JP3604629B2 - 自転車変速操作補助装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車用制御装置に関し、よく詳しくは、自転車変速機の操作を補助する為に、回転クランク,回転軸又は他の部材からの回転動力を使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な自転車変速機は、該変速機とハンドルバーに装着される手動型シフト操作装置との間を接続するシフト操作ワイヤによって操作される。ライダーは、前記変速機を所望変速段に変速させる為に、前記シフト操作ワイヤを選択的に引っ張り又は解放することで前記シフト操作装置を操作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自転車変速機をデザインする際の最終目的の一つは、変速機を最小労力で簡単に操作し得るように構成することである。その為には、シフト操作装置の操作に要する力の最小化に加えて、シフト操作装置の不必要な移動量を最小化する必要がある。一の歯車から他の歯車へチェーンをシフトさせる為に使用されるディレイラ等の自転車変速機において、一の歯車からチェーンを外し、該チェーンを他の歯車へ移動させる為に要する力の量は、大変に大きい。特に、移動後の最終歯車が移動前の当初歯車より大きい場合であって、且つ、ライダーがチェーンにペダル力を掛けている場合には、大きな力を要する。小さなペダル力がチェーンに掛かっている場合にのみシフト操作装置を操作すれば、必要な操作力を減少させることが可能であるが、これはライダーに対し、ペダリング技術の意識的な変更、及び/又は小さなペダル力がチェーンに掛かっている場合にのみシフト操作装置を操作するという意識的な操作を要求することになる。斯かる要求は、ライダーに対し大変な注意を要求するものであり、特にレース状況下においてはライダーにとって負担となる。さらに、ある種のディレイラにおいては、大きな変速比を有するものが存在する。斯かる大変速比のディレイラにおいては、一の歯車から他の歯車までチェーンを移動させる際にシフト操作ワイヤを長く移動しなければならず、従って、ライダーは、該操作ワイヤの移動必要長さに応じた量だけシフト操作装置を大きく操作しなければならない。
【0004】
本発明は、自転車変速機のシフト操作を補助する補助装置であって、前記変速機を操作する際に要する力を小さくでき、シフト操作ワイヤの引張又は解放量を小さくでき、及び/又は、シフト操作の実行タイミングを自動的に決定し得る補助装置に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様において、自転車変速操作補助装置は、クランク軸装着孔を有するクランクアームと、駆動部材とを備えている。前記駆動部材は、前記クランクアームの回転方向前方を向く第1接合面と、前記クランクアームの回転方向後方を向く,凹部を有さない第1傾斜面とを備えている。カム機構の所定部位が第1傾斜面と当接することにより、駆動部材の第1接合面とカム機構とが係合し、カム機構が駆動部材と共働する一方、該カム機構の所定部位が第1接合面から外れて第1傾斜面に移ると、駆動部材の第1接合面とカム機構とが非係合となり、カム機構は駆動部材と共働しなくなる。
【0006】
より特定態様においては、前記駆動部材は、前記クランク軸装着孔と同軸上に装着された環状駆動リングを備えている。前記第1接合面は前記クランクアームの外周面と略直交し、且つ、前記第1傾斜面は弓形状を有している。好ましくは、前記第1接合面との交差点における前記駆動リングの外周面は、20゜より広範囲に亘って一定の曲率半径で延びている。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る自転車変速機シフト用補助装置の一実施の形態14を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリ10の部分断面図である。該底部ブレケットアッセンブリ10は、一般的な自転車フレーム(図示せず)に装着される下部ブラケットシェル18と、環状の軸支持スリーブ22と、スリーブカップラー26と、軸30と、ボールベアリング34,38と、クランクアームアッセンブリ42,46とを備えている。前記軸支持スリーブ22は、補助装置14の装着部材300を下部ブラケットシェル18に保持すべく、第1端部に設けられた径方向外方へ延在するフランジ50と、ボールベアリング34,38とそれぞれ係合するベアリング面58,62と、スリーブカップラー26の内周面70と係合すべく、第2端部に設けられた外周面66とを備えている。スリーブカップラー26は、下部ブラケットシェル18の側壁と係合する径方向外方延在フランジ74を有している。
【0008】
本実施の形態においては、前記軸30は、実質的に中空の管状部材とされており、ボールベアリング34,38とそれぞれ係合するベアリング面78,82と、クランクアームアッセンブリ42,46におけるクランク軸装着孔99,100の内周面に形成された対応スプライン94,98と係合するスプライン86,90と、クランクアームアッセンブリ42,46を軸30へ装着させるネジ付ボルト108,112のそれぞれと係合するネジ付内周面102,104とを備えている。このように、軸30及びクランクアームアッセンブリ42,46は、ボールベアリング34,38を介して、下部ブラケットシェル18に回転自在に支持されている。
【0009】
図1及び図2Aに示されるように、クランクアームアッセンブリ46は、長尺のクランクアーム本体120と、クランク軸装着孔100及びスプライン98を形成する内周面を有する該クランクアーム本体120の第1端部に設けられたクランク軸装着ボス124と、第2端部に設けられたペダル装着ねじ孔128とを備えている。複数、例えば、5つの歯車装着部材132が、クランク軸装着ボス124回りに装着されたシール支持ボス133から径方向外方へ延在している。シール支持ボス133は、補助装置14の側方カバー137の外表面と密着係合するリングシール135を支持する為の環状溝134を有している。
【0010】
本実施の形態においては、径方向外方へ突出した複数の歯138と内周面140とを有する略リング形状の大径歯車136は、前記複数の歯車装着部材132と共に単一部材として一体形成されている。径方向外方へ突出した複数の歯148と内周面152とを有する略リング形状の小径歯車144は、ボルト156及びスペーサ160を介して、前記複数の歯車装着部材132に装着されている。クランク軸装着孔100と同軸上に配設された環状駆動リング170は、内周面に、複数のスプライン174を有しており、該スプライン174は、シール支持ボス133の横方向内方に位置するクランク軸装着ボス124の外周面に形成された対応スプライン178と回転不能に係合している。各スプライン174は、第1外周面180と、第2外周面182と、該第1外周面180及び第2外周面182の径方向最内端部をつなぐ径方向最内面184とを備えている。本実施の形態において、第1外周面180及び第2外周面182は、それぞれ、クランクアームアッセンブリ46の回転方向に対し直交する平坦面とされている。クランク軸装着ボス124上のスプライン178は、同様の構造を有している。もちろん、他の形状及び配置のスプラインを採用することも可能である。さらに、駆動リング170を、クランク軸装着ボス124と一体形成することも可能である。
