相対運動が固定したフレームに対して一方のみの車輪又は両車輪を運動させて達成されるか否かは選択事項である。
本発明方法の利点は多岐にわたるものである。例えば、
− 運動するファイバは、2つの車輪の曲面の間に押圧されているので、これらの間から滑脱する恐れがない。
− 本発明方法によるファイバの転動は、所望なら、非常に大きな程度にまで該ファイバをひねることができる。例えば、互いに平行な軸の廻りに回転する2つの円柱状車輪の間に押圧された直径250μmの被覆ファイバの場合、上記軸を1.6mmだけ相対的に平行移動させると、当該ファイバの完全な360度のひねりが得られる。
− 前記車輪はファイバとの一様な制御された接触をなすので、本発明による方法はファイバの過度な振動を生じない。
本発明による方法の重要な特徴は、ファイバに付与されるスピンが一定の空間周期を持つか又は不規則であるかに拘わらず、非常に大幅なPMDの低減を達成することができる点にある。当該新規な方法の試験において、発明者は0.033ps/km1/2(ケーブリング後に測定)なる平均PMD値を持つ単一モードファイバを作製したが、この値は前記従来例で引用された0.5ps/km1/2なるモード値より非常に大幅に小さい。参考のため、PMDの低減を何等意図することなく製造された同様なファイバは1ps/km1/2までのPMD値を持つことが分かった。特に、本発明が一定の空間周期を持つファイバのスピンの場合でも上記のような卓越した結果を達成するという事実は大きな利点である。何故なら、該利点はファイバを不規則な態様で(従来例におけるように)ひねるという要件及びそれに伴う複雑な駆動及び自動化を取り除くことができるからである。結果として、本発明方法における車輪の前後運動は一様に周期的であることが許容され、このことは既知の方法に較べて大幅な単純化となる。
ファイバと車輪との間の機械的接触は好ましくは当該ファイバに既に保護被覆が設けられているような点で発生させるようにするとよい。何故なら、この場合当該ファイバが損傷する危険性が最小になるからである。上記のような点でファイバをひねると、予備成形体と車輪との間の当該ファイバの全長において、従って当該ファイバが依然として熱い領域(予備成形体の直ぐ下流)においても、関連したひねりが生じる。従来しばしば見られる保護被覆は、例えば、当該ファイバを被覆槽を介して引き抜き、次いで化学線に曝すことにより設けられる紫外線硬化樹脂、又は当該ファイバをエテン(ethene)等の有機ガスの存在下で加熱することにより設けられる石炭材料等を有している。
本発明は、従来使用されている全てのファイバ用光学材料と組み合わせて有効に適用することができる。これらは、例えば、ドープされているか又はドープされていない天然シリカ、合成シリカ及びプラスチック並びに紫外線硬化アクリル樹脂等の種々の被覆樹脂も含む。
本発明による方法の好ましい実施例は、前記車輪の少なくとも一方の前記曲面が可撓性材料により被覆され、該可撓性材料は前記ファイバの材料よりも軟らかいことを特徴とする。この構成はファイバの上記2つの車輪間での転動を容易にする。何故なら、ファイバと被覆された車輪の曲面との間の良好な摩擦接触が保証されるからである。加えて、上記構成はファイバの表面に対する機械的損傷の危険性を最小化する助けとなる。言うまでもなく、もし所望なら両車輪を上記のように被覆することもできる。ここで、上記のような軟被覆がなくても、ファイバ上に車輪により掛けられる圧力を上昇させることにより補償することができることに注意されたい。他の例として、上記車輪の曲面を適切に粗面化又は形状化することができる。
他の実施例では、前記車輪の少なくとも一方の略全体が前記ファイバの材料よりも軟らかい材料から形成される。
上記2つの段落で述べた実施例に適用する軟性材料の例は、例えば、種々の形式のゴム、プラスチック、織物及びフェルトを含む。このような物質の特定のものは、ウレタンゴム材料VULCALAN K639(フィリップス)である。上記のような物質の他のものは、例えば、ポリプロペン(polypropene)、低密度ポリエテン(polyethene)、PVC、綿リント、ビロード等を含む。
