JP3662477B2 - アンチケーキング性抗−真菌性食品成分およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、食品成分の組成物、該組成物を含む食品、並びにこのような食品成分の組成物を製造する方法に関するものである。特に、本発明は、アンチケーキング性および抗-真菌性両者を有する、食品成分の組成物、該組成物を含む食品並びにこのような組成物の製造方法に関する。
【0002】
【技術的背景】
幾つかの食品の性能は、食品成分、例えばアンチケーキング物質および抗-真菌性物質を添加することにより高められ、これら物質はこのような食品の機能的特性を改善し、かつ該食品の保存寿命を延長する。分割し、細断し、かつおろした食品を、一般的にアンチケーキング性物質である食品成分で処理して、該分割した食品材料の流動特性を高め、かつ該食品材料が一緒に凝集するのを防止している。抗-真菌性物質を、一般的に糸状菌、酵母および菌類により影響され易い食品に添加して、糸状菌、酵母および菌類の生育を阻止し、かつ該食品の保存寿命を延長する。
アンチケーキング材料は、典型的には、食品グレードの、粉末化されたまたは粒状の材料、例えばセルロース、シリケート等であり、分割された食品材料と混合することにより、該食品材料中に分散される。該粉末状のアンチケーキング材料は、そこに分散された該食品材料の流動特性を高める。アンチケーキング材料は、また典型的には多孔質および吸収性であって、該食品中の水分を吸収し、結果として該分割された食品材料の、水分によって誘発される凝集を減じる。
【0003】
抗-真菌性物質は、直接または間接的に糸状菌、酵母および菌類の増殖を阻害する物質である。直接作用性の抗-真菌性物質は、糸状菌、酵母または菌類と直接接触した際に、糸状菌、酵母または菌類の成長を阻害する物質である。直接作用性の抗-真菌性物質は、一般的に該抗-真菌性物質を液状媒体中に分散させた懸濁液を形成し、該液状懸濁液を食品材料に適用することにより利用される。間接作用性の抗-真菌性物質は、例えば酵素/炭水化物混合物または密封容器内で酸素との組み合わせで反応して、該抗-真菌性混合物を含む該包装内における、酸素を捕獲しまたは枯渇させ、酸素依存性の糸状菌、酵母および菌類の増殖を阻害する化学物質の組み合わせ等の物質である。
改善された流動特性および糸状菌、酵母または菌類の増殖阻害性を必要とする、分割された食品において、これら特性は、アンチケーキング材料および抗-真菌性材料としての食品成分両者の添加によって、高められる。例えば、アンチケーキング性および抗-真菌性材料としての食品成分は、一般的におろした、細断した、さいの目状に細断された、砕かれたまたはスライスされたチーズおよび醗酵肉製品、例えばソーセージまたはペパローニ等に、これら食品を製造するための、工業的な工程において添加される。
【0004】
アンチケーキング物質および抗-真菌性物質は、典型的には、食品材料に別々に添加される。該抗-真菌性物質は、該アンチケーキング物質が既に分散されている食品材料に添加することができ、または該アンチケーキング物質は、既に該抗-真菌性物質で処理されている食品材料に添加することができる。しかし、組み合わせとして抗-真菌性およびアンチケーキング性をもつ一物質を食品材料に適用して、該食品材料全体に渡る該抗-真菌およびアンチケーキング活性の均一な分配を達成し、かつ該食品材料の加工量を減じることが望ましい。
アンチケーキングおよび抗-真菌活性を組み合わせで有する食品成分は、当分野において公知であるが、所定の該アンチケーキング性および抗-真菌性を与えるには不十分であるか、あるいは著しい欠点を有する。アンチケーキング材料と、直接作用性の抗-真菌物質との組み合わせが使用されており、この組み合わせは、また密封包装において、アンチケーキング性および抗-真菌性を与えるのに有効である。しかし、間接作用性の抗-真菌性物質は、該包装が密封されている場合にのみ有効であり、該包装が開封されている場合には、あるいは該包装の封止が完全でない場合、また酸素が該包装内に導入された場合には、その有効性は失われる。間接作用性の抗-真菌性物質を含む食品材料の包装も高価である。というのは、該包装を介するガスの拡散を防止するには、重質の包装材料が必要とされ、かつ該包装の制御された雰囲気のフラッシングが、しばしば必要とされるからである。
【0005】
乾燥アンチケーキング材料を、乾燥直接作用性抗-真菌性物質とブレンドして、アンチケーキング活性および抗-真菌活性両者を有する食品成分を提供することが可能である。しかし、アンチケーキング材料と直接作用性の抗-真菌性物質との乾燥ブレンドは、その食品成分としての利用を、事実上阻害する諸欠点を有する。まず、食品に関する規制により承認される、抗-真菌剤の再高濃度を越えることなしに、効果的な抗-真菌活性を持つ乾燥ブレンドを生成することは不可能である。安全性のために、食品規制は、ほんの少量の、直接作用性抗-真菌性物質の、食品への添加を認めているに過ぎない。該乾燥アンチケーキング材料への、乾燥直接作用性抗-真菌剤の均一分布を達成するためには、規制により認められた抗-真菌剤の最大濃度を越える、実質的に過剰な乾燥抗-真菌剤を、該混合物中に分散させる必要がある。第二に、アンチケーキング材料と直接作用性の抗-真菌性物質との乾燥ブレンドは、不規則な抗-真菌機能を有し、結果として糸状菌、酵母または菌類の繁殖し易い食品を与える。というのは、単なる混合は、組成物中で均質分散されない傾向があるからである。第三に、アンチケーキング材料と抗-真菌性物質との乾燥ブレンドを含む食品成分は、全く埃を発生し易く、この食品成分を食品に適用する際にかなりの損失をもたらす。
【0006】