【0011】
駆動リング170の外周面には、一対の駆動突起190A,190Bが設けられている。該一対の駆動突起190A,190Bは互いに180゜離間されており、且つ、それぞれ、クランクアームアッセンブリ46の回転方向前方を向く接合面192A,192Bを有している。即ち、前記接合面192A,192Bは、図2Aにおいて、反時計回り方向を向いている。該接合面192A,192Bは、クランクアームアッセンブリ46の回転軸Xから径方向外方へ延び、且つ、クランク軸装着ボス124の外周面と直交する一本の仮想直線に沿っている。前記接合面192A,192Bとの交差地点における駆動リング170の外周面は、20゜より広い範囲に亘って、一定曲率半径で図2Aにおける反時計回り方向へ延びている。本実施の形態においては、曲率半径が次段の駆動突起の頂点まで減少することが無いように構成されており、前記駆動リング170の外周面は、次段の駆動突起の後部に近接する迄、45゜以上の範囲に亘って一定曲率半径で延びている。本実施の形態においては、駆動リング170の外周面は、対応する突起の頂点まで傾斜する平坦面を形成しているが、アーチ状とすることも可能である。図2Aによく示されるように、駆動突起190A,190Bは、駆動リング170の外周面から少しだけ延びている。該駆動突起190A,190Bは、小歯車144の内周面152の外径より小径とされ、さらに、環状シール溝134の直径よりも明らかに小径とされている。
【0012】
図2Aに示されたクランクアームアッセンブリ46は、クランクアーム本体120の中央長手軸(クランクアーム)軸Rに対して、略直交する方向を向く接合面192A,192Bを有している。しかしながら、該接合面192A,192Bの配置は、歯車のデザインやその他の事項に従って、他の配置とされ得る。例えば、図2Bは、本発明に従ったクランクアームアッセンブリ46’の他の形態の側面図である。該他の実施の形態も、長尺クランクアーム本体120と、クランク軸装着孔100と、スプライン98と、ペダル装着ねじ孔128とを備えている。しかしながら、図2Bに示す形態においては、駆動リング170’は、クランクアーム装着ボス124’の外周面に押圧係合される滑らかな内周面171’を有している。図2Aに示す形態と同様に、接合面192A,192Bは、クランクアームアッセンブリ46の回転軸Xから径方向外方へ延び、且つ、図1におけるクランク軸装着ボス124と同形状を有するクランク軸装着ボス(図示せず)の外周面と直交する一本の仮想直線に沿っている。なお、本実施の形態においては、接合面192A,192Bは、クランクアーム本体120の中央長手軸Rと平行な方向に沿って延びている。該構成は、ペダルがペダルストロークの最上点又は最下点に位置する際に、前記接合面が(後述する)補助機構14の操作を始動させることを許容する。
【0013】
本実施の形態においては、4つの歯車装着部材132’が、クランク軸装着ボス124’から径方向外方へ延びている。径方向外方へ突出する複数の歯138と内周面140とを有する略リンク形状の大径歯車136は、複数の歯車装着部材132’と共に単一部材として形成されている。径方向外方へ突出する複数の歯148と内周面152とを有する略リング形状の小径歯車144は、図2Aに示す形態と同様の方法で、ボルト156及びスペーサ(図示せず)を介して、複数の歯車装着部材132’に装着されている。本実施の形態においては、シフトアップ用のチェーン支持部材201A〜201Hが、チェーン(図示せず)を持ち上げて、該チェーンを小径歯車144から大径歯車136へ案内する為に、該大径歯車136における小径歯車144と面する側面203上に配設されている。斯かるチェーン支持部材201A〜201Hは周知であり、例えば、大径歯車136の前記側面203を向く傾斜面を備えた円錐状部材や、大径歯車136の前記側面203から突出する単純な円筒状部材、さらには、他の支持フック又は支持当接部を備えることができる。
【0014】
本実施の形態においては、チェーン支持部材201Aは、小径歯車144における歯のうち、中央長手軸Rと位置合わせされた最下部の歯148Bから時計回り方向へ3つ目の歯の径方向外方に、位置されている。チェーン支持部材201Bは、前記最下部の歯148Bから時計回り方向へ4つ目の歯と5つ目の歯との間の径方向外方に配置されている。又、チェーン支持部材201Cは、前記最下部の歯148Bから時計回り方向へ6つ目の歯の径方向外方に配置されている。そして、チェーン支持部材201Dは、前記最下部の歯148Bから時計回り方向へ7つ目の歯と8つ目の歯との間の径方向外方に配置されている。同様に、チェーン支持部材201Eは、中央長手軸Rと位置合わせされた最上部の歯148Tから時計回り方向へ3つ目の歯の径方向外方に、位置されている。チェーン支持部材201Fは、前記最上部の歯148Tから時計回り方向へ4つ目の歯と5つ目の歯との間の径方向外方に配置されている。又、チェーン支持部材201Gは、前記最上部の歯148Tから時計回り方向へ6つ目の歯の径方向外方に配置されている。そして、チェーン支持部材201Hは、前記最上部の歯148Tから時計回り方向へ7つ目の歯と8つ目の歯との間の径方向外方に配置されている。
【0015】
さらに、シフトダウン操作中に、チェーンを小径歯車144へ案内し得るように、大径歯車136上にはシフトダウン促進歯203D〜203Fが形成され得る。斯かるシフトダウン促進歯も周知であり、例えば、小径歯車144と対向し且つ傾斜した側面を有する歯や、大径歯車136の平面に対して相対回転する歯、若しくは、(歯203A及び歯203F等の)切頭歯や一般的にはナブ(nubs)又はスパー(spurs)と呼ばれる全体的に小さな歯を備えることができる。本実施の形態においては、シフトダウン促進歯203A及び203Bは、大径歯車136の底部における中央長手軸の両側に配設されている。又、シフトダウン促進歯203Cは、前記シフトダウン促進歯203Bの反時計回り方向に隣接配設されている。同様に、シフトダウン促進歯203D及び203Eは、大径歯車136の頂部における中央長手軸Rの両側に配設されており、シフトダウン促進歯203Fは、前記シフトダウン促進歯203Eの反時計回り方向に隣接配置されている。
【0016】
図1に示されるように、左側のクランクアームアッセンブリ42は、長尺クランクアーム本体220と、クランク軸装着孔99及びスプライン86が設けられた内周面を有する第1端部に設けられたクランク軸装着ボス224と、第2端部に設けられたペダル装着ねじ孔228とを備えている。
【0017】
本実施の形態においては、補助装置14は、下部ブラケットシェル18の右側に配置されているが、他の形態においては、該補助装置14は下部ブラケットシェル18の左側に配置され得る。斯かる形態においては、左側クランクアームアッセンブリ42は、図3に示されるように構成され得る。該形態においては、環状駆動リング270は、クランクアーム装着ボス224の横方向最内端の外周面上の対応するスプライン278と相対回転不能に係合すべく、該駆動リングの内周面に形成された複数のスプライン278を有している。クランク軸装着ボス224及び駆動リング270の構成は、必然的にでは無いが、一般的に、右側クランクアームアッセンブリ46用のクランク軸装着ボス124及び駆動リング170と同一構成とし得る。さらに、この場合、突起290A及び290Bの直径は、クランクアーム220の中央長手軸Lと直交するクランクアーム装着ボス224の外径より大きくなく、好ましくは、小径とされる。
