JP3654708B2 - 容器入り粥類用米飯の製造方法 - Google Patents

容器入り粥類用米飯の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、簡単な調理で粥や雑炊として食することができるようにした容器入り粥類用米飯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、調理の簡易性の利点から、温めるだけで粥や雑炊(以下、これらを総称して粥類という)として喫食できるようにした容器入り粥類が普及している。従来のこの種の容器入り粥類は、例えば水切りした浸漬米1重量部に対して炊飯水を5〜10重量部程度加水して粥状に炊飯し、その炊き上げた粥類(最終調理形態となっている)を所定量づつ袋状容器に収納・密封して、常温流通させ得るように製造されている。そして、この従来の容器入り粥類では、内容物が粥類として最終調理形態まで調理されているので、容器ごと温めるだけで粥類として喫食できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の容器入り粥類では、内容物が最終調理形態で収納されているために、飯粒の量の割に水分量が非常に多く、該飯粒が液体中に浮遊する状態となっている。このように、飯粒が液体中に浮遊する状態では、製造後の経時変化で飯粒がその表層部分から水分中に溶解するという現象が発生する。そして、このような経時変化が進行すると、飯粒がふやけ(いわゆる花咲き状態になる)、さらに溶解が進行して飯粒が小さくなったり細かく分裂したりするようになる。従って、従来の容器入り粥類では、製造後に長時間経過したものほど飯粒大きさが小さくなって、喫食時の飯粒感が乏しくなるとともに、飯粒溶融によって必要以上に粘りが出て、食感が悪くなるという問題があった。
【0004】
本願発明は、上記した従来の容器入り粥類の問題点に鑑み、経時変化の影響、即ち飯粒が水分中に溶解する現象を極力少なくし、且つ簡単な処理で食感の良好な容器入り粥類用米飯を製造し得るようにした製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として、次の各工程を行うことを特徴としている。即ち、本願発明の容器入り粥類用米飯の製造方法では、食品容器内に水切りした浸漬米と炊飯水とを重量比で1: . 5〜2 . の割合で充填する充填工程と、その容器入り加水米を炊飯する炊飯工程と、その炊飯済み米飯入り容器の開口部をシール材で密封するシール工程とを順次行い、喫食時に容器内に所定量の水を補充して粥にし得るようにしている。
【0006】
本願発明で対象とする容器入り粥類用米飯は、粥や雑炊等の飯粒として使用されるものであるが、そのままで喫食できる程度まで完全に炊飯されている。又、本願発明で使用される食品容器としては、耐熱性を有するものであれば適宜の材料・形状のものを使用できるが、トレー状のものが好適てある。
【0007】
又、本願発明の製造方法では、上記シール工程後にレトルト処理を行うようにしてもよい。
【0008】
さらに、本願発明の製造方法ては、食品容器として個食用トレーを使用し、上記充填工程において、水切り浸漬米を1食分づつ個食用トレーに充填するようにしてもよい。
【0009】
上記した充填工程、炊飯工程、シール工程、レトルト処理工程等の各工程は、コンベアによって順次自動で且つ連続して行われるようにするとよい。
【0010】
本願発明では、上記充填工程を行うのに先立って、精米を洗米し所定時間浸漬した後、十分に水切りしておく。そして、充填工程では、水切りした浸漬米と炊飯水とをそれぞれ計量して、食品容器内に充填する。この水切り浸漬米と炊飯水との充填割合は、浸漬米が1重量部に対して炊飯水が . 5〜2 . 5重量部( cc が好適である。尚、通常の米飯の場合は、浸漬米1重量部に対して炊飯水が0.8〜1重量部であり、他方、通常の粥の場合は、浸漬米1重量部に対して炊飯水が5〜10重量部であるが、本願発明では浸漬米に対する炊飯水の量をそれらの中間に設定している。又、本願発明において、製造される容器入り粥類用米飯が例えば個食用(1食分)の量である場合には、個食用トレー内に浸漬米を1食分(例えば100g)とそれに見合う量(例えば200cc)の炊飯水をそれぞれ充填する。
【0011】
上記炊飯工程では、例えば95〜105℃程度の蒸気で所定時間(約40分間)だけ加熱して粥類用米飯原料(加水米)を完全に炊飯する。
【0012】
上記シール工程では、殺菌処理したシール材を常法により粥類用米飯入り容器の開口部に熱融着させて、該開口部を完全シールする。
【0013】
上記レトルト処理工程を行う場合には、シール済みの容器入り粥類用米飯を例えば105〜130℃程度の蒸気釜中で約30〜50分間加熱して、内容物中の雑菌を完全殺菌する。尚、このレトルト処理工程は、必要に応じて省略することができる。
