JP3633667B2 - 排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造 - Google Patents
排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は排熱回収ボイラに係わり、更に詳しくは、排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレイトンサイクルとランキンサイクルを組合わせた複合サイクルや、既設のボイラにガスタービンを組み合わせて出力を増大させるリパワリングが、近年ますます盛んになっている。図5は、複合サイクルの1つである排熱回収式複合サイクル発電プラントの全体構成図であり、ガスタービン1の排気を排熱回収ボイラ2(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)に導き、その熱を回収して蒸気を発生させ蒸気タービン3を駆動するようになっている。かかる複合サイクルは、ガスタービンの最高利用温度が高いという利点と、蒸気タービンの最低利用温度が低いという利点を活用したものであり、熱効率及び部分負荷効率が高く、起動停止時間が短く、温排水量が少ない、等の特徴を有している。なおこの図に示した排熱回収ボイラは、ガスタービンの排熱を回収するためにリパワリングにも適用される。
【0003】
図6は、従来の排熱回収ボイラの全体構成図である。この図に示すように、従来の排熱回収ボイラは、断熱材で内張りされたボイラ本体4と、この本体内に架台4aに載せられて垂直に配置された複数(この図で3つ)の伝熱パネル5とからなり、各伝熱パネル5は、上下の水平管寄せ5a,5b(マニホールド)とこの管寄せ間を連結する多数の垂直伝熱管5cとからなる。ボイラ本体内は、仕切り板4bにより、ガスタービンからの高温排ガス(例えば650℃)が流れる排ガス流路と上下管寄せの収納部分とに仕切られ、各管寄せが高温の排ガスに直接曝されないようになっている。また、下管寄せ5bの下方にはパネル支持部6が設けられ、このパネル支持部6を架台4aで支持し、伝熱パネルの重量を支えるようになっている。また各伝熱パネル5の垂直伝熱管5cにはボイラ用給水が下流側から順次上向きに流れ、高温排ガスにより加熱されて高温水又は蒸気となり、これにより排ガス中の熱を回収するようになっている。
【0004】
図7は、図6の排熱回収ボイラのパネル正面図である。大型の排熱回収ボイラでは、高温ガスの流路断面は例えば約10m×10mにもなり、各伝熱パネルの重量が重く、下管寄せ5bの水平長さも長くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の排熱回収ボイラでは、起動又は停止時に伝熱パネルが幅方向に熱膨張(又は熱収縮)するため、パネル支持部6が架台4aの上を水平に滑る必要がある。しかし、架台4aの周囲には、仕切り板4bの隙間から高温排ガス(約650℃)が流れ込むため、架台4aの滑り面はほぼ同等の高温になり、 1長時間保持後の滑り出し摩擦係数が非常に増大し(例えば2以上)、 2かつステックスリップや 3部分的な拡散結合が生じて、伝熱パネル5が架台4a(伝熱パネル支持部材)上をスムーズに滑らなくなる問題点があった。
【0006】
このため、摩擦係数の増大や拡散結合により伝熱パネルに過大な水平力(例えば自重の2倍以上の約40〜60トン)が作用したり、ステックスリップにより、昇温・冷却の過程で熱膨張が急に開放され、激しい衝撃音(例えば「バキーン」,「ドーン」という音)とともに衝撃荷重が作用し、各部に亀裂等を発生させることがある問題点があった。この現象は、比較的小型の排熱回収ボイラでも発生するが、特に大型になる程重要である。
【0007】
上述した架台の滑り面は、例えば約650℃以上の高温に曝されながら50〜70Kg/cm2の高面圧を受ける。このため、通常の材料では、上述した現象を回避できず、従来は、幅方向に伝熱パネルを分割したり、ボイラ各部の強度を高めかつメンテナンスを頻繁に行う、等の手段をとっていた。しかし、これらの対策により、構造が複雑化し、重量が増し、装置が大型化し、製造コストが過大になる等の問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、滑り面の高温酸化量を低減し、ステックスリップや拡散結合をなくし、高温・高面圧下において伝熱パネルをスムーズに熱膨張させることができる排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ボイラ本体内に垂直に配置され、かつ水平に流れる排ガスに沿って間隔を隔てて配置された複数の伝熱パネルを有し、該各伝熱パネルは、上下の水平管寄せと該水平管寄せ間を連結した多数の垂直伝熱管とからなる、排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造であって、上端が下管寄せに剛接され下方に伸びた複数の垂直給水管と、該垂直給水管の下端に剛接され前記下管寄せと平行にほぼ水平に伸びた水平給水管と、水平給水管の直下に設けられ水平給水管を熱膨張可能に支持する支持架台と、該支持架台を囲む断熱材とを備え、水平給水管及び垂直給水管を介して下管寄せに給水が供給される、ことを特徴とする排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造が提供される。