【0018】
図4は、本発明に係る補助装置14’の特定形態の斜視図である。該補助装置14’は、自転車の左側に装着されるように構成され、且つ、図3に示された駆動リング270と同一構造を有し得る駆動リング270’と共働する点を除き、図1に示された補助装置14と同様に構成されている。但し、図4においては、駆動リング270’は、補助装置14’の操作説明を容易とするために、図5に示されると同様に、クランク軸30に押圧係合される平滑な環状内周面271’を有している。何れにせよ、補助装置14’は、装着部材300’と、(必然性を有さないが、通常は、クランクアームアッセンブリ42の回転軸Xと同軸上とされた)カム軸Y回りに回転すべく、前記装着部材300’に連結されたカム面308を有するカム部材(ディレイラ位置調節カム)304と、前記カム部材304の回転に応じて移動すべく、前記カム面308と共働するカムフォロアー311と、前記カムフォロアーの動作を変速機作動手段320へ伝達する変速機作動手段カップリング316と、前記カム部材304を回転させるべく、第一係合位置と第一非係合位置との間で移動し得るように連結された第一カップリング324と、前記カム部材304を回転させるべく、第二係合位置と第二非係合位置との間で移動し得るように連結された第二カップリング326と、前記第一カップリング324を前記第一係合位置へ移動させる操作部材323とを備えている。
【0019】
本実施の形態において、カムフォロアー311は、カムフォロアーレバー312を備えている。該カムフォロアーレバー312の中間部は、枢支軸330を介して、装着部材300’に揺動自在に装着されている。前記カムフォロアーレバー312の第1端部はカム面308と係合するローラ334を備えており、一方、該カムフォロアーレバー312の第2端部は前記変速機作動手段カップリング316を収容している。前記変速機作動手段320は、変速機作動ワイヤ340がアウターケーシング344内で摺動するボーデンケーブルを有している。変速機作動手段カップリング316は、ワイヤ締結ネジ350がカムフォロアーレバー312の第2端部に螺入されるワイヤコネクタ形態を有している。装着部材300’は、周知の方法に従って、変速機作動手段320のアウターケーシングを終焉させる変速機作動手段連結アーム354を有している。例えば、変速機作動手段連結アーム354は、アウターケーシング344を終焉させ且つ該アウターケーシング344の変速機作動ワイヤ340に対する相対位置を調節する為に使用される調節バレル360のネジ部359と係合するネジ付開口358(図5参照)を有し得る。
【0020】
図4に示された位置から反時計回り方向へ回転されたカム部材304を示す図7により明確に示されるように、第一カップリング324は、第1つめ370及び第1つめ装着部材374を有している。第1つめ370の第1端部は第1枢支軸378を介して前記第1つめ装着部材374に揺動自在に連結されており、第1つめ370の第2端部は径方向内方へ延在する第1歯部382を有している。前記第1つめ装着部材374は、ネジ386によってカム部材304に固定されている。第1板ばね388の形態をなす第1バイアス機構は、カム部材304に固着される第1端部390と、第1つめ370の第2端部に配設された第1つめ制御部398に当接する第2端部394とを備えている。前記第1板ばね388は、第1歯部382を、第1つめ370が後述するように駆動リング270’上の接合面292A又は292Bの何れかと係合する第一係合位置へ向けて、径方向内方へ付勢する。
【0021】
同様に、第二カップリング326は、第2つめ400及び第2つめ装着部材404を有している。第2つめ400の第1端部は第2枢支軸408を介して第2つめ装着部材404に揺動自在に連結されており、第2つめ400の第2端部は径方向内方へ延在する第2歯部412を有している。第2つめ装着部材404はネジ416によってカム部材304に固着されている。第2板ばね418の形態をなす第2バイアス機構は、カム部材304に固着された第1端部422と、第2つめ400の第2端部に配設された第2つめ制御部428と当接する第2端部424とを有している。前記第2板ばね418は、第2歯部412を、第2つめ400が後述するように駆動リング270’上の接合面292A又は292Bの何れかと係合する第二係合位置へ向けて、径方向内方へ付勢する。
【0022】
本実施の形態においては、操作部材323は、操作レバー325の形態をなしている。該操作レバー325の中間部は、操作レバー軸Z回りに揺動すべく、枢軸450を介して装着部材300’に揺動自在に装着されている。前記操作レバー325の第1端部は、詳細は後述するように、第1つめ370の第1つめ制御部398又は第2つめ400の第2つめ制御部428の何れか一方を支持する制御面454を備えたフック形状とされている。前記操作レバー325の第2端部は、操作手段カップリング458を収容している。本実施の形態においては、操作ワイヤ460の形態をなす操作手段は、自転車ハンドルバー(図示せず)に装着されたシフト操作装置と操作手段カップリング458との間に連結されている。このように、操作手段カップリング458は、締結ネジ470が操作レバー325の第2端部に螺入されるワイヤコネクタの形態とされている。操作手段付勢スプリング474は、操作レバー325を反時計回り方向へ付勢すべく、装着部材300’と操作レバー325との間に連結されている。
【0023】
さらに、装着部材300’は、後述するように、第1つめ370及び第2つめ400を駆動リング270’から脱離させる為に、該第1つめ370及び第2つめ400をそれぞれ第一非係合位置及び第二非係合位置へ向けて径方向外方へ移動させるつめ部材解除傾斜面476,480を備えている。該つめ部材解除傾斜面476は、さらに、操作レバー325の反時計回り方向への揺動を制限する停止片としても機能する。
【0024】
シフト補助装置14’の操作は、図5〜図12を参照することによって、理解されるであろう。図5は、定常時のアイドル状態にあるシフト補助装置14’を示している。本実施の形態においては、操作レバー325の制御面454は、第1歯部382が第一非係合位置に位置する径方向外方に保持されるように、第1つめ制御部398を支持しており、他方、つめ部材解除傾斜面480は、第2歯部412が第二非係合位置に位置する径方向外方に保持されるように、第2つめ制御部428を支持している。従って、駆動リング270’は、シフト補助装置14’に対して影響を与えることなく、軸30と共に回転する。
【0025】
図6は、補助装置14’が変速機作動ワイヤ340をシフトアップ方向へ移動させるように作動する,操作ワイヤ460の左方向への引張時に、何が生じるかを示している。操作ワイヤ460の引張によって、操作レバー325は時計回り方向へ移動し、これにより、制御面454が第1つめ制御部398から解放される。結果として、第1板ばね388は、第1つめ370を時計回りに回転させ、第1歯部382が第一係合位置へ向けて径方向内方へ移動する。従って、接合面292A又は292Bの一方(例えば、接合面292A)が第1歯部382の外周位置まで回転すると、第1歯部382が該接合面に接触し、カム部材304は図7に示された位置まで駆動リング270’及び軸30と共に反時計回りに回転する。この際、第2つめ制御部428はつめ部材解除傾斜面480から外れるように摺動し、第2板ばね418は、第2歯部412が接合面292A又は292Bの他方(例えば、接合面292B)と当接すべく第二係合位置へ向けて径方向内方へ移動するように、第2つめ400を時計回りに回転させる。もちろん、カム部材304が第1歯部382との連結力によって回転可能である限り、第2歯部412が駆動リング270’上の他方の接合面と当接することは必須ではない。