既に前述したように、本発明の方法は製品ファイバに周期的スピン又は非周期的スピンが付与されるか否かに拘わらず卓越した結果を達成する。周期的スピンの場合、当該新規な方法の特別な実施例は、前記各車輪が接続ロッドに回動可能に支承された軸の廻りに各々回転し、前記ロッド自身は前記2つの軸の間に位置する基準点を支点として回動され、前記各軸の前後運動は前記ロッドを前記基準点を支点として前後にてこ運動させることにより達成されることを特徴としている。このような実施例では、上記ロッドは例えば単純なモータを用いて周期的にてこ運動させることができ、このてこ運動の振幅は当該ファイバに施されるひねりの振幅を決定することになる。この特定の方法の好ましい実施例においては、前記ロッド上の一点は、該点をアームを介して駆動輪上の非中心点に接続することにより前後にてこ運動される。この駆動輪の速度は、或るファイバ引き抜き速度で当該ファイバに付与されるスピンの周期に影響し、上記非中心点の半径は当該スピンの振幅を決定する。
本発明方法において車輪間のファイバのひねりが、当該ファイバのこれら車輪と予備成形体との間の部分に如何に関連したひねりを生じさせるかは既に説明した。同様に、ファイバの上記車輪と取り込みリールとの間の部分もひねられる。ひねられたファイバが該取り込みリール上に巻回されるのを防止するために、キャプスタンが上記車輪と取り込みリールとの間のファイバ経路に組み込まれる。このようなキャプスタンは理想的にはファイバが座る周方向のV字状(又はU字状)の溝を有し、ファイバは該キャプスタンに、好ましくは、当該キャプスタンの周のかなりの部分(例えば1/4以上)にわたって接触するものとする。
本発明方法は、発明者が従来知られていた方法を用いては製造することができなかった新規な形式の光ファイバを作製するのに用いることができる。このようなファイバは、保護被覆により囲まれた光学クラッド部により囲まれるようなコア部を備える光ファイバであって、前記ファイバは該ファイバの長軸の廻りに交互に反対方向にスピンを呈すると共に、該スピンの大きさが360度(完全な1回転)となるような少なくとも一つの長さ方向の区画を有していることを特徴としている。このことは、このようなファイバにおける上記スピンの振幅Φが少なくとも360度であることを意味する。これに対して、既知の方法は数(数十)度程度のみの典型的スピン振幅Φを生成するものであることが分かっている。又、発明者は本発明ファイバの特徴であるような大きなスピン振幅が、既知の方法により付与されるもっと小さなスピン振幅よりも大きなPMD低減をもたらすことを見出した。
本発明ファイバにおけるスピンが略全光ファイバに沿う長手方向位置の一様な周期的関数である場合は卓越した結果が得られる。特に、このようなファイバは容易に製造することが可能である。何故なら、この場合に本発明方法において使用される車輪は、一定の周波数で前後に運動することが許容され、且つ、引き抜き操作の全体を通してファイバと接触したままとなり得るからである。
上述した光ファイバの特別な実施例は、前記長さ方向の区画の長さl0が0.33mを越えないことを特徴としている。このことは、ファイバのメートル長当たりのスピンの全回転の数が(回転の方向如何によらず)少なくとも3であることを意味する。発明者は、このようなファイバが非常に低いPMDを示すことを見出した。しかしながら、l0≦0.33mなる条件は満足のゆくPMD低減を得るための厳格な条件ではない。
本発明による方法に使用される車輪は運動するファイバと常に接触している必要はなく、もし所望なら、これら車輪はファイバから規則的な間隔で又は不規則な間隔で引き離され、これによりファイバにひねられていない部分を生じさせるようにしてもよい。他の例として、車輪はファイバと接触したままとするが、これら車輪の前後運動が中断されるようにし、これによりファイバがそれらの間ではもはやひねられないようにするようにしてもよい。言うまでもなく、これら車輪は等しい寸法若しくは形状である、又は同一の材料を有する必要はない。
本発明及びそれが奏する作用効果を、例示的実施例及び添付図面(一様な寸法ではない)により説明する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法により光ファイバを製造する装置の立面図。
第2図は、第1図の装置の一部の平面図。
第3図は、本発明による光ファイバの一部の立面図を示す。
