JP3629111B2 - 内視鏡用ワイヤループ型処置具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡用バスケット型異物回収具等のような内視鏡用ワイヤループ型処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用バスケット型異物回収具等のようにワイヤでループを形成した内視鏡用ワイヤループ型処置具は、一般に、外套管内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置し、先端側と後端側とにおいて一体的に束ねられた複数の弾性ワイヤによってループを形成して、その後端部に操作ワイヤを連結している。
【0003】
そのような従来のワイヤループ型処置具の弾性ワイヤの先端部分は、金属製のパイプ状の先端チップに全ての弾性ワイヤの先端を差し込んで、その部分を半田付け又はロー付け等によって一体的に接合して結束されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような先端チップの直径は、少なくとも全ての弾性ワイヤを束ねた直径に先端チップの肉厚の二倍を加えたサイズになり、太くなる。
【0005】
そのため、例えば胆管等のような細い管腔内の結石を除去する際に、回収具を胆管内に挿入していくと、先端チップで結石を胆管の奥へ押し込んでしまって、結石を弾性ワイヤの位置に持ってくることができない場合がある。
【0006】
また、先端チップを用いた結束部においては弾性ワイヤが強固に結束されているので、弾性ワイヤに無理な力が加わったときに弾性ワイヤの後端側が破損する場合が少なくない。
【0007】
そのように弾性ワイヤの後端側の結束が破壊されると、異物回収具を体腔内から抜くときに弾性ワイヤが粘膜面に引っ掛かって傷をつけてしまう恐れがあり、安全上の問題がある。
【0008】
そこで本発明は、細い管腔内における異物回収等を容易に行うことができ、また、弾性ワイヤに無理な力が加わって破損したような場合でも安全性の高い内視鏡用ワイヤループ型処置具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用ワイヤループ型処置具は、先端側と後端側とにおいて一体的に束ねられてループを形成する複数の弾性ワイヤが操作ワイヤの先端に連結された内視鏡用ワイヤループ型処置具において、上記複数の弾性ワイヤの先端部分を、他の部材で結束することなく半田付け、ロー付け又は溶接等の接合手段によって互いに接合することによって一体的に束ねたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記複数の弾性ワイヤの後端部分が、先端側と同様にして、他の部材で結束されることなく半田付け、ロー付け又は溶接等の接合手段によって互いに接合されて一体的に束ねられていてもよい。
【0011】
或いは、上記複数の弾性ワイヤの後端部分が、パイプ内に差し込まれて結束され、上記パイプに接合されて一体的に束ねられていてもよい。また、上記操作ワイヤが、上記複数の弾性ワイヤのうちの少なくとも一本を延長して形成されていてもよい。
【0012】
また、上記弾性ワイヤの後端側の接合部の長さが先端側の接合部の長さより長いとよく、上記操作ワイヤの先端の接合部の長さが、上記弾性ワイヤの先端側の接合部の長さより長いとよい。
【0013】
なお、上記弾性ワイヤが、異物をループ内に収容するための少なくとも3本のワイヤであってもよく、上記弾性ワイヤが、高周波電流が流される2本のワイヤであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用された内視鏡用バスケット型異物回収具の先端部分を示している。
【0015】
1は、内視鏡の鉗子チャンネル内に挿脱される例えば四フッ化エチレンチューブからなる可撓性のある外套管であり、その中には、操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。操作ワイヤ2は、外套管1の後端に連結された操作部(図示せず)によって押し引き操作される。
【0016】
3は、全体としてかご状のループを形成する例えばステンレス鋼線からなる複数(例えば4本)の弾性ワイヤであり、先端側Aにおいて一体的に束ねられ、後端側Bにおいては、一体的に束ねられて操作ワイヤ2に連結されている。なお、バスケット型異物回収具を構成するためには、弾性ワイヤ3は少なくとも3本あればよい。
【0017】
先端部分Aにおいては、弾性ワイヤ3の先端部分が露出して配置されており、他の部材を用いて結束することなく、半田付け又はロー付けによって全ての弾性ワイヤ3を一体的に束ねた状態に接合している。その接合部の長さをd1とする。ただし、溶接によって接合してもよい。
