JP3616072B2 - 構造物の組立装置および製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンテナクレーン等の構造物の製造方法および組立装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、船舶へのコンテナの荷役に用いられるコンテナクレーンは、鉄骨構造の脚の上部にガーダーを水平に設け、このガーダーによってブームを昇降自在に支持した構造となっている。このコンテナクレーンの製造は、据え付け場所近くの港湾地域の陸上に設けられたラインにおいて行われている。
【0003】
上記コンテナクレーンは、例えば下記の工程により組み立てられている。
コンテナクレーンの主要な構成部分である脚、ガーダー、ブームをそれぞれの生産ラインで製造し、製造ライン近くの水上に配置したフローティングクレーンによって前記ガーダーおよびブームを吊り上げ、脚の上に載せて一体に組立てる。
組立てられたコンテナクレーン全体を前記フローティングクレーンよって吊り上げ、ストックヤードへ搬送して一次的に保管し、さらに、このストックヤードからバージに積み込み、目的とする据え付け場所まで搬送する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記製造工程には、フローティングクレーンを用いることに起因する以下の解決すべき課題がある。
海上に浮かんだフローティングクレーンを用いるため、作業が風雨、波浪、潮位等の自然環境の影響を受け易い。例えば、吊り上げられたフローティングクレーンが波浪等の影響を受けて動揺すれば、吊り上げ物の正確な位置決めが困難になり、場合によっては、製造ラインを構成する構造物や、すでに生産された製品に衝突させて損傷を与えることもあり得る。さらに、極端な悪天候の場合には組立てあるいは搬送作業を中止せざるを得ない。
また、フローティングクレーンは、各種の海上作業に使用されるものであるから、コンテナクレーン生産ライン専用に確保しない限り、コンテナクレーンの製造スケジュールがフローティングクレーンの使用スケジュールにより制約され易い。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、コンテナクレーンを安全かつ効率的に製造することができ、しかも、天候の影響を受け難い製造方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の組立装置は、長尺状の対象物を所定の姿勢に支持しつつ吊り上げる吊り上げ装置と、該吊り上げ装置の作動領域内への搬入および搬出を行う搬送装置とを有することを特徴とする。
また前記対象物は、下部構造物上に搭載される上部構造物であって、前記搬送装置は、前記上部構造物を前記作動領域へ搬入するとともに、前記吊り上げ装置が前記上部構造物を吊り上げた状態で前記下部構造物を前記作業領域へ搬入することを特徴とする。
また前記搬送装置は、前記下部構造物および上部構造物の少なくとも一方を搭載して前記上部構造物の長手方向へ移動させる搬送台車であることを特徴とする。
また前記搬送装置の搬送方向と交差する位置に、前記下部構造物上に前記上部構造物を搭載してなる製品を前記上部構造物の長手方向と直行する方向へ並べて保管する保管領域を設けたことを特徴とする。
また本発明の製造方法は、長尺状の対象物を所定の姿勢に支持しつつ吊り上げる過程と、吊り上げられた対象物を該対象物の下方へ搬入された他の対象物へ組み付ける過程とからなることを特徴とする。
また前記対象物は、前記他の対象物である下部構造物上に搭載される上部構造物であり、前記上部構造物を吊り上げた状態で該上部構造物の下方位置へ前記下部構造物を搬入することを特徴とする。
また前記下部構造物、上部構造物、およびこれらを一体に組立てた製品を搬送台車に搭載して前記上部構造物の長手方向へ搬送する工程を有することを特徴とする。
また前記下部構造物はコンテナクレーンの脚であって、該脚に設けるべき走行装置を前記搬送台車上に搭載し、該搬送台車上に搭載された走行装置上に前記脚を搭載して一体に組立てることを特徴とする。
