JP3663816B2 - X線撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線管による被検体へのX線曝射に伴ってイメージインテンシファイアで検出されるX線検出信号をディジタル変換してX線画像を得るタイプのX線撮影装置に係り、特にX線画像のコントラストをアップさせるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院等に設置されている医用のX線撮影装置は、被検体(患者)を挟んで対向設置されたX線管、および、イメージインテンシファイア(以下、適宜「I・I管」と略記)を具備する撮像部を備えていて、被検体へのX線曝射に伴って撮像部から出力されるX線検出信号をディジタル変換してX線画像を得るとともに、得られたX線画像をTVモニタの画面に映し出したり、又は、フィルムの上に焼き付けしたりして、X線画像を表示する構成となっている。
そして、従来のX線撮影装置は、普通、撮影部位の組織・器官が全て重なったかたちで表示される単純撮影の他に、被検体内の関心裁断面だけが抽出されたかたちで表示される断層撮影が出来るよう構成されている。
【0003】
この断層撮影の原理を、図9を参照しながら説明する。ここでは、図9に示すように、被検体Mにおける関心裁断面Maが抽出されたような状態で鮮明に表示されることになる。断層撮影の場合、X線管51とI・I管52とが、被検体における関心裁断面Ma上の点を挟んで対称な位置関係になるように、X線管51とI・I管52とからなる撮像部を連動して移動させ、撮像部の移動過程て得られた各X線画像を積分している。
【0004】
すなわち、関心裁断面Maに位置する点A,Bが、常にI・I管52のX線検出面52aの同一点a,点bに投影されるように、I・I管52とX線管51とを連動して移動させるのである。こうすると、関心裁断面Maから外れた位置の点Cは、撮像部の移動につれてX線検出面52aでの投影位置が変化する。X線管51が位置P1の時には、点CがX線検出面52aの点c1に投影され、X線の照射角度が異なる位置P2にX線管51が移った時には、点CがX線検出面52aの点c2に投影される。
【0005】
この結果、各X線画像を積分した時に、点Cの信号はX線画像の上にばらまかれた(分配された)ようなかたちとなって、積分後のX線画像では点Cはボケ像となる。関心裁断面Maから離れている距離が大きくなるほど点のボケ度合も大きくなる。したがって、撮像部の移動過程で得られる異なる複数のX線画像を積分することにより、関心裁断面Maだけが鮮明に現れた断層X線画像が得られるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のX線撮影装置の場合、最終的に表示されるX線画像のコントラストが十分でないという問題がある。X線画像のコントラストが十分でないのは、I・I管52に散乱X線が入射するためである。I・I管52の前面にグリッドを設け、散乱X線を除去するようにしてはいるけれど、グリッドだけでは散乱X線を十分に除去することは出来ないのである。グリッドを密に配設すれば、散乱X線の除去率は高まるけれども、いわば真の信号分である直進X線(非散乱X線)の除去率も増大し、撮像部から出力される信号量が減少してしまうことから、やはりコントラストの向上を実現することができない。
【0007】
この発明は、上記問題点に鑑み、X線画像のコントラストを適切なかたちで向上させられるX線撮影装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るX線撮影装置は、被検体を挟んで対向設置されたX線管およびイメージインテンシファイアと、被検体へのX線曝射に伴ってイメージインテンシファイアから出力される透過X線検出信号をディジタル変換してX線画像を作成する画像形成手段と、X線画像を記憶する画像記憶手段と、X線画像を表示する画像表示手段とを備えているX線撮影装置において、前記X線管と被検体との間に位置するとともにX線画像の中に像として出現するよう配置されたX線遮蔽片と、X線画像におけるX線遮蔽片像エリアの画素の中で、最小の信号強度を検出する信号強度検出手段と、X線画像の各画素信号について前記信号強度検出手段により検出された最小の信号強度相応分をそれぞれ差し引く補正処理をおこなう画像補正手段とを備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のX線撮影装置において、X線管とイメージインテンシファイアとが、被検体における関心裁断面上の点を挟んで対称な位置関係になるように、X線管とイメージインテンシファイアとからなる撮像部を連動して移動させる撮像部移動手段と、撮像部の移動過程で得られる各X線画像において、X線遮蔽片像の出現位置が変化するように、撮像部の移動に伴って、X線管に対するX線遮蔽片の位置を変えるX線遮蔽片移動手段と、撮像部の移動過程で得られる各X線画像を積分して被検体の関心裁断面の断層X線画像を得る画像積分手段とを備えている。
