JP3632904B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に濃淡燃焼方式を採用し、小型ボイラーや給湯装置への適用が好適な燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる方法として、濃淡燃焼方式が知られている。ここで濃淡燃焼方式とは、低濃度の燃料ガスから発生する主炎に高濃度の燃料ガスが燃焼した補炎を隣接させる燃焼方法である。すなわち濃淡燃焼方式とは、燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予混合した希薄な混合ガス(以下淡混合ガス)を噴射して主炎を発生させ、この主炎の近辺に、空気の混合量が少なく燃料ガス濃度が高い混合ガス(以下濃混合ガス)を噴射して補炎を配置したものである。
【0003】
濃淡燃焼方式による燃焼は、空気が過剰な状態で燃料ガスを燃焼させることができ、火炎の温度が低下するので、窒素酸化物が発生しにくい。そのため近年では、家庭用の給湯器等についても、濃淡燃焼方式を採用した燃焼装置が使用されつつある。
家庭用の給湯器等で採用される濃淡燃焼方式の燃焼装置には、大きく分けて2個のノズルを有する構成と、単一のノズルを有する構成がある。
以下、順次説明する。
【0004】
図10は、従来技術の2個のノズルを有する濃淡燃焼方式の燃焼装置の概略図である。
図10に示す従来技術の燃焼装置100は、本体部101とノズルホルダー102によって構成されている。そして本体部101の内部には、主炎孔101aに燃料ガス及び空気を導く淡ガス流路101bと、補助炎孔101dに燃料ガス及び空気を導く濃ガス流路101cが設けられている。また淡ガス流路101bと、濃ガス流路101cは、それぞれ本体部101の端部に開口している。
【0005】
一方、ノズルホルダー102は、電磁弁103に接続される燃料ガス流路102aを持ち、この燃料ガス流路102aに二つのノズル102b,102cが取り付けられている。ここで従来技術の燃焼装置100で採用するノズルホルダー102では、電磁弁103から二つのノズル102b,102c至る流路の長さは実質上、同一である。
【0006】
そして二つのノズル102b,102cは、それぞれ前記した本体部101の淡ガス流路101bと、濃ガス流路101cの開口101f,101gに接続され、ノズル102b,102cから燃料ガスが各流路101b,101cに導入される。
また図示しない送風機から、前記した開口101f,101gに空気が導入され、淡ガス流路101b側の燃料ガスには理論空気量の1.6倍程度の空気が混合され、濃ガス流路101c側の燃料ガスには理論空気量未満の空気が混合される。そのため淡ガス流路101bに連通する主炎孔101aからは低濃度の燃料ガスが噴射され、濃ガス流路101cに連通する補助炎孔101dからは高濃度の燃料ガスが噴射される。
そして主炎孔101a及び補助炎孔101dから噴射される燃料ガスに点火され、主炎孔101aからは主炎が発生し、補助炎孔101dからは補炎が発生する。
【0007】
次に、一個のノズルを使用する従来技術の燃焼装置について説明する。
図11は、従来技術の1個のノズルを有する濃淡燃焼方式の燃焼装置の斜視図である。図12は、図11の燃焼装置をケースに収納した場合の平面図である。図13は、図11のA−A断面図である。図14は、図11のB−B断面図である。
各図において、105は、従来技術の一個のノズルを使用する燃焼装置を示す。燃焼装置105は、図12の様に、ケース106に並列に並べて使用されたり、単独で使用されるものである。
【0008】
燃焼装置105の内部構造は、図13,14の通りであり、燃焼管本体107と、二つの側板部材108によって構成されている。上記した燃焼管本体107及び側板部材108に、いずれもステンレススチール等の板をプレスして凹凸形状を設け、これを重ねて燃料ガス流路を形成したものである。そして中央部に燃焼管本体107が配され、その両側面に側板部材108が取り付けられている。また側板部材108の内部は空洞であって気体流路が形成されている。そして側板部材108の頂面には、補助炎孔109が設けられている。さらに側板部材108同士で形成された空隙部分に主炎孔110を形成する炎孔部材113が設けられている。
【0009】
従来技術の燃焼装置105では、図13,14の様に燃焼管本体107の側面に複数の孔111,112が設けられている。そして図13の様に燃焼管本体107の孔111が側板部材108の内部と連通し、図14の様に燃焼管本体107の孔112が側板部材108同士の間の空隙部と連通する。
