JP3662729B2 - エチレン系重合体及び中空成形体 - Google Patents

エチレン系重合体及び中空成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP3662729B2
JP3662729B2 JP29141397A JP29141397A JP3662729B2 JP 3662729 B2 JP3662729 B2 JP 3662729B2 JP 29141397 A JP29141397 A JP 29141397A JP 29141397 A JP29141397 A JP 29141397A JP 3662729 B2 JP3662729 B2 JP 3662729B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
weight
ethylene polymer
average molecular
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29141397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10182742A (ja
Inventor
勝 青木
清文 松岡
太助 木下
彰博 大坪
徹 松岡
博之 大平
薫 木藪
Original Assignee
日本ポリオレフィン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本ポリオレフィン株式会社 filed Critical 日本ポリオレフィン株式会社
Priority to JP29141397A priority Critical patent/JP3662729B2/ja
Publication of JPH10182742A publication Critical patent/JPH10182742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3662729B2 publication Critical patent/JP3662729B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン系重合体及びその中空成形体に関する。更に詳しくは、高流動性、良好な成形加工性を有するエチレン系重合体及びその中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エチレン系重合体は、重量平均分子量が大きい方が、溶融張力が高く、スウェルが大きく、耐衝撃性、耐環境応力亀裂性(以下、ESCRともいう。)等に優れている。しかし、重量平均分子量が大きい場合には、溶融時の粘度が増加し、流動性が低下する。
W.W.Graessley等(Journal of Polymer Science: Polymer Physics Edition 17巻 1183 ページ(1979))によれば、190℃における分別ポリエチレンのゼ ロ剪断粘度η0は、Mw3.6と式(3)の関係を満たしている。
η0(Poise)=3.40×10-14Mw3.6 ……式(3)
(η0(Pa・s)=3.40×10-15Mw3.6
【0003】
A.Ghijsels等(International Polymer Processing V 284ページ (1990))によれば、190℃でのポリエチレンの溶融張力(MT)はゼロ剪断粘度η0と、 MT=kη0 1/3.4の関係にある(kは比例定数)。すなわち、ゼロ剪断粘度η0 が大きい程、溶融張力が大きくなる。
特開平6−16719号公報には、極限粘度が2〜6dl/g、190℃でのゼロ剪断粘度η0が2×106〜1×107(Pa・s)であることを特徴とする 中空成形用ポリエチレン系重合体が開示されている。しかし、このエチレン系重合体は、ESCRが十分なレベルにない。
そこで、良好な流動性のエチレン系重合体を得ることを目的として、分子量の異なるエチレン系重合体を2段重合、溶液ブレンド、ドライブレンド、溶融ブレンド等することで、分子量分布を広げる方法が提案されている。しかし、低分子量側の分子量を下げ過ぎると、発煙成分が増えるとともに、分子末端が増えて欠陥が多くなり、固体物性が低下する問題がある。
【0004】
特開昭59−115310号公報には、成形性(押出性とバラス効果)に優れ、フィッシュアイの発生し難い重合体の製造法が開示されている。すなわち、特定の触媒で、重合反応を2段階で行い、一方の反応帯域において粘度平均分子量15万〜100万の重合体Aを10重量%〜70重量%生成させ、他方の反応帯域において粘度平均分子量1万〜8万の重合体Bを90重量%〜30重量%生成させ、(重合体Aの粘度平均分子量)/(重合体Bの粘度平均分子量)を4〜80とし、最終的に生成する全重合体のメルトインデックスを0.5g/10分未満とするポリオレフィンの製造法が開示されている。しかし、上記方法では、押出性、すなわち、溶融時の流動性を満足させようとすると固体物性が劣ってしまう。
【0005】
また、特開平7−242775号公報には、成形性に優れ、座屈強度、ESCRに優れる中空成形用エチレン系重合体組成物が開示されている。すなわち、極限粘度が7〜20dl/gのエチレン共重合体成分(a)が8〜25重量%と極限粘度が0.5〜2.5dl/gのエチレン系重合体成分(b)が92〜75重量%からなり、メルトインデックスが0.01〜1.0g/10分であり、溶融状態での10-2ラジアン/秒における貯蔵弾性率(G’)が1.0×104dyne/cm2以上であるエチレン系重合体組成物が開示されている。しかし、上記のエチレン系重合体は混練し難いという問題があり、また成分(a)、(b)各々の分子量分布によっては溶融時の流動性が高くない場合がある。
【0006】
さらに、溶融時の流動性のよいエチレン系重合体として、一般に、いわゆる高圧法の低密度ポリエチレンが知られている。高せん断速度領域において、粘度が低下し押出性が良好であり、低剪断速度での粘度、すなわちゼロ剪断粘度η0が高くなり、高溶融張力であるが、剛性が十分でなく、用途範囲が限定されるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解消し、溶融時の流動性、成形加工性に優れ、剛性等の固体物性に優れたエチレン系重合体及びその中空成形体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエチレン系重合体は、(A)重量平均分子量35万以上200万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体5〜35重量%、(B)重量平均分子量1万以上10万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体95〜65重量%からなるエチレン系重合体であって、該エチレン系重合体の、分子量10万以上100万以下の成分の割合が27重量%未満であり、重量平均分子量が10万以上40万以下であり、温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(以下、MFRともいう)に対する温度190℃、荷重21.6kgfで測定したメルトフローレート(以下、HLMFRともいう。)の比が100以上であり、密度が0.91g/cm3以上0.97g/cm3以下であり、かつ温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレートが0.2g/10分を越え1.0g/10分以下であることを特徴としている。さらに、本発明のエチレン系重合体は、190℃において周波数ωが100から0.01rad/sの範囲で測定した動的溶融粘度η*(Pa・s)を式(1)で近似したとき のゼロ剪断粘度η0(Pa・s)と重量平均分子量Mwとの関係が、式(2)を満足するように構成してもよい。