【0010】
〔作用〕
次に、この発明のX線撮影装置により被検体のX線撮影を行う際の作用を説明する。
請求項1の発明のX線撮影装置では、X線管から被検体にX線が照射されると、I・I管へ被検体からの透過X線が入射して検出され、撮像手段から透過X線信号として出力される。この透過X線検出信号は、画像形成手段によりディジタル変換されてX線画像として画像記憶手段に送られて記憶される。
【0011】
一方、請求項1のX線撮影装置の場合、X線管と被検体との間に配置されたX線遮蔽片がX線画像の中に像として出現する。そして、X線画像の中のX線遮蔽片像エリアの画素の中で、最小の信号強度が信号強度検出手段により検出され、画像補正手段により、X線画像の各画素信号について、信号強度検出手段で検出された最小の信号強度相応分を差し引く補正処理をおこなう。
X線遮蔽片は直進X線を遮るので、X線遮蔽片像エリアの画素の画像信号は、直進X線によるものではなく、事実上、散乱X線量だけによるものとなる。したがって、画像補正手段による差し引き補正処理を施したX線画像は、散乱X線の影響が除かれた画像となる。この結果、表示画像における濃淡変化に関係しない散乱X線による信号分に画像表示の濃淡変化範囲を割り当てる必要がなくなり、表示画像における濃淡変化に関係する信号分だけに濃度変化範囲全体を割当てられるようになり、表示されるX線画像の濃淡変化は、従来よりも顕著なものとなる。
【0012】
請求項2のX線撮影装置では、断層撮影がおこなわれて断層X線画像が得られることになる。すなわち、X線管とI・I管を連動させて移動させる過程で得られる各X線画像を画像積分手段により積分することにより、被検体の関心裁断面の断層X線画像が得られる。勿論、断層X線画像も、画像補正手段による散乱X線による信号分を差し引く補正処理により、濃淡変化は、従来よりも大きくなる。
【0013】
また、遮蔽片移動手段により、X線管に対するX線遮蔽片の位置が変化するので、各X線画像の中のX線遮蔽片像の出現位置が変化し、断層X線画像の一部がX線遮蔽片の像(陰)で完全に隠されて見えない状態となることが避けられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のX線撮影装置の一実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係るX線撮影装置の大略構成を示すブロック図である。
【0015】
実施例のX線撮影装置には、被検体Mを載置したまま左右や前後に移動させられる天板1と、天板1を挟んで対向支持されたX線管2およびI・I管3を具備した撮像部4とが設けられている。なお、天板1は左右や前後の移動の他、上下移動も可能である。天板1の移動は天板系駆動部5によりおこなわれる。
【0016】
また、実施例装置には、撮像部4に対し、断層X線画像を得るのに必要な動作をおこなわせる撮像系駆動部6も設けられている。なお、実施例装置による断層撮影原理は、図9を参照して先に説明したものと同じであるから、改めての説明は省略する。
【0017】
実施例装置による断層撮影の場合、図1に示すように、撮像系駆動部6により、X線管2が位置F1→位置F2→位置F3と移動してX線の照射角度(視野角)が変更されるとともに、X線の照射角度の変更に合わせて、I・I管3も位置f1→位置f2→位置f3と移動する。すなわち、X線管2とI・I管3とが被検体における裁断面上の点を挟んで対称な位置関係を維持しながら、撮像部の移同過程で複数のX線画像が得られるよう構成されているのである。実施例装置の場合、撮像系駆動部6は、X線照射角度の変更機能や、I・I管の位置移動機能の他、X線管2への高電圧印加機能なども具備している。
【0018】
また、被検体Mを透過して来るX線を受けるI・I管3の方では、被検体MヘのX線照射に伴って被検体MのX線透視(光)像が検出されるとともに、このX線透視像がI・I管3の裏側に付設されたTVカメラ部3aで撮影されて、透過X線検出信号としてアナログ信号が、(必要に応じて増幅回路を介して)信号処理系のAD変換器20へ出力される。
【0019】