【0010】
そして従来技術の燃焼装置105では、図示しない1個のノズルによって燃焼管本体107内に燃料ガスが供給される。そして燃料ガスは、燃焼管本体107の孔111,112によって二つの流れに分岐される。すなわち燃焼管本体107を流れる燃料ガスの一部は、孔111から側板部材108の内部の気体流路に供給され、側板部材108の頂面に設けられた、補助炎孔109から噴射される。
一方、残りの燃料ガスは、燃焼管本体107の孔112から側板部材108同士で形成された空隙部分に流れ込み、下部から導入された空気と混合して主炎孔110に至る。そして主炎孔110から、濃度の低い燃料ガスが噴射される。
こうして主炎孔110から低濃度の燃料ガスが噴射されて主炎が発生し、補助炎孔109から高濃度の燃料ガスが噴射されて補炎が発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術の燃焼装置は、いずれも簡単な構成で主炎と補炎を形成させることができ、好ましい構成である。
しかしながら従来技術の燃焼装置は、点火直後に未燃焼成分が排出されるという問題がある。
すなわち従来技術の燃焼装置は、燃料ガスの供給源から主炎孔に至る一連のガス流路と、補炎孔に至る一連のガス流路の物理的長さが等しい。
【0012】
すなわち図10で説明した2つのノズル102b,102cを有する燃焼装置100では、燃料ガス供給部たる電磁弁103から2つのノズル102b,102cに至る流路の長さが等しい。
一方、図11〜14で示した一つのノズルを有する燃焼装置105では、主炎孔110に至る一連のガス流路と、補助炎孔109に至る一連のガス流路は、燃焼管本体107の孔111,112までの間が共通であり、当該孔から二つの流路に分岐される。しかしながら従来技術の燃焼装置105では、主炎孔110に至るガス流路も、補助炎孔109に至るガス流路も、いずれも上方にガスが立ち昇るものであり、両者の距離に実質上の差はない。
そのため従来技術の燃焼装置100,105では、燃料ガスへの点火に際して、低濃度の燃料ガスと高濃度の燃料ガスが同時に噴射される。
【0013】
ここで低濃度の燃料ガスは、前記した様に理論空気量の1.6倍程度の空気が混合されているから、容易に着火しない。実際上、低濃度の燃料ガスに着火するのは、高濃度の燃料ガスから発生する補炎が安定した後である。
【0014】
一方、高濃度の燃料ガスは、前記した低濃度の燃料ガスよりも着火が容易ではあるが、従来技術の燃焼装置100,105では、主炎孔から同時に低濃度の燃料ガスが噴射されるので、高濃度の燃料ガスが当該低濃度の燃料ガスに煽られる。そのため高濃度の燃料ガスの着火や、補炎の安定が遅れる傾向にある。
このように従来技術の燃焼装置100,105では、高濃度の燃料ガスへの着火及び補炎の安定が遅れ、さらに主炎への火回りが遅い。そのため燃料ガスを放出してから主炎が発生し、さらに主炎が安定するまでの間に時間が経過し、その間に未燃焼状態や不完全燃焼状態の燃焼ガスが外部に出てしまう。
こうして排出される未燃焼ガスは微量であり、火災や健康に対する害は無い。しかしながら燃料ガスには有臭成分が含まれているため、使用者にとって不快である。またいわゆるガス臭さを感じさせるため、爆発するのではないかという不安感を与える。
【0015】
そこで本発明は、従来技術の燃焼装置を改良し、点火時の未燃焼成分の排出を抑制し、使用者に不快感や不信感を与えることがない燃焼装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を解決するための請求項1の発明では、バーナ本体に、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔とを備えた燃焼装置において、前記補助炎孔に至る濃ガス流路の入口である濃ガス導入口には、燃料ガスを噴射する一つのノズルが配置されて、燃料ガスが供給可能となっており、前記主炎孔に至る淡ガス流路の入口である空気導入口には、空気が供給可能であり、前記淡ガス流路にはガス導入開口を備えたベンチェリー部が設けてあり、前記ベンチェリー部は、前記濃ガス流路内に配置されており、前記ベンチェリー部は 、ガス導入開口を介して濃ガス流路内の燃料ガスの一部を淡ガス流路内に流入させることができ、前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路の長さが、濃ガス流路の長さよりも長くなるようにした。
【0017】
本発明の燃焼装置は、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔を有する燃焼装置であり、濃淡燃焼を実現するものである。
