JP3635512B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織に接触させて超音波断層像を観察する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の硬さを測定するシステムとして、例えば、特開平2−290529号公報のものが知られている。これは、圧電素子から成るプローブを生体に接触させて、発振回路でプローブ部分を振動したときの共振周波数の変化情報を基に、生体接触部分の硬さを測定するものである。
また、超音波断層像診断用のプローブに圧力センサーを設けた例として、特開昭61−187844号公報のものがある。これは、プローブを生体に圧し当てたときの圧力を検出する圧力センサーを設け、接触部位の圧力と超音波断層像の歪量から部位の硬さを測定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平2−290529号公報の硬さ測定用プローブにあってはこれを用いて体内に存在する生体部位の硬さを測定する場合、硬い部位の体表上での位置を盲目的に捜索する必要があり、その診断は手間を要していた。加えて、硬い部位の体表上での位置は検出できるが、その部位の深さ方向の位置を正確に検出することが困難であった。
【0004】
また、特開昭61−187844号公報の超音波断層像診断用プローブを用いた場合、超音波画像から押し当て部位の生体の変形量と圧力センサーの測定値から生体組織の硬さを判別する必要があるため、硬さを求めるための計算作業を別途行う必要がある。加えて、体腔内の粘膜に対して本例のプローブを用いる場合、プローブをむやみに押し当てると、粘膜を損傷したり、生体壁を穿孔したりするおそれがある。さらに、本例のプローブでは、圧力センサーと超音波診断プローブを別体で設ける必要があり、挿入部の構成を小さくすることが要求される体腔内プローブ、特に先端部に内視鏡機能を有するプローブ等に本例を適用することは困難である。
【0005】
本発明は前記課題を解消し、プローブの先端部の構成を大きくすることなく、生体の硬さと同時に病変部の深さ方向の位置を測定し、超音波画像と硬さの測定結果を複合することによって、より高い精度での診断を可能にすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解消するために本発明は、超音波硬さ測定系と、超音波画像診断系の両方で用いることが可能な圧電素子から成る一つのプローブで硬さの測定と超音波画像診断を可能にする超音波診断装置を提供するものである。そして、以下の作用をもたらす。
(1)超音波画像観察下で硬さの計測を可能にする。
(2)プローブを生体へ強く押し当てることなく組織の硬さを測定可能である。
(3)プローブの小型化が図れる。
【0007】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
(目的)
第1実施形態はプローブの先端部の構成を大きくすることなく、生体の硬さと同時に病変部の深さ方向の位置を測定し、より高い精度での診断を可能にすることを目的とする。
【0008】
(構成)
図1(a)〜(c)は第1実施形態に係るプローブ1を示し、このプローブ1は図1(a)で示すように、肉厚平板状(直方体形状)に形成されたプローブ本体2を有し、このプローブ本体2の後端にはコード3が接続されている。プローブ本体2の先端面部4には振動子群5が設けられている。振動子群5は複数の素子部6を図1(c)(d)に示されるような短冊状に図1(b)のA−A断面線方向に配列して構成されている。複数の素子部6のおのおのは図1(c)(d)で示すように、圧電素子9とこれの前面に配設されたGND(アース)電極10と圧電素子9の背面に並べて配設された第1シグナル電極11及び第2シグナル電極12から成る。つまり、圧電素子9はGND(アース)電極10と、第1シグナル電極11及び第2シグナル電極12との間に挟まれて電気音響変換器たる超音波振動素子を構成している。また、GND電極10の前面には樹脂製の音響整合層13が塗布されている。
【0009】
なお、前記圧電素子の材料には例えば圧電セラミクスを用いるが、電気音響変換機能を有する材料であればこれを他のものに置き換えることができることはいうまでもない。たとえば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電材料、水晶振動子、電歪材料あるいは磁歪材料を用いることができる。
【0010】
GND電極10、第1シグナル電極11及び第2シグナル電極12には、ケーブル15,16,17の一端がそれぞれ個別に接続されている。また、ケーブル15,16,17の他端はプローブ本体2及びコード3の内部を通じてコード3の後端に設けられる図示しないコネクタまで延在する。以上のように複数の素子部6おのおのは図示しないコネクターにて後述する回路と接続され、電気信号の送受信を行うようになっている。
