JP3647253B2 - 現像装置、現像剤担持体及び現像方法 - Google Patents
現像装置、現像剤担持体及び現像方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体或いは静電記録誘導体等の像担持体上に形成された潜像を現像して顕像化するための現像装置及び現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、像担持体としての感光ドラム表面に形成された静電潜像を、一成分系現像剤であるトナーによって顕像化する現像装置としては、トナー粒子相互の摩擦、現像剤担持体としての現像スリーブとトナー粒子との摩擦、及び現像スリーブ上のトナー塗布量を規制する部材(現像剤層厚規制部材)とトナー粒子との摩擦等により、トナー粒子に正或いは負の電荷を与え、この帯電されたトナーを現像スリーブ上に極めて薄く塗布し、感光ドラムと現像スリーブとが対向している現像領域に搬送して、該現像領域においてトナーを感光ドラム表面の静電潜像に飛翔及び付着させ、感光ドラム上の静電潜像をトナー像として顕像化する方式のものがある。
【0003】
上述したような従来の現像方式に用いられる現像剤担持体は、例えば、金属、合金又は金属化合物を円筒状に成型し、その表面を、電解、ブラスト、ヤスリ等で所定の表面粗度になるように処理したものが用いられている。
しかしながら、このような現像剤担持体を使用した場合には、現像剤層厚規制部材によって現像剤担持体表面に形成される現像剤層において、現像剤担持体の表面近傍に存在する現像剤層中の現像剤が非常に高い電荷を有することになり、現像剤担持体表面に鏡映力によって強烈に引きつけられてしまい、トナーと現像剤担持体との摩擦機会が持てなくなって、トナーが好適な電荷を持てなくなることが生じる。このため、このような状況下で画像を形成すると、充分な現像及び転写が行われず、画像濃度ムラや文字飛び散り等の多い画像となってしまう。
【0004】
又、近年では、省エネのために要求される現像剤の低温定着化や高精細画像形成を実現するため、トナーの小粒径化が望まれている。そして、このような小粒径のトナーを用いる機種において上記したような従来の現像剤担持体を使用した場合は、下記に説明するように、充分に現像剤の低温定着化及び高精細画像の形成を実現させることが困難であった。例えば、現像剤の低温定着化のためには、現像剤のガラス転移温度Tgをより低めに設定したり、現像剤中にワックス等の低融点物質を多めに添加したりする傾向にあるが、これらの現像剤は、電子写真装置等の装置本体の昇温等に影響されて、現像剤担持体上に融着し易く、画像濃度の低下、白筋、ブロッチ等が生じる場合がある。
【0005】
又、特開平1−112253号公報や特開平2−284158号公報等には、高画質化、高精細化のために、粒径の小さいトナーを用いることが提案されている。このような粒径の小さいトナーでは、単位重量当りの表面積が大きくなるために、表面電荷が大きくなり易く、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤担持体に固着し、その結果、新たに現像剤担持体上に供給されてきた現像剤が帯電されにくくなり、現像剤の帯電量が不均一となり易い。このため、画像上にスリーブゴーストが発生し易く、得られる画像が、ベタ画像やハーフトーン画像等にスジ状画像やモヤ状画像等の不均一な画像になり易い。
【0006】
これに対し、特開平1−277256号公報、特開平3−36570号公報等に、このような過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤担持体への現像剤の強固な付着を防止するため、樹脂中に、カーボン、グラファイトのごとき導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹脂組成物からなる被膜を現像剤担持体上に形成する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、現像装置中で生じるトナーの過剰帯電を防止し、且つトナーの帯電量を高めに保持させ、又、現像剤担持体上へのトナー融着が発生しにくく、これらのことによって引き起こされる画像濃度の低下、白筋及びブロッチ等を有効に防止し得る現像装置及び現像方法を提供することにある。
又、本発明の目的は、常温常湿の環境下においては勿論のこと、高温高湿度或いは低湿度の環境下においても良好な画像が得られる現像装置及び現像方法を提供することにある。
又、本発明の目的は、耐摩耗性に優れた現像スリーブを提供することによって、あらゆる環境下における長期耐久においても、安定な画像が得られる現像装置及び現像方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、スリーブゴーストをなくすことのできる現像装置及び現像方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、現像容器内に収容された正帯電性トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持させ、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域へと現像剤を搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、
上記現像剤担持体の表面に、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする現像装置、現像剤担持体及び現像方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
先ず、本発明を特徴づける現像剤担持体について説明する。本発明に用いられる現像剤担持体は、従来のものと同様の金属製等の円筒状基体を有するが、本発明においては、該基体表面に、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする。
以下、本発明で使用する現像剤担持体表面の樹脂被覆層(以下、単に被覆層とも呼ぶ)の一例を図1に示しながら、その作用について説明する。図1に示したように、金属製等の円筒状基体5上に形成される被覆層1は、結着樹脂3であるフェノール樹脂によって円筒状基体5の外周に形成されるが、この被覆層1中には導電性物質が含有され、場合によっては、図1に例示したもののように導電性物質と共に固体潤滑剤4が含有されてもよい。
【0010】
本発明者らは、この被覆層1の構成について鋭意検討を重ねた結果、被膜形成材料である結着樹脂として、それ自身が鉄粉に対して正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物を含有するフェノール樹脂を使用すれば、結着樹脂自身の帯電付与性を向上させることができるので、トナーの帯電量を高めに保持でき、且つ導電性物質及び固体潤滑剤を用いることで、過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤担持体への現像剤の強固な付着を有効に防止することができ、更に、従来行われている帯電付与粒子を添加した場合に比べて被覆層自体の機械的強度や耐摩耗性が向上するので、長期耐久に耐え、長期間安定して良好な画像を提供することが可能となることを知見して本発明に至った。