本発明の燃焼装置は、主として1個のノズルを有する構成として好適なものである。
すなわち本発明の燃焼装置においては、バーナ本体に空気又は低濃度の燃料ガスが導入される空気導入口と、空気及び高濃度の燃料ガスが導入される濃ガス導入口が設けられている。そして空気導入口は淡ガス流路に連通する。そのため淡ガス流路には、主として空気が流れる。一方、濃ガス導入口は濃ガス流路と連通している。そのため濃ガス流路には濃度の高い燃料ガスが流れる。そして、淡ガス流路にはベンチェリー部が設けてあり、ベンチェリー部は、濃ガス流路内に配置されており、ベンチェリー部は、濃ガス流路内の燃料ガスの一部を淡ガス流路内に流入させることができる。そのため本発明の燃焼装置では、濃ガス流路から主として空気が流れる淡ガス流路に燃料ガスが流れ込み、燃料ガスが空気に巻き込まれて攪拌され、均等に分散する。従って本発明の燃焼装置では、主炎孔から発生する主炎が安定する。
【0018】
また請求項2の発明では、バーナ本体に、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔とを備えた燃焼装置において、前記補助炎孔に至る濃ガス流路の入口である濃ガス導入口には、燃料ガスを噴射する一つのノズルが配置されて、燃料ガスが供給可能となっており、前記主炎孔に至る淡ガス流路の入口である空気導入口には、空気が供給可能であり、前記淡ガス流路にはガス導入開口を備えたベンチェリー部が設けてあり、前記ベンチェリー部は、前記濃ガス流路内に配置されており、前記ベンチェリー部は、ガス導入開口を介して濃ガス流路内の燃料ガスの一部を淡ガス流路内に流入させることができ、前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路には曲路が設けられており、前記曲路を設けることにより前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路の長さが、濃ガス流路の長さよりも長くなるようにした。
【0019】
本発明の燃焼装置では、主炎孔に至るガス流路の長さが、補助炎孔に至るガス流路の長さよりも長い。従って、ガス流路の物理的な長さの差から、補助炎孔側から先に高濃度の燃料ガスを噴射し、少し遅れて主炎孔から低濃度の燃料ガスを噴射する。そのため補助炎孔から噴射された高濃度の燃料ガスは、主炎孔から噴射される低濃度の燃料ガスに煽られることがなく速やかに着火し、そして速やかに安定する。またこの間、主炎孔からは燃料ガスが噴射されないので、燃料ガスの未燃成分の排出はない。
そして補助炎孔から火炎が発生した後に、主炎孔から低濃度の燃料ガスが噴射される。主炎孔から低濃度の燃料ガスの噴射が開始された際には、補助炎孔からは既に補炎が発生している場合が多いと考えられるから、主炎孔から噴射される低濃度の燃料ガスにも、速やかに火が移り、燃料ガスの未燃成分の排出は少ない。
【0020】
本発明の燃焼装置は、主として1個のノズルを有する構成として好適なものである。
すなわち本発明の燃焼装置においてもバーナ本体内に淡ガス流路と濃ガス流路が設けられ、これらの流路によって炎孔に燃料ガスが供給される。また本発明の燃焼装置では、バーナ本体に燃料ガスが導入される濃ガス導入口が設けられている。そして本発明の燃焼装置では、濃ガス導入口から導入された燃料ガスが、バーナ本体内のベンチェリー部において淡ガス流路と濃ガス流路とに分岐され、ベンチェリー部より下流の淡ガス流路に曲路を設け、ベンチェリー部より下流の淡ガス流路の長さが、ベンチェリー部より下流の濃ガス流路の長さよりも長い。そのため結果的に、ベンチェリー部より下流側の、二種類の炎孔 に至る物理的距離に差異が生じ、先に補助炎孔から高濃度の燃料ガスが噴射され、少し遅れて主炎孔から低濃度の燃料ガスが噴射される。そのため点火の際の燃料ガスの未燃成分の排出量が減少する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の燃焼装置は、主炎孔に至るガス流路と、補助炎孔に至るガス流路に物理的な距離の差を設け、濃度の高い燃料ガスを先に噴射させて補炎を先に安定させ、後から低濃度の燃料ガスを噴射して主炎を発生させるものである。
そして主炎孔に至るガス流路と、補助炎孔に至るガス流路に距離の差を設ける方策として、バーナ本体側で行う方法がある。
【0022】
バーナ本体側で、主炎孔に至るガス流路の長さと、補助炎孔に至るガス流路の長さに差を設ける場合は、バーナ本体内部に淡ガス流路と濃ガス流路を形成し、両者の長さを異ならしめる。