η*/η0=1/{1+(τ0ω)n} ……式(1)
(式(1)中、nは剪断速度依存性を示す値であり、τ0は緩和時間を表すパラメーター)
η0≧2.0×10-14Mw3.6 ……式(2)
また本発明の中空成形体は、上記構成のエチレン系重合体からなる中空成形体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に詳細に説明する。
本発明のエチレン系重合体は、エチレンの単独重合体でも良く、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィン15重量%以下とから構成された共重合体でも良い。共重合体中のα−オレフィン単位の含有量は、好ましくは0.5〜5重量%である。α−オレフィン構成単位が15重量%より多い場合には、溶剤可溶成分が多くなり好ましくない。炭素数が3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンを例示することができる。これら2種以上のコモノマーを混合してエチレンとの共重合に用いることもできる。
【0010】
一般に、粘度η*(ω)は貯蔵弾性率G’(ω)、損失弾性率G”(ω)と次の関係にある。
η*(ω)=[{G’(ω)}2+{G”(ω)}20.5/ω
従って、粘度η*(ω)を小さくするには貯蔵弾性率G’(ω)、損失弾性率G”(ω)を小さくすればよいが、実際の中空成形やフィルム成形では、押し出しに関係するせん断速度の領域でG’(ω)> G”(ω)の場合が多いため、実質的には、そのせん断速度での貯蔵弾性率G’(ω)を小さくすればよい。
貯蔵弾性率G’(ω)と分子量分布について、Polymer Engineering and Science 26巻 1339頁〜(1986年)に簡単なモデルが述べられているが、それによれば、貯蔵弾性率G’(ω)は、その周波数で絡み合いが緩和しない分子の割合に対応しており、その割合が少ないほど小さい。従って、押し出しに関係するせん断速度の領域での粘度を低くするには、そのせん断速度に対応する線形粘弾性の周波数で、絡み合いが緩和しない分子の割合を少なくすればよい。
ここで、ある分子量M(L)とある分子量M(H)との関係が M(L)< M(H)であるとし、分子量M(L)、 M(H)に対応する周波数をそれぞれω(L)、ω(H)とする。上述の議論より貯蔵弾性率G’(ω)は絡み合った分子の総和に関係する量であるから、ω(L)〜ω(H)間で絡み合った分子の量にほとんど変化がなければ、G’(ω(H))とG’(ω(L))の値にもあまり変化がない。即ちM(L)より大きく M(H)より小さい成分の量が少なければ、 ω(L)〜ω(H)間のG’(ω)の変化量は小さくなる。また一般にG’(ω)は周波数ωとともに増加する。従ってG’(ω)の変化量が小さいとき、G’(ω)/ωの変化量は大きくなり、結果として粘度η*(ω)の変化量は大きくなると考えられる。
【0011】
本発明のエチレン系重合体は、この考え方に基づき、重量平均分子量を10万以上に保ち、かつ分子量10万以上100万以下の成分量を特定量に減らすことで、中空成形やフィルム成形等に対応するせん断速度での流動曲線の傾きを大きくすることができ、中空成形時の耐ドローダウン性を悪化させることなく、押し出し時における粘度が低い材料とすることができることを見出して完成されたものである。
【0012】
(分子量分布)
本発明のエチレン系重合体においては、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCともいう)によって得られた分子量分布の積分曲線の高さから求められた分子量10万以上100万以下の成分の割合が27重量%未満、好ましくは24重量%未満、さらに好ましくは21重量%未満である。分子量10万以上100万以下の成分の割合が27重量%以上であると、押出し時の電力値や樹脂圧力が高くなるため、成形性という観点で不利となる。本発明のエチレン系重合体は、上記分子量分布を有するため、同一の重量平均分子量を持つ従来のエチレン系重合体に比べて、粘度曲線の傾きが大きくなるため、押出し成形時のダイスでのせん断速度領域1〜100s-1の領域における粘度が低く、成形性が改善される。
即ち、一般に成形時の流動性が高いものは、分子量が低く、中空成形時のパリソンの垂れ下がり(ドローダウン)が生じ易いが、本発明のエチレン系重合体は、上記分子量分布を持つため、低いせん断速度領域での粘度は重量平均分子量並みであるから、溶融成形時の樹脂の垂れ下がり(ドローダウン)を保ったまま、流動性を高くすることができ、成形加工性に優れることとなる。
【0013】
(数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw)
本発明のエチレン系重合体において、重量平均分子量Mwは10万以上40万以下であり、好ましくは15万以上30万以下、より好ましくは17万以上25万以下である。
本発明におけるエチレン系重合体のMn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)およびMz(Z平均分子量)は、GPC測定データから較正曲線を使用して分子量を求め、Qファクターによる分子量換算式を使用して求めることができる。具体的には、GPC装置としてWaters社製Waters 150Cを使用し、抗酸化剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(以下、BHTともいう)0.1%を含む1,2,4−トリクロロベンゼンを移動層とし、カラムとして昭和電工(株)社製のShodex HT−G1本、およびShodex HT−806M2本の計3本を直列につなぎ、検出器として示差屈折率計を使用し、測定温度140℃で測定することができる。さらにMn、Mw、Mzを求めるには、一定時間間隔で示差屈折率計により検出されるピーク高さを記録し、溶出時間を横軸にピーク高さ(単位は任意)を縦軸にプロットし、クロマトグラムを作成する。ピーク開始点と終了点間で水平にベースラインを引き、その間でベースラインからのピーク高さHi(iはi番目のデータを意味し、溶出時間の早い方(分子量の高い方)からカウントする)を求める。溶出時間はあらかじめ分子量の異なる一連の単分散ポリスチレン試料により決められた検量線により分子量Mi(iはi番目のデータを意味する)に換算され、さらに以下に示す換算式により各溶出時間のポリエチレンの分子量を求めることができる。
