JP3635977B2 - 延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、延伸ブロー成形方式によりプラスチックボトルなどを成形する際に使用する延伸ブロー成形用二層構成プリフォームに関するものであり、特に、酸素、水蒸気、紫外線等を遮断するバリア性プラスチックボトルのための延伸ブロー成形用二層構成プリフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、延伸ブロー成形容器としては、ポリエチレンテレフタレートを用いた所謂PETボトルが、飲料用等に広く用いられていたが、その用途をさらに広げ内容物を紫外線や酸素、水蒸気から保護するバリア性PETボトルが要求されるようになってきた。
【0003】
このバリア性PETボトルの作製は、従来のPETボトルの外層にバリア性樹脂でなる層を施す二層化成形が試みられてきた。
【0004】
上記二層化成形法として、二層構成のプリフォームを用いて延伸ブロー成形する方法があり、この延伸ブロー成形のための二層構成プリフォームは、例えば図6に示すように、上端にフランジ部(16)を有する円筒状胴部(12)と下端に底部(14)とを備え、かつ該底部(14)に孔設部(18)を設けて成形されたバリア性樹脂製の外側プリフォーム(10)と、上部に口頸部(26)を有し前記外側プリフォーム(10)内面に密着する円筒状胴部(22)と下端に底部(24)とを備えて成形されたPET製の内側プリフォーム(20)とにより構成されたものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の二層構成プリフォームを用いて延伸ブローによる成形を行うと、例えば図7に示すように、プリフォーム内に挿入する延伸ロッド(70)により、外側プリフォーム(10)の延伸された底部(14)にクラックが発生したり、延伸された底部(14)が内側プリフォーム(20)の底部(24)とズレや剥離が生じたりして、目的のバリア性が得られなかったり、落下強度が損なわれたりするという問題があった。
【0006】
また、同様に外側プリフォームのフランジ部が、内側プリフォームの口頸部に対しズレたりあるいは剥離したりするという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、酸素や水蒸気、紫外線などを遮断するバリア性プラスチックボトルを延伸ブローによる成形において、バリア性を有する外側がバリア層とする二層プラスチックボトルの底部バリア層にクラックやズレ、剥離のない二層構成プリフォームを提供し、よってバリア性に優れ、かつ落下にも耐え得るバリア性を付与した二層プラスチックボトルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、上端にフランジ部を有する円筒状胴部と下端に底部とを備え、かつ該底部に孔設部を設けて成形されたバリア性樹脂製の外側プリフォームと、上端に口頸部を有し、前記外側プリフォーム内面に密着する円筒状胴部と下端に底部とを備えて成形された容器本体用樹脂製の内側プリフォームとにより構成される延伸ブロー成形用二層構成プリフォームであって、前記外側プリフォームの孔設部周縁近傍の底部の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、前記外側プリフォームの孔設部と対向する内側プリフォームの樹脂が該孔設部内に充填され、さらに外側プリフォームの底部の外面を覆うように形成されてなることを特徴とする延伸ブロー成形用二層構成プリフォームとしたものである。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記外側プリフォームの円筒状胴部上端にあるフランジ部の周縁近傍内側の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、該外側プリフォームのフランジ部と対向する内側プリフォームの口頸部の樹脂が該フランジ部を覆うように形成されてなることを特徴とする請求項1記載の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームとしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームは、図1に示すように、上端にフランジ部(16)を有する円筒状胴部(12)と下端に底部(14)とを備え、かつ該底部(14)に孔設部(18)を設けて成形されたバリア性樹脂製の外側プリフォーム(10)と、上端に口頸部(26)を有し、前記外側プリフォーム(10)内面に密着する円筒状胴部(22)と下端に底部(24)とを備えて成形された容器本体用樹脂製の内側プリフォーム(20)とにより構成される延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)であって、図2(a)に示すように、前記外側プリフォーム(10)の孔設部(18)周縁近傍の底部(14)の少なくとも片面(図面では底部(14)の外面)に、略円形状の溝(14a)もしくは凸部(図示せず)を設け、前記外側プリフォーム(10)の孔設部(18)と対向する内側プリフォーム(20)の樹脂が該孔設部(18)内に充填され、さらに外側プリフォーム(10)の底部(14)の外面を覆うように形成されてなるものである。