【0010】
本発明の好ましい実施例によれば、前記水平給水管は、複数の水平な支持面を有し、前記支持架台は、水平給水管の支持面を支持する水平な上面を有する。また、前記水平給水管の支持面は、垂直給水管に対応した位置に設けられている、ことが好ましい。
【0011】
【作用】
上記本発明の構成によれば、伝熱パネルの下管寄せの下方に複数の垂直給水管と下管寄せと平行に水平に伸びた水平給水管とが剛接されているので、支持架台により水平給水管を熱膨張可能に支持することにより、伝熱パネル全体を下管寄せの長さ方向に熱膨張可能に支持することができる。また、この水平給水管及び垂直給水管を介して下管寄せに給水が供給されるので、内部を流れる給水により水平給水管及び垂直給水管を下管寄せとほぼ同一の温度(例えば200〜300℃)に冷却することができる。更に、水平給水管の直下に支持架台が設けられ、かつこの部分が断熱材で囲まれているので、水平給水管により支持架台を冷却し、かつ断熱材により高温排ガスによる昇温を防止することができ、これにより、支持架台の滑り面の高温酸化量を低減し、ステックスリップや拡散結合をなくし、高温・高面圧下において伝熱パネルをスムーズに熱膨張させることができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
図1は、本発明による伝熱パネル支持構造を有する排熱回収ボイラの全体構成図である。この図において、排熱回収ボイラ10は、ボイラ本体4内に3つの伝熱パネル7,8,9を有し、各伝熱パネルはそれぞれ垂直に配置され、かつ水平に流れる排ガスに沿って間隔を隔てて配置されている。また、各伝熱パネルは、上下の水平管寄せ5a,5b(マニホールド)とこの水平管寄せ間を連結した多数の垂直伝熱管5cとからなる。
【0013】
更に図1において、伝熱パネル7,8,9の間には下流側の上管寄せ5aから上流側の下管寄せ5bに給水を流す降水管11aが設けられている。また、最下流の伝熱パネル9の下管寄せ5bには外部から低温(約180〜200℃)の給水が給水入口ライン11bから導入され、かつ最上流の伝熱パネル7の上管寄せ5aからは加熱されて例えば300℃以上の高温になった蒸気又は高温水が給水出口ライン11cを介して図示しないメインボイラ等に供給されるようになっている。なお、本発明は3つの伝熱パネルに限定されず、2つであっても4つ以上であってもよい。
【0014】
図2は、本発明の伝熱パネルの支持構造を有する大型排熱回収ボイラのパネル正面図、図3は最上流又は中間の伝熱パネルの支持構造を示す図2の部分拡大図、図4は図3のA部拡大図である。
図2において、最下流の伝熱パネル9の下管寄せ5bには、図1と同様に、外部から低温(約180〜200℃)の給水が給水入口ライン11bから導入される。また図3に示すように、最上流と中間の伝熱パネル7,8には、下流側の上管寄せ5aから降水管11aを介して給水が供給される。なお図2に示すような大型の排熱回収ボイラでは、高温ガスの流路断面は例えば約10m×10m以上にもなり、各伝熱パネルの重量が重く(例えば20〜30トン)、下管寄せ5bの水平長さは、この図のように、各伝熱パネルを左右に別々に設けた場合でも例えば4〜5m以上の長さになる。
【0015】
図1〜図4において、本発明の伝熱パネルの支持構造では、上端が下管寄せに溶接等で剛接され下方に垂直に伸びた複数の垂直給水管12と、垂直給水管12の下端に剛接され下管寄せ5bと平行にほぼ水平に伸びた水平給水管14と、水平給水管14の直下に設けられ水平給水管14を支持する支持架台16と、支持架台16を囲む断熱材18とを備える。また、水平給水管14及び垂直給水管12を介して下管寄せ5bに給水を供給するようになっている。
【0016】
また、図4に示すように、水平給水管14は、複数の水平な支持面14aを有し、支持架台16は、水平給水管14の支持面14aを支持する水平な上面16aを有している。この構成により、支持架台16の上面16aの上を垂直給水管の支持面14aが水平に滑ることにより、支持架台16により水平給水管14を熱膨張可能に支持することができる。
【0017】
更に、図2〜図4に示すように、水平給水管14の支持面14aは、垂直給水管12に対応した位置に設けられ、垂直給水管12や水平給水管14に大きな曲げモーメントを作用させることなく、伝熱パネル7,8,9の全体の重量を支持面14aを介して支持架台16に伝達するようになっている。
【0018】
上述した構成により、伝熱パネル7,8,9の下管寄せ5bの下方に複数の垂直給水管12と下管寄せ5bと平行に水平に伸びた水平給水管14とが溶接等により剛接されているので、支持架台16により水平給水管14を熱膨張可能に支持することにより、伝熱パネル全体を下管寄せの長さ方向(図2で左右)に熱膨張可能に支持することができる。
