JP3601660B2 - トナー担持体、その製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

トナー担持体、その製造方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー担持体、その製造方法及び該トナー担持体を用いた画像形成装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、長期耐久性に優れ、かつ高品質の画像を形成しうるトナー担持体、このものを効率よく製造する方法、及び上記トナー担持体を装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機,プリンターなどの電子写真方式の画像形成装置などにおいて、静電潜像を保持した感光体などの画像形成体に、一成分トナーを供給し、このトナーを該潜像に付着させて可視化する画像形成方法として、加圧現像方式が知られている(米国特許第3152012号明細書、同第3731146号明細書)。この加圧現像方式は、トナーが担持されたトナー担持体を、静電潜像を保持した画像形成体(感光体)に接触させて、トナーを該画像形成体の潜像に付着させることにより、画像形成を行うものであり、そのため、上記トナー担持体は、導電性と弾性を有する導電性弾性体で形成されることが必要である。
【0003】
図2は、この加圧現像方式による画像形成装置の一例を示す概要図であって、加圧現像方式においては、この図2に示されているように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ5と静電潜像を保持した画像形成体(感光体)6との間に、トナー担持体(現像ローラ)1が配設され、トナー担持体1,画像形成体6及びトナー塗布用ローラ5が、それぞれ図中矢印方向に回転することにより、トナー7がトナー塗布用ローラ5によりトナー担持体1の表面に供給され、このトナーが成層ブレード8により均一な薄層に整えられる。そして、この状態でトナー担持体1が画像形成体6と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが、トナー担持体1から画像形成体6の潜像に付着して、該潜像が可視化するようになっている。
図中9は転写部であり、ここで紙などの記録媒体にトナー画像を転写するようになっている。また、10はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード11により、転写後に画像形成体表面に残存するトナーを除去するようになっている。
【0004】
このような加圧現像方式による画像形成装置においては、トナー担持体1は、画像形成体6に密着した状態を保持しながら回転しなければならず、そのため、図1の概略断面図に示されるように、金属などの良導電性材料からなるシャフト2の外周に、シリコーンゴム,NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム),EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム),ポリウレタンゴムなどの弾性ゴムやフォームなどに導電剤を配合して導電性を付与した導電性弾性体からなる導電性弾性層3を形成した構造となっている。さらに、トナー7に対する帯電性や付着性の制御のために、あるいは画像形成体6及び成層ブレード8との摩擦力制御や、弾性体による感光体の汚染防止などのために、樹脂などからなる被覆層4が導電性弾性層3の表面に設けられている。
一方、紙やOHP用紙などの紙葉類からなる画像形成体に、トナー担持体上に担持させたトナーを孔状の制御電極を介して直接飛翔せしめて、画像を形成させる画像形成方式も提案されている。また、画像形成体(感光体)に近接して非接触状態に配設されたスリーブ状のトナー担持体の表面に、薄層に成層した非磁性トナーを担持し、これを感光体上に飛翔させて現像を行い画像を形成させる方式も提案されている(特開昭58−116559号公報)。
【0005】
いずれの場合も、トナー担持体上には、トナーに対する帯電性や付着性の制御のために、あるいは感光体,成層ブレード,制御電極などの他の部材との摩擦力低減などのために、樹脂などからなる被覆層が導電性弾性層の表面に設けられている。
