JP3607571B2 - プリントヘッド駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドットインパクトプリンタにおけるプリントヘッドの励磁コイルをを駆動するためのプリントヘッド駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来技術の前提となる基本的なプリントヘッド駆動回路を示し、図7[1]は回路図、図7[2]は波形図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0003】
図7[1]に示すように、基本的なプリントヘッド駆動回路は、励磁コイルL1の一端(以下「コモン側」という。)を電源電圧VDDに接続し、励磁コイルL1の他端(以下「シンク側」という。)をNPN型のトランジスタTrに接続したものである。
【0004】
トランジスタTrをONすると、電源電圧VDD→励磁コイルL1→トランジスタTr→GNDの順で電流が流れる。この電流は、図7[2]に示すように、励磁コイルL1の抵抗及びインダクタンスの時定数で上昇する。続いて、トランジスタTrをOFFすると、励磁コイルL1には電流を流し続けようとして逆起電力が生じる。この時、励磁コイルL1に蓄えられたエネルギーが原因で、シンク側には通常100V以上の非常に高い電圧(フライバック電圧)が発生する。
【0005】
このままでは、トランジスタTrが破損してしまうため、このエネルギーを逃がす必要がある。そこで、図7[1]に示すように、トランジスタTrのコレクタ−ベース間にツェナーダイオードZDを設けている。トランジスタTrがOFFした時に、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧よりもフライバック電圧が高くなると、トランジスタTrのベースに電圧が加わることにより、トランジスタTrがONして電流を流す。そして、この電流が流れることにより、フライバック電圧がツェナー電圧よりも低くなると、トランジスタTrがOFFする。つまり、図7[2]に示すように、フライバックエネルギーをGNDに逃がすことによって、励磁コイルL1に流れる電流が急速に減少する。
【0006】
このようにして、プリントヘッドの励磁コイルL1に電流を流すことで、励磁コイルL1に電磁石力が生じるので、プリントヘッドのピンを駆動することができる。ピンの駆動方法には、バネ力に抗して電磁石力でピンをとばす方法(クラッパ式)や、電磁石力で永久磁石力をキャンセルしてバネ力でピンを飛ばす方法(スプリングチャージ式)等がある。
【0007】
ところで、高性能を追求すると、プリントヘッドには、一旦飛び出したピンをしばらく出したままにする、戻ってくる力を弱めてオーバーシュートを抑えるなどの動作が求められる。図8は、このような高性能化した従来のプリントヘッド駆動回路を示す回路図である。図2は、図8のプリントヘッド駆動回路の動作を示す波形図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0008】
図8に示すように、従来のプリントヘッド駆動回路は、励磁コイルL1のコモン側にPNP型のトランジスタTr11を接続し、シンク側にNPN型のトランジスタTr12を接続し、トランジスタTr11を駆動信号S1で制御し、トランジスタTr12を駆動信号S2で制御するものである。駆動信号S2は、駆動信号S1と同時にオンになり、駆動信号S1よりも遅くオフになる。
【0009】
駆動信号S1は、ピンを飛び出させるため、及びピンを加速して高いインパクト力を付けるための信号である。駆動信号S2は、一旦飛び出したピンをできるだけそのまま保持するための信号である。駆動信号S2によって使われるエネルギーは、飛び出させる時のような大きさを必要としないので、電源電圧VDDから電流を供給せずに励磁コイルL1に蓄えられたエネルギーを利用する。
【0010】
図2に示す期間T1は、トランジスタTr11,Tr12,Tr13がすべてONする。この時の電流I1は、電源電圧VDD→トランジスタTr11→励磁コイルL1→トランジスタTr12→GNDの経路を流れる。
【0011】