【0023】
また燃料ガスは、バーナ本体内で分岐させることが望ましい。具体的な構成としては、例えば低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記した主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔と、前記主炎孔に連通すると共に混合部となる曲路を有する淡ガス流路と、前記補助炎孔に連通する淡ガス流路が内部に形成された燃焼装置において、空気又は低濃度の燃料ガスが導入される空気導入口と、空気及び高濃度の燃料ガスが導入される濃ガス導入口を有し、空気導入口は淡ガス流路に連通し、一方濃ガス導入口は濃ガス流路に連通し、濃ガス流路の一部は淡ガス流路の一部を包囲し、さらに当該包囲部位における淡ガス流路にはガス導入開口が設けられ、濃ガス流路から燃料ガスの一部が淡ガス流路に流れ込む構成とすることが考えられる。
【0024】
この構成では、濃ガス流路の一部は淡ガス流路の一部を包囲し、さらに当該包囲部位における淡ガス流路には開口が設けられている。そのため本発明の燃焼装置では、周囲を包囲する濃ガス流路から主として空気が流れる淡ガス流路に燃料ガスが流れ込み、燃料ガスが空気に巻き込まれて攪拌され、均等に分散する。
【0025】
またさらに具体的な構成としては、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記した主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔と、前記主炎孔に連通する淡ガス流路と、前記補助炎孔に連通する濃ガス流路が内部に形成された燃焼装置において、凹凸を有する4枚以上の板が重ねられて構成され、中央部の二枚の板同士の空隙によって混合部となる曲路を有する淡ガス流路が形成され、さらに前記中央部の板とこれに隣接する板との間によって濃ガス流路が形成され、濃ガス流路の一部は淡ガス流路の一部を包囲し、さらに当該包囲部位における淡ガス流路にはガス導入開口が設けられ、濃ガス流路から燃料ガスの一部が淡ガス流路に流れ込む構成が考えられる。
【0026】
ここで淡ガス流路のガス導入開口が設けられた部位は、絞られていることが望ましい。
【0027】
すなわちガス導入開口が設けられた部位を絞ることにより、内部の流速が増大する。そのためガス導入開口の近傍部分が負圧傾向となり、燃料ガスが淡ガス流路に引き込まれる。
【0028】
【実施例】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。尚以下の説明では、上下とは、燃焼装置1を炎孔を上にして設置した状態を基準とする。
【0029】
1個のノズルを使用し、バーナ本体側で主炎孔に至るガス流路と、補助炎孔に至るガス流路に距離の差を設ける場合の例を説明する。
【0030】
図1は、本発明の具体的実施例における燃焼装置の斜視図である。図2は、図1の燃焼装置の分解斜視図である。図3は、図1から側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。図4は、図1のA−A断面図である。図5は、図1のB方向矢視断面図である。図6は、図1のC平面における断面矢視図である。図7は、本発明の他の実施例における燃焼装置の側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。図8は、本発明のさらに他の実施例における燃焼装置の側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。図9は、本発明のさらに他の実施例における図4に相当する部位での断面図である。図10は、ガス導入開口の変形例を示す断面図である。
【0031】
本実施例の燃焼装置8は、従来技術の燃焼装置105と同様にケースに並列に並べて使用されたり、単独で使用されるものである。本実施例の燃焼装置8は、バーナ本体10とノズル11によって構成される。またさらにバーナ本体10は、流路形成部12と、炎孔部材13によって構成されている。
流路形成部12は、図4,5,6に示すように4枚の金属製薄板15,16,17,18を重ねて作ったものである。
そしてこれらの薄板15,16,17,18は、いずれもプレス加工によって凹凸形状が設けられ、薄板同士の間によって空気又は燃料ガスの流路が形成されている。
【0032】
順次説明すると、中央の2枚の板16,17は、互いに対称(掌)形であり、両者が重なり合って燃焼管本体20が構成されている。