ところで、トナー担持体は、トナー担持体上に保持したトナーを画像形成体に移行させる推進力となるバイアス電圧を得るために、全体としてはその抵抗値が10〜1011Ω・cm程度になっている。そして多くの場合、抵抗の調整を容易にするために、導電性弾性層の抵抗を低抵抗とし、樹脂被覆層の抵抗を高抵抗としている。その際、樹脂被覆層の抵抗は樹脂にカーボンや金属酸化物等の導電性微粒子を含有せしめることで行っている。
しかしながら、プリンター等が高速化されたり、微細画像が要求されたり、カラー画像化されたりすることで、画像形成に対する要求が厳しくなり、上記のような従来のトナー担持体では、対応できない問題が顕在化してきた。すなわち、トナー担持体を画像形成装置に組み込んで長期的に使用して印刷枚数が増加すると、白画像のかぶり,ハーフトーン画像のザラツキあるいは黒画像の濃淡ムラなどの画像不良が発生するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、長期的に使用しても白画像のかぶり,ハーフトーン画像のザラツキあるいは黒画像の濃淡ムラなどの発生がない、耐久性に優れたトナー担持体、及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、長期耐久性に優れ、かつ高品質の画像を形成しうるトナー担持体について鋭意研究を重ねた。その過程において、長期的に使用した場合、トナー,トナー塗布用ローラあるいは成層ブレードとの摩擦により、トナー担持体表面の被覆層が摩耗したり、トナーフィルミングが生じたりし、その結果、トナー担持体の表面性が変化して、トナー帯電量が低下し、白画像のかぶり,ハーフトーン画像のザラツキあるいは黒画像の濃淡ムラなどの画像不良が発生するという知見を得た。
本発明者らは、この知見に基づいて、さらに研究を進めた結果、導電性弾性基材の表面に、固有抵抗がある値以下の第1樹脂被覆層を設け、さらにその上に、導電性微粒子を含まず、固有抵抗がある値以上の第2樹脂被覆層を設けたトナー担持体が、長期耐久性に優れ、高品質の画像を形成しうること、そして、このものは、第1樹脂被覆層及び第2樹脂被覆層を、それぞれ特定の溶媒を用いた塗布法により形成させることによって、容易に製造しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、可視画像を形成するトナー担持体において、導電性弾性基材の表面に、固有抵抗が10Ω・cm以下の第1樹脂被覆層を設けるとともに、その上に導電性微粒子を含まず、固有抵抗が1010Ω・cm以上の第2樹脂被覆層を設けたことを特徴とするトナー担持体、並びに、このトナー担持体を装着した画像形成装置を提供するものである。
また、前記トナー担持体は、導電性弾性基材を構成する弾性体に対する貧溶媒を用いた第1樹脂被覆層用塗工液及び第1樹脂被覆層を構成する樹脂に対する貧溶媒を用いた第2樹脂被覆層用塗工液を使用し、塗布法により導電性弾性基材の表面に、第1樹脂被覆層及び第2樹脂被覆層を順次形成させることにより、製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明でいう導電性弾性基材とは、シャフトなどの外側に導電性弾性層を設けたものを指す。
本発明のトナー担持体は図3に例示するように、良導電性シャフトなどの外側に、導電性弾性層、さらにその表面に二層の樹脂被覆層を形成したものである。
図3は、本発明のトナー担持体の一例を示す概略図であって、シャフト2の外周に導電性弾性層3が設けられており、さらにこの導電性弾性層3の表面に、第1樹脂被覆層4a及び第2樹脂被覆層4bが順次形成された構造を示す。
上記導電性弾性層には、適当なゴム状弾性体に導電剤を添加して導電性を付与した弾性材料が用いられる。ここで、ゴム状弾性体については特に制限はなく、従来トナー担持体において慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。このゴム状弾性体としては、例えばニトリルゴム,エチレンプロピレンゴム,エチレンプロピレンジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,天然ゴム,シリコーンゴム,ウレタンゴム,アクリルゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,エピクロロヒドリンゴムなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で特にニトリルゴム,ウレタンゴム,エピクロロヒドリンゴム,エチレンプロピレンゴム,エチレンプロピレンジエンゴムが好適である。
【0010】