【0018】
一体的に接合された弾性ワイヤ3の先端面部分aには、粘膜面などを傷つけないように、半田又は銀ロー等が丸みを付けて盛られている。それには、弾性ワイヤ3を接合する際に先端側にはみ出す半田又は銀ローを利用すればよい。
【0019】
なお、先端部分Aの接合部の長さd1が所定の長さより長くならないように、接合作業前に、接合予定部分以外に半田流れ防止剤やロー流れ防止剤等を予め塗布しておくとよい。
【0020】
また、それに代えて、各弾性ワイヤ3に半田又は銀ロー等をプレコーティングしておき、プレコーティング部分を束ね合わせて加熱すれば、余分な半田や銀ローが流れ出すことなく、良好な接合を行うことができる。
【0021】
弾性ワイヤ3の後端部分Bには、例えばステンレスパイプ製のつなぎ管4が配置されていて、全ての弾性ワイヤ3がつなぎ管4の先側の半部内に差し込まれて、そこで半田又は銀ローによって一体的に束ねられた状態に接合されている。その接合部の長さをd2とする。
【0022】
つなぎ管4の後側の半部には、操作ワイヤ2の先端部分が差し込まれていて、そこで半田付け又は銀ロー付けによって接合されている。その接合部の長さをd3とする。
【0023】
また、つなぎ管4の先端面から弾性ワイヤ3の外周面にかけて、及びつなぎ管4の後端面から操作ワイヤ2の外周面にかけて、半田又は銀ローがテーパ状に盛られていて、弾性ワイヤ3又は操作ワイヤ2が集中応力によって破損するのを防止している。
【0024】
このように構成された内視鏡用バスケット型異物回収具は、操作ワイヤ2を進退操作することによって、弾性ワイヤ3を外套管1内に出入りさせてかご状に膨縮させることができる。
【0025】
そして、図1に示されるように弾性ワイヤ3を外套管1の先端から突出させ、弾性ワイヤ3が自己の弾性によってかご状に膨らんだ状態にして、胆管内等で弾性ワイヤ3内に結石を収容して除去することができる。
【0026】
その際、弾性ワイヤ3の先端部分Aには弾性ワイヤ3を結束するための口金等が取り付けられておらず、先端部分の径が細いので、弾性ワイヤ3を胆管内等で奥へ押し込む際に先端部分Aで結石を奥へ押し込むことなく、複数の弾性ワイヤ3によって形成されたバスケット内に結石を取り込むことができる。
【0027】
また、弾性ワイヤ3の先端部分Aに口金等が取り付けられておらず、その部分の径が細いので、操作ワイヤ2を手元側に引っ張れば弾性ワイヤ3部分が容易に外套管1内を通過する。したがって、操作ワイヤ2と弾性ワイヤ3の部分だけを必要に応じて交換すること等も容易である。
【0028】
また、弾性ワイヤ3の後端側の接合部の長さd2と、操作ワイヤ2の先端の接合部の長さd3を、各々弾性ワイヤ3の先端部分Aの接合部の長さd1より長く(即ちd2>d1、且つd3>d1)することにより、弾性ワイヤ3に無理な力がかかったときには必ず弾性ワイヤ3の先端部分Aの接合が破損する。
【0029】
したがって、弾性ワイヤ3が例え破損したような場合でも、弾性ワイヤ3が粘膜面等に引っ掛かることなく、バスケット型異物回収具を体腔内から安全に引き出すことができる。
【0030】
図2は、本発明の第2の実施の形態の異物回収具を示しており、4本の弾性ワイヤ3のうちの一本を手元側(後方)に延長して、それを操作ワイヤ2にしたものである。
【0031】
また、弾性ワイヤ3の後端部分Bは、つなぎ管を用いずに、先端部分Aと同様にして半田付け又はロー付けによって全ての弾性ワイヤ3が一体的に束ねられた状態に接合されている。
【0032】
その他の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態と同様にして、胆管等においてかご状に膨らんだ弾性ワイヤ3により形成されるバスケット内に結石100等を収容することができ、操作ワイヤ2と弾性ワイヤ3部分だけの交換も容易である。
【0033】
また、弾性ワイヤ3の後端側の接合部の長さd2を、弾性ワイヤ3の先端部分Aの接合部の長さd1より長く(即ちd2>d1)することにより、第1の実施の形態と同様に、弾性ワイヤ3に無理な力がかかったときには、必ず弾性ワイヤ3の先端部分Aの接合が破損するので、体腔内から安全に引き出すことができる。
【0034】
図3は、本発明を適用した高周波スネア(第3の実施の形態)の先端部分を示しており、弾性ワイヤ3が2本であり、操作ワイヤ2を介して弾性ワイヤ3に高周波電流を通電可能になっている点が第2の実施の形態の異物回収具と相違する。それ以外の構成は第2の実施の形態と同様であり、ポリープ等を焼灼しながら切除することができる。
【0035】