【0011】
図2は第1実施形態のプローブ1を駆動するシステムの回路構成を示す。プローブ1のGND電極10に接続されるケーブル15はアース18に接続される。第1シグナル電極11と第2シグナル電極12に接続されるケーブル16,17は超音波画像診断と硬さ測定の切換え用スイッチ回路20を介して、送受信回路21、送信回路22及び受信回路23に対して選択的に接続されるようになっている。すなわち第1シグナル電極11に接続されるケーブル16はスイッチ25により送受信回路21の端子26と受信回路22の端子27を選択することにより、送受信回路21と受信回路22のいずれか一方に接続される。また、第2シグナル電極12に接続されるケーブル17はスイッチ28により送受信回路21の端子29と受信回路23の端子30を選択することにより、送受信回路21と受信回路23のいずれかに一方に接続される。また、受信回路23には周波数カウンター31が接続されている。そして、これらは制御部32によって制御される。制御部32は演算回路の他、ビデオプロセッサやビデオインポーズ回路等を備える。また、処理演算された結果は超音波断層像を描出するモニター33に表示されるようになっている。
【0012】
次に、本実施形態での超音波画像を描出する原理について説明する。超音波画像診断を行う場合にはスイッチ25,28を送受信回路21側に切り換える。送受信回路21はプローブ1の先端面部において隣接する複数の素子部6に対して、パルス状の電気信号を送信する。このとき、送受信回路21は複数の素子部6から発生して照射する超音波が前方のある一点で集束するように、複数の素子部6の駆動タイミングを決定している。すなわち、送受信回路21から発せられた電気信号はケーブル16及びケーブル17を経由して、複数の素子部6にて超音波振動に変換される。そして複数の素子部6から発せられた超音波は体腔生体(物体)で反射して、再度、複数の素子部6に向かう。複数の素子部6はその反射超音波を受信して、それぞれ電気信号に変換する。この電気信号は再度、ケーブル16及びケーブル17を通って、送受信回路21にて受信され、増幅されたのち、制御部32に送られる。制御部32では送受信回路21からの電気信号を基に、反射超音波の大きさを明るさに変換すると同時に、受信タイミングより超音波の反射位置を算出する。以上の動作を、振動子群5の配列方向(A−A断面線の方向)に順次行い、超音波走査することによって、超音波走査信号を得る。そして、ビデオプロセッサにより映像信号を生成し、モニター33にて超音波断層像を描出する。また、制御部32は前記の機能の他に、超音波画像上の2点間の距離を測定する機能を有している。この距離測定結果はモニター33に表示する。
【0013】
次に、本実施形態で硬さを測定する場合の動作原理を説明する。硬さ測定を行う場合にはスイッチ25,28を送信回路22と受信回路23側に切り換える。プローブ1を生体表面に接触した状態で、送信回路22によって、振動子群5の全てのシグナル電極11に対して同時に交流電圧を印加する。すると、生体表面の硬さに応じて、振動子群5はある振動数をピーク値として共振振動をする。一方、シグナル電極12は振動子群5の周期的な振動を電気信号として検出する。この検出した電気信号は受信回路23にて受信され、増幅した後、周波数カウンター31に送信される。周波数カウンター31ではその検出信号の共振周波数のピーク値が算出される。以上の作業を組織学的に正常な部位と、硬化あるいは柔化した異常な部位で行い、正常な部位の硬さを基準値とした場合の異常な部位の硬さを相対値として算出して、これをインポーズ回路を通してモニター33上に硬さを表示すれば、生体の硬さが判明する。
【0014】
(作用)
図3乃至図5を参照して第1実施形態に係るプローブ1の使用例を説明する。
図3に示すように、位置Eの直下に病変部分41を有する生体42の硬さ及び位置の診断を行う例について説明する。
まず、生体42の表面の任意の位置Cにプローブ1の振動子群5の表面を当接させる。そして、スイッチ25,28を端子27,30側に切り換えて、硬さ測定を開始する。
【0015】
振動子群5の表面を生体表面に当接させた状態で、プローブ1を位置D及び位置Eを経由して矢印43の方向へ移動する。このとき、硬さの測定値は一定のタイミングで制御部32において記録され、その記録結果は図4に示すグラフとしてモニター33の画面に表示されている。
この場合、位置Eではその直下に周辺部分とは硬さが異なる病変部分41の影響で、位置Cおよび位置Dの場合とは異なる共振周波数を示している。したがって、位置E付近の直下に病変部分41が存在すると推定できる。
また、制御部32では、記録された硬さの計測結果より、図4のグラフ上の直線部分(例えば位置Cあるいは位置D)から位置Eにおける共振周波数と直線部分の共振周波数の差△fを求める。
【0016】