一方、実施例のX線撮影装置では、撮像処理系における構成上の特徴として、小円板状の鉛片(X線遮蔽片)10がX線管2と被検体Mの間に位置するとともに、X線画像中に円形の陰となって映し出される向き(姿勢)で配置されている。この鉛片10は、支持ロッド11によって、X線管2の横面に取り付けられたモータ12の回転軸に結合されており、図1に示すように、X線管2の位置の移動に連動して、モータ12の回転軸が、所定角度だけ回り、鉛片10が振り子が振れるような感じで移動する。これにより、X線管2に対する鉛片10の位置が変化するようになっている。勿論、鉛片10は直進X線を遮蔽するので、I・I管3のX線検出面における鉛片10に対応する位置には、直進X線が入射せず、散乱X線だけが入射するかたちとなる。なお、支持ロッド11の方はX線透過材(例えば、プラスチック棒など)で形成されている。
【0020】
実施例装置の信号処理系には、タイミング信号発生器21から出力される制御信号に従って透過X線検出信号をディジタル信号に変換し、X線画像の各画素信号として出力するAD変換器20が設けられているとともに、AD変換器20から出力される各画素信号を次々とX(横)とY(縦)の方向に沿って続くアドレス番号により各画素の番地付けをして格納し、X線画像として記憶するフレームメモリ(画像記憶手段)22a,22bが設けられている他、X線画像を画面に映し出すTVモニタ(画像表示手段)23も設けられている。フレームメモリ22a,22bは、各々がX線画像1枚分の画素信号を記憶できる。したがって、実施例装置では、AD変換器20およびタイミング信号発生器21を中心に画像形成手段が構成されていることになる。
【0021】
そして、実施例のX線撮影装置は、信号処理系における構成上の特徴として、X線画像におけるX線遮蔽片像エリアの画素の信号強度を検出する信号強度検出手段と、X線画像の各画素信号について前記信号強度検出手段で検出した信号強度相応分をそれぞれ差し引く補正処理を行う画像補正手段を備えている。
実施例装置の信号強度検出手段は、バッファメモリ24,しきい値発生器25、鉛片像域検出部26,比較器27,28,スイッチ29,および最小値メモリ30を中心に構成されている。
【0022】
バッファメモリ24は鉛片像域検出部26の出力信号によって画素信号をホールドする。鉛片像域検出部26は、タイミング信号発生器21の制御信号に基づき、AD変換器20からの画像信号が鉛片像を含む一定区域内の画素のものである時に出力信号を出す。しきい値発生器25は、比較器27の比較動作の基準となる基準信号を出力する。比較器27は画素信号と基準信号との信号強度の大小比較をおこなう。比較器28は、バッファメモリ24でホールドされている画素信号と最小値メモリ30に記憶されている画素信号の信号強度の大小比較をおこなう。スイッチ29は、比較器28からの出力信号によりオン・オフ動作(開閉動作)するスイッチである。スイッチ29が閉じられると、最小値メモリ30に記憶されていた信号が、バッファメモリ24にホールドされている画素信号に更新される。
【0023】
また、実施例装置の画像補正手段は、引算器31を中心に構成されていて、引算器31が、フレームメモリ22aあるいはフレームメモリ22bから読みだされる各画素信号から最小値メモリ30に記憶されている画素信号を引算処理してから加算器32へ出力する。
【0024】
さらに、実施例のX線撮影装置では、撮像部の移動過程で得られた異なる複数枚のX線画像を積分し、断層X線画像を得る画像積分手段として、加算器32およびフレームメモリ22a,22bと同一の各画素の番地付けで画素信号を格納記憶するフレームメモリ(画像記憶手段)33が設けられている。加算器32の一方の端子には、引算器31から送られててくる(例えばI番地)の画素信号が入力され、加算器32の他方の端子には、フレームメモリ33のI番地の画素信号が読みだされて入力される。加算器33により両画素信号が加算されてフレームメモリ33に送られ、そのI番地の新画素信号として更新記憶される。X線画像の全番地の画素信号について同様の処理を行い、X線画像の積分を実行し、断層X線画像を作成するのである。
【0025】
フレームメモリ22a,22bや、フレームメモリ33に記憶されているX線画像ないし断層X線画像は、適宜、DA変換器34を介してTVモニタ23に送られて画面上に映し出されたり、プリンタ(図示省略)によりシートに焼き付けられたりして、表示される。
なお、その他、実施例装置には撮影実行に必要な指令やデータ等を入力するための操作部35も設けられている。この操作部35は、キーボードや、いわゆるマウスなどの入力機器類で構成されている。