すなわち燃焼管本体20の形状は、図2の様な正面板となる薄板16と,これに対称(掌)形状の裏板となる薄板17が重ね合わされたものである。燃焼管本体20の外観は平たい形をしており、頂部21は開口している。また頂部21を除く、3方の辺にはフランジ部20aが設けられている。ただし、空気導入口27側の上部側は、フランジ部20aが切り欠かれている。
【0033】
そして内部には二枚の薄板16,17によって一連の気体流路が形成されている。即ち薄板16,17が合致する部分では、金属板同志が隙間を形成して配列された状態となっており、この隙間によって気体流路28(淡ガス流路28)が形成される。本実施例の燃焼装置8では、薄板16,17によって構成される気体流路28は、濃度の低い燃料ガスが通過する。すなわち燃焼管本体20に形成される気体流路28は、淡ガス流路として機能する。
【0034】
本実施例で採用する燃焼管本体20では、淡ガス流路28は、大きく分けてベンチェリー部22、混合部23と、導通部24と、炎孔部材配置部25からなる。すなわち淡ガス流路28は、空気導入口27から始まり順次、ベンチェリー部22、混合部23と、導通部24と、炎孔部材配置部25と続く。
これらの形状を淡ガス流路28の入口から説明する次の通りである。すなわち燃焼管本体20の下側の角には、図12の様に、空気導入口27が開口している。空気導入口27は略楕円形である。そして空気導入口27の奥側は、やや拡径しているが、空気導入口27から少し入ったところで急激な段部22a,22bが設けられてベンチェリー部22が形成されている。ベンチェリー部22は、流路が内側に絞られ、断面積が急激に減少した部分である。
【0035】
ただしベンチェリー部22における流路は、下流に行くにつれて高さが勾配状に高く広がっており、断面積は奥に行くほど次第に大きくなっている。そしてベンチェリー部22の淡ガス流路28は、流路の全高がある程度の高さとなった所で、断面積が一定となっている。
また本実施例では、薄板16,17のベンチェリー部22を構成する部位は、図4の様に互いに平行である。
【0036】
そして薄板16,17のベンチェリー部22を構成する部位には、図2,3,4の様にガス導入開口31が設けられている。
【0037】
またベンチェリー部22の下流側は、段部22bを境に淡ガス流路28の断面積が極端に広がっている。そして淡ガス流路28は大きく方向を変えて混合部23が形成されている。混合部23は、空気流路が大きくカーブする部位であり、大きな曲路である。
混合部23の末端は、燃焼管本体20の中程の高さの位置の長手方向全域に渡って延びている。
【0038】
そして導通部24は、混合部23の末端と、炎孔部材配置部25を繋ぐものであり、混合部23の末端に連続し、燃焼管本体20の長手方向全域に渡って延びている。導通部24の断面積、即ち当該部分での薄板16,17の隙間は、図6の様に小さい。
【0039】
炎孔部材配置部25は、燃焼管本体20の上端部に位置し、長手方向全域に渡って延びている。
【0040】
一方、燃焼管本体20の側面側に配される薄板15,18は、全体形状が略長方形であり、前記した薄板16,18と同様に、鋼板をプレスして凹凸を設けたものである。薄板15,18は互いに対称(掌)形であり、いずれも全体形状が凹状をし、長手方向の両端及び下部にはフランジ部15a,18aが設けられている。しかしながら、前記した空気導入口27が位置する部位については、フランジ部15a,18aが欠落している。
【0041】
一方、側面側に配される薄板15,18の燃焼管本体20の混合部23に相当する部位は、内側に向かって凹んでいる。当該凹部15b,18bの形状は、混合部23の外形と一致する。
【0042】
次に炎孔部材13について説明する。
本実施例で採用する炎孔部材13は、凹凸を有する短冊状の板を重ねたものであり、全体として4角柱状をしたものである。
炎孔部材13は凹凸同士の隙間によって図面の上下に連通する。そして炎孔部材13の上端の開口は、主炎孔4として機能する。
【0043】
次に、本実施例の燃焼装置1の各部材同士の関係について説明する。
本実施例の燃焼装置1では、薄板16,17によって作られた燃焼管本体20を中心として、その左右に薄板15,18が配されたものである。
燃焼管本体20と、薄板15,18は、周囲のフランジ部20a,15a,18aを重ね合わせて接合されている。
【0044】
また燃焼管本体20と、薄板15,18との内部の接合関係を見ると、燃焼管本体20と、側面側の薄板15,18は、下端の空気導入口27の近傍と、混合部23の近傍でのみ接し、他の部位は、いずれも離れている。