次に、スイッチ25,28を端子26,29側に切り換えて、図5に示すような、位置Eでの超音波画像46をモニター表示とする。
本例では制御部32の距離測定機能によって、超音波画像46上の2つのカーソル47,48の間の距離を距離表示部49に表示している。これによって生体42の表面の位置Eから病変部分41までの矢印43の方向の距離はXcmであると判別できる。
さらに、モニター表示45には制御部32で求めた△fを基に、正常部位に対する位置Eの相対的な硬さHが表示される。
【0017】
以上の診断によって、図3で示す様な、病変部分41を有する生体42に対して、本実施形態のプローブ1は図4の如く組織の硬さを測定することにより、病変部位の体表面上の概略の位置を把握でき、さらに図5のモニター表示45の内容から超音波画像診断、及び距離測定を行うことによって、病変部41の正確な深さ位置を把握すると同時に、診断位置での生体の硬さの確認が可能となる。
【0018】
(効果)
この実施形態によれば、プローブ1の先端部の構成を大きくすることなく、生体の硬さと同時に病変部の深さ方向の位置を測定することが可能になった。また、超音波画像と硬さの測定結果を複合することによって、診断に必要な情報が増えてるため、より高い精度で診断が可能になった。
【0019】
<第2実施形態>
図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
(目的)
この第2実施形態は前述した第1実施形態の目的に加えて、体表からは診断が困難な部位の診断を可能にすると共に、体腔内の粘膜のような柔らかい壁面を傷つけることなく組織の硬さの計測を可能にする。さらに手元操作にて容易に硬さ測定と超音波画像診断を切り換えることを可能にすることを目的とする。
【0020】
(構成)
本実施形態は体腔内超音波プローブに適用したものである。図6は第2実施形態に係る体腔内超音波プローブ51の全体を示す。体腔内超音波プローブ51は挿入方向先端から順に、先端部52、湾曲部53、硬性部54、操作部55及びコード56から成る。先端部52の下側面には振動子群57が設けられている。振動子群57は第1実施形態の振動子群5と同様な構成から成る。すなわち、振動子群57は個々の素子(図示せず)に対して図示しないケーブルの一端がそれぞれ接続されている。図示しないケーブルの他端は体腔内超音波プローブ51内部を通って、コード56の後端に設けられる図示しないコネクターに至る。操作部55には湾曲部53を湾曲操作する湾曲ノブ58が設けられている。また、先端部52と湾曲部53の境界付近内部(図示せず)と湾曲ノブ58の操作部55の内部の回転軸側面(図示せず)は2本のワイヤにて対面するように固定されている。これにより操作ノブ58を矢印59の方向に操作することによって、先端部52を矢印61の方向に湾曲することが可能である。さらに操作部55にはスイッチ25及びスイッチ28の切り換えを同時に行うことができる切換えスイッチ62が設けられている。切換えスイッチ62を押し込むと、スイッチ25及びスイッチ28が端子27,30にそれぞれ切り換えられて、切換えスイッチ62自体は押し込まれた状態を維持することができる。さらに切換えスイッチ62を再度押し込むと、切換えスイッチ62自体は基の状態に戻り、前記スイッチ25及びスイッチ28は端子26,29にそれぞれ切り換えられる。
【0021】
また、制御部32には予め、診断部位の正常組織の硬さの情報が記録されており、これと比較することで、病変部分の相対的な硬さを瞬時に測定できる構成になっている。
本実施形態では前記説明以外の構成に関しては、第1実施形態と同様であるため割愛する。
【0022】
(作用)
図7は本実施形態を体腔内で使用する場合の操作を説明する図である。以下の手順で操作を行う。
まず、腹壁71に図示しない気腹針を刺入し、気腹針を通じて気腹器にてガスを腹壁71内に注入し、気腹させる。
気腹させた腹壁71にトラカール72を挿入する。
次に、トラカール72に体腔内用超音波プローブ51を挿入する。
【0023】
そして、振動子群57が臓器73の表面に当接するように、湾曲ノブ58を操作して、先端部52を移動し、図7の状態とする。
切換えスイッチ62を押して、超音波画像診断を開始する。このとき振動子群57は臓器73に当接した状態を維持し、先端部52を徐々にスライドしながら、病変部分74を捜索する。
病変部分74を超音波画像下で確認したら、切換えスイッチ62を再び押して、硬さ測定を行い、超音波画像と硬さの計測結果を総合して病変部分74の診断を行う。
【0024】
(効果)
第2実施形態は前述した第1実施形態の効果に加えて、体表からは診断が困難な部位の診断を可能にすると共に、体腔内の粘膜のような柔らかい壁面を傷つけることなく組織の硬さの計測が可能になった。さらに切換えスイッチ62をプローブ51側に設けることによって手元操作にて容易に硬さ測定と超音波画像診断を切り換えることが可能になった。
【0025】
