JP3660168B2 - 電源供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源を半導体スイッチ及びリレーを介して負荷に供給する電源供給装置に関し、特に、半導体スイッチをオフ時に該半導体スイッチを破壊せずに、42V系用の特殊なリレーを用いることなく、14V系用のリレーを42V系の電源で利用することができる電源供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両には、各負荷に電流を供給するための電源供給装置が搭載されている。この電源供給装置は、14V系電源からの出力電圧を例えば、半導体スイッチとしての電界効果トランジスタ(FET)のドレインD−ソースSを介して負荷に供給している。
【0003】
また、従来の電源供給装置として、図4に示すような多電圧化の電源供給装置が知られている。図4において、オールタネータ121で発生した交流電圧は、AC/DCコンバータ122により直流電圧に変換されて42V系電源B1に供給され、42V系電源B1の電力が駆動モータ等の負荷123に供給される。
【0004】
また、42V系電源B1の直流電圧は、DC/DCコンバータ125により降圧されて14V系電源B2に供給され、14V系電源B2の電力がランプ等の負荷127に供給される。
【0005】
このように、42V系電源B1と14V系電源B2とに多電圧化して、駆動モータ等の42V系の負荷123に電力を供給できるとともに、ランプ等の14V系の負荷127にも電力を供給することができる。
【0006】
この場合、42V系電源B1は、14V系電源B2に対して電圧が3倍であるため、電流は1/3倍で済む。このため、42V系では、ワイヤーハーネス(W/H)径を14V系に対して約1/3倍とすることができ、W/Hを軽量化することができるとともに負荷効率を向上することができるという効果がある。このため、車両に搭載された複数の負荷を、42V系電源B1で極力動作させる傾向が強くなってきている。
【0007】
また、42V系電源B1で例えばリレーを介してモータを駆動する場合にも、新たな42V系用リレーを用いると、コストアップとなるため、42V系電源B1で14V系用リレーを介してモータを駆動することが考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、42V系電源を従来の14V系用リレーに直接的に印加させた場合には、この14V系用リレーに高電圧が印加されるため、リレー開閉時にアーク(スパーク)が発生し、接点消耗や接点溶着が起こりやすい。
【0009】
そこで、図5に示すような多電圧化の電源供給装置が考案されている。この電源供給装置は、モータ25の正転及び逆転により図示しないウィンドガラスを開閉するパワーウィンドウ装置に適用したものであり、第1のリレー21a,第2のリレー21b、これらのリレーに接続されるモータ25、これらのリレーの上流に配置され且つベースに第1のオン/オフ信号を入力する半導体スイッチとしてのトランジスタTR1、ベースに第2のオン/オフ信号を入力するトランジスタTR2、ベースに第3のオン/オフ信号を入力するトランジスタTR3を有し、トランジスタTR1のエミッタ及び電磁コイル22a,22bの一端に42V系電源B1が印加されている。
【0010】
このような電源供給装置によれば、第1のリレー21a及び第2のリレー21bの開閉を行う場合であって、モータ25に通電する際には、まず、トランジスタTR2のベースに入力された第2のオン信号により、トランジスタTR2がオンし、電磁コイル22aに励磁電流が流れて、接点部23aが付勢されて第2の端子bに接触する。すなわち、第1のリレー21aがオンする。その後、トランジスタTR1のベースに入力された第1のオン信号により、トランジスタTR1がオンする。このため、42V系電源からトランジスタTR1、第1のリレー21a、モータ25、第2のリレー21b、アースと電流が流れて、モータ25が例えば正転する。
【0011】
次に、第1のリレー21a及び第2のリレー21bの開閉を行う場合であって、モータ25への電流を遮断する際には、まず、トランジスタTR1のベースに入力された第1のオフ信号により、トランジスタTR1がオフする。その後、トランジスタTR2のベースに入力された第2のオフ信号により、トランジスタTR2がオフし、電磁コイル22aへの励磁電流が停止されて、接点部23aが第1の端子aに復帰する。すなわち、第1のリレー21aがオフするため、モータ25への電流供給が遮断されて、モータ25の回転が停止する。
【0012】
このように、半導体スイッチであるトランジスタTR1を設け、リレーの開閉を行う場合に、トランジスタTR1をオフさせることにより、42V系電源が第1のリレー21a及び第2のリレー21bに直接的に印加されないので、第1のリレー21a及び第2のリレー21bのアーク発生を低減することができる。
【0013】
しかしながら、図5に示した半導体スイッチであるトランジスタTR1を設けた電源供給装置にあっては、モータなどの誘導性負荷を駆動する場合に、上流に設けた半導体スイッチの単純なオンからオフへの制御では、半導体スイッチのオフ時に大きな逆起電圧が発生し、発生した逆起電圧により半導体スイッチが破壊されてしまうという問題点があった。
【0014】