【0011】
本発明において、現像剤担持体上の被覆層を形成するための結着樹脂を上記したような構成とすると、被覆層が、正帯電性トナーを有する現像剤に対して良好な帯電付与物質となることについての明確な理由は定かではないが、本発明で用いる、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物は、添加されるとフェノール樹脂中に均一に分散され、更に、加熱硬化して被膜を形成する際にフェノール樹脂の構造中に取り込まれ、その結果、上記化合物を有するフェノール樹脂組成物自身が負帯電性を有する物質へと変化する。従って、このような材料を用いて形成された被覆層を有する現像剤担持体を用いれば、現像剤を好適に正極性に帯電させることが可能となる。
【0012】
本発明において好適に使用される、上記した機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して正帯電性を有するものであればいずれのものでもよいが、例えば、下記一般式で表わされる化合物が挙げられる。
【化1】
(式中のR1、R2、R3、R4は、夫々置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルアルキル基を表わし、R1〜R4は夫々同一でも或いは異なっていてもよい。X-は、酸の陰イオンを表わす。)
上記の一般式において、X-の酸イオンの具体例としては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸等が挙げられる。
【0013】
これに対し、例えば、下記式で表わされるような、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有する含フッ素第4級アンモニウム塩化合物についても検討を行ったが、該化合物の添加によっては本発明の所期の目的が達成されないことがわかった。即ち、下記式で表される化合物は、電子吸引性の強いフッ素原子が構造中にあるので、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有するが、本発明の場合と同様に、該化合物をフェノール樹脂中に分散させた樹脂組成物を結着樹脂とし、これを加熱硬化させて現像剤担持体上の被覆層を形成しても、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を含有させたフェノール樹脂を結着樹脂に用いる本発明の場合ほどには、正帯電性の現像剤に対する高い正摩擦帯電付与性は得られなかった。
【0014】
【化2】
【0015】
又、被覆層の形成に用いられる被膜形成材料であるフェノール樹脂の正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を向上させる添加剤としては、本発明で使用する自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物以外のものとしては、例えば、ネガ性シリカ或はネガ性テフロン等の粒子も考えられるが、この場合には、所望の正帯電付与性を得るにはこれらを大量に添加する必要があり、被覆層としての強度低下を招き易い。又、負帯電制御剤であるクロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体、クロルフェノールとアニリドを含むアゾナフトールの鉄錯体、ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体等を添加した場合も、フェノール樹脂製被膜の帯電付与性を多少は向上させ得るが、本発明で用いる第4級アンモニウム塩化合物ほどの顕著な効果はない。更に、上記に挙げた負帯電制御剤は、材料によってはフェノール樹脂中に分散されにくく、その結果、上記と同様に被覆層の強度低下を招き易いものがある。
【0016】
これに対し、フェノール樹脂に、本発明で用いる特定の第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を使用して被覆層を形成すると、先に述べたように、結着樹脂であるフェノール樹脂を加熱硬化させて被覆層を形成した場合に、該第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれる。このため、前記したネガ性シリカ粒子或いはネガ性テフロン粒子等のような粒子添加系の場合と異なり、部分的にではなく、被覆層全体として正帯電性現像剤に対する正摩擦帯電付与性が向上する。更に、粒子添加系の被膜と異なり、加工性が損なわれたり、被覆層の強度低下を生じることもない。
従って、上記した結着樹脂を用いて形成された被覆層が設けられている現像剤担持体を有する現像装置を用いることによって、常温常湿下においては勿論のこと、高温高湿下、或いは低湿下においても良好な画像を提供することが可能となる。更に、長期耐久においても安定した画像の提供ができる。
【0017】
本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物としては、具体的には、以下のようなものが挙げられるが、勿論、本発明は、これらに限定されるものではない。
【化3】
【化4】
【化5】
【0018】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0019】
上記に例示したような本発明で使用する第4級アンモニウム塩化合物の添加量は、フェノール樹脂100部に対して1〜100部とすることが好ましい。1部未満では添加による帯電付与性の向上が見られず、100部を超えると結着樹脂中への分散不良となり被膜強度の低下を招き易い。
【0020】
又、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、本発明において使用する結着樹脂を構成するフェノール樹脂として、その製造工程において、触媒として含窒素化合物を用いて製造されたものを用いると、特に、加熱硬化時に第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれ易く、好ましいことがわかった。従って、本発明においては、このような作用を有する、その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂を現像剤担持体上の被覆層を構成する材料の1つとして用いれば、良好な正帯電付与性を有する現像装置の実現が可能となる。
【0021】
本発明で好適に使用し得る、フェノール樹脂の製造工程において触媒として用いられる含窒素化合物としては、例えば、酸性触媒としては、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、スルファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウムといったアンモニウム塩又はアミン塩類が挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア、或は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミノ化合物、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン等のピリジン及びその誘導体、キノリン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール及びその誘導体等の含窒素複素環式化合物等が挙げられる。