従って燃焼管本体20と、薄板15,18との間には、図6の様に下部から上部に至る一連の気体流路35a,35bが形成されている。また当該気体流路35a,35bは、いずれも天面に開放されている。そして本実施例の燃焼装置8(図1)では、当該開放面が補助炎孔29a,29bとして機能する。また気体流路35a,35bは、補助炎孔29a,29bに濃混合ガスを供給する濃ガス流路として機能する。
【0045】
より詳細に説明すると、燃焼管本体20を構成する薄板16と、それに隣接する薄板15の間には、隙間があり、この隙間は、両者の下端近傍から上部にかけて連通している。そして当該隙間が前記した様に濃ガス流路35aとして機能する。
一方、燃焼管本体20を構成する薄板17と、それに隣接する薄板18の間にも隙間があり、この隙間は、両者の下端近傍から上部にかけて連通していて濃ガス流路35bとして機能する。そしてそれぞれの濃ガス流路35a,35bは、上部が開放され、補助炎孔29a,29bが形成されている。
【0046】
またバーナ本体10の側面部、より詳細には、空気導入口27側の側面の形状は、図1,図5の通りであり、前記した様に燃焼管本体20の空気導入口27の側面に薄板15,18の内面が接している。しかしながら、空気導入口27の上部については、薄板15,18の一部が欠落しており、前記した濃ガス流路35a,35bが外部と連通している。また当該部位の燃焼管本体20には、欠落部20cが設けられている。従って空気導入口27の上部には比較的広い空隙部30があり、外部に開放されている。
【0047】
また燃焼管本体20のベンチェリー部22は、他の部分に比べて幅が狭いので、ベンチェリー部22と両側の板15,18の間には、図4,図6の様に比較的大きな空隙33がある。当該空隙33は、燃料ガスの分岐部として機能する。なお燃焼管本体20は淡ガス流路として機能し、空隙33は濃ガス流路35a,35bの一部であるから、ベンチェリー部22においては、淡ガス流路28は濃ガス流路35a,35bに包囲されている。
【0048】
また燃焼装置8の付属品として点火装置34が設けられている。点火装置34は、補助炎孔29a,29bの近傍であって、空気導入口27の上部近傍に位置している。
【0049】
次に、本実施例の燃焼装置8の燃料ガス及び空気の流れについて説明する。本実施例の燃焼装置8では、前記したバーナ本体10の空気導入口27の上部の空隙部30に燃料ガスノズル11が挿入される。またバーナ本体10の上流側には図示しない送風機が設けられる。
前記したガスノズル11の挿入状態は、通常のブンゼン式燃焼バーナと同様であり、空隙部30とガスノズル11の間には隙間あるいは開口があり、当該空隙部30には燃料ガスと共に空気が混入される。
空気の燃料ガスに対する混合割合は、理論空気量の40%程度であり、燃料ガス濃度の高いものである。
一方、空気導入口27からは、空気のみが導入される。
【0050】
そして前記した空隙部30から入った燃料ガスは、空気と混合され、その一部は直接的に上方に流れて上部の補助炎孔29a,29bから外部に噴射される。
すなわち燃料ガスの一部は、図3の様に濃ガス流路35a,35bを燃焼管本体20の側面に沿って上方に流れ、燃焼管本体20の両側に設けられた補助炎孔29a,29bから外部に噴射される。
濃ガス流路35a,35bを経由して補助炎孔29a,29bから噴射された混合ガスは、前記した様に理論空気量の40%程度しか空気が混合されておらず、燃料ガスの濃度が高い。
【0051】
一方、空隙部30から入った燃料ガスの残部は、図3の様にベンチェリー部22の近傍に至り、淡ガス流路28の一部たるベンチェリー部22を包囲する空隙33(分岐部)に流れ込む。そして燃料ガスの残部は、ベンチェリー部22に設けられたガス導入開口31から、燃焼管本体20の内部に入る。すなわち燃料ガスは、ガス導入開口31を経由して淡ガス流路28に入る。
ここで本実施例では、ガス導入開口31は、燃焼管本体20の流路断面積が部分的に小 さくなった部位(ベンチェリー部22)に設けられている。そのため当該部位は流速が速く、淡ガス流路28内部は負圧傾向となっている。一方、ベンチェリー部22の周囲は、濃ガス流路35a,35bの一部で包囲されており、ベンチェリー部22の周囲には、濃混合ガスが十分に存在する。そのためベンチェリー部22の周囲の濃混合ガスが燃焼管本体20の負圧によって吸い込まれ、燃料ガスは、空気の流れに対して垂直方向に突入し、燃焼管本体内(淡ガス流路28)を流れる空気と混合される。
【0052】
そして燃料ガスは、混合部23でさらに混合が促進され、導通部24を経て炎孔部材配置部25に至り、炎孔部材13に入って主炎孔36から外部に噴射される。