【0011】
上記外側プリフォーム(10)の孔設部(18)周縁近傍の底部(14)に施す略円形状の溝(14a)は、図2(b)に示すように、底部(14)の両面に施してもよく、また図2(c)に示すように、略円形状の溝と凸部が交互に複数本でなるローレット目(14b)としたものを外面に、あるいは図2(d)に示すように、両面に施したものでもよい。
【0012】
以上のような外側プリフォーム(10)および内側プリフォーム(20)の底部(14、24)の形状の延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)とすることによって、バリア性プラスチックボトルの延伸ブロー成形に際し、その延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)内に挿入する延伸ロッドによって延伸された外側プリフォーム(10)の底部(14)にクラックが発生したり、あるいは略円形の溝もしくは凸部がロック機能を発揮し、内側プリフォーム(20)の底部(24)とのズレや剥離が発生したりすることがなく、よって得られたバリア性プラスチックボトルは、バリア性や落下強度の低下のないものとすることができる。
【0013】
また、請求項2の発明は、図3(a)に示すように、外側プリフォーム(10)の円筒状胴部上端にあるフランジ部(16)の周縁近傍内側の少なくとも片面(図面では下面)に、略円形状の溝(16a)もしくは凸部(図示せず)を設け、該外側プリフォーム(10)のフランジ部(16)と対向する内側プリフォーム(20)の口頸部(26)の樹脂が該フランジ部(16)を覆うように形成されてなるものである。
【0014】
上記略円形状の溝(16a)が、図3(b)に示すように、フランジ部(16)の上下両面でもよく、また図3(c)に示すように、略円形状の溝と凸部が交互に複数本でなるローレット目(16b)としたものを下面に、あるいは図2(d)に示すように、上下両面に施したものでもよい。
【0015】
以上のような外側プリフォーム(10)のフランジ部(16)および内側プリフォーム(20)の口頸部(26)の形状の延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)とすることによって、バリア性プラスチックボトルの延伸ブロー成形に際し、略円形状の溝もしくは凸部がロック機能を発揮し、その延伸されたフランジ部(16)が、内側プリフォームの口頸部(26)に対しズレたりあるいは剥離したりすることがなく、よって得られたバリア性プラスチックボトルは、外側プリフォーム(10)のフランジ部(16)近傍においてもバリア性や落下強度の低下のないものとすることができる。
【0016】
本発明の遮光性バリアー包装材(1)を構成する外側プリフォーム(10)は、酸素や水蒸気、あるいは紫外線を遮断するバリア性樹脂でなるもので、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシレンジアミン(MDX6)などが挙げられ、適宜用途に応じて選定することができる。
【0017】
上記外側プリフォーム(10)の作成は、例えば図4に示すように、加熱された上記バリア性樹脂(R)を樹脂射出ゲート(34)から外側プリフォーム(10)用のキャビティ(10a)内に射出充填した後、成形金型(40)を冷却してキャビティ(10a)内のバリア性樹脂(R)を固化して外側プリフォーム(10)が得られる。
【0018】
この外側プリフォーム(10)を用いて延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)とするには、図5に示すように、延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム用成形金型(50)内に上記で得られた外側プリフォーム(10)を載置し、続いて加熱された容器本体用樹脂(Y)(ポリエチレンテレフタレート(PET)が一般的に使用される)を樹脂射出ゲート(55)からキャビティ(50a)内および外側プリフォーム(10)の孔設部(18)に充填し、さらに外側プリフォーム(10)の底部(14)の外面を覆うように巻き込み成形し、外側プリフォーム(10)のフランジ部(16)近傍においても、フランジ部(16)下面を覆うように巻き込み成形し、その後成形金型(50)を冷却してキャビティ内の容器本体用樹脂(Y)を固化して延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム(1)が得られる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上端にフランジ部を有する円筒状胴部と下端に底部とを備え、かつ該底部に孔設部を設けて成形されたバリア性樹脂製の外側プリフォームと、上端に口頸部を有し、前記外側プリフォーム内面に密着する円筒状胴部と下端に底部とを備えて成形された容器本体用樹脂製の内側プリフォームとにより構成される延伸ブロー成形用二層構成プリフォームにおいて、前記外側プリフォームの孔設部周縁近傍の底部の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、前記外側プリフォームの孔設部と対向する内側プリフォームの樹脂が該孔設部内に充填され、さらに外側プリフォームの底部の外面を覆うように形成されてなるので、バリア性プラスチックボトルを延伸ブローによる成形に際し、底部近傍でクラックやズレ、剥離のない二層構成プリフォームを提供することができる。