期間T2は、トランジスタTr13がOFFすることによりトランジスタTr11がOFFし、トランジスタTr12がONのままである。この時の電流I2は、励磁コイルL1が電流を流し続けようとするので、GND→ダイオードD11→励磁コイルL1→トランジスタTr12→GNDの経路で流れる。
【0012】
期間T3は、トランジスタTr11がOFFし、トランジスタTr12もOFFした状態である。この時、励磁コイルL1には電流を流し続けようとして逆起電力が生じる。そのため、図8に示すA点には、励磁コイルL1に蓄えられたエネルギーに起因して非常に高い電圧が生じる。このままではトランジスタTr12が破損してしまうので、このフライバックエネルギーをダイオードD12及びツェナーダイオードZD11を通して電源電圧VDDに逃がす。これにより、(電源電圧)+(ツェナー電圧)で励磁コイルL1の端子電圧をクランプできるので、これ以上励磁コイルL1の端子電圧が上昇することはない。(電源電圧)+(ツェナー電圧)が大きいほど、短時間でフライバックエネルギーを吸収することができる。また、エネルギーを電源電圧VDDに逃がすことによって省エネルギーになる。よって、期間T3における電流I3は、GND→ダイオードD11→励磁コイルL1→ダイオードD12→ツェナーダイオードZD11→電源電圧VDDの経路を流れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプリントヘッド駆動回路には、次のような問題があった。
【0014】
(1).コモン側のトランジスタTr11、励磁コイルL1及びシンク側のトランジスタTr12が、電源に対して直列に接続されている。そのため、トランジスタ二個分のVce(sat)の電圧降下が生じるので、励磁コイルL1に印加される電圧が電源電圧VDDからかなり低いものになっていた。
【0015】
(2).図2に示すように、期間T1ではコモン側及びシンク側の両方のトランジスタTr11,Tr12に電流が流れ、期間T2ではシンク側のトランジスタTr12に電流が流れるため、トランジスタでの発熱量が多かった。
【0016】
(3).逆起電力によって励磁コイルL1に蓄えられたエネルギーを電源電圧VDDに逃がす方法では、全フライバックエネルギーをツェナーダイオードZD11で消費するので、ワット数が大きいツェナーダイオードZD11を必要とする。実際には、図8に示すように、ワット数の小さいものを数個直列に接続して発熱を分散させていた。そのため、部品点数が多くなり、プリント基板面積も大きくする必要があった。
【0017】
【発明の目的】
そこで、本発明の主な目的は、励磁コイルに印加される電圧を増加でき、トランジスタでの発熱量を減少でき、ツェナーダイオードを小容量にできる、プリントヘッド駆動回路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプリントヘッド駆動回路は、第一の駆動信号と、この第一の駆動信号と同時にオンになり第一の駆動信号よりも遅くオフになる第二の駆動信号とを用い、プリントヘッドの励磁コイルに電流を供給するものである。そして、励磁コイルと第一のスイッチング素子部とが電源に直列に接続され、第二及び第三のスイッチング素子部が励磁コイルにそれぞれ並列に接続されている。第一のスイッチング素子部は、第一の駆動信号のオンによって閉となることにより電源から励磁コイルに電流を供給し、第一の駆動信号のオフによって開となることにより励磁コイルからフライバック電流を発生させる。第二のスイッチング素子部は、第二の駆動信号のオンによって閉、第二の駆動信号のオフによって開となり、第二の駆動信号がオンかつ第一の駆動信号がオフの時にフライバック電流を励磁コイルに供給する。第三のスイッチング素子部は、第一及び第二の駆動信号がオフの時に、一定電圧以上印加されると閉となってフライバック電流を励磁コイルに供給する。なお、スイッチング素子部の「開閉」とは、言うまでもないが、スイッチの「開閉」と同義である。
【0019】
従来は、電源に対して「スイッチング素子部−励磁コイル−スイッチング素子部」と直列に接続されていた。そのため、二個のスイッチング素子部の電圧降下分を電源電圧から差し引いた電圧が、励磁コイルに印加されていた。これに対し、本発明では、電源に対して「励磁コイル−スイッチング部」と直列に接続されている。したがって、励磁コイルに印加される電圧は、一個のスイッチング素子部の電圧降下分だけを電源電圧から差し引いた電圧となるので、一個のスイッチング素子部の電圧降下分だけ従来よりも増加できる。