また前記走行装置が取り付けられた脚を前記台車によって前記上部構造物の下方位置へ搬入することを特徴とする。
また前記下部構造物と前記上部構造物とを一体に組立てる工程の後、組立られた製品を前記上部構造物の長手方向と交差する方向に並べて保管する工程を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】
まず、一実施形態の製造工程によって製造されるコンテナクレーンの構成を図2によって説明する。符号1はクレーンである。このクレーン1の脚2の上端にはガーダー3aが水平に設けられ、このガーダー3aの端部には、ブーム3bが図示の水平姿勢から上方へ旋回可能に支持されている。またブーム3bは、前記ガーダー3aに立てられたマスト3cに支持されたワイヤロープに支持されて旋回するようになっている。また符号4はコンテナクレーンの動作に必要なモータ等の機器およびその制御部、操作部が搭載された機械室である。また、地上に設けられたレール5、バージ6に設けられたレール7のそれぞれの上を、コンテナクレーン1の走行装置8が走行するようになっている。さらに、前記レール5および6と交差する方向(図示例では直交している)へ向けて、レール9が設けられていて、前記レール5からレール6へ製品としてのクレーン1を移動させることができるようになっている。
【0008】
図1はコンテナクレーン製造設備のレイアウトを示す平面図である。水域Sに接する沿岸部の陸地Lには、ガーダー3aの製造ライン10,ブーム3bの製造ライン11、脚2の部品の製造ライン12、前記脚2を立体的に組立てる立体組立てライン13、前記ガーダー3a、ブーム3bを吊り上げる吊り上げ装置14、および、製造されたコンテナクレーン1をストックするストックヤード15が並行して設けられている。前記製造ライン10,11,12が設けられた領域の上方には、前記ラインの方向と並行して走行するクレーン21〜25が設けられている。なお符号20a〜25aで示す二重円は、それぞれ前記クレーン21〜25の主巻取機および補助巻取機の旋回範囲を示している。
【0009】
前記レール9は、各製造ライン10、11、12、13の配列方向(図1の左右方向)に沿って設けられており、このレール9と、その上を走行する台車31とによって搬送装置が構成されている。
前記台車31は、複数の車輪により支持されて前記レール9の長手方向へ走行するもので、図3に示すように、その上には、架台32が搭載されている。さらに、2つの台車31上の架台32に掛け渡された受部33によって前記ガーダー3a、ブーム3b等が支持されるようになっている。また前記台車31上には、ジャッキ34が複数個ずつ設けられており、該ジャッキ34の動作により、前記架台32上の搭載物を昇降させることができるようになっている。なお前記台車31は、自身に走行用の駆動源を有するものであっても、別途設けられたウインチ(図示略)によって引っ張られて走行するものであってもよい。
【0010】
また図4に示すように、前記台車31は、前記レール9からレール5への移載に利用されるようになっている。前記レール5の一部は、着脱可能な短レール5aとなっていて、この短レール5aを取り外すことにより生じた切り欠きを前記台車31が通過することができるようになっている。すなわち、図5に示すように、前記台車31によって前記レール9上のクレーン1の走行装置8を下方から持ち上げることができる。なお台車31は、走行装置8を図5のようにして下方から支持することにより、クレーン1全体を該走行装置8の移動方向(コンテナクレーンの本来の走行方向)と直交する方向へ搬送することができる。
【0011】
図6に示すように、前記昇降装置14は、前記レール9を挟んで2本ずつ設けられた支柱41の上端を繋ぎ梁42によって互いに連結した構造とされている。前記支柱41の間には、2つのウインチ43が設けられ、これらのウインチ43から巻出されたワイヤ44は、前記支柱41内を通って、その上端から滑車ブロック45を吊り下げ、さらに、この滑車ブロック45によって吊りビーム46が吊り下げられている。そして、前記ウインチ43の巻出し、あるいは巻き取り量を制御することにより、前記吊りビーム46を介して、一体のガーダー3aとブーム3bとが所定の姿勢(一般に水平姿勢)で上方に吊り上げられるようになっている。