直接作用性の抗-真菌剤を含む液状媒体の、アンチケーキング材料への直接的な適用によって形成される、アンチケーキング材料と抗-真菌性物質とを組み合わせとして含む食品成分は、抗-真菌剤としては有効でない。アンチケーキング材料の該多孔性および吸収性は、該アンチケーキング材料の、その内部への、液状抗-真菌性物質または懸濁液中に含まれる抗-真菌性物質の吸収または取り込みを引き起こす。これにより、該抗-真菌剤が食品安全規則の限界内の濃度で添加された場合には、糸状菌、酵母および菌類の増殖を抑制するには不十分な組成物が与えられる。というのは、該直接作用性の抗-真菌剤は、食品材料中で、糸状菌、酵母および菌類と接触し、かつこれらを排除するために利用できないからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題およびその解決手段】
本発明は、許容される抗-真菌剤濃度にて、アンチケーキング活性と直接作用性の抗-真菌活性とを組み合わせとして有する食品成分が望ましい、という観測から開発された。というのは、このような成分は、他の公知の組み合わせからなる成分よりも、改善された抗-真菌活性を与え、かつアンチケーキングおよび抗-真菌性物質を含む、食品材料の製造を、別々にアンチケーキングおよび抗-真菌性の成分を使用した場合よりも、単純化し、かつそのための経費を下げるからである。
一局面において、本発明は、抗-真菌性およびアンチケーキング特性を有する食品成分の組成物に関する。この食品成分は、粒状のアンチケーキング物質と、該アンチケーキング物質粒子を、少なくとも部分的に封入する、封入剤とを含む。直接作用性の抗-真菌性物質は、該封入されたアンチケーキング物質の粒子を被覆しており、ここで該抗-真菌性物質は、封入されたアンチケーキング物質の粒子表面上またはその近傍にある。
【0008】
もう一つの局面において、本発明は、アンチケーキング並びに抗-真菌特性を有する食品成分を製造する方法に関する。粒状アンチケーキング物質が提供される。このアンチケーキング物質を封入剤で処理して、該アンチケーキング物質を、少なくとも部分的に該封入剤で封入する。この封入されたアンチケーキング物質を、直接作用性の抗-真菌性物質で処理して、該抗-真菌性物質の実質的部分を、該封入されたアンチケーキング物質の、粒子表面上に位置させる。
更に別の局面において、本発明はアンチケーキング並びに抗-真菌特性を有する食品成分を製造する方法に関連し、該方法において、粒状アンチケーキング物質が提供され、また該物質は、直接作用性の抗-真菌性物質を含む封入剤で処理され、その結果該抗-真菌性物質の実質的な部分が、該アンチケーキング物質粒子の表面上に位置する。
【0009】
更に別の局面において、本発明は食品材料の組成物に関する。該食品材料の組成物は、食品材料および機能性成分を含む。該機能性成分は、該食品材料全体に分散され、また封入剤で少なくとも部分的に被覆された粒状アンチケーキング物質で構成され、該封入剤はその上またはその内部に分散された直接作用性の抗-真菌性物質を含み、ここで該抗-真菌性物質は、該アンチケーキング剤の粒子表面上に位置する。
更に別の局面において、本発明は、食品材料を、アンチケーキングおよび直接作用性の抗-真菌特性を有する機能性成分で処理する方法に関する。食品材料を準備し、機能性成分を準備する。ここで、該機能性成分は、アンチケーキング材料を含み、該アンチケーキング材料は、その粒子表面上に分散された直接作用性の抗-真菌性物質を有している。次いで、この機能性成分は、該食品材料中に分散される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の食品成分の組成物は、粒状アンチケーキング材料と、少なくとも部分的に該アンチケーキング材料を封入する封入剤と、該封入されたアンチケーキング材料の粒子を被覆している、直接作用性の抗-真菌性物質とを含む。この組成物は、分割された食品材料に、アンチケーキング並びに抗-真菌官能性を与え、ここで該組成物は、該分割食品材料中に分散されており、また従来のアンチケーキングおよび抗-真菌性物質に比して、取り扱い中に殆どダストを発生しないように、構造化されかつ整えられている。
このアンチケーキング材料は、該材料が分散されている、分割された食品材料のケーキング特性を減じ、かつその流動性を高めるのに有効な物質である。このアンチケーキング物質は、この物質が分散されている、食品材料の表面上に、水、脂肪およびその他の液体を吸収し、かつ保持することのできるものであるべきである。このアンチケーキング物質は、アンチケーキングの目的で食品成分として使用されている、任意の公知の材料から選択することができる。本発明において使用できる、一般的に利用されているアンチケーキング物質は、食品グレードの、粉末化セルロースおよび微晶質セルロースを含むセルロース、シリケート、澱粉、ベントナイトおよびモンモリロナイト(montmorillite)を含むクレー、無機質、米粉、小麦粉、コーン粉および大豆粉を含む穀粉、繊維、多糖類、炭水化物、大豆タンパクおよびカゼインを含むタンパク化合物、およびこれらの組み合わせを包含する。好ましい態様においては、該アンチケーキング物質としてセルロースを使用し、また最も好ましくは粉末化セルロースを使用する。
【0011】
該アンチケーキング物質は、該食品成分の組成物中に、該組成物を基準として、約1〜約99重量%なる量で存在し得る。好ましくは、該アンチケーキング物質は、該組成物中に、約50〜約99重量%、およびより好ましくは約70〜約95重量%なる量で存在する。