【0020】
また、従来は、第一の駆動信号がオンの時に、二個のスイッチング素子部に電流が流れていた。これに対し、本発明では、第一の駆動信号がオンの時に、一個のスイッチング素子部にだけ電流が流れるので、従来に比べてスイッチング素子部での発熱量を抑えることができる。
【0021】
更に、本発明は、次のような構成としてもよい。
【0022】
第一の駆動信号のみがチョッパ制御されたものである(請求項4)。第一のスイッチング素子部は、コレクタが励磁コイルのシンク側に接続されエミッタが接地されベースに第一の駆動信号が印加されるNPN型の第一のトランジスタを備える(請求項5)。第二のスイッチング素子部は、エミッタが接地されベースに第二の駆動信号が印加されるNPN型の第二のトランジスタと、ベースが第二のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが励磁コイルのシンク側に接続されたPNP型の第三のトランジスタと、ベースが第三のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが励磁コイルのコモン側に接続されたNPN型の第四のトランジスタと、アノードが励磁コイルのシンク側に接続されカソードが第四のトランジスタのコレクタに接続された第一のダイオードとを備える(請求項1)。第三のスイッチング素子部は、アノードが励磁コイルのシンク側に接続された第二のダイオードと、コレクタが第二のダイオードのカソードに接続されエミッタが励磁コイルのコモン側に接続されたNPN型の第五のトランジスタと、アノードが第五のトランジスタのベースに接続されカソードが第五のトランジスタのコレクタに接続されたツェナーダイオードとを備える(請求項2)。第二のスイッチング素子部は、エミッタが接地されベースに第二の駆動信号が印加されるNPN型の第二のトランジスタと、ベースが第二のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが励磁コイルのシンク側に接続されたPNP型の第三のトランジスタと、ベースが第三のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが励磁コイルのコモン側に接続されたNPN型の第四のトランジスタと、アノードが励磁コイルのシンク側に接続されカソードが第四のトランジスタのコレクタに接続された第一のダイオードとを備え、第三のスイッチング素子部は、アノードが励磁コイルのシンク側に接続された第一のダイオードと、コレクタがダイオードのカソードに接続されエミッタが励磁コイルのコモン側に接続された第四のトランジスタと、アノードが第四のトランジスタのベースに接続されカソードが第四のトランジスタのコレクタに接続されたツェナーダイオードとを備える(請求項3)。
【0023】
換言すると、本発明に係るプリントヘッド駆動回路は、電流のピーク値を抑える定電流チョッパ制御、又は電源からの電流供給なしに励磁コイルのインダクタに蓄えられたエネルギーにて励磁コイルにループ電流を流す制御、をする駆動回路において、励磁コイルの一端を電源に直接接続しながらも励磁コイルのフライバック起電力を利用して前記制御を可能とする励磁コイルのループ回路を持つことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第一実施形態を示す回路図である。図2は、図1のプリンタヘッド駆動回路の動作を示す波形図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0025】
本実施形態のプリントヘッド駆動回路は、駆動信号S1と、駆動信号S1と同時にオンになり駆動信号S1よりも遅くオフになる駆動信号S2とを用い、プリントヘッドの励磁コイルL1に電流を供給するものである。そして、励磁コイルL1とスイッチング素子部10とが電源電圧VDDに直列に接続され、スイッチング素子部20,30が励磁コイルL1にそれぞれ並列に接続されている。スイッチング素子部10は、駆動信号S1のオンによって閉となることにより電源電圧VDDから励磁コイルL1に電流I1を供給し、駆動信号S1のオフによって開となることにより励磁コイルL1からフライバック電流I2,I3を発生させる。スイッチング素子部20は、駆動信号S2のオンによって閉、駆動信号S2のオフによって開となり、駆動信号S2がオンかつ駆動信号S1がオフの時にフライバック電流I2を励磁コイルL1に供給する。スイッチング素子部30は、駆動信号S1,S2がオフの時に、一定電圧以上印加されると閉となってフライバック電流I3を励磁コイルL1に供給する。