【0026】
続いて、以上に説明した構成を有する実施例装置により断層撮影を実行する時の動作を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
まずX線管2が位置F1で、天板1に載置された被検体MにX線を照射し、I・I管3が位置f1で透過X線を受け、TVカメラ部3aから透過X線検出信号がAD変換器20へ出力される。AD変換器20は透過X線検出信号をディジタル変換して、フレームメモリ22aに格納しX線画像を記憶する。この時、画素信号はバッファメモリ24へも出力されて、絶えず画素信号の記憶・更新がなされてもいる。フレームメモリ22aに記憶されるX線画像G1は、図2に示すように有効画面が円形である。X線画像G1の場合、画素信号は、タイミング信号発生器21の制御信号に従って、最上段の水平ラインにおける左側の番地から右側の番地へ(X方向)に順に格納され、右端までゆくと再び、最上段から一つ下(Y方向に1アドレス進んだ位置)の水平ラインにおける左側の番地から右側の番地へ(X方向)に順に格納されることが繰り返し行われ、最下段の水平ラインの右端の番地への格納が終われば、X線画像G1が記憶されたことになる。
【0028】
X線画像G1の形成・記憶と同時に、鉛片像域検出部26がタイミング信号発生器21の制御信号に基づき、バッファメモリ24へ出力されてくる画素信号が図2に一点鎖線で示した領域Eの中の画素のものであるか否かを監視している。領域Eは、内側に鉛片10の像(陰)を含むように鉛片10の設置位置に応じて予め決められている。鉛片像域検出部26は、タイミング信号発生器21からのタイミング信号を計数することにより、バッファメモリ24へ出力されてくる画素信号が領域Eに属するか否かを判定する。
【0029】
領域Eの中の画素であると判定した時は、鉛片像域検出部26が出力信号を出して、比較器27にバッファメモリ24が記憶中の画素信号と、しきい値発生器25からの基準信号とを(強度)比較する動作を開始させる。画素信号の強度が基準信号の強度より大きければ、何も起こらず次の処理に移る。
【0030】
しかしながら、例えば、図2に示すように、鉛片10の像GAを水平に横切るラインHLでは、水平ラインHLの左から右に沿って画素信号の強度の変化を見れば、図3に示すように、画素信号の強度が基準信号の強度を下回るようになる。図3の中に符号R1で示すように、画素信号の強度が、基準信号の強度より小さければ、比較器27が出力信号を出しバッファメモリ24の画素信号をホールドするとともに、比較器28が、ホールドされた画素信号と最小値メモリ30に記憶されている最小値信号(最初は例えば基準信号を記憶させておく)の強度の比較を開始する。
【0031】
ホールドされた画素信号の強度が最小値信号の強度より大きければ、そのままで、バッファメモリ24のホールドも解除されて、何も起こらずに次の処理に移る。しかし、ホールドされた画素信号の強度が最小値信号の強度より小さければ、比較器28が出力信号を出しスイッチ29を一定期間だけ閉じる(オンにする)。スイッチ29が閉じると、最小値メモリ30にそれまで記憶されていた最小値信号が、バッファメモリ24にホールドされた画素信号に変更記憶(更新)される。
以下、領域Eにおける上辺から下辺の間の水平ラインの各画素についての画素信号に対し同様の処理が行われて、結果的に、例えば図3に示された最小強度値の画素信号min1が最小値メモリ30に記憶される。
【0032】
そして、この最小値メモリ30に記憶されている画素信号min1は、散乱X線だけによる信号と決定される。なぜなら、鉛片像は、直進X線が遮られ、散乱X線によって生じた信号だからである。通常、鉛片像における画素の画素信号の中でも、強度が最小の信号が、散乱X線のみによる信号分と正確に対応していると見ることができる。領域Eの外側の画素についての画像信号の時は、勿論、比較器27,28は全く動作することなく、次の処理へ移る。このようにして、X線画像G1の記憶と、散乱X線の影響分相当の画素信号min1の検出記憶が終了する。
【0033】
X線画像G1の記憶と画素信号min1の検出記憶の終了に続き、次に引算器31による補正処理がおこなわれる。すなわち、X線画像G1の各画素の画素信号が順に読み出されて、引算器31で画素信号min1の分が差し引かれた後、加算器32を経てフレームメモリ33に格納される。引算器31による引算処理により、フレームメモリ33に記憶された画像は散乱X線による影響が除かれたものとなっている。
【0034】