PEi=0.429×Mi
ここでMPEiはi番目のデータのPE換算分子量を表す。
Mn、Mw、Mzは以下の式により求められる。
Mn=ΣHi/Σ(Hi/MPEi)
Mw=Σ(MPEi・Hi)/ΣHi
Mz=Σ(MPEi・MPEi・Hi)/Σ(MPEi・Hi)
このようにして求められたMnとMwの比およびMzとMwの比からそれぞれMw/Mn、Mz/Mwを求めることができる。なおこのようなMn、Mw、Mzの算出法、検量線の作成法は、例えば森 定雄;サイズ排除クロマログラフィー(共立出版発行、1991年)等に詳細に記載されている。
重量平均分子量Mwが10万より小さい場合には、溶融時の張力が低く成形時に垂れ下がりが大きく、また耐衝撃性等の固体物性に劣る。40万より大きい場合はMFRが低く成形性に劣る。
【0014】
(HLMFR/MFR)
本発明のエチレン系重合体は、温度190℃、荷重2.16kgfで測定したMFRに対する、温度190℃、荷重21.6kgfで測定したHLMFRの比が100以上である。このHLMFR/MFR比が100未満では、重量平均分子量を保ったまま流動性を高くすることができない。また成形性の観点からMFRが0.01g/10分以上が好ましく、0.5g/10分以上がさらに好ましい。
【0015】
(密度)
本発明のエチレン系重合体は、JIS K7112に従って測定した密度が0.91g/cm3以上0.97g/cm3以下、好ましくは0.94g/cm3以上0.97g/cm3以下である。密度が0.91g/cm3未満では成形品の剛性が劣り、0.97g/cm3を越えるとESCRが悪くなる。
【0016】
また、本発明のエチレン系重合体の組成は、(A)重量平均分子量35万以上200万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体5〜35重量%、(B)重量平均分子量1万以上10万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体95〜65重量%である。
(A)重量平均分子量35万以上200万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体が5重量%未満では、混練しづらく、35重量%を越えると成形性が低下する傾向にある。
【0017】
本発明のエチレン系重合体は、以下説明するように、ゼロ剪断粘度η0と重量平均分子量Mwとの関係が、従来のエチレン系重合体と比較して大きく異なるようにしてもよい。
(ゼロ剪断粘度η0
ゼロ剪断粘度η0(単位:Pa・s)は、剪断流動ゼロにおける剪断粘度とし て定義され、本発明においては、緩和時間τ0(s)と共に、ANTEC'94(The Society of Plastics Engineers, 1994), 1814ページ(S. Lai等著)に従って、動的溶融粘度η*(単位:Pa・s)をクロスの粘度式(式(1))で近似して 求められる値をいう。
ここで動的溶融粘度η*は、190℃においてパラレルプレートを用いてプレ ート間隔1.5mm、歪み10ないし15%で、周波数ωが100から0.01(単位:rad/s)の範囲で測定した際に得られる値であって、Rheometrics社製のRheometer(RMS800)で得ることができ、その結果の式(1)への近似は回帰法により市販されているコンピュータープログラムを用いて計算することができる。
η*/η0=1/{1+(τ0ω)n} ……式(1)
式(1)中、nは高剪断速度領域における溶融粘度の剪断速度依存性を示すパラメータであり、τ0は緩和時間を表すパラメーターである。
【0018】
(重量平均分子量Mw)
重量平均分子量Mwは、上述のごとく、ポリエチレンのゲルパーミエーションクロマトグラフィの測定データから、較正曲線を使用して分子量を求め、更に森定雄著,「サイズ排除クロマトグラフィー」共立出版発行(1991年)に記載されているQファクターによる分子量換算式を使用して、求めることができる。本発明のエチレン系重合体は、分子量の高い成分(高分子量成分ともいう)および分子量の低い成分(低分子量成分ともいう)が混合した形態が好ましく、特に低分子量成分のMwに対する高分子量成分のMwの比が大きいことが重要である。また低分子量成分及び高分子量成分に対する高分子量成分の割合は、0.05〜0.45が好ましい。特にMwが400,000〜500,000である高分子量成分5〜35重量%及びMwが10,000〜100,000である低分子量成分95〜65重量%の組み合わせが好適である。
【0019】
(ゼロ剪断粘度η0と重量平均分子量Mwの関係)
分別された、いわゆる単分散のエチレン系重合体においては、
η0(Pa・s)=3.40×10-15Mw3.6 ……式(3)
が成立することが知られている。また工業的に製造される従来のエチレン系重合体については、
η0≧2.0×10-14Mw3.6 ……式(2)
を満足しない。
本発明のエチレン系重合体においては、ゼロ剪断粘度η0(Pa・s)と重量平均分子量Mw(g/mole)との関係がη0≧2.0×10-14Mw3.6を満足することが好ましく、さらに好ましくは、η0≧2.5×10-14Mw3.6であり、さらに好適には、η0≧3.0×10-14Mw3.6である。190℃におけるη0の上限は特に限定されないが、成形性の観点から2×106Pa・s未満が好ましい。エチレン系重合体がη0≧2.0×10-14Mw3.6 を満足しない場合には、溶融時の流動性が小さくなる傾向にある。
η0とMw3.6の関係における係数が大きい程、剪断流動場での粘度の低下が大きくなり、溶融時に高流動性であることを示す。
【0020】
(定常状態コンプライアンスJe 0
上述の式(1)により求められた緩和時間τ0とゼロ剪断粘度η0の比(τ0/ η0)として定義される定常状態コンプライアンスJe 0は、樹脂の溶融時の弾性 の指標となるパラメーターで、この値が大きい程弾性が大きい。特に分子構造上、長鎖の分岐がある場合には顕著に大きな値を示す。しかし長鎖の分岐のある分子構造を有していると、耐環境応力亀裂性(ESCR)が不十分となる恐れがあるため、望ましくない。その意味で、樹脂の定常状態コンプライアンスJe 0は、4.0×10-4(Pa-1)を超えないことが好ましい。Je 0が4.0×10-4(Pa-1)を超える場合は、ESCRが不十分となることがある。
【0021】
(MFR)
本発明のエチレン系重合体において、MFRは、JIS K7210、条件4に従い、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定した値をいう。本発明のエチレン系重合体の190℃におけるMFRは、0.2g/10分を越え1.0g/10分以下であり、さらに好ましくは、0.20g/10分を越え0.9g/10分以下であり、さらに好適には、0.20g/10分を越え0.8g/10分以下である。MFRが0.2g/10分以下では押出機内の流動が小さくなる傾向があり、1.0g/10分を越えると溶融張力が小さくなる傾向がある。