該封入剤は、該アンチケーキング物質の表面においてバリヤーとして機能して、該アンチケーキング物質の表面から、その内部への、該直接作用性抗-真菌性物質の吸収を防止する。この封入剤は、接着性物質としても機能して、該抗-真菌性物質の、該アンチケーキング物質表面への捕獲および該表面への該抗-真菌性物質の接着性を高めるものであるべきである。
この封入剤は、該アンチケーキング物質の粒子の少なくとも一部を被覆し、もしくは封入できる、食品グレードの試薬である。この封入剤は、水よりも比較的粘性が高く、あるいは高密度の液体であって、該封入剤は、該アンチケーキング物質によって過度に吸収されることなしに、該アンチケーキング物質を被覆するものであるべきである。この封入剤は、一般的に市販品として入手できる、食品グレードの物質であり得る。好ましくは、この封入剤は、レシチン、アナトー油(可溶性)、および大豆油、ピーナッツ油、コーン油、カノーラ(canola)、綿実油およびヒマワリ種子油を含む植物油を包含するオイル類、脂肪、乳化剤、糖アルコール、タンパク、ポリオール、炭水化物溶液、ヒドロコロイド、およびこれら物質の混合物からなる群から選択される。最も好ましい態様において、該封入剤はレシチンである。
【0012】
該封入剤は、本発明の食品成分の組成物中に、該組成物を基準として、約0.05〜約30重量%なる量で存在できる。好ましくは、該封入剤は、該組成物中に、約0.07〜約20重量%、およびより好ましくは約0.1〜約10重量%なる量で存在する。
該抗-真菌性物質は、糸状菌、酵母菌または菌類と直接接触した際に、これら糸状菌、酵母菌および菌類の増殖を阻害するのに有効な、食品グレードの物質である。この抗-真菌性物質は、該封入剤によって、該アンチケーキング物質の粒子表面上またはその近傍に補足でき、結果として糸状菌、酵母菌および菌類と直接接触して、これらの増殖を阻害できるものであるべきである。この抗-真菌性物質は、市販品として入手できる直接作用性の抗-真菌剤から選択できる。好ましくは、該抗-真菌性物質は、ナタマイシン(ピマリシンとしても知られている)、ルシマイシン、テトラマイシン、テトリンA、テトリンB、ナイスタチン、アンフテリシン(amphtericin) B、カンジシジン、トリコマイシン、およびこれらの混合物から選択される。最も好ましい態様において、該抗-真菌性物質は、ナタマイシンである。この抗-真菌性物質は、またその他の非-抗-真菌生成分、例えばラクトースおよび二酸化珪素を含むこともでき、これらは、市販品として入手できる抗-真菌剤中に、加工助剤として含まれている。
【0013】
該抗-真菌性物質は、本発明の食品成分の組成物中に、該組成物を基準として、約0.0001〜約10重量%なる量で存在できる。好ましくは、該抗-真菌性物質は、該組成物中に、約0.001〜約5重量%、およびより好ましくは約0.01〜約1重量%なる量で存在する。
一態様において、本発明の食品成分の組成物は、粒状のアンチケーキング材料を調製し、該アンチケーキング材料を封入剤で処理して、少なくとも部分的に該アンチケーキング材料を、該封入剤で封入し、および該封入されたアンチケーキング材料を、直接作用性の抗-真菌性物質で処理して、該抗-真菌性物質の実質的部分を、該封入されたアンチケーキング材料の粒子表面に位置させることによって製造する。
アンチケーキング材料は、該食品成分の組成物中で使用するための、適当な食品グレードのアンチケーキング材料を選択し、適当な量の該アンチケーキング材料を選択することによって与えられる。本発明の組成物で使用するのに好ましい、アンチケーキング材料は、上に列挙したものである。該アンチケーキング材料の好ましい量は、該食品成分の組成物を基準として、約1〜約99重量%、より好ましくは該組成物の約50〜約99重量%、および最も好ましくは該組成物の約70〜約95重量%である。
【0014】
該アンチケーキング材料を、該封入剤で処理して、その少なくとも一部を該封入剤で被覆する。該封入剤は、食品グレードの物質から選択され、好ましい封入剤は、上に列挙したものである。このアンチケーキング材料は、十分な封入剤で処理して、その少なくとも一部を被覆し、また好ましくは、該封入剤は、本発明の食品成分の組成物に、該組成物を基準として、約0.05〜約30重量%、より好ましくは約0.07〜約20重量%、および最も好ましくは約0.1〜約10重量%なる量で存在する。
このアンチケーキング材料は、該封入剤と混合することによって、該封入剤で被覆する。該封入剤は、液体と粒状の固体物質とを混合するための任意の方法によって、該アンチケーキング材料と混合することができる。例えば、該封入剤は、該アンチケーキング材料にこの封入剤を添加し、これら材料を一緒に混合することによって、該アンチケーキング材料と混合することができる。
好ましい一態様において、該封入剤と該アンチケーキング材料とは、前者を後者に噴霧することによって、混合される。該封入剤を該アンチケーキング材料に噴霧する前に、該封入剤を、必要ならば加熱して、該封入剤の粘度を減じ、あるいは該封入剤中の不溶分を可溶化させて、該封入剤を、該アンチケーキング剤上に、容易に噴霧可能とすることができる。
【0015】
最も好ましい態様において、該封入剤は、これを該アンチケーキング材料に噴霧する際に、霧化される。この封入剤の霧化は、該霧化された封入剤が、該アンチケーキング材料を均一に被覆することから、好ましい。該封入剤は、公知の霧化装置により霧化できる。
また、該アンチケーキング材料を攪拌し、他方で該封入剤を該アンチケーキング材料に噴霧することも好ましい。また、該封入剤の適用中に、該アンチケーキング材料を攪拌することは、該アンチケーキング材料に、該封入剤を均一に適用することを保証するのに役立つ。該アンチケーキング材料は、公知の型のブレンドおよび混合装置により攪拌できる。リボン形のブレンダーが、該封入剤の適用中に、該アンチケーキング材料を攪拌するのに、特に好ましい。
