JP3664110B2 - 物体種別判定装置及び物体種別判定方法 - Google Patents

物体種別判定装置及び物体種別判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて非可視光のレーザ光や電波等を放出し車両前方に存在する物体による反射波から物体の有無を検出し、検出した物体から走行車両、標識などを判別する物体種別判定装置及び物体種別判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーダを用いて物体の種別を判定する物標判定装置としては、例えば、特開2000−132799号公報に開示された制御対象選別装置がある。
【0003】
この制御対象選別装置は、距離計測手段を備え、まず、距離計測手段で計測したデータに応じて複数の距離グループに纏めることで検出グループを生成する。
【0004】
制御対象選別装置は、検出グループの生成を距離計測毎に行い、それぞれの検出グループの位置や動きによってさらにグループ化して、一つの物体として認識する。
【0005】
そして制御対象選別装置は、認識した物体を動きと、物体の幅によって先行車であるか、デリニエイタであるか、標識であるかの判断をしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の物体の種別を判定する物標判定装置である制御対象選別装置は、検出した物体の位置と動き及び物体の幅といった情報で物体の種別を判定している。
【0007】
しかし、このような手法による物体の種別の判定では、例えば、自車両の前に先行して走行する車両が存在しない場合、高速道路上で遠方の頭上に行き先等を表示した案内標識は車両より明らかに大きいため停止車両と判定することはないが、普通車両と同等もしくは大型トラックと同等の標識は停止車両であるのか、標識であるのかを判定することは非常に困難である。
【0008】
したがって、従来の手法では、自車線前方にある停止物体を車両と標識とに区別することはできないといった問題がある。
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、検出した物体を走行車両、停止物体とに的確に識別することができる物体種別判定装置及び物体種別判定方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明では、上述の課題を解決するために、自車両に搭載されて自車両前方に存在する物体の種別を判定する物体種別判定装置であって、自車両前方に存在する上記物体に送信波を走査させ、上記物体から反射される反射波を検出し、検出した反射波に基づいて、上記自車両に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体位置検出手段と、自車両前方に存在する上記物体の自車両に対する相対速度を上記物体位置検出手段で検出された各検出点ごとに検出する相対速度検出手段と、上記物体位置検出手段により生成した各検出点の物体位置、及び上記相対速度検出手段で検出した各検出点の相対速度に基づくグループ化処理を行って、複数の検出点の検出点群からなる上記物体を検出する物体検出手段と、上記物体検出手段で検出された物体を示す検出点群の相対速度に基づいて、上記物体が走行車両であるのか、停止物体であるのかの判定をする第1判定手段と、上記第1判定手段によって上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在する場合、上記停止物体を頭上標識であると判定する第2判定手段と、上記各物体についての最大検出点数と、上記物体位置検出手段で検出された検出点数との割合を示すデータ充填率を算出する演算手段と、上記第1判定手段によって上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在しない場合、上記演算手段によって算出されたデータ充填率に基づいて上記停止物体の種別を判定する第3判定手段とを備える。
【0011】
請求項2に係る発明では、上記演算手段は、上記検出点数をn、上記検出点の自車両との距離の平均値をZ、物体を示す検出点の端部幅をW、上記物体位置検出手段が上記物体を走査する角度をθとした場合に、上記データ充填率を
(n×Z×tanθ)/W
で表現される式を用いて演算する。
【0012】
請求項3に係る発明では、上記第2判定手段は、判定対象である停止物体と、上記自車両との間にある上記走行車両を示す検出点群のばらつきが大きい場合にのみ上記停止物体を頭上標識であると判定する。
【0013】
請求項4に係る発明では、上記第3判定手段は、上記停止物体を示す検出点群の相対速度、幅、上記反射強度、データ充填率に基づいて、停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に分類する判定をする。
【0014】
請求項5に係る発明では、上記第3判定手段は、上記物体位置検出手段の走査範囲内に他の物体が存在しない場合に上記停止物体を停止車両と判定し、走査範囲内に他の物体が存在する場合に上記停止物体を大標識と判定する。