さらに、本発明のエチレン系重合体において、JIS K7210、条件7に従い、温度190℃、荷重21.6kgfの条件で測定したHLMFRの値が、20g/10分以上が好ましく、より好ましくは30g/10分以上、さらに好ましくは40g/10分以上である。HLMFRが20g/10分未満では押出機内の流動が十分でないことがある。
そして溶融時に流動性が高いほど、これらの流出量の比であるHLMFR/MFRが大きくなることが知られているが(特開昭54−100444号公報参照)、本発明のエチレン系重合体においては、従来のエチレン系重合体に比較して高いHLMFR/MFR値が得られる。
【0022】
次に本発明のエチレン系重合体の製造方法について説明する。
本発明のエチレン重合体の製造方法としては、分子量の高いエチレン系重合体(A)(以下成分(A)ともいう)と分子量の低いエチレン系重合体(B)(以下成分(B)ともいう)をブレンドする方法、単段重合、2種類以上の触媒系を用いて単段重合する方法、2段重合以上の多段重合などで得ることができる。ブレンドに用いる成分は特開昭58−225105号公報に開示されているような、塩化マグネシウム担持型チーグラー触媒、またはメタロセン触媒を用いて重合することができる。
【0023】
本発明のエチレン系重合体の最も好適な製造方法の1つは、例えば、特開昭58−225105号公報に開示されたような塩化マグネシウム担持型のチーグラー触媒を用いて、パイプループリアクター2基を直列につないだ重合装置において、前段のリアクターにおいて高分子量の成分を、後段のリアクターにおいて低分子量の成分を連続的に懸濁重合することである。
【0024】
重量平均分子量の異なる2種類以上のエチレン系重合体をブレンドする方法としては、混練度が高くなる方法が好ましく、同方向または異方向の2軸押出機、単軸押出機、バンバリーミキサー、かみ合いまたは非かみ合い式連続混練機、ブラベンダー、ニーダーブラベンダーなどによるブレンド方法が挙げられる。
【0025】
本発明のエチレン系重合体には、一般に用いられている酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、防曇剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離形剤、発泡剤、核剤、無機および有機充填剤、補強剤、着色剤、顔料、香料などの添加剤や熱可塑性樹脂を混合して用いることができる。
【0026】
本発明のエチレン系重合体は、合成樹脂の分野で一般に実施されているフィルム成形法、中空成形法、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法のごとき成形方法を適用して所望の形状に成形させてもよい。特に、中空成形法で成形することにより、良好な中空成形体を得ることができる。
また本発明のエチレン系重合体を用いて、中空成形体を得る方法としては、特に限定されず、周知の中空成形体を用いることができ、例えば押出ブロー法、射出ブロー法、射出・押出ブロー法、シートブロー法、コールドパリソン法などを挙げることができる。
【0027】
本発明のエチレン系重合体を成形して得られる中空成形体は、良好なインパクト特性を有しているので、シャンプーボトルや洗剤容器といったトイレタリー製品用容器、ドラム、パレット、自動車用ガソリンタンク等として好適に用いられる。また、ナイロン、ポリエステル、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の基材と組み合わせて、多層中空成形体として使用できる。
【0028】
以下に、本発明に関して、実施例を用いて説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
以下に示す実施例において、得られたエチレン系重合体の評価は以下の通りに行った。
(密度)
JIS K7112に準拠して測定した。
【0030】
(GPCの測定)
・検量線の作製
0.1%のBHTを含む1,2,4−トリクロロベンゼン10mLに、分子量の異なる3種の標準ポリスチレン試料(昭和電工(株)社製)をそれぞれ2mg入れ、室温、暗所で1時間溶解し、その後GPC測定によりピークトップの溶出時間の測定を行った。この測定を繰り返し、計12点(分子量580から850万)の分子量とピークトップの溶出時間より3次式近似で検量線を作成した。
・サンプルの測定
0.1%のBHTを含む1,2,4−トリクロロベンゼン5mLに、エチレン系重合体試料を2mg入れ、160℃で2時間攪拌しながら溶解を行い、その後測定を行った。得られたクロマトグラムからMz/Mwを算出した。
その他の測定条件は以下の通りである。
Figure 0003662729
装置内でのサンプル注入待ち時間:30分(ポリスチレンは5分)
測定によって得られた分子量分布の積分曲線の高さから、分子量10万〜100万の成分の割合を求めた。
(MFR、HLMFR、HLMER/MFR)
MFRについては、JIS K7210、条件4に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgfで測定した。また、HLMFRについては、JIS K7210、条件7に準拠して、温度190℃、荷重21.6kgfで測定した。このHLMFRの値をMFRの値で除したHLMFR/MFR比を算出した。
【0031】
(動的溶融粘度η*、ゼロ剪断粘度η0、緩和時間τ0、定常状態コンプライアンスJe 0、η*(ω)比)
Rheometrics社製のRheometer(RMS800)を使用して、温度190℃、周波数(ω)が0.01〜100rad/sの範囲で、歪み10〜15%にて動的溶融粘度η*(ω)を測定した。樹脂にせん断を加えるための冶具としては、直径25mmのパラレルプレートを使用し、プレート間隔を1.5mmとした。測定によって得られた流動曲線から、周波数0.01rad/sのときの動的溶融粘度η*(ω)に対する周波数100rad/sのときの動的溶融粘度η*(ω)の比をη*(ω)比と定義し、流動性の指標とした。
下記のクロスの式にη*−ω曲線をフィティングさせて、最小二乗法による近 似により緩和時間τ0、ゼロ剪断粘度η0を求めた。さらに定常状態コンプライアンスJe 0=τ0/η0を算出した。
η*/η0=1/{1+(τ0ω)n} ……式(1)
【0032】
(ESCR)
JIS K6760の4.7「定ひずみ環境応力き裂試験」に従って、測定した。単位はhrである。
【0033】
(耐ドローダウン性の評価(A))
東洋精機社製のキャピログラフを使用し、以下に示す押し出し条件で溶融樹脂を押し出したとき、ストランド長が3cmになるまでの時間t(3)とストランド長が13cmになるまでの時間t(13)を測定し、t(13)/t(3)の値を耐ドローダウン性(A)として定義した。
Figure 0003662729
【0034】
(混練性)
東洋精機社製2軸延伸機を用いて、2軸延伸フィルムを引き、フィルム表面を観察し、ゲル、フィッシュアイのないものを、混練性良好とした。
(成形時のメルトフラクチャー)