【0053】
本実施例の燃焼装置8では、燃料ガスは、それぞれ上記した経路を辿り、炎孔部材13の主炎孔36からは淡混合ガスが噴射され、側面に位置する補助炎孔29a,29bからは濃混合ガスが噴射される。
しかしながら、二つの炎孔に至る距離に注目すると、両者の間には相当の差異がある。すなわち両者の燃料ガスの流路は、前記した分岐部33の部位まで共通である。そして補助炎孔29a,29bに至る濃ガス流路35a,35bは、分岐部33の近傍から直接的に上部にのびている。そのため濃混合ガスは、分岐部33の近傍から直接的に上部に上がり、補助炎孔29a,29bから噴射される。
【0054】
これに対して主炎孔36から噴射される淡混合ガスは、分岐部33から燃焼管本体20内の淡ガス流路28に入った後、大きな曲部たる混合部23を通過し、大きく迂回した後主炎孔36に至る。そのため図示しない電磁弁を開いて、燃料噴射ノズル11から燃料ガスを導入したとき、二つの炎孔からの燃料ガスの噴射に時間差が生じ、最初に補助炎孔29a,29bから燃料ガスが噴射し、補炎が発生する。そして補助炎孔29a,29bから噴射される燃料ガスは、高濃度であり、燃料ガスにはただちに引火する。また特に、補助炎孔29a,29bから燃料ガスが噴射された直後は、まだ主炎孔36から低濃度の燃料ガスが噴射されていないので、低濃度の燃料ガスによって煽られることもない。そのため補助炎孔から噴射される燃料ガスヘの着火は確実である。
【0055】
そして続いて曲部たる混合部23を経て、補助炎孔29a,29bからの燃料ガスの噴射に遅れて、低濃度の燃料ガスが主炎孔36から噴射する。しかし低濃度の燃料ガスが噴射した時には、すでに補炎が安定した状態で燃焼しており、補炎から火が移って低濃度の燃料ガスは直ちに着火し、主炎が発生する。
また主炎の根元には安定した補炎が存在するので、主炎の基端部を補炎が保持し、主炎の着火直後から火飛びの発生も少ない。
そのため本実施例の燃焼装置では、未燃焼成分が外部に排出されず、ガス臭さによる不快や不安感情を起こさせない。
【0056】
以上説明した第2実施例では、燃焼管本体20の側面の略全域から、上部に向かって燃料ガスが流れる様に構成したが、例えば一部に関となる箇所を設け、一か所から全体に広がる様な構成としてもよい。図7は、この例を示すものであり、混合部の末端部分に幅の狭い部位20dを設け、当該部位から濃混合ガスを上方に通過させる。
本構成によると、燃料ガスが狭い部位20dを通過する際に空気と混合され、補炎にムラが無くなる。
【0057】
また図8に示すように、燃焼管本体20のフランジ部に連通孔20eを設け、左右の気体流路間の通気性を確保してもよい。この様に、両者の通気性を確保することにより、左右の補助炎孔29a,29bから噴射される混合ガスの量が均等化し、補助火炎の火勢が整う。
【0058】
また上記した実施例では、ベンチェリー部22を構成する部位の板は平行である旨を開示したが、例えば図9の様にテーパー形状を有していて断面積が下流に向かって漸次増大する構成も可能である。
このように下流に向かって断面積を増大させることにより、内部が負圧となる傾向が強まり、燃料ガスの吸い込みが良好となる。
【0059】
またベンチェリー部22に設けるガス導入開口31の断面形状は任意であり、例えば図10(a)の様なバーリング形状であって縁を有するものや、図10(b)、(c)の様な、段差を有するギャラリー状の形状であってもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の燃焼装置は、主炎孔に至るガス流路を、補助炎孔に至るガス流路よりも距離が長いものとし、主炎孔から噴射される低濃度の燃料ガスを補助炎孔から噴射される高濃度の燃料ガスよりも遅れて噴射する構成を採用した。そのため補助炎孔が着火する以前に噴射される燃料ガスが極めて少量となる。また補助炎孔から噴射された濃度の高い燃料ガスは、主炎孔から噴射される低濃度の燃料ガスに煽られることがなく速やかに着火し、補助火炎が早期に安定するばかりでなく、遅れて噴射される主炎孔から噴射される低濃度の燃料ガスにも速やかに火が移り、未燃焼成分の排出がさらに少ないものとなる。
その結果、本発明の燃焼装置によると、着火直後のガス漏れによる不快感や不安感から開放される。
【0061】
本発明を実施した燃焼装置では、淡ガス流路にガス導入開口を備えたベンチェリー部を設け、このベンチェリー部を濃ガス流路内に配置したので、ベンチェリー部のガス導入開口を介して淡ガス流路内に、濃ガス流路内の燃料ガスの一部を流入させることができる。