【0015】
請求項6に係る発明では、上記第3判定手段は、上記停止物体が小標識/デリニエイタであると判定された場合、判定処理を判定処理回数が所定の回数となるまで継続させる。
【0016】
請求項7に係る発明では、上述の課題を解決するために、自車両に搭載されて自車両前方に存在する物体の種別を判定する物体種別判定方法であって、自車両前方に存在する上記物体に送信波を走査させ、上記物体から反射される反射波を検出し、検出した反射波に基づいて、上記自車両に対する物体位置を示す複数の検出点を生成すると共に、自車両前方に存在する上記物体の自車両に対する相対速度を各検出点ごとに検出し、上記各検出点の物体位置、及び各検出点の相対速度に基づくグループ化処理を行って、複数の検出点の検出点群からなる上記物体を検出し、上記物体を示す検出点群の相対速度に基づいて、上記物体が走行車両であるのか、停止物体であるのかの判定をし、上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在する場合、上記停止物体を頭上標識であると判定し、上記各物体についての最大検出点数と、上記検出点数との割合を示すデータ充填率を算出し、上記物体が相対速度に基づいて停止物体であると判定され、上記停止物体と上記自車両との間に走行車両がない場合、少なくとも上記算出されたデータ充填率に基づいて上記停止物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に判定する。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、停止物体と自車両との間にスキャン範囲の角度が重複して走行車両が存在する場合であっても、データ充填率に基づいて停止物体の種別を判定することができ、検出した物体を走行車両、停止物体とに的確に識別することができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、検出点数n、検出点の自車両との距離の平均値Z、物体を示す検出点の端部幅W、物体を走査する角度θを用いた演算式を用いてデータ充填率を演算して停止物体の種別を判定することができ、請求項1に係る発明と同様に、検出した物体を走行車両、停止物体とに的確に識別することを実現することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、第2判定手段により判定対象である停止物体と、自車両との間にある走行車両を示す検出点群のばらつきが大きい場合にのみ停止物体を頭上標識であると判定するので、停止物体と走行車両とが走査範囲の角度的にオーバーラップする場合の誤判定を防止することができる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、第3判定手段により停止物体を示す検出点群の相対速度、幅、反射強度、データ充填率に基づいて、停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に分類する判定をするので、前方の停止物が普通車や大型トラックの幅と同等な標識であっても確実に標識と車両との区別をすることができる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、第3判定手段により走査範囲内に他の物体が存在しない場合に停止物体を停止車両と判定し、走査範囲内に他の物体が存在する場合に停止物体を大標識と判定するので、標識の自車両に対する手前に物体が存在する場合には標識の一部の検出点が手前の物体により検出することができない場合があり、データ充填率が停止車両の判定条件に一致する場合に対応することができる。したがって、手前に物体が存在する停止物体に対しては大標識とすることにより停止車両の誤判定を防止することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、第3判定手段により停止物体が小標識/デリニエイタであると判定された場合、判定処理を判定処理回数が所定の回数となるまで継続して判定結果を見直すことができ、物体の一部が走査範囲に存在する場合には、物体幅が狭く小標識/デリニエイタと判定されるが、時間が経過して物体の完全に走査範囲内に存在する場合には誤判定となることを防止することができる。したがって、小標識/デリニエイタと判定した物体については分類の決定を再度見直すことにより誤判定を防止することができる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、停止物体と自車両との間にスキャン範囲の角度が重複して走行車両が存在する場合であっても、データ充填率に基づいて停止物体の種別を判定することができ、検出した物体を走行車両、停止物体とに的確に識別することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
本発明は、例えば図1に示した物体種別判定装置に適用される。
【0026】
[物体種別判定装置の構成]
