JP3661768B2 - 音響機器およびコンピュータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノート型PC)をはじめとする音響機器における音量の調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(以下、PC)は単に計算を実行するのみでなく、最近では音声に対する需要を前提としている。例えば、AV(Audio Visual)機器としての機能を持っている。より具体的には、PCをテレビジョンとして使用し、もしくは音楽CD(Compact Disc)またはDVD(Digital Video Disc)の再生機器として使用する。また、PCの持つデータ記憶機能を活用してMP3形式のファイルをダウンロードし、しかる後にダウンロードしたデータの再生機器として機能させることも行なわれている。また、音声の鳴るウェブ・サイトが存在するためインターネット接続に関してもPCは音声の出力を前提としている。
一方でPCは、その画像表示領域に複数のウィンドウと呼ばれる領域を設けて、複数種の表示情報をこれら複数のウィンドウ上に同時に表示するマルチウィンドウ表示が実現されている。このマルチウィンドウ機能を備えたPCの音声出力について、特開平6−51930号公報は、所定のウィンドウに第1画像情報が表示されかつこの第1画像情報に対応する音声が出力されている場合に、第2画像情報をアイコン画像として表示するに際し、アイコン画像を第2画像情報に対応する音声に対応付けて表示することを提案している。この提案によれば、第1画像情報の音声の聞き取りに支障をきたすことなく第2画像情報に対応する音声を認識することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の特開平6−51930号公報は、PCをAV機器として利用したときに極めて有効な技術である。ところが、PCはAV機器として利用されるのみでない。つまり、純粋なAV機器は、その使用時には音声が常に出ていることが前提となる。ところが、PCの場合には、AV機器として利用している場合を除けば、音声の出力は予期しないときに起こり得る。例えば、前述の音声の鳴るウェブ・サイトは、ウェブ・サイトにアクセスしたユーザは音声が出力されるタイミングを予期していないのが普通であろう。
また、PCは同一のPCが一定の場所で使用されるわけではない。特に携帯性に優れたノート型PCは、種々の場所で使用されることを前提としているということができる。業務に使用することを想定すると、ノート型PCのユーザのオフィスが使用の本拠地となるが、会議の際に会議室に携帯することもあるし、あるいは外出時に電車内で使用することもある。つまり、特にノート型PCはさまざまな場所で使用される。使用される場所によっては、予期せぬ音声が出力されることは望ましくない。例えば、電車の中、会議中には音声が出力されてほしくないのに出力されると周囲の人のひんしゅくを買う。また、過剰な音量の音声が出力される場合も同様である。ノート型PCにも音量をコントロールする機能が付いているので、ユーザが注意をしていればこのような問題も生じないが、使用場所が変わるたびにユーザが音量を調整することは煩雑であり、かつ調節を忘れることも十分想定される。
また、音声が出力されてほしいにもかかわらず出力されないという事態も生ずる。ノート型PCにも標準的に音声についてミュート機能が付加されており、ユーザが必要に応じてミュートを選択することができる。しかし、ユーザ自身がミュートを選択していることを忘れることがある。そういうときに、音声が出力されてほしいにもかかわらず出力されないという事態が生ずるのである。ユーザは音声を出力させようとするが、音声が出力されない原因がわからないまま、不適切な操作を行なうこともあろう。また、ミュートを解除するとミュート以前の音量で音声の出力が行なわれるが、ミュートを解除した場所が高い音量を出力すべき場所でない場合もある。
【0004】
したがって本発明は、使用の状態に応じて音声出力を制御することのできる音響機器、例えば上述したノート型PCの提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ノート型PCが使用される状態とその状態で許容される音量には関連性がある。例えば、使用される状態を、オフィス、会議中の会議室、電車の中、自宅でのDVD観賞の4種類とすると、各使用状態における音量は図8の通りである。例えば、オフィスで業務にノート型PCを使用する場合には少々の音量(小〜中)は許される。ところが、会議室で会議を行なっている場合には、ノート型PCからは音声が出力されない(ミュート)かまたは出力されたとしても音量は小さいことが望ましい。電車の中では、他の乗客の迷惑を考えると音声を出力すべきではない(ミュート)。一方、自宅でDVDを観賞するときには、そのDVDのプログラムに応じた音量とすることが許される(中〜大)。以上のように、ノート型PCの使用場所によって許容される音量はほぼ定まっているといってよい。したがって、この使用場所ごとにノート型PCの音量を自動的に制御することができれば、予期せぬ音声の出力といった問題も解消され得る。