【0022】
本発明において、上記した形成材料によって現像剤担持体上に形成される被覆層は、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。又、被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm以下である。即ち、被覆層の体積抵抗値が、104Ω・cmを超えると現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果、ブロッチが発生し易い。
【0023】
本発明において、被覆層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げられる。本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。又、本発明において好適なこれらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0024】
更に、本発明においては、現像剤担持体表面への現像剤の付着をより軽減化するため、被覆層中に固体潤滑剤を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑剤としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石が挙げられる。又、本発明で使用することのできるこれらの固体潤滑剤の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0025】
本発明で好適に使用される上記のような構成を有する現像剤担持体表面の被覆層の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。即ち、Raが0.1μm未満では、現像剤担持体上におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎ現像性が不充分となるし、又、現像領域への現像剤の搬送性に劣り、充分な画像濃度が得られにくくなる。一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上に形成されるトナーコート層にムラが生じ、画像上での濃度ムラの原因となる。
【0026】
次に、上記したような優れた効果を発揮し得る現像剤担持体が組み込まれて構成される本発明の現像装置の一例を、図を参照しながら説明する。
図2は、本発明の現像装置の一例を示す概略構成図である。図2において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する像担持体、例えば、電子写真感光ドラム7は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ14は、ホッパー9によって供給された一成分磁性現像剤である磁性トナー10を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ14と感光ドラム7とが対向している現像部D(現像領域)に磁性トナー10を搬送する。この現像スリーブ14内には、磁性トナー10を現像スリーブ14上に磁気的に吸引・保持するための磁石11が配置されている。このような現像スリーブ14上に担持された磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦によって、感光ドラム7上の静電潜像を現像可能にする摩擦帯電電荷を得る。
【0027】
又、図1に例示した現像装置では、現像部Dに搬送されていく磁性トナー10の層厚を規制するために、強磁性金属からなる現像剤層厚規制部材である規制ブレード8が、ホッパー9から、現像スリーブ14の表面から約200〜300μmのギャップ幅をもって現像スリーブ14に臨むように垂下されている。この結果、現像スリーブ14内の磁石11の磁極N1からの磁力線がブレード8に集中することにより、現像スリーブ14上に磁性トナー10の薄層が形成される。尚、ブレード8としては、非磁性ブレードを使用することもできる。
【0028】
本発明においては、上記のようにして現像スリーブ14上に形成される磁性トナー10の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙よりも、更に薄いものであることが好ましい。このようなトナー薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に、本発明は特に効果的である。
しかし、勿論、現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも、本発明は適用することができる。以下、説明の煩雑さを避けるため、非接触型の現像装置を例にとって、更に説明する。
【0029】
上記構成を有する本発明に好適な現像スリーブ14では、その表面に担持された磁性トナー10を飛翔させるために、電源15により現像バイアス電圧が印加される。本発明においては、この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(磁性トナー10が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ14に印加されることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或いは階調性を向上させるためには、現像スリーブ14に交番バイアス電圧を印加し、現像部Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を、現像スリーブ14に印加することが好ましい。
【0030】
又、高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する所謂正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する所謂反転現像では、トナーは静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用することが好ましい。尚、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦により静電潜像を現像するための極性に帯電される。磁性トナー10に外添したシリカも、現像スリーブ14との摩擦により帯電する。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。表1に、実施例及び比較例で得られた現像剤担持体(現像スリーブ)の構成をまとめて示した。
(実施例1)