【0026】
カム面308は、カムフォロアーレバー312上のローラ334が径方向外方へ移動するように、時計回り方向へ行くに従って半径が大きくなるように構成されており、これにより、変速機作動手段カップリング316が変速機作動ワイヤ340を引っ張るようになっている。カム部材304の反時計回りの回転は、カム面308によって、カムフォロアーレバー312が図8に示されるような変速機作動ワイヤ340をほぼ必要量引っ張るまで、続く。この際、第1つめ制御部398はつめ部材解除傾斜面480の近傍に位置し、第2つめ制御部428はつめ部材解除傾斜面476の近傍に位置している。
【0027】
図9に示されるように、カム部材304が回転し続けると、第1つめ制御部398は、第1歯部382を第一非係合位置へ向けて径方向外方へ移動させるべく、つめ部材解除傾斜面480上を上方へ摺動し、第2つめ制御部428は、第2歯部412を第二非係合位置へ向けて径方向外方へ移動させるべく、つめ部材解除傾斜面476上を上方へ摺動する。その後、図10に示されるように、カム部材304は、第2つめ制御部428が操作レバー325の制御面454によって第二非係合位置に支持され且つ第1つめ制御部398がつめ部材解除傾斜面480によって第一非係合位置に支持されるまで、少し移動する。この時点において、カム部材304は回転を停止し、変速機作動ワイヤ340はシフトアップ位置に保持される。
【0028】
操作ワイヤ460は、図11に示されるように、変速機作動ワイヤ340をシフトダウン位置へ戻す為に、再度、引っ張られる。結果として、操作レバー325は再び時計回りに回転し、制御面454を第2つめ制御部428から解放する。第2つめ400は、第2板ばね418の付勢力によって、時計回りに回転し、これにより、第2歯部412が第二係合位置へ向けて径方向内方へ移動する。従って、駆動リング270’における接合面292A又は292Bの一方(例えば、接合面292A)が第2つめ400の外周位置まで回転すると、第2歯部412は前記接合面に接触し、カム部材304は図12に示す位置まで駆動リング270’及び軸30と共に反時計回りに回転する。同時に、第1つめ制御部398はつめ部材解除傾斜面480から外れるように摺動し、且つ、第1つめ370は、第1歯部382が前記接合面292A又は292Bの他方(例えば、接合面292B)と当接すべく第一係合位置へ向けて径方向内方へ移動するように、第1板ばね388の付勢力に従って時計回りに回転する。
【0029】
カム面308の半径は、カムフォロアーレバー312上のローラ334が径方向内方へ移動するように、時計回り方向へ行くに従って急激に減少しており、これにより、変速機作動手段カップリング316が変速機作動ワイヤ340を解放するようになっている。カム部材304の反時計回りの回転は、補助装置14’が図5に示す初期位置へ戻るまで、続く。即ち、第1つめ制御部398は、第1歯部382が第一非係合位置に保持されるように、つめ部材解除傾斜面476を上方へ摺動して、制御レバー325の制御面454によって支持される。同様に、第2つめ制御部428は、第2歯部412が第二非係合位置に保持されるように、つめ部材解除傾斜面480を上方へ摺動し、該つめ部材解除傾斜面480によって支持される。
【0030】
図3〜図12に示された実施の形態は、シフトアップ及びシフトダウン操作の双方を、同一方向への操作ワイヤの連続した引っ張りによって実行することが、直ちに理解されるであろう。図13は、自転車変速機の変速を行う為の本発明に係る補助装置の他の実施の形態514を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリ10の斜視図である。下部ブラケットアッセンブリ10及びクランクアームアッセンブリ42,46の構造は、図1及び図2に示す実施の形態と同一であるので、これらの構成部材の詳細な説明は省略する。詳細は後述するように、補助装置514は、操作レバー524を時計回りに移動させることによってフロントディレイラ520をシフトアップし、操作レバー524を反時計回りに移動させることによってフロントディレイラ520をシフトダウンさせるように構成されている。操作レバー524は、ハンドルバー(図示せず)に配設されるシフト操作装置に連結される操作ワイヤ523を取り付ける為のワイヤカップリング525を備えている。
【0031】
本実施の形態においては、フロントディレイラ520は、補助装置514と一体形成されている。より詳しくは、補助装置514は、フロントディレイラ520のベース部材としても機能する装着部材526を備えている。他の点においては該フロントディレイラ520は一般的な構成を備えており、リンク機構528に連結された作動アーム536の引張及び解放によって、チェーン(図示せず)を大径歯車136と小径歯車144との間で移動させるべくチェーンガイド532が横方向内方及び外方へ移動するように、リンク機構528が、ベース(装着)部材526と該チェーンガイド532との間に連結されている。
【0032】
図14は、ディレイラ520及びクランクアームアッセンブリ46が取り除かれた状態の補助装置514の斜視図である。前記実施の形態1と同様に、駆動リング170’は平滑内周面171’を備えた状態で示されており、且つ、該補助装置の操作の理解を助けるために、図16〜図21における軸30に取り付けられた状態で示されている。弓状操作レバー530は、操作レバー軸W回りに揺動し得るように、操作アーム524にも連結された枢支軸534を介して、装着部材526に揺動自在に連結された第1端部を備えている。前記枢支軸534の回りにはスプリング535が配設されており、該スプリング535は、操作レバー530を反時計回りに付勢すべく、装着部材526と操作レバー530との間に連結されている。第1制御突起538は、操作レバー530の中間部から径方向内方へ延在しており、且つ、径方向外方を向く第1つめ制御面544を有する,横方向内方延在の第1つめ制御リッジ542(図16参照)で終焉している。同様に、第2制御突起548は、操作レバー530の第2端部から径方向内方へ延在しており、且つ、径方向内方を向く第2つめ制御面554を有する,横方向内方延在の第2つめ制御リッジ552で終焉している。
【0033】
図15A及び図15Bは、装着部材526をより詳細に示している。装着部材526は、第1つめ制御リッジ542が挿通される第1リッジ開口562と、第2つめ制御リッジ552が挿通される第2リッジ開口566と、径方向外方を向くつめ制御面574及び径方向内方を向くつめ制御面578によって形成されるつめ制御溝570とを備えている。前記つめ制御面574は、第1制御リッジ542の径方向内方への動きを許容する第1制御リッジ通路582と、つめ部材解除傾斜面586及びつめ部材解除傾斜面590とを除き、略円形状をなしている。同様に、つめ制御面578は、第2制御リッジ552の径方向外方への動きを許容する第2制御リッジ通路594と、つめ部材解除傾斜面596及びつめ部材解除傾斜面598とを除き、略円形状をなしている。前記つめ部材解除傾斜面586,590,596,598の機能は、後述する。