一方、このX線画像G1に対する補正処理の実行と平行して、X線管2が位置F2に移動させられるとともに、I・I管3が位置f2に移動させられて撮影が行われ、同様にして、図4に示すX線画像G2の記憶と、図4に一点鎖線で示す領域Eの中の画素の画素信号のうち強度が最小の画素信号min2の検出記憶が実行される。X線画像G2はフレームメモリ22bに記憶される。なお、最小値メモリ30は、勿論、画素信号min2を検出する処理中も、先に検出記憶している画素信号min1を必要な期間は、保持する構成となっている。
また、X線管2が位置F2に移動する際、鉛片10も連動して移動するので、図4に示すように、鉛片10の像GAはX線画像G2の真ん中へ移る。
【0035】
X線画像G2の記憶と画素信号min2の検出記憶の終了に続き、次にX線画像G2に対し引算器31による補正処理がおこなわれる。この場合も、X線画像G2に対する補正処理の実行と平行して、X線管2が位置F3に移動させられるとともに、I・I管3が位置f3に移動させられて撮影が行われ、同様にして、図5に示すX線画像G3の記憶と、図5に一点鎖線で示す領域Eの中の画素の画素信号のうち強度が最小の画素信号min3の検出記憶が実行される。X線画像G3はフレームメモリ22aに記憶される。X線管2が位置F3に移動する際、鉛片10も連動して移動するので、その像GAは、図5に示すように、さらに下方へ移る。
【0036】
一方、X線画像G2に対する補正処理は、X線画像G1の場合と同様であるが、引算処理後のフレームメモリ33への格納動作が、X線画像G1の場合と少し異なる。引算処理されたX線画像G2の(例えばJ番地の)画素の画素信号は、フレームメモリ33におけるJ番地の画素信号が読みだされて、両画素信号が加算され、フレームメモリ33のJ番地に格納(更新記憶)される。全画素について画素信号の加算・記憶更新の処理が終われば、X線画像G1,G2が積分されたことになる。勿論、X線画像G3も同様に画像成分処理されて、結果的にフレームメモリ33には、図6に示すように、X線画像G1〜G3が積分されて得られた断層X線画像G4が記憶されることになる。
なお、上述の実施例装置による断層撮影動作の一連の流れを、図8に示すフローチャートの上に纏めて示す。
また、上の説明では、X線の照射角度が異なる3枚のX線画像を得て積分し、1枚の断層X線画像を得ているが、勿論、実際の場合、撮像部の移動過程で得られるX線画像は、3枚に限らず、もっと多数枚得て積分するのが普通である。
【0037】
なお、各X線画像G1〜G3における鉛片像GAのところは、補正処理により各X線画像での略0レベルとなるので、フレームメモリ33に積分記憶された断層X線画像G4では、図7に示すように、鉛片像GAの跡が上下に続く帯状像Gaとなって薄く現れるが、帯状像Gaによって関心裁断面上の像が隠れることはない。
【0038】
そして、断層X線画像G4は、従来のものに比べコントラストが向上している。図7は、断層X線画像G4の信号波形を示すグラフであるが、従来の場合、図7に一点鎖線で示すように、表示画像における濃淡変化に関係する信号分Saと、表示画像における濃淡変化に関係しない散乱X線によるオフセット分Baとを合わせた信号範囲に(例えば256階調の)濃度変化範囲全体が割当てられる。これに対して、この発明の場合、図7に実線で示すように、散乱X線によるオフセット分Baは除去され、表示画像における濃淡変化に関係する信号分Sbだけに濃度変化範囲全体が割当てられる。この結果、表示された断層X線画像では濃淡変化が従来より顕著となり、コントラストが向上して、患部の微細な変化もよく分かるようになる。
【0039】
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
(1)上記実施例は、断層撮影において散乱X線の影響が除かれる構成であったが、X線画像の積分を行わない通常のX線透視撮影において散乱X線の影響が除かれる構成のものも、変形例としてあげることができる。
【0040】
(2)上記実施例では、X線管の移動に連動して鉛片の移動が行われる構成であったが、X線管と鉛片との位置関係を固定するものも変形例としてあげられる。ただ、この場合は、断層X線画像で鉛片像が濃く現れる。しかし、鉛片像が断層X線画像の周辺部など診断に支障のない位置に鉛片を設置すれば、実用上は、特に問題にはならない。
【0041】
(3)上記実施例では、断層撮影の際にX線管およびI・I管が平行移動する構成であったが、断層撮影の際にX線管およびI・I管が、円弧移動、渦巻き移動、楕円移動など他の周知の移動態様をとる構成のものも、変形例としてあげられることは言うまでもない。