一方、この種の従来の技術として、特開昭59−221921号公報に記載された半導体スイッチとリレーのオンオフ制御回路が知られている。このオンオフ制御回路は、図6に示すように、ドライバ205、アンド回路209を有するとともに、半導体スイッチ206とリレー207とを直列に接続し、半導体スイッチ206をオンオフさせるタイミングと、リレー207をオンオフさせるタイミングを制御するタイミング回路208を備え、リレーをオンオフさせるときはタイミング回路208により半導体スイッチ206をオフにしてから、リレー206をオンオフさせるようにしたものである。
【0015】
この回路によれば、リレー206をオンオフさせるときは半導体スイッチがオフになっており、リレー接点には電流がほとんど流れないので、リレーの寿命を長くすることができる。
【0016】
また、この種の従来の技術として、特開昭56−116238号公報に記載されたスイッチ装置が知られている。このスイッチ装置は、図7に示すように、直列接続した電磁型リレー302及びトライアック305と、このトライアック305を電磁型リレー302のオン以後にオンするとともに、電磁型リレー302のオフ以前にオフする開閉制御手段としての常開型押釦スイッチ303,常閉型押釦スイッチ304,常開接点302a,常閉接点302bを備えているので、接点溶着や接点消耗を低減できる。
【0017】
しかしながら、図6に示すオンオフ制御回路及び図7に示すスイッチ装置にあっては、図5に示す電源供給装置の問題点を解決するものではなかった。
【0018】
そこで、本発明は、半導体スイッチをオフ時に該半導体スイッチを破壊せずに、42V系用の特殊なリレーを用いることなく、14V系用のリレーを42V系の電源で利用することができる電源供給装置を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、以下の構成とした。請求項1の発明は、第1の電源から第1の負荷に電力を供給するとともに、前記第1の電源の電圧を降圧して得られた第2の電源から第2の負荷に電力を供給する多電圧化の電源供給装置であって、前記第1の負荷に直列に接続され且つ前記第2の電源の電圧対応のリレーと、このリレーに直列に接続され且つ前記第1の電源に接続された半導体スイッチと、前記リレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記リレーが閉成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記リレーをオンさせ、前記リレーを閉成から開成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記リレーが開成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記リレーをオフさせる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項1の発明によれば、制御手段は、リレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧をリレーが閉成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後にリレーをオンさせ、リレーを閉成から開成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧をリレーが開成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後にリレーをオフさせるので、リレーに印加される電圧が第1の電源の電圧よりも十分に低下されてリレーの開閉が行われる。このため、第1の負荷がモータなどの誘導性負荷であっても、この誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、リレーの開閉時にリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応のリレーを第1の電源で利用することができる。
【0021】
請求項2の発明の前記制御手段は、請求項1記載の電源供給装置において、前記リレーを閉成から開成に移行するとき、及び前記リレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチを能動領域で動作させることを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の効果に加え、制御手段は、リレーを閉成から開成に移行するとき、及びリレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチを能動領域で動作させるので、半導体スイッチの両端電圧が大きくなり、第1の電源の電圧が半導体スイッチで十分に低下されてリレーに印加される。このため、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、リレーの開閉時にリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応のリレーを第1の電源で利用することができる。
【0023】