下記の材料を混合し、φ2mmのジルコニア粒子を充填剤として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、IPAで固形分を30%に調整して、フェノール樹脂中に鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を得た。
【化11】
上記式(1)で表される第4級アンモニウム塩化合物について、鉄粉との摩擦帯電量を市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミカル製TB−200型)を用いてブローオフ法により測定したところ、正極性であった。
【0032】
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/GF(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.2/0.8/2.5/0.5であった。次に、この樹脂組成物をスプレー法にて、φ20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布して10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ1を作製した。上記で使用した樹脂組成物の体積抵抗値を、絶縁シート上に塗料状の樹脂組成物をバーコーターにてコートして乾燥させた後、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)を用いて測定した。この結果、1.5×10Ω・cmであった。
【0033】
上記で得られた現像スリーブ1を、キヤノン社製の複写機NP6035(商品名)に組み込み、24℃/65%RHの常温常湿(N/N)、24℃/10%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の3環境において画出しを行った。
その際、画出しに用いた現像剤としては、下記の構成材料を溶融混練、粉砕及び分散して得られた、重量平均粒径6μmの正帯電トナーに正帯電性外添剤として、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンでカップリング処理したコロイダルシリカを0.9%外添した正帯電性一成分系磁性現像剤を用いた。
・スチレン−アクリル系樹脂(Tg56℃) 100質量部
・マグネタイト 80質量部
・正電荷制御剤 2質量部
・低分子量ポリプロピレン 4質量部
【0034】
(評価)
A.画像特性
画出し耐久における、ブロッチ(現像剤担持体上のトナーコート層のコートムラ)の発生、ゴーストの発生及びφ5画像濃度の変化について、常温常湿(N/N)、常温低湿(N/L)及び高温高湿(H/H)の3環境下で、以下の方法及び基準にて評価を行い、反転カブリについては、常温低湿(N/L)環境で、以下の方法及び基準にて評価した。
【0035】
▲1▼ブロッチ
画出し試験によって得られたベタ黒及びハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1000枚後及び10万枚後の画像について、ブロッチを以下の基準で評価した。その結果、表2に示した様に、良好な結果が得られた。
◎:優秀
○:良好
△:普通
×:悪い
【0036】
▲2▼ゴースト
画出し試験によって得られたゴーストチャートのハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1000枚後及び10万枚後の画像についてゴーストを以下の基準で評価した。その結果、表3に示した様に、良好な結果が得られた。
◎:優秀
○:良好
△:普通
×:悪い
【0037】
▲3▼φ5画像濃度
φ5画像について、1枚、5万枚、10万枚、15万枚、20万枚、25万枚及び30万枚画出し後における、画像比率5.5%のテストチャート上のφ5黒丸の画像濃度を、反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定して、画像濃度の耐久について調べた。その結果、図3(1)に示した様に、長期耐久についても、安定した画像濃度が得られた。
【0038】
▲4▼反転カブリ
1枚、10枚、100枚及び1000枚画出しして、反転カブリについて調べた。反転カブリは、複写機本体の濃度補正キーを最も濃度薄になるように設定して画像を形成した128g/m2の厚紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた厚紙と同一カットの未使用の厚紙の反射率(D2)を測定し、D2−D1の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。その際の反射率は、TC−6DS(東京電色製)で測定した。その結果、図3(2)に示した様に、良好な結果が得られた。
【0039】
▲5▼トリボ
現像剤担持体上の吸引法トリボ値の測定については、以下の方法で行った。即ち、現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸引口を取付けた、円筒濾紙を有する測定容器を用いて、画像形成直後(5分以内)の現像剤担持体表面上の現像剤層を過不足なく一様に吸引できるように吸引圧を調整して、現像剤担持体表面上の現像剤を吸引する。このとき吸引された現像剤の電荷Qを616ディジタルエレクトロメーター(KEITHLEY製)で測定し、又、この現像剤の質量Mを測定し、Q/M(mC/kg)により現像剤のトリボ値を計算した。測定は1000枚後に行った。その結果、表1に示した様に、良好な結果が得られた。
【0040】
▲6▼白筋
画出し試験によって得られたベタ黒及びハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1000枚後及び10万枚後の画像について白筋を以下の基準で評価した。その結果、表4に示した様に、良好な結果が得られた。
◎:優秀
○:良好
△:普通
×:悪い
【0041】
(実施例2)
実施例1で用いた式(1)で表される第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(2)で表される第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。尚、下記式(2)で表される第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【化12】
【0042】
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ2を作製した。
更に、得られた現像スリーブ2を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図4に示した通り良好な結果が得られた。
【0043】
(実施例3)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(3)で表される第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。下記式(3)で表される第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【化13】