【0026】
スイッチング素子部10は、コレクタが励磁コイルL1のシンク側に接続されエミッタが接地されベースに駆動信号S1が印加されるNPN型のトランジスタTr2と、トランジスタTr2のベースに挿入された電流制限用の抵抗器R1とからなる。
【0027】
スイッチング素子部20は、エミッタが接地されベースに駆動信号S2が印加されるNPN型のトランジスタTr4と、トランジスタTr4のベースに挿入された電流制限用の抵抗器R2と、ベースがトランジスタTr4のコレクタに接続されエミッタがシンク側に接続されたPNP型のトランジスタTr3と、トランジスタTr4のコレクタとトランジスタTr3のベースとの間に挿入された電流制限用の抵抗器R3と、ベースがトランジスタTr3のコレクタに接続されエミッタがコモン側に接続されたNPN型のトランジスタTr1と、トランジスタTr3のコレクタとトランジスタTr1のベースとの間に挿入された電流制限用の抵抗器R4と、アノードがシンク側に接続されカソードがトランジスタTr1のコレクタに接続されたダイオードD1とからなる。
【0028】
スイッチング素子部30は、アノードがシンク側に接続されたダイオードD1と、コレクタがダイオードD1のカソードに接続されエミッタがコモン側に接続されたNPN型のトランジスタTr1と、アノードがトランジスタTr1のベースに接続されカソードがトランジスタTr1のコレクタに接続されたツェナーダイオードZD1とからなる。つまり、ダイオードD1及びトランジスタTr1は、スイッチング素子部20,30で共用されている。
【0029】
次に、本実施形態のプリンタヘッド駆動回路の動作を説明する。
【0030】
図2に示す期間T1では、シンク側のトランジスタTr2がONする。このとき、コモン側では、トランジスタTr3,Tr4がONしているものの、B点における電圧は0V近くとなる。そのため、トランジスタTr3に電流が流れないことにより、トランジスタTr1のベースに電圧が加わらないので、トランジスタTr1はONしない。すなわち、期間T1における電流I1は、電源電圧VDD→励磁コイルL1→トランジスタTr2→GNDの経路を流れる。したがって、この回路構成であれば、励磁コイルL1には電源電圧VDDを直接印加することができる。
【0031】
期間T2では、シンク側のトランジスタTr2がOFFする。このとき、励磁コイルL1には電流を流し続けようとして逆起電力が発生し、B点には非常に高いフライバック電圧が発生する。コモン側では、このフライバック電圧によってトランジスタTr3に電流が流れ、これによりトランジスタTr1のベースに電圧が加わるのでトランジスタTr1がONする。すなわち、期間T2における電流I2は、電源電圧VDD→励磁コイルL1→ダイオードD1→トランジスタTr1→励磁コイルL1→ダイオードD1のループ回路を流れる。
【0032】
期間T3では、トランジスタTr3,Tr1がOFFする。このとき、フライバック電圧が発生し、この電圧がツェナーダイオードZD1のツェナー電圧より高くなった場合に、トランジスタTr1のベースに電圧が加わるので、トランジスタTr1がONする。この時の電流は、トランジスタTr1を流れ、全フライバックエネルギーは(トランジスタTr1)+(ダイオードD1)+(励磁コイルL1)で消費される。すなわち、期間T3における電流I3は、励磁コイルL1→ダイオードD1→トランジスタTr1→励磁コイルL1の経路を流れる。なお、トランジスタTr1に電流が流れる時間は、(T2+T3)の期間だけであるため、図8の従来技術におけるトランジスタT12に比べて短い。
【0033】
以上説明したとおり、本実施形態のプリントヘッド駆動回路によれば、コモン側に電源電圧VDDを直結したままでも、図8の従来技術と同じように図2に示す電流を励磁コイルL1に流すことができる。また、シンク側のトランジスタTr2は、駆動信号S1がONの時(期間T1)のみ電流が流れ発熱する。その時、コモン側のトランジスタTr1は、電流が流れないので、発熱もしなければ、損失もない。そのため、トランジスタTr1は、図8の従来技術におけるトランジスタT12に比べて、ワット数の小さな安価なものを使用することができる。