請求項3の発明の前記制御手段は、請求項1または請求項2記載の電源供給装置において、前記リレーが閉成状態にあるとき、及び前記リレーが開成状態にあるときには前記半導体スイッチを飽和領域で動作させることを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2記載の効果に加え、制御手段は、リレーが閉成状態にあるとき、及びリレーが開成状態にあるときには半導体スイッチを飽和領域で動作させるので、リレーが閉成状態にあるときには、第1の負荷にほぼ第1の電源の電圧が印加されるから、第1の負荷を第1の電源で駆動させることができる。
【0025】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電源供給装置において、前記第1の負荷が、モータであり、前記リレーは、第1の接点部の第1の共通端子が前記モータの一端に接続され第1の端子がアースされ第2の端子が前記半導体スイッチに接続される第1のリレーと、第2の接点部の第2の共通端子が前記モータの他端に接続され第3の端子が前記半導体スイッチに接続され第4の端子がアースされる第2のリレーとからなり、前記制御手段は、前記第1のリレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記第1のリレーが閉成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記第1のリレーをオンさせ、前記第1のリレーを閉成から開成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記第1のリレーが開成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記第1のリレーをオフさせることを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の効果に
加え、制御手段が、第1のリレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧を第1のリレーが閉成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に第1のリレーをオンさせ、第1のリレーを閉成から開成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧を第1のリレーが開成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に第1のリレーをオフさせるので、第1のリレーに印加される電圧が第1の電源の電圧よりも十分に低下されて第1のリレーの開閉が行われる。このため、第1の負荷がモータなどの誘導性負荷であっても、この誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、第1のリレーの開閉時に第1のリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応の第1のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応の第1のリレーを第1の電源で利用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源供給装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。電源供給装置は、例えば自動車において適用した例について説明する。
【0028】
図1は本発明の実施の形態の電源供給装置の回路構成図である。図2は実施の形態の電源供給装置に設けられた半導体スイッチ及びリレーのタイミングチャートである。図3は実施の形態の電源供給装置を車両に搭載したときの構成例を示す図である。
【0029】
この実施の形態では、電源供給装置をパワーウィンド装置に適用した例を説明する。ここでは、モータ25は、例えば、パワーウィンドモータであり、ウィンドガラスをアップ/ダウンさせるために、モータ25を正回転/逆回転させるものとする。
【0030】
図1に示す電源供給装置は、多電圧化された電源供給装置であって、交流電圧を発生するオールタネータ11、このオールタネータ11で発生した交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ13、このAC/DCコンバータ13で得られた直流電圧を充電する42V系電源B1、この42V系電源B1により動作するスイッチ回路15、AC/DCコンバータ13で得られた直流電圧を降圧するDC/DCコンバータ17、このDC/DCコンバータ17で得られた直流電圧を充電する14V系電源B2、この14V系電源B2により動作する負荷19を備えて構成される。
【0031】
これによって、42V系電源B1からスイッチ回路15に電力が供給されるとともに、14V系電源B2から14V系用のランプ等の負荷19に電力が供給されるようになっている。
【0032】
次に、スイッチ回路15の構成を説明する。半導体スイッチとしてのトランジスタTR1のエミッタには42V系電源B1が供給され、トランジスタTR1のベースには抵抗R4を介して中央処理装置(CPU)27から第1の制御電圧信号Vb1/第2の制御電圧信号Vb2が入力されるようになっている。
【0033】
トランジスタTR1のコレクタは、14V系電源B2の電圧対応の第1のリレー21aの第2の端子b及び14V系電源B2の電圧対応の第2のリレー21bの第4の端子eに接続されている。
【0034】