また、導電剤としては、イオン導電剤や電子導電剤が用いられる。イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム),へキサデシルトリメチルアンモニウム,オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム),ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,エチル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などが挙げられる。
また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック,アセチレンブラックなどの導電性カーボン;SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MTなどのゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン,熱分解カーボン,グラファイト;酸化スズ,酸化チタン,酸化亜鉛などの導電性金属酸化物;ニッケル,銅などの金属などを挙げることができる。
【0011】
これらの導電剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記イオン導電剤の場合、前記ゴム状弾性体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部の範囲で選ばれる。一方、電子導電剤の場合、ゴム状弾性体100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部の範囲で選ばれる。これにより、導電性弾性層の抵抗値を、10〜1010Ω・cmの範囲に調整するのが好ましく、特に10〜10Ω・cmの範囲に調整するのが好ましい。なお、この導電性弾性層には、前記導電剤以外に必要に応じて公知の充填剤や架橋剤など、他のゴム用添加剤を適宜添加することができる。
【0012】
この導電性弾性層は、硬度がJIS−Aで60°以下、特に25〜55°の範囲にあるのが好ましい。この硬度が60°を超えるとトナー担持体が硬くなり、感光体などとの接触面積が小さくなって、良好な画像形成が行えなくなるおそれがある。さらには、トナーに損傷を与えて感光体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して画像不良となりやすい。逆にあまり低硬度になると、感光体や成層ブレードとの摩擦が大きくなり、ジッターなどの画像不良が発生するおそれがある。また、この導電性弾性層は、感光体や成層ブレードなどと当接して使用されることから、圧縮永久歪みが小さいことが好ましく、具体的には20%以下、特に10%以下が好ましい。とりわけ、ポリウレタンゴムは圧縮永久歪みを小さく設計できるので、有利である。
さらに、この導電性弾性層の表面粗さは、JIS10点平均粗さで、15μmRz以下、特に3〜10μmRzとするのが好ましい。平均粗さが15μmRzを超えるとトナー担持体の表面層を厚く形成する必要があり、その結果、トナー担持体表面が硬くなって、トナーに損傷を与えて感光体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して画像不良の原因となり、好ましくない。また、Rzが小さすぎると表面層を形成した際に、トナー担持体の表面のRzが小さくなりすぎ、トナー担持量が少なくなって、画像濃度が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0013】
本発明のトナー担持体においては、トナーに対する帯電性や付着性の制御のために、あるいは感光体及び成層ブレードなどとの摩擦力低減や弾性体による感光体の汚染防止などのために、導電性弾性基材の表面、すなわち上記導電性弾性層の表面に、第1樹脂被覆層及び第2樹脂被覆層が順次設けられる。
ここで、第1樹脂被覆層には、導電性弾性層を構成するゴム状弾性体に対する貧溶媒に溶解する樹脂を用いるのが好ましい。該貧溶媒を用いて調製した第1樹脂被覆層用塗工液を、後述のように導電性弾性層上に塗布すれば、導電性弾性層が膨潤することがないため、乾燥時に塗膜にしわがよるような不都合が生じない。このような樹脂としては、例えばアルコール可溶性共重合ポリアミド,水溶性アクリル樹脂,水溶性ブチラール樹脂などが好ましく挙げられるが、これらの中で、特にアルコール可溶性共重合ポリアミドが好適である。