第4図は、第3図の光ファイバの一部の断面図を示す。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
第1図及び第2図は、本発明による方法の特別な実施例に関するもので、該方法を実施するに適した装置の種々の外観を図示している。尚、これらの2つの図において対応する部分には同一の符号が付してある。
第1図は、予備成形体1から光ファイバ7を引き抜く装置の一部を示している。予備成形体1の端部3は電気手段5により溶融状態へと加熱され、ファイバ7が該端部3から線形な速度Vfで引き抜かれる。引き抜かれた場合、上記ファイバはコアと、これを囲む1以上のクラッドとからなることになる。
次いで、ファイバ7は被覆手段9を通過し、ここではファイバ7に保護被覆が設けられる。その後、本発明によれば、ファイバ7は一対の金属車輪11a及び11bの間を走行されるが、これら車輪は2つの別個の回転軸13a及び13bの廻りに各々反対方向に回転する。車輪11a及び11bの各々は、周曲面15a及び15bを各々有し、この場合これら周曲面はVULCALAN K639ゴムの層で被覆されている。このように、車輪11a及び11bはファイバ7が周曲面15a及び15bに対して略接線方向に走行し且つこれらの間で押圧されるように構成されている。
第2図は、特別な実施例による車輪11a及び11bの平面図を示す。この場合、周曲面15a及び15bは円柱状を呈し、円柱軸としての軸13a及び13bを各々有している。車輪11a及び11bは軸17a及び17bの廻りに各々回転可能であり、これら軸は接続ロッド19に対して各支点21a及び21bにおいて回動可能となっている。ロッド19自体も基準点23の廻りに回動可能であて、該基準点はこの場合軸13a及び13bの中間に位置する。
ロッド19の一端は自在継手27を介してアーム25の一端に接続されている。該アーム25の他端は第2の自在継手27を介して駆動輪31上の非中心点29に接続されている。
車輪11a及び11bの各半径並びに軸13a及び13bの離隔は、ファイバ7が曲面15a及び15bの間に押圧されるように、設計される。もし望むならば、このことは軸17a及び17bを互いに向かって押すような弾性手段を用いることにより達成することもできる(しかしながら、このような弾性手段は、曲面15a及び15bの少なくとも一方がゴム層のような可撓性材料を有し、且つ、前記曲面の離隔が正確に設定されるのであれば不要となる)。ファイバ7が曲面15a及び15bの間で押圧されるという事実のお陰で、該ファイバ7の線形運動が車輪11a及び11bの回転を引き起し、これにより車輪11aは時計方向に回転し、車輪11bは反時計方向に回転する(dの方向に見た場合)。言い替えると、車輪11a及び11bの回転は、この場合、受動的である。
駆動輪31が回転するにつれて、アーム25はdの方向に前後に運動される。この結果、ロッド19が基準点23の廻りで前後に梃子運動を行う。この結果、軸17a及び17b、従って車輪11a及び11bが軸13a及び13bに沿って前後に移動される。軸17a及び17bは基準点23の反対側に位置するので、車輪11a及び11bは互いに反対方向に移動される。即ち、車輪11aが方向dに移動する場合は、車輪11bは同時に方向d'に移動するか、又はこれらの逆となる。
ファイバ7は曲面15a及び15bの間に押圧されるので、車輪11a及び11bのこの前後運動は移動中のファイバを曲面15a及び15bに対して前後に転動させ、これにより該ファイバをそれ自身の長軸の廻りにひねらせる。車輪11aが方向dに移動している間にはファイバ7は時計方向(上から見て)にひねられ、一方、車輪11aが方向d'に移動している間にはファイバ7は反時計方向にひねられる。
再び第1図を参照して、車輪11aと11bとの間でのファイバ7の上記ひねりはファイバ7の車輪11a、11bと予備成形体1との間の全長zをひねらせる。特に、ファイバ7の予備成形体1の端部3の直ぐ下流に位置し、且つ、未だ溶融している部分もひねられる。この部分が予備成形体1から更に離れるように移動するにつれて、該部分は冷却し、その材料中のひねりは永久的となり、以下ではこれをスピンと呼ぶ。このことは前記部分が車輪11a及び11bに到達する前に発生する。
