JP3619423B2 - ラジアル走査前方視型超音波内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入部の先端に、前方を光学観察するための対物光学系と超音波によるラジアル走査を行うための超音波プローブとが併設されたラジアル走査前方視型超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
体腔内の光学観察と超音波走査とを行うことができる超音波内視鏡は、一般に、挿入部先端から側方に向けて超音波走査を行い、その走査方向とできるだけ同じ方向を光学観察できるのがよいとされていて、それを実現するための構成を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、超音波内視鏡の最も大きな存在価値は、体腔内粘膜面に異常がある部分のすぐ裏側の部分の超音波断層像を得ることより、超音波プローブの挿入が不可能な臓器に隣接する臓器内に超音波内視鏡を挿入してそこから超音波走査を行うことにある。
【0004】
そこで、超音波走査は、挿入部先端の軸線周りにラジアル走査を行うのが効果的な場合が多く、光学観察は、内視鏡の挿入動作の際に前方を確認するのに最も都合がよい前方視にするのが効果的である。
【0005】
しかし、そのような「ラジアル走査前方視型超音波内視鏡」はどのように構成すれば先端硬質部を短くすることができるか等の問題が未解決であり、市販の製品として実用化されていなかった。
【0006】
そこで本発明は、挿入部の先端硬質部をできるだけ短く構成することができる実用性の高いラジアル走査前方視型超音波内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のラジアル走査前方視型超音波内視鏡は、ラジアル走査を行うように環状に形成されて挿入部の先端に配置された超音波プローブと、挿入部の前方を観察するための対物光学系が取り付けられて超音波プローブに嵌挿される先側半部の外径が細く形成された先端部本体とを有するラジアル走査前方視型超音波内視鏡であって、超音波プローブに入出力される信号を伝送するための複数のフレキシブル基板を、超音波プローブの軸線周りに円弧状に配列して先端部本体を通過する状態に配置し、円弧を周方向に延長した位置であってフレキシブル基板が配置されていない位置に、超音波プローブと先端部本体との軸線周りの相対的回転を阻止するための回転防止部材を設けたものである。
【0008】
なお、回転防止部材が超音波プローブ及び先端部本体の双方から独立した部材であり、回転防止部材が嵌め込まれる溝が超音波プローブと先端部本体の各々に形成されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2はラジアル走査前方視型超音波内視鏡を示しており、体腔内に挿入される可撓管部1の先端には、遠隔操作によって屈曲する湾曲部2が連結され、その湾曲部2の先端に連結された先端部本体3に超音波プローブ4が取り付けられている。100は、膨縮自在なバルーンであり、超音波プローブ4を囲むように着脱自在に設けられている。
【0010】
可撓管部1の基端に連結された操作部5には、湾曲部2を屈曲操作するための湾曲部操作ノブ6等が配置されている。7は、可撓管部1内に挿通配置された処置具挿通チャンネル15に処置具類を挿入するための処置具挿入口である。
【0011】
操作部5に連結された第1の連結可撓管8の先端には、図示されていないビデオプロセッサに接続されるビデオ信号コネクタ部81とライトガイドコネクタ部82とが並んで設けられ、第2の連結可撓管9の先端には、図示されていない超音波信号処理装置に接続される超音波信号コネクタ部91が設けられている。
【0012】
図1は、挿入部の先端部分を示しており、超音波プローブ4は、図3にそのユニットが図示されるように、略円環状に形成された超音波振動子配列部41がプラスチック製の受け部材42に保持されて一体化された構成になっている。
【0013】
そして、IV−IV断面を図示する図4に示されるように、軸線周りに多数の超音波振動子が配列された超音波振動子配列部41から、軸線周りの例えば270°の範囲に超音波信号が順に発受信(電子走査)されて、軸線に対して垂直方向にラジアル走査が行われる。
【0014】
超音波振動子配列部41の内側空間は軸線を中心とする円筒孔状に形成されており、超音波振動子配列部41の後端部(図3において上方)には、超音波振動子配列部41に入出力される信号を伝送するための配線が施されたフレキシブル基板43が接続されて、後方に向かって延出している。
【0015】
フレキシブル基板43は、V−V断面を図示する図5に示されるように、複数の(例えば8個の)フレキシブル基板43が超音波プローブ4の軸線周りに円弧状に並んで設けられている。
【0016】
図5に示されるように、フレキシブル基板43が円弧状に配置されているのは例えば270°程度の範囲であり、フレキシブル基板43が配置されている円弧の延長部分のフレキシブル基板43が配置されていない部分に、後述する回転止め部材13を嵌め込むための溝44が形成されている。
【0017】
図3に戻って、受け部材42の後端部分には、後述する先端部本体3の芯合わせ嵌合部32と嵌合する芯合わせ嵌合部46が、高い寸法精度で外周面(先端部本体3の外表面に隣接する境界部外周面)45と同芯に形成されている。受け部材42の外周面の先端部分には、膨縮自在なバルーン100の先端部分をバンド止めするための円周溝11が形成されている。
【0018】
再び図1に戻って、プラスチック材等によって形成された先端部本体3は、図6に単独部品の状態で示されるように、先側半部33が超音波プローブ4の超音波振動子配列部41の内周面41aに嵌挿される寸法に細く形成されている。そして、超音波プローブ4の外周面に隣接する境界部外周面31は、超音波プローブ4の境界部外周面45と同寸法に形成されている。
【0019】
先端部本体3の境界部外周面31の先側部分には、超音波プローブ4の芯合わせ嵌合部46と嵌合する芯合わせ嵌合部32が高い寸法精度で境界部外周面31と同芯に形成されている。また、外周面の後端には、バルーン100の後端部分をバンド止めするための円周溝12が形成されている。
【0020】
先端部本体3の先側半部33の先寄りの部分には、対物配置孔34a、照明用ライトガイド配置孔34b、処置具通過孔35が軸線と平行方向に形成され、それより後方の部分には、先側半部33の外径より僅かに細い内径の内蔵物通過孔36が後端まで形成されている。
【0021】
先端部本体3の後側半部には、ほぼ先側半部33の外周面の延長位置上に、VII−VII断面を図示する図7にも示されるように、フレキシブル基板43を通すためのフレキシブル基板通過孔37がフレキシブル基板43の配列位置に合わせて軸線周りに円弧状に形成されている。
【0022】
ただし、先端部本体3の後端部分付近では、VIII−VIII断面を図示する図8に示されるように、フレキシブル基板通過孔37を途中で分断する少なくとも一つの繋がり部37aがフレキシブル基板通過孔37の途中に形成されて、先端部本体3が外力によって潰されない強度を確保している。
【0023】
図6と図7に戻って、フレキシブル基板通過孔37が円弧状に形成されているのは280°程度の範囲であり、フレキシブル基板通過孔37が形成されていない部分に、バルーン100に対して脱気水の注水及び排水を行うための液体流路38が軸線と平行方向に形成されていて、バルーン100内に開口するバルーン連通開口38aに連通している。
【0024】
液体流路38は二本並列に形成されていて、その一方は排気用である。なお、液体流路38は本来は図6(及び図1)には現れないが、説明をし易くするために図6(及び図1)にも図示してある。39は、回転止め部材13を嵌め込むための溝である。
【0025】
図1に戻って、先端部本体3の先側半部33に被嵌された超音波プローブ4は、先端部本体3の先端部分の外周に形成された雄ネジに螺合するナット部材10によって、先端部本体3の中間段差面に押圧固定されている。
【0026】
そして、IX−IX断面を図示する図9にも示されるように、超音波プローブ4の溝44と先端部本体3の溝39とにまたがって直方体状の回転止め部材13が嵌め込まれて、先端部本体3と超音波プローブ4の回転方向の位置決め規制をしている。それによって、超音波走査方向と観察視野の向きとの関係が正しくセットされる。17は、照明用のライトガイドファイバである。
【0027】
再び図1に戻って、先端部本体3に超音波プローブ4が固定された状態では、先端部本体3の先側半部33と超音波振動子配列部41の内周面41aとが嵌合し、先端部本体3の芯合わせ嵌合部32と超音波プローブ4の芯合わせ嵌合部46とが嵌合するが、前者の嵌合部の隙間が後者の嵌合部の隙間より大きく形成されている。
【0028】
その結果、先端部本体3と超音波プローブ4との継ぎ目部分のうち表面に露出する先端部本体3と超音波プローブ4の境界部外周面31,45の継ぎ目部分にほとんど段差が発生せず、患者に対する挿入性のよい先端部分が形成される。
【0029】
対物配置孔34内には、先側の部分に対物光学系14aが配置されてその後方に固体撮像素子14bが配置され、撮像信号等を伝送するための信号ケーブル14cが内蔵物通過孔36内を通って後方の湾曲部2内に延出している。処置具通過孔35には、ステンレス鋼パイプを介して処置具挿通チャンネル15が接続されている。
【0030】
二つの液体流路38には各々可撓性の配管チューブ16が接続されており、両端が円周溝11,12に固定されたバルーン100内に、配管チューブ16を介して操作部5側から脱気水を出し入れし、バルーン100を膨縮させることができる。
【0031】
超音波振動子配列部41に入出力される信号を伝送するフレキシブル基板43は、図1に示されるように、先端部本体3に形成されたフレキシブル基板通過孔37を通って後方の湾曲部2内に引き通されている。
【0032】
フレキシブル基板通過孔37の後半部分においては、図10に示されるように、繋がり部37aとの干渉を避けるために、隣り合うフレキシブル基板43どうしが少し重なりあって配置されて、後方の湾曲部2内に引き通されている。
【0033】
湾曲部2内においては、超音波振動子配列部41に入出力される信号が全て薄いフレキシブル基板43に形成された配線によって伝送される。したがって、湾曲部2内に信号ケーブルの類を挿通配置する必要がない。