【0042】
(4)上記実施例では、X線管と被検体との間に配置するX線遮蔽片が、小円板状の鉛片であったが、X線遮蔽片の形は円板に限らないし、材料も鉛に限らないことも言うまでもない。
【0043】
(5)上記実施例では、各X線画像の積分前に散乱X線の影響を除く(引算)補正処理を行う構成であったが、各X線画像を補正前に積分するとともに、各X線画像における最小強度の画素信号min1〜min3の加算値を得て、積分されたX線画像に対し纏めて散乱X線の影響を除く(引算)補正処理を行う構成のものも、変形例としてあげられる。
【0044】
(6)上記実施例では、領域Eの中の鉛片像エリアの画素の画素信号のうち強度が最小の画素信号を散乱X線による信号強度相応分としたが、散乱X線による信号強度相応分は、強度が最小の画素信号に限らない。例えば、X線画像の中の鉛片像エリアの幾つかの画素の画素信号の平均値を信号強度相応分とする構成のものが、変形例としてあげられる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明のX線撮影装置によれば、X線画像から、散乱X線の影響によるオフセット分が除去されるので、表示画像における濃淡変化を大きくすることができ、コントラストが向上する。
【0046】
また、請求項2のX線撮影装置によれば、X線とイメージインテンシファイアとを連動して移動させた過程で得られる異なる複数のX線画像を積分する構成を有するので、断層X線画像が得られるとともに、X線遮蔽片の位置が変化するので、断層X線画像上には、X線遮蔽片の像(移動軌跡)が薄く出るだけであり、X線遮蔽片の像で画像が隠れてしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のX線撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施例装置で得たX線画像を模式的に示す図である。
【図3】図2のX線画像の水平方向での画素信号強度の変化を示すグラフである。
【図4】実施例装置で得た他のX線画像を模式的に示す図である。
【図5】実施例装置で得た他のX線画像を模式的に示す図である。
【図6】実施例装置で得た断層X線画像を模式的に示す図である。
【図7】図7の断層X線画像での画素信号強度の変化を示すグラフである。
【図8】実施例装置による断層撮影動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】この発明のX線撮影装置による断層撮影の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
2…X線管
3…イメージインテンシファイア
4…撮影像部
10…小円板状の鉛片
20…AD変換器
23…TVモニタ
22a,22b…フレームメモリ
27,28…比較器
30…最小値メモリ
31…引算器
32…加算器
33…フレームメモリ
Claims (2)
- 被検体を挟んで対向設置されたX線管およびイメージインテンシファイアと、被検体へのX線曝射に伴ってイメージインテンシファイアから出力される透過X線検出信号をディジタル変換してX線画像を作成する画像形成手段と、X線画像を記憶する画像記憶手段と、X線画像を表示する画像表示手段とを備えているX線撮影装置において、前記X線管と被検体との間に位置するとともにX線画像の中に像として出現するよう配置されたX線遮蔽片と、X線画像におけるX線遮蔽片像エリアの画素の中で、最小の信号強度を検出する信号強度検出手段と、X線画像の各画素信号について前記信号強度検出手段により検出された最小の信号強度相応分をそれぞれ差し引く補正処理をおこなう画像補正手段とを備えていることを特徴とするX線撮影装置。
- 請求項1に記載のX線撮影装置において、X線管とイメージインテンシファイアとが、被検体における関心裁断面上の点を挟んで対称な位置関係になるように、X線管とイメージインテンシファイアとからなる撮像部を連動して移動させる撮像部移動手段と、撮像部の移動過程で得られる各X線画像において、X線遮蔽片像の出現位置が変化するように、撮像部の移動に伴って、X線管に対するX線遮蔽片の位置を変えるX線遮蔽片移動手段と、撮像部の移動過程で得られる各X線画像を積分して被検体の関心裁断面の断層X線画像を得る画像積分手段とを備えているX線撮影装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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