東洋精機社製キャピログラフを用い、流入角90度、L=25.4mm、D=0.76mmのキャピラリーを使用し、測定温度190℃、サンプル量10gにて、サンプルの押出速度(剪断速度)を変えてそのときの剪断応力を測定した。「剪断速度−剪断応力」の両対数プロットを行い、剪断応力が振動していない領域(メルトフラクチャーが発生していない領域)を直線近似した。また、剪断応力が振動している領域(メルトフラクチャーが発生している領域)での剪断応力の最大値を求めた。この剪断応力の最大値と同じ値の剪断応力に対応する剪断速度を、上記の近似した直線上から求め、その値を臨界剪断速度とした。
この方法で求めた臨界剪断速度が200sec-1以下のものを×、200sec-1を越えるものを○とし、成形時のメルトフラクチャーの起こりにくさの指標とした。即ち、○はメルトフラクチャーが起こりにくく、×はメルトフラクチャーが起こり易いとした。
【0035】
[実施例1]
(固体触媒成分の調製)
直径が10mmの磁性ボール約700個を入れた内容積が1Lのポット(粉砕用容器)に窒素雰囲気で市販のマグネシウムエチラート(平均粒径860ミクロン)20g、粒状の三塩化アルミニウム1.66g及びジフェニルジエトキシシラン2.72gを入れた。これらを振動ボールミルを用い、振幅が6mm及び振動数が30Hzの条件で3時間共粉砕を行った。共粉砕後、内容物を窒素雰囲気下で磁性ボールと分離した。以上のようにして得られた共粉砕生成物5g及び20mlのn−ヘプタンを200mlの三つ口フラスコに加えた。撹拌しながら室温において10.4mlの四塩化チタンを滴下し、90℃まで昇温し、90分間撹拌を続けた。ついで、反応系を冷却した後、上澄み液を抜き取り、n−ヘキサンを加えた。この操作を3回繰り返した。得られた淡黄色の固体を50℃にて減圧下で6時間乾燥を行って、固体触媒成分を得た。
【0036】
(エチレン系重合体成分の調製)
(成分(A)の調製)
容量が1.5Lのオートクレーブを十分に窒素置換した。次に上記の方法で得た固体触媒成分を2mg、濃度0.5mol/Lのトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を1.5ml、イソブタン600mlを加えた。その後水素を0.2NLオートクレーブに導入した。オートクレーブの温度を80℃まで上げた所、容器内の圧力は13.5kg/cm2であった。次にコモノマーとして1−ヘキセン20gを圧力5kg/cm2Gのエチレンとともにオートクレーブ中に入れ、そのままエチレン分圧を5kg/cm2Gに保ったまま連続的に供給し、60分間重合を行った。ついで内容ガスを系外に放出することにより重合を終結した。得られたエチレン系重合体(成分(A))の温度190℃、荷重21.6kgfのMFRは0.2g/10分であった。成分(A)のMw、Mw/Mnを表1に示す。
(成分(B)の調製)
水素を室温にてゲージ圧で6kg/cm2Gになるまで加え、コモノマーを使用しなかった以外は上記成分(A)の調製と同様の方法でサンプルを得た。得られたエチレン系重合体の温度190℃、荷重2.16kgfのMFRは80g/10分であった。成分(B)のMw、Mw/Mnを表1に示す。
【0037】
(エチレン系重合体の調製)
東洋精機社製のラボプラストミルを用い、酸化防止剤に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.05重量%、及びチバガイギー社製イルガノックス1010を0.1重量%加えた成分(A)及び同様の添加剤処方の成分(B)を50/50の重量比率で総量35gを窒素雰囲気下、40回転/分で7分間混練した。その後、さらに成分(B)を加え、成分(A)と成分(B)の重量比率が26/74となるようにし、再度ラボプラストミルにより窒素雰囲気下7分間混練し、エチレン系重合体を得た。
得られたエチレン系重合体を上に示す方法で分析及び物性評価を行った。その結果を表2および表3に示す。
【0038】
表3に示すように、実施例1で得られたエチレン系重合体は、流動性の指標となるHLMFR/MFR、η*(ω)比が大きく、また、ESCR、耐ドローダウン性が高く、成形時のメルトフラクチャーが起こりにくく、成形性が良好である。
さらに以下に示すように、実施例2〜、及び比較例1〜のエチレン系重合体のサンプルを作製した(表1)。
【0039】
[実施例2]
実施例1において成分(A)の重合時の水素量を0.38NLに、成分(B)の重合時の水素圧を5kg/cm2Gに設定して、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)、成分(B)を得、成分(A)と成分(B)の重量比率が最終的に30/70になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。
[実施例3]
実施例1で用いた成分(A)と実施例2で用いた成分(B)を最終的に30/70の重量比率になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。
【0040】
[実施例4]
実施例2で用いた成分(A)と実施例1で用いた成分(B)を最終的に29/71の重量比率になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。
【0041】
比較例1
実施例1において、成分(A)の重合時の水素量を0.1NLに、成分(B)の重合時の水素圧を8kg/cm2Gにに設定して、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)、成分(B)を得、さらに成分(A)を7.5g、成分(B)を22.5g、酸化防止剤としてトリメチルフェノール1gを加え、窒素雰囲気下で150℃に熱した1,2,4−トリクロロベンゼン1L中に入れ、そのまま1時間溶解させた。その後、ドライアイスで冷やしたメタノール3L中に溶液を投入し、ポリマーを再沈させた。得られたポリマーを良く風乾した後、15時間、70℃の真空乾燥機で乾燥した。乾燥したポリマーをアセトンに溶解後、酸化防止剤としてBHTを0.1重量%になるように加えた後、良く風乾して、サンプルを得た。
【0042】
[実施例6]
(シリカ担持型アルミノキサンの調製)
十分に窒素置換した300mlフラスコにトルエン80mlとシリカ(デビソン社製デビソン952を600℃、8時間焼成したもの)5gを加え、この懸濁液にメチルアルミノキサン(東ソーアクゾ社製、1.3M(Al原子換算)トルエン溶液、メチル基/アルミニウム原子=1.32)33mlを加え、80℃にて4時間加熱攪拌した。トルエンで2回洗浄を行い、シリカ担持型アルミノキサンを得た。
【0043】
(エチレン系重合体成分の調製)
(成分(A)の調製)
十分に窒素置換した内容積1.5Lのステンレス製オ−トクレ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/L)を33.2ml、上記調製したシリカ担持型アルミノキサン120mg、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド1.0mgをトルエン5mlに溶解した溶液、及びイソブタン800mlを導入した後、70℃に昇温した。エチレンをオートクレーブに導入することで重合を開始し、全圧20kg/cm2G、70℃にて30分重合を行ない、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)を得た。