【0044】
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を、実施例1と同様にして、アルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ3を作製した。
更に、得られた現像スリーブ3を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図5に示した通り良好な結果が得られた。
【0045】
(実施例4)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(4)で表される第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。下記式(4)で表される第4級アンモニウム塩化合物も、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【化14】
【0046】
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ4を作製した。
更に、得られた現像スリーブ4を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図6に示した通り良好な結果が得られた。
【0047】
(実施例5)
下記の材料を混合し、φ2mmのジルコニア粒子を充填剤として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、IPAで固形分を30%に調整して、フェノール樹脂中に、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を得た。
【0048】
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/BN(窒化硼素)/B(フェノール樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.2/1.6/2.5/0.5であった。本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
次に、この樹脂組成物をスプレー法にて、φ20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布し、10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて表面に導電性樹脂被覆層を有する現像スリーブ5を作製した。
更に、得られた現像スリーブ5を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図7に示した通り良好な結果が得られた。
【0049】
(実施例6)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例2で用いた式(2)で表される鉄粉との帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、トリメチルアミンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ6を作製した。
更に、得られた現像スリーブ6を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図8に示した通り良好な結果が得られた。
【0050】
(実施例7)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例3で用いた式(3)の第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、トリエチルアミンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ7を作製した。
更に、得られた現像スリーブ7を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図9に示した通り良好な結果が得られた。
【0051】
(実施例8)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例4で用いた式(4)の第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、ピリジンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ8を作製した。
更に、得られた現像スリーブ8を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図10に示した通り、良好な結果が得られた。
【0052】
(実施例9)
下記の材料を混合し、φ2mmのジルコニア粒子を充填剤として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、IPAで固形分を35%に調整して、フェノール樹脂と鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも有する樹脂組成物を得た。
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/MoS2(二硫化モリブデン)/B(フェノール樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
【0053】
次に、この樹脂組成物をスプレー法にて、φ20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布し、10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ9を作製した。
更に、得られた現像スリーブ9を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図11に示した通り、良好な結果が得られた。
【0054】
(実施例10)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例2で用いた式(2)で表される、鉄粉との帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、トリメチルアミンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ10を作製した。
更に、得られた現像スリーブ10を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図12に示した通り、良好な結果が得られた。
【0055】
(実施例11)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例3で用いた式(3)で表される、鉄粉との帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、トリエチルアミンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は、実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ11を作製した。