【0006】
本発明者はノート型PCを使用する場所によって、ノート型PCの使用状態に差異があることに着目した。以下、図8を参照しつつこの点について説明する。例えば、電力供給源について着目すると、オフィスで使用する場合には、ノート型PCを商用AC電源に接続するのが一般的である。また、ノート型PCを会議室に持ち込んで使用する場合には、通常、AC電源ではなく、ノート型PCに内蔵したバッテリを電力供給源とする。もっとも、会議が長時間にわたることが予測される場合にはバッテリが消耗してしまうため、AC電源に接続して電力の供給を受けることになろう。さらに、電車で使用する場合には、例外なくバッテリが電力供給源となる。以上のように、電力供給源を知ることによって、ノート型PCの使用場所をおおよそ推測することができる。
使用場所の推測の精度は、ノート型PCに対する外部との他の接続状態を加味することにより向上することができる。最近ではオフィス内でLAN(Local Area Network)を構築することが多い。したがって、このネットワークへの接続有無を知ることによっても使用場所を推測することができる。例えば、会議室、電車の中あるいは自宅でDVD観賞する場合にはネットワークへ接続しない。これとの対比として、ネットワークに接続しているならば、オフィスでの使用であることが推測できる。
さらに、使用場所の推測精度を向上するために、ヘッドフォンの接続有無を用いることができる。例えば、自宅でDVD観賞する場合には、ノート型PCの内蔵スピーカのみでは臨場感が不足するため、ヘッドフォンを接続することがある。これに対して、オフィス、会議室および電車の中で使用する場合には、ヘッドフォンを接続しないのが一般的である。
以上のように、使用場所によってノート型PCと外部との接続状態、つまり使用状態が異なる。したがって、ノート型PCの使用状態を知ることによりその使用場所を推測することができるのである。
【0007】
本発明は以上の事項に着目してなされたものであり、内蔵スピーカと、電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部音声出力機器との接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の接続状態を確認する確認手段と、確認手段で確認される2以上の接続状態に、予め定められた複数の使用場所のうちの2以上の接続状態から推測される使用場所に応じた音量を対応させて記憶した記憶手段と、内蔵スピーカから出力される音量を、確認手段で確認された2以上の接続状態に基づき記憶手段に記憶された音量の中から選択して設定する音量設定手段とを備えたことを特徴とする音響機器である。本発明の音響機器は、外部との接続状態に応じて設定された音量を出力することができるので、使用場所において予期せぬ音声が出力されることを防止することができる。
本発明の確認手段では、外部との接続状態として、電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部音声出力機器との接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の接続状態を確認するものである。これら接続状態、具体的には接続の有無に関する情報によって音響機器の使用場所を推測することができるからである。複数の接続状態を確認することにより、推測の精度を向上させることができる。
本発明の確認手段が上記の内容をなしている場合には、音量設定手段を電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部スピーカとの接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の組み合わせに応じて音量を設定するものとすることができる。前述のように外部との接続状態は音響機器の使用場所を特定する情報であるから、使用場所に応じた音量を出力することができる。先に説明したように、音声の出力がなされないことが望ましい場所もある。したがって、本発明における音量設定手段は、音量を増減するのみならずミュートすることができる。ここで通常ミュートとは、出力する音量をゼロにすることをいい、本発明のミュートもこの意味を有するものとする。出力する音量がゼロになっても、当初設定した音量の設定値は通常変えない。ミュートを解除した後に、ミュート前の音量を得るためである。
【0008】