(成分(B)の調製)
十分に窒素置換した内容積1.5Lのステンレス製オ−トクレ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/L)を3.2ml、上記調製したシリカ担持型アルミノキサン30mg、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.14mgをヘキサン5mlに溶解した溶液、及びイソブタン800mlを導入した後、70℃に昇温した。水素及びエチレンの重量比を水素/エチレン=1×10-4になるようにオートクレーブに導入することで重合を開始し、全圧20kg/cm2G、70℃にて30分重合を行ない、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(B)を得た。
(エチレン系重合体の調製)
成分(A)7.5gと成分(B)22.5gを、比較例1と同様の方法でブレンドしてサンプルを得た。
【0044】
実施例2〜4、比較例1、2で得られたサンプルにつき、実施例1と同様にして物性を評価した結果を表2および3に示す。実施例2〜4、比較例1、2で得られたエチレン系重合体も、流動性の指標となるHLMFR/MFR、η*(ω)比が大きく、また耐ドローダウン性が高く、成形時のメルトフラクチャーが起こりにくく、成形性が良好である。
【0045】
[比較例
実施例1において、成分(A)の重合時の水素量を0.76NLにし、コモノマーとして1−ヘキセンの変わりに1−ブテンを使用し、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)と成分(B)を得、成分(A)と成分(B)の重量比率を45/55の割合になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。得られた重合体は表2および表3に示すように、分子量10万〜100万の成分が29重量%と多く、HLMFR/MFR、η*(ω)比が小さく、流動性が十分なレベルでない。またESCR、耐ドローダウン性が低い。
【0046】
[比較例
実施例1において、成分(A)の重合時の水素量を0.82NLにし、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)を得、成分(A)と成分(B)の重量比率を50/50の割合になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。得られた重合体は表3に示すように、HLMFR/MFR、η*(ω)比が小さく、流動性が十分なレベルでない。またESCR、耐ドローダウン性が低い。
【0047】
[比較例
実施例1において、成分(A)の重合時の水素量を0.96NLにし、表1に示すMw、Mw/Mnを有する成分(A)を得、成分(A)と実施例2で用いた成分(B)の重量比率を60/40の割合になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを得た。得られた重合体は表3に示すように、HLMFR/MFR、η*(ω)比が小さく、流動性が十分なレベルでない。またESCR、耐ドローダウン性が低い。
【0048】
【表1】
Figure 0003662729
【0049】
【表2】
Figure 0003662729
【0050】
【表3】
Figure 0003662729
【0051】
[実施例
前段が145リットル、後段が290リットルの2基のパイプリアクターが直列に連結された2段重合用リアクターを十分に窒素置換した。次に、イソブタンを供給してリアクター内をイソブタンで満たした後、トリイソブチルアルミニウムを、その前段リアクター中の濃度が1.0mmol/リットルになるように供給し、攪拌しながら前段リアクターを80℃、後段リアクターを90℃に昇温した。次いで、エチレンを、その前段リアクター中の濃度が1.0重量%、後段リアクター中の濃度が2.6重量%となるように、また水素を、その前段リアクター中の濃度が8.0×10-5重量%、後段リアクター中の濃度が0.05重量%となるように供給するとともに、1−ヘキセンを、その前段リアクター中の濃度が1.1重量%となるように供給した。
ついで特開昭58−225105号公報に記載された実施例に従って調製した主触媒の供給速度が、2.0g/hrとなるように連続的に供給して重合を開始した。イソブタンを前段リアクターに51.5kg/hr、後段リアクターにはさらに34.0kg/hrで連続的に供給しつつ、生成エチレン系重合体を20kg/hrで排出し、前段のトリイソブチルアルミニウム濃度、前後段のリアクター中のエチレン、水素濃度ならびに温度は前述のとおり保持した。排出されたエチレン系重合体のイソブタンスラリーは、常圧にもどすことにより、イソブタンを蒸発させ、ついで80℃のコンベアドライヤーにより乾燥し粉末とし、37mmφの同方向、噛み合い型2軸押出機を用いてペレタイズしてサンプルとした。こうして得られたサンプルについて、物性評価した結果を表4および表5に示す。
【0052】
表5に示すように、実施例で得られたエチレン系重合体はHLMFR/MFRが大きく、高い流動性を有することがわかる。
さらに以下に示すように、実施例、及び比較例のエチレン系重合体のサンプルを作製し、物性を評価した。その結果も併せて表4および表5に示す。
【0053】
[実施例
実施例において、前段リアクターの水素濃度を5.0×10-5重量%、後段リアクターの水素濃度を0.04重量%とし、高分子量成分/低分子量成分の重量比が20/80となるように重合を調整した以外は、実施例と同様の方法でサンプルを得た。
【0054】
[実施例
重量平均分子量Mwがそれぞれ、500,000g/mole、30,000g/moleのエチレン系重合体を重量比30/70で、チバガイギー社製Irg1010を0.2phr、チバガイギー社製Irg168を0.1phr、ステアリン酸カルシウムを0.1phr添加しドライブレンド後、37mmφの同方向、噛み合い型2軸押出機を用いてペレタイズしてサンプルとした。
【0055】
[実施例
実施例において、前段リアクターの水素濃度を5.0×10-5重量%、後段リアクターの水素濃度を0.003重量%とし、1−ヘキセンの供給量を3.5重量%、高分子量成分/低分子量成分の重量比が20/80となるように重合を調整した以外は実施例と同様の方法でサンプルを得た。
【0056】
[実施例
重量平均分子量Mwがそれぞれ、750,000g/mole、20,000g/moleのエチレン系重合体を重量比30/70で、チバガイギー社製Irg1010を0.2phr、チバガイギー社製Irg168を0.1phr、ステアリン酸カルシウムを0.1phr添加しドライブレンド後、37mmφの同方向、噛み合い型2軸押出機を用いてペレタイズしてサンプルとした。
こうして得られた実施例のエチレン系重合体は、表5に示すように、HLMFR/MFRが大きく、高い流動性を有し、またESCR、耐ドローダウン性が高く、成形時のメルトフラクチャーが起こりにくく、成形性が良好であることがわかる。