図1は、車両に搭載される物体種別判定装置の機能的な構成を示すブロック図である。この物体種別判定装置は、車両前方に設けられたレーザレーダ1と、車両走行時の挙動を検出する車両挙動検出部2と、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2からの情報に従って自車両前方に存在する物体を検出する物体検出処理をし、さらに検出した物体の種別を判定する物体種別判定処理をする演算部3とを備えて構成されている。
【0027】
物体種別判定処理とは、例えば、自車両に先行して走行する先行走行車両と停止物体とを判定し、さらには停止物体が自車両前方にある頭上標識であるのか等を判定する処理である。この物体種別判定処理を行うことにより、自車両の運転者に自車両の前方に存在する先行走行車両や停止物体を提示する。
【0028】
レーザレーダ1は、図2(a)の側面図及び図2(b)の上面図に示すように、自車両11の前方部分11aに配設され、出射するレーザ光Lの光軸が自車両11に垂直であって、レーザ光Lをスキャニング面を路面と平行になるように設定されている。
【0029】
このレーザレーダ1は、スキャニング面において所定の角度で光軸を変更することで、所定のスキャン範囲でレーザ光Lを走査させる。これにより、レーザレーダ1は、スキャン範囲に存在する物体にレーザ光Lを照射する。
【0030】
このレーザレーダ1は、出射したレーザ光が前方に存在する物体に照射されて反射された反射レーザ光を検出することで、反射レーザ光の光強度に基づいた反射信号を取得する。レーザレーダ1は、取得した反射信号を用いた距離計測処理をすることで、物体と自車両との距離を示す距離計測情報を生成して演算部3に出力する。
【0031】
車両挙動検出部2は、車両のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサと、車両左右後輪の車輪速を検出する車輪速センサとを備える。更に、この車両挙動検出部2は、シフトポジションセンサ及び車輪速センサからのセンサ信号を用いて、車両位置、車両進行方向、車両の向き、移動距離を算出する演算装置を備える。
【0032】
この車両挙動検出部2は、各センサからの上記車両位置、進行方向、車両の向き、移動距離を、車両走行情報として演算部3に出力する。
【0033】
演算部3は、車両内部に搭載されたCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力I/F等からなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0034】
この演算部3は、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2からの情報に基づいて、自車両11の前方に存在する物体を検出する物体検出処理をし、さらに検出した物体が先行走行車両であるのか、標識などの停止物体であるのかを判定する物体種別判定処理をする。なお、この物体種別判定処理の詳細については後述する。
【0035】
[演算部3の動作]
『頭上標識の検出』
図3を用いて、前方の物体を検出し、検出した物体が頭上標識であるかどうかを演算部3により判定する手法について説明をする。本例では、自車両11の前方に走行車両12、さらに前方に頭上標識13がある場合について説明する。
【0036】
まず、レーザレーダ1は、レーザ光を出力し前方にある物体、走行車両12、頭上標識13を一次元的(x方向)にスキャニングする。レーザレーダ1は、物体から反射された反射レーザ光の光強度に基づいた反射信号を取得し、取得した反射信号に基づいた距離計測処理を行い距離計測情報を演算部3に送出する。
【0037】
走行車両12、頭上標識13に示されている複数の検出点からなる点列は、レーザレーダ1でスキャニングし、距離計測処理を行うことで算出された検出点を距離位置でプロットしたものである。
【0038】
演算部3は、レーザーレーダ1、車両挙動検出部2のそれぞれから出力された距離計測情報、車両走行情報に基づいて、複数の検出点をグルーピングして物体を示す検出点群を生成して物体検出処理を行う。
【0039】
演算部3は、検出点群に含まれる検出点のうち、隣接する検出点の距離差が1m程度であれば、同一反射物として検出点のグループ化を行う。演算部3は、車両挙動検出部2から出力された車両走行情報からこのグループ化した検出点群の相対速度を演算し、時系列的に位置や相対速度が同じであった場合、さらに検出点のグループ化を行って検出点群を物体として検出する。
【0040】
演算部3は、検出点群を物体として認識した後、検出点群の自車両11に対する相対速度に基づいて物体が走行車両か、停止物体かの判定をする。このとき、演算部3は、物体の自車両11に対する相対速度が所定のしきい値Vt1以上であれば走行車両とし、物体の自車両11に対する相対速度がしきい値Vt2以下であれば停止物体とする。なお、しきい値Vt1,Vt2は、予め設定されて演算部3内の図示しないメモリに格納された値である。これにより、図3における走行車両12は、演算部3によって走行車両として認識され、頭上標識13は停止物体として認識される。