また、ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路に曲路を設けたので、ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路の長さを、濃ガス流路の長さよりも長くなるようにすることができ、主炎孔から濃度の低い燃料ガスが噴射される前に、補助炎孔から濃度の高い燃料ガスを噴射させることができる。従って、予め補助炎孔における補炎が形成された後に、主炎を形成することができ、燃焼初期における未燃ガスの流出を防止することができる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例における燃焼装置の斜視図である。
【図2】図1の燃焼装置の分解斜視図である。
【図3】図1から側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図1のB方向矢視断面図である。
【図6】図1のC平面における断面矢視図である。
【図7】本発明の他の実施例における燃焼装置の側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例における燃焼装置の側板を外した状態における燃焼装置の斜視図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例における図4に相当する部位での断面図である。
【図10】従来技術の2個のノズルを有する濃淡燃焼方式の燃焼装置の概略図である。
【図11】従来技術の1個のノズルを有する濃淡燃焼方式の燃焼装置の斜視図である。
【図12】図11の燃焼装置をケースに収納した場合の平面図である。
【図13】図11のA−A断面図である。
【図14】図11のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 本体部
2b 淡ガス流路
2c 濃ガス流路
3 ノズルホルダー
3a 燃料ガス流路
3b 淡ガス側ノズル
3c 濃ガス側ノズル
4 主炎孔
5 補助炎孔
6 電磁弁(開閉弁)
8 燃焼装置
10 バーナ本体
11 ノズル
13 炎孔部材
15,16,17,18 薄板
20 燃焼管本体
22 ベンチェリー部
23 混合部
25 炎孔部材配置部
27 空気導入口
28 淡ガス流路
29a,29b 補助炎孔
31 ガス導入開口
35a,35b 気体流路(濃ガス流路)
36 主炎孔
Claims (2)
- バーナ本体に、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔とを備えた燃焼装置において、
前記補助炎孔に至る濃ガス流路の入口である濃ガス導入口には、燃料ガスを噴射する一つのノズルが配置されて、燃料ガスが供給可能となっており、
前記主炎孔に至る淡ガス流路の入口である空気導入口には、空気が供給可能であり、
前記淡ガス流路にはガス導入開口を備えたベンチェリー部が設けてあり、前記ベンチェリー部は、前記濃ガス流路内に配置されており、前記ベンチェリー部は、ガス導入開口を介して濃ガス流路内の燃料ガスの一部を淡ガス流路内に流入させることができ、
前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路の長さが、濃ガス流路の長さよりも長くなるようにしたことを特徴とする燃焼装置。 - バーナ本体に、低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、前記主炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔とを備えた燃焼装置において、
前記補助炎孔に至る濃ガス流路の入口である濃ガス導入口には、燃料ガスを噴射する一つのノズルが配置されて、燃料ガスが供給可能となっており、
前記主炎孔に至る淡ガス流路の入口である空気導入口には、空気が供給可能であり、
前記淡ガス流路にはガス導入開口を備えたベンチェリー部が設けてあり、前記ベンチェリー部は、前記濃ガス流路内に配置されており、前記ベンチェリー部は、ガス導入開口を介して濃ガス流路内の燃料ガスの一部を淡ガス流路内に流入させることができ、
前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路には曲路が設けられており、前記曲路を設けることにより前記ベンチェリー部より下流側の淡ガス流路の長さが、濃ガス流路の長さよりも長くなるようにしたことを特徴とする燃焼装置。
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