ここで第2図に戻って、上記ひねりの振幅Ψ、即ち車輪11a及び11bの間でファイバがひねられる最大角度Ψは、車輪11a及び11bの軸13a及び13bに沿う前後運動の振幅により決まる。直径Dのファイバ7の場合、車輪11a及び11bの軸13a及び13bに沿う相対変位yは次の値を与える。
Ψ=1/2X360y/πD(度)
上記ひねりの空間周期、即ち車輪11a及び11bの一つの完全な前後振動の間に予備成形体1から引き抜かれるファイバ7の長さは、次の値を持つ。
L=vf/f
このように、Ψの値は当該ファイバの1/2Lなる長さにわたって広がることになる。
ファイバ7は予備成形体1の溶融端部3において或る程度回転可能であるので、車輪11a及び11bにより付与されるひねりに応答して一緒に回転する。結果として、スピンの振幅Φ、即ち当該ファイバに付与される最大スピン角φは、Ψの対応する値よりも小さい。通常、Φの正確な値はΨ、vf、f、z及びファイバの材料の粘度に依存する。
例えば、D=250μm(被覆されて)、y=5mm、f=5.6s-1、vf=5m/s-1及びz≒10mのシリカファイバに関し、発明者はΦ≒900度(完全な1回転の2 1/2倍)を得たが、Ψの対応する値は約1150度(完全な1回転の3.2倍)である。Φ及びΨの両方に対して、空間周期Lは0.89mである。
実施例2
特に言及する以外は実施例1と同一の実施例において、車輪11a及び11bの少なくとも一方は軸13a及び13bの廻りに能動的に回転され(例えば、図示しない電気モータにより)、この回転がファイバ7に対して引き抜き速度vfを付与するために用いられる。このような場合、車輪11a及び11bの角速度は2πvfでなければならない。
実施例3
第3図及び第4図は、本発明による光ファイバの特別な実施例の一部を概念的に示している。尚、これら2つの図において、対応する部分には同一の符号を付してある。
第3図は、本発明の方法により製造された光ファイバ70の一部の概念図である。該ファイバ70は固有の機械的スピンφを示し、該スピンはファイバ70の長さの周期的関数である。このスピンφは、第1図及び第2図の車輪11a及び11bの前後運動に起因して、正極性及び負極性を交互に有する。
スピンφの空間周期Lは、ファイバ70の同一のスピン状態(φの大きさ、符号及び傾斜)を持つ連続した点間の長さである。ここに図示されているように、区間ACが一つの空間周期Lに相当する。この区間ACは、共に1/2Lの長さの2つの隣接する区間AB及びBCに副分割することができる。区間ABにおいてはスピンφはiの方向(時計方向)を有し、一方、区間BCにおいてはスピンφは反対の方向j(反時計方向)を有する。
ここに図示されているように、ファイバ70は区間AB及びBCの各々において2つの全ひねりを呈し、ここでは最初は時計方向次いで反時計方向となっている(ファイバに沿い下流方向に見て)。この場合、スピンφの振幅Φは上記のように720度となる。
第4図は第3図のものの一部の断面を示す。ファイバ70はコア部72を有し、該コア部は光学的クラッド部74、機械的クラッド部76及び保護被覆78により順次囲まれている。コア部72の屈折率は光学的クラッド部74のものを越えている。機械的クラッド部76は、予備成形体1において基板管及び(選択事項として)少なくとも一つのジャケット管を使用することに対応する。
フィアバ70の木口71には、基準半径ベクトルuが描かれている。このベクトルuは、直に取り囲むファイバ材料に対しては固定されたままであると想像されるべきである。当該ファイバに沿って進むにつれて、ベクトルuはファイバ70に付与されたスピンφにより回転する。木口71への距離1が増加するにつれて、φの値は大きさ及び符号の両方が変化する。木口71が第3図のA点に位置すると仮定すると、l=1/2L(B点)の場合にφ=Φとなり、その後φは再び減少してl=L(C点)で零となる。
このφサイクルは当該ファイバに沿って、且つ、所望なら全長にわたり又は或る間隔で断続して、周期的に繰り返される。
他の例として、車輪11a及び11bの不規則な前後運動を保証することにより(一定の引き抜き速度vfと仮定して)、当該ファイバに対して全体として非周期的なφ変化を付与することもできる。
実施例4