この第1樹脂被覆層は、固有抵抗が10Ω・cm以下であることが必要であり、好ましくは10〜10Ω・cmの範囲である。したがって、該被覆層には、通常導電剤が含有される。この導電剤としては、前記導電性弾性層の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。
【0014】
この第1樹脂被覆層の形成方法としては特に制限はないが、通常、樹脂及び他の添加剤などを溶媒に溶解又は分散させて塗工液を調製し、この塗工液をディップ法,ロールコーター法,ドクターブレード法,スプレー法などにより、導電性弾性層上に塗布し、常温又は50〜170℃程度の温度で乾燥硬化させて、第1樹脂被覆層を形成する。その厚さは、通常3〜30μm程度、好ましくは5〜20μmの範囲である。
一方、第2樹脂被覆層においては、前記第1樹脂被覆層を構成する樹脂に対する貧溶媒に溶解する樹脂を用いるのが好ましい。この貧溶媒を用いて、第2樹脂被覆層用塗工液を調製し、後述のように第1樹脂被覆層上に塗布すれば、第1樹脂被覆層の形成に用いた溶媒が完全に除去されず残存する状態、いわゆる風乾状態での塗布が可能であり、生産能率向上の点から好ましい。
【0015】
この第2樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルフォアミドなどのアミド系溶媒、クロロフォルム,ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などに溶解する樹脂を挙げることができる。このような樹脂の例としては、ポリエステル樹脂,ポリエーテル樹脂,フッ素樹脂,エポキシ樹脂,アミノ樹脂,ポリアミド樹脂,アクリル樹脂,アクリルウレタン樹脂,ウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,シリコーン樹脂,ポリビニルブチラール樹脂など及びそれらのブレンド物が挙げられる。これらの中でも、フッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂及びそれらのブレンド物が好ましく、特に、アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂及びそれらのブレンド物が、トナーの帯電能,トナーに対する非汚染性,他の部材との摩擦力低減,感光体に対する非汚染性などの点から好ましい。
【0016】
本発明における第2樹脂被覆層は、架橋化樹脂からなるものが好ましく、その架橋前樹脂の良溶媒、例えばメチルエチルケトン,トルエンなどで抽出した際の可溶部が30重量%以下、特に10重量%以下であるのが好ましい。該可溶部が30重量%を超えると比較的低分子量のものや未硬化成分が多く、耐久寿命の不足,感光体の汚染,トナーの汚染や凝集,被覆層の摩耗,摩擦係数の増大などの原因となり、好ましくない。
なお、上記溶媒可溶部の量は次式に従って算出することができる。
溶媒可溶部量(重量%)=〔(溶媒抽出前重量−溶媒抽出後重量)/溶媒抽出前重量〕×100
【0017】
上記架橋化樹脂とは、例えば熱,触媒,空気(酸素),湿気(水),電子線などにより自己架橋しうる架橋性樹脂、あるいは架橋剤や他の架橋性樹脂との反応により架橋しうる架橋性樹脂を架橋化処理してなるものをいう。ここで、架橋性樹脂としては、例えば水酸基,カルボキシル基,酸無水物基,アミノ基,イミノ基,イソシアネート基,メチロール基,アルコキシメチル基,アルデヒド基,メルカプト基,エポキシ基,不飽和基などの反応基(架橋性基)をもつ樹脂、具体的にはポリエステル樹脂,ポリエーテル樹脂,フッ素樹脂,エポキシ樹脂,アミノ樹脂,ポリアミド樹脂,アクリル樹脂,アクリルウレタン樹脂,ウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,シリコーン樹脂,ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。これは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、フッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂及びそれらのブレンド物が好ましく、特に、アルキッド樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂及びそれらのブレンド物が、トナーの帯電能,トナーに対する非汚染性,他の部材との摩擦力低減,感光体に対する非汚染性などの点から好ましい。