第1のリレー21aは、電磁コイル22a、接点部23a、この接点部23aの一端を固定した第1の共通端子c、接点部23aの他端が接触可能な第1の端子a及び第2の端子bを有する。第2のリレー21bは、電磁コイル22b、接点部23b、この接点部23bの一端を固定した第2の共通端子f、接点部23bの他端が接触可能な第3の端子d及び第4の端子eを有する。
【0035】
負荷としてのモータ25の一端は、第1のリレー21aの第1の共通端子cに接続され、モータ25の他端は、第2のリレー21bの第2の共通端子fに接続されている。第1のリレー21aの第1の端子a及び第2のリレー21bの第3の端子dは、アースされている。
【0036】
電磁コイル22aの一端は、抵抗R1を介して42V系電源B1の+側に接続され、電磁コイル22aの他端は、トランジスタTR2のコレクタに接続されている。トランジスタTR2のベースはCPU27に接続されCPU27から第2のオン/オフ信号を入力し、エミッタは、アースされている。電磁コイル22bの一端は、抵抗R2を介して42V系電源B1の+側に接続され、電磁コイル22bの他端は、トランジスタTR3のコレクタに接続されている。トランジスタTR3のベースはCPU27に接続されCPU27から第3のオン/オフ信号を入力し、エミッタは、アースされている。
【0037】
抵抗R1の抵抗値は、電磁コイル22aの巻線抵抗値とほぼ等しく、また、抵抗R2の抵抗値は、電磁コイル22bの巻線抵抗値にほぼ等しくなっている。このため、電磁コイル22a及び電磁コイル22bのそれぞれには42Vの半分である21V程度の電圧が印加されるようになっている。
【0038】
また、CPU27は、第1のリレー21aを閉成するときにはトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧を、第1のリレー21aが閉成状態にあるときのトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧よりも大きくした後に第1のリレー21aをオンさせ、第1のリレー21aを開成するときにはトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧を、第1のリレー21aが開成状態にあるときのトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧よりも大きくした後に第1のリレー21aをオフさせるようになっている。
【0039】
このため、CPU27は、第1のリレー21aを閉成から開成に移行するとき、及び第1のリレー21aを開成から閉成に移行するときには、第1の制御電圧信号Vb1をトランジスタTR1のベースに印加して、トランジスタTR1を能動領域で動作させ、第1のリレー21aが閉成状態にあるとき、及び第1のリレー21aが開成状態にあるときには、第1の制御電圧信号Vb1の値よりも大きい値を有する第2の制御電圧信号Vb2をトランジスタTR1のベースに印加して、トランジスタTR1を飽和領域で動作させるようになっている。
【0040】
ここで、トランジスタTR1を飽和領域で動作させるために、トランジスタTR1での損失が最小となるように十分なベース電圧を印加し、トランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧を略零電圧とする。また、トランジスタTR1を能動領域で動作させるために、例えば、トランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間の電圧が約28Vとなるようにベース電圧を印加し、第1のリレー21aに約14Vを印加させる。
【0041】
次に、このように構成された実施の形態の電源供給装置の動作を図1に示す回路構成図及び図2に示す半導体スイッチ及びリレーのタイミングチャートを参照して説明する。なお、図2中において、半導体スイッチは、トランジスタTR1に対応し、リレーは、第1のリレー21aに対応する。
【0042】
まず、モータ25が停止状態にある場合、すなわち、時刻t1前では、第1のリレー21aをオフさせるとともに、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をトランジスタTR1のベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。このため、トランジスタTR1のコレクターエミッタ間の電圧が略零電圧となり、42V系電源B1の電圧がほぼ第1のリレー21aに印加されるが、第1のリレー21aがオフ状態であるので、特に問題はない。
【0043】
次に、モータ25を動作させる場合には、時刻t1において、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2よりも小さい第1の制御電圧信号Vb1をトランジスタTR1に出力すると、トランジスタTR1が能動領域で動作する。このため、トランジスタTR1のコレクターエミッタ間の電圧が例えば、約28V程度となる。すなわち、42V系電源B1の電圧がトランジスタTR1のコレクターエミッタ間の電圧降下分だけ低下し、トランジスタTR1のコレクタ電圧が約14V程度に制限される。
【0044】
その後、時刻t2において、CPU27からトランジスタTR2のベースに入力された第2のオン信号により、トランジスタTR2がオンする。このため、電磁コイル22aに励磁電流が流れて、接点部23aが付勢されて第2の端子bに接触することで、第1のリレー21aがオンする。