【0014】
尚、このようにして製造された容器入り粥類用米飯は、水中に30分間程度くぐらせて冷却し、その後、各種検査(例えばピンホール検査や重量検査)を行って製品とすることができる。
【0015】
本願発明の製造方法で製造された容器入り粥類用米飯では、水分量が通常の米飯より多いものの通常の粥よりはかなり少なくなっており、且つ粥類としての適度の粘りを有している。又、この容器入り粥類用米飯は、常温流通が可能であり、しかも水分量が通常の粥よりかなり少ないので、経時変化によって飯粒が水分中に溶解するのを極力防止することができる。さらに、この容器入り粥類用米飯では、適度の粘性を有しているものの流動性のない性状となっており、例えば容器が少しぐらい傾いても内容物が容器内で流動する(偏る)ことがない。
【0016】
そして、本願発明の製造方法で製造された容器入り粥類用米飯は、常温で店頭にて販売できる。又、これを消費者が購入し、粥類として喫食するときには、容器開口部のシール材(一部又は全部)を剥がし、該容器内に好みに応じて所定量(個食用の場合は、例えば150〜230cc程度)の水を補充した後、電子レンジで温めれば、粥類としてそのまま喫食することができる。又、他の方法として、容器開口部のシール材(一部又は全部)を剥がしてそのままレンジ加熱し、その加熱後に所定量の熱湯を注いで喫食することもできる。これらの場合、加水・加温した直後に喫食するので、喫食状態で水分量が多くても飯粒が水分中に溶融することがなく、飯粒感の多い状態で喫食することができる。尚、雑炊とする場合は、予め調理しておいた具材を水の補充とともに容器内に充填した状態で、電子レンジで加温すればよい。
【0017】
ところで、上記充填工程において、浸漬米に対する炊飯水の量が等量より少ない場合は、米飯の含水量が通常の米飯に近づき、喫食時に、上記のように加水し且つ電子レンジで温めただけでは粥類としての適度の粘りが出なくなる。尚、このように米飯状態で含水量が少ない場合でも、加水して長時間加熱すれば粥類としての粘りが出るが、その場合には喫食までに長時間を要するので簡易な粥類とはならない。他方、浸漬米に対する炊飯水の量が3倍を超えると、通常の粥状態に近くなって、経時変化(飯粒の溶融)により飯粒が小さくなったり細かく分裂したりするとともに、上記のように加水し電子レンジで温めたときに、必要以上に粘りが出てしまう。従って、充填工程において、浸漬米と炊飯水との充填割合が1:1〜3の範囲外では、温めるだけという簡易な処理で、適度の粘りがあり且つ飯粒感のある良好な食感の粥類はできない。
【0018】
【発明の効果】
本願発明の容器入り粥類用米飯の製造方法では、食品容器内に水切りした浸漬米と炊飯水とを重量比で1: . 5〜2 . の割合で充填し、その容器入り加水米を炊飯し、その炊飯済み米飯入り容器の開口部をシール材で密封するようにしているので、次のような効果がある。
【0019】
(1) 浸漬米と炊飯水との充填割合を重量比で1: . 5〜2 . の範囲に設定しているので、粥類としての適度の粘性を有し且つ通常の粥類よりかなり水分量の少ない粥類用米飯を製造することができる。従って、常温流通に供して長時間経過しても、飯粒成分が水分中に溶融するのを極力防止でき、適度の粘性を維持し且つ飯粒感が良好に残存する性状の粥類を提供できる。尚、本願発明の製造方法で製造された容器入り粥類用米飯は、容器内に適量の水を補充し且つそのまま電子レンジで温める(あるいは電子レンジで温めた後、熱湯を補充する)という簡単な処理だけで喫食でき、従来の粥類と同じ処理時間で喫食できる。
【0020】
(2) 上記のように、容器内の粥類用米飯は、通常の粥類よりかなり水分量が少ないので、容器内において内容物(粥類用米飯)が流動することがなく、例えば店頭陳列状態で容器が傾いていても内容物が偏らない。
【0021】
(3) シール工程後にレトルト処理すると、炊飯工程で完全に殺菌できなかった生菌(耐熱性菌)も完全に滅菌でき、常温流通に耐え得る無菌状態(いわゆる商業的無菌状態)を確保できる。
【0022】
(4) 食品容器として個食用トレーを使用し、充填工程において、水切り浸漬米を1食分づつ個食用トレーに充填するようにすると、トレー内に加水した後、電子レンジで温める(あるいは電子レンジで温めた後、熱湯を補充する)だけでそのまま個食用として喫食でき、便利な商品となる。
【0023】
【実施の形態】
以下、図1を参照して本願発明の実施形態を説明すると、図1の実施形態では、工程A1〜A9(及び工程B1)を行って、容器入り粥類用米飯を製造するようにしている。尚、以下の説明では、製造すべき容器入り粥類用米飯として、個食用(1食分)のものについて説明する。
【0024】
まず、精米1は、常法により洗米・浸漬(工程A1)した後、水切り(工程A2)して水切り浸漬米2としておく。
【0025】