先に説明したように、外部との状態を確認するのは、当該音響機器の使用場所を推測するためである。そして本発明は、音響機器から出力する音量をこの外部との接続状態に応じた音量に調整する。すなわち本発明は、外部との想定される接続状態とこの接続状態に応じた音量とを対応して記憶しておき、実際に音響機器が使用された場合に、前記想定される接続状態と実際の接続状態とを対比し、前記実際の接続状態と前記想定される接続状態が一致した場合に、当該想定される接続状態に応じた音量を前記記憶の内容から抽出して当該音響機器から出力する音量とすることを特徴とする音響機器における音量調整方法を提供する。
本発明の音響機器における音量調整方法は、外部との接続状態が変わった場合に逐次その音量調整が機能する。つまり、本発明の音響機器における音量調整方法は、前記音響機器の実際の接続状態が変わった場合に、再度前記想定される接続状態と実際の接続状態とを対比し、その結果に基づいて当該音響機器から出力される音量を調整することができる。
【0009】
本発明の音響機器の典型例としてノート型PCがあることは前述の通りである。したがって本発明は、内蔵スピーカと、電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部音声出力機器との接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の接続状態を確認する確認手段と、確認手段で確認される2以上の接続状態に、予め定められた複数の使用場所のうちの2以上の接続状態から推測される使用場所に応じた音量を対応させて記憶した記憶手段と、内蔵スピーカの音量を、確認手段で確認された2以上の接続状態に基づき記憶手段に記憶された音量の中から選択して調整する音量調整手段とを備えたことを特徴とするコンピュータ装置を提供する。
本発明のコンピュータ装置は、確認手段で確認される2以上の接続状態に、予め定められた複数の使用場所のうちの2以上の接続状態から推測される使用場所に応じた音量を対応させて記憶した記憶手段を備えている。この記憶手段は、例えば、ネットワークと接続して使用されている状態には音量を小とする、バッテリを電力供給源として使用している状態には音量をミュートする、外部スピーカを接続して使用している状態には音量を大とする、という具合である。そして、確認手段が確認したコンピュータ装置の実際の使用状況に適した音量を選択し、内蔵スピーカから出力する音量とする。
【0010】
以上のコンピュータ装置において、電力供給源は使用状態を確認する要因の1つとなる。つまり本発明のコンピュータ装置において、前記コンピュータ装置は、電力供給源として前記コンピュータ装置に内蔵するバッテリまたは外部のAC電源を用いるものであり、前記記憶手段は、コンピュータ装置の電力供給源が前記バッテリのときに適する音量としてミュートを対応付けて記憶し、前記確認手段が前記電力供給源として前記バッテリを確認すると、前記音量調整手段は前記内蔵スピーカから出力される音量をミュートすることが望ましい。ノート型PCの場合、内蔵バッテリを備えているが、AC電源を使用できる場所ではアダプタを介してAC電源から電力の供給を受ける。一方、電車の中あるいは会議室等では内蔵バッテリを電力供給源とする。つまり、内蔵バッテリを用いる場所は、許容される音量が制限される。したがって、内蔵バッテリを電力供給源として確認した場合には、音量をミュートしようというものである。
音量をミュートした場合には、ミュートの状態にあることをコンピュータ装置のユーザが認識できることが望ましい。そもそも音声の出力がない状態なのか、音声の出力が本来あるにもかかわらずミュートされた状態なのかを知ることにより、コンピュータ装置に対して適切な操作を行なうことができるからである。したがって本発明のコンピュータ装置において、前記音量調整手段が音量をミュートしている場合に、ミュートされていることを視覚的に表示する表示手段を備えることが望ましい。
【0011】
本発明は、ミュート解除後に予期せぬ音量が出力されることを防止することのできる以下の音響機器を提供する。すなわち、本発明の音響機器は、出力される音量をミュートするミュート手段と、前記ミュート手段によりミュートされた状態において、ミュートされた音量の設定値を変化した後にミュートを解除するミュート解除手段とを備えたことを特徴とする。本発明の音響機器は、ミュートされた音量を変化させるとともにミュートを解除するミュート解除手段を設けたので、ミュートを解除する際に音量を変化させることができる。
本発明の音響機器において、前記ミュート解除手段は、ミュートされた音量の設定値を大きくした後にミュートを解除する第1のミュート解除手段と、ミュートされた音量の設定値を小さくした後にミュートを解除する第2のミュート解除手段とを備えることができる。ミュート解除後に音量を大きくしたいという要求およびミュート解除後に音量を小さくしたいという要求に応えることができる。なお、音量の設定値とは、ミュートされる前に設定されていた音量をいう。
【0012】
また、ミュートされた音量の設定値を変化させることなくミュートを解除したいという要求もある。したがって本発明の音響機器において、ミュートされた音量の設定値を変化させることなくミュートを解除する第3のミュート解除手段を備えることもできる。