【0018】
また、前記触媒としては、例えば過酸化物,アゾ化合物などのラジカル触媒,酸触媒,塩基性触媒,アルカリ触媒などが挙げられ、これらは、架橋性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
前記架橋剤としては、例えば水酸基,カルボキシル基,酸無水物基,アミノ基,イミノ基,イソシアネート基,メチロール基,アルコキシメチル基,アルデヒド基,メルカプト基,エポキシ基,不飽和基などの反応基を1分子中に2個以上有する分子量1000以下程度の化合物、好ましくは分子量500以下の化合物、具体的にはポリオール化合物,ポリイソシアネート化合物,ポリアルデヒド化合物,ポリアミン化合物,ポリエポキシ化合物などが挙げられ、これらは、架橋性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
本発明においては、この第2樹脂被覆層は、導電性微粒子を含まず、その固有抵抗が1010Ω・cm以上であることが必要であり、好ましくは1010〜1016Ω・cmの範囲である。
【0019】
この第2樹脂被覆層には、トナーへの帯電能の向上、他の部材との摩擦力低減などの目的で、荷電制御剤,滑剤,その他樹脂などの様々な添加剤を加えることができる。
この第2樹脂被覆層の形成方法としては特に制限はないが、通常、架橋性樹脂,架橋剤及び他の添加剤などを溶媒に溶解又は分散させて塗工液を調製し、この塗工液をディップ法,ロールコーター法,ドクターブレード法,スプレー法などにより、第1樹脂被覆層上に塗布し、常温又は50〜170℃程度の温度で乾燥し、架橋硬化させて、第2樹脂被覆層を形成する。その厚さは、通常1〜20μm程度、好ましくは3〜10μmの範囲である。
この第2樹脂被覆層の厚さが1μm未満では局所的な放電が起こり、画像に白横線が発生しやすくなるおそれがあり、また20μmを超えるとトナー担持体が硬くなり、トナーに損傷を与えて感光体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して、画像不良の原因となる。
本発明のトナー担持体の抵抗値は、通常10〜1010Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmの範囲である。
【0020】
また、トナー担持体の表面粗さ、すなわち、第2樹脂被覆層の表面粗さは、JIS10点平均粗さで、10μmRz以下、特に1〜8μmRzとすることが好ましい。10μmRzを超えると、トナーの帯電量が小さくなったり逆帯電トナーが生じて、画像かぶりを生じるので好ましくない。Rzが小さすぎるとトナー担持量が少なくなり、画像濃度が低下するので好ましくない。
本発明は、また上記トナー担持体を装着してなる画像形成装置をも提供するものである。
本発明の画像形成装置の種類については特に制限はなく、例えば(1)トナーを担持したトナー担持体を静電潜像を保持した画像形成体(感光体)に接触させて、トナーを該画像形成体の潜像に付着させることにより画像形成を行う加圧現像方式、(2)紙葉類からなる画像形成体に、トナー担持体上に担持させたトナーを孔状の制御電極を介して直接飛翔せしめて、画像を形成する方式、(3)画像形成体(感光体)に近接して非接触状態に配設されたスリーブ状のトナー担持体の表面に、薄層に成層した非磁性トナーを担持し、これを感光体上に飛翔させて現像を行い、画像を形成する方式、などいずれの方式のものであってもよい。本発明の画像形成装置の一例としては、前述の図2に示す加圧現像方式の装置を挙げることができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で作成したトナー担持体について、以下に示す要領に従い、その特性を求めた。
(1)表面層の層厚
トナー担持体の垂直切断面を走査型電子顕微鏡により観察して測定した。
【0022】
(2)第2樹脂被覆層の溶媒可溶部
トナー担持体とは別に、ガラス板を用意して、各トナー担持体の第2樹脂被覆層形成に用いた塗工液を該ガラス板上に塗布し、各トナー担持体の作成と同条件で塗膜を加熱して架橋硬化を行った。その後、ガラス板ごとメチルエチルケトン中に25℃で24時間浸漬後、乾燥して、浸漬前後の塗膜の重量を測定し、下記の式より、溶媒可溶部量を算出し、トナー担持体の第2樹脂被覆層の溶媒可溶部量とした。
溶媒可溶部量(重量%)=〔(溶媒抽出前重量−溶媒抽出後重量)/溶媒抽出前重量〕×100