【0041】
さらに、演算部3は、停止物体として認識した物体の計測点である左端点θl、中点θc、右端点θrのいずれかが走行車両の検出範囲内(角度)にあれば、頭上標識候補とする。これは、レーザレーダ1により一次元のスキャンを行った場合に、走行車両よりも高い位置に存在しなければ、角度的に停止物体と走行車両とはオーバーラップすることはないことによる。これにより、走行車両よりも高い位置でオーバーラップする停止物体は頭上標識の候補と判別する。
【0042】
図3では、停止物体として認識されている頭上標識13の検出点のうち右端検出点θrが、走行車両12の検出範囲内にあるため、頭上標識13は、頭上標識候補として演算部3に認識される。
【0043】
ただし、走行車両と停止車両とが距離計測の計測誤差によりオーバーラップする場合があり、この場合には、停止車両を頭上標識と誤判別させないために、走行車両の検出点の分散の程度がしきい値Nt1以上であるのみを停止物体を頭上標識候補とする。
【0044】
これは、走行車両と頭上標識とがオーバーラップする場合、オーバーラップする領域(スキャン範囲)では標識距離を示す検出点と車両距離を示す検出点とが混在するため、その角度における距離精度が悪くなり、走行車両検出領域内の検出点のばらつきが大きくなる。このため、走行車両の検出点のばらつきが大きければ(検出点分散がしきい値Nt1以上)、オーバーラップする停止物体を頭上標識候補とする。
【0045】
『距離データ充填率R』
次に図4を用いて、物体種別を判定するときに使用する上記各物体についての最大検出点数と、上記物体位置検出手段で検出された検出点数との割合を示す距離データ充填率Rについて説明をする。
【0046】
距離データ充填率Rは、nを検出点数、Zを距離、Wを物体幅、θをスキャン角度とすると、下記式(1)のように表すことができる。なお距離Zは、グルーピングした結果得た検出点群からなる物体と自車両11との距離を示しているが、物体の検出点は複数個あるため、各検出点に対する距離はそれぞれ多少のズレを含んでいる。したがって、ここで使用する距離Zは、検出距離の平均値又は中央値とする。
【0047】
R=(n×Z×tanθ)/W 式(1)
距離データ充填率Rは上記式(1)を用いて演算部3によって算出され、0〜1.0の数値をとる。例えば、物体幅Wに対応する検出範囲全てに検出点(距離データ)が存在すれば1.0となり、全てから検出点が得られない場合には1.0以下の値となる。標識の場合には、遠方からでも検出範囲の殆どから検出点が得られるため式(1)として示した距離データ充填率Rは1.0に近い値を示す。一方、遠方の車両では車両に備えられたリフレクタからのみ検出点が得られるため、距離データ充填率Rは小さい値となる。
【0048】
図4に示した物体幅Wの物体14において、例えば、得られる最大の検出点数は8個であり、物体14の検出点数nが7個であったとすると、距離データ充填率Rは0.875となり1.0近くになる。この場合、演算部3は物体14を標識であると判定する。また、物体14の検出点数nが2個であったとすると、距離データ充填率Rは0.25というように小さい値となり、この場合、演算部3は物体14を車両であると判定する。
【0049】
『停止物体の分類』
続いて、図5を用いて、停止物体として認識された物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかに分類する方法について説明をする。
【0050】
演算部3は、停止物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかに分類する際、グルーピングした検出点群についての相対速度V(例えば平均相対速度)、グルーピングした検出点群からなる物体幅W、グルーピングした検出点群からなる反射強度P(例えば平均反射強度)、距離データ充填率Rを用いる。
【0051】
演算部3は、物体の相対速度がしきい値Vt2以下で停止物体と認識した際に、以下に示す第1条件〜第4条件に基づいて、停止物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかに分類する。
【0052】
第1条件:停止車両に分類する条件は、物体幅Wが広く、距離データ充填率Rが小さいものを停止車両と分類する。なお、図5の停止物体16がこの条件に当てはまり、停止物体16を停止車両に分類する。
【0053】
第2条件:分類対象の手前に重なる物体が存在する場合は、大標識に分類する。なお、図5の停止物体17の手前に停止物体18が存在し、この条件に当てはまるため大標識に分類する。
【0054】
第3条件:物体幅Wが広く、距離データ充填率Rが大きい場合、大標識に分類する。
【0055】
第4条件:物体幅Wが狭い場合、小標識/デリニエイタに分類する。なお、図5では、停止物体15と、停止物体18がこの条件に相当し、小標識/デリニエイタに分類する。ただし、物体幅Wが広く、反射強度Pが弱いものについても、小標識/デリニエイタとする。また、反射強度Pが弱いものについては、判別の制度が落ちるため一旦判別後にも判別結果を見直すことが可能である小標識/デリニエイタに分類する。