さらに、本発明において、ミュートされている音量の設定値を視覚的に表示する音量表示手段を備えることが望ましい。ミュートされている音量の設定値を変更する場合に、この表示を参照することにより適切な音量の設定値とすることができる。
【0013】
また本発明は、コンピュータ装置に内蔵される内蔵スピーカと、前記内蔵スピーカから出力される音量を調整する音量調整手段と、を備えたコンピュータ装置であって、前記音量調整手段は、前記出力される音量をミュートしている際に、ミュートを解除するに先立って前記出力される音量を変化させ、しかる後にミュートを解除する機能を備えたことを特徴とするコンピュータ装置を提供する。
このコンピュータ装置によれば、ミュートを解除するに先立って出力される音量を変化させることができる。したがって、ミュート解除後に適切な音量を出力させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施の形態にかかるノート型PC1の斜視図、図2は本実施の形態にかかるノート型PC1の主要構成ブロック図である。
図1に示すようにノート型PC1は、PC本体2および画像表示部3とから構成される。PC本体2には、ノート型PC1を操作するためのキーボード210および本実施の形態による音量調整方法を実行するための構成要素が実装されている。キーボード210には、音量アップ・キー210a、音量ダウン・キー210bおよびミュート・キー210cが設定されている。画像表示部3は、例えば液晶表示装置を用いることができる。
図2に示すように、PC本体2は、CPU(Central Processing Unit)4と、CPU4に接続されたパワー・マネジメント・コントローラ(図2ではPMCと表記、以下PMC)5と、CPU4に接続されたインターフェース(I/F)9と、オーディオ・チップ17等を介してCPU4に接続された内蔵スピーカ20とを備えている。
CPU4は、メモリ21に格納された所定のプログラムに基づき、ノート型PC1の動作を制御する。
PMC5はノート型PC1の電力供給源の動作を制御する。ノート型PC1の電力供給源は、ノート型PC1に内蔵されるバッテリ6または商用のAC電源8である。ノート型PC1はACアダプタ7を介してAC電源8に接続される。ノート型PC1にAC電源8が接続されている場合には、ノート型PC1の電力供給源はAC電源8となる。一方、ノート型PC1にAC電源8が接続されていない場合には、ノート型PC1の電力供給源はバッテリ6となる。PMC5は、ノート型PC1と外部のAC電源8との接続状態を認識して、バッテリ6またはAC電源8のいずれを電力供給源とするか制御する。
【0015】
インターフェース(I/F)9には、ヘッドフォン・コネクタ10、LANコネクタ12、ドッキング・ステーションI/F13が接続されている。
ユーザがヘッドフォン11を用いてノート型PC1から出力される音声を聞く場合に、外部音声出力機器としてのヘッドフォン11をユーザがヘッドフォン・コネクタ10に接続する。ユーザがDVDに格納されている映画を観賞する場合または音楽CDで音楽を鑑賞するような場合で、周囲に音声を発したくない事情があるときにヘッドフォン11を用いる。例えば、大音量でプログラムを観賞するような場合である。
LANを構築したオフィス内でノート型PC1を当該LANに接続する場合には、当該LANのケーブルをLANコネクタ12に接続する。
ノート型PC1を周辺機器の1種であるドッキング・ステーション14に接続して使用する場合には、ノート型PC1とドッキング・ステーション14とをドッキング・ステーション・インターフェース(I/F)13を介して接続する。ここで、ドッキング・ステーション14は、ノート型PC1用の機能拡張装置であり、ドッキング・ベイ、拡張ユニットなどとも称される。ドッキング・ステーション14は、例えばCD−ROMドライブやフロッピ・ディスク・ドライブ、拡張端子などを内蔵しており、ノート型PC1を接続すると、ノート型PC1でデスクトップ・パソコン並みの機能を実現することができる。ドッキング・ステーション14は機能を十分に備えることができない薄型のノート型PC1に多く採用されている。つまり、薄型のノート型PC1はその携帯性から持ち歩きには便利であるが、オフィスではドッキング・ステーション14によりその機能を補おうというものである。したがって、ドッキング・ステーション14とノート型PC1とが接続されているということは、使用場所がオフィスである可能性が高いことを示している。なお、ここではドッキング・ステーション14について説明したが、ドッキング・ステーション14と類似のポート・レプリケータについても同様に本発明を適用することができる。
【0016】
インターフェース(I/F)9には、外部スピーカ16をノート型PC1に接続するためのスピーカ・コネクタ15が接続されている。内蔵スピーカ20の音質で満足できないDVDまたは音楽CDの観賞の場合に、外部スピーカ16を接続する。