【0034】
図3は、本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第二実施形態を示す波形図である。以下、図1及び図3に基づき説明する。
【0035】
本実施形態では、第一実施形態における駆動信号S1を、図3に示すようなチョッパ制御した駆動信号S1としたものである。図1のプリントヘッド駆動回路は、このチョッパ制御された駆動信号S1を入力した場合でも問題なく動作する。また、チョッパ制御を実施した場合でも、従来技術に比べて、トランジスタに流れる電流の時間は各段に短いので、トランジスタの発熱を少なくすることができる。
【0036】
図4は、本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第三実施形態を示す回路図である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図1と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0037】
本実施形態のプリントヘッド駆動回路は、励磁コイルL1とスイッチング素子部11とが電源電圧VDDに直列に接続され、スイッチング素子部21,31が励磁コイルL1にそれぞれ並列に接続されている。スイッチング素子部11は、駆動信号S1のオンによって閉となることにより電源電圧VDDから励磁コイルL1に電流I1を供給し、駆動信号S1のオフによって開となることにより励磁コイルL1からフライバック電流I2,I3を発生させる。スイッチング素子部21は、駆動信号S2のオンによって閉、駆動信号S2のオフによって開となり、駆動信号S2がオンかつ駆動信号S1がオフの時にフライバック電流I2を励磁コイルL1に供給する。スイッチング素子部31は、駆動信号S1,S2がオフの時に、一定電圧以上印加されると閉となってフライバック電流I3を励磁コイルL1に供給する。
【0038】
コモン側のトランジスタTr10には、ワット数が小さくツェナーダイオードZD1を内蔵したNPN型を用いる。シンク側のトランジスタTr20には、NPN型として動作するダーリントントランジスタを用いる。トランジスタTr20は、駆動段のNPN型のトランジスタTr21と、パワー段のNPN型のトランジスタTr22と、トランジスタTr21のベース−エミッタ間の抵抗器R21と、トランジスタTr22のベース−エミッタ間の抵抗器R22とからなる。また、トランジスタTr3のベース−エミッタ間には抵抗器R5、トランジスタTr1のベース−エミッタ間には抵抗器R6がそれぞれ挿入されている。
【0039】
次に、図3及び図4に基づき、本実施形態のプリントヘッド駆動回路の動作を説明する。本実施形態では、図2の駆動信号でももちろん動作するが、図3の駆動信号を使うものとする。
【0040】
図3において、駆動信号S1,S2がともにONしている区間は、プリントヘッドのピンを前方に飛び出させる初動エネルギーを印加している。駆動信号S1がON/OFFを繰り返すチョッパ区間は、必要以上のエネルギー印加を抑制する。駆動信号S2のみONしている区間は、プリントヘッドのピンを継続して飛び出させる又は、プリントヘッドのピンの戻りを緩やかにする。
【0041】
駆動信号S1がONしている期間すなわち期間T1からチョッパOFF時間を除いた期間は、シンク側のトランジスタTr20がONしている。このとき、コモン側のトランジスタTr3,Tr4はONしているものの、C点における電圧は0V近くとなる。よって、トランジスタTr1のベースに電圧が加わらないため、トランジスタTr1には電流は流れない。すなわち、期間T1における電流I1は、電源電圧VDD→励磁コイルL1→トランジスタTr22→GNDを流れる。このとき、コモン側には電源電圧VDDを直接印加することができる。
【0042】