【0057】
[比較例
実施例において、前段リアクターの水素濃度を1.6×10-3重量%、後段リアクターの水素濃度を0.03重量%とし、高分子量成分/低分子量成分の重量比が50/50となるように重合を調整した以外は実施例と同様の方法でサンプルを得た。
比較例で得られたサンプルは、表4および表5に示すように、ゼロ剪断粘度について式(2)を満足せず、HLMFR/MFRが充分なレベルでなく、耐ドローダウン性が低い。
【0058】
[比較例
実施例において、前段リアクターの水素濃度を5.0×10-4重量%、高分子量成分/低分子量成分の重量比が50/50となるように重合を調整した以外は実施例と同様の方法でサンプルを得た。得られたサンプルは、表4および表5に示すように、ゼロ剪断粘度について式(2)を満足せず、MFRが低く、成形性が悪い。
【0059】
[比較例
重量平均分子量Mwがそれぞれ、200,000g/mole(高分子量成分)、20,000g/mole(低分子量成分)のエチレン系重合体を重量比75/25で、Irg1010を0.2phr、Irg168を0.1phr、ステアリン酸カルシウムを0.1phr添加しドライブレンド後、37mmφの同方向、噛み合い型2軸押出機を用いてペレタイズしてサンプルとした。得られたサンプルは、表4および表5に示すように、ゼロ剪断粘度について式(2)を満足せず、HLMFR/MFRが非常に低く流動性が悪く、耐ドローダウン性が低い。
【0060】
[比較例
重量平均分子量Mwがそれぞれ、800,000g/mole(高分子量成分)、30,000g/mole(低分子量成分)のエチレン系重合体を4/96の重量比でドライブレンド後に、Irg1010を0.2phr、Irg168を0.1phr、ステアリン酸カルシウムを0.1phr添加し、37mmφの同方向、噛み合い型2軸押出機を用いてペレタイズしてサンプルとした。こうして得られたサンプルは、高分子量成分の分散が悪く、ストランドの肌荒れが発生し、実用レベルにないことがわかった。
【0061】
【表4】
Figure 0003662729
【0062】
【表5】
Figure 0003662729
【0063】
以下に示す実施例10においては、連続重合によりエチレン系重合体を得、中空成形体を製造し評価を行った。
[実施例10
(1)中空成形
実施例で調製したサンプルを用いて、中空成形機(ベクム90mmφ、双頭2PK125)にて、ダイコア13.0〜10.5mmφ、押出機の設定温度150〜180℃、金型温度25℃、冷却時間15秒、スクリューの回転数38rpmとして、380mlのボトルを中空成形した。この時のモーター負荷電流、押出量、樹脂圧力、樹脂温度を表6に示す。
(2)ダイスウェルの測定
スクリュー回転数38rpmで押出したパリソンを25cm垂らしたところでカットし、水で急冷後パリソン外径を計測し、ダイ径との比としてダイスウェルを算出した。その結果を表6に併せて示す。
【0064】
(3)耐ドローダウン性の評価(B)
スクリュー回転数38rpmでパリソンを押出しながら、長さ10cm及び110cm垂れさがるまでの時間の比(T1100/T100)として耐ドローダウン性を評価した。(T1100/T100)が大きいほど、パリソンのドローダウンが遅く、耐ドローダウン性が良好といえる。その結果を、表6に併せて示す。
表6に示すように、実施例10の中空成形においては、スクリューの回転数を一定にした時に、樹脂温度、樹脂圧力を低く抑えることができた。またダイスウェルが大きく、ドローダウンが小さく、本発明のエチレン系重合体は、中空成形加工性に優れていることがわかる。
【0065】
[比較例10
比較例で調製したサンプルを用いた以外は実施例10と同様にして、中空成形した。中空成形時の成形性評価を表6に記載した。実施例10と比較した場合、樹脂温度、樹脂圧力が高く、ダイスウェルが小さい。
【0066】
【表6】
Figure 0003662729
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のエチレン系重合体は、剛性、溶融時の流動性が高く、成形加工性に優れており、特に中空成形加工において、耐ドローダウン性、混錬性が良好である。

Claims (3)

  1. (A)重量平均分子量35万以上200万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体5〜35重量%、(B)重量平均分子量1万以上10万以下であり、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比が10以下であるエチレン系重合体95〜65重量%からなるエチレン系重合体であって、
    該エチレン系重合体の、分子量10万以上100万以下の成分の割合が27重量%未満であり、重量平均分子量が10万以上40万以下であり、温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレートに対する温度190℃、荷重21.6kgfで測定したメルトフローレートの比が100以上であり、密度が0.91g/cm3以上0.97g/cm3以下であり、かつ温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレートが0.2g/10分を越え1.0g/10分以下であることを特徴とするエチレン系重合体。
  2. 90℃において周波数ωが100から0.01(rad/s)の範囲で測定した動的溶融粘度η*(Pa・s)を式(1)で近似したときのゼロ剪断粘度η0(Pa・s)と重量平均分子量Mwとの関係が、式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載のエチレン系重合体。
    η*/η0=1/{1+(τ0ω)n} ……式(1)
    (式(1)中、nは剪断速度依存性を示す値であり、τ0は緩和時間を表すパラメーター)
    η0≧2.0×10-14Mw3.6 ……式(2)
  3. 請求項1または2記載のエチレン系重合体からなる中空成形体。
JP29141397A 1996-10-24 1997-10-23 エチレン系重合体及び中空成形体 Expired - Fee Related JP3662729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29141397A JP3662729B2 (ja) 1996-10-24 1997-10-23 エチレン系重合体及び中空成形体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28268996 1996-10-24
JP8-282689 1996-10-24
JP29141397A JP3662729B2 (ja) 1996-10-24 1997-10-23 エチレン系重合体及び中空成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10182742A JPH10182742A (ja) 1998-07-07