内蔵スピーカ20とCPU4との間には、オーディオ・チップ17およびアッテネータ19が存在する。オーディオ・チップ17には、ノート型PC1のPC本体2に設けた音量調整用の音量up/downキーの操作に基づく音量が設定される。CPU4にインターフェース(I/F)18を介して接続されたアッテネータ19は、内蔵スピーカ20から出力する音量を制御する。つまり、アッテネータ19は、オーディオ・チップ17における音量の設定値に対して、AC電源8との接続状態、ヘッドフォン11の接続状態、LANとの接続状態、ドッキング・ステーション14との接続状態、外部スピーカ16等の外部との接続状態に応じた制御を施す。制御の詳細は後述する。制御された音量が、内蔵スピーカ20から出力される音量となる。
【0017】
次に、図3に基づいてノート型PC1のソフトウェア・モジュールを説明する。ノート型PC1は、ソフトウェアとして、BIOS(Basic Input/Output System)30、オーディオ・ボリューム・コントロール・ユーティリティ31(以下、ユーティリティ31)、OS(Operating System)32およびオーディオ・ドライバ33を備えている。そして、BIOS30からのコール・バックを受けてユーティリティ31が動作し、その結果はOS32およびオーディオ・ドライバ33を介してアッテネータ19に対して出力される。
【0018】
BIOS30は、電力供給源がバッテリ6またはAC電源8のいずれであるかをPMC5が検知するとともに、電力供給源に変更があった場合には、インターラプト(interrupt)としての通知を受ける。また、インターフェース(I/F)9において、ヘッドフォン11が接続されまたは接続が解除されたこと、LANが接続されまたは接続が解除されたこと、ドッキング・ステーション14と接続されまたは接続が解除されたこと、を検知するとインターラプトとしての通知を受ける。インターラプトの通知を受けると、BIOS30はユーティリティ31に対してその旨を通知する。
また、BIOS30は、音量アップ・キー210a、音量ダウン・キー210bもしくはミュート・キー210cが押されると、その旨をユーティリティ31にコール・バックする。
【0019】
ノート型PC1の音量を制御するプログラム、つまりユーティリティ31は、2つの機能を有している。1つは、ユーザ・プロファイルに基づくデフォルトの音量設定に関する機能である。もう1つの機能は、ミュートの解除に関する機能である。
デフォルトの音量設定機能は、以下の3つの処理・操作を実行する。
処理(A−1):外部との接続状態の変化があるとその旨がBIOS30からコール・バックされる。
処理(A−2):外部との接続状態を確認しかつユーザ・プロファイルを参照してデフォルトの音量を決定する。
処理(A−3):OS32のAPI(Application Program Interface)に音量を設定する。
ここで、外部との接続とは、AC電源8との接続状態、ヘッドフォン11との接続状態、LANとの接続状態、ドッキング・ステーション14との接続状態および外部スピーカ16との接続状態をいう。また、前記ユーザ・プロファイルについては、図5に基づき後述する。
また、ミュートの解除に関する機能は、以下の2つの処理・操作を実行する。
処理(B−1):音量アップ・キー210a、音量ダウン・キー210bまたはミュート・キー210cが押されるとBIOS30からコール・バックされる。
処理(B−2):押されたキーに応じてミュート解除に伴なう音量を決定する。
処理(B−3):OS32のAPI(Application Program Interface)に音量を設定する。
OS32のAPIに設定された音量は、オーディオ・ドライバ33を介してアッテネータ19に設定される。
【0020】
以上の構成からなるノート型PC1における内蔵スピーカ20の音量制御のフローを図4に示す。
図4において、外部との接続状態の変化を検知する(S101)。
外部との接続状態の変化を検知すると、外部との接続状態をPMC5およびI/F9を通じて確認する(S102)。この外部との接続状態とは、前述の通り、AC電源8との接続状態、ヘッドフォン11との接続状態、LANとの接続状態、ドッキング・ステーション14との接続状態および外部スピーカ16との接続状態をいう。例えば、AC電源8、LANおよびドッキング・ステーション14とは接続されているが、ヘッドフォン11とは接続されていない、という外部との接続状態を確認する。
外部との接続状態を確認すると、その接続状態とユーザ・プロファイルとを参照して、デフォルト音量を決定する(S103)。このユーザ・プロファイルの1例を図5に示している。ユーザ・プロファイルについては追って詳しく説明するが、外部との接続状態とその接続状態に応じた音量を対応させたテーブルがユーザ・プロファイルである。