次いで、該封入されたアンチケーキング材料を、該抗-真菌性物質で処理して、本発明の初期品性分の組成物を製造する。該抗-真菌性物質は、食品グレードの物質から選択され、好ましい抗-真菌性物質は、上に列挙したものである。この封入されたアンチケーキング材料を、十分な抗-真菌性物質で処理して、該組成物が効果的な抗-真菌活性を与えることができるようにすべきであるが、過剰量の抗-真菌性物質で処理すべきではない。結果として、該食品成分を食品材料に添加した場合に、該食品成分は、食品安全規制の下で許容される抗-真菌剤の最大の濃度を越えないであろう。好ましくは、該抗-真菌剤は、本発明の食品成分の組成物において、該組成物基準で、約0.0001〜約10重量%、より好ましくは該組成物基準で約0.001〜約5重量%、および最も好ましくは該組成物基準で約0.01〜約1重量%なる量で存在する。
【0016】
該封入されたアンチケーキング材料は、該抗-真菌性物質と、該封入されたアンチケーキング材料とを混合することによって、該抗-真菌性物質で処理される。好ましくは、該抗-真菌性物質と該封入されたアンチケーキング材料との混合は、該抗-真菌性物質の、該封入されたアンチケーキング材料への結合を生じ、結果として該組成物が、糸状菌、菌類または酵母菌と直接接触した際に、糸状菌、菌類および酵母菌の増殖を阻害することを可能とする。
該封入されたアンチケーキング材料は、該抗-真菌性物質と該封入されたアンチケーキング材料とを攪拌することにより、該抗-真菌性物質と混合することができる。例えば、該抗-真菌性物質が、固体の粒状物質である場合、該抗-真菌性物質は、該封入されたアンチケーキング材料を攪拌しつつ、該アンチケーキング材料上に振り撒くことができる。
【0017】
好ましい態様において、該抗-真菌性物質は、液状媒体中に含まれており、また該抗-真菌性物質は、該封入されたアンチケーキング材料に該抗-真菌性物質を含む該液状媒体を噴霧することによって、該封入されたアンチケーキング材料と混合することができる。固体抗-真菌性物質を、液体に添加して、該抗-真菌性物質の散布可能な溶液または懸濁液を生成することができる。固体抗-真菌性物質を添加することができる該液体は、水または噴霧に適した任意の食品グレードの液状物質であり得る。好ましくは、該液体は水、またはレシチン、アナトー油(可溶性)、または適当な植物油等のオイルである。該抗-真菌性物質が該液体に不溶である場合、例えばナタマイシンは水中で懸濁液を形成するので、該懸濁液を攪拌し、一方該懸濁液を、該封入されたアンチケーキング材料に噴霧して、該抗-真菌性物質が、該アンチケーキング材料に均一に分散されることを保証する。
【0018】
最も好ましい態様において、該抗-真菌性物質を含む該液状媒体は、これを該封入されたアンチケーキング材料に噴霧する際に、霧化される。該抗-真菌性物質を含む該液状媒体の霧化は、該霧化された液状媒体が、該抗-真菌性物質を、該封入されたアンチケーキング材料上に均一に分配することから、好ましい。該抗-真菌性物質を含む該液状媒体は、公知の霧化装置を用いて霧化できる。
また、該封入されたアンチケーキング材料を攪拌し、かつ該抗-真菌性物質を含む該液状媒体を、該封入されたアンチケーキング材料に噴霧することも好ましい。該抗-真菌性物質の適用中に、該封入されたアンチケーキング材料を攪拌することは、該抗-真菌性物質を、該封入されたアンチケーキング材料に均一に適用するのを助け、かつこれを保証する。該封入されたアンチケーキング材料は、該抗-真菌性物質の適用中に、従来の型のブレンドおよび混合装置によって攪拌することができる。該封入されたアンチケーキング材料を攪拌するには、リボン形のブレンダーが特に好ましい。
【0019】
該抗-真菌性物質で処理した、該封入されたアンチケーキング材料を、該抗-真菌性物質で処理した後に回収する。この回収した材料が、本発明の食品成分の組成物である。
所望ならば、この食品組成物を、食品材料に添加する前に、更に加工することができる。本発明の食品成分の組成物は、該抗-真菌性物質、封入剤およびアンチケーキング材料を結合した後に、公知の方法に従って乾燥することができる。公知の香味料、調味料および香辛料を、該食品成分の組成物に添加して、該食品成分の組成物を添加することになる、食品材料の所定の性質を高めることができる。食品用着色剤を、該食品成分の組成物に添加して、該組成物を着色することができる。
【0020】
もう一つの態様において、本発明の食品成分の組成物は、粒状のアンチケーキング材料を調製し、該粒状アンチケーキング材料を、直接作用性の抗-真菌性物質を含む封入剤で処理して、該抗-真菌性物質の実質的な部分を、該アンチケーキング材料の表面に位置させることにより、調製できる。この方法は上記のようにして行われるが、該抗-真菌剤は、該封入剤に配合される。この封入剤は、該抗-真菌剤を該アンチケーキング材料に分配するための液状媒体として機能する。該アンチケーキング材料を、該抗-真菌性物質を含む該封入剤で処理して、該アンチケーキング材料を該封入剤で封入し、かつ同時に該抗-真菌性物質を、該アンチケーキング材料の粒子表面に適用する。
好ましくは、該抗-真菌性物質を含有する該封入剤は、該アンチケーキング材料に噴霧され、また最も好ましくは該封入剤を該アンチケーキング材料に噴霧する際に、該封入剤は霧化される。該組み合わされた材料を該アンチケーキング材料に噴霧する際に、該抗-真菌性物質を該封入剤中で攪拌することが好ましく、また該アンチケーキング材料を攪拌し、一方で該併合された封入剤と高真菌性物質を適用することも好ましい。
【0021】
本発明は、また食品および機能性成分を含む、食品材料組成物をも目的とし、ここで該機能性成分は、上記した食品成分の組成物である。この食品材料組成物は、酸化性または非-酸化性環境内で、長期間に渡り実質的な抗-真菌活性を持ち、また好ましくは制御された酸化性環境内で、6ヶ月までの期間、およびより好ましくは12ヶ月までの期間、実質的な抗-真菌活性をもつ。ここで使用する「制御された」酸化性の環境とは、5%以下の酸素を含む環境である。この食品材料組成物は、公知の包装並びに保存材料および装置を使用して、包装し、かつ保存できる。
この食品材料組成物の該食品部分は、分割したチーズ材料、醗酵肉製品、例えばソーセージまたはペパローニ、またはケーキングを生じまた糸状菌、酵母または菌類の増殖し易い、分割された材料である、その他の任意の食品である。以下において、この食品材料組成物の該食品部分は、分割したチーズ製品を意味するものとする。というのは、本発明は特に分割したチーズ製品に適用できるからであるが、該食品は、醗酵肉製品、またはケーキングを生じまた糸状菌、酵母または菌類の増殖し易い、分割された材料である、その他の任意の食品をも含むものである。
【0022】
この分割したチーズ製品は、任意の型のチーズから生成し得る。この分割したチーズ材料を、以下の型のチーズ:チェダーチーズ、モッツアレラチーズ、パルメザンチーズ、ロマノチーズ、プロバローニ、アメリカンチーズ、イミテーションチーズ、チーズ類似品、および上記チーズの混合物から選択することが特に好ましい。これらチーズは、チーズを分割するための、任意の公知の方法で分割することができる。該分割されたチーズは、おろした、細断した、さいの目状に細断したおよびスライスしたチーズを含む。
この分割したチーズ材料は、該食品材料組成物の実質的な部分を構成する。というのは、該機能性成分は、該食品材料組成物に配合されて、該組成物の該食品部分を強化するからである。好ましくは、該分割されたチーズ材料は、該食品材料組成物中に、該食品材料組成物を基準として、約50〜約99.9重量%、およびより好ましくは該組成物の約95〜約99.5重量%なる量で存在する。
【0023】
該食品材料の該機能性成分は、該分割されたチーズ材料に分散された、上記の食品成分の組成物である。具体的には、該機能性成分は、粒状のアンチケーキング材料および該アンチケーキング材料の粒子表面上に分配された直接作用性の抗-真菌性物質を含む。該アンチケーキング材料および該抗-真菌性材料は、上記のようなアンチケーキング材料および抗-真菌性材料から選択され、また該食品成分の組成物に関連して上記した量で、該機能性成分中に存在する。
好ましくは、該機能性成分は、該アンチケーキング材料を部分的に封入する封入剤を含み、また該アンチケーキング材料上には、該抗-真菌性物質が配置されている。該封入剤は、該食品成分の組成物に関連して上に列挙した、封入剤から選択され、また該食品成分の組成物に関連して上記した量で、該機能性成分中に存在する。
【0024】
該機能性成分は、該食品材料組成物に、アンチケーキング並びに抗-真菌活性を与えるのに有効な量で、該食品材料組成物中に存在する。好ましくは、該機能性成分は、該食品材料組成物中に、該組成物の、約0.1〜約50重量%、およびより好ましくは該組成物の、約0.5〜約2重量%夏量で存在する。
本発明の食品材料組成物は、分割したチーズ材料を調製し、粒状アンチケーキング材料および該材料の粒子表面上に分散された、直接作用性の抗-真菌性物質を含む、機能性成分を調製し、および該機能性材料を、該分割されたチーズ材料中に分散することによって製造される。
【0025】
分割されたチーズ材料は、上記のように分割されたチーズ材料を選択し、かつ該食品材料組成物中で使用すべき、分割されたチーズ材料の量を、上記のような範囲内に選択することによって与えられる。機能性の成分は、上記のように、上で特定した、アンチケーキング材料、抗-真菌性物質および封入剤を、上に指定した量で含有する、該食品成分の組成物を形成することにより得られる。
該機能性成分は、固体粒状物質を混合するための任意の方法により、該分割されたチーズ材料中に分散することができる。好ましい態様において、該機能性成分は、該材料をブレンダー、例えばリボン形のブレンダー内で、混合することにより、該分割されたチーズ材料中に分散される。該機能性成分を、該分割されたチーズ材料中に分散することによって調製した該食品材料組成物は、公知の包装並びに保存法および装置を使用して、包装し、かつ保存することができる。
【0026】
【実施例】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するものである。
実施例1
第一の実験においては、本発明の食品成分の組成物を調製する。以下の成分を、該成分の全重量に対する、以下の量で準備する。
成分 重量 %( 成分全重量を基準 )
粉末化セルロース(アンチケーキング材料) 96.24
レシチン(封入剤) 1.00
ナタマイシン(抗-真菌性物質) 0.06
ラクトース(抗-真菌性物質中の加工助剤) 0.06
水(抗-真菌性物質を分散するための液状媒体) 2.64
【0027】
該セルロース全体を、リボン形ブレンダーに投入し、数分間混合する。封入剤として適用すべきレシチンの量よりも過剰量のレシチンを加熱して、加工を容易にする目的で、その粘度を下げる。次いで、所定量のレシチンを、該ブレンダーを稼動させたまま、該セルロースを含有する該ブレンダー内で霧化する。所定量のレシチンを添加した後、このブレンダーを数分間稼動させて、該レシチンと該セルロースとを十分に混合する。これとは別に、該ナタマイシン/ラクトース材料を水に懸濁させ、該ナタマイシン/ラクトースを含有する水を攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。次に、該ナタマイシン/ラクトースの水性懸濁液を、該ブレンダーを稼動したまま、該セルロースとレシチンとを含むブレンダー内で霧化する。このナタマイシン/ラクトースの水性懸濁液を、該霧化工程中連続的に攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。該ナタマイシン/ラクトースの水性懸濁液全てを、該ブレンダー中で霧化させた後、該混合を数分間継続して、該併合された成分の均一な混合を保証する。該食品性分の組成物を、該ブレンダーから回収する。