次に、その水切り浸漬米2と炊飯水11とを1食分の分量づつ計量(工程A3,工程B1)し、それぞれ個食用容器(個食用トレー)に充填(工程A4)して容器入り加水米3とする。このとき、浸漬米2と炊飯水11との充填割合は、重量比で1: . 5〜2 . 5の範囲になるようにする。又、個食用の場合の具体的な充填割合は、例えば浸漬米2を100gとし炊飯水11を200ccとするとよい。尚、通常の米飯の場合は、浸漬米1重量部に対して炊飯水が0.8〜1重量部であり、他方、通常の粥の場合は、浸漬米1重量部に対して炊飯水が5〜10重量部であるが、この実施形態では浸漬米に対する炊飯水の量をそれらの中間に設定している。又、この充填工程A4では、自動機器により、水切り浸漬米2と炊飯水11とを、自動で計量してそれぞれ個食用トレー内に充填するようにするとよい。
【0026】
次に、上記容器入り加水米3は、炊飯工程A5において炊飯するが、この炊飯工程A5では、容器入り加水米3を95〜105℃程度の蒸気で約40分間加熱して完全炊飯する。尚、炊飯時の加熱温度(95〜105℃程度)は、耐熱性菌を完全に滅菌し得るものではないが、この炊飯工程でほとんど(大部分)の生菌を死滅させることができる。
【0027】
炊飯(工程A5)された容器入り粥類用米飯4は、シール工程A6においてシールする。このシール工程A6では、予め殺菌処理したシール材を常法により炊飯済みの容器入り粥類用米飯4の容器開口部に熱融着させて、該容器開口部を完全シールする。このように容器開口部をシールすると、炊飯済みの容器入り粥類用米飯4内に新しく細菌が侵入することはない。
【0028】
その後、シール済みの容器入り粥類用米飯は、必要に応じてレトルト処理(工程A7)するとよい。このレトルト処理工程A7を行う場合は、例えば105〜130℃程度の蒸気釜中で約30〜50分間加熱する。このように、レトルト処理(工程A7)を行えば、炊飯後に耐熱性菌が生き残っていても、該生菌を完全に滅菌できる。
【0029】
続いて、レトルト処理後の容器入り粥類用米飯は、冷却工程A8及び検査工程A9を経て製品5とされる。尚、冷却工程A8では、レトルト処理(工程A7)を終えたシール済みの容器入り粥類用米飯を水中に30分間程度くぐらせて冷却する。又、検査工程A9では、例えばピンホール検査や重量検査等を行う。
【0030】
このようにして製造された容器入り粥類用米飯(製品)5では、炊飯工程A5において加熱滅菌されており、常温流通でのいわゆる商業的無菌性が達成されている。特にシール工程A6後に、レトルト処理(工程A7)を行うと、より一層の無菌性を確保できる。
【0031】
この実施形態の製造方法で製造された容器入り粥類用米飯では、浸漬米2と炊飯水11との充填割合を、1: . 5〜2 . の範囲に設定しているので、炊き上がった容器入り粥類用米飯の水分量が通常の米飯より多く且つ通常の粥よりはかなり少なくなっている。又、この容器入り粥類用米飯では、粥類としての適度の粘りを有している。
【0032】
この容器入り粥類用米飯は、完全炊飯されているので、かなり柔らか目のご飯となるがそのままでも食することができる。又、この容器入り粥類用米飯を、粥類として喫食するときには、容器開口部のシール材(一部又は全部)を剥がし、該容器内に所定量(個食用の場合は、例えば150〜230cc程度)の水を補充して、電子レンジで温めれば、粥類としてそのまま喫食することができる。この場合、加水・加温した直後に喫食するので、喫食状態で水分量が多くても飯粒が水分中に溶融することがなく、飯粒感の多い状態で喫食することができる。尚、雑炊とする場合は、予め調理しておいた具材を水の補充とともに容器内に充填した後、電子レンジで加温すればよい。
【0033】
又、食品容器として個食用トレーを使用し、1食分づつの容器入り粥類用米飯を製造すると、そのまま個食用として喫食でき、便利な商品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態にかかる容器入り粥類用米飯の製造工程図である。

Claims (3)

  1. 食品容器内に水切りした浸漬米と炊飯水とを重量比で1: . 5〜2 . の割合で充填する充填工程と、その容器入り加水米を炊飯する炊飯工程と、その炊飯済み米飯入り容器の開口部をシール材で密封するシール工程とを順次行い、喫食時に容器内に所定量の水を補充することで粥にし得るようにしていることを特徴とする容器入り粥類用米飯の製造方法。
  2. シール工程後にレトルト処理することを特徴とする請求項1に記載の容器入り粥類用米飯の製造方法。
  3. 食品容器として個食用トレーを使用し、充填工程において、水切り浸漬米を1食分づつ個食用トレーに充填することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器入り粥類用米飯の製造方法。
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