デフォルト音量が決定されると、アッテネータ19にその音量を設定する(S104)。ここで、前述のようにアッテネータ19における音量設定は、オーディオ・チップ17に設定されている音量を制御するものであり、内蔵スピーカ20から出力される音量を単独で設定するものではない。例えば、オーディオ・チップ17で設定されている音量が10とすると、その音量を10のままで出力する、あるいは音量10を5にして出力する、というように制御するのである。
【0021】
次に、図5に基づいてユーザ・プロファイルの1例を説明する。
図5は想定される外部との接続状態とその接続状態に応じた音量を対応させたテーブルである。このテーブルは、ユーザが任意に設定することができる。外部との接続状態としては、AC電源8との接続(「AC接続」と表記)、ヘッドフォン11との接続(「ヘッドフォン接続」と表記)、LANとの接続(「LAN接続」と表記)およびドッキング・ステーション14との接続(「ドッキング接続」と表記)を対象としている。図5において、接続されている場合には「YES」と、また接続されていない場合には「NO」と表記している。「YES/NO」との表記は、YESまたはNOを問わないことを意味している。音量としては、「ミュート」、「小」、「やや小」および「そのまま」の4段階としている。
なお、本例の前提として、ノート型PC1が使用されるオフィスにはLANが構築され、またノート型PC1はドッキング・ステーション14に接続して使用されるものとする。
【0022】
図5の「1.音量=ミュート」の行のケースでは、AC接続およびヘッドフォン接続がNOの場合には、LAN接続およびドッキング接続の如何にかかわらず、音量を「ミュート」とする。AC電源8に接続されていない、つまり電力供給源がバッテリ6ということは、ノート型PC1は携帯され、例えば電車の中といった周囲への音声出力を避けたい場所で使用されている可能性がある。しかも、ヘッドフォン11が接続されていないため、携帯されている可能性が高いと言えるから、電車の中での使用を想定している。したがって、ノート型PC1の内蔵スピーカ20からの音声出力をゼロにするために音量を「ミュート」にすることにしている。
「2.音量=小」の行のケースでは、AC接続がYES、ヘッドフォン接続およびLAN接続がNOの場合には、ドッキング接続の如何にかかわらず、音量を「小」とする。このケースの場合、AC接続がYESであるから、ノート型PC1はAC電源8の存在する場所で使用されると想定できる。ところが、LAN接続がなされていないことから、会議室での長時間の使用を想定している。そして、会議中は、周囲へ音声出力は極力避けたいことから、音声を「小」としている。
「3.音量=やや小」の行のケースでは、AC接続、LAN接続およびドッキング接続がYESであり、ヘッドフォン接続の如何にかかわらず、音量を「やや小」とする。AC電源8、LANに接続され、しかもドッキング・ステーション14にも接続されていることから、オフィスでの使用を想定している。オフィス内では、多少の音声の出力がなされても支障がないため、音量を「やや小」としている。
「4.音量=そのまま」の行のケースでは、ヘッドフォン接続がYESである。この場合には、AC接続、LAN接続およびドッキング接続の如何にかかわらず、音量を「そのまま」とする。ヘッドフォン11が接続されていることから、自宅でのDVDプログラムの観賞を想定している。自宅でのヘッドフォン11によるプログラム観賞の場合には、そもそも周囲に迷惑をかけることがないから、音量を「そのまま」としている。
ここで、音量が「ミュート」、「小」、「やや小」および「そのまま」とは、オーディオ・チップ17における音量の設定値に掛ける係数を定性的に示したものである。オーディオ・チップ17における音量の設定値を10とする。「ミュート」、「小」、「やや小」および「そのまま」を各々、「ミュート」=0、「小」=0.3、「やや小」=0.5、「そのまま」=1.0と設定する。そうすると、「ミュート」の場合には、10×0=0であるから、出力される音量がゼロとなる。同様に、「小」の場合には出力される音量が10×0.3=3となり、「そのまま」の場合には出力される音量が10×1.0=10となる。
【0023】
前述のように、ユーザ・プロファイルについてのテーブルはユーザが任意に設定することができる。図5はその1例である。つまり、音量を「ミュート」にする接続状態として、「1.音量=ミュート」の行に示す接続状態に限るものではない。また、「2.音量=小」の行のように、AC接続:NO、ヘッドフォン接続:NO、LAN接続:YES/NO、ドッキング接続:YES/NOの場合に、音量を「ミュート」に設定することもできる。さらに、ヘッドフォン接続に替えて、外部スピーカ16との接続状態を採用しても良い。
【0024】