JP3662729B2 true JP3662729B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=26554714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29141397A Expired - Fee Related JP3662729B2 (ja) 1996-10-24 1997-10-23 エチレン系重合体及び中空成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3662729B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6388017B1 (en) * 2000-05-24 2002-05-14 Phillips Petroleum Company Process for producing a polymer composition
KR100848525B1 (ko) 2000-12-21 2008-07-25 닛폰포리프로가부시키가이샤 에틸렌계 중합체
CA2465479A1 (en) 2003-04-28 2004-10-28 Tosoh Corporation Polyethylene composition and process for producing same
KR101121598B1 (ko) * 2004-04-22 2012-03-16 셰브론 필립스 케미컬 컴퍼니 엘피 크롬/알루미나 촉매를 사용하여 제조된 폴리머 및 설페이트처리에 의한 활성 크롬/알루미나 촉매 제조 방법
JP5016258B2 (ja) * 2005-05-23 2012-09-05 日本ポリエチレン株式会社 ポリエチレン樹脂・その製造方法並びにその樹脂を用いたパイプおよび継手
US20090082523A1 (en) * 2005-05-23 2009-03-26 Japan Polyethylene Corporation Polyethylene resin, process for producing the same, and pipe and joint comprising the resin
US8937139B2 (en) * 2012-10-25 2015-01-20 Chevron Phillips Chemical Company Lp Catalyst compositions and methods of making and using same
KR101592436B1 (ko) * 2014-06-16 2016-02-05 주식회사 엘지화학 내환경 응력 균열성이 우수한 폴리올레핀
JP7088717B2 (ja) * 2018-03-30 2022-06-21 株式会社プライムポリマー エチレン系共重合体組成物
CN116217760A (zh) 2018-09-17 2023-06-06 切弗朗菲利浦化学公司 铬催化剂的光处理以及相关的催化剂制备系统和聚合工艺
WO2021055270A1 (en) 2019-09-16 2021-03-25 Chevron Philips Chemical Company Lp Chromium-catalyzed production of alcohols from hydrocarbons
CN116490268B (zh) 2020-09-14 2026-01-13 切弗朗菲利浦化学公司 由烃通过过渡金属催化生产醇和羰基化合物
US12134591B2 (en) 2022-10-31 2024-11-05 Chevron Phillips Chemical Company Lp Methanol production from methane utilizing a supported chromium catalyst

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10182742A (ja) 1998-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102258230B1 (ko) 올레핀계 중합체
EP1546252B1 (en) Polyethylene compositions for injection molding
JP3662729B2 (ja) エチレン系重合体及び中空成形体
EP1937769B1 (en) Composition
AU2004239250A1 (en) Polymer composition and process to manufacture high molecular weight-high density polyethylene and film therefrom
KR20200044295A (ko) 올레핀 중합용 촉매
EP1669403A1 (en) Novel propylene polymer blends
JP2005511348A (ja) ポリエチレン樹脂の酸素テーラリング
US20120316298A1 (en) Linear Low Density Polymers Having Optical and Processing Capabilities of Low Density Polyethylene
JP2014083770A (ja) 発泡ブロー成形用エチレン系重合体および樹脂組成物
EP0755970A1 (en) Process for the extrusion of polyethylene
JP4749725B2 (ja) ポリエチレン系樹脂材料及びそれを用いた中空成形体
JP2013100418A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物、ポリエチレン押出発泡シート及びそれからなる容器
JP4925593B2 (ja) ポリエチレン系重合体組成物
JP2006241451A (ja) ポリエチレン組成物
JP3362089B2 (ja) プロピレン樹脂組成物
JP5203587B2 (ja) プロピレン系重合体及び発泡成形体
JP2000159922A (ja) 予備発泡粒子の製造方法
US6426385B2 (en) Resin composition and injection-molded article
JP3761386B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2014019806A (ja) ポリエチレン樹脂組成物
US20070037932A1 (en) Nucleating agent
JP2013136679A (ja) ポリオレフィン系樹脂押出シート及び容器
JP5365396B2 (ja) 発泡中空成形体
US20080188632A1 (en) Linear Low Density Polymers Having Optical and Processing Capabilities of Low Density Polyethyelene

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees