JP3627140B2 - 薄板材の切断ユニットと、それを使用する切断装置 - Google Patents

薄板材の切断ユニットと、それを使用する切断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、段取り作業を簡単化することができる薄板材の切断ユニットと、それを使用する切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板等の薄板材は、シヤリング装置によって切断加工される。
【0003】
従来のシヤリング装置は、複数組の上回転刃、下回転刃をそれぞれ共通の駆動軸に装着して構成されている。そこで、このものは、上回転刃、下回転刃の間に薄板材の材料を送り込みながら、駆動軸を介して上回転刃、下回転刃を一斉に回転駆動することにより、各組の上回転刃、下回転刃を介して材料の複数位置を連続的に切断することができる。なお、上回転刃、下回転刃は、それぞれ駆動軸に対し、ボス部材を介して軸方向に移動調節可能に固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、上回転刃、下回転刃は、材料の切断位置を設定変更するために、それぞれを駆動軸上に個別に位置決めして固定しなければならず、段取り作業が極めて面倒であるという問題があった。上回転刃、下回転刃は、それぞれの位置に加えて、材料を正しく切断するために、両者の重ね代やクリアランスを適切に設定しなければならないからである。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、上回転刃、下回転刃を共通の支持フレームに搭載することによって、段取り作業を大幅に簡単化することができる薄板材の切断ユニットと、それを使用する切断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明の構成は、ガイド軸を摺動自在に貫通させるスライダと、ガイド軸に平行なねじ軸に螺合させるねじ部材と、ガイド軸に平行な第1、第2の駆動軸をそれぞれ貫通させる上回転刃、下回転刃と、ねじ部材を回転駆動する走行モータとを共通の支持フレームに搭載してなり、上回転刃、下回転刃は、材料を切断する外周部分の重ね代を有することをその要旨とする。
【0007】
ただし、上回転刃は、下回転刃に対し、材料の搬入側から見て右側または左側から外周の一部を重ね合わせ、重ね代を形成するものとする。
【0008】
また、上回転刃、下回転刃の後方には、それぞれ切断された材料を下側、上側にガイドするスロープを設けることができる。
【0009】
さらに、走行モータには、エンコーダを連結してもよい。
【0010】
第2発明の構成は、第1発明に係る複数の切断ユニットと、各スライダに対応する共通のガイド軸と、各ねじ部材に対応する共通のねじ軸と、各上回転刃、下回転刃にそれぞれ対応する共通の第1、第2の駆動軸とを備えてなり、第1、第2の駆動軸は、上回転刃、下回転刃を連動して回転駆動することをその要旨とする。
【0011】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、上回転刃、下回転刃は、スライダ、ねじ部材、ねじ部材用の走行モータとともに、共通の支持フレームに搭載されている。そこで、走行モータは、ねじ部材を正逆に回転駆動することにより、ガイド軸に沿って支持フレームを横移動させ、上回転刃、下回転刃による材料の切断位置を任意に設定変更することができる。また、上回転刃、下回転刃は、第1、第2の駆動軸を貫通させて支持フレームに搭載されているから、材料の切断位置を変更しても、両者の相対位置関係が不変であり、重ね代の調整やクリアランスの調整などをする必要がない。なお、上回転刃、下回転刃は、第1、第2の駆動軸を介し、それぞれの周速を同一にして回転駆動することにより、外周部分の重ね代を介して材料を連続的に切断することができる。
【0012】
ただし、下回転刃の右側から外周の一部を重ね合わせる上回転刃は、材料の切断線の右側を押し下げ、下回転刃は、切断線の左側を押し上げて、切断された材料を上下に分離させる。また、上回転刃は、下回転刃の左側から外周の一部を重ね合わせることにより、切断された材料を逆方向に分離させることができる。ただし、ここでいう材料の切断線とは、上回転刃、下回転刃による材料の切断位置相当の材料の分離境界線をいい、右側、左側とは、材料の搬入側から見たときの下回転刃に対する上回転刃の外周の一部の重ね合せ方向をいう。
【0013】
上回転刃、下回転刃の後方にスロープを設ければ、切断された材料は、スロープを介してガイドされ、上側、下側に一層確実に分離させることができる。
【0014】
走行モータにエンコーダを連結するときは、エンコーダは、走行モータの回転角度を検出し、支持フレームの現在位置、すなわち上回転刃、下回転刃による材料の切断位置を電気信号として正確に検出することができる。そこで、上回転刃、下回転刃は、エンコーダからの信号に基づき、電気的に容易に位置決め制御して、自動的に切断位置に位置決めすることができる。
【0015】
第2発明の構成によるときは、第1発明に係る複数の切断ユニットは、共通のガイド軸、ねじ軸、第1、第2の駆動軸と組み合わせることによって、それぞれ共通のガイド軸に沿って横移動させ、互いの間隔を自在に調節設定して材料の切断位置に位置決めすることができ、第1、第2の駆動軸を介してそれぞれの上回転刃、下回転刃を回転駆動し、材料を一挙に切断加工することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0017】
薄板材の切断ユニット10は、ねじ軸21に螺合させるねじ部材11、ガイド軸22を貫通させるスライダ12、それぞれ第1、第2の駆動軸23、24を貫通させる上回転刃13、下回転刃14、ねじ部材11を回転駆動する走行モータ15を共通の支持フレーム16に搭載してなる(図1、図2)。
【0018】
支持フレーム16は、連結材16cを介して左右にオフセットする上部材16a、下部材16bを一体に組み立てて形成されている(図1、図3)。上部材16a、下部材16bは、それぞれ十分な厚さの板材であり、連結材16cの上下において、互いに平行に上下方向に配設されている。なお、上部材16aは、上部が前方に長く突出しており、下部材16bは、後部が斜めに切り上げられている。上部材16aには、上側の連結板16d1 、16d2 、16d3 、下側の連結ロッド16d4 、16d5 、16d6 を介して補助板16eが平行に付設されている。補助板16eは、下部材16bの上方に位置し、下辺に円弧状の切欠き16e1 が形成されている。
【0019】
スライダ12は、リング部材12aを介して上部材16a、補助板16eの間に組み込まれている。リング部材12aは、上部材16aにねじ止めされ、スライダ12は、リング部材12a、補助板16eに両端を嵌め込んで固定されている。また、スライダ12には、ガイド軸22が摺動自在に貫通されている。
【0020】
ねじ部材11は、リング部材11d、ベアリング11e、11eを介して上部材16a、補助板16eの間に回転自在に組み込まれている(図1、図4)。リング部材11dは、上部材16aにねじ止めされ、ベアリング11e、11eは、それぞれリング部材11d、補助板16eに嵌め込まれている。ねじ部材11には、スプロケット11aが付設されており、ガイド軸22と平行なねじ軸21が螺合している。
【0021】
スプロケット11aは、チェーン11bを介して上方のスプロケット17aに連結されており、スプロケット17aの軸17は、ベベルギヤ17b、17cを介して脚15b付きの走行モータ15の軸15aに連結されている。なお、軸17は、支持フレーム16の上面に固定するブラケット17d、17dを介して回転自在に支持され、走行モータ15は、支持フレーム16の上面に固定されている。
【0022】
走行モータ15には、スプロケット15c、チェーン15e、スプロケット15fを介してエンコーダ15gが連結されている。なお、エンコーダ15gは、ブラケット15g1 を介してブラケット17d、17d上に固定されている。支持フレーム16の前後には、カバー板16f、16gがねじ止めされており、後部のカバー板16gは、支持フレーム16の上方に高く延長されている。カバー板16gには、ねじ16h1 、16h1 付きの支持板16h2 、16h2 を介し、後向きのドグ16hが高さ調節可能に装着されている。
【0023】
上回転刃13、下回転刃14は、同一径のリング状に形成されている(図3、図5)。上回転刃13、下回転刃14は、それぞれボス部材13a、14aのフランジ13a1 、14a1 の前面にねじ止めされ、ボス部材13a、14aを介してホルダ13b、14bに回転自在に保持されている。ボス部材13a、14aには、それぞれ第1、第2の駆動軸23、24が相対回転不能に、しかも軸方向に摺動自在に貫通しており、ホルダ13b、14bは、それぞれ取付孔16a1 、16b1 に挿入するようにして上部材16a、下部材16bにねじ止めされている。ただし、第1、第2の駆動軸23、24は、それぞれボス部材13a、14aの内面に形成する図示しないスプラインに係合するスプライン軸である。なお、上回転刃13は、下回転刃14に対し、外周の一部を重ね合わせて相対向させ、両者は、上下に配置されている。
【0024】
支持フレーム16の連結材16cは、補強材16c4 、16c4 を介して上部材16aの下端、下部材16bの上端に連結されている(図5、図6)。ただし、図6(A)は、図3の要部拡大図、図6(B)は、同図(A)のZ−Z線矢視相当断面図である。連結材16cの前部には、上回転刃13側に斜め下向きのスロープ16c1 、下回転刃14側に斜め上向きのスロープ16c2 が形成されている。すなわち、スロープ16c1 、16c2 は、それぞれ上回転刃13、下回転刃14の後方に設けられている。また、図3、図6において、上回転刃13は、下回転刃14に対し、材料Wの搬入側から見て右側から外周の一部を重ね合わせ、相対向する端面の外周部分を軽く接触させて重ね代δを形成している。
【0025】
上回転刃13、下回転刃14は、第1、第2の駆動軸23、24を介して連動して同一周速に逆方向に回転駆動することにより(図6(B)の矢印K2a、K2b方向)、重ね代δを介し、前方から送り込まれる薄板材の材料Wを切断線Wa に沿って直線切断することができる(図2、図6)。このとき、上回転刃13は、切断線Wa の右側の切断された材料W1 を押し下げ、下回転刃14は、切断線Wa の左側の切断された材料W2 を押し上げる。また、スロープ16c1 、16c2 は、上回転刃13、下回転刃14からの切断された材料W1 、W2 を上側、下側に分離させる。
【0026】
上回転刃13、下回転刃14は、重ね代δ≒1.0mmに設定して、1.2mm厚のSS鋼板に対し、約2.5m/分の切断速度を実現することができる。また、走行モータ15は、ベベルギヤ17c、17b、チェーン11bを介してねじ部材11を正逆に回転駆動することにより、スライダ12を介して支持フレーム16をガイド軸22に沿って横移動させ(図2、図3の各矢印K1a、K1b方向)、上回転刃13、下回転刃14による材料Wの切断位置を任意に設定変更することができる。
【0027】
複数の切断ユニット10、10…は、互いに平行な共通のねじ軸21、ガイド軸22、第1、第2の駆動軸23、24と組み合わせて架台フレーム25に組み込み、切断装置を構成することができる(図7、図8)。なお、切断ユニット10、10…は、上回転刃13の外周の一部を下回転刃14の右側から重ね合わせるものと、下回転刃14の左側から重ね合わせるものとが交互に配列されている。
【0028】
架台フレーム25の内部には、材料Wを切断する切断スペースS1 と、切断ユニット10、10…を収納する収納スペースS2 とが形成され、切断スペースS1 の前部には、材料Wを支持するテーブル25aが付設されている。なお、テーブル25a上には、材料Wの片側をガイドする定規25bが付設されている。収納スペースS2 には、切断ユニット10、10…のドグ16h、16h…に対応してリミットスイッチ26、26…が順に高さを違えて設けられており、切断スペースS1 の定規25bの後方にも、切断ユニット10の移動限を規定するリミットスイッチ27が設けられている。なお、各切断ユニット10のドグ16hは、対応するリミットスイッチ26、27に接触する高さに固定されている。
【0029】
ねじ軸21、ガイド軸22、第1、第2の駆動軸23、24は、それぞれ軸受21a、21a、22a、22a、23a、23a、24a、24aを介して架台フレーム25に支持されている。なお、ねじ軸21、ガイド軸22は、回転不能に支持され、第1、第2の駆動軸23、24は、回転自在に支持されている。ねじ軸21は、切断ユニット10、10…のねじ部材11、11…に共通に螺合しており、ガイド軸22は、切断ユニット10、10…のスライダ12、12…に共通に摺動自在に貫通している。また、第1、第2の駆動軸23、24は、それぞれ切断ユニット10、10…の上回転刃13、13…、下回転刃14、14…に共通に貫通している。
【0030】
第1、第2の駆動軸23、24は、同一歯数のギヤ23b、24bを介して連結されており、第2の駆動軸24は、スプロケット24c、チェーン24d、スプロケット24eを介して駆動モータ24fに連結されている。そこで、各切断ユニット10は、走行モータ15を介してねじ部材11を正逆に回転させ、ガイド軸22に沿って個別に横移動させることができ、第1、第2の駆動軸23、24は、駆動モータ24fを介し、各切断ユニット10の上回転刃13、13…、下回転刃14、14…を連動して一斉に回転駆動することができる。
【0031】