更に、得られた現像スリーブ11を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図13に示した通り良好な結果が得られた。
【0056】
(実施例12)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例4で用いた式(4)で表される、鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用い、更に、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として製造されたフェノール樹脂の代わりに、ピリジンを触媒として用いたフェノール樹脂を使用する以外は、実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。又、本実施例で使用した塗料状の樹脂組成物についても、実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。この樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ12を作製した。
更に、得られた現像スリーブ12を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図14に示した通り良好な結果が得られた。
【0057】
(比較例1)
実施例で使用したと同様のφ20mmのアルミニウム製円筒体の表面に、FGB#300でサンドブラストしただけのものを比較例1の現像スリーブとした。これを用いて、実施例1と同様の方法で画出し評価を行った。その結果、表2及び表3に示したように、ブロッチがひどく、これ以外の画像評価をすることは不可能であった。
【0058】
(比較例2)
下記の処方とした以外は実施例1と同様にして塗料状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0であった。
この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する比較例2の現像スリーブを作製した。この現像スリーブを用いて実施例1と同様にして画出し評価した。その結果、表2、表3、表4及び図15に示したように、カブリについては初期のみ若干悪いだけであったが、耐久での画像濃度の低下がみられた。又、本比較例で使用した塗料状の樹脂組成物についても実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
【0059】
(比較例3)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、クロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体(S)を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/S=0.2/0.8/2.5/0.5であった。ここで、クロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体(S)の、鉄粉との摩擦帯電量を、実施例1と同様にブローオフ法により測定したところ、負極性であった。又、本比較例で使用した塗料状の樹脂組成物についても実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する比較例3の現像スリーブを作製した。
更に、得られた現像スリーブを用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図16に示した通り、カブリについては50枚位までのカブリが悪く、又、耐久で画像濃度の低下がみられた。
【0060】
(比較例4)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりにニグロシン(N)を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/N=0.2/0.8/2.5/0.5)であった。ここで、ニグロシンの鉄粉との摩擦帯電量を、実施例1と同様にブローオフ法により測定したところ正極性であった。又、本比較例で使用した塗料状の樹脂組成物についても実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する比較例3の現像スリーブを作製した。
更に、得られた現像スリーブを用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図17に示したように、カブリについては1000枚位までのカブリが悪く、又、耐久の早い段階で画像濃度の低下がみられた。
【0061】
(比較例5)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(9)の第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。下記式(9)の第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量を実施例1と同様にブローオフ法により測定したが、実施例1とは異なり負極性であった。又、本比較例で使用した塗料状の樹脂組成物についても実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
【化15】
この樹脂組成物を用い、実施例1と同様のアルミニウム基体上に、塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する比較例5の現像スリーブを作製した。
更に、得られた現像スリーブを用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図18に示した通り、カブリについては10枚以降は良好であったが、画像濃度の低下がみられた。
【0062】
(比較例6)
実施例1において、アンモニアを触媒として製造されたフェノールの代わりに、PMMA樹脂を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。又、本比較例で使用した塗料状の樹脂組成物についても実施例1と同様にして体積抵抗値を求めたところ、その値は表1に示したようであった。
この樹脂組成物を用い、実施例1と同様のアルミニウム基体上に、塗布・乾燥・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する比較例6の現像スリーブを作製した。
更に、得られた現像スリーブを用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表2、表3、表4及び図19に示した通り、カブリについては1000枚まで悪く、画像濃度は初期から悪かった。
【0063】
表1:現像剤担持剤の構成
注) *1:鉄粉に対する摩擦帯電極性
【0064】
表2:評価結果(ブロッチ)
【0065】
表3:評価結果(ゴースト)
【0066】