【0034】
図16に示されるように、カム面608を有するカム604は、図14に示すY軸回りに回転し得るように、装着部材526に装着されている。カムフォロアー612は、2つの構成要素からなるレバー(612A,612B)とされている。前記レバー片612Aの第1端部は、枢支軸616を介して装着部材526に揺動自在に装着されており、該レバー片612Aの第2端部は、カム面608と係合するローラ620を有している。前記枢支軸616は前記装着部材526の側面を貫通して延びており、前記レバー片612Bの第1端部に連結されている。前記レバー片612Bの第2端部は、ディレイラ作動ワイヤ630が挿通される開口の形態をなす変速機作動手段カップリングを有している。ディレイラ作動ワイヤ630は、該ワイヤ630が前記開口626から外れるように上方へ引っ張られることを防止する為のワイヤエンドビード634を有している。
【0035】
前記実施の形態1におけるように、第一カップリング654はカム部材604を回転させるように連結されており、該第一カップリング654は第一係合位置と第一非係合位置との間を移動するようになっている。他方、第二カップリング656はカム部材604を回転させるように連結されており、該第二カップリング656は第二係合位置と第二非係合位置との間を移動する。
【0036】
第一カップリング654は、第1つめ670及び第1つめ装着部材674を有している。第1つめ670の第1端部は、第1枢支軸678を介して第1つめ装着部材674に揺動自在に連結されている。又、第1つめ670の第2端部は、径方向内方に延びる第1歯部682及び第1つめ制御部684を有している。第1つめ装着部材674は、ネジ686によって、カム部材604に固着されている。第1板ばね688の形態をなす第1バイアス機構は、カム部材604に固着された第1端部690と、第1つめ670の第2端部に当接する第2端部694とを有している。第1板ばね688は、第1つめ670が後述するように駆動リング170’の接合面192A又は192Bの何れか一方と係合する第一係合位置に位置するように、第1歯部682を径方向内方へ付勢する。
【0037】
同様に、第二カップリング656は、第2つめ700及び第2つめ装着部材704を有している。第2つめ700の中間部は、第2枢支軸708を介して第2つめ装着部材704に揺動自在に連結されている。前記第2つめ700の第1端部は、径方向内方へ延在する第2歯部712を有しており、該第2つめ700の第2端部は、第2つめ制御部714を有している。第2つめ装着部材704は、ネジ716によってカム部材604に固着されている。第2板ばね718の形態をなす第2バイアス機構は、カム部材604に固着される第1端部722と、第2つめ700の第1端部と当接する第2端部724とを有している。第2板ばね718は、第2つめ700が後述するように駆動リング170’の接合面192A又は192Bの何れか一方と係合する第二係合位置に位置するように、第2歯部712を径方向内方へ付勢する。
【0038】
補助装置514のシフト操作は、図16〜図21を参照することによって理解され得るであろう。図16は、定常時のアイドル状態におけるシフト補助装置514を示している。該初期状態において、第1つめ制御リッジ542の第1つめ制御面544は、第1歯部682が第一非係合位置に位置する径方向外方に保持されるように、第1つめ制御部684を支持しており、他方、つめ部材解除傾斜面598は、第2歯部712が第二非係合位置に位置する径方向外方に保持されるように、第2つめ制御部714を径方向内方へ押圧している。従って、駆動リング170'は、シフト補助装置514へ影響を与えることなく、軸30と共に回転する。
【0039】
図17は、操作ワイヤ523が上方へ引っ張られた際の状態を示している。この場合、操作レバー524,530は、スプリング535の付勢力に抗して枢支軸534回りを時計回り方向へ揺動し、これにより、第1つめ制御リッジ542は、第1つめ制御部684が径方向内方へ移動することを許容する。結果として、第1つめ670は、第1板ばね688の付勢力に従って反時計回りに回転し、これにより、第1歯部682を第一係合位置まで径方向内方へ移動させる。従って、駆動リング170’の接合面192A又は192Bの一方(例えば、接合面192A)が第1つめ670の外周位置まで回転すると、第1歯部682は該接合面に当接し、これにより、カム部材604は駆動リング170’及び軸30と共に、図18に示す位置まで時計回りに回転する。同時に、第2つめ制御部714はつめ部材解除傾斜面598から外れるように摺動し、これにより、第2つめ700は、第2歯部712が前記接合面192A又は192Bの他方(例えば、接合面192B)と当接する第二係合位置まで径方向内方へ移動するように、第2板ばね718の付勢力によって枢支軸708回りを反時計回りに回転する。
【0040】
カム面608は、レバー片612A上のローラ620が径方向外方へ移動するように、反時計回り方向へ行くに従って半径が増加するようになっており、これにより、レバー片612Bが作動ワイヤ630を下方へ引っ張るようになっている。カム部材604の時計回りの回転は、図18に示されるように、カム面608によってカムフォロアー612が作動ワイヤ630を必要量近く引っ張るまで続けられる。この際、第1つめ制御部684はつめ部材解除傾斜面590の近傍に位置し、且つ、第2つめ制御部714は(第2つめ700を時計回りに回転させつつ)つめ部材解除傾斜面596を上方へ摺動し、第2つめ制御リッジ552の第2つめ制御面554と当接して、該接合面192Bから第2歯部712を解除させる。さらに、レバー片612A上のローラ620は、カム604上のカムリッジ730の反時計回り方向近傍に位置している。
【0041】
図19に示されるように、カム部材604が回転を続けると、第1つめ制御部684は、第1つめ670が時計回りに回転して、第1歯部682を第一非係合位置へ移動させるように、つめ部材解除傾斜面590を上方へ摺動する。さらに、第2つめ制御部714は、第2つめ制御面554の時計回り方向端部まで移動する。変速機のリターンスプリングからレバー612を介して伝達され、ローラ620によってカムリッジ730へ付加される径方向内方を向く力は、第1つめ制御部684がつめ部材解除傾斜面590上の適切な位置に配置され、且つ、第1歯部682が接合面192Aから解除されるように、カム部材604が少しだけ時計回りに回転することを保証する。この状態で、カム部材604は回転を停止し、ディレイラ作動ワイヤ630はシフトアップ位置に保持される。
【0042】
作動ワイヤ523は、図20に示されるように、自転車変速機をシフトダウン位置へシフトする為に作動ワイヤ630を解放すべく、解放される。この場合、操作レバー524,530は、スプリング535の付勢力に従って枢支軸534回りに反時計回りへ揺動し、第2つめ制御リッジ552は、第2つめ制御部714が径方向外方へ移動することを許容する。結果として、第2つめ700は、第2板ばね718の付勢力に従って枢支軸708回りを反時計回りに回転し、これにより、第2歯部712を第二係合位置へ移動させる。従って、駆動リング170’の接合面192A又は192Bの一方(例えば、接合面192A)が第2つめ700の外周位置まで回転して、第2歯部712が該接合面と当接すると、カム部材604は、図21に示す位置まで、駆動リング170’及び軸30と共に回転する。同時に、第1つめ制御部684は摺動してつめ部材解除傾斜面590から外れ、第1つめ670は、第1歯部682が前記接合面192A又は192Bの他方(例えば、接合面192B)と当接すべく第一係合位置まで径方向内方へ移動するように、第1板ばね688の付勢力に従って枢支軸678回りを反時計回り方向へ回転する。
【0043】
ローラ620と当接するカム面608の該位置は、レバー片612A上の該ローラ620が径方向内方へ移動すべく、図21に示すように、反時計回り方向へ行くに従って半径が小さくなるように構成されており、従って、レバー片612Bがディレイラ作動ワイヤ630を解放するようになっている。カム部材604の時計回りの回転は、図21に示されるように、カム面608によってカムフォロアー612が作動ワイヤ630を必要な量だけほぼ解放させるまで、継続される。この際、第2つめ制御部714はつめ部材解除傾斜面598の近傍に位置し、且つ、第1つめ制御部684は(第1つめ670を時計回りに回転させるように)つめ部材解除傾斜面586を上方へ摺動して、第1つめ制御リッジ542の第1つめ制御面544と当接し、第1歯部682を接合面192Bから解放する。さらに、カムフォロアーレバー612上のローラ620は、カム部材604上のカムリッジ734の反時計回りの近傍に配置される。
【0044】
カム部材604が回転を続けると、第2つめ制御部714は、第2つめ700が第2歯部712を第二非係合位置まで移動させるべく回転するように、つめ部材解除傾斜面598上を上方へ摺動し、他方、第1つめ制御部684は第1つめ制御面544の時計回り方向端部まで移動する。変速機のリターンスプリングからレバー612を介して伝達され、ローラ620によってカムリッジ734へ付加される径方向内方への力は、第2つめ制御部714がつめ部材解除傾斜面598上の適切な位置に配置され、且つ、第2歯部712が接合面192Aから解除されるまで、カム部材604が回転し続けることを、保証する。この状態で、カム部材604は回転を停止し、作動ワイヤ630は、図16の初期位置によって示されるシフトダウン位置に保持される。
【0045】
図22は、自転車トランスミッションの変速を行う為の本発明に係る補助装置14'の他の実施の形態を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリ10の部分縦断面図である。本実施の形態は、図1〜図21に示された他の何れの構成をも使用することができる。本実施の形態に係る装置と図1〜図21に示された装置との相異点は、第1には、図2Bに示すクランクアームアッセンブリ46'と類似するが同一ではないクランクアームアッセンブリ46''の構造である。従って、図1及び図2Bにおける構成部材と同一の部材には同一符号を付して、これらの詳細な説明を省略する。
【0046】
本実施の形態においては、シフトアップチェーン支持部201A,201B,201E及び201Fが備えられており、該シフトアップチェーン支持部201B及び201Fはクランクアーム120の中央長手軸Rから時計回り方向へ約57.55゜に配設されている。面取りされた側面203Yを有するシフトダウン促進歯203Xが、クランクアーム120の中央長手軸Rから時計回り方向へ約11.74゜離間されて配置されたチェーン受入リセス203Zの時計回り方向に隣接して備えられている。該構成及び配置の結果として、駆動リング170’’は、該駆動リング170’’が前記接合面192A’及び192B’を形成する駆動突起190A’及び190B’を備えるという特定構成を備えた状態で、クランク軸装着ボス124’’に装着される。
【0047】
図2Aに示す実施の形態と同様に、接合面192A’及び192B’は、クランクアームアッセンブリ46’’の回転軸Xから径方向外方へ延び且つクランク軸装着ボス124’’の外周面123’に直交する一本の仮想直線に沿っている。しかしながら、本実施の形態においては、接合面192A’及び192B’は、クランクアーム本体120の中央長手軸Rから時計回り方向へ約75゜離間された位置に配設されている。斯かる構成は、チェーンが、シフトアップチェーン支持部材201A,201B,201E,201F及びシフトダウンチェーン促進歯203Xを最大限に利用し得る適切な位置に位置し得るように、前記接合面が補助装置14’の操作時間を調節することを許容する。
【0048】
図23及び図24に示されるように、駆動リング170’’は、クランク軸装着ボス124’’の外周面123’に押圧係合される平滑な内周面171’’を有している。該内周面171’’は、それぞれ、クランク軸装着ボス124’の外周面に配設された対応する弓状突起125A,125Bと係合する弓状リセス172A,172Bを有しており、これにより、接合面192A’,192B’が適切な装着角度を有するように、駆動リング170’がクランク軸装着ボス124’’に係合されることが保証される。駆動リング170’’の強度を弱めることなく弓状リセス172A,172Bを有し、且つ、駆動リング170’’の直径を最小に維持する為に、突起190A’,190B’は、それぞれ、略平坦な上面194A,194Bを有する幅厚の接合面形成突起193A,193Bを有している。弓状リセス172A,172Bは、前記幅厚の接合面形成突起193A,193B内に配置されている。さらに、前記上面194A,194Bの時計回り方向端部から径方向内方へは、それぞれ、傾斜面195A,195Bが延びている。
【0049】
図22に示されるように、駆動リング170’’は、さらに、小径歯車及び回転軸X方向に沿ったスプライン98に対する特定の関連性を有している。本実施の形態において、駆動リング170’’は、回転軸X方向の厚みが3.0mmとされている。駆動リング170’’の内面176Aを含む平面Pは、小径歯車144の内側面から3.3mmに配されている。従って、本実施の形態においては、駆動リング170’’の外面176Bを含む平面Qは、小径歯車144の内側面145から約0.3mmの位置に配される。又、平面Pは、スプライン98の最内端部97から約9.5mmに配される。好ましくは、平面Pは、スプライン98の最内端部97から少なくとも5mmの位置に配される。
【0050】
本実施の形態において、クランク軸装着ボス124’’の外周面123’は、環状ラバーシール800を支持する為のシール支持溝126及びシール支持リッジ127を有している。図25により詳細に示されるように、シール800は環状ベース部材802を有している。そして、該環状ベース部材802は、前記シール支持溝126と係合する,径方向内方へ突出した係合突起804と、前記シール支持リッジ127と係合する係合リッジ808とを有している。さらに、カバー137’の径方向内方を向く表面137Aと当接すべく、前記ベース部材802から径方向外方へはリップシール829が延びている。斯かるシール構造によって、クランクアームアッセンブリ内に入り込む異物が前記シールを過磨耗させる危険性を有効に回避できる。
【0051】