なお、弾性ワイヤ3の先端部分Aと後端部分Bには、2本の弾性ワイヤ3が接合されていない状態で接触して並んで配置された部分e1,e2が、各々接合部に隣接して設けられている。
【0036】
その結果、図4に示されるように弾性ワイヤ3が外套管1内に収納されて縮められた状態になったときに、弾性ワイヤ3が塑性変形を起こしにくいので、弾性ワイヤ3が外套管1外で膨らんだ時のループ形状を保つことができる。
【0037】
図5は本発明の第4の実施の形態の高周波スネアの先端部分を示しており、弾性ワイヤ3の後端部分Bと操作ワイヤ2とを、第1の実施の形態と同様にして、つなぎ管4を介して連結したものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の弾性ワイヤの先端部分を、他の部材で結束することなく半田付け、ロー付け又は溶接等の接合手段によって互いに接合して一体的に束ねたことにより、複数の弾性ワイヤによって形成されるループの先端部分を細く形成することができるので、細い管腔内において異物等を奥へ押し込むことなく容易に回収することができる。
【0039】
また、複数の弾性ワイヤによって形成されるループの先端部分を細く形成することができるので、弾性ワイヤ部分を操作ワイヤと共に外套管内を通過させて容易に交換することができる。
【0040】
また、弾性ワイヤの後端側の接合部の長さを先端側の接合部の長さより長くしておくことによって、弾性ワイヤに無理な力が加わって破損するような場合には先端側の接合部が破損するので、粘膜面等を傷つけることなく体腔外に引き出すことができ、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバスケット型異物回収具の先端部分の側面断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態のバスケット型異物回収具の先端部分の側面断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の高周波スネアの先端部分の側面断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の高周波スネアの弾性ワイヤが外套管内に収容された状態の先端部分の側面断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の高周波スネアの先端部分の側面断面図である。
【符号の説明】
1 外套管
2 操作ワイヤ
3 弾性ワイヤ
A 先端部分
B 後端部分
Claims (8)
- 先端側と後端側とにおいて一体的に束ねられてループを形成する複数の弾性ワイヤが操作ワイヤの先端に連結された内視鏡用ワイヤループ型処置具において、
上記複数の弾性ワイヤの先端部分を、他の部材で結束することなくロー付けにより互いに接合することによって一体的に束ねると共に、そのロー付け材を、上記複数の弾性ワイヤの先端面部分に、先側へ次第に大きくなることなく小さくなる形状の丸みを付けて盛ったことを特徴とする内視鏡用ワイヤループ型処置具。 - 上記複数の弾性ワイヤの後端部分が、他の部材で結束されることなくロー付けにより互いに接合されて一体的に束ねられている請求項1記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記複数の弾性ワイヤの後端部分が、パイプ内に差し込まれて結束され、上記パイプに接合されて一体的に束ねられている請求項1記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記操作ワイヤが、上記複数の弾性ワイヤのうちの少なくとも一本を延長して形成されている請求項1、2又は3記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記弾性ワイヤの後端側の接合部の長さが先端側の接合部の長さより長い請求項1、2、3又は4記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記操作ワイヤの先端の接合部の長さが、上記弾性ワイヤの先端側の接合部の長さより長い請求項5記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記弾性ワイヤが、異物をループ内に収容するための少なくとも3本のワイヤである請求項1、2、3、4、5又は6記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
- 上記弾性ワイヤが、高周波電流が流される2本のワイヤである請求項1、2、3、4、5又は6記載の内視鏡用ワイヤループ型処置具。
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