【0045】
従って、この制限された電圧(例えば、14V)が第1のリレー21aに印加されるので、第1のリレー21aのオン時のアークの発生を低減することができる。
【0046】
その後、時刻t3において、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。このため、42V系電源B1からトランジスタTR1、第1のリレー21a、モータ25、第2のリレー21b、アースと電流が流れて、モータ25が例えば正転する。この場合には、モータ25には約42Vが供給され、モータ25を42V系で動作させることができる。
【0047】
次に、モータ25を停止させる場合には、時刻t4において、CPU27から第1の制御電圧信号Vb1をトランジスタTR1に出力すると、トランジスタTR1が能動領域で動作する。このため、トランジスタTR1のコレクターエミッタ間の電圧が例えば、約28V程度となる。すなわち、42V系電源B1の電圧がトランジスタTR1のコレクターエミッタ間の電圧降下分だけ低下し、トランジスタTR1のコレクタ電圧が約14V程度に制限される。
【0048】
このため、モータ25には約14V程度の電圧が印加されるから、このモータ25である誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチであるトランジスタTR1が破壊されなくなる。
【0049】
その後、時刻t5において、CPU27からトランジスタTR2のベースに入力された第2のオフ信号により、トランジスタTR2がオフし、電磁コイル22aへの励磁電流が停止されて、接点部23aが第1の端子aに復帰する。この場合、第1のリレー21aには制限された電圧(例えば14V)が印加されているので、第1のリレー21aのオフ時のアークの発生を低減することができる。
【0050】
その後、時刻t6において、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をトランジスタTR1のベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。また、このとき、第1のリレー21aは、オフしているので、モータ25への電流供給が遮断されて、モータ25の回転が停止する。
【0051】
このように、実施の形態の電源供給装置によれば、負荷がモータなどの誘導性負荷であっても、この誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチであるトランジスタTR1が破壊されなくなる。また、リレーの開閉時にリレーに印加される電圧が低下されるので、14V系電源B2の電圧対応の第1のリレー21aのアークの発生を低減することができるとともに、42V系電源B1の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、14V系電源B2の電圧対応の第1のリレー21aを42V系電源B1で利用することができる。
【0052】
前述した説明では、モータ25を正転させる場合であり、第1のリレー21aをオンオフさせ、第2のリレー21b(アース側)をオフ状態のままとした。例えば、モータ25を逆転させる場合には、第2のリレー21bをオンオフさせ、第1のリレー21a(アース側)をオフ状態のままとするように、CPU27が制御するようにすればよい。
【0053】
モータ25の逆転の動作を以下に説明すると、まず、モータ25が停止状態にある場合、すなわち、時刻t1前では、第2のリレー21bをオフさせるとともに、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をトランジスタTR1のベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。
【0054】
次に、モータ25を動作させる場合には、時刻t1において、CPU27から第1の制御電圧信号Vb1をトランジスタTR1に出力すると、トランジスタTR1が能動領域で動作する。
【0055】
その後、時刻t2において、CPU27からトランジスタTR3のベースに入力された第3のオン信号により、トランジスタTR3がオンする。このため、電磁コイル22bに励磁電流が流れて、接点部23bが付勢されて第4の端子eに接触することで、第2のリレー21bがオンする。従って、制限された電圧(例えば、14V)が第2のリレー21bに印加されるので、第2のリレー21bのオン時のアークの発生を低減することができる。
【0056】
その後、時刻t3において、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。このため、42V系電源B1からトランジスタTR1、第2のリレー21b、モータ25、第1のリレー21a、アースと電流が流れて、モータ25が逆転する。この場合には、モータ25には約42Vが供給され、モータ25を42V系で動作させることができる。
【0057】
次に、モータ25を停止させる場合には、時刻t4において、CPU27から第1の制御電圧信号Vb1をトランジスタTR1に出力すると、トランジスタTR1が能動領域で動作する。このため、モータ25には約14V程度の電圧が印加されるから、このモータ25である誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチであるトランジスタTR1が破壊されなくなる。
