JP3646733B2 - ブラシノステロイド含有組成物およびその水分散体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は植物生長調整用に好適な組成物に関し、さらに詳しくは、ジャスモン酸類とブラシノステロイド類を含有するブラシノライド組成物およびその水分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、植物生長調整剤としてはオーキシン類、ジベレリン類、サイトカイニン類、エチレン類等が知られ広範に研究が進められているが、実際に実用効果を有するものは、発根促進剤としてのインドール酢酸などのオーキシン類、種なしブドウ作成のためのジベリレン類、老化防止剤としてのサイトカイニン類と少ない。
【0003】
近年、新しい植物ホルモンとしてアブラナの花粉から単離されたブラシノステロイドは、極低用量で様々な活性を示すことから合成面および応用面での研究が勢力的に行われている。ブラシノステロイド類の生理作用としては、例えば、増収作用として栽培植物(特開昭57−118503号公報)、豆科作物(特開昭61−27760号公報)、イモ類(特開昭62−67006号公報)、イネ科作物(特開平6−17283号公報)など、作物の生育促進作用として栽培植物(特開62−4204号公報)、ジャガイモ(特開昭63−170306号公報)、イネ科作物(特開平1−106802号公報)、豆類(特開平1−146805号公報)、テンサイ(特開平1−146806号公報)、牧草(特開平1−63105号公報)など、果実の生育促進としてブドウ(特開平1−308210号公報)、柑橘類(特開平2−15007号公報)、リンゴ(特開平2−42002号公報)、モモ(特開平2−67206号公報)、カキ(特開平2−152905号公報)など、耐ストレスとして薬害軽減(特開昭61−76403号公報)、耐病性(特開昭61−76404号公報、塩類耐性(特開昭62−48602号公報)、塩・薬害耐性(特開昭63−66104号公報)など、その他に切り花などの鮮度保持作用(特開稗1−301601号公報、特開平1−313401号公報)、着花抑制作用(特開平3−173804号公報)、発芽促進作用(特開平3−206007号公報)などが報告されている。しかしながらこれらの効果は必ずしも充分なものではなく、実用化に至っていない。
【0004】
一方、ジャスモン酸類の生理作用としては、米の茎部抑制作用(ドイツ特許公報第215928号)、麦の主茎抑制による増収作用(ドイツ特許公報第241821号)、イチゴの増収作用(ドイツ特許公報第276025号公報)などが報告され、またジャスモン酸類と他の物質が併用された例としては、フェニルアセテートとの併用による米の増収(ドイツ特許公報第263914号)、アスコルビン酸との併用によるジャガイモの塊茎形成促進作用(特開平2−92220号公報)などが報告されているが、まだ効果が充分でなく、露地栽培などへの実用化には至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、かかる事情のもとに鋭意検討を重ねた結果、ブラシノステロイドに特定のジャスモン酸類を併用することで、バレイショの増収作用、小麦の成長促進作用、ベンジャミンの落葉防止作用、水稲の低温障害軽減作用などのブラシノステロイドの様々な生理活性を充分に向上させることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【問題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、一般式(1)
【化3】
(式中、R1は炭化水素残基、R2は水素原子または炭化水素残基を示す。)で表されるジャスモン酸類とブラシノステロイド類からなるブラシノステロイド含有組成物およびその水分散体が提供される。
【0007】
本発明に於て使用されるジャスモン酸類は、上記式(1)で表される。R1の炭化水素残基としては、例えば分岐してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などが例示され、好ましくはアルキル基及びアルケニル基などである。またR1の炭素数としては、通常20以下で、好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは5である。具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、3−ブチニル基、2−ブチニル基、4−ペンチニル基、3−ペンチニル基、2−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、エイコシニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられが、これらに限定されない。好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基など、更に好ましくはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基など、特に好ましくはn−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ペンテニル基などである。
【0008】
R2の炭化水素残基としては、例えば分岐してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などが挙げられ、好ましくはアルキル基などである。また炭素数は、通常20以下であり、好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは3または4である。具体的には、例えば上記R1の例示と同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基など、更に好ましくはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基など、特に好ましくはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などである。