(3)被覆層の体積固有抵抗値
銅板を用意し、各トナー担持体の被覆層形成に用いた塗工液を用いて、該銅板上に該塗工液を塗布し、各トナー担持体と同条件で塗膜を加熱し、架橋硬化を行った。その後、銅板と測定電極の間の抵抗を測定して被覆層の固有抵抗とした。
【0023】
(4)トナー担持体の抵抗
銅板上に各トナー担持体をその両側にそれぞれ500gの荷重をかけて押し付け、抵抗率計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、100Vの電圧を印加して抵抗値を測定した。
(5)トナー搬送量
各トナー担持体を現像ローラとして、図2に示す画像形成装置の現像ユニット部に装着し、50mm/秒の周速で回転させ、現像ローラ(トナー担持体)表面に均一なトナー薄層を形成し、このトナー薄層を吸引して重量を計測し、この重量を吸引した面積で除した値をトナー搬送量とした。
(6)トナー帯電量
各トナー担持体を現像ローラとして、図2に示す画像形成装置の現像ユニット部に装着し、50mm/秒の周速で回転させ、現像ローラ(トナー担持体)表面に均一なトナー薄層を形成し、このトナー薄層を吸引してファラディゲージ内に導入し、電荷量を測定した。
【0024】
(7)画像評価
各トナー担持体を現像ローラとして、図2に示す画像形成装置の現像ユニット部に装着し、現像バイアス電圧400V、ブレードバイアス電圧600Vとして、平均粒径7μmの非磁性一成分トナーを用い、線速60mm/秒の周速で回転させながら、反転現像で画像出しを行い、白地,ハーフトーン,黒地画像における画像評価を3000枚耐久テストの前後で行った。
評価基準
<かぶり>
○:かぶりなし
×:白地かぶりあり
<黒画像>
○:通常の濃度を有する
×:濃度が薄い
【0025】
実施例1
分子量2500のポリイソプレンポリオール(OH価:47.1mgKOH/g)100重量部にアセチレンブラック2.85重量部を配合し、混合機を用いて混合してポリオール組成物を調製した。このポリオール組成物を減圧下に攪拌して脱泡した後、クルードMDI(粗メタキシリレンジイソシナネート)(NCO重量%;31.7)13.33重量部を加えて2分間攪拌し、ジブチルチンジラウレート0.001重量部を加え、3分間攪拌した。次に、これをシャフトを配置し予め90℃に加熱した金型に注型し、90℃で12時間硬化させて金属シャフトの外周に導電性弾性体を形成してローラを得た。得られたローラの表面を研磨して表面をJIS10点平均粗さ10μmRzに調整した。
次に、可溶性共重合ナイロン(東レ社製CM8000)をメタノールに10重量%濃度になるように溶解し、カーボンブラック(デグッサ社製 Printex35)を樹脂に対し50重量%添加し、さらにガラスビーズを添加した後ペイントシェーカーにて5時間振とうさせて、塗工液を調製した。この塗工液中に、上記ローラを浸漬して引上げ、風乾1時間行って第1樹脂層を形成した。次いで、メチルエチルケトン中にオイルフリーアルキッド樹脂(大日本インキ化学工業社製M6402)、メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製145)及びシリコーン油脂(信越シリコーン社製KR211)を樹脂重量比で56:20:24となるように加え、総樹脂濃度が20重量%となるように溶解して塗工液を調製した。この塗工液中に、上記第1樹脂層が設けられたローラを浸漬して引上げ、第2樹脂層を形成した。その際、第1樹脂層への溶出は確認されなかった。次いで、これを110℃にて4時間加熱し、架橋硬化した第2樹脂層をもつ図3に示した三層構造のトナー担持体を得た。
【0026】
このトナー担持体を市販のLBP(NEC社製2200X)に配置し、初期の画像、トナー搬送量及びトナー帯電量を計測した。次に5%印字濃度の画像サンプルを3000枚通紙試験を行い、印字通紙後に再び画像を評価し、トナー搬送量及びトナー帯電量を計測した。得られた画像は初期、耐久後ともに良好であり、トナー搬送量及びトナー帯電量の低下もほとんど見られなかった。
結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、第1樹脂層を設けず、かつ第2樹脂層形成用塗工液の樹脂濃度を35重量%とした以外は、実施例1と同様にしてトナー担持体を製造した。結果を第1表に示す。
トナー担持体の抵抗値が著しく高くなったため、所定の現像バイアスが確保できず、初期画像において黒濃度不足、白地かぶりが前面に発生し、画像不良となった。