本発明者は、本発明方法により光ファイバに付与されたスピンの性質を調べる効果的な手順を開発した。この手順においては、予備成形体の外側表面に、該予備成形体の長軸に対して略平行に延びる短い刻み目線を設ける。予備成形体の上記刻み目がつけられた部分から続いて引き抜かれるテスト用光ファイバは、僅かに横方向の非対称性を呈するが、これは当該ファイバがひねられるにつれてファイバ材料と一緒に回転する。
上記のようなテスト用ファイバは、その保護被覆が化学的に剥がされ、次いでレーザビーム(例えば、HeNeレーザからの)により横方向に照射されると、上記レーザビームは当該ファイバの照射部分の背後に配置されたスクリーン上に回折模様を形成する。上述した横方向非対称性の存在は、干渉極大及び干渉極小を伴う特有の回折模様を生じさせる。これらの極大及び極小は、当該ファイバを手により長軸の廻りに緩やかに回転させると、目で見えるずれを受ける。レーザビームを当該ファイバの所与の長さに沿ってゆっくりと走査し、且つ、同時に上記回折模様を一定に維持すべく該ファイバを手で回転させねばならない角度を監視することにより、Φ及びLの両方を決定することができる。
実施例5
実施例3と同様の実施例において、各部分72、74、76及び78が以下のように構成される。
72: 約1原子%のF及び5モル%のGeO2でドープされた合成(PCVD)シリカ。直径は9μm。
74: 約1原子%のF及び1モル%のGeO2でドープされた合成(PCVD)シリカ。直径は42μm。
76: 天然シリカ。直径は125μm。
78: 紫外線硬化されたアクリル樹脂。直径は248μm。

Claims (9)

  1. 予備成形体の溶融端部からファイバが引き抜かれ、次いで該ファイバにトルクが施され、これにより上記ファイバの一部が当該ファイバの長軸の廻りにひねられると共にスピンが付与されるような光ファイバの製造方法において、
    前記トルクは、前記ファイバを各々が周曲面を備え且つ2つの異なる回転軸の廻りに相互に反対方向に回転する一対の車輪の間に走行させることにより付与され、
    前記各車輪は、前記ファイバがこれら車輪の前記曲面の略接線方向に走行すると共にこれらの曲面の間に押圧されるように配設され、
    前記各車輪は前記ファイバに対して略垂直な方向に互いに前後に運動して、前記ファイバが前記曲面の間で前後に転動されるようにする、
    ことを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記各車輪の前記前後方向の運動が一様に周期的であることを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の方法において、前記車輪の少なくとも一方の前記曲面は可撓性材料により被覆され、該可撓性材料は前記ファイバの材料よりも軟らかいことを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記可撓性材料はゴム、プラスチック、織物又はフェルトを含む群から選択されることを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載の方法において、前記各車輪は接続ロッドに回動可能に支承された軸の廻りに各々回転し、前記ロッド自体は前記2つの軸の間に位置する基準点を支点として回動され、前記各軸の前後運動は前記ロッドを前記基準点を支点として前後にてこ運動させることにより達成されることを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記ロッド上の一点は、該点をアームを介して駆動輪上の非中心点に接続することにより前後にてこ運動されることを特徴とする光ファイバを製造する方法。
  7. 保護被覆により囲まれた光学クラッド部により囲まれるようなコア部を備える光ファイバにおいて、前記ファイバは該ファイバの長軸の廻りに交互に反対方向のスピンを呈すると共に、該スピンの大きさが360度となるような少なくとも一つの長さ方向の区画を有していることを特徴とする光ファイバ。
  8. 請求項7に記載の光ファイバにおいて、前記スピンが当該光ファイバの略全長に沿った長さ方向位置の一様な周期関数であることを特徴とする光ファイバ。
  9. 請求項7に記載の光ファイバにおいて、前記長さ方向の区画の長さが0.33mを越えないことを特徴とする光ファイバ。
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