【0028】
実施例2
第二の実験においては、本発明の食品成分の組成物を調製する。ここで、該抗-真菌性物質は、水の代わりに大豆油に懸濁させる。以下の成分を、該成分の全重量に対する、以下の量で準備する。
成分 重量 %( 成分全重量を基準 )
粉末化セルロース(アンチケーキング材料) 96.88
レシチン(封入剤) 1.00
ナタマイシン(抗-真菌性物質) 0.06
ラクトース(抗-真菌性物質中の加工助剤) 0.06
大豆油(抗-真菌性物質を分散するための液状媒体) 2.00
【0029】
該セルロース全体を、リボン形ブレンダーに投入し、数分間混合する。封入剤として適用すべきレシチンの量よりも過剰量のレシチンを加熱して、加工を容易にする目的で、その粘度を下げる。次いで、所定量のレシチンを、該ブレンダーを稼動させたまま、該セルロースを含有する該ブレンダー内で霧化する。所定量のレシチンを添加した後、このブレンダーを数分間稼動させて、該レシチンと該セルロースとを十分に混合する。これとは別に、該ナタマイシン/ラクトース材料を大豆油に懸濁させ、該ナタマイシン/ラクトースを含有する大豆油を攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。次に、該ナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁液を、該ブレンダーを稼動したまま、該セルロースとレシチンとを含むブレンダー内で霧化する。このナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁液を、該霧化工程中連続的に攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。該ナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁材料全てを、該ブレンダー中で霧化させた後、該混合を数分間継続して、該併合された成分の均一な混合を保証する。該食品性分の組成物を、該ブレンダーから回収する。
【0030】
実施例3
第三の実験においては、本発明の食品成分の組成物を調製する。ここで、該抗-真菌性物質は、該封入剤としての大豆油に懸濁させる。以下の成分を、該成分の全重量に対する、以下の量で準備する。
成分 重量 %( 成分全重量を基準 )
粉末化セルロース(アンチケーキング材料) 96.88
ナタマイシン(抗-真菌性物質) 0.06
ラクトース(抗-真菌性物質中の加工助剤) 0.06
大豆油(封入剤) 3.00
【0031】
該セルロース全体を、リボン形ブレンダーに投入し、数分間混合する。これとは別に、該ナタマイシン/ラクトース材料を大豆油に懸濁させ、該ナタマイシン/ラクトースを含有する大豆油を攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。次に、該ナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁液を、該ブレンダーを稼動したまま、該セルロースを含むブレンダー内で霧化する。このナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁液を、該霧化工程中連続的に攪拌して、該ナタマイシンの沈降を防止する。該ナタマイシン/ラクトースの大豆油懸濁材料全てを、該ブレンダー中で霧化させた後、該混合を数分間継続して、該併合された成分の均一な混合を保証する。該食品性分の組成物を、該ブレンダーから回収する。
【0032】
実施例4
第四の実験においては、上記実施例1に従って調製した食品成分の組成物の、食品材料中における、該抗-真菌効率を、純粋なアンチケーキング材料と比較して測定する。
細断したモッツアレラチーズ材料の3つのサンプルを準備する。第一のサンプルは、細断したモッツアレラチーズのみを含む、コントロールサンプルである。第二のサンプルは、99%の細断したモッツアレラチーズと、該チーズ全体に分散された、アンチケーキング材料としての、1%(細断されたチーズに添加される典型的なアンチケーキング材料の量)の粉末化セルロースとを含む。第三のサンプルは、99%の細断したモッツアレラチーズと、該チーズ全体に分散された、実施例1に従って調製された、1%の食品成分の組成物とを含む。
【0033】
各サンプルを、実験室用スタンドの基盤上に配置された振動機を備えた、該実験室用スタンド上に配置された、ロート(底部の流し口を覆ってある)に入れる。このロートは、2.54cm(1インチ(1.00''))なる、底部流し口の径を有する。該振動機を始動させ、該底部の流し口を同時に開放して、該サンプルを、該ロートの底部流し口から流出させる。全サンプルが、該ロートから流出するのに必要な時間を、記録する。以下の式に従って、フローインデックスを算出する:フローインデックス=[全サンプルが、ロートから流出するのに必要な時間/全コントロールサンプルが、ロートから流出するのに必要な時間]×100。該セルロースおよび食品成分組成物のサンプルに関するフローインデックスのグラフを、図1に示す。