このユーザ・プロファイルに関するテーブルは、前述のように、デフォルト音量を設定する際に参照される。図4のS102において、ノート型PC1とAC電源8等との実際の接続状態を確認し、確認された接続状態と図5のテーブルとを参照する。参照の結果として、実際の接続状態が一致する前記テーブルの接続状態に対応する音量、つまり「ミュート」、「小」、「やや小」および「そのまま」のいずれかがデフォルト音量として決定されるのである。
【0025】
ノート型PC1がミュートされた状態から、ユーザの意思によりミュートを解除したい場合もある。その場合には、ミュート解除のためのキーを押すことになる。一般に、ミュートを解除すると音量はミュート前のレベルに復帰する。しかし、ミュート解除後にユーザはミュート前とは異なった音量で音声を出力したい場合もある。そこで、ノート型PC1は、ミュート解除に際して、音量を変化させる機能を持っている。その内容は図3を用いてすでに説明したが、その処理フローを図6に基づき説明する。
図6において、当初はミュート状態にある。したがって、ノート型PC1から音は聞こえない状況にある。また、ノート型PC1は、後述するように、ミュート状態の際にミュート前の音量を画像表示部3に視覚的に表示する。したがって、ノート型PC1のユーザは、ミュート前の音量を認識することができる。
【0026】
ミュート状態でキーボード210上の音量アップ・キー210aを押すと(S201)、ミュート前よりも音量の設定値がアップされた後にミュートが解除される(S202)。また、ミュート状態でキーボード210上の音量ダウン・キー210bを押すと(S203)、ミュート前よりも音量の設定値がダウンされた後にミュートが解除される(S204)。さらに、ミュート状態でキーボード210上のミュート・キー210cを押すと(S205)、ミュート前の音量の設定値が維持された状態でミュートが解除される(S206)。なお、ミュート・キー210cは、押す度にミュートおよびミュート解除が繰り返される。
ユーザは、ミュート前の音量が画像表示部3に視覚的に表示されているので、その表示を見て、ミュート解除に際して出力される音量をミュート前よりも大きくしたい場合には音量アップ・キー210aを押せばよい。また、ミュート解除に際して出力される音量をミュート前よりも小さくしたい場合には音量ダウン・キー210bを押せばよいし、ミュート前と出力される音量を変える必要がなければミュート・キー210cを押せばよい。
音量をどの程度アップするかまたはダウンするかは、通常の音量アップ・キー210aおよび音量ダウン・キー210bの機能と同様に、音量アップ・キー210aまたは音量ダウン・キー210bを押す回数あるいは押す時間によって設定できるようにすればよい。
以上のようにノート型PC1は、音量アップ・キー210aおよび音量ダウン・キー210bに対して、ミュート状態でも音量の設定値を調整することができる機能およびミュートを解除する機能という2つの機能を持たせた点に特徴がある。
【0027】
ノート型PC1は、ミュート状態の際に、ミュート状態にあること、さらにミュートされている音量の設定値を視覚的に表示する機能を備えている。その具体例を図7に示すが、ミュート状態にあるときには、ミュートされている音量を示す音量表示バー34がアイコンとして画像表示部3に示される。音量表示バー34は、音量レベルの変化に対応して、図7に示すように伸縮する。
ノート型PC1によれば、ユーザはこの音量表示バー34を見ることにより、ノート型PC1がミュート状態にあることを知ることができる。しかも、音量表示バー34は、音量レベルの変化に対応して伸縮するから、ミュートされている音量を知ることができる。ミュート状態にあることを認識しているユーザは、ミュートが解除されてもあわてることはない。また、ミュートを解除する場合に、音量を大きくするのかまたは小さくするのか等の選択を行なうことができる。
【0028】
以上ではノート型PC1を例にして本発明を説明したが、本発明はノート型PC1に限るものではなく、音響機器として機能し得る機器について広く適用することができる。もっとも、ノート型PC1のように、種々の異なる場所でしかも外部との接続状態が変わる機器に対して最も有効である。
また、本実施の形態では、外部との接続状態の対象として、AC電源8、ヘッドフォン11、LANおよびドッキング・ステーション14を用いたが、この中の1つとすることもできるし、2または3の組合せとすることもできる。また、外付けのハード・ディスク・ドライブ等の外部記憶装置等他の機器との接続状態を対象とすることもできる。
さらに、本実施の形態では、音量の設定にオーディオ・チップ17とアッテネータ19とを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。オーディオ・チップ17およびアッテネータ19の2つの機能を備えた手段であればいかなる手段でも採用することができる。この手段は、ハード的な構成に限らず、ソフトウェアを構成要素とすることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用場所あるいは使用状態に応じた音声出力を制御することのできる音響機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態にかかるノート型PCの斜視図である。