【0034】
フレキシブル基板43は、固体撮像素子14bの信号ケーブル14c、処置具挿通チャンネル15及びライトガイドファイバ17等の各種内蔵物を囲む円弧状に配置されている。したがって、内部空間に無駄ができないように湾曲部2内に各種内蔵物が挿通配置され、湾曲部2を細く形成することができる。
【0035】
図11に示されるように、フレキシブル基板43は各々が異なる長さに形成されているが、一番短いフレキシブル基板43でも湾曲部2内を通過する長さに設定されており、可撓管部1内に挿通配置された信号ケーブル47の信号線47aの先端と長手方向に各々の位置をずらして可撓管部1内において接続されている。
【0036】
信号ケーブル47の信号線47aとフレキシブル基板43との接続部は半田付け等によって径が太くなってしまうが、順に位置をずらしてあることにより、全体として局部的に太くなることが避けられ、可撓管部1及び湾曲部2を細く形成することができる。
【0037】
図12は、可撓管部1内に配置されているその接続部分を図示しており、多数の信号線47aを一本にまとめた信号ケーブル47の先端部分が、可撓管部1内において一本の信号線47a単位にばらばらにほぐされ、一枚のフレキシブル基板43に接続される複数の信号線47a毎に、各々可撓性の熱収縮チューブ48を収縮被覆させて一つに束ねられている。このような構成により、各信号線47aの断線防止に効果がある。
【0038】
各熱収縮チューブ48の端部は順次位置をずらして配置されている。それによって可撓管部1の可撓性が急激に変化せず、全体の径の変化が滑らかになって径が太くなることも避けられる。そして、その部分を全部を一まとめに結束する状態に、可撓性の太い熱収縮チューブ49が収縮被覆されている。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波プローブに入出力される信号を伝送するために複数のフレキシブル基板を、超音波プローブの軸線周りに円弧状に配列して先端部本体を通過する状態に配置し、その円弧を周方向に延長した位置であってフレキシブル基板が配置されていない位置に、超音波プローブと先端部本体との軸線周りの相対的回転を阻止するための回転防止部材を設けたことにより、超音波プローブと先端部本体とをコンパクトに連結することができ、挿入部の先端硬質部をできるだけ短く構成して挿入性がよくて実用性の高いラジアル走査前方視型超音波内視鏡を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のラジアル走査前方視型超音波内視鏡の挿入部の先端部分の側面断面図である。
【図2】本発明の実施例のラジアル走査前方視型超音波内視鏡の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施例の超音波プローブの側面断面図である。
【図4】本発明の実施例の図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の実施例の図3におけるV−V断面図である。
【図6】本発明の実施例の先端部本体の側面断面図である。
【図7】本発明の実施例の図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】本発明の実施例の図6におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の実施例の図1におけるIX−IX断面図である。
【図10】本発明の実施例のフレキシブル基板の通過状態を示す部分断面図である。
【図11】本発明の実施例のフレキシブル基板の後端部分の状態を示す略示図である。
【図12】本発明の実施例のフレキシブル基板と信号ケーブルとの接続部の側面図である。
【符号の説明】
2 湾曲部
3 先端部本体
4 超音波プローブ
10 ナット部材
13 回転止め部材(回転防止部材)
39,44 溝
43 フレキシブル基板
Claims (2)
- ラジアル走査を行うように環状に形成されて挿入部の先端に配置された超音波プローブと、上記挿入部の前方を観察するための対物光学系が取り付けられて上記超音波プローブに嵌挿される先側半部の外径が細く形成された先端部本体とを有するラジアル走査前方視型超音波内視鏡であって、
上記超音波プローブに入出力される信号を伝送するための複数のフレキシブル基板を、上記超音波プローブの軸線周りに円弧状に配列して上記先端部本体を通過する状態に配置し、上記円弧を周方向に延長した位置であって上記フレキシブル基板が配置されていない位置に、上記超音波プローブと上記先端部本体との軸線周りの相対的回転を阻止するための回転防止部材を設けたことを特徴とするラジアル走査前方視型超音波内視鏡。 - 上記回転防止部材が上記超音波プローブ及び上記先端部本体の双方から独立した部材であり、上記回転防止部材が嵌め込まれる溝が上記超音波プローブと上記先端部本体の各々に形成されている請求項1記載のラジアル走査前方視型超音波内視鏡。
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