該グラフに示されているように、本発明の食品成分組成物は、純粋なアンチケーキング材料と同程度に、アンチケーキング効果を与える上で有効である。
【0034】
実施例5
第五の実験においては、上記実施例1に従って調製した食品成分組成物の、食品材料中における抗-真菌性効率を測定する。
細断したチェダーチーズの3つのサンプルを準備する。その第一のサンプルは、抗-真菌性物質を含まない、コントロールサンプルである。その第二のサンプルは、99%の細断したチェダーチーズと、該チーズ全体に分散された、実施例1に従って調製された、1%の食品成分組成物とを含む。第三のサンプルは、98%の細断したチェダーチーズと、該チーズ全体に分散された、実施例1に従って調製された、2%の食品成分組成物とを含む。これらサンプルを、従来のチーズ包装用の材料内に包装し、冷蔵条件下(約4.4℃〜約7.2℃(40-45°F))にて保存する。
これらサンプルを、酵母および糸状菌の濃度について、標準的な実験室用寒天平板培養により、包装した時点、包装後15日および包装後30日の時点で分析を行う。結果を以下の表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示したように、本発明の食品成分組成物は、食品材料基準で、濃度1%および2%にて、有意な抗-真菌効果を有している。
実施例6
第6の実験では、実施1に従って製造した食品成分組成物により生成されるダストの量を、従来のセルロースアンチケーキング材料と比較して、測定する。
該食品材料組成物のサンプルおよび該セルロースアンチケーキング材料のサンプルを秤量する。これらサンプルを、閉じられた底部流し口を有するロートに、別々に入れる。ここで、該ロートは、約0.763m(2.5ft)の研究室用スタンドの基盤上に載せられている。振動機が、該スタンドの基盤上に配置されており、約11.4cm(4.5インチ)径のサンプル捕集板も、該ロートの該底部流し口直下において、該スタンドの基盤上に載せられている。該振動機を始動させ、該底部の流し口を開放して、該サンプルを、該ロートの底部流し口から、該捕集板に放出する。全サンプルを放出した後、該捕集板に集められたサンプルの量を秤量し、計算は、元のサンプルの重量に対する百分率として、この捕集されたサンプルの重量を表す。ダスト発生サンプルは、低い捕集サンプル重量割合を有する。というのは、より少ない材料が、該サンプル捕集板に集められるからである。結果を、以下の表2に示す。
【0037】
【表2】
表2
【0038】
表2に示したように、該食品成分組成物は、従来のセルロースアンチケーキング材料よりも、ダスト発生量が低い。
実施例7
第7の実験においては、本発明に従って調製した食品成分組成物の、抗-真菌効率を、長期間に渡り測定する。
食品成分組成物を、実施例1に記載のように製造したが、該成分は該成分組成物全体を基準として、以下のような重量%にて含まれる。
成分 重量 %( 成分全重量を基準 )
粉末化セルロース(アンチケーキング材料) 96.24
レシチン(封入剤) 1.00
ナタマイシン(抗-真菌性物質) 0.09
ラクトース(抗-真菌性物質中の加工助剤) 0.09
水(抗-真菌性物質を分散するための液状媒体) 2.58
3つの食品サンプル、即ち細断したモッツアレラチーズからなるコントロールサンプル、細断したモッツアレラチーズと、サンプル中に分散された、該食品成分組成物1重量%とを含むサンプル、および細断したモッツアレラチーズと、サンプル中に分散された、該食品成分組成物2重量%とを含むサンプルを調製する。各サンプルを24個の部分に分割し、公知のチーズ包装材料製の24バッグに包装する。次いで、これらサンプルバッグを、実験期間中、約7.2℃ (45°F)にて保存する。これらバッグを、30、60、120、160および180日目に、肉眼で観測して、各バッグ中の該サンプルが、糸状菌、酵母または菌類の増殖によって腐敗したか否かを決定する。次いで、腐敗した材料を含むバッグの数を、該サンプルの全バッグ数に対する比として表す。結果を以下の表3に示す。
【0039】
【表3】
表3
【0040】
表3に示したように、本発明の食品成分組成物は、長期間に渡り、分割したチーズ材料の腐敗量を減じるのに有効であり、また2重量%の該食品成分組成物を含む分割チーズ材料は、長期間に渡り、糸状菌、菌類および酵母菌の増殖に対して、特に良好に防御される。
実施例8
第八の実験においては、本発明に従って製造した、食品成分組成物の抗-真菌効率を、添加剤を含まないコントロールと比較して、分割チーズ材料において測定する。一サンプルは、該食品材料に添加されたアンチケーキング材料のみを含み、もう一つのサンプルは、該食品材料に添加されたアンチケーキング材料に直接適用した、直接作用性の抗-真菌剤を含む。
食品成分組成物を、実施例1に記載のように製造したが、該成分は該成分組成物全体を基準として、以下のような重量%にて含まれる。
成分 重量 %( 成分全重量を基準 )
粉末化セルロース(アンチケーキング材料) 96.24
レシチン(封入剤) 1.00
ナタマイシン(抗-真菌性物質) 0.12
ラクトース(抗-真菌性物質中の加工助剤) 0.12
水(抗-真菌性物質を分散するための液状媒体) 2.52
【0041】
直接適用のための、抗-真菌/アンチケーキング組み合わせ材料を、該食品成分組成物を製造するのに使用したものと同一の量の、ナタマイシン/ラクトース水性分散液を、該食品成分組成物を製造するのに使用したものと同一の量の、粉末化セルロースに、直接噴霧し、これら材料を一緒に、均一な混合が達成されるまで混合することによって製造する。