【0020】
また、前記外側プリフォームの円筒状胴部上端にあるフランジ部の周縁近傍内側の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、該外側プリフォームのフランジ部と対向する内側プリフォームの口頸部の樹脂が、該フランジ部を覆うように形成されてなるので、バリア性プラスチックボトルの延伸ブロー成形に際し、その延伸されたフランジ部近傍での内側プリフォームの口頸部に対するズレや剥離のない延伸ブロー成形用二層構成プリフォームを提供することができる。
【0021】
よって得られたバリア性プラスチックボトルは、ボトルの底部やフランジ部近傍でのバリア性や落下強度の低下のないものとすることができる。
【0022】
従って本発明は、ドリンク剤等を収納し、酸素や水蒸気あるいは紫外線を遮断するバリア性プラスチックボトルのための延伸ブロー成形用二層構成プリフォームとして、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームの一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームの底部形状の一事例を拡大で説明するもので、(a)は、外側プリフォームの底部下面に略円形状溝を施したもので、(b)は、外側プリフォームの底部両面に略円形状溝を施したものである。(c)は、外側プリフォームの底部下面にローレット目を施したものであり、(d)は、外側プリフォームの底部両面にローレット目を施したものである。
【図3】本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームのフランジ部形状の一事例を拡大で説明するもので、(a)は、外側プリフォームのフランジ部下面に略円形状溝を施した事例で、(b)は、外側プリフォームのフランジ部両面に略円形状溝を施した事例である。(c)は、外側プリフォームのフランジ部下面にローレット目を施した事例であり、(d)は、外側プリフォームのフランジ部両面にローレット目を施した事例である。
【図4】本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームを構成する外側プリフォームの成形の一事例を側断面で表した説明図である。
【図5】本発明の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームの成形の一事例を側断面で表した説明図である。
【図6】従来の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームの一事例を側断面で表した説明図である。
【図7】従来の延伸ブロー成形用二層構成プリフォームを用いて延伸ブロー成形する一事例を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム
10‥‥外側プリフォーム
12‥‥外側プリフォームの胴部
14‥‥外側プリフォームの底部
14a‥‥底部の略円形溝
14b‥‥底部のローレット目
16‥‥外側プリフォームのフランジ部
16a‥‥フランジ部の略円形溝
16b‥‥フワンジ部のローレット目
18‥‥外側プリフォーム底部の孔設部
20‥‥内側プリフォーム
22‥‥内側プリフォームの胴部
24‥‥内側プリフォームの底部
26‥‥内側プリフォームの口頸部
34‥‥バリア性樹脂射出用ゲート
40‥‥外側プリフォーム用成形金型
50‥‥延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム用成形金型
50a‥‥延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム用キャビティ
55‥‥容器本体用樹脂射出ゲート
56‥‥コア本体
70‥‥延伸ロッド
R‥‥バリア性樹脂
Y‥‥容器本体用樹脂
V‥‥ブロー圧方向
Claims (2)
- 上端にフランジ部を有する円筒状胴部と下端に底部とを備え、かつ該底部に孔設部を設けて成形されたバリア性樹脂製の外側プリフォームと、上端に口頸部を有し、前記外側プリフォーム内面に密着する円筒状胴部と下端に底部とを備えて成形された容器本体用樹脂製の内側プリフォームとにより構成される延伸ブロー成形用二層構成プリフォームであって、前記外側プリフォームの孔設部周縁近傍の底部の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、前記外側プリフォームの孔設部と対向する内側プリフォームの樹脂が該孔設部内に充填され、さらに外側プリフォームの底部の外面を覆うように形成されてなることを特徴とする延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム。
- 前記外側プリフォームの円筒状胴部上端にあるフランジ部の周縁近傍内側の少なくとも片面に、略円形状の溝もしくは凸部を設け、該外側プリフォームのフランジ部と対向する内側プリフォームの口頸部の樹脂が該フランジ部を覆うように形成されてなることを特徴とする請求項1記載の延伸ブロー成形用二層構成プリフォーム。
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