【0056】
次に、演算部3は、上記第1条件〜第4条件で分類した検出点数がN個以上であれば、各検出点の分類結果の合計から、一番多い分類を物体種類の判定結果とする。上記第1条件〜第4条件で分類した検出点数がN個未満であれば、N個以上になるまで測定を継続させる。具体的には、図5に示す場合において、停止物体17を構成する検出点のうち、5個の検出点が上記第2条件又は第3条件により大標識に分類されたときには停止物体17の物体種別を大標識とする。
【0057】
演算部3は、小標識/デリニエイタに分類した停止物体について測定を継続し、判定結果を適時見直すこととする。その他に分類された停止物体については判定結果の見直しは実施しないこととする。
【0058】
『小標識/デリニエイタの判別見直し』
図6に、上述したように停止物体を分類する場合において、停止物体が小標識/デリニエイタに分類された検出点の判定結果を見直すときの処理を説明するための図を示す。
【0059】
例えば図6に示す停止物体19のように幅が広い物体では、自車両が走行して停止物体19との距離が次第に小さくなる場合、時間的に前では停止物体19の一部しかレーザレーダ1のスキャン範囲に存在しないために、小標識/デリニエイタに分類していても、距離が近づくにつれて物体全体がスキャン範囲内に存在するために小標識/デリニエイタには分類できない停止物体がある。
【0060】
このような場合に、停止物体19が完全にスキャン範囲に入っていない時間的に前の段階で小標識/デリニエイタに分類されたことは誤判定となる。したがって、演算部3は、小標識/デリニエイタと判別された物体に関して、このような誤判定を防止するために判定結果を見直す作業を実行する。演算部3による判定結果の見直しは、最初の判定と同様に検出データ数がN回以上のときに行い、判定結果が同じである場合には検出データ数をリセットする。
【0061】
『演算部3による物体種別判定処理手順』
続いて図7に示すフローチャートを用いて、物体種別判定装置による物体種別判定処理の手順について説明をする。
【0062】
ステップS1において、レーザレーダ1により自車両11の前方をスキャンすることで前方反射物からの信号を受信し、距離Zと反射強度Pとを含む検出点の計算してステップS2に処理を進める。
【0063】
ステップS2において、ステップS1で得た検出点において、隣接する検出点のうち距離差が小さいものを演算部3によりグループ化し、このグループ化した検出点群が時系列的に位置や相対速度が同じであればさらにグループ化を行う。演算部3によりグループ化処理を複数回実施することで、検出点群から構成される自車両11前方の物体存在を検出してステップS3に処理を進める。
【0064】
ステップS3において、演算部3によりステップS2で検出した各物体の相対速度から走行車両存在判定を行う。演算部3により相対速度がしきい値Vt1以上と判定したら処理をステップS4へと進め、相対速度がしきい値Vt1未満と判定したら処理をステップS5へと進める。
【0065】
ステップS4において、演算部3によりステップS2で検出された物体を構成する検出点群について、走行車両を構成する検出点であることを示す走行車両フラグを立てて、物体種別判定処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS5において、演算部3によりステップS2でグループ化した検出点群の相対速度から停止物体の判定を行う。演算部3は、相対速度がしきい値Vt2以下であれば停止物体としてステップS6へと処理を進め、相対速度がしきい値Vt2より大きければ物体判定を行わず処理をステップS1へと戻す。
【0067】
ステップS6において、演算部3により頭上標識候補の抽出を行う。ステップS5において停止物体と判別された物体を構成する検出点のうち、の右端に位置する検出点、中心に位置する検出点、左端に位置する検出点のいずれかが自車両11に対して手前を走行する走行車両のスキャン範囲に存在する場合、当該物体を構成する検出点群を頭上標識候補としてステップS7に処理を進める。すなわち、演算部3により、自車両11からみて停止物体より手前に走行車両が存在し、自車両11からみて停止物体を検出したスキャン範囲と走行車両を検出したスキャン範囲とがオーバーラップするか否かの判定をして、オーバーラップするときにはステップS7に処理を進め、オーバーラップしないときにはステップS8に処理を進める。
【0068】
ステップS7において、演算部3により頭上標識の判定を行う。ステップS6で頭上標識候補とした物体を示す検出点群とスキャン範囲の角度的にオーバーラップする走行車両を示す検出点群の分散がしきい値Nt1以上であれば処理をステップS8に進め、分散がNt1未満であるときには頭上標識と判定せずに処理をステップS9に進める。
【0069】
ステップS8において、演算部3により、ステップS6で走行車両にオーバーラップしているとした停止物体を示す検出点群を頭上標識であると判定し、停止物体を構成する各検出点に頭上標識であることを示すフラグを立てて、物体種別判定処理を終了する。