駆動信号S1がOFFしている期間すなわち期間T1中のチョッパOFFの期間は、期間T2と同様に動作する。このとき、トランジスタTr20がOFFすることにより、励磁コイルL1には逆起電力が発生する。C点ではフライバック電圧発生により電圧上昇が起こり、D点の電圧が(電源電圧VDD)+(トランジスタTr1のVce(sat))+(ダイオードD1の電圧)を越えた時にトランジスタTr3に電流が流れる。すると、トランジスタTr1のベースに電圧が加わることにより、トランジスタTr1はONし、電流I2は電源電圧VDD→励磁コイルL1→ダイオードD1→トランジスタTr1→励磁コイルL1→ダイオードD1のループ回路を流れる。
【0043】
駆動信号S2がOFFする期間T3は、トランジスタTr3,Tr1がOFFする。そのため、フライバック電圧が発生し、この電圧がツェナーダイオードZD1のツェナー電圧より高くなった場合に、トランジスタTr1のベースに電圧が加わるので、トランジスタTr1がONする。この時、電流I3はトランジスタTr1を流れ、全フライバックエネルギーは(トランジスタTr1)+(ダイオードD1)+(励磁コイルL1)で消費される。
【0044】
なお、本実施形態では、抵抗器R5,R6をそれぞれトランジスタTr3,Tr1のベース−エミッタ間に接続している。期間T3にトランジスタTr3,Tr1をOFFさせようとするが、それぞれのトランジスタTr3,Tr1のベースに残っているキャリアが抜けきらないことが原因で、トランジスタTr3,Tr1がOFFしない又はOFFするまで時間がかかってしまう。そのため、抵抗R5,R6をトランジスタTr3,Tr1のベース−エミッタ間に接続してキャリアをエミッタに逃がしている。
【0045】
本実施形態によれば、チョッパ制御を実施することによって、トランジスタの発熱も押さえることができる。図3に示すように、シンク側のトランジスタTr20に電流が流れる期間は、期間T1からチョッパOFF時間を除いた期間だけである。また、コモン側のトランジスタTr1に電流が流れる期間は、チョッパOFF期間+期間T2のみとなるので、従来のコモン側及びシンク側のそれぞれのトランジスタに電流が流れる時間と比較すると各段に短い時間となる。
【0046】
なお、本発明は、言うまでもなく、上記第一乃至第三実施形態に限定されるものではない。例えば、次のようにしてもよい。上記実施形態におけるトランジスタは、バイポーラトランジスタであったが、これをMOSFETとしてもよい。トランジスタのベース−コレクタ間に入っているツェナーダイオードは、コレクタ−エミッタ間に入れてもよい。
【0047】
図5はプリントヘッド駆動回路からプリントヘッドまでのケーブルを示す配線図であり、図5[1]は本発明、図5[2]は従来技術である。以下、この図面に基づき、本発明の他の効果を説明する。
【0048】
励磁コイルがn個あるとする。このとき、図5[2]及び図8に示すように、従来技術におけるケーブルは、トランジスタTr11からコモン側までの分がn本、シンク側からトランジスタTr12までの分がn本、合計2n本必要である。これに対し、本発明におけるケーブルは、図5[1]及び図1に示すように、励磁コイルのコモン側を電源に共通に接続できることにより、電源電圧VDD分として太いケーブル1本、シンク側からトランジスタTr2までの分がn本、合計n+1本になるので、本数を減らすことができる。なお、図5[1]を詳しく描けば、図6のようになる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、第一の駆動信号と、この第一の駆動信号と同時にオンになり第一の駆動信号よりも遅くオフになる第二の駆動信号とを用い、プリントヘッドの励磁コイルに電流を供給するプリントヘッド駆動回路において、電源に対して「励磁コイル−スイッチング部」と直列に接続できるので、一個のスイッチング素子部の電圧降下分だけを電源電圧から差し引いた電圧が励磁コイルに印加される。したがって、励磁コイルに印加される電圧を従来よりも増加できる。換言すると、従来技術に比べて、電源電圧が同じならば、より大きなエネルギーを励磁コイルに供給できる。又は、一個のスイッチング素子部の電圧降下分だけ電源電圧を低くできる。
【0050】
しかも、第一の駆動信号がオンの時に、一個のスイッチング素子部にだけ電流が流れるので、従来に比べてスイッチング素子部での発熱量を抑えることができる。したがって、省電力化が達成できるとともに、ワット数の小さく安価なスイッチング素子を使用できる。
【0051】
これに加え、励磁コイルのコモン側を一本の共通配線にできるので、ケーブルの本数を減らすことができる。したがって、小型化及び配線の簡素化を達成できるとともに、プリント基板の面積縮小化を図ることができる。