また、この水平給水管14及び垂直給水管12を介して下管寄せ5bに給水が供給されるので、内部を流れる給水により水平給水管14及び垂直給水管12を下管寄せ5bとほぼ同一の温度(例えば200〜300℃)に冷却することができる。
【0019】
更に、水平給水管14の直下に支持架台16が設けられ、かつこの部分が断熱材18で囲まれているので、水平給水管14により支持架台16を冷却し、かつ断熱材18により高温排ガスによる昇温を防止することができ、これにより、支持架台の滑り面の高温酸化量を低減し、ステックスリップや拡散結合をなくし、高温・高面圧下において伝熱パネルをスムーズに熱膨張させることができる。
【0020】
なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上述したように本発明の排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造は、滑り面の高温酸化量を低減し、ステックスリップや拡散結合をなくし、高温・高面圧下において伝熱パネルをスムーズに熱膨張させることができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による伝熱パネル支持構造を有する排熱回収ボイラの全体構成図である。
【図2】本発明の伝熱パネルの支持構造を有する大型排熱回収ボイラのパネル正面図である。
【図3】最上流又は中間の伝熱パネルの支持構造を示す図2の部分拡大図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】従来の排熱回収式複合サイクル発電プラントの全体混図である。
【図6】従来の排熱回収ボイラの全体構成図である。
【図7】従来の大型排熱回収ボイラのパネル正面図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン
2 排熱回収ボイラ
3 蒸気タービン
4 ボイラ本体
4a 架台
4b 仕切り板
5 伝熱パネル
5a 上管寄せ
5b 下管寄せ
5c 垂直伝熱管
6 パネル支持部
7,8,9 伝熱パネル
10 排熱回収ボイラ
11a 降水管
11b 給水入口ライン
11c 給水出口ライン
12 垂直給水管
14 水平給水管
14a 支持面
16 支持架台
16a 上面
18 断熱材
Claims (3)
- ボイラ本体内に垂直に配置され、かつ水平に流れる排ガスに沿って間隔を隔てて配置された複数の伝熱パネルを有し、該各伝熱パネルは、上下の水平管寄せと該水平管寄せ間を連結した多数の垂直伝熱管とからなる、排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造であって、
上端が下管寄せに剛接され下方に伸びた複数の垂直給水管と、該垂直給水管の下端に剛接され前記下管寄せと平行にほぼ水平に伸びた水平給水管と、水平給水管の直下に設けられ水平給水管を熱膨張可能に支持する支持架台と、該支持架台を囲む断熱材とを備え、水平給水管及び垂直給水管を介して下管寄せに給水が供給される、ことを特徴とする排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造。 - 前記水平給水管は、複数の水平な支持面を有し、前記支持架台は、水平給水管の支持面を支持する水平な上面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造。
- 前記水平給水管の支持面は、垂直給水管に対応した位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP14288295A JP3633667B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JPH08334209A JPH08334209A (ja) | 1996-12-17 |
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| JP14288295A Expired - Fee Related JP3633667B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | 排熱回収ボイラにおける伝熱パネルの支持構造 |
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| JP (1) | JP3633667B2 (ja) |
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1995
- 1995-06-09 JP JP14288295A patent/JP3633667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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