【図2】 本実施の形態にかかるノート型PCの主要構成ブロック図である。
【図3】 本実施の形態にかかるノート型PCのソフトウェア・モジュールを示す図である。
【図4】 本実施の形態にかかるノート型PCにおける音量設定フローを示す図である。
【図5】 本実施の形態における外部との接続状態と音量とを対応した図表である。
【図6】 本実施の形態におけるミュート解除時の制御を示すフローチャートである。
【図7】 本実施の形態にかかるノート型PCがミュート時の際の表示画像を示す図である。
【図8】 ノート型PCの使用場所と許容される音量、外部との接続状態とを対比した図表である。
【符号の説明】
1…ノート型PC、2…PC本体、3…画像表示部、4…CPU、5…パワー・マネジメント・コントローラ(PMC)、6…バッテリ、7…ACアダプタ、8…AC電源、9…I/F、10…ヘッドフォン・コネクタ、11…ヘッドフォン、12…LANコネクタ、13…ドッキング・ステーションI/F、14…ドッキング・ステーション、15…スピーカ・コネクタ、16…外部スピーカ、17…オーディオ・チップ、18…I/F、19…アッテネータ、20…内蔵スピーカ、21…メモリ、30…オーディオ・ボリューム・コントロール・ユーティリティ、31…BIOS、32…OS、33…オーディオ・ドライバ、34…音量表示バー
Claims (9)
- 内蔵スピーカと、
電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部音声出力機器との接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の接続状態を確認する確認手段と、
前記確認手段で確認される2以上の接続状態に、予め定められた複数の使用場所のうちの当該2以上の接続状態から推測される使用場所に応じた音量を対応させて記憶した記憶手段と、
前記内蔵スピーカから出力される音量を、前記確認手段で確認された2以上の接続状態に基づき前記記憶手段に記憶された音量の中から選択して設定する音量設定手段と
を備えたことを特徴とする音響機器。 - 前記確認手段は、予め定められた複数の外部との接続状態が変わった場合に、予め定められた複数の外部との接続状態のうちの特定の外部との接続状態を再度確認することを特徴とする請求項1に記載の音響機器。
- 内蔵スピーカと、
電力供給源との接続状態、ネットワークとの接続状態、外部音声出力機器との接続状態および周辺機器との接続状態のうちの2以上の接続状態を確認する確認手段と、
前記確認手段で確認される2以上の接続状態に、予め定められた複数の使用場所のうちの当該2以上の接続状態から推測される使用場所に応じた音量を対応させて記憶した記憶手段と、
前記内蔵スピーカの音量を、前記確認手段で確認された2以上の接続状態に基づき前記記憶手段に記憶された音量の中から選択して調整する音量調整手段と
を備えたことを特徴とするコンピュータ装置。 - 前記コンピュータ装置は、電力供給源として当該コンピュータ装置に内蔵するバッテリまたは外部のAC電源を用いるものであり、
前記確認手段が前記電力供給源として前記バッテリを確認すると、前記音量調整手段は前記内蔵スピーカの音量をゼロにしてミュートすることを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ装置。 - ミュート前の音量の設定値を変えた後にミュートを解除するミュート解除手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
- 前記ミュート解除手段は、ミュートされた音量の設定値を大きくした後にミュートを解除する第1のミュート解除手段と、ミュートされた音量の設定値を小さくした後にミュートを解除する第2のミュート解除手段と、からなることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータ装置。
- ミュートされた音量の設定値を変化させることなくミュートを解除する第3のミュート解除手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のコンピュータ装置。
- 前記音量調整手段が音量をミュートしている場合に、ミュートされていることを視覚的に表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
- 前記音量調整手段によりミュートされている音量の設定値を視覚的に表示する音量表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
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