【0070】
ステップS9において、演算部3により停止物体の種別を判定するために必要な特徴量の計算を行う。停止物体の種別を判定するための特徴量は検出点群の相対速度、物体幅W、反射強度P、距離データ充填率Rとする。反射強度Pは物体を構成する検出点群における最大強度Pとし、距離データ充填率Rは上述した式(1)から求める。演算部3は、特徴量を算出すると次のステップS10に処理を進める。
【0071】
ステップS10において、演算部3により、上記第1条件〜第4条件を適用することで求めた特徴量から停止物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかに分類してステップS11に処理を進める。
【0072】
ステップS11において、ステップS10で演算部3により分類された総検出点数が物体判定に必要な検出点数に達しているか否かの判定を行う。演算部3により総検出点数がN個以上であれば、次のステップS12に処理を進め、必要検出点数に達していなければ処理をステップS1へと戻す。
【0073】
ステップS12において、演算部3により物体判定を行う。停止車両、大標識、小標識/デリニエイタに分類された検出点数から、一番数の多いものを判定結果とし、次のステップS13に処理を進める。ただし、検出点数が同数の場合はステップS1以降の次回の処理に移る。また、演算部3は、停止物体が小標識/デリニエイタと判定され、上述した理由により再判定する場合には、蓄積された分類した結果をリセットする。
【0074】
ステップS13において、演算部3は物体判定の終了判定を行う。演算部3は、ステップS12で停止物体が小標識/デリニエイタ以外と判定された場合は物体判定を終了し、小標識/デリニエイタと判定された物体は再度ステップS1に戻って、再判定を行う。
【0075】
このようにして、物体種別判定装置は、自車両11の前方にある物体を検出し、さらに検出した物体が走行車両であるのか、頭上標識であるのか、小標識/デリニエイタであるのかという物体の種別を判定することができる。
【0076】
[実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る物体種別判定装置によれば、停止物体と自車両11との間にスキャン範囲の角度が重複して走行車両が存在する場合であっても、距離データ充填率Rに基づいて停止物体の種別を判定することができ、検出した物体を走行車両、停止物体とに的確に識別することができる。
【0077】
また、物体種別判定装置によれば、判定対象である停止物体と、自車両との間にある走行車両を示す検出点群のばらつきが大きい場合にのみ停止物体を頭上標識であると判定するので、停止物体と走行車両とがレーザレーダ1のスキャン範囲の角度的にオーバーラップする場合であっても、誤判定を防止することができる。
【0078】
更に、物体種別判定装置によれば、停止物体を示す検出点群の相対速度、幅、反射強度、距離データ充填率Rに基づいて、停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に分類する判定をするので、前方の停止物が普通車や大型トラックの幅と同等な標識であっても確実に標識と車両との区別をすることができる。
【0079】
更にまた、物体種別判定装置によれば、スキャン範囲内に他の物体が存在しない場合に停止物体を停止車両と判定し、スキャン範囲内に他の物体が存在する場合に停止物体を大標識と判定するので、標識の自車両11に対する手前に物体が存在する場合には標識の一部の検出点が手前の物体により検出することができない場合があり、距離データ充填率Rが停止車両の判定条件に一致する場合に対応することができる。したがって、この物体種別判定装置によれば、手前に物体が存在する停止物体に対しては大標識とすることにより停止車両の誤判定を防止することができる。
【0080】
更にまた、物体種別判定装置によれば、停止物体が小標識/デリニエイタであると判定された場合、判定処理を判定処理回数が所定の回数となるまで継続させて判定結果を見直すので、物体の一部がスキャン範囲に存在する場合には、物体幅が狭く小標識/デリニエイタと判定されるが、時間が経過して物体の完全にスキャン範囲内に存在する場合には誤判定となることを防止することができる。したがって、この物体種別判定装置によれば、小標識/デリニエイタと判定した物体については分類の決定を再度見直すことにより誤判定を防止することができる。
【0081】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した物体種別判定装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】レーザレーダを自車両の前方部分に搭載したときのレーザ光の光軸を説明するための側面図(a)及び上面図(b)である。
【図3】演算部により頭上標識を検出する際の処理内容について説明するための図である。
【図4】演算部により算出される距離データ充填率について説明するための図である。