【0012】
上記構成によるクレーン組立ラインにおけるクレーンの製造工程を説明する。各製造ライン10、11、12、13においてガーダー3a、ブーム3b、脚2等をそれぞれ組み立てる。
クレーン20によってガーダー3aを吊り上げ、クレーン21によってブーム3bを吊り上げてこれらを一体に組み立てながら、レール9上の台車31上に搭載し(図示の場合、長手方向を搬送方向に一致させて搭載している)、吊り上げ装置14の位置まで搬送し、吊り上げ装置14の吊りビーム46によって水平姿勢に維持しながら上方に吊り上げる。
一方、製造ライン12、13では、脚2を組み立て、台車31に搭載して下部に走行装置8を取り付け、この走行装置8をさらに台車31に支持させ(図5参照)、ジャッキ34によって持ち上げた状態で前記吊り上げ装置14の位置へ搬送する。
このようにして、吊り上げ状態のガーダー3aの下方に脚2を配置し、吊り上げ装置14を操作してガーダー3aを下降させ、脚2の上に載せてこれらを一体に連結すると、クレーン1が完成する。
【0013】
完成したクレーン1は、前記台車31に支持されてストックヤード15へ搬送される。ストックヤード15においては、図4のように短レール5aを取り外すことにより、ストックヤード15のレール5に切り欠きを設け、この切り欠きへ台車31を進入させた状態で、走行装置8をレール5に対して位置合わせし、台車31のジャッキ34を下降させると、レール5の上に走行装置8が載せられ、該レール5上でクレーン1を移動させることができる。またストックヤード15内で走行装置8を用いてレール5上の任意の位置にクレーン1を移動させることができるので、図2に示すように、組み立て工程の流れ方向(図1の左右方向)と直交する方向(図1の上下方向)における所望の位置にクレーン1を保管することができる。
【0014】
また、ストックヤード15に保管されたクレーン1は、要求に応じてバージ6にロールオンされて搬出される。この搬出は、バージ6上のレール7と直交するようにレール9を配置し、前記レール5に沿って移動させたクレーン1をレール9との交差位置において、台車31のジャッキ34によって持ち上げ、この状態でレール9上を移動させてバージ6のレール7の上まで搬送し、ジャッキ34を下降させて走行装置8をレール7へ載せるか、ジャッキ34によって持ち上げられた走行装置8の向きを変えてレール9上を走行させ、バージ6上で再度台車31を挿入してジャッキ34で持ち上げて走行装置8の向きを変えてレール7に載せるかの手順によって行われる。
【0015】
上記実施形態では、クレーンガーダーおよびビームという長尺の上部構造物を脚と走行装置からなる下部構造物上に搭載してなるコンテナクレーンを組み立てる場合について説明したが、コンテナクレーンに類似する他の構造物の組み立てにも本発明を適用することができるのはもちろんである。また、上記実施形態では、レール上を走行する台車によって各部を搬送したが、路面に直接接して走行する台車など、重量物を所定方向へ安定して搬送することのできる他の搬送手段を用いることもできる。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、長尺状の対象物を所定の姿勢に支持しつつ吊り上げる吊り上げ装置と、吊り上げ装置の作動領域内への搬入および搬出を行う搬送装置とを有するから、前記長尺状の対象物を所定の姿勢で上方に待機させて、その下方へ前記対象物の脚や走行装置などの構造物を搬入し、この構造物上へ前記対象物を下ろすことによって、容易にこれらを組み立てることができる。
また、前記搬送装置として、前記下部構造物および上部構造物の少なくとも一方を搭載して前記上部構造物の長手方向へ移動させる搬送台車を用いることにより、前記吊り上げ装置の作動領域へ対象物およびその支持構造物を容易に搬入あるいは搬出することができる。