材料Wを任意の切断ピッチdごとに切断するときは、各切断ユニット10の走行モータ15を介して、定規25bの位置から切断ピッチdごとに各切断ユニット10を位置させる。ただし、このときの各切断ユニット10は、エンコーダ15gを介し、任意の切断位置に上回転刃13、下回転刃14を自動的に位置決めしてセットすることができる。そこで、駆動モータ24f、第1、第2の駆動軸23、24を介して上回転刃13、13…、下回転刃14、14…を一斉に回転駆動し、材料Wを切断ユニット10、10…に送り込むことにより、材料Wを切断ピッチd、d…ごとに切断することができる。このときの各切断ユニット10は、上回転刃13、下回転刃14の配列に従い、切断線Wa 、Wa …に沿って切断された材料W1 、W1 …、W2 、W2 を交互に上下に分離させて後方に排出することができる。
【0032】
材料Wを切断しないときの切断ユニット10、10…は、収納スペースS2 に収納する(図7の二点鎖線)。このとき、各切断ユニット10は、ドグ16hを対応するリミットスイッチ26に接触させ、収納スペースS2 の所定位置に停止させることができる。
【0033】
以上の説明において、切断装置は、切断ユニット10、10…間の切断ピッチd、d…をそれぞれ異ならせることにより、材料Wから異なる幅の材料W1 、W1 …、W2 、W2 を取ることができる。また、切断装置は、切断動作に使用する切断ユニット10、10…の任意台数を選択し、切断動作に使用しない切断ユニット10、10…を収納スペースS2 に収納してもよい。さらに、切断装置は、図示に拘らず、1台以上の任意台数の切断ユニット10、10…を装備することができる。
【0034】
【他の実施の形態】
上回転刃13、下回転刃14は、それぞれ分割形式としてもよい(図9)。ただし、図9には、上回転刃13が図示されている。上回転刃13は、半円弧状の分割片13d、13dをリング状に組み合わせてボス部材13aのフランジ13a1 に個別に固定することができ、分割片13d、13dをボス部材13aから個別に取り外して簡単に保守点検することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この出願に係る第1発明によれば、スライダ、ねじ部材、上回転刃、下回転刃を共通の支持フレームに搭載することによって、上回転刃、下回転刃は、ガイド軸に沿って支持フレームを任意に横移動させて一挙に位置決めすることができるから、重ね代やクリアランスの調整が全く不要であり、材料の切断位置の設定変更に要する段取り作業を極めて簡単にすることができるという優れた効果がある。
【0036】
第2発明によれば、第1発明に係る複数の切断ユニットに共通のねじ軸、ガイド軸、第1、第2の駆動軸を組み合わせることによって、材料を一挙に切断加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切断ユニットの側面説明図
【図2】切断ユニットの斜視説明図
【図3】図1のX矢視相当拡大図
【図4】図1のY矢視相当拡大図
【図5】要部拡大分解斜視図
【図6】要部拡大説明図
【図7】全体構成模式平面図
【図8】全体構成模式正面図
【図9】他の実施の形態を示す要部分解斜視図
【符号の説明】
W、W1 、W2 …材料
δ…重ね代
10…切断ユニット
11…ねじ部材
12…スライダ
13…上回転刃
14…下回転刃
15…走行モータ
15g…エンコーダ
16…支持フレーム
16c1 、16c2 …スロープ
21…ねじ軸
22…ガイド軸
23…第1の駆動軸
24…第2の駆動軸

Claims (4)

  1. ガイド軸を摺動自在に貫通させるスライダと、前記ガイド軸に平行なねじ軸に螺合させるねじ部材と、前記ガイド軸に平行な第1、第2の駆動軸をそれぞれ貫通させる上回転刃、下回転刃と、前記ねじ部材を回転駆動する走行モータとを共通の支持フレームに搭載してなり、前記上回転刃、下回転刃は、材料を切断する外周部分の重ね代を有することを特徴とする薄板材の切断ユニット。
  2. 前記上回転刃、下回転刃の後方には、それぞれ切断された材料を下側、上側にガイドするスロープを設けることを特徴とする請求項1記載の薄板材の切断ユニット。
  3. 前記走行モータには、エンコーダを連結することを特徴とする請求項1または請求項記載の薄板材の切断ユニット。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか記載の複数の切断ユニットと、前記各スライダに対応する共通のガイド軸と、前記各ねじ部材に対応する共通のねじ軸と、前記各上回転刃、下回転刃にそれぞれ対応する共通の第1、第2の駆動軸とを備えてなり、前記第1、第2の駆動軸は、前記上回転刃、下回転刃を連動して回転駆動することを特徴とする薄板材の切断装置。
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