【0058】
その後、時刻t5において、CPU27からトランジスタTR3のベースに入力された第3のオフ信号により、トランジスタTR3がオフし、電磁コイル22bへの励磁電流が停止されて、接点部23bが第3の端子dに復帰する。この場合、第2のリレー21bには制限された電圧(例えば14V)が印加されているので、第2のリレー21bのオフ時のアークの発生を低減することができる。
【0059】
その後、時刻t6において、CPU27から第2の制御電圧信号Vb2をベースに出力し、トランジスタTR1を飽和領域で動作させる。また、このとき、第2のリレー21bは、オフしているので、モータ25への電流供給が遮断されて、モータ25の回転が停止する。
【0060】
このように、14V系電源B2の電圧対応の第2のリレー21bを42V系電源B1で利用することができ、また、モータ25を逆転させた場合にも、モータ25を正転させたときの効果と同様な効果が得られる。
【0061】
次に、図3を参照して電源供給装置が車両に搭載された場合の実装例を説明する。図3において、車両1の前部2には、図示しないエンジンの駆動力により交流電圧を発生するオールタネータ11、AC/DCコンバータ13、42V系電源B1、DC/DCコンバータ17、及び14V系電源B2が配置される。また、車両1の後部3には、電線18を介して14V系電源B2が供給されるテールランプ19aが配置される。
【0062】
このように、車両1に実施の形態の電源供給装置を搭載することで、半導体スイッチであるトランジスタTR1を破壊させず、42V系用の特殊なリレーを用いることなく、14V系用のリレーを42V系の電源で利用することができ、しかもワイヤーハーネスを小径化及び軽量化することができる。これによって、安価で極めて簡単で且つ超小型な電源供給装置を提供することができる。
【0063】
また、前述した実施の形態の電源供給装置では、電源供給装置をパワーウィンドウ装置に適用したが、この電源供給装置は、パワーウィンド装置以外に、ワイパ装置にも適用可能である。
【0064】
なお、本発明は、前述した実施の形態の電源供給装置に限定されるものではない。前述した実施の形態の電源供給装置では、半導体スイッチとしてのトランジスタTR1を第1のリレー21a及び第2のリレー21bの上流に配置したが、例えば、トランジスタTR1を第1のリレー21a及び第2のリレー21bの下流に配置するようにしても良い。
【0065】
また、前述した実施の形態の電源供給装置では、半導体スイッチとしてバイポーラトランジスタを例示したが、このバイポーラトランジスタに代えて、例えば、FET(電界効果トランジスタ)を用いても良い。
【0066】
また、実施の形態では、42V系電源と14V系電源とを例示したが、これらの電源電圧に限定されることなく、その他の電源電圧であっても良い。このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、制御手段は、リレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧をリレーが閉成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後にリレーをオンさせ、リレーを閉成から開成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧をリレーが開成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後にリレーをオフさせるので、リレーに印加される電圧が第1の電源の電圧よりも十分に低下されてリレーの開閉が行われる。このため、第1の負荷がモータなどの誘導性負荷であっても、この誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、リレーの開閉時にリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応のリレーを第1の電源で利用することができる。
【0068】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の効果に加え、制御手段は、リレーを閉成から開成に移行するとき、及びリレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチを能動領域で動作させるので、半導体スイッチの両端電圧が大きくなり、第1の電源の電圧が半導体スイッチで十分に低下されてリレーに印加される。このため、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、リレーの開閉時にリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応のリレーを第1の電源で利用することができる。
【0069】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2記載の効果に加え、制御手段は、リレーが閉成状態にあるとき、及びリレーが開成状態にあるときには半導体スイッチを飽和領域で動作させるので、リレーが閉成状態にあるときには、第1の負荷にほぼ第1の電源の電圧が印加されるから、第1の負荷を第1の電源で駆動させることができる。