【図5】演算部により検出された停止物体を3つの種別に分類する際の処理内容について説明するための図である。
【図6】演算部により小標識/デリニエイタに分類された停止物体を再判定する処理内容について説明するための図である。
【図7】本発明を適用した物体種別判定装置により自車両の前方の物体の種別を判定する際の処理手順について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーザレーダ
2 車両挙動検出部
3 演算部
11 自車両

Claims (7)

  1. 自車両に搭載されて自車両前方に存在する物体の種別を判定する物体種別判定装置であって、
    自車両前方に存在する上記物体に送信波を走査させ、上記物体から反射される反射波を検出し、検出した反射波に基づいて、上記自車両に対する物体位置を示す複数の検出点を生成する物体位置検出手段と、
    自車両前方に存在する上記物体の自車両に対する相対速度を上記物体位置検出手段で検出された各検出点ごとに検出する相対速度検出手段と、
    上記物体位置検出手段により生成した各検出点の物体位置、及び上記相対速度検出手段で検出した各検出点の相対速度に基づくグループ化処理を行って、複数の検出点の検出点群からなる上記物体を検出する物体検出手段と、
    上記物体検出手段で検出された物体を示す検出点群の相対速度に基づいて、上記物体が走行車両であるのか、停止物体であるのかの判定をする第1判定手段と、
    上記第1判定手段によって上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在する場合、上記停止物体を頭上標識であると判定する第2判定手段と、
    上記各物体についての最大検出点数と、上記物体位置検出手段で検出された検出点数との割合を示すデータ充填率を算出する演算手段と、
    上記第1判定手段によって上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在しない場合、上記演算手段によって算出されたデータ充填率に基づいて上記停止物体の種別を判定する第3判定手段と
    を備えることを特徴とする物体種別判定装置。
  2. 上記演算手段は、上記検出点数をn、上記検出点の自車両との距離の平均値をZ、物体を示す検出点の端部幅をW、上記物体位置検出手段が上記物体を走査する角度をθとした場合に、上記データ充填率を
    (n×Z×tanθ)/W
    で表現される式を用いて演算することを特徴とする請求項1記載の物体種別判定装置。
  3. 上記第2判定手段は、判定対象である停止物体と、上記自車両との間にある上記走行車両を示す検出点群のばらつきが大きい場合にのみ上記停止物体を頭上標識であると判定すること
    を特徴とする請求項1記載の物体種別判定装置。
  4. 上記第3判定手段は、上記停止物体を示す検出点群の相対速度、幅、上記反射強度、データ充填率に基づいて、停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に分類する判定をすること
    を特徴とする請求項1記載の物体種別判定装置。
  5. 上記第3判定手段は、上記物体位置検出手段の走査範囲内に他の物体が存在しない場合に上記停止物体を停止車両と判定し、走査範囲内に他の物体が存在する場合に上記停止物体を大標識と判定すること
    を特徴とする請求項4記載の物体種別判定装置。
  6. 上記第3判定手段は、上記停止物体が小標識/デリニエイタであると判定された場合、判定処理を判定処理回数が所定の回数となるまで継続させること
    を特徴とする請求項4記載の物体種別判定装置。
  7. 自車両に搭載されて自車両前方に存在する物体の種別を判定する物体種別判定方法であって、
    自車両前方に存在する上記物体に送信波を走査させ、上記物体から反射される反射波を検出し、検出した反射波に基づいて、上記自車両に対する物体位置を示す複数の検出点を生成すると共に、自車両前方に存在する上記物体の自車両に対する相対速度を各検出点ごとに検出し、
    上記各検出点の物体位置、及び各検出点の相対速度に基づくグループ化処理を行って、複数の検出点の検出点群からなる上記物体を検出し、
    上記物体を示す検出点群の相対速度に基づいて、上記物体が走行車両であるのか、停止物体であるのかの判定をし、
    上記物体が停止物体であると判定され、上記停止物体と、自車両との間に走行車両が存在する場合、上記停止物体を頭上標識であると判定し、
    上記各物体についての最大検出点数と、上記検出点数との割合を示すデータ充填率を算出し、
    上記物体が相対速度に基づいて停止物体であると判定され、上記停止物体と上記自車両との間に走行車両がない場合、少なくとも上記算出されたデータ充填率に基づいて上記停止物体を停止車両、大標識、小標識/デリニエイタのいずれかの種別に判定すること
    を特徴とする物体種別判定方法。
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