【0027】
比較例2
比較例1において、第2樹脂層形成用塗工液中に、樹脂に対してカーボンブラックが25重量%になるように添加した以外は、比較例1と同様にしてトナー担持体を製造した。結果を第1表に示す。
初期画像、初期帯電量は良好であるが、実施例1と同様の印字通紙試験後のトナー帯電量が低く、耐久後の画像は白地かぶりの多いものとなってしまった。
比較例3
実施例1において、第2樹脂層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてトナー担持体を製造した。結果を第1表に示す。
初期帯電量はやや低く、印字通紙試験によりトナー帯電量が著しく低下し、耐久後の画像は白地かぶりの多いものとなってしまった。
【0028】
【表1】
Figure 0003601660
【0029】
〔注〕
CM8000:東レ社製可溶性共重合ナイロン、重量%はメタノールとの合計量に対する値である。
CB:カーボンブラック、デグッサ社製 Printex35
M6402:大日本インキ化学工業社製オイルフリーアルキッド樹脂
L145:大日本インキ化学工業社製メラミン樹脂
KR211:信越シリコーン社製シリコーン樹脂
M6402/L145/KR211の重量%は、これらの樹脂合計量とメチルエチルケトンとの合計に対する樹脂合計量の値である。
MEK:メチルエチルケトン
【0030】
【発明の効果】
本発明のトナー担持体は、長期的に使用しても白画像のかぶり、ハーフトーン画像のザラツキあるいは黒画像の濃淡ムラなどの発生がない耐久性に優れるものであって、各種画像形成装置のトナー担持体として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー担持体の一例を示す概略断面図である。
【図2】加圧現像方式による画像形成装置の一例を示す概要図である。
【図3】本発明のトナー担持体の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:トナー担持体(現像ローラ)
2:シャフト
3:導電性弾性層
4:被覆層
4a:第1樹脂被覆層
4b:第2樹脂被覆層
5:トナー塗布用ローラ
6:画像形成体(感光体)
7:トナー
8:成層ブレード
9:転写部
10:クリーニング部
11:クリーニングブレード

Claims (7)

  1. 表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、可視画像を形成するトナー担持体において、導電性弾性基材の表面に、固有抵抗が10Ω・cm以下の第1樹脂被覆層を設けるとともに、その上に導電性微粒子を含まず、固有抵抗が1010Ω・cm以上の第2樹脂被覆層を設けたことを特徴とするトナー担持体。
  2. 第1樹脂被覆層を構成する樹脂が、導電性弾性基材を構成する弾性体に対する貧溶媒に溶解する樹脂である請求項1記載のトナー担持体。
  3. 第1樹脂被覆層を構成する樹脂が、アルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂である請求項1又は2記載のトナー担持体。
  4. 第2樹脂被覆層を構成する樹脂が、第1樹脂被覆層を構成する樹脂に対する貧溶媒に溶解する樹脂である請求項1ないし3のいずれかに記載のトナー担持体。
  5. 第2樹脂被覆層が、架橋化樹脂からなると共に、架橋前樹脂の良溶媒で抽出した際の可溶部が30重量%以下のものである請求項1ないし4のいずれかに記載のトナー担持体。
  6. 導電性弾性基材の表面に、塗工液を塗布して第1樹脂被覆層及び第2樹脂被覆層を順次形成させて、トナー担持体を製造するに当たり、第1樹脂被覆層用塗工液には、導電性弾性基材を構成する弾性体に対する貧溶媒を用いると共に、第2樹脂被覆層用塗工液には、第1樹脂被覆層を構成する樹脂に対する貧溶媒を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のトナー担持体の製造方法。
  7. 表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、可視画像を形成するトナー担持体を装着した画像形成装置において、上記トナー担持体として、請求項1ないし5のいずれかに記載のトナー担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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