【0052】
また、第三のスイッチング素子部を、トランジスタと、このトランジスタのベース−コレクタ間に接続されたツェナーダイオードとから構成することにより、ツェナーダイオードがトリガとなって、トランジスタに大電流を流せるので、ツェナーダイオードを複数実装する必要がなくなり、これにより部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第一実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明及び従来技術におけるプリンタヘッド駆動回路の動作を示す波形図である。
【図3】本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第二実施形態を示す波形図である。
【図4】本発明に係るプリントヘッド駆動回路の第三実施形態を示す回路図である。
【図5】プリントヘッド駆動回路からプリントヘッドまでのケーブルを示す配線図であり、図5[1]は本発明、図5[2]は従来技術である。
【図6】図5[1]を詳しく示した回路図である。
【図7】基本的なプリントヘッド駆動回路を示し、図7[1]は回路図、図7[2]は波形図である。
【図8】従来のプリントヘッド駆動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
10,11 スイッチング素子部(第一のスイッチング素子部)
20,21 スイッチング素子部(第二のスイッチング素子部)
30,31 スイッチング素子部(第三のスイッチング素子部)
Claims (3)
- 第一の駆動信号と、この第一の駆動信号と同時にオンになり当該
第一の駆動信号よりも遅くオフになる第二の駆動信号とを用い、プリントヘッドの励磁コイルに電流を供給する、プリントヘッド駆動回路において、
前記励磁コイルと第一のスイッチング素子部とが電源に直列に接続され、
第二及び第三のスイッチング素子部が前記励磁コイルにそれぞれ並列に接続され、
前記第一のスイッチング素子部は、前記第一の駆動信号のオンによって閉となることにより前記電源から前記励磁コイルに電流を供給し、当該第一の駆動信号のオフによって開となることにより前記励磁コイルからフライバック電流を発生させ、
前記第二のスイッチング素子部は、前記第二の駆動信号のオンによって閉、当該第二の駆動信号のオフによって開となり、当該第二の駆動信号がオンかつ前記第一の駆動信号がオフの時に前記フライバック電流を前記励磁コイルに供給し、
前記第二のスイッチング素子部は、エミッタが接地されベースに前記第二の駆動信号が印加されるNPN型の第二のトランジスタと、ベースが前記第二のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが前記励磁コイルのシンク側に接続されたPNP型の第三のトランジスタと、ベースが前記第三のトランジスタのコレクタに接続されエミッタが前記励磁コイルのコモン側に接続されたNPN型の第四のトランジスタと、アノードが前記励磁コイルのシンク側に接続されカソードが前記第四のトランジスタのコレクタに接続された第一のダイオードとを備え、
前記第三のスイッチング素子部は、アノードが前記励磁コイルのシンク側に接続された前記第一のダイオードと、コレクタが前記ダイオードのカソードに接続されエミッタが前記励磁コイルのコモン側に接続された前記第四のトランジスタと、アノードが前記第四のトランジスタのベースに接続されカソードが当該第四のトランジスタのコレクタに接続されたツェナーダイオードとを備え、
前記第二のスイッチング素子部が備える前記第三のトランジスタのエミッタと前記励磁コイルのシンクとは直接接続されている
ことを特徴とするプリントヘッド駆動回路。 - 前記第一の駆動信号のみがチョッパ制御されたものである、
請求項1に記載のプリントヘッド駆動回路。 - 前記第一のスイッチング素子部は、コレクタが前記励磁コイルのシンク側に接続されエミッタが接地されベースに前記第一の駆動信号が印加されるNPN型の第一のトランジスタを備えた、
請求項1乃至2のいずれかに記載のプリントヘッド駆動回路。
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