表4:評価結果(白筋)
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤担持体の外周に設ける被覆層の形成材料として、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を少なくとも含有する樹脂組成物を用いることによって、上記樹脂組成物を加熱硬化してフェノール樹脂被膜を形成した場合に、従来行われている帯電付与粒子を添加した場合と異なり、第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂中に分散するのではなくその構造中に取り込まれるため、被覆層の耐磨耗性が格段に向上し、長期耐久に耐え得るものとなる。
【0068】
更に、本発明によれば、現像剤担持体の外周に設けられる被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれて形成されるため、フェノール樹脂自身の正帯電性トナーを有する現像剤に対する正摩擦帯電付与性が向上する。
従って、上記の樹脂組成物を、正帯電性トナーを有する現像剤を用いる現像剤担持体の表面上に形成する導電性被覆層の結着樹脂材料として用いることで、現像剤への帯電付与性が安定となり、且つ該被覆層の耐磨耗性が向上する。この結果、常温常湿下においては勿論のこと、高温高湿や低湿度下においても、画像濃度の低下、ゴースト、ブロッチ、及びベタカブリといった画質不良の発生しない高品位の画像を長期に亘って得ることができ、安定した高品位の画像の提供が可能となる。
【0069】
更に、本発明においては、現像剤担持体の外周に設ける被覆層を形成する結着樹脂にフェノール樹脂を用いているので、正帯電性トナーを有する現像剤に対する正摩擦帯電付与性のあるテフロン等のような各種溶媒に溶け難い樹脂に比べ、現像剤担持体への塗工が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における現像剤担持体の一例を示す概略部分断面図である。
【図2】 本発明の現像装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例1の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図4】実施例2の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図5】実施例3の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図6】実施例4の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図7】実施例5の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図8】実施例6の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図9】実施例7の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図10】実施例8の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図11】実施例9の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図12】実施例10の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図13】実施例11の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図14】実施例12の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図15】比較例2の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図16】比較例3の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図17】比較例4の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図18】比較例5の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【図19】比較例6の耐久画像濃度推移及びカブリ推移を示すグラフ。
【符号の説明】
1:被覆層
2:導電性物質
3:結着樹脂
4:固体潤滑剤
5:円筒状基体
7:感光ドラム
8:規制ブレード
9:ホッパー
10:トナー
11:磁石
12:円筒状基体
13:被覆層
14:現像スリーブ
15:電源
16:攪拌器
17:弾性板
A:現像スリーブの回転方向
B:感光ドラムの回転方向
D:現像部
Claims (6)
- 現像容器内に収容された正帯電性トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持させ、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域へと現像剤を搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、
上記現像剤担持体の表面に、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする現像装置。 - フェノール樹脂が、含窒素化合物を触媒として用いて製造されたフェノール樹脂である請求項1に記載の現像装置。
- 現像容器内に収容された正帯電性トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持させ、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域へと現像剤を搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体であって、
その表面に、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする現像剤担持体。 - フェノール樹脂が、含窒素化合物を触媒として用いて製造されたフェノール樹脂である請求項3に記載の現像剤担持体。
- 現像容器内に収容された正帯電性トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持させ、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域へと現像剤を搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像方法において、
上記現像剤担持体の表面に、導電性物質と、フェノール樹脂と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする現像方法。 - フェノール樹脂が、含窒素化合物を触媒として用いて製造されたフェノール樹脂である請求項5に記載の現像方法。
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