【0009】
かかるジャスモン酸類は何れも公知の化合物であり、常法に従い製造することができる。例えば、式(1)においてR1がペンチル基でR2が炭素数1〜10のアルキル基であるジャスモン酸類は、2−ペンチルシクロペンテン−1−オンとマロン酸のアルキルエステルとをマイケル付加させた後、脱炭酸させることにより得ることができる。
【0010】
使用されるブラシノステロイド類としては、ブラシノライド[(22R,23R,24S)−2α,3α,22,23−テトラヒドロキシ−B−ホモ−7−オキサ−5α−エルゴスタン−6−オン](以下、BRLと記す。)をはじめ、天然に20種以上見いだされている天然ブラシノステロイドおよび合成ブラシノステロイドなどを使うことができる。具体的には、ブラシノライド、ドリコライド、ホモドリコライド、28−ノルブラシノライド、24−エピブラシノライド、28−ホモブラシノライドなどのラクトン型ブラシノステロイド;カスタステロン、ドリコステロン、ホモドリコステロン、24−エチルブラシノン、ブラシノン、チファステロール、テアステロン、24−エピカスタステロン,2−エピカスタステロン、3−エピカスタステロン、3,24−ジエピカスタステロン、25−メチルドリコステロン、2−エピ−25−メチルドリコステロン、2,3−ジエピ−25−メチルドリコステロンなどのケトン型ブラシノステロイド;6−デオキソカスタステロン、6−デオキソドリコステロン、6−デオキソホモドリコステロンなどのデオキソ型ブラシノステロイドなどが例示され、好ましくはラクトン型ブラシノステロイドなどである。またこれらの化合物は、2位、3位、22位および23位の水酸基がそれぞれ独立してアシル化、アルコキシ化、グリコキシ化されていてもよいし、また22位と23位の水酸基が一緒になってエポキシ環を形成していてもよい。
【0011】
ジャスモン酸類とブラシノステロイド類を含む本発明の組成物は、予め調製しておいてもよいが、使用直前に混合して用いることもできる。通常は、農薬製剤分野において一般的に用いられる固体または液体の希釈剤(担体)、さらに必要により溶剤、界面活性剤、展着剤、固着剤などを併用して通常の公知の粉剤、粗粉剤、水和剤、顆粒状水和剤、乳剤、油懸濁剤等に調整して使用することができる。
【0012】
固体担体としては、従来公知のものが何等制限なく使用でき、例えばカオリナイト、モンモリロナイト、アタバルジャイト、ジークライトなどのクレー類;タルク、雲母、葉ロウ石、軽石、バーミキュライト、石こう、炭酸カルシウム、ドロマイト、珪藻土、マグネシウム、石灰、リン石灰、ゼオライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウムなどの無機物質類;大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結晶セルロースなどの植物性有機物質類;クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリアルキレングリコールなどの合成有機物質類;カルナバロウ、密ロウなどのワックス類および尿素などが挙げられる。
【0013】
液体担体としては、例えばケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイルなどのパラフィン系もしくはナフテン系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロホルム、トリクロロエチレン、モノクロロベンゼン、o−クロルトルエンなどの塩素系炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのエーテルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ、ジメチルアセトアミドなどの極性溶媒あるいは水などが挙げられる。
【0014】
本発明の組成物は、特に水を媒体にした水分散体として用いる場合が多い。本発明の水分散体は、使用するブラシノステロイド類が水に対して極めて難溶性であるので、分散剤を添加してブラシノステロイド類を安定的に分散させることが効果の面で重要になる。分散剤としては、ブラシノステロイド類を安定的に分散できるものであれば特に制限はなく、通常農薬組成物において使用されるものを用いることができ、好ましくは溶剤、界面活性剤および展着剤から選ばれる少なくとも1種が添加される。
【0015】
溶剤としては、ブラシノステロイドを溶解し水に分散出来るものであれば特に限定されないが、例えば前記の液体担体などが挙げられ、好ましくはアルコール類、ケトン類、極性溶媒などで、特に好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールなどのアルコールなどである。
【0016】
界面活性剤としては、通常農薬組成物で使用されるものを用いることができ、例えば高級アルコール硫酸ナトリウムのような陰イオン系界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドのような陽イオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0017】
展着剤としては、通常農薬組成物において使用されるものを用いることができ、例えばポリオキシエチレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンジアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンエーテル系;ポリオキシエチレンジアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキリアリルエステル、ポリオキシエチレンジアリルエステルなどのポリオキシアルキレンジエステル系;ジナフチルメタンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、ジアルキルスルホサクシネートなどのスルホン酸塩類などが挙げられ、好ましくはポリオキシアルキレンエーテル系などである。
【0018】
本発明の組成物のジャスモン酸類とブラシノステロイド類との組成比は、対象作物、使用目的および施用時期などによって異なり一概に特定できないが、通常はブラシノステロイド類:ジャスモン酸類の重量比として1:0.1〜1:1000000、好ましくは1:1〜1:100000、更に好ましくは1:10〜1:10000の範囲である。
【0019】
本発明の組成物中のジャスモン酸類とブラシノライド類の含有量は、対象となる植物の種類、使用形態、使用方法、使用時期などにより一概には規定できないが、固体として用いる場合は、通常0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%の範囲が適当であり、また水溶液として用いる場合は、ジャスモン酸類が、通常0.01〜1000ppm、好ましくは0.05〜500ppm、更に好ましくは0.1〜200ppmの濃度になる範囲、ブラシノステロイド類が、通常0.000001〜10ppm、好ましくは0.0001〜1ppm、さらに好ましくは0.001〜0.1ppmの濃度になる範囲で調整される。
【0020】
上記本発明の組成物は、必要に応じて他の既知植物生長調整剤、糖類、アミノ酸、有機酸、アルコール、ミネラル、ビタミンなどを配合することができる。他の植物生長調整剤としては、例えばオーキシン類、ジベレリン類、サイトカイニン類、エチレン類等が挙げられるが、特にα−ナフタレン酢酸、インドール酢酸、5−クロロインダゾール酢酸エチル、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4−クロロフェノキシ酢酸などのオーキシン類などと併用すると好ましい。
【0021】
また、本発明の組成物は、薬害軽減効果を有するので、農薬と組み合わせて用いることもできる。組み合わせる農薬としては、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤などが挙げられが、好ましくは除草剤などである。除草剤としては、例えばピラゾレート系除草剤、ジメタゾン系除草剤、クロロフタリム系除草剤、オキサジアゾン系除草剤、フタルイミド系除草剤、フルリドン系除草剤、ジシアノマレロニトリル系除草剤、カーバメイト系除草剤、尿素系除草剤、トリアジン系除草剤などを挙げることができるが、特に光合成阻害、蛋白合成阻害、細胞分裂阻害を作用機作にしている除草剤と組み合わせるのが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の組成物は、種々の植物に施用することによって優れた植物生長調整作用を発現することができる。植物生長調整作用としては、例えば植物体の発根促進、発芽促進、着花促進、収量向上、倒伏防止、成長促進、分けつ数の増加、耐寒性向上、耐高温性、耐乾燥性、耐塩性向上、耐病性向上、結実率向上、果実落下抑止、落葉抑止、耐ストレス付与、薬害軽減、鮮度保持、品質向上などの作用を挙げられる。
【0023】
適用作物としては、果菜類、葉菜類、根菜類、イモ類、穀類、花卉類、工芸作物、果樹類、木本類など広範な植物に適用でき、具体的にはキュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ、スイカ、シロウリ、マクワウリ、メロン、オクラ、イチゴ、トマト、インゲン、ソラマメ、エンドウ、ダイズ、ラッカセイ、アズキなどの果菜類;ハクサイ、カンラン、タマネギ、ネギ、ハナヤサイ、パセリ、ミツバ、セロリー、シュンギク、ホウレンソウ、レタス、ナタネ、ミズナなどの葉菜類;大根、ニンジン、カブ、ゴボウ、タマネギ、ビートなどの根菜類;バレイショ、サツマイモ、サトイモ、キャサバなどのイモ類;イネ、大麦、小麦、燕麦、粟、稗、黍、ソバ、トウモロコシなどの穀類;ユリ、チューリップ、グラジオラス、カーネーション、バラなどの花卉類;ワタ、アサ、テンサイ、芝、ステビアなどの工芸作物;ブドウ、梨、リンゴ、モモ、柿、ミカンなどの果樹類;スギ、ヒノキ、マツ、ヒバなどの木本類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の組成物の植物への作用部位は、植物の種類により異なるが、例えば葉、茎、根部、塊茎、根茎、果実、花芽などである。葉、茎、根部、塊茎、根茎、果実などに対しては成長を促進させ、長さおよび重量を増加させる効果を有する。また、花芽に対しては分化を促進させて、花の数を増加させるなどの効果を有する。また、果実に対しては果実の重量を高める、糖度を増す、着色度を増す、収穫果実の鮮度を保持するなどの効果を有する。
【0025】
本発明の組成物の施用方法としては、対象とする植物、目的により、その好ましい態様は異なるが、例えば、種子や種いもの浸漬処理、茎葉散布、土壌かん水、果実面散布、花房への散布、植物体への注入処理などが挙げられる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0027】
実施例1(二十日大根に対する根部成長促進効果)
キシロール:イソホロン:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル=60:20:20の混合溶液を用いて前記式(1)においてR1およびR2が表1に示す置換基であるジャスモン酸類を20%含有する乳剤と、エピブラシノライド[(22R,23R,24R)−2α,3α,22,23−テトラヒドロキシ−B−ホモ−7−オキサ−5α−エルゴスタン−6−オン](以下、EBLと記す。)を100ppm含有するエタノール溶液をつくり、次いで水で該ジャスモン酸類の濃度が0.5ppm、EBLの濃度が0.01ppmになるように混合希釈して試験液とした。
【0028】
