JP3645334B2 - 樹脂積層アルミニウム板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム板に耐熱性硬質塩化ビニールシートを積層した樹脂積層アルミニウム板に関するもので、電気部材等の外装部品に利用できる樹脂積層アルミニウム板に係わるものである。
【0002】
さらに、上記用途に限らず、加工性等にも優れた特性を示すことからその他の用途にも広く利用できるものである。
【0003】
【従来の技術】
塩化ビニールシートをアルミニウム板に積層する技術は従来から知られている。具体的には、アルミニウム板及び/又は塩化ビニールシート表面に接着剤を塗布し、接着剤を介してアルミニウム板と塩化ビニールシートとを相接するように圧着する方法が知られている。
【0004】
上記接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系の接着剤が挙げられる。しかしながら、これら接着剤は一般に有機溶剤で希釈することが多く、塗布時あるいは乾燥時に発生する溶剤の処理について、安全性や環境汚染の問題がある。
【0005】
また、上記のような接着剤を使用した塩化ビニール積層板は、特に硬質塩化ビニールシートの場合には伸びが低いために、プレス加工した際にシートの剥離や割れ等が生じやすいといった問題点があった。軟質系塩化ビニールシートでは耐熱性が劣り、シート表面に美粧性のために塗装したり、積層後の後加工において熱が加わるようなことは難しい、という問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点を解決した新規の樹脂積層アルミニウム板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は以下の手段によって達成される。
【0008】
すなわち、本発明は、アルミニウム板の少なくとも片面に接着剤を介して塩化ビニールシートを貼り合わせてなる樹脂積層アルミニウム板において、前記塩化ビニールシートが柔軟温度80℃以上の耐熱性硬質塩化ビニールシートであり、該耐熱性硬質塩化ビニールシート用原料が重合度300〜800で、塩素化率60〜68%の塩素化ポリ塩化ビニルであり、かつ、前記接着剤がホットメルト型のポリエステル系またはエチレン−酢酸ビニール共重合体系であることを特徴とする樹脂積層アルミニウム板を提案するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明金属積層板は、アルミニウム板を基板とするものである。
【0011】
アルミニウム板としては、プレス加工性が良好なものであれば、特に制限はなく、一般には純度95%以上のアルミニウム単体からなるものや、アルミニウムとマグネシウム等の合金からなるものを使用することができる。
【0012】
このアルミニウム板には、リン酸−クロム酸塩等による化成処理や電解エッチング等のエッチング処理を施すこともできる。
【0013】
アルミニウム板の厚さは一般に0.2〜0.8mmの範囲とすることができる。特に好ましくは、得られるプレス成形品の強度、プレス成形性、経済性等の面から0.4〜0.6mm程度の範囲とすることができる。
【0014】
アルミニウム板の片面には柔軟温度80℃以上の耐熱性硬質塩化ビニールシートを積層する。なお、ここでいう柔軟温度とはクラッシュベルグ柔軟温度(JIS K 6745)をいう。
【0015】
耐熱性硬質塩化ビニールシートの柔軟温度が80℃未満では樹脂シート面に塗装を施した場合にプレス成形時に塗装が割れたり、加熱による後加工が困難になる等の問題があり好ましくない。
【0016】
本発明で用いる耐熱性硬質塩化ビニールシート用原料としては、重合度300〜800好ましくは400〜700で、塩素化率60〜68%の塩素化ポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。また上記樹脂中に通常使用される熱安定剤、滑剤、耐衝撃改良剤が含有していてもよい。
【0017】
塩素化率が60%未満では柔軟温度80℃を満足できず、68%を超えると圧延性、押出時の成形性等が悪くなるばかりでなく、成形時の熱安定性も悪くなり好ましくない。
【0018】
シート成形についてはカレンダー法によると良く、厚みに関しては特に限定されずに目的に応じて適宜選択できるが、通常100μ〜300μ程度にするのが好ましい。
【0019】
以上のようにアルミニウム板の片面に上記の耐熱性硬質塩化ビニル樹脂を積層することによりその上に塗装を施した場合に高温で乾燥することが可能になり、その結果、塗装厚さを大きくすることができる。
【0020】
またプレス成形時にシートがアルミニウム板によく追随して変形するため、プレス時に塗装が割れない積層板を得ることができる。
【0021】
本発明で用いるホットメルト型の熱接着性フイルムとしてはポリエステル系またはエチレンー酢酸ビニル共重合体系が挙げられ目的に応じ適宜選択することができる。
ポリエステル系では東亜合成化学(株)社製のアロンメルトPES111EEF04,120HAF03,111U24F,日本マタイ(株)社製のエルファンPHE411,ダイセル化学工業(株)社製のサーモライト2810等が挙げられ、またエチレンー酢酸ビニール共重合体系ではクラボウ(株)社製のクラベンダーE7400等が挙げられる。厚みは目的に応じ適宜選択できるが、成形性から30〜100μ程度のフィルム状のものが好ましい。
【0022】
ホットメルト型熱接着性フイルムを接着層に使用して、単に熱圧着を行うのみで積層することが可能となるため、溶剤を使用する必要はなく、したがって溶剤の回収設備が不要となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明する。
【0024】
実施例1
厚みが0.3mmのアルミニウム板(JIS H−4000に規定するA5052P調質H34)を使用し、表面をリン酸クロメート処理した。
【0025】
柔軟温度92℃の厚み200μの硬質塩化ビニールシート(三菱樹脂(株)社製ビニルホイルC950)を厚さ50μのホットメルト型変性PBTシート(ダイセル工業(株)社製サーモライト2810)を介してアルミニウム板のリン酸クロメート処理層の表面に積層したものを下記評価法で性能評価した。
【0026】
実施例2
実施例1においてホットメルト型熱接着性フイルムとしてホットメルト型変性ポリエステルフイルム50μ(東亜合成化学(株)アロンメルトPES111EEF04)を用いた以外は実施例1と同様に行なった。
【0027】
実施例3
実施例1においてホットメルト型熱接着性フイルムとしてホットメルト型エチレンー酢酸ビニール系フイルム50μ(クラボウ(株)クランベーターE7400)を用いた以外は実施例1と同様に行なった。
【0028】
比較例1
実施例1において硬質塩化ビニールシートを柔軟温度60℃の厚み200μの硬質塩化ビニールシートを用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0029】
比較例2
実施例1において、接着層を変性PP(三井石油化学(株)製アドマーQF305)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0030】
比較例3
実施例1において、接着層をホットメルト型ポリウレタン系(日本マタイ(株)エルファンUH203)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3の性能試験結果をまとめて表1及び表2に示した。
【0031】
<性能試験>
密着性試験
・碁盤目エリクセン(6mm)
JISK6744に規定する方法により、試料のシート側に1mm間隔で100個のノッチをいれた後にアルミ面側から6mm押し出す。その時にシートのはがれが発生しなければ合格とする。
【0032】
・180°方向剥離強度試験
得られたアルミニウム積層体から、20mm幅で試料を裁断する。アルミニウム面側からノッチをいれて折り返し、180°方向で50mm/minの速度で剥離していく。その時の最大荷重を剥離強度とする。
【0033】
加工性試験
・20℃密着曲げ試験
20℃の試料をJISK6744に規定する方法により、シート面が外側になるようにして密着曲げを行ないシートのはがれが発生しなければ合格とする。
【0034】
・表面塗装試験
硬質塩化ビニールシート表面にウレタン系塗料を厚み10μに塗布し、90℃で5分間乾燥後に外観状況を確認し、シートの劣化等がなければ合格とする。
評価法は、次の基準により実施した。
○ 合格 (異常が認められないもの)
× 不合格(シートの割れ、劣化等の異常が発生したもの。シートの剥離が発生したもの。)
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
本発明の樹脂積層アルミニウム板は表1及び表2に示す通り、比較例1〜3より格段に優れていることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば加工性の良いアルミニウム板の片面に柔軟温度80℃以上の耐熱性硬質塩化ビニールーシートを積層し、その上から塗装を施すことにより塗装を厚くすることが可能となり、意匠性の高い金属積層板及び金属成形品を得ることができるとともに、プレス成形しても塗装が割れたり剥離することがない。
【0038】
また、ホットメルト系接着剤を使用するので、熱圧着で製造可能であり、溶剤を使用しないために環境汚染の惧れもなく、安全性も大幅に向上でき、乾燥炉や溶剤回収設備が不要となり設備コストを大幅に低減できた。
【0039】
また得られた樹脂積層アルミニウム板は、表面塗装性及び密着性、プレス加工性に優れ、かつ2次加工性も極めて優れているものである。
Claims (1)
- アルミニウム板の少なくとも片面に接着剤を介して塩化ビニールシートを貼り合せてなる樹脂積層アルミニウム板において、前記塩化ビニールシートが柔軟温度80℃以上の耐熱性硬質塩化ビニールシートであり、該耐熱性硬質塩化ビニールシート用原料が重合度300〜800で、塩素化率60〜68%の塩素化ポリ塩化ビニルであり、かつ、前記接着剤がホットメルト型のポリエステル系またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系であることを特徴とする樹脂積層アルミニウム板。
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|---|---|---|---|
| JP28501395A JP3645334B2 (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 樹脂積層アルミニウム板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28501395A JP3645334B2 (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 樹脂積層アルミニウム板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09123346A JPH09123346A (ja) | 1997-05-13 |
| JP3645334B2 true JP3645334B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=17686026
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28501395A Expired - Fee Related JP3645334B2 (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 樹脂積層アルミニウム板 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP3645334B2 (ja) |
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| JP2003094555A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Sky Alum Co Ltd | 密着性および加工性に優れた樹脂フィルム被覆アルミニウム板およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-11-01 JP JP28501395A patent/JP3645334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH09123346A (ja) | 1997-05-13 |
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