チーズサンプルの重量を基準として1%の、該食品成分組成物、該直接適用用の組み合わせ材料、および純粋なアンチケーキング材料を、別々に、細断したモッツアレラチーズのサンプルに添加する。得られるこれら3種のサンプルおよび細断したモッツアレラチーズからなるコントロールサンプルを、公知の細断チーズ包装材料に包装し、約7.2℃ (45°F)にて保存する。包装前、保存後15日目、保存後30日目に、標準的な実験室用の寒天平板培養法によって、これらサンプルの、糸状菌および酵母の生菌数を求める。結果を、以下の表4に示す。
【0042】
【表4】
表4
【0043】
表4に示したように、本発明の食品成分組成物は、分割されたチーズ材料における、糸状菌および酵母の増殖阻害において、直接作用性の抗-真菌性物質を、直接アンチケーキング材料に適用した組み合わせ材料、および純セルロースアンチケーキング材料よりも、一層効果的である。
実施例9
第九の実験においては、酸化性の雰囲気内での、糸状菌、酵母および菌類の増殖阻害における、本発明に従って製造した食品成分組成物の有効性を測定する。
実施例8に示した材料の相対的な量のみを使用して、実施例1に示された方法に従って、食品成分組成物を製造する。この食品成分組成物を、細断したモッツアレラチーズの2種のサンプルに添加する。ここでは、該第一のチーズサンプルの重量を基準として、0.75%の該食品成分組成物を該第一のサンプルに添加し、また第二のチーズサンプルの重量を基準として、1.5%の該食品成分組成物を該第二のサンプルに添加する。更に、2種の細断したモッツアレラチーズサンプルを調製し、その一つは、該チーズサンプルの重量基準で、0.75%の純セルロースアンチケーキング材料を含み、また他方は、該チーズサンプルの重量基準で、1.5%の該セルロース材料を含むものである。細断したモッツアレラチーズのみを含むコントロールサンプルをも調製する。
【0044】
各サンプルを2つの部分に分割し、その一つを、制御された2%酸素雰囲気中で、4つの包装体に包装し、他方の部分を、制御された5%酸素雰囲気中で、4つの包装体に包装する。これらサンプルを包装するのに使用した、該包装材料は、該包装体からの酸素の散逸を防止するために、高酸素バリヤー性のフィルムを有する。
これらのサンプル包装体を、使用頻度の高い冷蔵庫内で、30日間、約7.2℃ (45°F)にて保存して、食料品の過酷な保存条件をシミュレートする。14、20および30日経過後に、酵母、糸状菌または菌類による腐敗状況を、肉眼的な検査により検討する。酵母、糸状菌または菌類によって腐敗した包装体の割合を、以下の式に従って、決定する:(サンプルの腐敗した包装体の数/サンプルの全包装体数)×100。結果を以下の表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
表5に示したように、本発明の食品成分組成物は、制御された酸化性の雰囲気内で、かなりの抗-真菌活性を持つ。
上記の記載は単なる本発明の好ましい態様に関するものであり、上記の特許請求の範囲に記載した、本発明の精神および広い局面から逸脱することなしに、種々の変更並びに改変を加えることが可能であるものと理解すべきである。上記種々の変更並びに改変は、均等範囲に原則(Doctrine of Equivalents)を含む、特許法の原理に従って、解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】純アンチケーキング材料に対する、本発明の食品成分組成物の流量インデックスを示すグラフである。
Claims (5)
- 抗-真菌性およびアンチケーキング性を有する分割されたチーズ用の食品成分の組成物であって、粒状のアンチケーキング物質、該アンチケーキング物質の粒子を、少なくとも部分的に封入する封入剤と、該封入されたアンチケーキング物質の粒子に塗布された、直接作用性の抗-真菌性物質とを含むことを特徴とする、上記食品成分の組成物。
- アンチケーキング性かつ抗-真菌性をもつ、分割されたチーズ用の食品成分の製造方法であって、粒状のアンチケーキング物質を調製し、該アンチケーキング物質を封入剤で処理して、該アンチケーキング物質を該封入剤で、少なくとも部分的に封入し、および該封入されたアンチケーキング物質を、直接作用性の抗-真菌剤で処理して、該抗-真菌剤の実質的部分を、該封入されたアンチケーキング物質の該粒子表面上に、位置させる工程を含む、ことを特徴とする、上記方法。
- アンチケーキング性かつ抗-真菌性をもつ、分割されたチーズ用の食品成分の製造方法であって、粒状のアンチケーキング物質を調製し、および該粒状のアンチケーキング物質を、直接作用性の抗-真菌性物質を含有する封入剤で処理して、該抗-真菌剤の実質的部分を、該粒状のアンチケーキング物質の表面上に、位置させる工程を含む、ことを特徴とする、上記方法。
- 分割されたチーズと、該分割されたチーズに分散された機能性成分とを含み、ここで該機能性成分は、少なくとも部分的に封入剤で被覆された、粒状のアンチケーキング物質で構成され、該封入剤は、その上またはその中に分散された直接作用性の抗-真菌剤を含み、該抗-真菌剤は、該アンチケーキング物質粒子の表面に位置していることを特徴とする、分割されたチーズの組成物。
- 分割されたチーズを、アンチケーキング性および直接作用性の抗-真菌性を有する機能性成分で処理する方法であって、分割されたチーズを調製する工程と、粒状のアンチケーキング物質を含む機能性成分を調製する工程と、ここで該アンチケーキング物質は、その粒子表面上に分散された、直接作用性の抗-真菌性物質を有し、該機能性成分を該分割されたチーズ中に分散する工程とを含む、ことを特徴とする、上記方法。
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