本発明に係る数種の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく、さらなる変形態様が適用可能である。例えば、駆動突起190A,190Bは、クランク軸装着ボスの側壁124又は外周面224上に、横方向内方へ突出するように直接形成することができる。種々の構成要素の大きさ,形状,位置又は姿勢は、所望により変更され得る。一つの構成要素による作用を2つの構成要素によって奏されるように構成することもできるし、又、その逆も可能である。全ての作用効果が特定形態において同時に奏されることは必要ではない。即ち、従来技術に対して新規な構成は、それ単独又は他の構成と組み合わせた態様に包含される構成的及び/又は作用的概念を含み、本発明者によってなされた個別の発明と解釈されるべきである。従って、本発明の範囲は、開示した特定構成によって限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】
本発明の一態様によれば、クランクアームに連結される駆動部材を備え、該駆動部材を介して、自転車変速機の変速操作を行うシフト操作ワイヤの引張及び解放を行うように構成されているので、変速機を操作する際の操作力を小さくすることができる。
即ち、前記駆動部材と共働し得るカム機構を備え、操作ワイヤの引張又は解放によって、前記駆動部材の接合面(第1接合面)とカム機構との係合/非係合を切り換えるように構成しているので、少ない操作ワイヤの移動量に基づき、変速機に連結された前記シフト操作ワイヤを必要量だけ移動させることができる。
さらに、前記クランクアームが上死点又は下死点に位置する際に、前記駆動部材の接合面(第1接合面)とカム機構との係合が行われるように構成すれば、チェーンに小さいペダル力が付加されている間に変速機の変速を行うことになり、従って、変速機の変速操作に要する力を下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る自転車変速機シフト用補助装置の一実施の形態を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリの部分断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明に従った右側クランクアームアッセンブリの一形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、本発明に従った右側クランクアームアッセンブリの他形態の側面図である。
【図3】図3は、本発明に従った左側クランクアームアッセンブリの他形態の斜視図である。
【図4】図4は、本発明に係る補助装置の一実施の形態の斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す補助装置のアイドル状態における側面図である。
【図6】図6は、図4に示す補助装置の側面図であり、操作ワイヤが1回目に移動された状態を示している。
【図7】図7は、図4に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ位置調整カムが、ディレイラ作動ワイヤを引っ張る為に回転部材と共に回転している状態を示している。
【図8】図8は、図4に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ位置調整カムを回転部材から解放する直前状態を示している。
【図9】図9は、図4に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ位置調整カムが回転部材に対して非係合とされた状態を示している。
【図10】図10は、図4に示す補助装置の側面図であり、該補助装置がシフト操作を完了した状態を示している。
【図11】図11は、図4に示す補助装置の側面図であり、操作ワイヤが2回目に移動された状態を示している。
【図12】図12は、図4に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ作動ワイヤを解放する為に、ディレイラ位置調整カムが回転部材と共に回転している状態を示している。
【図13】図13は、本発明に係る自転車変速機シフト用補助装置の他の実施の形態を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリの斜視図である。
【図14】図14は、図13に示す補助装置の斜視図であり、ディレイラ及びクランクアームが取り除かれた状態を示している。
【図15】図15Aは、図13に示す補助装置と共に使用される装着部材の側面図であり、制御面の形状を示している。図15Bは、図15Aにおける16B−16B線に沿った断面図である。
【図16】図16は、図13に示す補助装置の側面図であり、該補助装置がアイドル状態にある場合を示している。
【図17】図17は、図13に示す補助装置の側面図であり、操作ワイヤが第1方向へ移動されている状態を示している。
【図18】図18は、図13に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ作動ワイヤを引っ張る為に、ディレイラ位置調整カムが回転部材と共に回転している状態を示している。
【図19】図19は、図13に示す補助装置の側面図であり、補助装置がシフト操作を完了した状態を示している。
【図20】図20は、図13に示す補助装置の側面図であり、操作ワイヤが第2方向へ移動されている状態を示している。
【図21】図21は、図13に示す補助装置の側面図であり、ディレイラ作動ワイヤを解放する為に、ディレイラ位置調整カムが回転部材と共に回転している状態を示している。
【図22】図22は、本発明に係る自転車変速機シフト用補助装置のさらに他の実施の形態を組み込んだ自転車下部ブラケットアッセンブリの部分断面図である。
【図23】図23は、図22に示す補助装置と共に使用される右側クランクアームアッセンブリの一形態の側面図である。
【図24】図24は、図23に示す駆動部材の詳細図である。
【図25】図25は、図23におけるシール部材の形状を示す詳細図である。
【符号の説明】
14′ 補助機構
42,46 クランクアームアッセンブリ
132 歯車装着部材
136 大径歯車
144 小径歯車
170 駆動リング
190A,190B 駆動突起
192A,192B 接合面
Claims (30)
- 自転車変速操作補助装置であって、
回転軸を有するクランクアームと、
該クランクアームに連結される駆動部材と、
カム機構とを備え、
該駆動部材は、前記クランクアームの回転方向前方を向く第1接合面と、前記接合面の径方向外方部から延び且つ前記クランクアームの回転方向後方を向く,凹部を有さない第1傾斜面とを有し、
前記カム機構は、操作手段の引張又は解放によって、前記駆動部材の第1接合面との係合/非係合を切り換えられるものであり、且つ駆動部材の第1接合面との係合によって駆動部材と共働することにより、自転車変速機のシフト操作を行うように構成されてなることを特徴とする自転車変速操作補助装置。 - 前記第1接合面は、前記クランクアームの外周面と略直交していることを特徴とする請求項1に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記第1傾斜面は、弓状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動部材は、前記回転軸と同軸上に配されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動部材は、前記クランクアームに一体形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動部材は、前記回転軸回りに装着される環状の駆動リングを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動リングの内周面には、複数の駆動リングスプラインが設けられ、