また、前記搬送装置の搬送方向と交差する位置に、前記下部構造物上に前記上部構造物を搭載してなる製品を前記上部構造物の長手方向と交差する方向へ並べて保管する保管領域を設けたから、例えばコンテナクレーンのような長尺状の上部構造物の長手方向と直交する方向への走行装置を備えた構造物を、自身が備えた走行装置を利用して移動させながら効率よく保管することができる。
さらに、前記搬送装置によって、構造物の各部を製造するラインの配列方向への搬送を行うから、天候に左右され易く、スケジュール調整の難しいフローティングクレーンを用いることなく、沿岸地域での大型構造物の製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のコンテナクレーンの斜視図。
【図2】一実施形態の製造ラインのレイアウトを示す平面図。
【図3】一実施形態の台車の斜視図。
【図4】一実施形態の台車とレールとの関係を示す斜視図。
【図5】一実施形態の台車によって走行装置を支持した状態を示す正面図。
【図6】一実施形態の吊り上げ装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 コンテナクレーン 2 脚
3a ガーダー 3b ブーム 3c マスト
5 レール 5a 短レール 6 バージ
7 レール 8 走行装置 9 レール
10〜13 製造ライン 14 吊り上げ装置
15 ストックヤード 31 台車 34 ジャッキ
41 支柱 43 ウインチ

Claims (4)

  1. 長尺状の対象物を所定の姿勢に支持しつつ吊り上げる吊り上げ装置と、該吊り上げ装置の作動領域内への搬入および搬出を行う搬送装置とを有し、
    前記対象物は、下部構造物上に搭載される上部構造物であって、前記搬送装置は、前記上部構造物を前記作動領域へ搬入するとともに、前記吊り上げ装置が前記上部構造物を吊り上げた状態で前記下部構造物を前記作業領域へ搬入し、
    前記搬送装置は、前記下部構造物および上部構造物の少なくとも一方を搭載して前記上部構造物の長手方向へ移動させるものであって、第1のレール上を走行する第1の搬送台車であり、
    前記搬送装置の搬送方向と交差する位置に、前記下部構造物上に前記上部構造物を搭載してなる製品を前記上部構造物の長手方向と直交する方向へ並べて保管する保管領域を設け、
    該保管領域には、前記第1のレールと直交する第2のレール上を走行して該保管領域内で製品を搬送する第2の搬送台車が設けられ、前記第2のレールは、前記第1のレールとの交差箇所が着脱可能とされたことを特徴とする構造物の組立装置。
  2. 長尺状の対象物を所定の姿勢に支持しつつ吊り上げる過程と、吊り上げられた対象物を該対象物の下方へ搬入された他の対象物へ組み付ける過程とを有する構造物の組み立て方法であって、
    前記対象物は、前記他の対象物である下部構造物上に搭載される上部構造物であり、前記上部構造物を吊り上げた状態で該上部構造物の下方位置へ前記下部構造物を搬入され、 前記下部構造物、上部構造物、およびこれらを一体に組立てた製品を第1のレール上を走行する第1の搬送台車に搭載して前記上部構造物の長手方向へ搬送する工程と、
    前記下部構造物と前記上部構造物とを一体に組立てる工程の後、組立られた製品を前記上部構造物の長手方向と交差する方向に並べて保管する工程と、
    を有し、
    該保管領域には、前記第1のレールと直交する第2のレール上を走行して該保管領域内で製品を搬送する第2の搬送台車が設けられ、前記第2のレールにおける前記第1のレールとの交差箇所を取り外すことによって、前記第1および第2のレールの交差地点に前記第1の搬送台車を通過させることを特徴とする構造物の製造方法。
  3. 前記下部構造物はコンテナクレーンの脚であって、該脚に設けるべき走行装置を前記搬送台車上に搭載し、該搬送台車上に搭載された走行装置上に前記脚を搭載して一体に組立てることを特徴とする請求項2記載の構造物の製造方法。
  4. 前記走行装置が取り付けられた脚を前記第1の搬送台車によって前記上部構造物の下方位置へ搬入することを特徴とする請求項2または3記載の構造物の製造方法。
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