【0070】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の効果に
加え、制御手段が、第1のリレーを開成から閉成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧を第1のリレーが閉成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に第1のリレーをオンさせ、第1のリレーを閉成から開成に移行するときには半導体スイッチの両端電圧を第1のリレーが開成状態にあるときの半導体スイッチの両端電圧から第1の電源の電圧と第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に第1のリレーをオフさせるので、第1のリレーに印加される電圧が第1の電源の電圧よりも十分に低下されて第1のリレーの開閉が行われる。このため、第1の負荷がモータなどの誘導性負荷であっても、この誘導性負荷に発生し得る逆起電圧が小さくなり、半導体スイッチが破壊されなくなる。また、第1のリレーの開閉時に第1のリレーに印加される電圧が低下されるので、第2の電源の電圧対応の第1のリレーのアークの発生を低減することができるとともに、第1の電源の電圧対応の特殊なリレーを用いることなく、第2の電源の電圧対応の第1のリレーを第1の電源で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電源供給装置の回路構成図である。
【図2】実施の形態の電源供給装置に設けられた半導体スイッチ及びリレーのタイミングチャートである。
【図3】実施の形態の電源供給装置を車両に搭載したときの構成例を示す図である。
【図4】従来の多電圧化の電源供給装置の回路構成図である。
【図5】従来の半導体スイッチとリレーとを含む多電圧化の電源供給装置の回路構成図である。
【図6】従来の半導体スイッチとリレーのオンオフ制御回路の回路構成図である。
【図7】従来のスイッチ装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1 車両
11 オールタネータ
13 AC/DCコンバータ
15 スイッチ回路
17 DC/DCコンバータ
19 負荷
21a 第1のリレー
21b 第2のリレー
22a,22b 電磁コイル
23a,23b 接点部
25 モータ
27 CPU(中央処理装置)
R1〜R4 抵抗
TR1〜TR3 トランジスタ
B1 42V系電源
B2 14V系電源
Claims (4)
- 第1の電源から第1の負荷に電力を供給するとともに、前記第1の電源の電圧を降圧して得られた第2の電源から第2の負荷に電力を供給する多電圧化の電源供給装置であって、
前記第1の負荷に直列に接続され且つ前記第2の電源の電圧対応のリレーと、
このリレーに直列に接続され且つ前記第1の電源に接続された半導体スイッチと、
前記リレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記リレーが閉成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記リレーをオンさせ、前記リレーを閉成から開成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記リレーが開成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記リレーをオフさせる制御手段と、
を備えることを特徴とする電源供給装置。 - 前記制御手段は、前記リレーを閉成から開成に移行するとき、及び前記リレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチを能動領域で動作させることを特徴とする請求項1記載の電源供給装置。
- 前記制御手段は、前記リレーが閉成状態にあるとき、及び前記リレーが開成状態にあるときには前記半導体スイッチを飽和領域で動作させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電源供給装置。
- 前記第1の負荷は、モータであり、前記リレーは、第1の接点部の第1の共通端子が前記モータの一端に接続され第1の端子がアースされ第2の端子が前記半導体スイッチに接続される第1のリレーと、第2の接点部の第2の共通端子が前記モータの他端に接続され第3の端子が前記半導体スイッチに接続され第4の端子がアースされる第2のリレーとからなり、
前記制御手段は、前記第1のリレーを開成から閉成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記第1のリレーが閉成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記第1のリレーをオンさせ、前記第1のリレーを閉成から開成に移行するときには前記半導体スイッチの両端電圧を前記第1のリレーが開成状態にあるときの前記半導体スイッチの両端電圧から前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との差電圧まで大きくした後に前記第1のリレーをオフさせることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電源供給装置。
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