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されるものではない。すなわち、前記の実施形態の他にも、硬さの計測と超音波画像診断を高速に切り換えて行い、硬さの計測と超音波画像の描出を同時に行えるようにした実施形態等にも応用できる。そのほかにも経口的、経直腸的、経膣的に体腔内に挿入可能な超音波プローブに適用する例等が考えられる。さらにプローブの構成を小さくできる利点を生かして、本発明を内視鏡等に応用した例も考えられる。この場合、例えば、第2実施形態の超音波プローブの先端部に光学観察系や、送気水や吸引用のチャンネル等を設けて、硬質部に相当する部分を可撓性のあるチューブに変更することによって実現可能である。さらに、本実施形態はリニア走査式のプローブの例を示したが、この他にも、円筒状のプローブの側面に対して、全周にわたって素子を配列した360°の走査が可能なラジアル走査型のプローブや、リニア走査式のプローブの振動子群をある曲率にて曲げた面上に配列したコンベックスプローブ等への応用も考えられる。
【0026】
[付記]
1.電極を備えた圧電素子から成り、電気信号を前記電極に印加することにより超音波を生じる振動子を備えた超音波診断用プローブと、
前記プローブの振動子に電気信号を付加して超音波を発生させると共に、その超音波を物体に照射し、超音波の反射波を検出して超音波画像診断を行う超音波画像診断手段と、
前記プローブを物体に接触させたときの前記振動子の共振周波数を検知する周波数測定手段を有し、その測定した共振周波数から物体の硬さを検知する硬さ検知手段とを具備し、
前記プローブを用いての超音波画像診断と前記プローブを用いての硬さ検知とを行うようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【0027】
2.前記超音波画像診断手段と前記硬さ検知手段の一方が、選択的に前記振動子と接続する切り換え手段を有することを特徴とする付記第1項に記載の超音波診断装置。
【0028】
3.前記プローブは、生体外表面に前記振動子を接触させる体外式プローブであることを特徴とする付記第1項に記載の超音波診断装置。
4.前記プローブは、体内に挿入する体腔内プローブであることを特徴とする付記第1項に記載の超音波診断装置。
5.前記切り換え手段が前記プローブに設けられていることを特徴とする付記第3項または第4項に記載の超音波診断装置。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プローブの先端部の構成を大きくすることなく生体の硬さと同時に病変部の深さ方向の位置を測定することが可能になった。超音波画像と硬さの測定結果を複合することによって、より高い精度での診断を可能にする。加えて、超音波画像の観察により体腔内の粘膜のような柔らかい壁面を傷つけることなく組織の硬さの計測が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態に係るプローブの側面図、(b)はそのプローブの先端面図、(c)は(b)中A−A線に沿う断面図、(d)は(c)中B−B線に沿う断面図。
【図2】第1実施形態のプローブを駆動するシステムの回路構成図、
【図3】第1実施形態に係るプローブの使用例の説明図。
【図4】第1実施形態に係るプローブによる位置と測定周波数との関係を示すグラフ。
【図5】第1実施形態に係るモニター表示の状態図。
【図6】第2実施形態に係る体腔内超音波プローブの全体を示す側面図。
【図7】第2実施形態に係る体腔内超音波プローブの使用状態の説明図。
【符号の説明】
1…プローブ、4…先端面部、5…振動子群、6…複数の素子部、9…圧電素子、10…GND電極、11…第1シグナル電極、12…第2シグナル電極、20…切換え用スイッチ回路、21…送受信回路、22…送信回路、23…受信回路、31…周波数カウンター、32…制御部、33…モニター、51…体腔内超音波プローブ、52…先端部、53…湾曲部、54…硬質部、55…操作部、57…振動子群、62…切換えスイッチ。
Claims (1)
- 電極を備えた圧電素子から成り、電気信号を前記電極に印加することにより超音波を生じる振動子を備えた超音波診断用プローブと、
前記プローブの振動子に電気信号を付加して超音波を発生させると共に、その超音波を物体に照射し、超音波の反射波を検出して超音波画像診断を行う超音波画像診断手段と、
前記プローブを物体に接触させたときの前記振動子の共振周波数を検知する周波数測定手段を有し、その測定した共振周波数から物体の硬さを検知する硬さ検知手段とを具備し、
前記プローブを用いての超音波画像診断と前記プローブを用いての硬さ検知とを行うようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
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