前記クランクアームの外周面には、前記複数の駆動リングスプラインと係合する複数のクランクアームスプラインが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の自転車変速操作補助装置。 - 前記駆動部材は、前記クランクアームの回転方向前方を向く第2接合面と、前記クランクアームの回転方向後方を向く,凹部を有さない第2傾斜面とを有していることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記第1接合面は、前記第2接合面から略180゜離間されていることを特徴とする請求項8に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記第2接合面は、前記クランクアームの外周面と略直交することを特徴とする請求項8又は9に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記第2傾斜面は、弓状とされていることを特徴とする請求項8から10の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームは、左側クランクアームであることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームは、右側クランクアームであることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記回転軸は、前記クランクアームの第1端部に配設されており、
該クランクアームは、前記第1端部とは反対側の第2端部に配設されたペダル装着孔を有していることを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。 - 前記クランクアームは、該クランクアームに歯車を装着する為の歯車装着部材を有していることを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記歯車装着部材は、4本の歯車装着アームを有していることを特徴とする請求項15に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記歯車装着部材に保持された大径歯車及び小径歯車を、さらに備えていることを特徴とする請求項15又は16に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記大径歯車は、前記小径歯車と大径歯車との間のチェーンの移動を補助するシフト補助機構を備えていることを特徴とする請求項17に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記シフト補助機構は、前記大径歯車における前記小径歯車と対応する側面に配設された支持部材を備えていることを特徴とする請求項18に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動部材の内側面を含む第1平面が、前記小径歯車の内側面より横方向内方に配置されていることを特徴とする請求項17から19の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記駆動部材の外側面を含む第2平面が、前記小径歯車の内側面より横方向内方に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームの外周面に沿って配設されたダストシールを、さらに備えていることを特徴とする請求項1から21の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームの内側面には、溝が設けられていることを特徴とする請求項1から22の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記溝は、環状溝であることを特徴とする請求項23に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームは、クランク軸装着孔を有しており、該クランク軸装着孔には、複数のスプラインが配設されていることを特徴とする請求項1から24の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記第1接合面の径方向内端部との交差点における駆動部材の外周面は、20゜より広範囲に亘って略一定の曲率半径を有していることを特徴とする請求項1から25の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。
- 前記クランクアームは、クランク軸装着孔と、該クランク軸装着孔内に配設された複数のスプラインとを有し、
前記駆動部材の内側面を含む平面は、前記複数のスプラインの横方向内端部より内方に配置されていることを特徴とする請求項1から26の何れか1項に記載の自転車変速操作補助装置。 - 前記平面は、前記複数のスプラインの横方向内端部より少なくとも5mm内方に配置されていることを特徴とする請求項27に記載の自転車変速操作補助装置。
- 自転車変速操作補助装置であって、
クランク軸装着ボスを有する自転車クランクアームと、
前記クランク軸装着ボスに配設される駆動部材と、
カム機構とを備え、
該駆動部材は外周面を有しており、
該外周面上には、前記クランクアームの回転方向前方を向く接合面が配設され、
前記接合面の径方向内端部と交差する位置における前記外周面は、少なくとも20゜の範囲に亘って凸状に延び、
カム機構は、操作手段の引張又は解放によって、前記駆動部材の接合面との係合/非係合を切り換えられるものであり、且つ駆動部材の接合面との係合によって駆動部材と共働することにより、自転車変速機のシフト操作を行うように構成されてなることを特徴とする自転車変速操作補助装置。 - 自転車変速操作補助装置であって、
クランクアーム軸に沿って延び、且つ、クランク軸装着孔を画するクランク軸装着ボスを有するクランクアームと、
前記クランク軸装着ボスに配設され、且つ、前記クランク軸装着孔から径方向外方へ延びる駆動部材と、
カム機構とを備え、
前記駆動部材は、前記クランクアームの回転方向前方を向き且つ該クランクアームの内側面から横方向に離間されるように、該クランクアームの内側面に配設された接合面を有し、
前記カム機構は、操作手段の引張又は解放によって、前記駆動部材の接合面との係合/非係合を切り換えられるものであり、且つ駆動部材の接合面との係合によって駆動部材と共働することにより、自転車変速機のシフト操作を行うように構成されてなることを特徴とする自転車変速操作補助装置。
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