二十日大根(品種:アカマルコメット)を露地圃場にて慣行栽培した。根部の肥大開始時期に、前記の試験液を栽培面積あたり1アール当り10リットル散布した。
【0029】
散布16日後に各区から生育の良い個体を15株ずつ収穫し、根部分の重量を測定し、無処理区対比値(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例2(バレイショの増収効果)
エタノール:水=70:30の混合溶液を用いて、前記式(1)におけるR1がペンチル基でR2が表2に示す置換基であるジャスモン酸類の濃度が100ppm、ホモブラシノライド[(2α,3α,22,23)−テトラヒドロキシ−24S−エチル−B−ホモ−7−オキサ−5α−コレスタン−6−オン](以下、HBLと記す。)の濃度が0.01ppmになるように調整して試験液とした。それにバレイショ(品種:メイクイン)種イモを瞬間浸漬処理した。
【0032】
処理翌日に圃場に定植し、各区15株ずつ慣行栽培した。定植から80日後に各区から生育の良い株を10株ずつ掘り上げ、株毎のイモの重量を測定し無処理区対比値(%)を算出した。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例3(小麦種子処理による成長促進効果)
エタノール:水=50:50の混合溶液を用いて、n−プロピルジャスモネート[前記式(1)においてR1がペンチル基でR2がプロピル基である化合物](以下、PDJと記す。)の濃度が5ppm、表3記載のブラシノステロイド類を0.01ppmの濃度になるように試験液を作り、それに小麦(品種:農林61号)の種子を瞬間浸漬処理した。これを慣行栽培し、3葉期に各区から100本ずつ抜き取り、平均個体生体重を測定し、無処理区対比値(%)を算出した。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例4(ベンジャミン低温時の落葉防止効果)
キシロール:イソホロン:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル=60:20:20の混合溶液を用いてPDJを20%含有する乳剤と、EBLを100ppm濃度含有するエタノール溶液を作り、PDJが30ppm、EBLが0.01ppmになるように両化合物の単独また混合の試験液をつくり、試験液とした。
【0037】
温室内で慣行方法でポット栽培した、1本植のベンジャミン(平均樹丈30〜40cm、葉数150〜200枚/樹)を用い、11月下旬にそれぞれの試験液を散布し、翌日から外気に曝した。20日後と30日後に落葉した葉の比率(落葉率=(落葉数/当初の着葉数)×100)を調べ比較した。結果を表4に示した。
【0038】
【表4】
【0039】
実施例5(水稲の低温障害軽減効果)
PDJおよびBRLをエタノールに溶解させ1000ppm溶液を作り、これを表5に示す濃度になるように水で希釈して試験液とした。
【0040】
イネ種子(日本晴)を2日間吸水させた後、それぞれの試験液に24時間浸漬処理し、バーミキュライトをつめたポットに20粒ずつ撒き各区2ポットずつ用意した。これをハイポネックス水耕液の2〜3cm水深のバットに入れ、18〜19℃の低温条件で、15000ルックスの人工キャビネット内で育てた。
【0041】
第3葉の伸長成長が終わり第4葉が出はじめた時、各ポットの生育の良い個体の15本ずつについて平均草丈と地上部、根部の平均生体重を測定した。結果を表5に示した。
【0042】
【表5】
【0043】
以下に、好ましい実施態様を示す。
(1)一般式(1)
【化4】
(式中、R1は炭化水素残基、R2は水素原子または炭化水素残基を示す。)で表されるジャスモン酸類とブラシノステロイド類からなるブラシノステロイド含有組成物。
(2)ブラシノステロイド類とジャスモン酸類が1:10〜1:1000000の割合である(1)記載の組成物。
(3)R1の炭化水素残基がアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基である(1)または(2)記載の組成物。
(4)R2の炭化水素残基がアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基である(1)ないし(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)R1の炭素数が20以下である(1)ないし(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)R2の炭素数が20以下である(1)ないし(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)ブラシノステロイド類がラクタム系ブラシノステロイド類である(1)ないし(6)のいずれかに記載の組成物
(8)(1)ないし(7)のいずれかに記載の組成物を水に分散させて成ることを特徴とする水分散体。
(9)ジャスモン酸類の濃度が0.01〜1000ppmの範囲である(8)記載の分散体。
(10)ブラシノステロイド類の濃度が0.000001〜10ppmの範囲である(8)または(9)記載の分散体。
(11)分散剤を加えてなる(8)ないし(10)のいずれかに記載の分散体。
(12)分散剤が溶剤、界面活性剤および/または展着剤である(11)記載の分散体。
(13)分散剤が溶剤および/または展着剤である(12)記載の分散体。
(14)植物生長調整用として用いる(1)記載の組成物または(13)記載の分散体。
Claims (4)
- R1が、炭素数2〜6のアルキル基(ペンチル基を除く)または炭素数2〜6のアルケニル基(ペンテニル基を除く)である請求項1に記載の植物成長調整用組成物。
- R2が、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である請求項3に記載の植物成長調整用組成物。
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